2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,720名(単体) 1,906名(連結)
  • 平均年齢
    40.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.1年(単体)
  • 平均年収
    7,521,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

 ① 人材戦略に関する基本方針

 当行グループは、地域金融機関としての持続的な成長と地域社会への価値提供を実現するうえで、人的資本の強化を経営の最重要課題と位置づけています。その実行に向け、「高い課題解決力を備えたプロフェッショナルな人材が集まり、育ち、その能力を最大限発揮できる組織の実現」を人材戦略の中核に据えています。

 なお、人材戦略の詳細につきましては、第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

 ② 従業員給与決定方針

 人材戦略に基づき、従業員の役割・成果・専門性等を客観的かつ公正に評価し、処遇へ反映することを給与決定の基本方針としています。

 2025年7月に導入した新たな人事制度では、コンピテンシーの達成度、役割に応じた業務貢献度、専門性の発揮状況等を主要な評価項目とし、年功的要素に依存しない評価・処遇を行う仕組みに移行しました。これらの制度により、評価基準の明確化及び処遇の公平性・透明性の確保を図るとともに、専門性向上や主体的な挑戦行動を促す人事運営を推進しています。

 なお、物価上昇等の社会環境の変化への対応や自発的な学びへの後押し、従業員のエンゲージメント向上を目的に2022年度から2025年度にかけて4年連続の賃上げを行っており、累計で20%超の賃上げを実施しています。さらに、2025年度には「当行業績・株価向上への貢献意欲」及び「エンゲージメント」の向上を目的に、活躍する従業員のインセンティブとして、通常の賞与に加えて当行株式等を給付する「従業員向け株式報酬制度」を導入し、従業員と経営が一体となって中長期的な企業価値向上に挑戦する風土づくりを推進しています。

 

 ③ 給与体系の概要

 イ 定例給与

 資格区分ごとに本給を設定し、昇給は職務遂行能力、成果、職務遂行態度を中心とした客観的評価により決定しています。加えて、役割や働き方の多様化に対応するため、資格手当、ポスト手当、赴任手当等に加え、リスキリングや自己研鑽を支援する手当を設けています。これらの制度により、公正な処遇と能力発揮の促進を図り、地域のお客様へのより高い付加価値提供につなげています。

 

ロ 賞与

 賞与は、半期の業務遂行実績と組織への貢献度を総合的に評価して決定しています。評価項目には、挑戦行動、中長期的視点での組織貢献、人材育成などを設定し、持続的な企業価値向上に資する行動を反映する仕組みとしています。

 

 ④ 給与水準の決定プロセス

 人事評価及び賞与評価は、公正性・透明性の確保を目的として、所属長評価、店舗エリア毎のブロック評価会議、役員協議の3段階で実施しています。複数の視点による確認と評価調整を行い、評価の妥当性を確保しています。確定した評価は給与・賞与へ反映し、役割・成果・貢献度に応じた処遇を実現しています。評価内容は従業員へフィードバックし、挑戦意欲の向上、成長促進、そしてお客様への高い付加価値提供につながる行動の強化に役立てています。

 

 

 

 

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

1,767

63

76

1,906

[804]

[9]

[24]

[837]

 

(注) 1 従業員数は、取締役を兼務しない執行役員(銀行業16人・リース業11人)、嘱託及び臨時従業員830人を含んでおりません。

2 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

② 当行の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

1,720

40.9

17.1

7,521

2.5

[729]

 

(注) 1 従業員数は、取締役を兼務しない執行役員16人、嘱託及び臨時従業員723人を含んでおりません。

2 当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5 当行の従業員組合は、山陰合同銀行従業員組合と称し、組合員数は1,358人であります。

 労使間においては特記すべき事項はありません。

 

③ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当行及び連結子会社のうち、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号。以下、「女性活躍推進法」という。)、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号。以下、「育児・介護休業法」という。)に基づき、公表している会社について記載をしております。下表における連結グループには、第1「企業の概況」4「関係会社の状況」に記載の9社を含めて算出した計数を記載しております。なお、詳細につきましては、第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております

2026年3月31日現在

当連結会計年度・当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の割合

(%) (注)1

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1・3・4・5

全労働者

うち正社員

うち非正規雇用者

株式会社
山陰合同銀行

25.7

103.3

53.4

67.7

83.9

株式会社 ごうぎん
キャリアデザイン

25.0

96.5

81.1

86.7

連結グループ

25.5

103.2

54.1

66.1

83.2

 

 

(注) 1 女性活躍推進法の規定に基づき算出したものであります。なお、上表における管理職とは、課長相当職以上のライン長(※)を指しております。算出対象者には、当行所属の出向者を含んでおります。

※…労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者(部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)

2 育児・介護休業法の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。なお、算出対象者には当行所属の出向者を含んでおります。また、株式会社ごうぎんキャリアデザインの「-」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。

3 給与支給実績のある従業員のみを対象に算出しています。

4 パートタイマーについては、フルタイム換算をせず、実際に支給した賃金に基づき算出しています。

5 要因については、第2「事業の状況」、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(5)人的資本 ⑤戦略 ロ 社内環境整備方針 <女性活躍推進> b. 男女間の賃金差異の改善に記載しております。

 

④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

当行は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、1「株式等の状況」(8)役員・従業員株式所有制度の内容に記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) サステナビリティ課題全般

当行グループでは、持続可能な地域社会の実現を目指し、従来からリレーションシップバンキング、地方創生、CSRなど広範に取り組んでまいりました。2019年5月には「サステナビリティ宣言」を表明し、持続可能な地域社会と当行グループの持続的な成長は一体であるとの考えのもと、サステナビリティ課題を経営の重要課題として認識し、サステナビリティ課題解決と中長期的な企業価値の向上の両立を目指して取組を進めています。

① ガバナンス

リスクや機会を含めたサステナビリティに関する課題への取組方針等について協議・審議し、円滑に実行・推進していくため、代表取締役を委員長とする経営会議メンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置し、取締役会に報告・監督を受ける体制を構築しています。

また、当行グループ全体の活動を企画・推進するため、経営企画部内にサステナビリティ推進グループを設置しております。サステナビリティに関する個別テーマへの対応については、本部各部からなるSDGs/ESG推進ワーキンググループを設置し、組織横断的な取組を進めています。当行グループ全体の取組として、グループ会社全社が参加するグループサステナビリティ連絡会を開催し、サステナビリティに関する方針の共有、グループ全体としての取組推進に向けた活動を行っております。

