人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,936名(単体) 2,477名(連結)
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平均年齢44.5歳(単体)
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平均勤続年数16.5年(単体)
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平均年収9,068,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社における従業員数
2025年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
銀行業 |
その他事業 |
合計 |
従業員数(人) |
2,255 [174] |
222 [4] |
2,477 [179] |
(注)1.従業員数は、海外の現地採用者を含み、臨時従業員167人を含んでおりません。
2.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
(2)当行の従業員数
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2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
1,936 |
44.5 |
16.5 |
9,068 |
[123] |
(注)1.従業員数は、海外の現地採用者を含み、臨時従業員118人を含んでおりません。
2.当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。
3.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5.当行の従業員組合は、あおぞら銀行従業員組合と称し、組合員数は1,246人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①当行 2025年3月31日現在
当事業年度 |
補足説明 |
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名称 |
管理職に 占める女性労働者の 割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
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全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||||
株式会社あおぞら銀行 |
14.9 |
105 |
65.8 |
65.9 |
59.2 |
(注)4 |
②連結子会社 2025年3月31日現在
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
名称 |
管理職に 占める女性労働者の 割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
|||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||||
GMOあおぞらネット銀行 株式会社 |
21.7 |
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- |
- |
- |
(注)5 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、女性活躍推進法)の規定に基づき算出したものであります。管理職は部長相当職と課長相当職の合計、労働者数には当行から他社への出向者を除き、他社から当行への出向者を含んでおります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。男性の育児休業取得率は以下の方法で算出しております。
育児休業等取得率=2024年度中に育児休業を取得した男性従業員の数(a)÷2024年度中に配偶者が出産した男性従業員の数(b)但し、小数点1位以下切捨て。なお、上記(a)には2023年度以前に子が生まれたものの2024年度に新たに育児休業を取得した従業員が含まれるため、取得率が100%を超えることがあります。
3.女性活躍推進法の規定に基づき、以下の方法で算出しております。
男女の賃金差異=女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金、平均年間賃金=総賃金÷人員数
4.男女間の賃金格差は65.8%と金融業界平均より格差は小さいものの、改善の余地があります。2020年度のキャリアコース統合により同一のキャリアコースや等級内では男女の評価に差はなく、同一賃金を実現していますが、女性の管理職がまだ少ないことが賃金格差の最大の要因です。また、投資銀行ビジネス等注力分野で活躍する女性従業員が少ないこと、長年働いている女性従業員の中にはバックオフィス業務等サポ―ト部門に多く在籍し低い等級に留まる例が多いことも賃金格差の要因です。当行では女性従業員の能力を活用する公正な取り組みを本格化するとともに、組織全体の意識改革を推進し、女性管理職や昇格者の数を増やしていきます。こうした取り組みにより、男女間の賃金格差は縮小していく見込みです。
5.GMOあおぞらネット銀行株式会社については、従業員が300人以下であり、女性活躍推進法の規定による公表を行っていない項目については、記載を省略しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
