2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,714名(単体) 1,885名(連結)
  • 平均年齢
    41.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.1年(単体)
  • 平均年収
    6,990,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2024年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

1,761

63

61

1,885

[801]

[7]

[23]

[831]

 

(注) 1 従業員数は、取締役を兼務しない執行役員(銀行業12人・リース業11人)、嘱託及び臨時従業員836人を含んでおりません。

2 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

(2) 当行の従業員数

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,714

41.5

18.1

6,990

[702]

 

(注) 1 従業員数は、取締役を兼務しない執行役員12人、嘱託及び臨時従業員710人を含んでおりません。

2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5 当行の従業員組合は、山陰合同銀行従業員組合と称し、組合員数は1,304人であります。

 労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当行及び連結子会社のうち、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号。以下、「女性活躍推進法」という。)、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号。以下、「育児・介護休業法」という。)に基づき、公表している会社について記載をしております。下表における連結グループには、第1「企業の概況」4「関係会社の状況」に記載の9社を含めて算出した計数を記載しております。なお、詳細につきましては、第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております

2024年3月31日現在

当連結会計年度・当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の割合

(%) (注)1

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)  (注)1,3,4

全労働者

うち正社員

うち非正規雇用者

株式会社
山陰合同銀行

22.3

97.1

47.6

60.8

89.3

株式会社 ごうぎん
キャリアデザイン

14.2

87.0

70.5

79.0

連結グループ

21.9

97.1

48.6

59.4

84.5

 

 

(注) 1 女性活躍推進法の規定に基づき算出したものであります。なお、上表における管理職とは、課長相当職以上のライン長(※)を指しております。算出対象者には、当行所属の出向者を含んでおります。

※…労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者(部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)

2 育児・介護休業法の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。なお、算出対象者には当行所属の出向者を含んでおります。また、株式会社ごうぎんキャリアデザインの「-」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。

3 パートタイマーについては、フルタイム換算をせず、実際に支給した賃金に基づき算出しています。

4 要因については、第2「事業の状況」、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(4)人的資本 ①戦略 ロ 社内環境整備方針 <女性活躍推進> b. 男女間の賃金差異の改善に記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) サステナビリティ課題全般

当行グループでは、持続可能な地域社会の実現を目指し、従来からリレーションシップバンキング、地方創生、CSRなど広範に取り組んでまいりました。2019年5月には「サステナビリティ宣言」を表明し、持続可能な地域社会と当行グループの持続的な成長は一体であるとの考えのもと、サステナビリティ課題を経営の重要課題として認識し、サステナビリティ課題解決と中長期的な企業価値の向上の両立を目指して取り組みを進めています。

① ガバナンス

リスクや機会を含めたサステナビリティに関する課題への取り組み方針等について協議・審議し、円滑に実行・推進していくため、代表取締役を委員長とする経営会議メンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置し、取締役会に報告・監督を受ける体制を構築しています。

また、当行グループ全体の活動を企画・推進するため、経営企画部内にサステナビリティ推進室を設置するとともに、本部各部からなるSDGs/ESG推進ワーキンググループを設置し、組織横断的な取組推進を図っています。

加えて、グループ内での取組強化を図るため、グループ会社で構成されるグループサステナビリティ連絡会を定期的に開催し、方針の共有、グループ全体の一体となった取り組みを図っています。

 

《サステナビリティ推進体制》


《2023年度のサステナビリティ委員会での主な協議・報告事項》

当該事業年度においてサステナビリティ委員会を10回開催しています。審議テーマは以下のとおりです。

開催回(開催月)

テーマ

第1回(4月)

人材育成方針・社内環境整備方針の策定

第2回(6月)

人権方針の改定

第3回(7月)

健康経営の今後の取り組み方針

第4回(8月)

カーボン・クレジット市場への参加

第5回(9月)

ESG関連施策の取組状況と今後の方針

第6回(9月)

経営理念体系・マテリアリティの再整理

第7回(10月)

経営理念体系・マテリアリティの再整理(再協議)

第8回(11月)

経営理念体系の再整理(再協議)

各種イニシアチブへの取り組み状況

第9回(1月)

経営理念体系の再整理(再協議)

第10回(3月)

2024年度ESG業務計画

取引先向け脱炭素化サポートツールの導入

 

 

 

② 戦略

《マテリアリティの特定と見直し》

当行グループでは、国際的なガイドライン等 (国連グローバル・コンパクト、GRIスタンダード等)が示すサステナビリティ課題や外部環境・社会構造の変化を踏まえ、リスクと機会を把握し、課題先進地域における社会性と経済合理性のバランスをはかりながら、前中期経営計画を策定時に初めて取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しました。その後の外部環境等の変化を踏まえ、新中期経営計画を策定するにあたり、「ステークホルダーの視点からの重要度」と「経営(当行)の視点からの優先度」の観点から評価し、サステナビリティ委員会や取締役会における複数回にわたる議論を経て、マテリアリティの見直し(再整理)を行いました。

今後は見直し後のマテリアリティ(下表)に対し、方針・戦略を策定し取り組みを進めてまいります。

マテリアリティについては、急激な変化を続ける外部環境を踏まえ、サステナビリティ委員会や取締役会における議論を通じ今後も適宜見直しを図ってまいります。

 

《見直し後のマテリアリティ》

マテリアリティ

特定理由

地域活性化への貢献

人口減少、少子高齢化、後継者不足、地域経済の疲弊といった地域の課題に対し、地域にコミットし様々な角度から地域経済活性化に貢献する。また、地域社会の一員として社会貢献活動を通じた地域貢献も果たす。