 

《サステナビリティ推進体制》


 

《2025年度のサステナビリティ委員会での主な協議・報告事項》

当該事業年度においてサステナビリティ委員会を10回開催しています。審議テーマは以下のとおりです。

開催月

テーマ

2025年 4月

サステナブルファイナンスの対象投融資の変更

2025年 5月

ESG評価の現状

2025年 7月

自然資本・生物多様性に関する情報開示への対応

2025年 8月

カーボンニュートラルに向けた取組

2025年 9月

ESG業務計画の上期振り返りと下期策定

2025年11月

人権尊重に向けた取組

2026年 2月

マテリアリティの検討

2026年 3月

ESG業務計画

健康経営の報告と今後の取組方針

金融経済教育の取組状況

 

 

 

② 戦略

《マテリアリティの特定》

当行グループでは、中期経営計画の策定にあたり、国際的なガイドライン等(国連グローバル・コンパクト、GRIスタンダード等)が示すサステナビリティ課題や外部環境・社会構造の変化を踏まえ、リスクと機会を把握し、課題先進地域における社会性と経済合理性のバランスも考慮し、「ステークホルダー(社会)の視点からの重要度」と「経営(当行)の視点からの優先度」の観点からマテリアリティ候補を選定し、サステナビリティ委員会、取締役会における複数回にわたる議論を経て、マテリアリティを特定しました。

特定したマテリアリティの課題解決に向けた具体的な取組を進めることで、サステナビリティ経営を実践し、社会的なインパクトの創出を目指しています。

また、外部環境が大きく変化する中、2027年度からの次期中期経営計画策定にあわせ、現行のマテリアリティを検証し、見直しの必要性の検討を開始しています。

 

《マテリアリティと特定理由》

マテリアリティ

特定理由

地域活性化への貢献

人口減少、少子高齢化、後継者不足、地域経済の疲弊といった地域の課題に対し、地域にコミットし様々な角度から地域経済活性化に貢献する。また、地域社会の一員として社会貢献活動を通じた地域貢献も果たす。

人生100年時代の

QOL向上をサポート

豊かな地域社会の実現に向け、地域のお客様の資産所得向上を目的に金融経済教育等を実施し、地域住民の金融リテラシー向上に貢献する。

環境保全・気候変動への対応

脱炭素社会の実現に向け、企業のカーボンニュートラルに向けた取組支援としてサステナブルファイナンスや子会社による再エネ電力の供給に取り組む。地域の生物多様性保全も新たな課題であると認識。

DXの推進・質の高い

金融サービスの提供

DX等を進めながら、地域の重要な金融インフラとして、人口減少・少子高齢化が進む中においても地域のお客様に安定した金融インフラと質の高いサービスを提供する責務があると認識。

人権の尊重

国内外において人権に対する意識や重要性が高まり、企業には自社の業務や役職員に関する人権課題への対応にとどまらず、サプライチェーンや取引先を含む幅広いステークホルダーの人権を尊重することが求められている。金融機関として本業を通じた人権の尊重の取組や、ステークホルダーへの働き掛けは大きな責務であると認識。

働き方改革・ダイバーシティ&インクルージョンの推進

従業員への多様で柔軟な働き方の提供やキャリア開発支援等積極的な投資により、心身の健康を保ち、従業員やその家族のウェルビーイングを実現し、従業員エンゲージメントの向上を図る。地域を支える存在であり続けるため、地域やお客様の課題解決のために行動できる人材を育成。性別に関係なく、従業員の多様な個性や価値観を尊重し、一人ひとりが活躍できる組織づくりに取り組む。

企業価値向上・コーポレートガバナンス強化

ステークホルダーの期待に応え持続的な企業価値向上を実現するため、コンプライアンスを含んだグループ一体となったガバナンス強化に努め、グループシナジーの最大化を追求する。

 

 

 

③ リスク管理

当行グループでは、サステナビリティ課題を含む事業上のリスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築しています。当行が認識しているリスクの詳細は、第2「事業の状況」3「事業等のリスク」に記載しています。特にサステナビリティ課題の重要テーマの一つである気候変動に関するリスク管理については、「(2) 気候変動への対応 ③リスク管理」に記載しています。

《リスク管理体制図》


 

④ 指標と目標

サステナビリティに関する重要課題について指標と目標を設定しています。主要な指標と目標については、「(2)気候変動への対応 ④指標と目標」、「(5)人的資本 ⑥指標と目標」及び「(6)サイバーセキュリティへの対応 ④指標と目標」を参照ください。

 

(2) 気候変動への対応

近年、世界的に異常気象や大規模な自然災害による被害が甚大化する中、気候変動対応は世界共通の課題となっており、お客様や当行グループにとって事業環境や経営そのものに大きな影響を及ぼす要素になりつつあります。

こうした状況を踏まえ、当行グループでは気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、ガバナンス体制を強化するとともに、気候変動の事業への影響分析や機会・リスクへの適切な対応への取組を進めています。

当行グループでは、2021年4月にTCFD提言に賛同し、同年よりホームページ、統合報告書及びサステナビリティレポートにて、TCFD提言を踏まえた情報を開示しています。2022年度からは移行リスクや物理的リスクにおけるシナリオ分析を実施し、2050年までの影響額の推計値(最大値)を公表しております。今後もリスク管理及び情報開示の高度化に取り組んでまいります。

 

① ガバナンス

気候変動に対するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ課題全般 ①ガバナンス」を参照ください。

 

② 戦略

当行グループでは2019年5月に「サステナビリティ宣言」を制定し、持続可能な地域社会の実現に向け、気候変動対応を含む環境保全への対応を重点的に取り組む事項として定めています。気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、機会及びリスクの両面から取組を進めています。地域金融機関として商品・サービスの提供を通じ、地域やお客様の気候変動対応を支援するとともに、当行グループの事業活動に伴う環境負荷低減の取組を推進してまいります。また、気候変動に関連するリスクについて、気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害に伴うリスク(物理的リスク)と、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新への対応といった脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)を認識しています。

 

 

