2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,854名(単体) 1,990名(連結)
  • 平均年齢
    40.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.4年(単体)
  • 平均年収
    6,838,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1)連結会社における従業員数

 

 

 

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

信用保証業

その他

合計

従業員数(人)

1,854

38

8

90

1,990

[708]

[6]

[9]

[13]

[736]

(注)1 従業員数は、臨時従業員730人を含んでおりません。

2 臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

(2)当行の従業員数

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,854

40.5

16.4

6,838

[708]

(注)1 従業員数は、臨時従業員701人を含んでおりません。

2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5 当行の従業員組合は、武蔵野銀行従業員組合と称し、組合員数は1,401人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

6 当行は執行役員制度を導入しており、執行役員11人は従業員数に含まれております。

 

(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2、3)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注4、5、6)

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に補足説明を記載

15.8

104.4

54.7

68.4

63.8

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。「管理職」とする対象は職務内容・職位による基準で選定し、課長職以上にある者をいいます。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男性労働者の育児休業取得率の算出にあたっては、次のとおりであります。

(1)2024年度に「育児休業等を取得した男性労働者数」を、2024年度に「配偶者が出産した男性労働者数」で除して算出しております。

(2)2023年度に配偶者が出産し、2024年度に入ってから育児休業等を取得した男性労働者の場合、2024年度に育児休業等を取得したため分子に加算されますが、2024年度に配偶者が出産していないことから分母には加算されないため、計算上100%超過となるものであります。

4 短時間勤務者、臨時従業員(フルタイム以外)については、短縮率等に応じて人数換算し算出しております。

5 「労働者の男女の賃金の差異」の内訳は、同一職務による男女差はないものの、管理職に占める女性労働者の割合や、男女の勤続年数の差等により、差異が生じているものであります。

6 2024年7月に実施した人事制度改正において、総合職と特定職を統合したことで、コース間の賃金格差を是正しております。

 

 なお、連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当行グループは、SDGsの目標達成に貢献するため、2019年3月に「武蔵野銀行SDGs宣言」を制定・公表し、2021年9月にTCFD提言への賛同を行うなど、サステナビリティ経営推進に向けた態勢整備を行い、本業を通じた持続可能な地域づくりや役職員の理解向上などに取組んでおります。

 2021年12月に、コーポレートガバナンス・コード改正やTCFD提言への賛同等を踏まえて制定した4つの方針のもと、気候変動や人権といったグローバルな課題や国内外の金融経済における脱炭素の動きに対応するとともに、より実効性のあるサステナビリティ経営の実践を目指しております。

 

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当行グループは頭取を委員長とする「サステナビリティ推進委員会(以下「委員会」という。)」が、グループ全体のサステナビリティ関連の各種施策の策定・遂行する役割を担っており、同委員会においてサステナビリティ経営に関する方向性、具体的な取組み等・リスクと機会の特定と評価について議論・審議しております。

また、その下部組織の「サステナビリティ検討部会」において企画立案、進捗管理等を行い、定期的に取締役会へ報告することとしております。これにより、取締役会がサステナビリティ関連の取組みを監督する態勢を構築しております。同委員会は、頭取をはじめとする取締役及び本部部長をメンバーとして、総合企画部サステナビリティ推進室が事務局となり、気候変動を含む環境や社会に係る機会及びリスクへの対応方針や取組計画等を年2回定期的に協議しております。

2022年3月、サステナビリティに関わる全行的取組みを統括・推進する専門組織として、総合企画部内に「サステナビリティ推進室」を設置しております。地元企業のサステナビリティ経営支援、より主体的・先導的な地方創生・地域活性化に取組むとともに、先鋭化する気候変動・生物多様性などの環境問題やDE&Iといった課題についても、同室が中心となり組織横断的に3つの分科会(地域経済活性化、地域社会活性化、環境・ダイバーシティ)を組成して取組んでおります。

 