当行グループは、サステナビリティの推進を経営戦略と一体として捉え、ビジネス及び事業者としての活動に「社会的価値」の観点を組み込み、社会・お客さま・株主・従業員をはじめとする全てのステークホルダーへの貢献と、持続可能な社会の実現、当行グループの企業価値の向上を目指しております。
サステナビリティ推進の基本的な考え方について
<サステナビリティ推進の基本的な考え方> 様々なステークホルダーとの対話を通じて、現在及び未来の課題に創造力を働かせ、経済的価値と社会的価値を両立するためのチャレンジを続ける |
1.サステナビリティ全般
(1)ガバナンス
① サステナビリティ推進体制
取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会を中心とした推進体制を構築し、経営戦略と一体化したサステナビリティの取り組みを推進しております。
取締役会は、サステナビリティに関する知見・経験を含む、多様性を備えた取締役で構成されており、当行グループが注力する特長のある分野における経営目標である「あおぞらサステナビリティ目標」の設定及び見直しの決議や、サステナビリティ重点項目(マテリアリティ及び重要な基盤)見直しの決議を行うほか、サステナビリティの推進状況について定期的に進捗の確認を行っております。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長兼CEOが議長、サステナビリティ推進担当役員が副議長を務め、CFO、CROほか全業務執行役員が参加し、当行グループ全体のサステナビリティ関連機会とリスクの特定・評価、具体的な施策の検討と進捗の確認を行い、必要に応じて取締役会に付議・報告を行っております。
また、「あおぞらサステナビリティ目標」の進捗・達成状況は、常勤取締役及び業務執行役員の報酬を決定するにあたり重要な定性的評価として考慮しております。
当行グループのガバナンス体制のさらなる詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
<2024年度の「サステナビリティ委員会」の開催状況>
参加者 |
CEO(議長)、サステナビリティ推進担当役員(副議長)、CFO、CRO、人事担当役員ほか全業務執行役員、常勤監査役ほか |
開催回数 |
6回 |
主な議題 |
・業務運営計画におけるサステナビリティ推進の取り組み ・サステナビリティ推進施策の進捗 ・サステナビリティ重点項目(マテリアリティ及び重要な基盤)の見直しについて ・社会貢献活動に関する今年度実績と来年度計画 ・GHG排出量開示に関する第三者保証の取得 ・環境・社会に配慮した投融資方針の改定 ・外部調達方針の改定 ・カーボンニュートラルに向けた取り組み進捗 |
② サステナビリティ方針体系
当行グループは、経営理念として「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを掲げ、この理念を実践する上で、当行グループの全役職員が遵守すべき行動規範として「倫理・行動基準」を定めております。
また、これらの規範に基づくサステナビリティ関連方針として、人権方針・環境方針を軸に、ビジネス面、事業活動面、社会貢献活動面での具体的な方針を定めることで、「サステナビリティ推進の基本的な考え方」の実現を目指しております。
方針体系については、今後も世の中の動きに応じて適切に見直しを図ってまいります。
(2)戦略
① マテリアリティ及び重要な基盤を選定した背景、主な取り組み
当行グループでは、社会の潮流・ステークホルダーからの期待・要請及び当行グループの企業経営に対する重要性を踏まえ、機会とリスクの両面で注力すべき課題を「マテリアリティ」、マテリアリティに基づく経営実践の土台となる項目を「重要な基盤」と位置付けております。
マテリアリティについては、注力するビジネスを通じて社会的価値・経済的価値を生み出す観点から「経済社会の未来への貢献」、地球規模で対応が求められるグローバル課題として「環境課題への対応」、当行グループの持続可能性に不可欠な要素として「人的資本の価値向上」の3つを掲げております。
また、重要な基盤としては、「インテグリティ」「人権尊重」「リスク管理」「ガバナンス」の4つを掲げております。
それぞれの項目を選定した背景及び主な取り組みは以下の通りであります。
<マテリアリティ>
項目 |
選定した背景(機会とリスク) |
主な取り組み |
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経済社会の 未来への貢献 |
機会 |
企業の経営課題の多様化・高度化に伴うソリューション機会の増加・拡大 |
・エンゲージメント投資、M&A、LBOファイナンス、トランジション支援、不動産ビジネス等を通じた構造転換支援 ・ベンチャーデットやGMOあおぞらネット銀行のソリューション提供によるスタートアップ支援 ・あおぞら債権回収の再生ファンドを通じた事業再生・再チャレンジ支援 |
リスク |
社会構造変化への対応不足・遅延による企業業績の悪化 |
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環境課題への 対応 |
機会 |
気候変動への対応や自然資本の保全に向けたファイナンスやソリューションのニーズ拡大 |
・サステナブルファイナンスの推進、脱炭素コンサルティングを通じた企業支援 ・事業者としてのGHG排出量削減 ・投融資ポートフォリオのGHG排出量の段階的な計測・削減 ・気候変動シナリオ分析の拡充などによるリスク管理態勢の高度化、レジリエンスの向上 |
リスク |
自然災害の発生や、規制強化等に伴う企業業績悪化、ステークホルダーからの信頼低下 |
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人的資本の 価値向上 |
機会 |
専門性が高くユニークな金融サービスの提供を支える人材の確保による企業競争力の向上 |