A 機会

(A) サステナブルファイナンス・コンサルティングの取組

再生可能エネルギー事業等に係るグリーンファイナンスや脱炭素に向けた移行を促進するトランジションファイナンス、気候変動に対応する事業者を支援するコンサルティングへの取組は、当行グループのビジネス機会になると認識しています。

(B) 再生可能エネルギー発電事業への参入

地域における再生可能エネルギーの供給量不足や脱炭素経営への転換の遅れ等の課題を認識する中、これらの課題解決に貢献するため、2022年7月に当行100%出資による再生可能エネルギー発電事業を営む子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しました。同社では再生可能エネルギーの供給量増加と地産地消の推進を担い、地域脱炭素・カーボンニュートラルの早期実現と再生可能エネルギー利用拡大による地元企業の競争力強化等を通じ、地域と企業の成長戦略につなげていきます。2025年度までの同社のPPA(※1)事業に関する取組実績は以下のとおりです。

《取組実績》

PPA契約件数(累計)

年間想定CO2削減貢献量

94件

13,791t-CO2

 

※1 PPA:Power Purchase Agreement の略。電力販売の意味で、第三者所有モデルとも呼ばれる。電力需要家が所有する建物や土地にPPA事業者が発電設備を設置し、その設備から発生する電力を電力需要家が購入し自家消費用電力として使用するスキーム。

 

B リスク

(A) 物理的リスク

気候変動による自然災害等の発生により、資産や事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大や、当行グループの営業店舗等の損壊によるオペレーショナル・リスクを想定しています。

《物理的リスクの例》

区分

物理的リスクの主な内容

急性的

・台風や洪水などの極端な天候事象による被害の増加

慢性的

・降水パターンの変化と天候パターンの極端な変動

・上昇する平均気温

・海面上昇

 

 

(B) 移行リスク

気候関連の規制強化や脱炭素化に向けた技術革新の進展等により、事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しています。

《移行リスクの例》

区分

移行リスクの主な内容

政策と法規制

・温室効果ガス排出価格(炭素税)の上昇

・既存の製品及びサービスに関する規制

・訴訟

テクノロジー

・温室効果ガス排出量の少ない製品やサービスへの転換

・新技術への投資の失敗

・低排出技術への移行コスト

市場

・顧客行動の変化

・原材料価格の上昇

評判

・消費者の嗜好の変化

・特定の多排出セクターへの非難

・ステークホルダーの関心の高まりやネガティブなフィードバック

 

 

 

C シナリオ分析

気候変動が将来にわたって当行のポートフォリオに与える影響を把握するために、物理的リスクと移行リスクのそれぞれについて、2022年度よりシナリオ分析を実施しています。分析にあたっては、気候変動に関するさまざまな状況を想定し、計画の柔軟性や戦略のレジリエンスを高めるべく、1.5℃のシナリオを含む複数のシナリオを用いて分析しています。

2025年度は、前年度実施した分析に加え、次に記載する分析を追加しました。物理的リスクにおいては、事業停止(売上減少)に伴う財務悪化のリスク事象において、分析対象を国内の法人与信取引先に拡大しました。移行リスクにおいては、分析対象に「化学」セクターを追加しました。2025年度に分析を行った結果は以下のとおりです。

(A) 物理的リスク

リスク事象

①水害による担保物件(建物)の毀損

②水害による与信先の事業停止(売上減少)に伴う財務悪化

分析対象

①担保物件を持つ国内与信取引先(住宅ローン、個人貸家業、法人)

②「製造業」「小売業」「娯楽業」の特定先

 及び水害リスクが高い地域に本拠地が所在する国内与信取引先(法人)

シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

・RCP1.9(1.5℃シナリオ)

・RCP2.6(2.0℃シナリオ)

・RCP8.5(4.0℃シナリオ)

分析期間

2050年まで

リスク指標

想定される信用コスト増加額

リスク量

最大68億円

 

 

(B) 移行リスク

リスク事象

①脱炭素社会移行に伴う資産の毀損や売上減少・コスト増加等による与信先の財務悪化

②炭素税導入による与信先の財務悪化

分析対象

①「電力」「石油」「ガス」「水運」「化学」セクターの特定先

②国内与信取引先(法人)

シナリオ

NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)

・Net Zero 2050

・Below2℃

・Current Policies

分析期間

2050年まで

リスク指標

想定される信用コスト増加額

リスク量

最大64億円

 

 

D 炭素関連資産(貸出金残高)の状況

当行の2026年3月末における貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。

炭素関連セクター

割合

業種区分

エネルギー

1.7%

石油及びガス、石炭、電力ユーティリティ

運輸

10.2%

航空貨物、旅客空輸、海上輸送、鉄道輸送、トラックサービス、自動車及び部品

素材・建築物

22.3%

金属・鉱業、化学、建築資材、資本財、不動産管理・開発

農業・食料・林産物

3.9%

飲料、農業、加工食品・加工肉、製紙・林業製品

 

*再生可能エネルギー事業への貸出金は除く

*TCFD提言、日本標準産業分類及び当行の業種コード等を用いて分類

 

 

③ リスク管理

気候変動を含む環境への取組を経営の重要課題の一つとして認識し、気候変動への対応方針を含む「サステナビリティ宣言を踏まえた投融資方針」を策定しています。

気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、中長期にわたり当行グループの事業内容・戦略・財務内容に影響を与えることを認識しています。当行グループでは、リスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築していますが、今後、気候関連リスクについても、統合的リスク管理のプロセスへの組み入れを検討してまいります。

 

④ 指標と目標

当行グループでは、地域のサステナビリティやカーボンニュートラルの実現に向け、以下の指標と目標を設定し、取組を進めています。

 

A 温室効果ガス排出削減

当行グループでは、温室効果ガス排出削減の取組を進めるため、2030年度及び2050年度のカーボンニュートラル中長期目標を設定し、中期経営計画においては2026年度を目標年度とした温室効果ガス排出量削減目標を設定しています。

《指標と目標・実績(連結)

指標

目標

実績

温室効果ガス

排出量

(中期経営計画目標)

2026年度に2013年度比70%削減(Scope1,2)

2025年度実績

3,674t-CO2

(2013年度比△70.5%)

(カーボンニュートラル中長期目標)

2030年度までにScope1,2ネットゼロ

2050年度までにScope1,2,3ネットゼロ

―(※1)