②戦略

2023年3月、長期ビジョン「MCP(Musashino mirai-Creation Plan)」を策定しております。取組むべき事項として、地域の産業と雇用の維持活性化、全国一のスピードで訪れる高齢化社会への対応、魅力ある地域の創造と成長の支援、経営戦略及び事業戦略の遂行を下支えする人的資本と経営基盤の強化等を認識しており、以下の4つの重要課題を設定しております。

 

 「1.地域経済の持続的発展と豊かな地域社会の実現」

 「2.地域の自然環境の持続的な保全と利用」

 「3.多彩な人材の活躍推進」

 「4.強靭な企業統治と組織体制の構築」

 

当行グループは長期ビジョンのもと、環境変化に対応しながら、当行の競争優位性・存在価値を高め、サステナブルな経営基盤を構築するとともに企業価値向上とサステナビリティ経営の高度化を実現してまいります。

 

③リスク管理

当行グループは、サステナビリティに関するガバナンス体制のもと、グループ経営に関する様々なリスクと機会を特定し、リスクと機会の管理を強化しております。

事業全体に関する主要なリスクやリスク管理体制については、「3 事業等のリスク」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

気候変動への対応、人的資本に関するリスクについては、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)人的資本」をご参照ください。

 

④指標及び目標

当行グループは、長期ビジョンの実現に向けた中期経営計画「MCP 1/3」において、各種KPIを設定、主要計数項目につきましては2025年度目標を設定しております。

サステナビリティに関連する、気候変動への対応、人的資本に関する指標及び目標については、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)人的資本」をご参照ください。

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)

①ガバナンス

当行グループの気候変動への対応に関するガバナンスは、サステナビリティ全般に関するガバナンスに組み込まれており、サステナビリティ全般のガバナンス体制の下で、気候変動への対応に関する各種施策の遂行、リスクと機会の認識・管理を実施しております。

詳細については「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

当行グループは、短期(概ね5年)、中期(概ね10年)、長期(概ね30年)の時間軸を考慮して気候変動に伴うリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会の分析を検討して行っております。

(イ)リスクと機会

  当行グループは気候変動に伴うリスクと機会を認識した上で、多くのお客さまとともに取組んでまいります。

種類

具体的なリスク・機会の内容

時間軸

対応方針

移行リスク

政策・

法律

・気候変動に関する規制や税制等の変更に伴うお客さまの事業への影響による信用リスクの発生

中期~長期

・脱炭素社会への移行過程において、規制の強化や税制の変更等による当行に及ぼす影響を算定しております

・2024年10月にGHG算定ツール「C-checker」を導入し、排出量の可視化と分析を行い、お客さまのサステナビリティ経営を支援していくことで、当行の移行リスクの低減を図っております

技術

・脱炭素技術の発展に伴うサプライチェーン再編のリスク

・脱炭素関連技術の失敗や市場の変化に伴う事業撤退

中期~長期

市場

風評

・気候変動対応や適切な情報開示が不足した場合の風評悪化リスク

中期~

長期

物理的リスク

急性

・風水災等の洪水発生に起因する不動産担保の毀損

・お客さまの営業拠点被災に伴う事業停滞による信用リスク

短期~長期

・当行が主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積及び平地割合が大きいことから、洪水が発生した場合の事業性貸出金及び住宅ローンにおける当行に及ぼす影響を算定しております

・今後も気候変動についての影響の分析を継続してまいります

慢性

・熱中症の増加や平均気温の上昇に起因する投融資先の労働生産性の低下に伴う事業停滞によるリスク

短期~長期

機会

資源

効率

・脱炭素社会への移行に向けた取組による企業のコスト低減や移行に係る資金需要の増加

短期~長期

・営業車両の環境配慮型自動車の導入、営業店舗への省エネ設備の導入を進めており、引続き対応してまいります

・脱炭素社会への移行に係る資金需要の増加及び環境意識の高まりに対応するため、法人・個人のお客さま向けに各種融資商品及びサービスを追加し、対応しております

・また、GHG算定ツール「C-checker」を起点としたコンサルティングにより、お客さまの脱炭素経営の取組みを支援しております

エネル

ギー源

製品・

サービ

・脱炭素商品及びサービスの開発・拡張に係る資金需要の増加

短期~長期

市場

・お客さまのSDGsの取組みや気候変動に伴う脱炭素社会への移行に当たってのビジネス機会の増加

短期~長期

強靭性

・再生可能エネルギーや災害対策のためのインフラへの融資の機会増加

短期~長期

 

