2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,908名(単体) 2,043名(連結)
  • 平均年齢
    40.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.0年(単体)
  • 平均年収
    7,079,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当行の人材戦略については、「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」に則り、経営戦略の実現を担う人材を育成するとともに、その人材が最大限に能力を発揮できる環境を整備することを基本方針としております。

 人材戦略の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本 ②戦略」をご参照願います。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

信用保証業

その他

合計

従業員数(人)

1,908

34

6

95

2,043

[721]

[6]

[9]

[16]

[752]

(注)1 従業員数は、臨時従業員760人を含んでおりません。

2 臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

②当行の状況

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与

(千円)

前事業年度平均

年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度

増減率(%)

1,908

40.3

16.0

7,079

6,838

3.5

[721]

 当事業年度における従業員の年間給与は、前事業年度と比較して増加しております。

 これは、物価動向や労働市場環境の変化を踏まえ、従業員の生活安定及びエンゲージメントの維持・向上を図る観点からベースアップを実施したことに加え、中長期的な事業戦略の実行に必要な人材を確保・維持するため、初任給水準の見直し等を行ったことによるものです。

 当行では、従業員の給与について、地域と当行の将来を担う人材確保に向けた人的資本への投資と位置づけ、職務内容、役割、能力及び業績への貢献度等を総合的に勘案し、公正性及び透明性の確保を重視した仕組みに基づいて決定しております。

 なお、中期経営計画及び人材戦略との整合性を踏まえ、従業員の成長や挑戦を後押しする観点から、評価制度及び処遇制度について必要に応じた見直しを行っており、これにより、従業員の納得感を高めるとともに、戦略実行に資する人的資本の形成・定着を図っております。

(注)1 従業員数は、臨時従業員728人を含んでおりません。

2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5 当行の従業員組合は、武蔵野銀行従業員組合と称し、組合員数は1,458人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

6 当行は執行役員制度を導入しており、執行役員12人は従業員数に含まれております。

 

③管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める
女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2、3)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4、5、6)

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に補足説明を記載

16.6

105.3

57.5

72.4

61.5

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。「管理的地位にある労働者」とする対象は職務内容・職位による基準で選定し、課長職以上にある者をいいます。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男性労働者の育児休業取得率の算出にあたっては、次のとおりであります。

(1)2025年度に「育児休業等を取得した男性労働者数」を、2025年度に「配偶者が出産した男性労働者数」で除して算出しております。

(2)2024年度に配偶者が出産し、2025年度に入ってから育児休業等を取得した男性労働者の場合、2025年度に育児休業等を取得したため分子に加算されますが、2025年度に配偶者が出産していないことから分母には加算されないため、計算上100%超過となるものであります。

4 「労働者の男女の賃金の額の差異」については、短時間勤務者、臨時従業員(フルタイム以外)については、短縮率等に応じて人数換算し算出しております。

5 「労働者の男女の賃金の額の差異」の内訳は、同一職務による男女差はないものの、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合や、男女の勤続年数の差等により、差異が生じているものであります。

6 2024年7月に実施した人事制度改正において、総合職と特定職を統合したことで、コース間の賃金格差を是正しております。

 

 なお、連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行グループが判断したものであります。

 

 当行グループは、SDGsの目標達成に貢献するため、2019年3月に「武蔵野銀行SDGs宣言」を制定・公表し、2021年9月にTCFD提言への賛同を行うなど、サステナビリティ経営推進に向けた態勢整備を行い、本業を通じた持続可能な地域づくりや役職員の理解向上などに取組んでおります。

 2021年12月に、コーポレートガバナンス・コード改正やTCFD提言への賛同等を踏まえて制定した4つの方針のもと、気候変動や人権といったグローバルな課題や国内外の金融経済における脱炭素の動きに対応するとともに、より実効性のあるサステナビリティ経営の実践を目指しております。

 

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

(イ)サステナビリティ推進委員会

当行グループは頭取を委員長とする「サステナビリティ推進委員会(以下「委員会」という。)」が、グループ全体のサステナビリティ関連の各種施策の策定・遂行する役割を担っており、同委員会においてサステナビリティ経営に関する方向性、具体的な取組み等・リスクと機会の特定と評価について議論・審議し、定期的に取締役会へ報告することとしております。これにより、取締役会がサステナビリティ関連の取組みを監督する態勢を構築しております。また、その下部組織の「サステナビリティ検討部会」において企画立案、進捗管理等を行っております。

2022年3月、サステナビリティに関わる全行的取組みを統括・推進する専門組織として、総合企画部内に「サステナビリティ推進室」を設置しております。サステナビリティ推進室は、委員会の事務局を担当し、委員会では頭取をはじめとする取締役及び本部部長をメンバーとして、気候変動を含む環境や社会に係る機会及びリスクへの対応方針や取組計画等を年2回定期的に協議しております。

気候変動や生物多様性、資源循環などの環境問題や地域脱炭素の推進、中小企業のウェルビーイング経営支援、金融経済教育といった取組みについても、同室が中心となり組織横断的に3つの分科会(地域経済活性化、地域社会活性化、地域GX推進)を組成して取組んでおります。これまで「環境・ダイバーシティ分科会」にて協議していたDE&I、健康経営などの課題については、人材活躍推進委員会へ移管し、より専門的に対応してまいります。それに伴い、「環境・ダイバーシティ分科会」を「地域GX推進分科会」へ改称しております。

 

(ロ)人材活躍推進委員会

当行グループでは、急速に変化する社会環境や多様化する顧客ニーズに対応するため、グループ内の多彩な人材がその能力を最大限に発揮できる環境の整備を重要な経営課題と位置付けております。このような背景のもと、組織の持続的な成長と企業価値の向上を目指し、2026年4月「人材活躍推進委員会」を新たに設置いたしました。

「人材活躍推進委員会」は、頭取を委員長とし、取締役及び本部部長をメンバーとして構成され、当行グループ全体の人的資本に関する戦略的な施策の立案・実行を中心的に担い、年2回定期的に協議を行います。

人的資本投資・育成、DE&I、健康経営のほか、人的資本に関する情報開示への取組みも本委員会を通じて人事部が中心となり取組んでまいります。

当行グループではこれらの活動を通じて、従業員一人ひとりが自らの強みを活かし、組織全体の活力向上と持続的な成長につなげることを目指しております。また、委員会は定期的に施策の進捗状況をモニタリングし、必要に応じて改善策を講じることで、人的資本経営の高度化を図り、定期的に取締役会へ報告することとしております。これにより、取締役会が人的資本経営の取組みを監督する態勢を構築しております。

 

<当行グループのガバナンス態勢図>

 