人生100年時代のQOL向上をサポート

豊かな地域社会の実現に向け、地域のお客様の資産所得向上を目的に金融経済教育等を実施し、地域住民の金融リテラシー向上に貢献する。

環境保全・気候変動への対応

脱炭素社会の実現に向け、企業のカーボンニュートラルに向けた取り組み支援としてサステナブルファイナンスや子会社による再エネ電力の供給に取り組む。地域の生物多様性保全も新たな課題であると認識。

DXの推進・質の高い金融
サービスの提供

DX等を進めながら、地域の重要な金融インフラとして、人口減少・少子高齢化が進む中においても地域のお客様に安定した金融インフラと質の高いサービスを提供する責務があると認識。

人権の尊重

国内外において人権に対する意識や重要性が高まり、企業には自社の業務や役職員に関する人権課題への対応にとどまらず、サプライチェーンや取引先を含む幅広いステークホルダーの人権を尊重することが求められている。金融機関として本業を通じた人権の尊重の取り組みや、ステークホルダーへの働き掛けは大きな責務であると認識。

働き方改革・ダイバーシティ&インクルージョンの推進

従業員への多様で柔軟な働き方の提供やキャリア開発支援等積極的な投資により、心身の健康を保ち、従業員やその家族のウェルビーイングを実現し、従業員エンゲージメント向上を図る。地域を支える存在であり続けるため、地域やお客様の課題解決のために行動できる人材を育成。性別に関係なく、従業員の多様な個性や価値観を尊重し、一人ひとりが活躍できる組織づくりに取り組む。

企業価値向上・コーポレートガバナンス強化

ステークホルダーの期待に応え持続的な企業価値向上を実現するため、コンプライアンスを含んだグループ一体となったガバナンス強化に努め、グループシナジーの最大化を追求する。

 

 

 

《マテリアリティの特定プロセス》

マテリアリティの特定及び見直しは、次のStep1~3のプロセスで行っております。Step1では、政府や国際的なガイドラインが示す課題、国や地域の課題から、マテリアリティ対象項目を抽出し、それらのマテリアリティ対象項目を類似課題毎に集約・整理することで、24項目に集約しました。Step2では、「ステークホルダー(社会)の視点からの重要度」と「経営(当行)の視点からの優先度」の2軸での評価に、当行グループの事業活動による関与・貢献度の評価を加え、マッピングし、最重要課題を洗い出しました。Step3では、Step1、2で抽出・特定した項目について、サステナビリティ委員会及び取締役会で議論を重ね、マテリアリティを決定しました。


《当行グループのマテリアリティマップ》


 

 

③ リスク管理

当行グループでは、サステナビリティ課題を含む事業上のリスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築しています。当行が認識しているリスクの詳細は、第2「事業の状況」3「事業等のリスク」に記載しています。特にサステナビリティ課題の重要テーマの一つである気候変動に関するリスク管理については、「(2) 気候変動への対応 ③リスク管理」に記載しています。

《リスク管理体制図》


 

④ 指標と目標

サステナビリティに関する重要課題について指標と目標を設定しています。主要な指標と目標については、「(2)気候変動への対応 ④指標と目標」、「(3)人的資本 ②指標と目標」及び「(5)サイバーセキュリティへの対応 ④指標と目標」を参照ください。

 

(2) 気候変動への対応

近年、世界的に異常気象や大規模な自然災害による被害が甚大化する中、気候変動対応は世界共通の課題となっており、お客様や当行グループにとって事業環境や経営そのものに大きな影響を及ぼす要素になりつつあります。

こうした状況を踏まえ、当行グループでは気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、ガバナンス体制を強化するとともに、気候変動の事業への影響分析や機会・リスクへの適切な対応への取り組みを進めています。

当行グループでは、2021年4月にTCFD提言に賛同し、同年よりホームページ、統合報告書及びサステナビリティレポートにて、TCFD提言を踏まえた情報を開示しています。2022年度からは移行リスクや物理的リスクにおけるシナリオ分析を実施し、2050年までの影響額の推計値(最大値)を公表しております。今後もリスク管理及び情報開示の高度化に取り組んでまいります。

 

① ガバナンス

気候変動に対するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ課題全般 ①ガバナンス」を参照ください。

 

② 戦略

当行グループでは2019年5月に「サステナビリティ宣言」を制定し、持続可能な地域社会の実現に向け、気候変動対応を含む環境保全への対応を重点的に取り組む事項として定めています。気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、機会及びリスクの両面から取り組みを進めています。地域金融機関として商品・サービスの提供を通じ、地域やお客様の気候変動対応を支援するとともに、当行グループの事業活動に伴う環境負荷低減の取り組みを推進してまいります。また、気候変動に関連するリスクについて、気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害に伴うリスク(物理的リスク)と、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新への対応といった脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)を認識しています。

 

A 機会

(A) サステナブルファイナンス・コンサルティングの取り組み

再生可能エネルギー事業等にかかるグリーンファイナンスや脱炭素に向けた移行を促進するトランジションファイナンス、気候変動に対応する事業者を支援するコンサルティングへの取り組みは、当行グループのビジネス機会になると認識しています。

 