(ロ)シナリオ分析

  当行は下記のとおり、移行リスク及び物理的リスクの分析を実施しております。その結果、移行リスクの与信関係費用増加額は約8億円、物理的リスクについては約25億円となりました。当行の利益水準から財務に与える影響は限定的と認識しております。

  今後は、移行リスク、物理的リスクともにリスク分析の高度化を図るため、複数シナリオでの分析も検討してまいります。

シナリオ分析

移行リスク

物理的リスク

シナリオ

IEA国際エネルギー機関のNZEシナリオ

IPCCのSSP5-8.5シナリオ(4℃上昇シナリオ)

分析対象

・不動産

・自動車部品

・陸上運輸

・電力

・事業性貸出金

・住宅ローン

分析対象の選定理由

貸出取引量(件数、金額)や移行リスクの高さ等、当行及び埼玉県における脱炭素社会への移行による影響を勘案して、「不動産」「自動車部品」「陸上運輸」「電力」の4つの業種について分析を実施しております

当行が主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積の割合が大きく平地割合も大きいことから、台風・豪雨等風水災による埼玉県内全域における洪水を想定した分析を実施しております

分析手法

対象業種に対して、炭素税導入による租税支払いの増加をPL・BSに反映しております

加えて電力セクターは設備投資による減価償却費の増加を反映させ、与信費用増加額を算出しております

当行取引先への影響については、事業性貸出金及び住宅ローンについて分析しております

分析にあたっては、本社所在地及び物件所在地の浸水度合をハザードマップから調査し、国土交通省水管理・国土保全局「治水経済マニュアル」による浸水度合毎の営業不稼動日数を勘案しております

分析結果

以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約8億円となっております

以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約25億円となっております

 

(ハ)炭素関連資産

  当行貸出金等に占める炭素関連資産(※)の割合:34.37%程度

  これまで14業種に分類し、開示しておりましたが、昨年度の環境省の公表を踏まえてTCFD18業種に紐づけを変更しております。変更の影響により、炭素関連資産が増加しております。

  ※炭素関連資産:2021年10月改訂のTCFD提言が推奨する定義を踏まえた4セクター(①エネルギー、②運輸、③素材・建築物、④農業・食糧・林業製品)向け2025年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除いております。

 

③リスク管理

(イ)気候変動リスクの特定と管理体制

  当行は、気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが、当行の事業運営、戦略、財務計画に大きな影響を与えることを認識しております。

  気候変動に関連する移行リスクや物理的リスクに関する定性的及び定量的な分析結果を踏まえ、お客さまの事業活動に及ぼす信用リスクとして、統合的リスク管理の枠組みの中で管理する体制の構築に取組んでおります。

(ロ)気候変動リスクを踏まえた融資ポリシーの公表等

  投融資方針では、地球温暖化に直接的な影響を及ぼす石炭火力発電所向け与信の厳格化等を含む当行の与信上の取組姿勢を明文化しております。

 

④指標及び目標

(イ)サステナブルファイナンス目標

  地域社会の「脱炭素化」実現に資するサステナブルファイナンスの実行金額の目標として、2021年度から2030年度までの10年間で、累計1兆円の実行と設定しております。