<分科会での取組み>

 

(ハ)業績連動型役員報酬等

2026年6月25日開催予定の第103回定時株主総会の議案(決議事項)として、「定款一部変更の件」を付議しております。当該議案が承認可決されますと、当行は同定時株主総会終結の時をもって、監査等委員会設置会社に移行いたします。また、同定時株主総会に「取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対する業績連動型株式報酬制度改定の件」を議案(決議事項)として付議しており、当該議案が承認可決されますと、取締役の個人別の報酬等の額又はその算定方法の内容は次のとおりとなる予定であります。

 

当行グループでは、脱炭素社会の実現と働きがいの高い職場環境の整備を通じて、持続可能な地域社会の実現及び当行グループの持続的な成長を図ることを重要な経営課題と認識しております。

こうした認識のもと、取締役(監査等委員である取締役を除く。)が中長期的な企業価値増大への貢献意識を高め、財務指標のみならずサステナビリティに関する非財務指標の達成にも主体的に取組むことを目的に、株式報酬の業績指標として中期経営計画に掲げる連結ROEのほか、非財務指標として「CO排出量削減」「従業員エンゲージメントの向上」を採用しております。詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。

 

②戦略

(イ)重要課題(マテリアリティ)の特定プロセス

中期経営計画「MCP 2/3」の策定に際し、環境分析等を通じて認識した社会課題と、地域銀行として解決すべきESG課題について、時間軸及び影響度を考慮し、当行グループとステークホルダー双方にとって重要度の高い社会課題を抽出しました。分析にあたっては、GRIスタンダードやSASBセクターガイダンス等を参照しております。

埼玉県内の名目GDPは23.7兆円で全国第5位、総人口も732万人で全国第5位と、恵まれた経済環境にあります。加えて、高速道路や鉄道など暮らしに役立つ充実した交通ネットワークを有し、首都圏でありながら県土の約3分の2が緑地で豊かな自然に囲まれております。

一方で、人口減少や少子高齢化、人手不足、原材料・エネルギー調達リスク、価格高騰、脱炭素社会の実現に向けた取組みなど、多くの社会課題が存在することも認識しております。

これらの分析を通じて、当行グループが優先的に取組むべき5つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、中期経営計画に反映しております。

 

 

(ロ)重要課題(マテリアリティ)のリスクと機会

2023年4月、当行グループは長期ビジョン「MCP(Musashino Mirai-Creation Plan)」を策定しております。取組むべき事項として、地域の産業と雇用の維持活性化、全国一のスピードで訪れる高齢化社会への対応、魅力ある地域の創造と成長の支援、経営戦略及び事業戦略の遂行を下支えする人的資本と経営基盤の強化等を認識しております。

また、以下の5つの重要課題(マテリアリティ)とマテリアリティに紐づくリスクと機会を特定し、当行グループが重点的に取組むべきテーマを設定しております。

① 地域経済の持続的発展

取組むべきテーマ

 

リスク

社会構造変化(DX・人材投資など)への対応の遅れによる自社及び取引先の競争力低下

・県内企業の成長支援、

経営課題の解決

・円滑な事業承継への

主体的関与

・新たなビジネス創出や

産業発展への貢献

県内企業の後継者不在率の高まりによる地域企業数の減少

地域経済の停滞・事業基盤の縮小

機会

県内企業の経営課題の多様化に伴う資金需要拡大とコンサルティングサービス提供機会の増加

新たなビジネス・産業化への資金需要の拡大ソリューションサービス提供機会の増加

② サステナブルな地域社会の実現

 

リスク

暮らしやすさ低下による県外への人口流出に伴う顧客基盤の縮小

・急速に進展する高齢化

社会への対応

・ライフスタイルに合わせたコンサルティング

・デジタル化促進による

暮らしの質向上

・地域コミュニティとの

協働

デジタル金融サービスへのニーズ拡大に伴う若年層を中心としたネット銀行などへの顧客基盤の流出

機会

高齢者・子育て世代への訴求力高いソリューション提供と収益機会拡大

新たな資産形成・運用・承継ニーズの取込み

デジタルチャネルの充実による顧客基盤の維持・強化

③ 地域の自然環境の持続的な保全と利用

 

リスク

気候変動に関連する当行グループ及び取引先企業の業績悪化、信用コスト増加

・地域と共に進める脱炭素社会への貢献

・自然資本及びグリーンインフラの維持

県内のグリーンインフラ減少による不動産・観光・農業分野のビジネス縮小

機会

脱炭素、生物多様性関連のファイナンスやソリューションニーズの拡大

④ 多彩な人材の活躍推進

 

リスク

硬直的な人事運用による組織の弱体化、サービス品質の低下

・人材マネジメントの実践

・働きがいと成長を両立する風土の醸成

・DE&Iの推進と定着

環境整備やエンゲージメント不足による労働生産性の低下・人材の流出、企業イメージ低下による雇用機会の損失

機会

経営戦略と連動した計画的な人材育成・採用・配置に伴う事業競争力の向上

多様な知識・経験を持つ人材が集うレジリエンスの高い組織の構築

⑤ レジリエントな企業統治と組織体制の構築

 

リスク

ガバナンス不全、コンプライアンスの不徹底、リスク管理・セキュリティ対応不足による社会的信用の失墜

・ガバナンス高度化、

コンプライアンス徹底

・IR・SR活動を通じた対話の充実

・デジタル化推進による

生産性向上

・サイバーセキュリティ

強化、金融犯罪防止

情報開示の欠如や投資家へのエンゲージメント不足によるレピュテーションの低下

機会

安定的な業務運営に下支えされた成長戦略遂行力の強化

AI活用・デジタル化推進による業務効率化及び人的資源の最適活用、リスク予測・モニタリングの強化

 

当行グループは長期ビジョンのもと、環境変化に対応しながら、競争優位性・存在価値を高め、サステナブルな経営基盤を構築するとともに企業価値向上とサステナビリティ経営の高度化を実現してまいります。

 

 

③リスク管理

当行グループは、サステナビリティに関するガバナンス態勢のもと、グループ経営に関する様々なリスクと機会を特定し、リスクと機会の管理を強化しております。

事業全体に関する主要なリスクやリスク管理体制については、「3 事業等のリスク」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

気候変動への対応、人的資本に関するリスクについては、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)人的資本」をご参照ください。

 

④指標及び目標

当行グループは、長期ビジョンの実現に向けた中期経営計画「MCP 2/3」において、各種KPIを設定、主要計数項目につきましては2030年度目標を設定しております。

サステナビリティに関連する、気候変動への対応、人的資本に関する指標及び目標については、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)人的資本」をご参照ください。