・ビジネス戦略と整合した人材育成・採用・配置、注力分野への人的リソースのシフト ・キャリア構築支援、働きやすさの向上と働きがいの追求 ・多様なバックグラウンド・価値観を有する人材が活躍できる職場環境の整備、DEIの向上 |
リスク |
価値観の多様化や社会構造の変化に対応していない職場環境による人材流出 |
<重要な基盤>
項目 |
選定した背景(リスク) |
主な取り組み |
インテグリティ |
コンプライアンス軽視による法令違反や行政処分の対象となるリスク、社会規範に悖る行為による風評悪化や社会的信用失墜 |
・倫理・行動基準の遵守 ・お客さま本位の業務運営の徹底・高度化 ・コンプライアンス・プログラムの実践 |
人権尊重 |
人権侵害への関与・放置による法令違反や行政処分の対象となるリスク、風評悪化や社会的信用失墜 |
・国際規範を踏まえた人権デューデリジェンス態勢の構築・実践 ・職場における人権意識向上、ハラスメントの排除 |
リスク管理 |
不適切なリスクテイクに起因する財務健全性の悪化等による事業継続性の毀損 |
・リスクアペタイト・フレームワークに基づくリスクガバナンスの強化 |
ガバナンス |
不適切な企業統治による信用不安の惹起やシステム障害への対応の遅れ等による企業経営の持続可能性への重大な影響 |
・透明性の高いコーポレート・ガバナンスの構築 ・サイバーセキュリティ・危機管理体制の強化 ・内部監査の強化・実効性の向上 |
② あおぞらESG支援フレームワーク
「あおぞらESG支援フレームワーク」により、金融・非金融両面のソリューションを提供することで、お客さまの環境・社会・ガバナンス等、サステナビリティ課題解決の取り組みを支援しております。
金融領域においては、ポジティブ・インパクト・ファイナンスを対象に、当行における評価の枠組みや評価の実施体制について、国際的な原則に適合している旨、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりセカンドオピニオンを取得しております(あおぞらESGフレームワークローン)。また、再生可能エネルギー等プロジェクト・ファイナンス、グリーンビルティング向けファイナンスにも積極的に取り組んでおり、お客さまの課題認識や状況にあわせて適切なサステナブルファイナンスの提案をすることが可能となっております。
非金融領域においては、脱炭素に関するソリューションを提供する各社と連携し、お客さまの気候変動への取り組みを支援しています。2024年度には、人的資本の取り組みに関する支援メニューを追加しており、お客さまのESGに関する課題に対し総合的に支援することができる体制を整えています。今後も、ビルドアップ型でソリューションの幅を拡大してまいります。
また、サステナブルビジネスに精通した人材の育成は金融機関にとっての重要課題であるため、積極的に研修や勉強会を開催し、人材育成にも注力してまいります。
(3)リスク管理
① マテリアリティと重要な基盤の特定プロセス
サステナビリティ関連の機会及びリスクを識別、評価、及び管理するために、マテリアリティ及び重要な基盤について、以下の特定プロセスにより定期的に見直しを実施しております。
(イ)環境・社会課題の抽出:サステナビリティ関連の様々なイニシアティブ・原則・ガイドライン等と当行グループの経営戦略や事業との重なりを踏まえてリストアップ
(ロ)重要テーマの分析・整理:当行グループの業績や企業価値等に与える影響、及び当行グループの事業活動がステークホルダーに与える影響の2軸で評価し、特に重要性の高い項目を候補項目として絞り込み
(ハ)社内外ステークホルダーへヒアリング:上記の候補項目について意見を収集、認識の齟齬を解消
(ニ)経営会議で決議:サステナビリティ委員会及びマネジメントコミッティーで議論の上最終案を決議し、当該最終案を取締役会に上程し決議
② リスクアペタイト・フレームワーク/トップリスク
事業戦略・財務計画の達成に向けた適切なリスクコントロールを行い、持続的な企業価値の向上を図るために、リスクアペタイト・フレームワークを整備しております。
また、リスクの要因別に「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」等のリスクカテゴリーに分類し、各リスク特性に応じた管理を行った上で、リスクを全体として把握・評価しリスクを制御していく、統合的なリスク管理態勢を構築しております。
また、サステナビリティに関するリスクを毎年更新するトップリスク項目の中に落とし込み、取締役会やマネジメントコミッティー、サステナビリティ委員会における業務運営計画の議論等に活用しております。サステナビリティに関するリスクとしては、具体的に以下のリスクを特定しております。
・与信費用の増加:気候変動を含む経営環境変化への対応の遅れ、並びに人権尊重への対応が不十分な投融資先の企業価値低下
・社会構造・産業構造の変化に伴う競争力の低下:当行のESG対応への低い外部評価による調達環境の悪化やファイナンス機会の逸失
当行グループのトップリスクの詳細については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。
③ 環境・社会に配慮した投融資
「環境・社会に配慮した投融資方針」において、環境・社会に対し、負の影響を及ぼす可能性のある問題について取り組み方針を定めており、負の影響を及ぼす企業やプロジェクトの投融資を禁止、抑制するとともに、環境・人権課題等の社会的課題に対して適切な対応を行わない企業と取引することのリスクを低減しております。
同方針は、ビジネス環境や社会的な要請及び事業活動の変化等に応じて、マネジメントコミッティー、サステナビリティ委員会における議論を通じて随時見直しております。
環境・社会に対し負の影響を及ぼす可能性のあるセクターへの取り組み方針 |
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セクター横断 |
与信禁止 |
