2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,260名(単体) 7,307名(連結)
  • 平均年齢
    43.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.5年(単体)
  • 平均年収
    5,981,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.4%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループは、かねてより『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』を企業理念及びパーパスとして掲げ取り組んでいるとおり、創業時から何よりも従業員を大切にしてまいりました。

 当社グループでは、お客様を大切にするためには、まず従業員を大切にしなければ「本当の親切」は実現しないと考えております。

 これは決してお客様を軽んじているわけではなく、お客様を大切にするには、まず会社が従業員を大切にしなければそのことは実現しません。従業員が笑顔で楽しく活き活きと働ける環境を作ることでお客様に伝わる本当の親切を提供することができるよう取り組んでおります。

 また、当社グループにおける従業員の給与等については、職務や職能に応じた等級を基に基本給を設定する職能等級制度を採用し、基本給のほか役職に応じた役職手当、目標達成に対する手当などの各手当を併せたものを基準内賃金としております。

 また、当社グループの業績向上に対する貢献意欲や士気を一層高めるため、上位管理職に対して株式付与ESOP信託による株式報酬制度も導入いたしております。

 

(2)【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

セグメント情報を記載していないため、事業部門別の従業員を示すと次のとおりであります。

 

(2026年3月31日現在)

事業部門等の名称

従業員数(名)

事務

638

[  130]

販売

6,018

[7,714]

配送・修理

651

[  593]

合計

7,307

[8,437]

(注)従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除く就業人員であり、臨時従業員数は[  ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

(2026年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,260

[1,993]

43.2

17.5

5,981

3.4

 

事業部門等の名称

従業員数(名)

事務

315

[   45]

販売

1,763

[1,813]

配送・修理

182

[  135]

合計

2,260

[1,993]

(注)1  従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であり、臨時従業員数は[  ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

(2026年3月31日現在)

 

事業所名

結成年月日

労働組合名称

組合員数

(名)

株式会社ケーズホールディングス

1997年2月28日

ケーズホールディングスユニオン(注)1

3,355

株式会社ギガス

1991年6月20日

UAゼンセンSSUA ギガス労働組合(注)2

1,108

株式会社関西ケーズデンキ

2004年11月17日

関西ケーズユニオン(注)1

1,259

株式会社ビッグ・エス

2007年5月17日

ビッグ・エス ユニオン(注)1

1,021

株式会社北越ケーズ

2008年10月1日

北越ケーズユニオン(注)1

877

株式会社九州ケーズデンキ

2019年11月1日

九州ケーズユニオン(注)1

946

株式会社デンコードー

1988年8月24日

UAゼンセン デンコードーユニオン(注)1

3,092

株式会社ケーズデンキテクニカルサポート

2022年1月18日

ケーズテクニカルサポートユニオン(注)1

430

(注)1  上部団体のUAゼンセンに加盟しております。なお、労使関係は安定しております。

2  上部団体のUAゼンセンSSUAに加盟しております。なお、労使関係は安定しております。

 

(4)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

①提出会社

当事業年度

管理的地位にある

労働者に占める女性

労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

6.1

91.7

52.7

77.5

73.6

(注)1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率

(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

株式会社ギガス

2.7

91.7

48.4

63.2

86.7

株式会社関西ケーズデンキ

3.8

66.7

49.2

75.1

104.0

株式会社ビッグ・エス

1.1

80.0

51.6

71.6

99.8

株式会社北越ケーズ

2.4

66.7

56.6

76.4

116.1

株式会社九州ケーズデンキ

7.0

88.9

61.3

75.3

90.2

株式会社デンコードー

4.7

100.0

59.7

74.3

91.2

株式会社ケーズキャリアスタッフ

46.8

55.6

株式会社ケーズデンキテクニカルサポート

30.8

50.0

68.4

103.2

43.9

株式会社ケーズキャリーサービス

81.3

98.5

100.0

(注)1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 (1)ガバナンス、(2)リスク管理についてはサステナビリティ全般を総括して記載しており、(3)戦略、(4)指標及び目標については①人的資本、②気候変動、③自然資本の各課題に分けて記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社グループは正しいことを無理せず、確実に実行していくという経営方針「がんばらない経営」や「従業員を大切にする」という考え方がサステナビリティの根幹となると考えております。