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)

①ガバナンス

当行グループの気候変動への対応に関するガバナンスは、サステナビリティ全般に関するガバナンスに組み込まれており、サステナビリティ全般のガバナンス態勢の下で、気候変動への対応に関する各種施策の遂行、リスクと機会の認識・管理を実施しております。

詳細については「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

当行グループは、短期(概ね5年)、中期(概ね10年)、長期(概ね30年)の時間軸を考慮して気候変動に伴うリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会の分析を検討して行っております。

 

(イ)リスクと機会

  当行グループは気候変動に伴うリスクと機会を認識した上で、多くのお客さまとともに取組んでまいります。

種類

具体的なリスク・機会の内容

時間軸

対応方針

移行リスク

政策・

法律

・気候変動に関する規制や税制等の変更に伴うお客さまの事業への影響による信用リスクの発生

中期~長期

・脱炭素社会への移行過程において、規制の強化や税制の変更等による当行グループに及ぼす影響を算定しております

・排出量可視化ツール「C-checker」を導入し、排出量の可視化と分析を行い、お客さまの排出量の削減を支援していくことで、当行グループのScope3を削減し、移行リスクの低減を図っております

技術

・脱炭素技術の発展に伴うサプライチェーン再編のリスク

・脱炭素関連技術の失敗や市場の変化に伴う事業撤退

中期~長期

市場

風評

・気候変動対応や適切な情報開示が不足した場合の風評悪化リスク

中期~

長期

物理的リスク

急性

・風水災等の洪水発生に起因する不動産担保の毀損

・お客さまの営業拠点被災に伴う事業停滞による信用リスク

短期~長期

・当行グループが主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積及び平地割合が大きいことから、洪水が発生した場合の事業性貸出金及び住宅ローンにおける当行に及ぼす影響を算定しております

・今後も気候変動についての影響の分析を継続してまいります

慢性

・熱中症の増加や平均気温の上昇に起因する投融資先の労働生産性の低下に伴う事業停滞によるリスク

短期~長期

機会

資源

効率

・脱炭素社会への移行に向けた取組みによる企業のコスト低減や移行に係る資金需要の増加

短期~長期

・営業車両の環境配慮型自動車の導入、営業店舗への省エネ設備の導入を進めており、引続き対応してまいります

・脱炭素社会への移行に係る資金需要の増加及び環境意識の高まりに対応するため、法人・個人のお客さま向けに各種融資商品及びサービスを追加し、対応しております

・排出量可視化ツール「C-checker」を起点に、Scope3削減を目的としたコンサルティングを推し進め、お客さまの取組みステップに応じたソリューションを提供することで脱炭素経営の取組みを支援しております

エネル

ギー源

製品・

サービ

・脱炭素商品及びサービスの開発・拡張に係る資金需要の増加

短期~長期

市場

・お客さまのSDGsの取組みや気候変動に伴う脱炭素社会への移行に当たってのビジネス機会の増加

短期~長期

強靭性

・再生可能エネルギーや災害対策のためのインフラへの融資の機会増加

短期~長期

 

(ロ)シナリオ分析

  当行グループは下記のとおり、移行リスク及び物理的リスクの分析を実施しております。その結果、移行リスクの与信関係費用増加額は約8億円、物理的リスクについては約23億円となりました。当行の利益水準から財務に与える影響は限定的と認識しております。

  今後は、移行リスク、物理的リスクともにリスク分析の高度化を図るため、複数シナリオでの分析も検討してまいります。

シナリオ分析

移行リスク

物理的リスク

シナリオ

IEA国際エネルギー機関のNZEシナリオ

IPCCのSSP5-8.5シナリオ(4℃上昇シナリオ)

分析対象

・不動産

・自動車部品

・陸上運輸

・電力

・事業性貸出金

・住宅ローン

分析対象の選定理由

貸出取引量(件数、金額)や移行リスクの高さ等、当行グループ及び埼玉県における脱炭素社会への移行による影響を勘案して、「不動産」「自動車部品」「陸上運輸」「電力」の4つの業種について分析を実施しております

当行グループが主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積の割合が大きく平地割合も大きいことから、台風・豪雨等風水災による埼玉県内全域における洪水を想定した分析を実施しております

分析手法

対象業種に対して、炭素税導入による租税支払いの増加をPL・BSに反映しております

加えて電力セクターは設備投資による減価償却費の増加を反映させ、与信関係費用増加額を算出しております

当行グループ取引先への影響については、事業性貸出金及び住宅ローンについて分析しております

分析にあたっては、本社所在地及び物件所在地の浸水度合をハザードマップから調査し、国土交通省水管理・国土保全局「治水経済マニュアル」による浸水度合毎の営業不稼動日数を勘案しております

分析結果

以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約8億円となっております

以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約23億円となっております

 

(ハ)炭素関連資産

  当行貸出金等に占める炭素関連資産(※)の割合:35.34%程度

  ※炭素関連資産:2021年10月改訂のTCFD提言が推奨する定義を踏まえた4セクター(①エネルギー、②運輸、③素材・建築物、④農業・食糧・林業製品)向け2026年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除いております。

 

 

(ニ)埼玉県内の脱炭素推進に向けて

  当行グループは、埼玉県内の脱炭素の実現に向けて、地域・お客さま支援態勢の整備を進めてまいりました。

  2026年4月より開始した新中計「MCP 2/3」では基本戦略Ⅰ「価値共創コンサルティングへの深化」の「法人分野」において、脱炭素化等の地域企業が抱える課題を「地域No.1のソリューションによる価値共創」により解決する事を目指しております。また、基本戦略Ⅱ「埼玉の新たな価値創出への貢献」において、今回からScope3の削減目標を新設しております。

  当行グループは埼玉県内の脱炭素に資する取組みとして、ファイナンスドエミッション(FE)の削減に向けた支援体制やソリューションメニューを揃えております。お客さまの脱炭素経営を支援するに当たり、①FE多排出セクター、②主力・準主力先、③ニーズ顕在化先等を優先し支援していくことでより効果的に脱炭素を推し進めてまいります。

  CO排出量可視化ツール「C-checker」や「ESG評価シート」をはじめとした対話ツールを用いて、脱炭素経営の起点づくり、課題認識の共有を行い、グループ一体での脱炭素経営への実行支援につなげてまいります。

  お客さまの取組みステップに応じたソリューションメニューは次のとおりであります。

 

③リスク管理

(イ)気候変動リスクの特定と管理体制

  当行グループは、気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが、当行グループの事業運営、戦略、財務計画に大きな影響を与えることを認識しております。