  なお、2024年度までのサステナブルファイナンスの実行金額は6,200億円となりました。

  また、2024年2月から脱炭素投資につなげる「GX経済移行債」へ投資し日本の産業競争力強化や持続的成長に向けて貢献しております。

  「サステナブルファイナンス」とは環境課題や社会課題の解決を資金使途とするファイナンスであり、お客さまのESGやSDGsへの取組みを支援するファイナンスが含まれております。

 

(ロ)CO排出量の推移

 ○Scope1・2排出量

  当行グループのCO排出量の推移はグラフのとおりであります。

過去のScope別排出

(単位:t-CO

 

2013年度

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

1,049

806

684

620

Scope2

7,131

5,790

4,924

2,874

総排出量

8,180

6,596

5,608

3,494

 ※Scope3は後述

 当行グループ全体の2024年度のCO2排出量(Scope1+Scope2)は、2013年度比△57.3%となりました。

 2024年5月より本店及び事務センターでの使用電力を非化石証書が付与された実質再生可能エネルギー電気に切替えております。これにより年間で2,255t-COの排出量削減となりました。

 また、EV車6台を導入し累計10台とした他、営業店のLED化、省エネ空調への切替、節電の取組みを実施し、CO排出量削減に取組んでおります。今後も継続して節電及び省エネ設備への切替に取組んでいき、2030年度CO排出量目標、2013年度比70%削減に向けて取組んでまいります。

 

 

 

 

 ○Scope3排出量の内訳

  当行では温室効果ガス排出量の算定範囲拡大に取組んでおり、今年度は当行のScope3カテゴリ1~5を新たに算定しております。

Scope3

内容

GHG排出量 単位:t-CO2

計算方法

2024年3月期

2025年3月期

カテゴリ1

購買品

13,968

購買品金額×産業連関表の金額当たり排出原単位

カテゴリ2

資本財

7,974

固定資産増加額×資本財金額当たり排出原単位

カテゴリ3

エネルギー関連活動

828

エネルギー調達量×エネルギー調達量当たり排出原単位

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

1,121

輸送費用×金額当たり排出原単位

カテゴリ5

廃棄物

195

廃棄物処理費用×金額当たり排出原単位

カテゴリ6

出張

247

243

従業員数×従業員当たり排出原単位

カテゴリ7

雇用者の通勤

559

574

勤務日数×勤務日数当たり排出原単位

カテゴリ8

自社が賃借するリース資産の排出

該当なし

カテゴリ9

輸送、配送(下流)

カテゴリ10

販売した製品の加工による排出

カテゴリ11

販売した製品の使用による排出

カテゴリ12

販売した製品の廃棄による排出

カテゴリ13

他社に賃借しているリース資産の排出

カテゴリ14

フランチャイズ

カテゴリ15

投融資(事業性貸出先のみ)

6,113,689

6,422,785

下記、Scope3カテゴリ15の算定にて記載

合計

6,114,495

6,447,691

 

 [算定に関する補足]

  環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関するガイドライン(ver.2.7)」及び環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver3.5)」を使用しております。

 

 

 ○Scope3カテゴリ15の算定 事業性融資の排出量

  投融資先を通じた間接的な温室効果ガス排出量は、金融機関におけるScope3(サプライチェーンにおけるCO排出量)の中でも大きな割合を占めるため、PCAFスタンダード(※1)の計測手法を参考に当行の国内事業法人向け融資について算定しております。算定した排出量は以下のとおりであります。

   ※1金融機関における投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

  ・当行融資先をTCFDの18業種(※2)に分類して算定した業種別排出量

   ※2(現状、18業種の内、『石炭』、『旅客空輸』は該当なし)

炭素関連セクター

業種

排出量

(単位:t-CO

エネルギー

石油及びガス

61,078

電力ユーティリティ

145,107

運輸

海上輸送

14,288

鉄道輸送

22,310

航空貨物

26,478

自動車及び部品

114,114

トラックサービス

242,566

素材・建築物

化学

251,447

金属・鉱業

443,325

建設資材

56,669

資本財

2,693,069

不動産管理・開発

280,735

農業・食糧・林業製品

飲料

20,775

農業

24,027

加工食品・加工肉

253,192

製紙・林業製品

180,869

 