 そのような考えのもと、様々なサステナビリティ課題にグループ全体で取り組むため、サステナビリティに関する情報の共有、及び対応方針の検討、並びに取締役会において決定された対応方針の推進、進捗状況のモニタリングを目的とした「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ委員会は、少なくとも四半期に1回は開催しており、当該事業年度においては6回開催しております。

 参加者は当社取締役、及びグループ各社の代表取締役社長、並びに当社各本部長とし、委員長はサステナビリティの取組みに関する責任者と位置付けております。

 この委員会において検討された結果は取締役会に報告され、取締役会はサステナビリティ関連の対応方針を決定しております。

 また、取締役会はサステナビリティ委員会から対応や進捗状況などの報告を受け、サステナビリティ関連の取組みを監督しております。

 原則として、サステナビリティ委員会開催後は、直近の取締役会において報告することとしており、当該事業年度におけるサステナビリティ委員会から取締役会への報告は6回行われております。

 

(当該事業年度におけるサステナビリティ委員会から取締役会への報告内容等)

報告時期

内容

2025年4月

2024年度サプライヤーエンゲージメント実施報告

2025年7月

2024年度温室効果ガス排出量実績報告、カーボンニュートラル移行計画進捗状況報告

2025年8月

CDP2025質問書への回答内容報告

2025年12月

ケーズデンキグループ調達ガイドライン策定

2026年1月

CDP2025結果報告、サステナビリティ関連リスク管理プロセス実施報告(気候変動、自然資本、人的資本)、TNFDに沿った情報開示について予定・内容報告

2026年3月

ケーズデンキグループ環境方針策定、カーボンニュートラル移行計画改定、2025年度サプライヤーエンゲージメント経過報告

 

 

 

(2)リスク管理

 当社グループはリスク管理プロセスにおいて、グループ全体を横断したマネジメント体制を構築し、サステナビリティ関連課題についても全社的なリスクとして統合及び管理を行っております。

 当社グループのサステナビリティ関連リスク管理プロセスには、取締役会、サステナビリティ委員会、各部門・グループ各社、経営企画室、人事部・人材開発部、CSR部が携わっております。

 サステナビリティ関連マネジメント体制におけるそれぞれの役割は以下のとおりです。

会議体・部署

役割

取締役会

サステナビリティ関連課題に対して最終的な対応方針を決定し、推進・進捗状況をサステナビリティ委員会より報告を受け、監督する。

サステナビリティ委員会

サステナビリティ関連課題に対してグループ全体での情報共有、及び対応方針検討・取組みを推進し、取締役会に提案・報告する。

各部門・グループ各社

CSR部、人事部・人材開発部に所管するサステナビリティ関連リスク・機会に関する情報を提供、各本部長・グループ各社社長がサステナビリティ委員会に参加し、情報共有するとともに、対応方針に基づき対応を実行する。

経営企画室

CSR部、人事部・人材開発部から報告されたサステナビリティ関連リスクを全体リスクに統合する。

人事部・人材開発部

人的資本関連対応推進部署、グループ各社の管理部門と連携して人的資本関連リスク・機会の特定や対応戦略を検討し、経営企画室へ報告する。

CSR部

気候関連・自然資本関連対応推進部署、各部門・グループ各社と連携して気候関連・自然資本関連リスク・機会の特定・影響度評価等を行い経営企画室へ報告する。

また、人的資本関連においては、人事部・人材開発部のリスク・機会の特定・影響評価等への支援を行う。

 

 当社グループのサステナビリティ関連マネジメント体制及びリスク管理プロセスにつきましては、始めにCSR部、人事部・人材開発部が「TCFD提言」、「TNFD提言」、「人的資本可視化指針(内閣官房)」等を参照し、担当するサステナビリティ関連リスク及び機会を抽出します。続いて抽出したリスク・機会をもとに各部門やグループ各社と連携して顕在化の状況や影響度・対応状況のヒアリングを行うとともに、関連する指標のデータを収集し、全てのリスク及び機会を特定します。