 

 

《温室効果ガス排出量の推移(連結)》                         (単位:t-CO2)

計測項目

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

Scope1(直接排出)

1,396

1,303

1,320

707

Scope2(間接排出)

6,224

4,196

3,996

2,967

合計(Scope1+Scope2)

7,620

5,499

5,316

3,674

Scope3(Scope1,2以外の間接排出)

2,304,872

8,212,593

19,759,116

(※1)

カテゴリ1

購入した製品・サービス

3,398

4,180

3,926

カテゴリ2

資本財

7,127

3,649

6,657

カテゴリ3

Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

1,134

838

875

カテゴリ4

輸送・配送(上流)

1,641

1,646

1,694

カテゴリ5

事業から出る廃棄物

287

317

300

カテゴリ6

出張

314

274

264

カテゴリ7

通勤

971

945

910

カテゴリ8(※2)

リース資産(上流)

カテゴリ9(※2)

輸送・配送(下流)

カテゴリ10(※2)

販売した製品の加工

カテゴリ11(※2)

販売した製品の使用

カテゴリ12(※2)

販売した製品の廃棄

カテゴリ13(※3)

リース資産(下流)

カテゴリ14(※2)

フランチャイズ

カテゴリ15

投融資

2,290,000

8,200,744

19,744,490

合計(Scope1+Scope2+Scope3)

2,312,492

8,218,092

19,764,432

 

*Scope3の算定にあたっては、環境省、経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7」、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.5」を使用しております。

 

 

※1 2025年度の算出結果については、2026年中に当行ホームページにおいて公表予定の「サステナビリティレポート2026」をご参照ください。(https://www.gogin.co.jp/ir/disclosure/sustainabilityreport/

※2 カテゴリ8~12及び14は業務上該当ありません。

※3 カテゴリ13について、ごうぎんリース㈱は集計対象外としております。

 

《Scope3カテゴリ15の試算》

カテゴリ15(投融資を通じた間接的な温室効果ガス排出量)は、金融機関におけるScope3の大部分を占めるため、PCAFスタンダード(※1)の計測手法を参考に、当行の事業性融資及び上場株式・社債について2022年度に初めて試算しました。2024年度の試算結果は以下のとおりであります。今後、試算結果をお取引先の脱炭素化の促進に活用していくことを検討してまいります。

また、2025年度の試算結果は、2026年中に当行ホームページにおいて公表予定の「サステナビリティレポート2026」をご参照ください。(https://www.gogin.co.jp/ir/disclosure/sustainabilityreport/

 

《2024年度の試算結果》                            (単位:千t-CO2)

業種

資産区分別

合計

事業性融資

上場株式・社債

Scope1,2

Scope3

Scope1,2

Scope3

Scope1,2

Scope3

石油及びガス

2,949

644

2

25

2,952

670

電力・ユーティリティ

571

307

18

8

589

315

旅客空運

94

25

94

25

海上輸送

725

841

0

0

725

841

鉄道輸送

38

80

1

2

40

82

トラックサービス

192

92

192

92

自動車及び部品

12

326

0

52

12

378

金属・鉱業

471

378

6

4

477

382

化学

524

330

2

6

527

336

建築資材

33

49

33

49

資本財

245

4,219

1

30

246

4,248

不動産管理・開発

10

122

0

0

10

122

飲料

4

26

0

3

4

30

農業

602

335

0

2

603

337

加工食品・加工肉

281

106

0

11

281

116

製紙・林業製品

107

138

2

2

110

140

その他

1,396

3,244

3

45

1,399

3,289

合計

8,255

11,263

38

189

8,293

11,452

 

・業種:TCFD提言における炭素関連資産(4セクター18業種)及びその他

・排出量:投融資先の排出量(※2)×投融資先における当行の投融資割合

・基準日:投融資残高:2025年3月末

融資先財務データ:2025年3月末時点で当行が保有する最新データ

・データクオリティスコア:Scope1,2 3.32  Scope3 3.48

・カバー率:94.0%

※1 PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials):投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を計測・開示するための国際的なイニシアチブ。

※2 データが取得できない先は、PCAFデータベースから引用した地域・セクター別の売上あたり排出係数を使用(トップダウン分析)。開示・公表している一部の先については、公表値を使用(ボトムアップ分析)。

 

 

B サステナブルファイナンス実行目標

地域の環境課題・社会課題解決に向けて、2021年度から2030年度までの10年間におけるサステナブルファイナンスの新規実行累計額を中長期目標として設定しています。

《指標と目標・実績》

指標

目標

実績

サステナブルファイナンス

新規実行累計額

2021年度~2030年度

1兆5,000億円

(うち環境分野5,000億円)

累計 7,100億円

(うち環境分野2,790億円)

〈内訳〉

・2025年度 1,767億円(うち環境分野 752億円)

 

 

《サステナブルファイナンスの定義》

サステナブルファイナンスは、各種国際原則や政府の指針・ガイドラインに適合するファイナンスやそれらの原則・指針・ガイドラインに示されている対象事業・資金使途の例示等に合致する環境課題・社会課題の解決に資する投融資、お客様のESGやSDGsへの取組を支援又は促進する投融資を対象範囲としています。

分野

事業

環境分野

気候変動緩和と適応及び環境配慮に資する事業

例)再生可能エネルギー事業、省エネルギー事業、脱炭素・低炭素事業等

社会分野

地域経済活性化及び持続可能な地域社会に資する事業

例)基本的インフラ整備、必要不可欠なサービス、雇用創出等

 

 

(3) 生物多様性保全・自然資本への対応

当行グループの源流である山陰地域は、自然との共生の歴史や豊かな自然に恵まれた環境があります。当行では、こうした自然を守り次世代へつなげていくため、これまで森林保全活動や海岸清掃などを通じて自然環境の保全に取り組んできましたが、さらにTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、2023年9月に公表された開示提言の採用者として登録しました。生物多様性の保全や自然資本への対応を重要な課題と認識し、「ネイチャーポジティブ」の実現に向けた取組を進めています。特に地域金融機関である当行は、融資を行うお取引先企業の事業活動を通じて地域の自然環境に依存し、インパクトを与えていると認識しています。そのため、当行の融資活動を通じた自然へのインパクトや依存の内容・大きさを把握することを目的に分析を実施しました。