  気候変動に関連する移行リスクや物理的リスクに関する定性的及び定量的な分析結果を踏まえ、お客さまの事業活動に及ぼす信用リスクとして、統合的リスク管理の枠組みのなかで管理する体制の構築に取組んでおります。

 

(ロ)気候変動リスクを踏まえた融資ポリシーの公表等

  投融資方針では、地球温暖化に直接的な影響を及ぼす石炭火力発電所向け与信の厳格化等を含む当行グループの与信上の取組姿勢を明文化しております。

 

④指標及び目標

(イ)サステナブルファイナンス目標

  当行グループは、気候変動に関するリスクと機会が当行グループの事業運営及び地域経済に与える影響を踏まえ、埼玉県内における脱炭素への取組みを金融面から積極的に支援することが重要であると認識しております。そのような取組みを一層強化していく観点から、地域社会の「脱炭素化」実現に資するサステナブルファイナンスに関して、当初設定した「2021年度から2030年度までの10年間で実行目標1兆円」を上方修正し、2026年度より「2021年度から2030年度までの10年間で実行目標2兆円」を新たな目標といたしました。

  なお、2025年度までのサステナブルファイナンスの実行金額は8,090億円となりました。

  「サステナブルファイナンス」とは環境課題や社会課題の解決を資金使途とするファイナンスであり、お客さまのESGやSDGsへの取組みを支援するファイナンスが含まれております。

 

(ロ)CO排出量の推移

 ○Scope1・2排出量

  当行グループはCO排出量の削減に向けて、これまで本店及び事務センターの使用電力を実質再生可能エネルギー由来の電気へ切り替えたほか、EV車の導入(累計21台)や、営業店のLED化、省エネ空調への切替、節電の取組みを実施しております。

  これらの取組みにより、2021年度より掲げていた2030年度CO排出量目標「2013年度比70%削減」については、本年の削減率が△72.1%となり、当初の目標を前倒しで達成いたしました。

  当初目標を達成したことを踏まえ、新たに2030年度CO排出量目標を「2013年度比100%削減(カーボンニュートラルの達成)」と定め、今後も継続して削減に取組み、より一層の環境負荷低減を目指してまいります。

  当行グループのCO排出量の推移はグラフのとおりであります。(※Scope3は後述)

過去のScope別排出

(単位:t-CO

 

2013年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

Scope1

1,049

806

684

620

597

Scope2

7,131

5,790

4,924

2,874

1,686

総排出量

8,180

6,596

5,608

3,494

2,283

 

 

 

 ○Scope3排出量の内訳

  当行グループでは温室効果ガス排出量の算定範囲拡大に取組んでおり、今年度は当行のScope3カテゴリ1~7及びカテゴリ15を算定しております。

Scope3

内容

GHG排出量 単位:t-CO2

計算方法

2025年3月期

2026年3月期

カテゴリ1

購買品

13,968

13,136

購買品金額×産業連関表の金額当たり排出原単位

カテゴリ2

資本財

7,974

5,373

固定資産増加額×資本財金額当たり排出原単位

カテゴリ3

エネルギー関連活動

828

803

エネルギー調達量×エネルギー調達量当たり排出原単位

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

1,121

1,161

輸送費用×金額当たり排出原単位

カテゴリ5

廃棄物

195

167

廃棄物処理費用×金額当たり排出原単位

カテゴリ6

出張

243

243

従業員数×従業員当たり排出原単位

カテゴリ7

雇用者の通勤

574

535

勤務日数×勤務日数当たり排出原単位

カテゴリ8

自社が賃借するリース資産の排出

該当なし

カテゴリ9

輸送、配送(下流)

カテゴリ10

販売した製品の加工による排出

カテゴリ11

販売した製品の使用による排出

カテゴリ12

販売した製品の廃棄による排出

カテゴリ13

他社に賃借しているリース資産の排出

カテゴリ14

フランチャイズ

カテゴリ15

投融資(事業性貸出先のみ)

6,422,785

6,155,537

下記、Scope3カテゴリ15の算定にて記載

合計

6,447,691

6,176,955

 

 [算定に関する補足]

  環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関するガイドライン(ver.2.8)」及び環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver3.6)」を使用しております。

 

 

 ○Scope3カテゴリ15の算定 事業性融資の排出量

  埼玉県内の脱炭素社会に向けた取組みを積極的に主導していく観点から新たに、Scope3(サプライチェーンにおけるCO排出量)について、「2030年度までに2024年度比40%削減」の削減目標を設定しました。

  投融資先を通じた間接的な温室効果ガス排出量は、金融機関におけるScope3(サプライチェーンにおける
CO排出量)の中でも大きな割合を占めるため、PCAFスタンダード(※)の計測手法を参考に当行グループの国内事業法人向け融資について算定しております。算定した排出量は以下のとおりであります。

   ※金融機関における投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

  ・当行融資先をTCFDの18業種に分類して算定した業種別排出量

炭素関連セクター

業種

排出量

(単位:t-CO

エネルギー

石油及びガス

61,720

石炭

131

電力ユーティリティ

152,991

運輸

航空貨物

11,338

旅客空輸

6,017

海上輸送

30,730

鉄道輸送

16,297

トラックサービス

392,291

自動車及び部品

51,853

素材・建築物

金属・鉱業

279,265

化学

229,474

建設資材

125,954

資本財

1,927,249

不動産管理・開発

251,834

農業・食糧・林業製品

飲料

8,712

農業

23,957

加工食品・加工肉

173,337

製紙・林業製品

61,881

 

その他

2,350,498

 

合計

6,155,537

 

 

 

  ・排出量の算定方法

   ① ボトムアップ分析 ※融資先の排出量データがある場合の算定式

     融資先の排出量(開示データ、C-checker等による実測値データ)×融資先への融資額÷(融資先の負債総額+純資産額)

   ② トップダウン分析 ※融資先の排出量データがない場合の算定式

     融資先売上高×業種別排出係数(環境省準拠)×融資先への融資額÷(融資先の負債総額+純資産額)

  ・時点

   融資残高:2026年3月末時点

   融資先売上高等財務指標:算定を行った2026年3月末時点で当行グループの保有する各融資先の最新決算情報

   今後も算定可能な範囲を順次広げてまいります。

 

 〇データクオリティスコア

  PCAFでは算定した排出量の品質を評価するためのデータクオリティスコアを下表のとおり定めております。より信頼性の高い開示を行うため、当行グループは2025年3月期よりデータクオリティスコアの算定を開始し、2026年3月期の当行の加重平均データクオリティスコアは『3.26』となりました。