その他

1,592,735

 

合計

6,422,785

 

 

 

  ・排出量の算定方法

   ① ボトムアップ分析 ※融資先の排出量データがある場合の算定式

     融資先の排出量(開示データ、C-checker等による実測値データ)×融資先への融資額÷(融資先の負債総額+純資産額)

   ② トップダウン分析 ※融資先の排出量データがない場合の算定式

     融資先売上高×業種別排出係数(環境省準拠)×融資先への融資額÷(融資先の負債総額+純資産額)

  ・時点

   融資残高:2025年3月末時点

   融資先売上高等財務指標:算定を行った2025年3月末時点で当行の保有する各融資先の最新決算情報

   今後も算定可能な範囲を順次広げてまいります。

 

 〇データクオリティスコア

  PCAFでは算定した排出量の品質を評価するためのデータクオリティスコアを下表のとおり定めております。より信頼性の高い開示を行うため、当行は今年度データクオリティスコアの算定を開始いたしました。当行の加重平均データクオリティスコアは『3.48』となりました。

  今後、C-checkerを起点とした、脱炭素経営の推進によりスコア改善に取組んでまいります。

 

  データクオリティスコアの基本的な考え方は以下のとおりであります。

 

 

 

(3)人的資本

①ガバナンス

当行では、人的資本を企業の持続的成長を支える根幹と考え、従業員一人ひとりの力が最大に発揮される環境の整備と、経営戦略との一体的な推進を重視しております。

人事部門内には、従業員一人ひとりの多様な能力を引き出し、組織全体の活性化を推進する「人材活躍推進室」及び従業員の主体的なキャリア形成を支援し、中長期的な人材育成を推進する「キャリア開発室」を設置しており、それぞれ以下の役割を担っております。

 ・「人材活躍推進室」:多様な人材の能力発揮を支援するための制度設計・運用、DE&Iの推進

 ・「キャリア開発室」:従業員のキャリア開発支援、人材育成プログラムの設計・実施、能力開発の支援・促進

両室は、人的資本に関するKPI(女性管理職比率、人材投資額、研修受講時間等)の進捗をモニタリングし、定期的に経営戦略部門と協議を実施しております。これにより、人事施策と経営戦略との整合性を高め、持続的な企業成長に資する人的資本マネジメントを実践しております。

 

②戦略

当行では「お客さまの課題解決に向け、自律的かつ挑戦心を持って取組むことができる人材」を育て、「様々な価値観を理解し、認め合うことで多彩な人材が活躍できる組織」を作ることが重要であるという認識のもと、長期ビジョンで標榜する「多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く」を実現すべく、人的資本経営の実践に努めてまいります。

当行の人的資本経営においては、「地域共存・顧客尊重」という経営理念に基づき、2023年3月に策定した長期ビジョン「MCP(Musashino mirai-Creation Plan)」と同期間(10年間)で「人材活躍推進に係る長期ビジョン~奏 SOU~」を策定しました。

長期ビジョン達成のためには、「お客さまの課題解決に向け、自律的かつ挑戦心を持って取組むことができる人材」を育て、「様々な価値観を理解し、認め合うことで多彩な人材が活躍できる組織」を作ることが重要であるという認識のもと、これらの人材、組織の構築に向けて取組む必要のある事項を「指標及び目標」として掲げております。

指標及び目標の策定に当たっては、人材育成方針を実現するために「活躍に向けた支援」「自律的なキャリア形成支援」「各人の専門性の向上」を重点取組み事項とし、社内環境整備方針では「DE&Iの推進」「Well-beingの向上」「健康経営の推進」を重点取組み事項に設定しております。

 