(B) 再生可能エネルギー発電事業への参入

地域における再生可能エネルギーの供給量不足や脱炭素経営への転換の遅れ等の課題を認識する中、これらの課題解決に貢献するため、2022年7月に当行100%出資による再生可能エネルギー発電事業を営む子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しました。同社では再生可能エネルギーの供給量増加と地産地消の推進を担い、地域脱炭素・カーボンニュートラルの早期実現と再生可能エネルギー利用拡大による地元企業の競争力強化等を通じ、地域と企業の成長戦略につなげていきます。2023年度の同社のPPA(※1)事業に関する取組実績は以下のとおりです。

《取組実績》

PPA契約件数(累計)

年間想定CO2削減貢献量

22件

1,024t-CO2

 

※1 PPA:Power Purchase Agreement の略。電力販売の意味で、第三者所有モデルとも呼ばれる。電力需要家が所有する建物や土地にPPA事業者が発電設備を設置し、その設備から発生する電力を電力需要家が購入し自家消費用電力として使用するスキーム。

 

B リスク

(A) 物理的リスク

気候変動による自然災害等の発生により、資産や事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大や、当行グループの営業店舗等の損壊によるオペレーショナル・リスクを想定しています。

《物理的リスクの例》

 

物理的リスクの主な内容

急性的

・台風や洪水などの極端な天候事象による被害の増加

慢性的

・降水パターンの変化と天候パターンの極端な変動

・上昇する平均気温

・海面上昇

 

 

(B) 移行リスク

気候関連の規制強化や脱炭素化に向けた技術革新の進展等により、事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しています。

《移行リスクの例》

 

移行リスクの主な内容

政策と法規制

・温室効果ガス排出価格(炭素税)の上昇

・既存の製品及びサービスに関する規制

・訴訟

テクノロジー

・温室効果ガス排出量の少ない製品やサービスへの転換

・新技術への投資の失敗

・低排出技術への移行コスト

市場

・顧客行動の変化

・原材料価格の上昇

評判

・消費者の嗜好の変化

・特定の多排出セクターへの非難

・ステークホルダーの関心の高まりやネガティブなフィードバック

 

 

C シナリオ分析

気候変動が将来にわたって当行のポートフォリオに与える影響を把握するために、物理的リスクと移行リスクのそれぞれについて、2022年度よりシナリオ分析を実施しています。分析にあたっては、気候変動に関するさまざまな状況を想定し、計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるべく、1.5℃のシナリオを含む複数のシナリオを用いて分析しています。

2023年度は、前年度実施した分析におけるリスク事象に加え、次に記載するリスク事象を追加しました。物理的リスクにおいては、与信先の事業停止等(売上減少)による財務悪化リスクを、移行リスクにおいては、リスクの高いセクターとして「電力」「石油」「ガス」を選定し、炭素関連資産の座礁リスクや化石/非化石燃料の価格・需要の変化等による影響を分析しています。2023年度に分析を行った結果は以下のとおりです。

 

(A) 物理的リスク

リスク事象

①水害による担保物件(建物)の毀損

②水害による与信先の事業停止(売上減少)に伴う財務悪化

分析対象

①国内与信取引先

②山陰両県に拠点を有する国内与信取引先(法人)

シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

・RCP1.9(1.5℃シナリオ)

・RCP2.6(2.0℃シナリオ)

・RCP8.5(4.0℃シナリオ)

分析期間

2050年度まで

リスク指標

想定される信用コスト増加額

リスク量

最大48億円

 

 

(B) 移行リスク

リスク事象

①脱炭素社会移行に伴う資産の毀損や売上減少・コスト増加等による与信先の財務悪化

②炭素税導入による与信先の財務悪化

分析対象

①「電力」「石油」「ガス」セクターの特定先

②国内与信取引先(法人)

シナリオ

NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)

・Net Zero 2050

・Below2℃

・Current Policies

分析期間

2050年度まで

リスク指標

想定される信用コスト増加額

リスク量

最大70億円

 

 

D 炭素関連資産(貸出金残高)の状況

当行の2024年3月末における貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。

炭素関連セクター

割合

エネルギー

2.2%

運輸

9.7%

素材・建築物

18.9%

農業・食料・林産物

4.6%

 

*再生可能エネルギー事業への貸出金は除く

*TCFD提言、日本標準産業分類及び当行の業種コード等を用いて分類

エネルギー:石油及びガス、石炭、電力ユーティリティ

運輸:航空貨物、旅客空輸、海上輸送、鉄道輸送、トラックサービス、自動車及び部品

素材・建築物:金属・鉱業、化学、建築資材、資本財、不動産管理・開発

農業・食料・林産物:飲料、農業、加工食品・加工肉、製紙・林業製品

 

③ リスク管理

気候変動を含む環境への取り組みを経営の重要課題の一つとして認識し、気候変動への対応方針を含む「サステナビリティ宣言を踏まえた投融資方針」を策定しています。

気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、中長期にわたり当行グループの事業内容・戦略・財務内容に影響を与えることを認識しています。当行グループでは、リスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築していますが、今後、気候関連リスクについても、統合的リスク管理のプロセスへの組み入れを検討してまいります。

 

 

④ 指標と目標

当行グループでは、地域のサステナビリティやカーボンニュートラルの実現に向け、以下の指標と目標を設定し、取り組みを進めています。

A 温室効果ガス排出削減

当行グループでは、温室効果ガス排出削減の取り組みを進めるため、前中期経営計画において2023年度を目標年度とした温室効果ガス排出量削減目標や2030年度及び2050年度のカーボンニュートラル中長期目標を設定しています。