投融資を禁止する事業等 ・ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業 ・ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業(当該国政府及びユネスコから事前同意がある場合を除く) ・ワシントン条約に違反する事業(各国の留保事項には配慮) ・児童労働・強制労働・人身取引を行っている事業 ・所在国の法令に関して違法な行為、所在国の環境や人権の法整備が遅れている場合においては国際的な環境や人権に関する規範に反する行為、及び公序良俗に反する行為を伴う、又は、目的とする事業、及び反社会的勢力 |
慎重に与信判断 |
・先住民族の地域社会へ負の影響を与える事業 ・非自発的住民移転に繋がる土地収用を伴う事業 ・保護価値の高い地域へ負の影響を与える事業 ・紛争地域における人権侵害を引き起こす、又は助長する事業 |
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特定セクター(与信の制限・禁止) |
石炭火力発電 |
石炭火力発電所の新設や発電設備の拡張に対するファイナンスには取り組まない。なお、二酸化炭素回収・利用・貯留技術等の脱炭素社会への移行に資するお客さまの取組みを支援する投融資については、前向きに取り組んでいく |
石炭鉱業 |
新規の炭鉱開発に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する。環境への影響が大きい山頂除去採掘(Mountain Top Removal, MTR)方式で行う炭鉱採掘事業、発電事業向けに一般炭を供給する新規の炭鉱開発に対する投融資は行わない |
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石油・ガス |
オイルサンド、シェールオイル・シェールガス、石油・ガスパイプライン、北極圏(北緯66度33分以北の地域)での開発に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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大規模水力発電 |
新規の大規模水力発電(堤防の高さ15m以上かつ出力30,000KW以上)に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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バイオマス発電 |
バイオマス発電に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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森林伐採 |
木材、紙、パルプなど森林伐採を伴う事業に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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パーム油 |
アブラヤシ農園開発に対して投融資を行う際には、お客さまにNDPE(No Deforestation, No Peat, No Exploitation(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ))を遵守する旨の公表を求める。パーム油の流通等関連する事業に対し投融資を検討する際には、RSPO (Roundtable on Sustainable Palm Oil)の認証等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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たばこ製造 |
たばこ製造への投融資を検討する際には、児童労働・強制労働や健康被害に対する、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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非人道兵器 |
クラスター弾等の非人道兵器の製造に対する投融資は行わない |
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原子力・プラスチック・船舶・鉱山 |
関連する事業への投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮への取り組み状況や取り組み姿勢を情報収集する |
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プロジェクト・ファイナンス (赤道原則) |
赤道原則の適用対象となるプロジェクトに対する融資やプロジェクト・ファイナンス・アドバイザリーサービスを検討する際には、原則の要求事項が遵守されていることを確認する |
(4)指標と目標
① あおぞらサステナビリティ目標
経済的価値と社会的価値の創出に向け、グループ全体に共通する経営目標として、「あおぞらサステナビリティ目標」を設定、公表しております。
あおぞらサステナビリティ目標は、マテリアリティごとに構成されており、当行グループが注力する特長のある分野を中心に、中長期的な数値目標を設定し、環境・社会に対する持続的な貢献を目指しております。
② あおぞらサステナビリティ目標の進捗状況
「あおぞらサステナビリティ目標」の進捗状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」に記載しております「あおぞらサステナビリティ目標」をご参照ください。
2.気候変動
(1)ガバナンス