③リスク管理

当行は、金融機関として健全性及び持続的成長を実現するためには、人的資本の適切な管理が不可欠であると認識しております。

人事運営上の不公平・不公正・差別的行為等、及び職場の安全衛生環境の問題に起因して当行が損失を被るリスク、並びに役職員の不正行為により、当行が使用者責任を問われるリスクを、オペレーショナル・リスクの一つに区分しており、オペレーショナル・リスク管理規程等に基づき、発生防止策を検討、実践することでリスクの低減に努めております。

また、講じた防止策が適切に機能しているかなどをモニタリングし、適宜報告を実施、必要に応じて「オペレーショナル・リスク管理委員会」及び「経営会議」にて対応を協議するなど、リスク管理体制を構築しております。

 

④指標及び目標

当行では、各重点取組み事項ごとに指標を設定しており、各指標の目標及び実績は次のとおりであります。

〇活躍に向けた支援

  人材育成方針に掲げる「従業員一人ひとりが、目の前にある様々な機会に対し、自ら意思表示し、チャンスを掴もうとする挑戦心を持った人材を育成してまいります。」を実現するために積極的に人材への投資を促進するとともに、様々なバックボーンを踏まえた人材の活躍による企業価値向上に向けた取組を強化してまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

一人あたり人材投資額(注1)

297,391円

300,000円

一人あたりの研修受講時間

36時間09分

45時間

キャリア採用人数(注2)

41名

60名

(注)1 一人あたり人材投資額については、「研修費」「研修等にかかる教材費・交通費」「自己啓発奨励金」「必須受験資格の受験費用」「OFF-JT機会費用」「OJT機会費用」等を計上しております。

2 キャリア採用人数については、2025年3月期実績は2年間の累計、2026年3月期目標は3年間の累計となります。

≪一人あたり人材投資額≫

各人のスキル向上を図るべく、多様な研修を積極的に開催してまいりました。今年度は、新型コロナウイルスの終息に伴い、5年ぶりに海外視察研修を開催するなど、メニューの拡充に努めてまいりました。

今後も、業務上のスキルはもとより、基本的なビジネススキルなど、多様なスキル習得機会を提供し、お客さまの期待に応えられる人材を育成してまいります。

≪一人あたりの研修受講時間≫

若手の早期戦力化に向け、従来の業務研修に加え、Web会議システムの有効活用などによりフォローアップ研修を拡大するなど、研修内容を充実させてまいりました。

今後は、上位グレードに対する研修も適時開催し、受講者の幅を広げ、行員のスキル向上を通じて、生産性向上や地域No.1のソリューションの提供に向けた担い手の創出に努めてまいります。

≪キャリア採用人数≫

従来の新卒一括採用だけではなく、多彩な価値観の結集を意図した人材確保を積極的に進めております。

今後も今中期経営計画より開始したアルムナイネットワークや、リファラル採用を活用し、あらゆる人材へのアプローチを強化してまいります。

 

 

〇自律的なキャリア形成支援

  「人材育成方針」に基づき、「従業員一人ひとりが自らの考え方や思いに基づき行動・判断できる」人材の育成に向け、当行で働く全従業員が、自分自身の望むキャリアの実現に向けて自律的に行動し、その行動を銀行が支援・促進できるよう機会を提供してまいります。

  パートナー(非正規雇用労働者)の正規行員登用(行員転換)を継続的に実施しており、正規行員同様に各自のキャリア実現への支援に努めております。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

職務エントリーによる配置人数(注)

44名

100名

行員転換実績(注)

16名

30名

(注) 職務エントリーによる配置人数、行員転換実績においては、2025年3月期実績は2年間の累計、2026年3月期目標は3年間の累計となります。

≪職務エントリーによる配置人数≫

当行では従来、自分自身の望むキャリアの実現機会として職務エントリーを積極的に実施しており、今中期経営計画期間では累計で44名の配置を実現いたしました。

2024年7月に改正した人事制度では、新たに8つのキャリアルートを設定し、従業員自身が当行でのキャリアイメージを描きやすい環境と育成計画の整備を進めております。

今後も、従業員の自律的なチャレンジの支援強化に向けて、職務エントリー機会の拡充を行い、従業員のキャリア実現に向けた体制構築に取組んでまいります。

≪行員転換実績≫

当行では従来、正規雇用者の確保手段として非正規雇用者(臨時従業員等)の行員への転換を積極的に支援しております。

業務に精通した非正規雇用者が、自ら積極的に正規雇用者となる機会と、行員転換後のキャリア支援策を充実させ、正規雇用者の安定確保へ積極的に取組んでまいります。

 