《指標と目標・実績(連結)

指標

目標

実績

温室効果ガス

排出量

(前中期経営計画目標)

2023年度に2013年度比50%削減(Scope1,2)

(現中期経営計画目標)

2026年度に2013年度比70%削減(Scope1,2)

2023年度実績

5,396t-CO2

(2013年度比▲56.7%)

(カーボンニュートラル中長期目標)

2030年度までにScope1,2ネットゼロ

2050年度までにScope1,2,3ネットゼロ

―(※1)

 

 

《温室効果ガス排出量の推移(連結)》                         (単位:t-CO2)

計測項目

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

Scope1(直接排出)

1,512

1,483

1,396

1,303

Scope2(間接排出)

7,480

6,623

6,224

4,093

合計(Scope1+Scope2)

8,992

8,106

7,620

5,396

Scope3(Scope1,2以外の間接排出)

10,775

12,822

2,304,872

(※1)

カテゴリ1

購入した製品・サービス

4,331

3,459

3,398

カテゴリ2

資本財

2,153

5,022

7,127

カテゴリ3

Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

1,191

1,154

1,134

カテゴリ4

輸送・配送(上流)

1,518

1,790

1,641

カテゴリ5

事業から出る廃棄物

483

284

287

カテゴリ6

出張

246

250

314

カテゴリ7

通勤

853

863

971

カテゴリ8(※2)

リース資産(上流)

カテゴリ9(※2)

輸送・配送(下流)

カテゴリ10(※2)

販売した製品の加工

カテゴリ11(※2)

販売した製品の使用

カテゴリ12(※2)

販売した製品の廃棄

カテゴリ13(※3)

リース資産(下流)

カテゴリ14(※2)

フランチャイズ

カテゴリ15

投融資

2,290,000

合計(Scope1+Scope2+Scope3)

19,767

20,928

2,312,492

 

*Scope3の算定にあたっては、環境省、経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.5」、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.3」を使用しております。

 

 

当行グループの温室効果ガス排出量推移は上記のとおりです。2023年度は排出量削減の取り組みとして、主要拠点である本店ビル及び鳥取営業本部ビルで使用する全ての電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えました。その他の取り組みとして、新築移転した店舗のZEB化(※4)をはじめ、LED照明の導入や空調設備の更新等、環境に配慮した事業活動に取り組んでいます。

※1 2023年度の算出結果については、2024年9月に当行ホームページにおいて公表予定の「サステナビリティレポート2024」をご参照ください。(https://www.gogin.co.jp/ir/disclosure/sustainabilityreport2024/

※2 カテゴリ8~12及び14は業務上該当ありません。

※3 カテゴリ13について、ごうぎんリース㈱は集計対象外としております。

※4 ZEB:Net Zero Energy Buildingの略で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指した建物。

 

《Scope3カテゴリ15の試算》

カテゴリ15(投融資を通じた間接的な温室効果ガス排出量)は、金融機関におけるScope3の大部分を占めるため、PCAFスタンダード(※1)の計測手法を参考に、当行の事業性融資及び上場株式・社債について2022年度に初めて試算しました。2022年度の試算結果は以下のとおりであります。今後、試算結果をお取引先の脱炭素化の促進に活用していくことを検討してまいります。

また、2023年度の試算結果は、2024年9月に当行ホームページにおいて公表予定の「サステナビリティレポート2024」をご参照ください。(https://www.gogin.co.jp/ir/disclosure/sustainabilityreport2024/

 

●2022年度の試算結果                       (単位:千t-CO2)

業種

資産区分別

合計

事業性融資

上場株式・社債

農業

20

20

製紙・林業

124

2

126

飲料・食品

77

2

78

金属・鉱業

268

10

278

化学

90

3

93

石油・ガス・石炭

167

2

169

建築資材・資本財

60

0

60

自動車

15

1

16

電力・ユーティリティ

684

35

719

不動産管理・開発

11

0

11

陸運

32

0

32

海運

350

0

350

空運

24

24

その他

300

14

314

合計

2,221

70

2,290

 

・業種:TCFD提言における炭素関連資産(4セクター13業種)及びその他

・排出量:投融資先の排出量(※2)×投融資先における当行の投融資割合

・基準日:投融資残高:2023年3月末

融資先財務データ:2023年3月末時点で当行が保有する最新データ

・データクオリティスコア:3.69

・カバー率:88.0%

※1 PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials):投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を計測・ 開示するための国際的なイニシアチブ。

※2 データが取得できない先は、PCAFデータベースから引用した地域・セクター別の売上あたり排出係数を使用(トップダウン分析)。開示・公表している一部の先については、公表値を使用(ボトムアップ分析)。

 

 

B サステナブルファイナンス実行目標

地域の環境課題・社会課題解決に向けて、2021年度から2030年度までの10年間におけるサステナブルファイナンスの新規実行累計額を中長期目標として設定しています。

《指標と目標・実績》

指標

目標

実績

サステナブルファイナンス

新規実行累計額

2021年度~2030年度

1兆5,000億円

(うち環境分野5,000億円)

累計 4,047億円

(うち環境分野1,582億円)

〈内訳〉

・2021年度 1,277億円(うち環境分野 455億円)

・2022年度 1,440億円(うち環境分野 638億円)

・2023年度 1,330億円(うち環境分野 489億円)

 

 