今後は、当地の自然環境や生態系についての理解を深めるとともに、選定した対応すべき優先地域や業種において、地域と連携しながら自然保全につながる活動を展開していきます。

 

① ガバナンス

生物多様性保全・自然資本に対するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ課題全般 ①ガバナンス」を参照ください。

 

② 戦略

自然との接点、自然との依存関係、インパクト、リスク・機会など自然関連課題の評価のための統合的なアプローチとして、TNFDが開発した評価手法であるLEAPアプローチに沿った分析を実施しました。

A 自然との接点把握、優先地域の特定、セクターの特定(Locate)

具体的な操業エリアや事業内容を踏まえた依存インパクト関係としての深掘りを行うため、当行グループの源流である島根県・鳥取県の自然特性を整理しました。また、具体的な依存・インパクトを整理することを目的に、島根県・鳥取県それぞれで地区と優先セクターを限定したうえでの検討を行いました。

B 依存関係と影響の特定、依存度の分析、影響度の分析(Evaluate)

(A) 融資先セクターのヒートマップ分析

産業セクターごとに自然への依存・インパクトの内容とその程度を定量的・定性的に評価した結果を示すヒートマップを作成し、当行の融資ポートフォリオに含まれるセクターと自然の依存・インパクト関係を概観しました。ヒートマップは、「ENCORE」というツールから出力される情報を加工して作成しました。

当行の山陰両県の融資ポートフォリオ(山陰両県に拠点を置く営業店の融資先、除く自治体融資)とヒートマップを整理してみると、依存が特に大きい項目が多かった産業グループは、「消費者サービス」「生活必需品流通・小売り」「食品・飲料・タバコ」でした。

 

インパクトが特に大きい項目が多かった産業グループは、「エネルギー」「素材」「消費者サービス」「生活必需品流通・小売り」でした。

 


*VH:特に大きい、H:大きい、M:中程度、L:小さい、VL:特に小さい、ND:エビデンス不足、-:なし

 

(B) 融資残高割合を考慮した依存インパクト評価結果

当行の山陰地域における融資残高割合と、依存・インパクトの大きさを重ね合わせたバブルチャートは以下の通りとなりました。依存・インパクトが高く、かつ融資残高割合も大きい産業グループとして、「消費者サービス」が特定されました。このうち、特にホテル・旅館、飲食店は山陰地域の自然環境に依存が大きいといえます。

また、「生活必需品流通・小売り」、「素材」、「食品・飲料・タバコ」なども依存・インパクトと融資残高割合も大きい産業といえることがわかりました。


 

(C) 優先地域×優先セクターの依存・インパクト関係の整理

依存・インパクト整理対象地区は、中海・宍道湖・大山圏域(島根県東部と鳥取県西部)を選定しました。

対象セクターとしては、食品関連産業と観光関連産業を選定しました。

《中海・宍道湖・大山圏域(島根県東部・鳥取県西部)》

• 融資先企業の本社が集中しており、財務影響が大きく生じる可能性があるため。

• 境漁港を中心とする水産業や大山の湧水を使用する製造業など、自然資源を利用する複数の企業へ融資を行っているため。

 

(D) 重要なインパクト・依存を踏まえた、中海・宍道湖・大山圏域の重要課題

中海・宍道湖・大山圏域における食品関連産業は、農水産物等の原材料供給や淡水供給に加え、水質浄化、水流調整、花粉媒介、生息地維持等の生態系サービスに依存しています。一方で、生産・加工段階を中心に、土地・淡水域・海洋の利用、資源利用及び汚染を通じて自然環境に影響を与える可能性があります。

また、観光関連産業は、中海・宍道湖・大山の景観や歴史・文化と結びついた自然環境がもたらす文化的サービスに依存しているほか、水資源や防災・減災機能の恩恵を受けています。一方で、宿泊業等を中心に、資源利用及び汚染を通じて自然環境に影響を与える可能性があります。

これらの重要なインパクト・依存関係を踏まえ、同圏域における重要課題を「水環境の保全」「農業・地域を支える生態系サービスの保全」「自然と地域の暮らしが育んだ文化的価値の継承」と整理しました。

 

 

C リスクと機会の評価(Assess)

依存とインパクトの診断で把握した依存・インパクト関係から想定される、当行融資先と当行の事業活動におけるリスク・機会を把握しました。また、優先的に対応すべき重要なリスク・機会を特定しました。

(A) 物理的リスク

リスクの種類

融資先にとってのリスク

該当業種

当行にとっての

リスク

関連する

重要課題※1

重要度※2

急性

リスク

自然災害の頻発化・激甚化による操業の不安定化

食品関連産業

観光関連産業

・当該企業の信用リスク低下、貸倒の発生

・環境・自然への配慮にかける企業との取引によるレピュテーションリスク

・営業基盤の維持困難

1、2、3

慢性

リスク

気温上昇や降水パターンの変化による生産性低下

食品関連産業

病害虫の増加による農作物の収量減

食品関連産業

水資源不足や土壌劣化によるコスト増加

食品関連産業

1、2

観光資源の劣化による集客力低下

観光関連産業

 

 

(B) 移行リスク

リスクの種類

融資先にとってのリスク

該当業種

当行にとっての

リスク

関連する

重要課題※1

重要度※2

政策

リスク

規制強化によるコストの増加

食品関連産業

観光関連産業

・当該企業の信用リスク低下、貸倒の発生

・環境・自然への配慮にかける企業との取引によるレピュテーションリスク

・営業基盤の維持困難

1、2、3

市場

リスク

生産変動による原料価格の不安定化

エシカル消費の拡大

食品関連産業

2、3

評判

リスク

自然環境への配慮不足と見なされる地域・企業のブランド力低下

食品関連産業

観光関連産業

1、2、3

 

 

(C) 機会

機会の

種類

融資先にとっての機会

該当業種

当行にとっての

機会

関連する

重要課題※1

重要度※2

市場

環境に配慮した産品・商品によるブランド価値の創出

食品関連産業

観光関連産業

・サステナブルファイナンスなどの融資需要の拡大

・コンサル活動によるソリューション収益の拡大

1、2、3

自然資本の持続的な利用

地域の自然資本が持続的に利用できることによる経営の安定

食品関連産業

2、3

生態系の保護、復元、利用

地域の自然環境が豊かになることによる農産物や観光地としてのブランド力向上

食品関連産業

観光関連産業

1、2、3

 