〇各人の専門性の向上

  長期ビジョンで目指す「多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く」の実現のため、各人の課題解決力の向上へ注力してまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

ITパスポート保有率

66.5%

80%

プロフェッショナル資格保有者(注)

235名

300名

(注) プロフェッショナル資格保有者の対象となる主な資格は、FP技能士1級・CFP、中小企業診断士、証券アナリスト等、公的な資格を中心とした専門性の高い資格としております。

≪ITパスポート保有率≫

全社的なDX推進の基盤として、従業員のITリテラシー向上に注力し、その一環として「ITパスポート資格取得」を推奨しており、新入行員の育成カリキュラムにも組み込んでおります。これらにより、入行当初からITリテラシーの底上げを図り、業務のデジタル化の対応力を高め、将来的な高度IT人材の育成基盤を整備してまいります。

今後につきましても、実務に即したデジタル教育の拡充を通じて、変化に対応できる人材の育成を目指してまいります。

≪プロフェッショナル資格保有者≫

FP1級などのプロフェッショナル資格についても、資格取得・維持費用の支援に加え、キャリアルートに応じた必要資格を新たに設定することにより、自身のキャリア実現に向け、主体的に資格取得する従業員が増加しております。

また、高度な専門性を有する人材や経営人材を育成する「MCPアカデミー」について、受講条件の見直しや定員の増加など、学習環境の充実を積極的に推進し、従業員が業務と両立しながら継続的に学び、資格取得に繋げられる仕組みを構築しております。

今後も、銀行員として専門的スキルを高め、また、そのスキルをお客さまに還元できるよう、配置も含めた運用面も強化してまいります。

 

〇DE&Iの推進

  一人ひとりが個性を発揮し、お互いにその違いを認め、協力し合える組織を実現することが、組織の持続的発展へ寄与するとの認識のもと、性別や置かれている状況に関係なく、価値観が尊重され、多様性が発揮できる環境整備を進めてまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

女性管理職比率(注1)

15.8%

20%

男性労働者の育児休業取得率

(注2)

104.4%

100%以上

男女賃金格差

全 体 54.7%

正 規 68.4%

非正規 63.8%

障がい者雇用率

2.82%

2.8%

(注)1 女性管理職比率については、課長職以上に占める女性の比率を2026年3月までに20%とすることを目標として掲げ、女性の活躍推進、登用拡大に向けた支援と登用を行ってまいります。

2 男性労働者の育児休業については、取得率は100%以上に達しておりますが、取得日数の延伸が課題であり、取得期間の延伸に向けて、下記取組みを実施しております。

①3ヵ月毎の「配偶者出産前説明会」の定期開催(2023年11月より開始、2024年度15名受講)

②配偶者妊娠判明時の速やかな「育児休業取得意向確認書」提出、提出後の申請手続きの徹底

③男性育休取得事例紹介や「ワークライフバランス実践ハンドブック」への夫婦による家事育児タスク分担ツールの掲載等

≪女性管理職比率≫

当行では、「女性管理職の育成・登用」は特に重要な取組と認識し、「管理職候補の母集団形成」、「管理職への登用」の両面に取組んでおります。

具体的には、2024年度より女性リーダー層向け研修を実施し、リーダーシップやマネジメントスキルの向上を図っております。また、キャリア形成への不安の軽減とマインド面の醸成に繋げるため、マネジメント層によるメンタリングも開始いたしました。