《サステナブルファイナンスの定義》

サステナブルファイナンスは、各種国際原則や政府の指針・ガイドラインに適合するファイナンスやそれらの原則・指針・ガイドラインに示されている対象事業・資金使途の例示等に合致する環境課題・社会課題の解決に資する投融資、お客様のESGやSDGsへの取り組みを支援または促進する投融資を対象範囲としています。

分野

事業

環境分野

気候変動緩和と適応及び環境配慮に資する事業

例)再生可能エネルギー事業、省エネルギー事業、脱炭素・低炭素事業等

社会分野

地域経済活性化及び持続可能な地域社会に資する事業

例)基本的インフラ整備、必要不可欠なサービス、雇用創出等

 

 

(3) 生物多様性保全・自然資本への対応

当行グループでは、生物多様性保全や自然資本への対応を気候変動と並ぶ重要な課題と認識しています。自然資本は、水、大気、土壌、海洋、動植物などから構成され、当行グループも、自社の事業活動を通じて自然資本に依存し、影響を与えるだけでなく、投融資を通じて、お取引先やそのサプライチェーンの活動とつながりを持っています。そのため、金融機関は、お客さまの自然資本への依存や影響を把握し、リスクを適切に管理する必要があることに加え、自然資本関連の金融商品やサービス、自社の取り組みによるビジネス機会の獲得にもつなげることができます。

そうした重要性を鑑み、当行は生物多様性保全・自然資本対応に積極的に取り組み、持続可能な地域社会の実現に貢献することを目的に、2024年1月にTNFD※採用者(TNFD Adopter)として登録するとともに、TNFDに関連する情報の共有や枠組みの策定をサポートする組織であるTNFDフォーラムに参画しました。

今後、TNFDの提言に基づく取り組みを段階的に進め、進捗状況について開示していきます。

※ TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures の略。自然関連の財務情報を開示する枠組みの開発・提供を目指す国際イニシアチブ。

 

 

(4) 人的資本

当行は「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を経営理念に掲げ、地域・お客様の課題解決を通じて、地域やお客様とともに持続的な発展・成長の実現を目指しております。

経営理念の実現を支える最大の柱は人材であり、中期経営計画において、新卒・経験者採用の強化、専門人材の育成加速、個々人が能力を最大限発揮できる職場環境の整備を経営上の重要課題であると認識しております

経営戦略と連動した人材戦略の実践を通じて、長期ビジョンの実現、更に経営理念の実現に向け、人的資本への取り組みを強化してまいります。

 


 

① 戦略

当行グループでは、人材戦略や人材育成方針及び社内環境整備方針をサステナビリティに関する重要事項の一つとして捉え、経営執行会議・サステナビリティ委員会、取締役会等での審議を経て決議しています。

イ 人材育成方針

A 全体方針

 経営理念の実現に向け、長期ビジョンで掲げている「No.1の課題解決力で持続的に成長する広域地方銀行」を実現するため、社内外で通用する高い専門性を有す人材の育成に取り組みます。そのために、質の高い成長機会を提供するなど、人材へ積極的に投資を行い、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成をサポートします。

B 取組方針

(A) 多様な人材の確保・戦力化

新卒採用におけるコース別採用の活用やリファラル採用・キャリアリターン制度など経験者採用チャネルの拡充・多様化、高度プロフェッショナル運用(市場価値や成果に応じた個別決定の報酬制度)の活用などにより、性別・年齢・国籍を問わず、多様な人材を積極的に採用しています

(B) 体系化した育成カリキュラムに基づく育成

コンサル及びデジタル分野の専門人材育成に向けた当行独自の認定制度を導入し、体系的かつ計画的に専門性の向上に取り組むことにより、専門人材育成の加速を図っています。

 

〔業務分野、レベル毎の人物像〕


 

(C) 質の高い成長機会の拡充

一人ひとりの成長を加速させるためには、実践の場である「良質な育成機会」を増やすことが重要との考えのもと、融資部や山陽・関西ブロック店舗への法人営業担当者短期派遣研修、実践型研修など、実践力を学ぶ機会を拡充しています。また、行内外の専門人材との交流を通じた成長機会を提供しています。

(D) 自律的なキャリア形成をサポート

・個々人の能力の可視化を通じて、一人ひとりのレベルに沿った効果的かつ効率的なOJT、研修、自己啓発に取り組むことができる体制整備を進めています。

・一人ひとりのキャリアプランに沿った配置や自律的な学びの機会の提供など従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成をサポートすることにより、モチベーションの維持・向上に取り組んでいます。

〔参考指標〕

項目

2022年度

2023年度

育成にかかる人的投資額(※)

300百万円

543百万円

 

※キャリアアップ手当(自己研鑽を後押しすることを目的として2023年7月に新設)、行内研修・セミナー・勉強会、eラーニングにかかる費用、行外研修参加費用、自己啓発奨励金、研修にかかる旅費、研修受講時の人件費、内部研修講師の人件費、研修出向者の人件費を含んでおります。

 