  今後、C-checkerを起点とした、脱炭素経営の推進によりスコア改善に取組んでまいります。

 

  データクオリティスコアの基本的な考え方は以下のとおりであります。

 

 

 

(3)人的資本

①ガバナンス

当行グループでは、人的資本を企業の持続的成長を支える根幹と考え、従業員一人ひとりの力が最大に発揮される環境の整備と、経営戦略との一体的な推進を重視しており、2026年4月に新たに「人材活躍推進委員会」を設置いたしました。

「人材活躍推進委員会」は、頭取を委員長とし、取締役及び本部部長をメンバーとして構成され、当行グループ全体の人的資本に関する戦略的な施策の立案・実行を中心的に担い、年2回定期的に協議を行います。委員会は、施策の進捗状況をモニタリングし、必要に応じて改善策を講じていくことで、人的資本経営の高度化を図り、定期的に取締役会へ報告することとしており、取締役会が人的資本経営の取組みを監督する態勢を構築しております。

人事部内には、従業員一人ひとりの多様な能力を引き出し、組織全体の活性化を推進する「人材活躍推進室」及び従業員の主体的なキャリア形成を支援し、中長期的な人材育成を推進する「キャリア開発室」を設置しており、それぞれ以下の役割を担っております。

 ・「人材活躍推進室」:多様な人材の能力発揮を支援するための制度設計・運用、DE&Iの推進

 ・「キャリア開発室」:従業員のキャリア開発支援、人材育成プログラムの設計・実施、能力開発の支援・促進

両室は、人的資本に関するKPI(女性管理職比率、人材投資額、研修受講時間等)の進捗をモニタリングし、定期的に経営戦略部門と協議を実施しております。これにより、人事施策と経営戦略との整合性を高め、持続的な企業成長に資する人的資本マネジメントを実践しております。

 

②戦略

当行では「お客さまの課題解決に向け、自律的かつ挑戦心を持って取組むことができる人材」を育て、「様々な価値観を理解し、認め合うことで多彩な人材が活躍できる組織」を作ることが重要であるという認識のもと、長期ビジョン「MCP」で標榜する「多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く」を実現すべく、人的資本経営の実践に努めております。

また、長期ビジョン「MCP」と同期間(10年間)で「人材活躍推進に係る長期ビジョン~奏 SOU~」を策定しております。

長期ビジョン「MCP」達成のためには、「お客さまの課題解決に向け、自律的かつ挑戦心を持って取組むことができる人材」を育て、「様々な価値観を理解し、認め合うことで多彩な人材が活躍できる組織」を作ることが重要であるという認識のもと、これらの人材、組織の構築に向け、長期ビジョン「MCP」の第1フェーズである中期経営計画「MCP 1/3」の期間(2023年4月~2026年3月)において、「活躍に向けた支援」「自律的なキャリア形成支援」「各人の専門性の向上」を重点取組み事項とし、社内環境整備方針では「DE&Iの推進」「Well-beingの向上」「健康経営の推進」を重点取組み事項に設定し、各種施策に取組んでまいりました。

 

 ≪中期経営計画「MCP 1/3」における人材戦略の総括≫

 長期ビジョン「MCP」の第1フェーズである中期経営計画「MCP 1/3」において、人材投資の拡充や自律的なキャリア形成支援、DE&Iの推進などに取組み、人的資本経営の基盤整備を進めてきました。

 その結果、人材育成や多様な人材活躍に関して一定の成果が確認できた一方で、経営戦略をより確実に遂行していくためには、人材の質的高度化や戦略と人材施策との一層の連動が課題として認識されるに至りました。

 これらの成果と課題を踏まえ、人的資本経営を次のステージへと進化させる必要があるとの認識のもと、2026年4月より新たな中期経営計画「MCP 2/3」を開始しております。

 ≪中期経営計画「MCP 2/3」における人材戦略≫

 中期経営計画「MCP 2/3」においては、これまでの取組みを土台として「価値共創コンサルティングへの深化」「埼玉の新たな価値創出への貢献」「未来を支える経営基盤の強化」という3つの経営戦略を着実に推進していくため、従業員一人ひとりの専門性や挑戦意欲を引き出し、組織としての総合力を高めていくことが不可欠であると認識しております。

 この認識のもと、中期経営計画「MCP 2/3」の人材戦略では、経営戦略の実行力を支える人材マネジメントの高度化と、持続的な価値創出を可能とする組織風土の醸成を目的に、「人的資本価値を最大化する人材マネジメントの実践」「従業員の挑戦が組織の飛躍につながる好循環の創出」「ライフスタイルにあった働き方の実現」の3つを重点テーマとして位置付け、経営戦略と連動した人材戦略を推進してまいります。

 今中計期間(2026年4月~2030年3月)では、これらの取組みを通じて人材基盤の強化及び組織環境の整備を進め、地域・お客さまの課題を解決する最良のパートナーとして確固たる存在を支える人材の輩出を目指してまいります。

 人的資本開示にあたっては、従来からの6つの観点・指標を継続的に活用しつつ、各施策がこれら3つの重点テーマ及び経営戦略のどこに位置付けられるのかを示すことで、人材戦略における一貫性及び中長期的な発展性を明確にしております。

 また、従業員の給与・賞与等の処遇は、職務内容、役割、能力及び業績への貢献度等を総合的に勘案し、同業他社の水準も踏まえた競争力のある水準で決定しております。

 なお、賃金体系は定例給与及び賞与等で構成しており、定例給与は、職務遂行能力等に基づく要素と、職責や役割に応じた要素により構成しております。

 さらに、賞与については業績との連動性を高めた運用とするとともに、企業型確定拠出年金制度や従業員持株会制度の充実等を通じて、成果発揮に向けた動機付けと中長期的な資産形成支援の両面から、従業員のモチベーション、エンゲージメント向上に取組んでおります。

 

③リスク管理(人的資本に関わるリスク・機会)

当行は、地域経済の持続的な発展に貢献するため、顧客課題解決型の営業や、金融・非金融を含む付加価値提供の高度化を重要な経営戦略として掲げております。これらの戦略を着実に遂行していくうえで、人的資本はその基盤であり、人的資本に関わるリスク及び機会の認識と対応は、経営戦略の実現可能性に直接的な影響を与えると認識しております。

(主なリスク)

 ≪人材確保・育成に関するリスク≫

 少子高齢化や地域間・業種間の人材獲得競争の激化を背景に、当行グループが必要とする専門性や顧客対応力を備えた人材の確保・育成が十分に進まない場合、顧客の経営課題や多様化するニーズに応じた提案型営業の推進や、新たなビジネス領域への展開が制約され、経営戦略の遂行に影響を及ぼす可能性があります。