マテリアリティの一つとして「環境課題への対応」を掲げており、中でも気候変動は、経営と一体で取り組むべき最も重要な課題として位置付けております。サステナビリティの推進に関するガバナンスについては「1.サステナビリティ全般 (1)ガバナンス」を、マテリアリティの詳細は、「1.サステナビリティ全般 (2)戦略」をご参照ください。
(2)戦略
気候変動への対応は、リスクへの対処であると同時に大きなビジネス機会でもあると捉えております。
そのため、事業に影響を与えると見込まれる気候関連のリスクを整理するとともに、脱炭素社会の実現に向けて、本業である金融商品・サービスの開発・提供を通じた機会を整理しております。
このようなリスクと機会の認識に基づき、気候変動へのレジリエンスを高めるための戦略的な取り組みを検討し、推進してまいります。
なお、当行グループでは、短期を0~3年(中期経営計画と合わせた期間)、中期を3~10年、長期を10~30年と定義しております。
① 気候変動に関する機会
機会 |
時間軸 |
・当行グループにおける投資銀行ビジネス(ストラクチャードファイナンス等)との更なるシナジー発揮 ・グリーン・ファイナンス、トランジション・ファイナンス等の取り組み拡大 ・お客さまの脱炭素に向けた移行計画の実行ニーズを捉えた非金融領域における脱炭素ソリューション提供機会の拡大 ・様々な観点でESGを考慮した個人向け資産運用商品の提供機会の拡大 ・脱炭素関連のイノベーション企業(ベンチャー企業含む)との協業による新たなビジネス機会の発掘 |
短期~中期 |
・水素・アンモニア、CCS、DAC等エネルギー関連の新技術開発に対するファイナンス機会の増加 ・製造・運輸セクターでの抜本的な原燃料転換や省エネ推進に対するファイナンス機会の増加 ・“脱炭素社会実現への貢献“という新たな価値観を共有する個人のお客さまとの多様な取引機会の増加 |
中期~長期 |
② 気候変動に関するリスク
気候変動は、当行グループに影響を与える全てのリスクに関与するため、統合的リスク管理の枠組みにて以下のようなリスクを認識しております。今後の環境変化に応じて、リスクの分類や各種事例について見直しを行ってまいります。
リスクの分類 |
移行リスク |
時間軸 |
物理的リスク |
時間軸 |
信用リスク |
・政策、技術の進歩、消費者の嗜好変化等により、お客さまの業績や財務状況が悪化し、与信ポートフォリオが毀損し、損失を被るリスク |
短期~長期 |
・自然災害によるお客さまの業績悪化や担保棄損に伴い、与信ポートフォリオが毀損し、損失を被るリスク ・熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行又は当行のお客さまの事業に重大な悪影響が生じるリスク |
短期~長期 |
市場リスク |
・お客さまの収益減少や既存資産の減損等により、保有有価証券、金融派生商品等の価値が変動し、損害を被るリスク
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短期~長期 |
・異常気象の影響による市場の混乱、市場参加者の中長期的な見通しや期待の変化により、保有有価証券の価格等が変動し、損失を被るリスク |
短期~長期 |
リスクの分類 |
移行リスク |
時間軸 |
物理的リスク |
時間軸 |
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流動性リスク |
・移行リスクへの対応の遅延などによる当行の信用悪化による資金調達手段の限定、預金流出・資金繰り悪化のリスク
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短期~長期 |
・異常気象で被災した顧客の資金需要の高まり、復旧・復興に向けた資金流出の増加によるリスク
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短期~長期 |
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オペレーショナル・リスク |
・GHG排出量削減対策や事業継続性強化のための設備費用の増加
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短期~長期 |
・異常気象による被災に伴う本支店やデータセンターにおける業務の中断、損害が発生するリスク
|
短期~長期 |
|
|
風評 リスク |
・気候変動への対応不足やステークホルダーから不適切又は不十分と評価されることにより当行の風評が悪化するリスク ・環境への配慮が不十分なお客さまとの取引継続や、当行の移行遅延による評判悪化、雇用への悪影響のリスク |
短期~長期 |
・異常気象の影響を受けたお客さまの支援不足による評判の悪化、事業の中断リスク
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短期~長期 |
③ カーボンニュートラルに向けたロードマップ
気候変動関連のリスクと機会に対する中長期的な取り組みとして、パリ協定の合意事項を踏まえたカーボンニュートラルの実現に向けたロードマップ及び具体的な行動計画を策定しております。
2030年度までに、省エネ活動や使用電力の再エネ化等を通じて、事業者としてのGHG排出量実質ゼロを推進します。2050年度までに、サプライチェーン全体での脱炭素化実現のために、投融資ポートフォリオのGHG排出量実質ゼロを推進します。目標達成のための施策を環境の変化にあわせて逐次検討してまいります。
また、お客さまの脱炭素化への取り組みを支援するために、再生可能エネルギープロジェクト・ファイナンス等の環境ファイナンスをご提供するとともに、石炭火力発電所向けのアセットはフェーズアウトを進めてまいります。
④ お客さまの脱炭素化に向けた取り組み支援
脱炭素社会の実現に向けて、お客さまの脱炭素化の取り組みを支援していくことは、金融機関である当行グループが果たすべき重要な役割であり、さまざまなビジネス機会が想定されます。