ロ 社内環境整備方針

A 全体方針

当行グループは、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境を実現します。

・高いエンゲージメントの実現

従業員と一体となり双方の成長に貢献し合う関係を構築することにより、従業員一人ひとりの働きがいを創出し、高いエンゲージメントの実現を図ります。

・ダイバーシティー&インクルージョンの実現

性別や年齢、障がいの有無等にとらわれず、従業員一人ひとりの価値観や適性を尊重し、かつ従業員が柔軟で働きやすい職場環境を実現します。

・心身の健康の実現

全ての従業員が安心して働き続けることができるよう、心身両面での健康サポートを行います。

B 取組方針

(A) 高いエンゲージメントの実現

2022年度より、当行グループ全従業員に対し「従業員エンゲージメントサーベイ」を実施し、組織のエンゲージメント状況の可視化に取り組んでいます。当社グループ及び職場単位の強みや課題を明確にしたうえで、会社と各職場が一体となって、より良い職場の実現に向けた改善活動に取り組み、グループ一丸となってエンゲージメント向上を図っています。


〔参考:離職率推移〕

特に若年層の離職率は低水準を維持しています。今後もエンゲージメント向上への取り組みなどを通じて、本水準の維持・低下を目指します。

項目

2022年度

2023年度

2026年度(目標)

離職率(30歳未満)

7.8%

6.3%

5.0%以下

離職率(新卒3年以内)

13.8%

14.0%

-

 

 

(B) ダイバーシティー&インクルージョン

多様な人材一人ひとりのライフステージに応じた柔軟な働き方の実現、ワーク・ライフ・バランスの充実を図り、働きやすく長く活躍できる職場環境作りに取り組みます。

<推進体制>

女性活躍の先進企業を目指し、従業員発案により2022年11月に「女性活躍推進チーム」を立ち上げました。公募メンバー32名が、女性の採用・育成・登用に関する優先的アクションを協議し、2023年9月に経営に提言しました。

ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けた現状分析、課題抽出、課題に対する各種施策展開をさらに進めるべく、2024年4月に人事部内にダイバーシティ推進グループを新設しました。

<女性活躍推進>

a.女性管理職比率の向上

所属長への登用など、性別に関係なく能力に応じた登用などにより、女性管理職比率は年々向上しております。2023年度は、地域企業と女性活躍推進について情報交換を行う「異業種交流会」への参加やワークライフバランスセミナー開催などにより、女性のキャリアに対する意識改革に取り組みました。今後も多様なキャリアパスやロールモデルを提示・共有するなど、女性が管理職にチャレンジできる環境・風土の整備に取り組みます。

《職位別の女性比率(連結)》

 

2022年度末

2023年度末

2026年度末(目標)

所属長相当職以上(※1)

30.6%

31.8%

課長相当職以上(※2)

20.7%

21.9%

25.0%以上

係長相当職以上(※3)

26.5%

30.0%

30.0%以上

 

※1…部長、支店長、出張所長、プラザ長等

※2…女性活躍推進法の規定に基づき算出。労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者(部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)

※3…女性活躍推進法の規定に基づき算出。「係長」及び同等の権限を有する者(支店長代理、本部副調査役などの役職者)

 

b.男女間の賃金差異の改善

・同一労働における男女間賃金格差はございません。

ただし、正規労働者については、主に平均年齢及び勤続年数(年齢)の差異、管理職比率の差異、転居を伴う転勤を許容する者に支給するフリー手当(定例給与の10%相当額)受給者割合などが男女間の賃金差異に影響しています。〔参考指標1に記載〕

加えて、全労働者の賃金格差については、非正規労働者のうち女性の占める割合が8割超であるなど雇用形態別人員割合の差異などが影響しています。〔参考指標2に記載〕

・キャリア形成サポートなど女性活躍促進に向けた各種施策の効果が、平均勤続年数の長期化や女性管理職比率の高まり、転居を伴う転勤を許容する割合の増加などに表れており、結果として男女間賃金格差は縮小推移しています。

・今後も、2024年4月に人事部内に新設しました「ダイバーシティ推進グループ」を中心とした施策立案・実施を通じて家庭と仕事の両立をサポートするなど、長く能力発揮できる職場環境作りに取り組むことにより、男女間の賃金差異の改善に取り組みます。

 

《男女間の賃金差異(連結)》

対象

2022年度

2023年度

全労働者

45.9%

48.6%

うち正社員

55.8%

59.4%

うち非正規雇用者

80.6%

84.5%

 

 

〔参考指標1〕 ※正社員のみ。

男女別の平均年齢・勤続年数(連結)

項目

2022年度

2023年度

男性

女性

男性

女性

平均年齢

44.5歳

39.4歳

44.2歳

39.6歳

平均勤続年数

20.5年

15.8年

20.1年

16.0年

 

 

男女別の管理職比率(連結)

項目

2022年度

2023年度

男性

女性

男性

女性

管理職比率(課長相当職以上)

79.3%

20.7%

78.1%

21.9%

管理職比率(係長相当職以上)

73.5%

26.5%

70.0%

30.0%

 

 

男女別のフリー手当受給者割合(単体)

項目

2022年度

2023年度

男性

女性

男性

女性

フリー手当受給者割合(注)1

83.5%

8.5%

82.4%

10.0%

 

(注)1 転居を伴う転勤を許容する者に支給する手当を受給している者の割合 (定例給与の10%相当額)。なお、支給しているのは当行のみ。

 

〔参考指標2〕

雇用形態別人員割合(連結)  ※年間の平均人員にて算出。

項目

2022年度

2023年度

男性

女性

男性

女性

正社員

1,070名

51.8%

995名

48.2%

1,031名

51.6%

966名

48.4%

非正規雇用者

176名

15.5%

961名

84.5%

172名

15.7%

925名

84.3%

 

 