 この結果はリスク全般の管理部門である経営企画室に報告され、この段階においてサステナビリティ関連リスク及び機会は全体リスク管理に統合されます。

 統合された情報は、経営企画室よりサステナビリティ委員会に報告され、グループ全体での情報の共有、及び対応方針の検討、並びに取組みの推進が行われます。

 サステナビリティ委員会での議論は取締役会へ報告され、それを受けて取締役会が最終的な対応方針を決定し、推進・進捗状況のモニタリングを行うサステナビリティ委員会を監督しております。

 以上のようなプロセスを経て、当社グループはサステナビリティ関連リスク及び機会の特定、評価、対応、モニタリングを実施しております。

 なお、2025年度より、従来の気候関連、人的資本関連に加え、自然資本関連の依存・影響・リスク・機会分析についても同プロセスにおいて実施しております。

 

 

(当社グループのサステナビリティ関連マネジメント体制・リスク管理プロセス)

 

(3)戦略

 前述のガバナンス並びにリスク管理プロセスにより、当社グループは、①人的資本、②気候変動を重要なサステナビリティ課題であると認識し、以下のように取り組んでおります。

①人的資本

 当社グループは、「お客様を大切にするためには、まず会社が従業員を大切にしなければそのことは実現しない」という考え方のもと、人的資本経営に取り組んでおり、リスク管理プロセスにより、リスク・機会を以下のように認識しております。

 

(当社グループが特定した人的資本関連リスク・機会)

リスク・機会

当社グループのリスク・機会の概要

リスク

・必要な人員の質や量を確保できないことによる店舗運営上の障害や販売機会の喪失

・従業員のコンプライアンス違反による当社グループへの信頼の失墜

・従業員のモラル低下によるハラスメント発生による心身への悪影響

機会

・スキルアップ機会の提供による販売意欲の増加

・働き甲斐の提供によるモチベーションの増加、生産性の向上

・コンプライアンスやモラル教育による、より良い職場環境の提供・エンゲージメントの向上

・多様な人材の登用によるイノベーションの想起

 

 

当社グループは、認識したリスクに対応し機会を実現するため、「人材の確保」「多様な人材の登用」「スキルアップ」「ワークエンゲージメント向上」の4つを人材戦略として取り組んでおります。

人材戦略

取組み

人材の確保

当社グループは、離職率が2.2%と低い水準にあり、採用後は定着率が高いことから、人材確保に当たっては、採用が重要かつ課題であると考えております。「中期経営計画2027」において20店舗の出店を予定しており、この出店における円滑な店舗運営や将来の要員確保のため、中期経営計画期間中に新卒・中途を合わせて550名の正規社員採用を行うことを目標としております。また、女性管理職の割合を30%とすることを視野において、女性の採用を上記の30%以上とすることも目標としております(2025年度実績30.2%)。

多様な人材の登用

当社グループは、年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などにとらわれず多様な人々が楽しく働き活躍できるよう努めています。特に重点的に女性活躍の推進に取り組んでおり、現在の目標として、女性管理職の割合を「中期経営計画2027」の期間中に5%以上とすることに取り組んでいます(2025年度実績4.9%)。この目標は管理職に次ぐ役職にある女性正規社員の30%が昇格することにより達成されるものであり、重点的に当該社員へのスキルアップ・キャリアアップ支援を行ってまいります。

スキルアップ

当社グループは、店頭での接客を最も重視しており、お客様に「本当の親切」を提供するため、商品知識の習得やお客様の要望をよく聞き、それに合ったより良い商品を提案できる能力を身に付けることが必要と考えております。

そのため、現場における育成(OJT)をベースとして、eラーニングによる販売スキル向上や“家電製品アドバイザー資格”等の販売に活用できる資格取得を支援する取組みを行っております。特に“家電製品アドバイザー資格”の取得は重視しており、取得率33.0%を中期経営計画期間中の目標として取り組み、2025年度実績において5,467名、取得率34.6%と目標を達成しております。引き続き取得率の維持・向上に取り組んでまいります。