従来からの強みである再生可能エネルギープロジェクト・ファイナンスなど金融面の支援に加えて、外部パートナーとの連携による非金融面での脱炭素化ソリューションの開発・提供に注力しております。
当行グループは、お客さまの環境に対する取り組みを総合的に支援することで、経済的価値と社会的価値を両立した環境ビジネスを展開しております。
⑤ シナリオ分析
2050年までを対象とした定量的なシナリオ分析は以下の通りであります。
リスクの分類 |
移行リスク |
物理的リスク |
シナリオ |
IEA(国際エネルギー機関) World Energy Outlook STEPS(3℃)シナリオ、NZE(1.5℃)シナリオ |
IPCC(気候変動に関する政府間パネル) RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)/RCP2.6シナリオ(2℃シナリオ) |
分析手法 |
パラメーターや公開情報などを基に将来の投資負担の増加についても考慮に加え、取引先企業の業績影響への度合い(信用力低下の程度)を把握し、引当コストの増加額を試算 |
河川氾濫、高潮による浸水被害における建物損傷率を算出し、使途物件の損傷に起因した引当コストの増加額を試算 (物件の棄損による直接被害と事業停滞期間による影響) |
分析対象 |
電力、エネルギー、自動車、不動産(ノンリコースローン、REITを除く)、素材セクター* (当該対象向け貸出金が貸出金残高全体に占める割合18.4%) ※2023年3月末時点 |
国内外の不動産ノンリコースローンの担保物件 (当該ノンリコースローンが貸出金残高全体に占める割合15.1%) ※2021年6月末時点
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分析結果 |
以下のことを確認 ・電力セクターにおいては、炭素価格上昇に伴うコスト増に加えて、GHG排出削減技術の開発及び電源構成の変化が重要 ・エネルギーセクター、自動車セクターにおいては脱炭素社会への移行に向けた市場ニーズの変化への対応が重要 ・素材セクターにおいては、炭素価格上昇に伴うコスト増の影響を比較的受けやすい |
以下のことを確認 ・災害の影響を受けにくい立地や堅牢な担保物件が多いことから、洪水/高潮による被害の可能性が認められた物件は限定的
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移行リスク |
物理的リスク |
増加が予想される引当コスト |
現時点における引当コストとの比較において、2040年まで最大200億円程度増加し、2050年にはネットゼロ社会への移行の進展に伴い財務状況が改善するため最大40億円の増加と予想 |
2050年までの期間において10億円程度の増加と予想
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財務的影響への評価等 |
分析対象セクターにおける将来の投資負担について検討を実施したこと等により、前年度に比べて引当コストの試算結果が増加
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自然災害や異常気象の増加等に起因する影響は顕在化の前提が数年単位で変化する性質のものではないことから、2024年度は新たな分析は実施していない。必要に応じて適宜見直しを行っていく
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* 移行リスクの分析対象:気候変動による影響度に基づいたリスクマップを用いて与信ポートフォリオにおける重要なセクターの特定を行い、素材セクター、不動産セクター(ノンリコースローン、REITを除く)に加えて、エクスポージャーは比較的大きくないものの影響度が大きい電力・エネルギーセクター、自動車セクターを対象として選定
(3)リスク管理
気候変動リスクについて、「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」といった既存の金融リスクを誘引する「ドライバー」として、既存のリスク管理の枠組みに統合する形で管理しております。また、気候変動リスクを毎年更新するトップリスク項目の中に落とし込み、リスクアペタイトや業務運営計画の議論に活用し、リスク管理の高度化に取り組んでおります。
個別案件の取り上げに際しては、「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき対応しております。環境・社会に対し、負の影響を及ぼす可能性のある問題について、「セクター横断的」又は「特定セクター」に係る取り組み方針を定めており、負の影響を及ぼす企業やプロジェクトの投融資を禁止、抑制するとともに、環境・人権課題等の社会的課題に対して適切な対応を行わない企業と取引することのリスクを低減しております。同方針は、ビジネス環境や社会的な要請及び事業活動の変化等に応じて、マネジメントコミッティー、サステナビリティ委員会における議論を通じて随時見直しております。
(4)指標と目標
気候変動への対応に関する「指標と目標」につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」に記載しております「あおぞらサステナビリティ目標」をご参照ください。
3.人的資本・多様性
(1)戦略
当行グループは、経営理念として「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを掲げ、従業員数約2,500名とコンパクトな規模ながら高い専門性と提案力を武器に質の高い金融サービスを提供しております。それを担う「人財」こそが価値創造の源泉であり、当行グループの「人的資本」であると考えております。
①経営理念に基づいた中期経営計画「AOZORA2027」の実現