 

c.男性労働者の育児休業等取得率の向上

育児や家事等の役割分担に対する固定概念を払拭し、一層の女性活躍を後押しするため、男性労働者の育児休業取得を促進しております。育児休業を子が3歳の誕生日の前日まで取得できる制度を設けるなど、取得しやすい環境の整備に取り組んでいます。

引続き、男女ともに安心して仕事と育児・子育てが両立できる環境整備や取得しやすい職場風土の醸成に取り組むことにより、取得率向上及び取得日数の長期化を図ります。

 

《男性の育児休業等取得率(連結)》

項目

2022年度

2023年度

育児休業等の取得割合

82.7%

94.2%

育児休業等及び育児目的休暇の取得割合

100.0%

97.1%

男性育児休業平均取得日数

5.2日

8.7日

 

 

<多様な人材の活躍>

・性別・年齢・国籍を問わず、柔軟な採用に努めており、リファラル採用制度やキャリアリターン制度などの採用チャネルを拡充し、積極的に経験者採用を実施しています。1級建築士や弁護士、情報処理安全確保支援士など金融業務に限らず幅広い人材を採用しています。また、2022年4月に市場価値や成果に応じた個別決定の報酬制度(高度プロフェッショナル運用)を導入し、プロフェッショナルな人材確保にも努めています。

・当社は、障がいのある方が専門的に就労する事業所を島根(2007年開設)、鳥取(2017年開設)の2か所で運営しており、計35名(2023年度末現在)が在籍しています。それぞれの能力を活かし、絵画制作を通じて創出される経済価値を地域の障がい者就労支援事業へ間接的に還流させる取り組みや、ITスキルを駆使した事務サポートや業務効率化など幅広く活躍しています。今後も、地域で障がい者の自立を支援する取り組みを継続する中、障がい者雇用比率の向上を目指します。

・同性パートナーの行職員に対し、法律上の配偶者と同等の福利厚生や規程を適用する「パートナーシップ制度」を導入するなど、従業員一人ひとりの価値観を尊重し、働きやすい職場づくりにも取り組んでいます。

項目

2022年度

2023年度

2026年度(目標)

経験者採用比率

25.0%

27.1%

25.0%以上

経験者採用者数

13名

19名

障がい者雇用比率

2.7%

3.0%

 

 

<ワーク・ライフ・バランスの充実>

・柔軟な働き方を実現し、従業員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスを充実させることで、働きやすさの向上を目指しています。

・休暇制度を拡充し、一人ひとりのニーズに沿って有給休暇を取得できる企業風土の醸成に取り組んでいます。

・従業員が安心して働き、当行で長く活躍できるよう、育児休業や介護休業に関する制度の充実を図り、家庭と仕事の両立をサポートしています。

 

項目

2022年度

2023年度

有給休暇平均取得日数

16.8日

17.2日

有給休暇平均取得率

89.0%

90.4%

月間平均時間外労働時間(※1)

5時間46分

6時間42分

 

※1…法定労働時間(1日8時間)を超えて労働した時間を基に算出しています。

 

(C) 心身の健康の実現

・2018年9月に「健康経営宣言」を策定し、頭取を健康づくりの責任者としてグループ一体となり従業員一人ひとりの心と身体の健康の保持・増進を図っています。

・2023年度には、当行行職員の健康課題に即した生活習慣改善のために、運動・食事・睡眠等を管理できる健康増進アプリを導入し、アプリを活用した社内ウォーキングイベントを開催しました。また、毎月22 日を「禁煙の日」とし受動喫煙防止対策を強化しました。加えて、 メンタルヘルスケア動画視聴や各種健康セミナーを実施するなど、ヘルスリテラシー向上や健康への関心を高める仕組みづくりを行っています。

・経済産業省及び日本健康会議が実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)ホワイト500」に6年連続認定されました。また、グループ会社7社も「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」の認定を受けました。

・従業員のファイナンシャル・ウェルネス向上を支援するため、2022年度は従業員持株会の奨励金を引上げました(※)。2023年度は、従業員持株会の対象企業にグループ会社各社を追加しました。また、全従業員を対象とした金融教育研修(全5回、237名参加)、当行役員による金融教育勉強会(動画視聴2,385名)、ライフプランセミナー(銀行主催、組合主催計107名参加)、確定拠出年金勉強会(78名参加)など金融教育強化に取り組んでおります。なお、確定拠出年金については、対象者の約8割が自己資金を上乗せして積み立てるマッチング拠出を活用しています。2023年4月には新商品を導入するなど、商品の拡充にも継続的に取り組んでいます。今後も確定拠出年金の商品の拡充や金融教育の拡充など従業員の経済的な安定を支援する取り組みを継続的に行います。

(※)毎月の拠出額1口(1,000円)につき支給する奨励金の額を80円から100円に増額。

 

② 指標と目標

人材育成方針、社内環境整備方針に沿ったそれぞれの指標・目標は以下のとおりです。

<人材育成方針>

当行では、社内外で通用する専門性を有す人材の育成のため独自の認定制度を導入し、体系的かつ計画的に専門性向上に取り組み、業務ごとの戦略と連動した人材育成を行っております。

 

能力開発体系における認定者数(※1) (※2)

 

2023年度

2026年度目標

法人コンサル

アセットコンサル

デジタル人材

(※3)

法人コンサル

アセットコンサル

デジタル人材

(※3)

ハイクラス

20名

7名

3名

100名

15名

10名

スタンダード

85名

66名

123名

200名

85名

160名

ベーシック

302名

46名

251名

200名

25名

220名

 

 