 

※1 関連する重要課題

  1.産業の根幹を担う水環境の保全

  2.農業・地域を支える豊かな生態系・生態系サービスの保全

  3.自然と地域が育んできた文化の継承

 

※2 重要度

  1.短期(~3年)的に顕在化しているもの(水質悪化・災害影響 等)

    2.中期(3~5年)的に想定されるもの(農作物・地下水への影響 等)

    3.長期(~2050年頃)的に発生の可能性があるもの(生態系サービス・観光資源の劣化 等)

 

③ リスクとインパクトの管理

当行グループは、TNFDが求める枠組みに基づき、「ENCORE」や自治体の統計データ等を利用して地域の自然資本が事業活動に与える影響を整理し、自然関連リスクとインパクトの把握に取り組みました。まずは優先地域である中海・宍道湖・大山圏域において、食品関連産業および観光関連産業を対象に、水質、生態系、観光資源の変化など重要なリスクを整理しています。特定した優先地域や優先セクターの自然関連リスクについては、サステナビリティ委員会に共有し議論します。

今後は、地域の多様なステークホルダーとの連携を深めながら、行内外に向けた普及・啓発活動を推進することで自然資本・生物多様性保全の認知度向上に努めます。また、将来的には融資先企業との対話を進め、企業の自然関連リスクの把握や支援へとつなげていくことを目指します。

 

④ 指標と目標

サステナブルファイナンスの実行を通じて、自然関連課題の対応にも取り組む方針としています。詳細については「(2)気候変動への対応 ④指標と目標 B サステナブルファイナンス実行目標」を参照ください。

 

(4) 人権尊重に向けた取組み

当行グループは、「ビジネスと人権」に関する国際的な議論の進展や、政府が示す「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を踏まえ、人権尊重の取組を重要な経営課題として位置づけています。全てのステークホルダーの基本的人権を尊重する企業活動を推進するため、以下の体制整備と施策を進めています。

 

① 人権に関する取組方針

当行グループでは、人権の尊重は取り組むべき重要課題の一つであると認識しており、人権に関する取組方針において、事業活動において人権の尊重に取り組む具体的な内容について示しています。

 *人権に関する取組方針全文は当行ホームページをご参照ください。

 https://www.gogin.co.jp/about/policy/humanrights/

 

② 人権デュー・ディリジェンスの実施

当行グループでは、人権方針のもと、「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際規範を尊重し、人権デュー・ディリジェンスに取り組んでいます。

2025年度は、人権デュー・ディリジェンスの体制を再整理し、経済産業省ガイドラインに則って、当行グループ役職員、お客様、サプライヤー(納入業者)、投融資先などに関わる人権リスクを特定・評価し、人権リスクマップを作成しました。深刻度と発生可能性に基づき優先的に対応すべき課題を特定し、負の影響の防止・低減に向けた取組を継続的に実施しています。

 

A.人権リスクマップにより特定したリスク

課題

内容

児童労働・強制労働・人身売買

・国内では原則15歳以下の労働禁止、配慮が必要な労働は18歳以下は禁止

プライバシーに関する権利

・個人情報を本人の了承を得ず、取得、公開又は第三者への提供を行うこと

差別・ハラスメント

・パワハラ、セクハラ、マタハラ、ケアハラ等

・性別、性的指向、障がい、部落差別、雇用形態などを理由に不利な立場に置くこと

お客様の人権配慮

・製品表示等における不当表示や消費者の知る権利の侵害

従業員の労働安全衛生への配慮

・賃金の不足、過剰な労働時間

・安全で健康的な作業環境

・社会保障を受ける権利

地域住民の人権侵害

・環境汚染による地域住民への負の影響

・人種、民族差別を扇動する行為

金融サービスへのアクセス

・障がい、健康状態、人種、属性などに関わらず、サービスを受けられる権利

結社の自由・団体交渉権

・労働組合の団結権、団体交渉権、争議権

 

 

B.優先度の高いリスクに対して再整理した取組内容(下線は新たな取組)

課題

対象

チェック・モニタリング

所管部

インシデント対応

児童労働

強制労働

人身売買

投融資先

取引店が「取り組みを回避する分野」に該当しないことを確認

※行内通達により再徹底

融資部

① 該当・影響・関与を確認

② 是正要請

③ 是正無→取引終了検討

サプライヤー

「協力のお願い」を手交

取引
所管部

プライバシーに
関する権利

お客様

情報管理の重要性について定期的に勉強会を実施し、基本動作を徹底

リスク
統括部

軽微:担当役員協議・報告

重度:経営との対応協議

差別・
ハラスメント

役職員

エンゲージメントサーベイ(モラルに関する質問)の結果・対応をコンプライアンス委員会、取締役会へ報告

人事部
リスク
統括部

事象の内容に応じて、所管部が臨店等にて対応

お客様の
人権配慮

お客様

「お客さまサービス向上委員会」の取組状況を執行役員会議にて報告

営業
企画部

事象の内容に応じて、営業店・所管部が対応

 

 

③ 救済措置の整備

当行グループ役職員、お客様、サプライヤー等から人権に関する相談や苦情を受け付ける窓口を整備し、適切に対応する体制を構築しています。お客様の苦情については管理システム上で対応状況を一元管理し、問題解決に努めています。

 

(5) 人的資本

① 基本方針

当行は「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を経営理念として掲げ、地域・お客様の課題解決を通じた持続的な発展を目指しております。

経営理念の実現を支える最大の柱は人材であり、中期経営計画において、新卒・経験者採用の強化、専門人材の育成加速、個々人が能力を最大限発揮できる職場環境の整備を経営上の重要課題と位置付けています。

当行は、経営戦略と連動した人材戦略の実践を通じて、長期ビジョンの実現、更には経営理念の実現に向け、人的資本への取組を一層強化してまいります。

 

② 経営戦略と人材戦略の連動

当行グループは、中期経営計画において主要戦略と位置付ける「課題解決による成長戦略」と「DX戦略」を支える基盤として、人的資本を重要視しています。経営戦略の実現に向け、「高い課題解決力を有すプロフェッショナルな人材が集まり、育ち、最大限能力を発揮できる組織を実現する」という人材戦略を掲げ、人材育成方針と社内環境整備方針の二つを人材戦略の重点方針として定めています。