また、入社から管理職までキャリアアップのタイミングで階層別研修を実施しており、キャリアアップに伴う動機付けを行うとともに必要な知識・スキルを習得できるようにしております。

ワーク

エンゲージメント向上

ワークエンゲージメントは近年注目されている概念ですが、「従業員を一番に大切にする(お客様へ本当の親切を提供するためには、まず従業員が楽しく生き生きと働ける環境が必要である)」ことを創業以来の方針とする当社グループにとっては、自然に行われていた取組みです。

ワークエンゲージメントは労働生産性と相関関係にあるとされており、ワークエンゲージメントを更に向上させることにより、「中期経営計画2027」の重点施策である労働生産性の向上に繋がるものと考えております。

課題は、ワークエンゲージメントの「活力」のリカバリー(回復)に関連する指標である有給休暇取得率であり、目標を70%とする協定を2025年3月に労働組合と締結し、労使協力して取り組んでおります。

なお、離職率等、関連するとされている指標から、当社グループのワークエンゲージメントはある程度高い水準にあるものと考えております。

 

②気候変動

 当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして認識しており、リスク管理プロセスにより以下のように時間枠を短期、中期、長期にわたって規定し、リスク・機会を特定・評価しております。

短期

中期

長期

2024~2026年

2026~2030年

2030~2050年

 

 この時間枠においてTCFD提言に基づいてリスク・機会の検討を行い特定しました。また、その影響を複数の気候関連シナリオのパラメータを参照することにより、定量的にも把握しています。参照したシナリオは以下のようになっており、移行リスクの場合は温度上昇の小さい方が、物理的リスクの場合は温度上昇の大きい方がより影響度が大きくなるため、影響度を過小評価しないよう移行リスクに関しては1.5℃シナリオを、物理的リスクに関しては、4℃シナリオを用いております。

 

 

想定する温度上昇

引用したシナリオ

1.5℃

NZE2050(Net Zero Emissions by 2050)シナリオ

※IEA(国際エネルギー機関)WEO(World Energy Outlook)2025より引用

4℃

RCP(Representative Concentration Pathways)8.5

※IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次報告書より引用

 

(当社グループが特定した主な気候関連リスク・機会)

リスク・機会の種類

当社グループのリスク・機会の概要

時間枠

(注)1

影響度

(注)2

短期

中期

長期

リスク

移行

リスク

政策と法

炭素税(カーボンプライシング)等、温室効果ガス排出量規制の強化によるコスト増加

 

気候変動に関連する情報開示(報告)義務の拡大

 

市場

環境配慮型商品の需要増加等、市場の変化への対応の遅れによる成長機会の喪失

再生可能エネルギー調達コストの増加

 

評判

気候変動への対応・開示が不十分であることによるレピュテーション低下

物理的

リスク

急性

地球温暖化に伴う風水害の激甚化による店舗への直接的損害や物流ルートへの影響による売上減少

慢性

地球温暖化に伴う猛暑日の増加によるエネルギーコストの増加並びに熱中症等、従業員の健康への悪影響による生産性低下

機会

資源効率

輸送の効率化(輸送網の集約、車両の他社との共同等)によるコスト削減及び排出量削減。

市場

環境配慮型商品や災害対策商品の需要増加等、市場の変化への適切な対応による売上増加

(注)1  各リスク・機会が顕在化する時間枠を示しております。

2 影響度は、関連する財務指標に対して中:1~10億円未満、大:10億円以上の影響があるものとみております。

 

(気候関連リスクへの対応)

 特に大きなリスクとして認識しておりますのが、移行リスク「炭素税(カーボンプライシング)等、温室効果ガス排出量規制の強化によるコスト増加」であり、IEA(国際エネルギー機関)のWEO(World Energy Outlook)2025を用いたシナリオ分析の結果、2035年には「販売費及び一般管理費」の水道光熱費において約36億円以上のコスト増のリスクがあると認識しております。