 

2023年度

2026年度目標

融資・外為

ローン

窓口サービス

融資・外為

ローン

窓口サービス

ハイクラス

8名

2名

1名

20名

18名

13名

スタンダード

74名

54名

76名

200名

90名

62名

ベーシック

305名

80名

88名

250名

100名

55名

 

※1…2023年度の認定者数は2024年3月末基準の認定者数を記載(上位認定のみカウント、業務従事者のみカウント)

※2…各認定分野及びレベルの詳細については、第2「事業の状況」、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(4)人的資本 ①戦略 イ人材育成方針 B 取組方針 (B) 体系化した育成カリキュラムに基づく育成に記載

※3…デジタル人材は「DX企画人材」「データ利活用人材」「デジタル実務人材」の合計

 

<社内環境整備方針>

項目

指標

2022年度

2023年度

2026年度
目標

高いエンゲージメントの実現

 

心身の健康の実現

 

ダイバーシティ&インクルージョンの実現

エンゲージメント・レーティング(※1)

BBB

AA以上

離職率(30歳未満)

7.8%

6.3%

5.0%以下

経験者採用比率

25.0%

27.1%

25.0%以上

女性管理職比率

(課長相当職以上)(※2)

20.7%

21.9%

25.0%以上

女性管理職比率

(係長相当職以上)(※3)

26.5%

30.0%

30.0%以上

 

※1…株式会社リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントサーベイの結果を示しております(全11段階に分かれており、現行「A」は、「AAA」「AA」に次ぐ上位から3段階目のレーティングであり、金融業界平均「BB」、従業員1,000名以上企業の平均「B」よりも高い水準)。

※2…女性活躍推進法の規定に基づき算出。労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者(部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)

※3…女性活躍推進法の規定に基づき算出。「係長」及び同等の権限を有する者(支店長代理、本部副調査役などの役職者)

 

 

(5) サイバーセキュリティへの対応

当行グループは、サイバー攻撃の高度化・巧妙化を踏まえ、サイバー攻撃の未然防止と発生時の迅速な復旧対応について、経営の重要課題の一つとして位置づけ、サイバーセキュリティ対策に取り組んでいます。

 

① ガバナンス

当行グループが直面する様々なサイバー攻撃の脅威に対し、関連部署で組織された「ごうぎんCSIRT(コンピュータ・セキュリティ・インシデント・レスポンス・チーム)」を設置し、サイバーセキュリティ管理態勢の整備・強化に取り組んでいます。

また、サイバーセキュリティ管理態勢については、サイバーセキュリティ管理に関するベストプラクティスや他金融機関の整備状況を参考に自己評価を行い、結果と改善策は、経営陣に報告・協議しています。

 

《体制図》


 

② 戦略

お客様に安心・安全な金融サービスを提供するため、サイバーセキュリティ管理態勢の強化に取り組んでいます。具体的には、ごうぎんCSIRTにおいて下記の活動を実施することを通じて、サイバーセキュリティの強化を図ります。

・サイバーセキュリティ関連規程・マニュアルの整備

・サイバーセキュリティに対する技術的対策の企画・立案・実施

・インターネットシステム/クラウドサービスのサイバーリスク評価及び改善要請

・最新の攻撃手口や脆弱性情報の収集と予防措置

・サイバー攻撃対策の稼働状況及び監視状況の確認・チェック

・サイバー攻撃対応に関する教育の企画・立案・実施

 

 

③ リスク管理

A サイバーインシデント発生時の対応

「サイバー攻撃対応マニュアル」に基づき、ごうぎんCSIRTが連携して対応体制を構築し、影響調査、被害特定、被害拡大防止、お客様対応及び対外広報等が迅速に行えるよう定期的に訓練等を実施し、実効性の向上を図っています。

B システムリスク(サイバーリスク)の評価

システムを導入する際に、システムリスク評価を実施し、セキュリティ対策の実施状況を確認するとともに、対策を講ずるべき重要なリスクが残存していないか洗い出し、必要に応じて追加対策を要請しています。また、システム稼働後も、定期的にシステムリスク評価を実施し、セキュリティ対策の実施状況をモニタリングしています。

 

《システムリスク評価の流れ》

セキュリティ対策要求水準の策定

あらかじめ、システム重要度に応じたセキュリティ対策の要求水準を策定

システム重要度の決定

導入するシステムの取扱情報、障害発生時の影響度等からシステム重要度を決定

サイバーセキュリティ対策内容の確認

「システムリスク評価シート」「インターネットシステム調査票」等により、ITベンダーに対し、セキュリティ対策実施状況を確認

セキュリティ対策の妥当性確認

セキュリティ対策の妥当性を確認し、要求水準と乖離があれば、必要に応じて対応(改善)を要請

セキュリティ診断(脆弱性診断)の実施

システムに脆弱性が残存していないか確認するため、稼働前に必要に応じて、外部専門業者によるセキュリティ診断を実施

定期モニタリングの実施

システムの重要度に応じた所定の頻度により、セキュリティ対策が有効に維持されているかモニタリング

 

 

④  指標と目標

サイバーセキュリティの強化に向け、下記の指標と目標を設定しております。

指標(実施回数)

目標

2023年度実績

CSIRT会議

年4回

4回

セキュリティ診断

年1回以上

3回

サイバー攻撃対応演習

年2回以上

2回

標的型攻撃メール訓練

年2回以上

2回

セキュリティ教育

年2回以上

2回