 


③ ガバナンス体制

当行グループは、人材戦略、人材育成方針及び社内環境整備方針をサステナビリティに関する重要事項の一つとして位置づけています。これらの方針については、執行役員会議にて毎月進捗を確認・協議するとともに経営執行会議・サステナビリティ委員会、取締役会等での審議を経て決議する体制としています。取締役会は人的資本に関する最終的な監督責任を負い、サステナビリティ委員会は重要施策の評価・モニタリングを担っています。

 

④ リスクと機会

当行グループは、人的資本を経営戦略の中核に位置づけ、採用・育成・配置・エンゲージメント向上などに関する人的資本投資が事業活動に与える影響を継続的に把握しています。

イ リスク

  ・専門人材の育成が遅延した場合、法人・個人向けの提案力やコンサルティング力の強化が進まず、収益機会

    の縮小につながる可能性があります。

  ・デジタル領域におけるスキル底上げが遅延した場合、生産性向上やデジタルチャネルの強化が進まず、競争

    力の低下につながるリスクがあります。

  ・働きがいやエンゲージメントが低下した場合、パフォーマンスの低下や定着率の悪化を招く可能性があり

    ます。特に女性が働きやすい環境整備が不十分な場合には、女性の離職増加や管理職比率の低下につなが

    り、ESG評価及び採用競争力への影響が懸念されます。

・人材獲得競争の激化や人員配置の最適化が進まない場合、戦略遂行に必要な人材体制の確保が困難となるお

  それがあります。

 

ロ 機会

・専門性やコンサルティング力の向上は、法人・個人双方でのソリューション収益の拡大につながり、従業員

  の成長実感や働きがいの向上を通じて生産性向上にも寄与します。

・デジタルスキル強化は、業務効率化のみならず、顧客向けDX支援やチャネル機能の高度化を通じ、顧客提供価値の一層の向上を可能にします。

・働きがい向上と人材定着の強化は、採用・育成コストの抑制や新規ビジネス創出を促し、長期的な企業価値 

  向上に資するものです。

ハ 対応方針

当行グループは、上記リスクと機会を踏まえ、採用・育成・配置・エンゲージメント向上を一体として推進し、人的資本の強化を通じて持続的な企業価値向上を図ってまいります。

 

⑤ 戦略

イ 人材育成方針

A 全体方針

経営理念の実現に向け、長期ビジョンで掲げている「No.1の課題解決力で持続的に成長する広域地方銀行」を実現するため、社内外で通用する高い専門性を有す人材の育成に取り組みます。そのために、質の高い成長機会を提供するなど、人材へ積極的に投資を行い、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成をサポートします。

B 取組方針

(A) 多様な人材の確保・戦力化

新卒採用におけるコース別採用(デジタルコース新設)の活用やリファラル採用・キャリアリターン制度など経験者採用チャネルの拡充・多様化に取り組んでいます。また、スペシャリストが専門性を追求し続けることができるキャリアパスの明確化や高度プロフェッショナル運用(市場価値や成果に応じた個別決定の報酬制度)の活用などにより、性別・年齢・国籍を問わず、多様な人材を積極的に採用しています。

(B) 体系化した育成カリキュラムに基づく育成

コンサル分野(法人コンサル、アセットコンサル、融資・外為、ローン、窓口サービス)及びデジタル分野の専門人材育成に向けた当行独自の認定制度を導入しています。各分野で人物像を設定のうえ、人物像に対してスキルチェックリストを整備し、タレントマネジメントシステムによりスキルの可視化を図っています。認定に際しては、スキルのほか、実績・成果物や実務経験など総合的に判定しています。また、認定者数を主要KPIとして設定し、体系的かつ計画的に専門性の向上に取り組むことにより、専門人材育成を図っています。

 

〔業務分野、レベル毎の人物像〕


 

(C) 質の高い成長機会の拡充

一人ひとりの成長を加速させるためには、実践の場である「良質な育成機会」を増やすことが重要との考えのもと、融資部や山陽・関西ブロック店舗への法人営業担当者短期派遣研修やコンタクトセンター派遣研修など、実践力を学ぶ機会を拡充しています。また、行外研修への派遣や、他組織への短期・長期出向等行内外の専門人材との交流を通じた成長機会を提供しています。

 

(D) 自律的なキャリア形成をサポート

・個々人の能力の可視化を通じて、一人ひとりのレベルに沿った効果的かつ効率的なOJT、研修、自己啓発

  に取り組むことができる体制整備を進めています。

・従業員一人ひとりが作成するキャリア開発シートをもとにキャリア面談を実施し、個々人のキャリアプラン

  に沿った配置や自律的な学びの機会の提供など従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成をサポートするこ

  とにより、モチベーションの維持・向上に取り組んでいます。

 

  〔参考指標〕

項目

2023年度

2024年度

2025年度

育成に係る人的投資額(※)

543百万円

920百万円

1,033百万円

 

※キャリアアップ手当(自己研鑽を後押しすることを目的として2023年7月に新設)、行内研修・

セミナー・勉強会、eラーニングに係る費用、行外研修参加費用、自己啓発奨励金、研修に係る

旅費、研修受講時の人件費、内部研修講師の人件費、研修出向者の人件費を含んでおります。

 

 〔顧客向けサービス業務利益〕

 


 

 〔1人あたり資金利益・役務取引等利益〕         〔コンサル案件 収益金額と件数の推移〕

 


 

ロ 社内環境整備方針

A 全体方針

当行グループは、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境を実現します。

・高いエンゲージメントの実現

従業員と一体となり双方の成長に貢献し合う関係を構築することにより、従業員一人ひとりの働きがいを創出し、高いエンゲージメントの実現を図ります。

・心身の健康の実現

全ての従業員が安心して働き続けることができるよう、心身両面での健康サポートを行います。

・ダイバーシティ&インクルージョンの実現

性別や年齢、障がいの有無等にとらわれず、従業員一人ひとりの価値観や適性を尊重し、かつ従業員が柔軟で働きやすい職場環境を実現します。

B 取組方針

(A) 高いエンゲージメントの実現

当行グループは、2022年度より全従業員を対象に「従業員エンゲージメントサーベイ」を実施し、組織のエンゲージメント状況の把握と課題の可視化に取り組んでいます。銀行業界や同規模企業との比較を通じて、当行グループ全体及び各職場の強みと課題を明確化し、その結果を踏まえて職場環境の改善に向けた取組を継続しています。これらの取組により、グループ全体でエンゲージメント向上を図っています。