 当社グループはこのリスクに対応するため、2050年度にScope1(燃料の使用に伴う排出量)、Scope2(他者から供給された電気・熱の使用に伴う排出量)をカーボンニュートラルとすることを目標として定めております。

 また、その中間目標として2026年3月18日の取締役会において2030年度までに2013年度比でScope1+2の50%削減を目指す従来の目標を上方修正し、2021年度比でScope1+2の50%削減を目指すことを定めております。

 これまで省エネ・効率化に成果を上げてきた照明のLED化やBEMS導入などを継続するとともに再生可能エネルギーの導入を促進し、排出量削減の取組みを進めてまいります。

 この取り組みの一環として、当該事業年度においては、自己投資やオンサイトPPAによる太陽光発電設備を新たに18店舗に設置いたしました。

 また、物理的リスクについてはRCP8.5から2050年時点で現在気温から2上昇すると仮定し、風水害の増加による商品・設備への被害、休業による売上減少によって22億円以上の被害リスクがあると認識しております。店舗の直接的損害の防止・軽減のため、出店に当たっては、水災リスクを確認し、それにより止水板等の災害対策設備の設置やGL(地盤面の高さ)やFL(床面の高さ)を上げるといった対策を行っております。

 

(機会への対応)

 「環境配慮型商品の需要増加等」が、リスクと機会の双方に記載があるように、リスクは適切な対応を行うことにより機会の獲得に繋がると当社グループは考えております。

 省エネ型製品をはじめとした環境配慮型製品の普及促進は、家電製品を販売する企業にとって家庭部門の排出量削減に貢献する社会的責任であるとともに、市場の変化に対応し、高付加価値商品の販売につながる機会でもあります。

 また、輸送の効率化については物流拠点(ロジスティクスセンター)内に配送センター・修理センターを設置する等、これまで物流拠点から配送センター、物流拠点から各店舗へ行われていた輸送網を効率化し、輸送コスト・温室効果ガス排出量を削減する取組みを進めております。

 当社グループは気候関連のリスクに対して積極的に取組み、成長機会の獲得を目指します。

 

③自然資本

 当社は、当社の事業(家庭電化製品の販売並びに関連商品販売)を対象として、自然への依存とインパクト、リスクと機会を特定するため、TNFDが推奨するLEAPアプローチに沿った分析・評価を行っております。

 その結果、当社は以下のように家電製品販売事業における自然資本/生物多様性に関するリスク・機会を特定し、短期から長期にわたって定性的に評価いたしました。

 

(当社の家電製品販売事業における自然資本に関するリスク・機会)

リスク・機会の種類

リスク・機会の内容

時間枠

(注)1

影響度

(注)2

リスク

物理的

リスク

急性

台風、洪水、地滑り、森林火災等による店舗の被害や、それに伴う休業による売上の減少

慢性

気温上昇(猛暑等)に伴うエネルギーコストの上昇や従業員の健康への悪影響

移行

リスク

政策

温室効果ガス排出に対する規制強化によるコストの増加

 

製造段階等において自然へのインパクト(汚染)の大きい製品に対する規制による製造中止

 

市場

環境配慮型製品の需要増加等、市場の変化への対応の遅れによる成長機会の損失

製造段階等において自然へのインパクト(汚染)の大きい製品に対する需要の低下

 

評判

温室効果ガス削減が不十分であることに対するレピュテーション低下

廃棄物の増加や適切な処理がなされないことによるレピュテーション低下

機会

資源効率

輸送の効率化によるコスト削減及び温室効果ガス排出量削減

廃棄物の削減によるコスト削減及び自然へのインパクトの減少

市場

環境配慮型商品や災害対策商品の需要増加等、市場の変化への適切な対応による売上の増加

評判

自然関連の取り組みや開示促進によるレピュテーション向上

自然資源の持続可能な利用

DXによる紙製品の使用削減、リサイクル素材利用増加に伴う店舗ブランド価値の向上

(注)1  各リスク・機会が顕在化する時間枠を示しております。

     時間枠の基準は気候変動にて規定したものと同一です。

2 影響度は、関連する財務指標に対して小:1億円未満、中:1~10億円未満、大:10億円以上の影響があるものとみております。

 