今後については、従来の取組みに加え、業務経験を補うための支援も強化し、女性が能力を最大限に活かせる役職へ積極的に登用するなど、引続き性別にかかわらず、全ての従業員が能力を発揮し、活躍できる組織の実現に努めてまいります。

≪男性労働者の育児休業取得率≫

「男性労働者育児休業取得率」は、引続き100%を上回る水準を維持しております。

男性の育児休業取得は、従業員のワーク・ライフ・バランス向上や育児に理解のある職場風土の形成を促し、当行の企業価値向上にも寄与すると考えていることから、引続き取得を促進してまいります。

≪男女賃金格差≫

2024年7月に実施した人事制度改正において総合職と特定職を統合したことで、コース間の賃金格差を是正いたしました。

旧来の特定職の占める割合が高かった女性の活躍のフィールドを広げるとともに、賃金格差の是正も図っております。

≪障がい者雇用率≫

「障がい者雇用率」は法定雇用率以上を維持しております。

今後は障がいを持つ人が働きやすくなるための周囲の理解促進に継続して取組むことと併せ、障がいを持つ従業員が活躍できる環境の拡大にも努めてまいります。

 

〇Well-beingの向上

  重要なステークホルダーである従業員が、武蔵野銀行で働くことへの充実感を感じることが「組織・従業員の力を最大化」に繋がる重要な要素であるとの考えに基づき、多様な働き方の実現や福利厚生の拡充に取組んでまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

一人あたり有給休暇取得平均日数

13.1日

15日

一人あたり残業時間

11時間40分

11時間

従業員満足度

73.2%

100%を目指し持続的に向上

≪一人あたり有給休暇取得平均日数≫

制度休暇の完全取得に向けた行内への発信を強化しており、有給休暇の取得については平均13.1日(取得率は約70%の水準)で推移しております。

今後も、制度休暇に限らず、個々の事情に応じて従業員が休暇を取得しやすい雰囲気を醸成するためのコミュニケーション活性化に取組んでまいります。

≪一人あたり残業時間≫

一人あたりの残業時間については、業務効率化・時間管理の徹底により、残業時間の削減を図っております。

今後についても、更なる業務効率化を進めていくとともに、モニタリングも強化し、長時間労働の是正に引続き努めてまいります。

≪従業員満足度≫

2024年度に人事制度改正に取組み、コース区分の廃止や処遇の見直しを実施しました。

自身が目指すキャリアに向けて、専門性の向上や、自己成長に繋げてもらうため、行内の業務領域を可視化したキャリアルートも新設しており、今後は適正な運用に向けて取組んでまいります。

また、働き方の多様化や、賃金等の処遇改善を通じて、多様な人材が持続的に力を発揮できる環境整備を促進し、従業員満足度の向上を図ってまいります。

 

〇健康経営の推進

  健康経営の実践は、従業員のエンゲージメントの向上に繋がる重要な取組みとの認識のもと、企業の永続的な成長に向け、従業員の生産性向上に向けた取組みを強化してまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

ストレスチェック受検率

95.8%

100%

疾病等による長期休業者数

29名

段階的に削減

≪ストレスチェック受検率≫

当行では、ストレスチェックをメンタル不調者の早期発見や、職場環境の改善等に活用しており、従業員のストレス状態が把握できる重要な機会と捉えております。

近年95%程度の実施率となっており、重要性の周知のほか、受検しやすい方法や受検期間等を検討し、実施100%達成を目指してまいります。

≪疾病等による長期休業者数≫

従業員の心身不調による休業は、職場の生産性低下に大きな影響を与えることから、ラインケア・セルフケア研修などの未然防止策を強化しており、「疾病等による長期休業者数」の抑制に努めております。

今後も、従業員の健康保持増進、いきいきと働ける職場作りに加え、メンタルヘルス対策強化による新規発生を抑制するとともに、休業者に対する早期復帰の支援を進めてまいります。