 ≪人員構成の変化に伴うリスク≫

 中核人材の高齢化や経験豊富な人材の退職が進行し、業務知見や地域に根ざした情報・人脈の継承が十分に行われない場合、地域密着型のサービス提供力や組織全体の対応力が低下し、業務の質や顧客との長期的な関係構築に影響を及ぼす可能性があります。

 ≪エンゲージメント低下のリスク≫

 働き方やキャリア観の多様化に対応した人事制度や成長機会の提供が不十分な場合、従業員のエンゲージメント低下や離職を招き、戦略を担う人材の定着・活躍が進まず、生産性やサービス水準の低下につながる可能性があります。

 

(主な機会)

 ≪人材育成による付加価値創出の機会≫

 従業員一人ひとりの専門性や課題解決力を高める人材育成を体系的に推進することで、顧客の経営課題やライフステージに応じた提案力の向上が図られ、金融・非金融を含む付加価値の高いサービス提供を通じて、経営戦略の高度化につながる機会であると認識しております。

 ≪人材多様化による組織力向上の機会≫

 新卒採用に加え、専門性を有する経験者採用や多様なバックグラウンドを持つ人材の活躍を促進することで、既存の枠組みにとらわれない発想や知見を取り入れた商品・サービス開発、業務プロセスの高度化が進み、戦略の実行力強化につながる機会であると認識しております。

 ≪働きがい向上による生産性向上の機会≫

 働き方改革や処遇・職場環境の整備を通じて行員の働きがいを高めることは、人材の定着や能力発揮を促進するとともに、主体的な行動や挑戦の創出につながり、生産性や顧客満足度の向上を通じて、経営戦略の持続的な推進を支える機会になると認識しております。

 

④指標及び目標

(中期経営計画「MCP 1/3」(2023年4月~2026年3月)における指標・目標)

当行では、重点取組み事項ごとに指標を設定しており、各指標の目標及び実績は次のとおりであります。

〇活躍に向けた支援

  人材育成方針に掲げる「従業員一人ひとりが、目の前にある様々な機会に対し、自ら意思表示し、チャンスを掴もうとする挑戦心を持った人材を育成してまいります。」を実現するために積極的に人材への投資を促進するとともに、様々なバックボーンを踏まえた人材の活躍による企業価値向上に向けた取組みを強化してまいりました。

 

2024年3月期実績

2025年3月期実績

2026年3月期実績

2026年3月期目標

一人当たり
人材投資額(注1)

273,716円

297,391円

336,764円

300,000円

一人当たりの
研修受講時間

35時間24分

36時間09分

40時間35分

45時間

キャリア採用人数

(注2)

21名

41名

69名

60名

(注)1 一人当たり人材投資額については、「研修費」「研修等にかかる教材費・交通費」「自己啓発奨励金」「必須受験資格の受験費用」「OFF-JT機会費用」「OJT機会費用」等を計上しております。

2 キャリア採用人数については、2026年3月期実績は3年間の累計、目標は3年間の累計となります。

≪一人当たり人材投資額≫

当行では、経営戦略の実現に必要な人材基盤の強化に向け、一人当たり人材投資額の拡充を進めております。当事業年度は、高度な専門性を有する人材の育成を目指す「MCPアカデミー」の受講機会拡大や海外視察研修等を通じ、従業員の専門性及び課題解決力の向上を図りました。

今後は、eラーニング及び業務時間外・休日の学習機会の拡充等を通じ、自律的な学びを促進してまいります。また、投資対象及び施策内容の見直しを継続し、従業員のスキル向上と人材投資の質の向上に努めてまいります。

≪一人当たりの研修受講時間≫

研修については、従来の対面形式に加え、Web会議システムを活用したオンライン形式を組み合わせるなど、研修内容の充実を図ってまいりましたが、業務との両立や受講形態の多様化の観点から、受講機会のさらなる拡充が必要であると認識しております。

今後については、オンライン研修の活用や自己学習支援の拡充を通じ、より柔軟で継続的に学べる仕組みの構築を進め、受講機会の一層の充実を図ってまいります。

≪キャリア採用人数≫

多様な価値観の結集を意図した人材の確保を積極的に進めた結果、中期経営計画期間で69名の採用を実現し、目標を達成しました。

今後もアルムナイネットワークや、リファラル採用を活用し、多様な人材の採用を強化してまいります。

 

〇自律的なキャリア形成支援

  「人材育成方針」に基づき、「従業員一人ひとりが自らの考え方や思いに基づき行動・判断できる」人材の育成に向け、当行で働く全従業員が、自分自身の望むキャリアの実現に向けて自律的に行動し、その行動を銀行が支援・促進できるよう機会を提供してまいりました。

  非正規雇用の従業員について、行員登用(行員転換)を継続的に実施しており、行員同様に各自のキャリア実現への支援に努めております。

 

2024年3月期実績

2025年3月期実績

2026年3月期実績

2026年3月期目標

職務エントリーによる配置人数(注)

28名

44名

64名

100名

行員転換実績(注)

8名

16名

19名

30名

(注) 職務エントリーによる配置人数、行員転換実績においては、2026年3月期実績は3年間の累計、目標は3年間の累計となります。

≪職務エントリーによる配置人数≫

2024年7月に改正した人事制度では、8つのキャリアルートの設定や育成計画の整備を行い、従業員が当行グループでのキャリアイメージを描きやすい環境を構築するとともに、職務エントリー制度や希望キャリアを踏まえた人事異動を通じて、自らの意思によるチャレンジを後押しする運用の定着を進めております。

一方、エントリー者数は着実に増加しているものの、実際の配置への反映という点では一部課題があり、キャリア面談や職務希望調査、自己申告等で把握した意向を活用するなど、さらなる改善が必要であると認識しております。

こうした課題を踏まえ、今後は従業員の前向きかつ自律的なチャレンジを一層後押しする観点から、職務エントリー機会の拡充を行うとともに、従業員一人ひとりとの対話機会を増やし、キャリア実現を支援する体制の構築に取組んでまいります。

≪行員転換実績≫

当行では、非正規雇用の従業員から行員への転換を通じた人材確保を推進しており、制度の活用は着実に進展しておりますが、ライフステージの変化等を背景に、さらなる転換機会の拡充が必要であると認識しております。

これを踏まえ、挑戦機会の拡充を目的として、エントリー機会の増加とともに、要件の見直し・緩和を実施した結果、エントリー者数は増加しております。

今後も、従業員が主体的に能力発揮・キャリア形成に挑戦しやすい制度運用を通じて、人材の活躍機会の拡大につなげてまいります。

 