 

 特定されたリスク・機会は、気候変動との関連性が高いものが多く、再生可能エネルギー利用等、温室効果ガス排出量削減や災害対策等、気候変動で講じている対策が有効と考えられます。

 自然資本の特徴としては「汚染(廃棄物)」のインパクトに関するリスク・機会があげられますが、製造段階等において自然へのインパクトの大きい製品への規制や需要の低下に関しては代替え製品の調達により、また廃棄物の増加や適切な処理がなされないことによるレピュテーション低下は既に取り組みを始めております発泡スチロールのリサイクル等、廃棄物削減により、リスクに対応し、機会獲得に繋げることができると考えております。

 なお、当社は2026年2月24日に上記を含むこれまでの取り組みをもとにTNFD提言に沿った初回の情報開示を行いました。当該レポートはTNFDにより審査され、TNFD提言に沿ったレポートであるとの承認を受けてTNFDのホームページにも掲載されております。https://tnfd.global/knowledge-hub/example-tnfd-reporting/

 

(4)指標及び目標

 前述の戦略に記載の通り、重要なサステナビリティ課題である①人的資本、②気候変動に対して以下のように指標・目標を定めております。

 また、③自然資本に関しましては、TNFDが推奨するグローバル中核開示指標より当社が該当するものを確認し、今後データ収集・実績値の開示・目標の設定に向けて検討する予定です。

 

①人的資本

 当社グループは人材戦略の「人材の確保」「多様な人材の登用」「スキルアップ」「ワークエンゲージメント向上」それぞれに指標を設定し、特に重点事項(◎)に対しては中期経営計画2027(2024~2026年度)の期間中における目標を定めて取り組んでおります。

人材戦略

指標

実績

目標

2024年度

2025年度

2024~2026年度

人材の確保

◎正規社員採用者数(人)

271

182

550(注)1

◎正規社員採用女性比率(%)

30.3

30.2

毎年30%以上

平均勤続年数(年)(注)2

16.3

16.5

離職率(%)(注)2

2.3

2.2

多様な人材の

登用

◎女性管理職比率(%)(注)3

4.8

4.9

5.0

女性育休取得率(%)

100

100

男性育休取得率(%)

74.3

88.6

障がい者雇用率(%)

3.2

3.3

スキルアップ

家電製品アドバイザー資格保有者(人)

5,171

5,467

◎家電製品アドバイザー資格保有者比率(%)

32.3

34.6

33.0

研修受講者数(人)

5,255

3,653

研修回数(数)

436

251

ワークエンゲージメント向上

◎有給休暇取得率(%)(注)2

58.1

56.7

70.0

1ヶ月当たり平均残業時間(時間)(注)2

4.4

3.8

健康診断受診率(%)

97.7

98.0

ストレスチェック受検率(%)

94.6

97.3

重大な労働災害(注)4 発生件数

0

0

(注)1 2024年4月~2027年3月採用(中途採用含む)

   2 正規社員のみ 当該項目以外は連結、全従業員

   3 課長代理及び副店長以上

   4 安全衛生規則第84条の定めに基づく

 

 国が示している目標を達成している等、高い水準にある指標についてはその水準を維持することとし、注力すべき重点事項、改善すべき課題に対しては、目標を設定して取り組むこととしています。

 なお、上記実績のうち研修受講者数・研修回数が大きく減少しておりますが、主な原因は重点的に研修を行っている正規社員採用者数が減少したこと、またグループ内で人材派遣業を行っている株式会社ケーズキャリアスタッフの2025年度においては、労働者派遣事業関係業務取扱要領に定められている教育訓練対象者の勤続年数が、3年を超える者が多くなったことにより減少しております。

 