当行グループでは、従前より企業価値創造の源泉である「人的資本」の強化を経営戦略の土台に据えております。そこで、中期経営計画「AOZORA2027」の人材戦略が目指す姿を「従業員と当行グループが「新たな金融の付加価値を創造」する人材、組織へと「育ち」「変わる」ことで、すべてのステークホルダーがともに「豊かになる」。そして従業員が誇りを持ち、働きがいのある会社を実現する」と定めました。この目指す姿の実現に必要な人材とは「お客様の視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材」であり、その人材がいきいきと働ける組織とは「経営理念達成に向けて一体感を持ち、迅速に意思決定できる組織」であります。
②中期経営計画「AOZORA2027」における人的資本投資
「人的資本」が企業価値創造の源泉であるとの考えのもと、当行グループでは継続的に外的報酬・内的報酬両面で人的資本投資を強化しております。
<人的資本投資の方針と施策>
外的報酬 |
競争力のある報酬制度の維持(4年連続ベア実施)、株式報酬制度(従業員対象) |
内的報酬 |
従業員エンゲージメント、ウェルビーイング向上(働きがいあり、安心して働ける環境整備) |
これを受けて、2023年度の赤字決算等厳しい環境下においても従業員の定着率は依然として高く、2024年度の業績回復につなげております。
しかしながら、目指す姿の実現にあたっては、「経営戦略の実現に必要な、付加価値を創造する人材の拡充」「当行の強みである投資銀行ビジネス等注力分野への更なる人員シフトの必要性」「付加価値を創造する人材へのメリハリある報酬配分が不十分」「組織としての一体感の不足」が課題であると考えております。これらの課題を解消するため、人材戦略の4つの基本方針を策定いたしました。
これら4つの基本方針に沿った人的資本投資を、経済環境の変化に関わらず継続していくことで、人的資本の価値を高めるとともに、経営理念や経営戦略と連動した人材戦略の実践を通じ、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
(イ)付加価値を創造する人材の育成
当行グループは、“お客様の視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材”を目指す人材像と再定義し、人材育成プログラムも、従業員の主体性を尊重しチャレンジを後押しする人材育成のコンセプトは変えずに、注力ビジネスや目指す人材像に沿う形で見直しをいたしました。
<投資銀行ビジネス人材の育成>
投資銀行ビジネスは当行の注力分野であり、将来収益の源泉となります。このため、投資銀行ビジネススキルを備えた人材の育成が最大の課題となります。これまでも計画的な人材配置と内外の研修プログラムにより育成に努めてまいりましたが、人材の質・量のレベルアップを図るため、マネジメント層自らが中心となって2025年度から新たに投資銀行ゼミナールを立ち上げます。今後も目指す人材像に基づいた育成方針に則し、付加価値を創造する人材を育成してまいります。
(ロ)付加価値を創造する人材の採用
当行グループでは経営理念を体現できるポテンシャルの高い人材を採用しております。キャリアコースは、全国総合職*、地域総合職*、IT職、契約型プロフェッショナル(高度専門人材)、契約型スペシャリスト職の5つで、全ての採用者は将来の中核人材や高度専門人材として採用しております。
なお、当行は高い専門性を備えた金融機関として長年キャリア採用に注力してまいりました。この結果、多様な経験値・価値観をもち、専門性が高い多数のキャリア採用者が即戦力として活躍しております。2024年度からは「アルムナイ採用(退職者の再雇用)」「リファラル採用(従業員紹介による採用)」を導入し、キャリア採用比率は49%に達しております。
*2020年度人事制度改革で一般職を廃止しキャリアコース統合
(ハ)付加価値を創造する人材の注力分野への配置
当行では、注力分野である投資銀行ビジネスへの人員シフトを進めております。しかし、今後のビジネス拡大を見越すと現在の人材配置はまだ十分とは言えません。この課題解決に向け、以下の施策を推進してまいります。
<投資銀行ビジネスへの人員シフトに向けた施策>
・ストラクチャードファイナンス経験を持つベテラン人材の効果的な活用 |
・高いポテンシャルを持つ若手に早期から現場経験を積む機会を提供 |
・タレントマネジメントシステム活用等により、全体最適の人材配置を推進 |
・社内の人材流動性を向上 |
(ニ)付加価値を創造する人材への公正な報酬配分
当行グループは、人材を価値創造の源泉と位置付け、最重要な経営資源と考えております。一時的なビジネス環境や業績の変動に影響されることなく、中長期的な人的資本投資を視野に入れ、適切な報酬水準を維持してきたのはこのためであります。
今後、変化が激しく、不確実性の高いビジネス環境に対応するためには、各個人の企業価値向上に対する中長期的な貢献度を評価し、報いていくことが必要になります。
中期経営計画「AOZORA2027」では、報酬制度に関する以下5つの施策を策定し、付加価値を創造する人材に公正に報酬を配分いたします。公正な評価制度を基盤に従業員が能力を最大限発揮できる環境を整備してまいります。
(ホ)付加価値を創造する組織への変容
従業員エンゲージメント向上
企業価値向上のためには、従業員がいきいきと働ける組織づくりとともに、一人ひとりの従業員の働きがいやエンゲージメントを高めていくことが鍵となります。そこで当行グループではエンゲージメント向上に対する課題の把握を目的として、毎年従業員アンケートを実施しております。今回の結果では「働きやすさは定着し、チャレンジ称賛も改善傾向にあるが、働きがいに改善の余地がある」点が引き続き課題であることがわかりました。
この課題を解決する道筋を明確化し、さらに一体感のある組織に「変わる」ために、新中期経営計画から新たに以下のKPIを設定しております。
<中期経営計画 KPI>
|
2024年度結果 |
2027年度目標 |
「チャレンジへの賞賛*がある」と感じる割合 |
47% |
55% |