〇各人の専門性の向上

  長期ビジョンで目指す「多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く」の実現のため、各人の課題解決力の向上へ注力してまいりました。

 

2024年3月期実績

2025年3月期実績

2026年3月期実績

2026年3月期目標

ITパスポート保有率

64.0%

66.5%

71.3%

80%

プロフェッショナル
資格保有者(注)

211名

235名

269名

300名

(注) プロフェッショナル資格保有者の対象となる主な資格は、FP技能士1級・CFP、中小企業診断士、証券アナリスト等、公的な資格を中心とした専門性の高い資格としております。

≪ITパスポート保有率≫

全社的なDX推進の基盤として、従業員のITリテラシー向上に注力し、その一環として「ITパスポート資格取得」を推奨してまいりました。

その結果、全社的なITリテラシーの底上げや高度IT人材の育成基盤整備は着実に進んでいる一方で、取得状況には職層や職務によって差異が見られ、ITに関する基礎知識のさらなる浸透や、業務との関連性を踏まえた理解促進が課題であると認識しております。

今後も、引続きITリテラシー向上施策の充実に加え、日常業務と連動した実践的な学習機会の提供や学習内容の定着に向けた仕組みの整備等を通じて、業務との関連性を実感できる人材育成の強化に取組んでまいります。

≪プロフェッショナル資格保有者≫

プロフェッショナル資格の取得・維持費用の支援を積極的に推進したことで、自身のキャリア実現に向け、主体的に資格取得する従業員は着実に増加しておりますが、支援方法や学習意欲の醸成については、なお改善の余地があると認識しております。

そのため、プロフェッショナル資格取得につながる当行独自の講座である「MCPアカデミー」の受講を今後も積極的に推進し、従業員が業務と両立しながら継続的に学び、資格取得に繋げられる仕組みを強化してまいります。

今後も、銀行員として専門的スキルを高め、また、そのスキルをお客さまに還元できるよう、配置も含めた運用面の一層の充実を図ってまいります。

 

 

〇DE&Iの推進

  一人ひとりが個性を発揮し、お互いにその違いを認め、協力し合える組織を実現することが、組織の持続的発展へ寄与するとの認識のもと、性別や置かれている状況に関係なく、価値観が尊重され、多様性が発揮できる環境整備を進めてまいりました。

 

2024年3月期実績

2025年3月期実績

2026年3月期実績

2026年3月期目標

女性管理職比率

15.3%

15.8%

16.6%

20%

男性労働者の育児
休業取得率(注)

114.6%

104.4%

105.3%

100%以上

男女賃金格差

全 体 52.1%

正 規 64.3%

非正規 62.4%

全 体 54.7%

正 規 68.4%

非正規 63.8%

全 体 57.5%

正 規 72.4%

非正規 61.5%

障がい者雇用率

2.58%

2.82%

2.87%

2.8%

(注) 男性労働者の育児休業については、取得率は100%以上に達しておりますが、取得日数の延伸が課題であり、取得期間の延伸に向けて、下記取組みを実施しております。

・3ヵ月毎の「配偶者出産前説明会」の定期開催

・配偶者妊娠判明時の速やかな「育児休業取得意向確認書」提出、提出後の申請手続きの徹底

・男性育休取得事例紹介や「ワーク・ライフ・バランス実践ハンドブック」への夫婦による家事育児タスク分担ツールの掲載等

≪女性管理職比率≫

当行では、「女性管理職の育成・登用」を重要な経営課題と位置づけ、「管理職候補の母集団形成」と「管理職への登用」の両面から継続的に取組みを進めており、女性管理職比率は着実に向上しております。

一方で、持続的な向上に向けては、管理職を担う人材の計画的な育成・輩出に加え、キャリア形成上の不安やライフステージとの両立に向けた働き方に関する制約等、管理職を目指すうえでの障壁の解消が課題であると認識しております。

こうした課題を踏まえ、女性リーダー層向け研修によるリーダーシップ・マネジメントスキルの向上に加え、マネジメント層によるメンタリングを通じて、将来のキャリア形成に対する不安の軽減及び意欲の醸成に取組むとともに、個々の状況に応じた配置・業務面での支援等、能力を発揮しやすい環境整備にも努めてまいりました。

これらの取組みの結果、次世代の管理職を担う候補者数は、中期経営計画「MCP 1/3」のスタート前である2023年3月期の122名から2026年3月期には145名へと拡大しており、将来的な女性管理職比率の向上を支える基盤の強化につながっております。

今後は、これまでの施策を継続・強化するとともに、女性管理職同士のネットワーク形成や、経験・能力を最大限に発揮できる役職への登用を一層推進することで、性別にかかわらず多様な人材が活躍できる組織の実現を目指してまいります。

≪男性労働者の育児休業取得率≫

「男性労働者育児休業取得率」は、引続き100%を上回る水準を維持しております。

男性の育児休業取得の促進は、男性のワーク・ライフ・バランス向上のみならず、女性の活躍推進に向けても重要と考えており、取得日数の延伸に向け引続き促進してまいります。

≪男女賃金格差≫

2024年7月に実施した人事制度改正において総合職と特定職を統合したことで、コース間の賃金格差を是正いたしました。旧来の特定職の占める割合が高かった女性の活躍のフィールドを広げることで、正規及び全体でも男女賃金格差は是正が進んでおります。

なお、非正規雇用の従業員における男女賃金格差については、職種構成や勤務形態の違い等により年度ごとの変動が生じております。

今後については、非正規雇用の従業員の役割や処遇のあり方を踏まえつつ、賃金構造や人的構成の変化を継続的にモニタリングしてまいります。

≪障がい者雇用率≫

「障がい者雇用率」は法定雇用率以上を維持しております。

2026年7月より法定雇用率が引上げられますが、引続き当行グループは雇用率を維持するとともに、障がいを持つ従業員の働きやすさ向上に向け、周囲の理解促進に取組むこととあわせ、活躍できる環境の拡大にも努めてまいります。

 

〇Well-beingの向上

  重要なステークホルダーである従業員が、武蔵野銀行で働くことへの充実感を感じることが「組織・従業員の力を最大化」につながる重要な要素であるとの考えに基づき、多様な働き方の実現や福利厚生の拡充に取組んでまいりました。

 

2024年3月期実績

2025年3月期実績

2026年3月期実績

2026年3月期目標

一人当たり有給休暇
取得平均日数

13.4日

13.1日

13.4日

15日

一人当たり残業時間

12時間11分

11時間40分

11時間28分

11時間

従業員満足度

72.4%

73.2%

75.1%

100%を目指し

持続的に向上

≪一人当たり有給休暇取得平均日数≫

制度休暇の取得促進に向けた継続的な取組みにより、有給休暇の取得日数は平均13.4日(取得率は約70%)まで向上しておりますが、年次有給休暇の計画的な取得のさらなる浸透については、引続き改善の余地があると認識しております。