②気候変動

 当社グループは、気候変動に関する指標として、移行リスク「炭素税(カーボンプライシング)等、温室効果ガス排出量規制の強化によるコスト増加」と関連性の高いScope1、Scope2※を用いております。

 前述の戦略に記載の通り、2050年度にScope1+2のカーボンニュートラル、その中間目標として2021年度比でScope1+2の50%削減を目指すことを定めております。

※Scope2はマーケット基準を用いております

 

(当社グループの気候関連リスク・機会の管理に用いる目標)

指標

目標年度

目標

温室効果ガス

排出量

(Scope1+2)

2050年度

(Scope1+2)カーボンニュートラル

2030年度

(Scope1+2)50%削減(2021年度比)を目指す

※2026年3月18日改定

 

(基準年度実績及び目標排出量)

指標

基準年度

目標年度

2021年度

2030年度

2050年度

Scope1+2排出量(t-CO2)

145,288

72,644

カーボンニュートラル

 

(近年の実績)

指標

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1+2排出量(t-CO2)

137,900

134,711

133,533

 

(2024年度実績における目標進捗状況)

Scope1+2排出量(t-CO2)

削減量

(t-CO2)

削減率(%)

2030年度目標進捗率(%)

2024年度

基準年度

133,533

145,288

11,755

8.09

16.18

 

 2024年度実績では、気候異常により空調関連のエネルギー使用量が増加したものの、再生可能エネルギーの利用促進により上記の結果となっております。再生可能エネルギーの利用が目標達成に向けて重要であることから、今後も自己投資やオンサイトPPAによる太陽光発電設備の設置や再生可能エネルギー電力メニューの利用等、引き続き再生可能エネルギーの利用促進に努めてまいります。

 なお、当社グループは開示する実績の信頼性を向上させるため、Scope1、Scope2について2022年度実績より一般財団法人日本品質保証機構(JQA)による第三者検証を実施し、保証を受けております(検証基準:ISO14064-3に準拠 保証水準:限定的保証水準)。2025年度実績については検証実施中であり、『統合報告書2026』にて開示予定です。

 また、Scope3(サプライチェーン全体の排出量)については、2021年度から算定を開始しております。

 算定の結果は『統合報告書』にて開示しておりますが、2024年度の実績では、15あるカテゴリのうち、「11.販売した製品の使用」及び「1.購入した製品・サービス」の2つのカテゴリの構成比が全体の98%を占めておりました。

 特にカテゴリ11の影響度が極めて高いことから、当該カテゴリについては2024年度実績より上記の一般財団法人日本品質保証機構(JQA)による第三者検証を実施し、保証を受けております。

 

 当社グループのScope3削減にあたっては、より省エネ性能の高い商品の販売構成比を高めることが有効であり、特にカテゴリ11内で最も構成比の高いエアコンにおいての取組みが重要と考えております。

 

③自然資本

 TNFDが推奨するグローバル中核開示指標より、以下の指標が当社グループの依存・インパクトとリスク・機会に該当するものと認識しております(TCFD提言に沿って開示している温室効果ガス排出量は除いております)。今後は指標のデータ収集・実績値の開示・目標の設定に向けて検討を進めてまいります。

 

(当社グループの自然関連の依存・インパクトに関するグローバル開示指標と測定指標)

自然の変化の要因

指標

測定指標

汚染/汚染除去

廃棄物の発生と処理

有害および非有害廃棄物の種類別の総発生量(トン)

 

(当社グループの自然関連のリスク・機会に関するグローバル開示指標と測定指標)

カテゴリー

測定指標

リスク

 

自然関連の移行リスクに対して脆弱であると評価される資産、負債、収益及び費用の金額(合計及び合計に占める割合)

自然関連の物理的リスクに対して脆弱であると評価される資産、負債、収益及び費用の金額(合計及び合計に占める割合)

機会

機会の種類別に、自然関連の機会に向けて展開された資本支出、資金調達または投資額

自然に対して実証可能なプラスのインパクトをもたらす製品及びサービスからの収益の増加とその割合、ならびにそのインパクトについての説明