「不足する働きがいの要素*」のうち 「連帯感・一体感」の順位 |
1位 (最も不足している) |
2位以下 |
*従業員アンケート結果
当行グループでは「お客さまの視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる」人材、すなわち顧客志向でチャレンジできる人材育成に注力しております。当行グループの存在意義は、困難に挑み常に新たな金融の付加価値を創造することにあるからです。このため、従業員アンケートにおいても「チャレンジ称賛」を最も重視し、更なる上昇を目指しております。
エンゲージメント高く働く従業員がさらに連帯感を持って働くことで、「経営理念達成に向けて一体感を持ち、迅速に意思決定する組織」の実現を目指してまいります。
<従業員エンゲージメントに向けた施策>
従業員アンケート (年1回) |
アンケート結果は役員間で議論、人事制度や中期経営計画・業務施策に反映 |
エンゲージメント測定ツール Wevox(月1回) |
可視化・分析を行い、現場主導で組織開発・マネジメント力を向上 |
<組織の一体感向上に向けた施策>
経営理念浸透につなげるコミュニケーション・フォーラム(年30回) |
全従業員が経営理念や働きがいについて議論 |
タウンホールミーティング (年1回) |
経営理念の浸透に向け、経営陣と従業員が直接対話 |
従業員のウェルビーイング向上
人材戦略が目指す姿は、すべてのステークホルダーがともに「豊かになる」ことです。従業員のウェルビーイング*はその土台であり、当行グループが価値創造活動をする上で不可欠な要素です。従業員ウェルビーイング向上のために、従業員の健康維持・増進に向けた健康経営とファイナンシャル・ウェルネスの向上を推進しております。
*従業員一人ひとりの心身の健康に加え、社会的にも安定し満たされた状態にあること
特に、従業員が能力を発揮し活躍するためには、将来にわたり経済的不安がない状態で働けることが大切であります。こうした考えから、当行では従業員のファイナンシャル・ウェルネスの実現に向けた制度を整備しております。2025年度には、従業員とステークホルダーがともに「豊かになる」ことを目指し、従業員向けの株式報酬制度を導入いたします。各種制度・施策の拡充を通じて、従業員と家族の経済的安定性を支え、安心して働ける環境を整備してまいります。
③ 人材の多様性確保に向けた環境整備
<多様性確保に向けた人材育成・環境整備方針>
方針 |
取組内容 |
能力のみならず 多様性を重視した 採用と人材登用 |
・新卒、キャリア採用を両輪とする採用活動の継続 |
・女性総合職の採用強化 |
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・多様性に配慮した人材登用の推進 |
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女性従業員の キャリア形成支援 |
・未経験業務へのチャレンジ促進 |
・女性向けリーダー育成研修などによるキャリア形成支援 |
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すべての従業員が活躍できる環境の整備 |
・外的報酬・内的報酬両面での人的資本投資に注力 |
・従業員エンゲージメント向上に向けた取組の継続 |
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・障がいのある従業員が安心して働ける環境づくり |
(イ)中核人材の登用等における多様性の確保について
当行グループは、多様な視点を意思決定層に取り入れることが組織の成長と適応力を高め、社会に価値を提供する重要な要素と認識しております。急速に変化するビジネス環境に対応し、持続的な成長と企業価値向上を目指すため、DEI(多様性・公正性・包摂性)推進を重要な経営戦略と位置付けております。
当行グループは「人材育成・環境整備方針」を策定し、キャリア採用者、女性、外国人の管理職比率目標を設定し、多様性確保に注力しております。現在、キャリア採用者の管理職比率は58%に達しております。
(ロ)女性従業員の活躍推進に向けた取組
当行の特徴として、女性従業員の勤続年数が男性より長く、多様な職場で活躍している点が挙げられます。これは、性別に関わらず長く働き続ける環境を整備してきた結果であります。
今後の課題は女性管理職比率の向上です。意思決定層に女性をはじめ多様な視点を取り入れることで自己修正メカニズムが働き、同質的な集団が陥りがちな組織のリスクを減らすことができるからです。また、女性従業員の潜在能力の活用を通じ人的資本の機会損失を減らすことにもつながります。これまでの女性活躍推進の取り組みにより、女性管理職比率は現状15%となっております。今後は、役員を含む全ての意思決定層に女性人材を継続的に登用し、女性管理職比率をさらに高めることを目指してまいります。
(ハ)多様な人材が活躍できる環境作り
当行グループでは、お客さまだけでなく、株主の皆様や従業員を含むすべてのステークホルダーから選ばれる組織になることを目指し、多様性を尊重し全員に公正な機会を提供することで、全従業員が活躍できる環境を整備しております。
まず、当行では男女を問わず育児と仕事の両立を支援する取り組みを継続しており、育児休業取得率は男性も100%に達しております。
また、当行グループではDEIの定着に向け、2022年に「あおぞらアライ」を立ち上げ、障がい者、LGBTQ+当事者等多様なバックグラウンドを持つ従業員に寄り添う活動を続けております。2024年度は全従業員を対象としてLGBTQ+と人権に関する理解を深めるe-ラーニングを実施する等、多様性を認め合う職場風土の醸成に努めております。
(2)指標と目標
人的資本・多様性に関する「指標と目標」につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」に記載しております「あおぞらサステナビリティ目標」をご参照ください。