今後は、業務運営との両立を図りつつ、取得計画の明確化や職場単位での運用徹底などにより、休暇取得を前提とした業務運営の定着を進めることで、従業員の健康維持及び持続的な活躍につなげてまいります。

≪一人当たり残業時間≫

一人当たりの残業時間については、これまで業務効率化や時間管理の徹底を通じて削減を進めてきており、一定の改善が見られておりますが、さらなる適正化に向けては引続き改善の余地があると認識しております。

今後は、業務プロセスの見直しやデジタル活用の一層の推進により、業務の効率化と生産性向上を図りながら、長時間労働の是正の定着を進め、従業員が安心して働ける環境づくりにつなげてまいります。

≪従業員満足度≫

中期経営計画「MCP 1/3」期間においては、ベースアップ等の処遇改善や人事制度改正含めたキャリア形成に関する施策を進めるなかで、従業員満足度の向上が見られました。

中期経営計画「MCP 2/3」では、こうした結果を踏まえ、従業員一人ひとりがやりがいや成長を実感できる環境づくりをさらに進め、エンゲージメントの向上を通じた組織力の強化を図ってまいります。

 

〇健康経営の推進

  健康経営の実践は、従業員のエンゲージメントの向上につながる重要な取組みとの認識のもと、企業の永続的な成長に向け、従業員の生産性向上に向けた取組みを強化してまいりました。

 

2024年3月期実績

2025年3月期実績

2026年3月期実績

2026年3月期目標

ストレスチェック
受検率

96.2%

95.8%

98.1%

100%

疾病等による長期休業者数(アブセンティーズム)

27名

29名

24名

段階的に削減

≪ストレスチェック受検率≫

当行では、ストレスチェックをメンタル不調者の早期把握や、職場環境改善につなげる重要な取組みと位置づけ、従業員の心身の健康保持・増進に活用しております。

全店に向けた受検勧奨と未実施者在籍店への個別指導を継続した結果、受検率は98.1%に向上しております。

今後も、受検しやすい環境整備と、職場への働きかけを継続し、さらなる受検率の向上に努めてまいります。

≪疾病等による長期休業者数≫

従業員の心身不調による休業は職場の生産性低下に大きな影響を与えることから、ラインケア・セルフケア研修などの未然防止策を強化しており、「疾病等による長期休業者数」の抑制に努めております。

今後も、従業員の健康保持・増進、いきいきと働ける職場作りに加え、メンタルヘルス対策強化による新規発生を抑制するとともに、休業者に対する早期復帰の支援を進めてまいります。

 

 

(中期経営計画「MCP 2/3」(2026年4月~2030年3月)における指標・目標)

 当行では、中期経営計画「MCP 2/3」における人材戦略の推進に当たり、各施策の浸透度及び実効性を適切に把握する観点から指標を設定しております。
 中期経営計画「MCP 1/3」において人材育成や社内環境整備を含む人的資本経営の基盤整備を進めてきたことを踏まえ、中期経営計画「MCP 2/3」ではこれらの取組みをさらに発展させ、人材戦略との連動性を意識した指標体系の見直しを行っております。

 

≪人材育成方針に関する指標について≫

「お客さまの課題解決に向け、自律的かつ挑戦心を持って取組むことができる人材」の育成に向け、従業員一人ひとりの主体的な学びやキャリア形成を後押しするとともに、専門性の向上を通じた価値創出力の強化に取組んでまいります。
 中期経営計画「MCP 2/3」においては、これらの取組みをさらに発展させ、従業員の主体的な挑戦や成長の状況をより的確に把握する観点から、行動やプロセスを含めた多面的な指標を設定しております。
 これにより、人材育成施策の浸透度及び実効性を可視化し、人的資本価値の最大化につなげてまいります。

〇活躍に向けた支援

 

2026年3月期実績

2030年3月期目標

一人当たりの人材投資額

336,764円

420,000円

自主参加型研修等活用数

(一人当たり)

2.4回

6.0回以上

キャリア採用人数(注)

69名

累計200名

 (注)キャリア採用人数は、MCP 1/3期間の累計人数

 

〇自律的なキャリア形成支援

 

2026年3月期実績

2030年3月期目標

行員転換実績(注)

19名

累計40名

職務エントリー数

41名

累計160名

 (注)行員転換実績は、MCP 1/3期間の累計人数

 

〇各人の専門性の向上

 

2026年3月期実績

2030年3月期目標

成長実感スコア(注)

81.3%

90%以上

プロフェッショナル資格保有者

269名

350名

 (注)法定ストレスチェックにおける「業務」「人間性」に関する設問への肯定回答割合

 

 

≪社内環境整備方針に関する指標について≫

「様々な価値観を理解し、認め合うことで多彩な人材が活躍できる組織」の実現に向け、DE&Iの推進やWell-beingの向上、健康経営の推進など、従業員が安心して能力を発揮し、挑戦を継続できる環境の整備に取組んでまいります。
 中期経営計画「MCP 2/3」においては、人材戦略の方向性を踏まえ、従業員の多様な活躍状況や働きがい、心身の健康といった組織の状態を継続的かつ多面的に把握する観点から、指標を設定しております。
 これにより、従業員が働きやすく、持続的に価値創出を行うことができる組織基盤の強化につなげてまいります。

〇DE&Iの推進

 

2026年3月期実績

2030年3月期目標

女性管理職比率

16.6%

30.0%

男性労働者の育児休業取得率

(日数)

105.3%

(平均9.6日)

100%以上

(28日以上)

男女賃金格差

障がい者雇用率(注1)

平均2.73%

平均2.7%以上

キャリア・マスター行員転換率(注2)

82.9%

85%以上

 (注)1 障がい者雇用率は、年度内の毎月の雇用率を、1年間通じて平均したもの

   2 キャリア・マスター行員とは、定年再雇用者のこと

 

〇Well-beingの向上

 

2026年3月期実績

2030年3月期目標

一人当たり有給休暇取得平均日数

13.4日

15日以上

一人当たり残業時間

11時間28分

10時間

従業員満足度

75.1%

80%以上

 

〇健康経営の推進

 

2026年3月期実績

2030年3月期目標

ストレスチェック受検率

98.1%

100%を目指し持続的に向上

疾病等による長期休業者数

(アブセンティーズム)

24名

段階的に削減