 


〔参考:離職率推移〕

専門性の蓄積や顧客接点の品質向上に重要な影響を与える30歳未満の離職率は、近年改善が進んでいます。今後もエンゲージメント向上施策などを通じて、離職率の低水準維持とさらなる改善に取り組みます。

項目

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度(目標)

離職率(30歳未満)

6.3%

5.0%

4.2%

5.0%以下

離職率(新卒3年以内)

14.0%

10.2%

19.6%

 

 

(B) 心身の健康の実現

・当行グループは、2018年9月に「健康経営宣言」を策定し、頭取を健康づくりの責任者として、従業員の心身の健康保持・増進に向けた取組を推進しています。

・従業員の生活習慣改善を目的に、運動・食事・睡眠等の管理が可能な健康増進アプリを導入し、アプリを活用したウォーキングイベントなどを開催しています。また、毎月22日を「禁煙の日」とし受動喫煙防止施策を強化するとともに、メンタルヘルスケア動画や健康セミナーの提供を通じ、ヘルスリテラシー向上に取り組んでいます。

・これらの取組が評価され、経済産業省及び日本健康会議による「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に8年連続で認定され、グループ会社8社も「中小規模法人部門」の認定を受けています。また、全従業員の健康管理に戦略的に取り組んでいる企業として、スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー」にも2年連続で認定されました。

・従業員のファイナンシャル・ウェルネス向上に向けて、従業員持株会の奨励金引上げや対象企業へのグループ会社各社の追加に加え、確定拠出年金(DC)及びiDeCoの制度周知など、金融教育の強化を進めています。確定拠出年金では、対象者の約8割がマッチング拠出を活用しています。さらに、2025年度には通常の賞与に加え当行株式等を給付する「従業員向け株式報酬制度」を導入しました。今後も金融教育の充実などを通じ、従業員の経済的安定を支援していきます。

 

(C) ダイバーシティ&インクルージョンの実現

当行グループは、一人ひとりのライフステージに応じた柔軟な働き方を整備し、ワーク・ライフ・バランスの向上を図ることで、多様な人材が属性にかかわらず活躍し続けることができる職場環境の整備を進めています。

 

<推進体制>

2024年4月に人事部内へダイバーシティ推進グループを設置し、同グループが中心となって女性活躍推進や育児・介護と仕事の両立支援等に関する各種施策を展開しています。こうした取組の進展が評価され、2024年度には女性活躍推進企業として最高評価である「プラチナえるぼし」に認定され、2025年度には「なでしこ銘柄」に3年連続で選定されました。

 

<女性活躍推進>

a.女性管理職比率の向上

性別にかかわらず能力に応じた登用を進めており、女性管理職比率は継続的に上昇しています。2024年 度は、従業員アンケートを踏まえた女性活躍推進チームの提言に基づき、キャリア意識向上や人的ネットワーク構築を目的とした「女性役員との座談会(全営業エリア13ブロックで開催、参加者323名)」や「女性管理職向け研修」等を実施しました。また、2024年度から2025年度にかけて、地域における女性活躍の機運醸成と会社を越えたネットワーク構築に向けて「女性活躍推進交流会(山陰7会場で開催、参加者延べ517名)」を開催しました。管理職向けには「ダイバーシティセミナー」や「所属長向け人材育成力強化研修」を実施し、管理職のマネジメント力強化と意識醸成に取り組んでいます。

引き続き、多様なキャリアパスやロールモデルを提示し、女性が管理職へ挑戦しやすい職場環境の整備を進めてまいります。なお、こうした取組は、多様性の向上とともに採用競争力の強化にも寄与するものと認識しています。

 

〔参考:女性活躍推進チームからの提言施策〕

女性活躍の先進企業を目指す取組の一環として、2022年11月に従業員の発案による「女性活躍推進チーム」を設置しました。公募メンバー32名がアンケート結果を基に、女性の採用・育成・登用に関する重点施策を検討し、2023年9月に経営へ提言を行いました。

 

〔本人の意識改革〕

・全員の意識の底上げ ~キャリア形成に向けた支援~

キャリアプラン構築研修実施、人脈ネットワーク創出及び視野を広げる場の提供、行内インターンシップ制度導入

・管理職・役員登用に向けた育成 ~メンター制度の導入~

 

〔管理職の意識改革〕

・管理職向け多様性のある組織運営を学ぶセミナーの実施  

・キャリア面談の定着化・レベルアップ

 

《職位別の女性比率(連結)》

 

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度

(目標)

所属長相当職以上(※1)

31.8%

33.8%

52名/128名

40.6%

課長相当職以上(※2)

21.9%

24.1%

76名/297名

25.5%

25.0%以上

係長相当職以上(※3)

30.0%

34.8%

347名/963名

36.0%

30.0%以上

 

※1…部長、支店長、プラザ長等

※2…女性活躍推進法の規定に基づき算出。労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者

     (部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)

※3…女性活躍推進法の規定に基づき算出。「係長」及び同等の権限を有する者(部店長代理、本部副企

   画役などの役職者)

 

 

b.男女間の賃金差異の改善

・同一労働における男女間の賃金格差はありません。一方で、正規労働者については、平均年齢や勤続年数、年代別の女性比率、管理職比率の違いに加え、転居を伴う転勤を許容する者に支給するフリー手当(定例給与の10%相当額)や赴任手当の受給者割合の差異などが、男女間の賃金差に影響を与えています。〔参考指標1に記載〕

・全労働者における男女間の賃金差異については、女性の非正規労働者が全労働者に占める割合が約3割となっており、雇用形態の違いによる賃金水準の差も相まって、こうした人員構成が賃金差異の一因となっています。〔参考指標2に記載〕

・キャリア形成支援をはじめとする女性活躍推進施策の効果により、女性の平均勤続年数が伸長し、女性管理職比率も上昇しています。これらの進展に伴い、男女間の賃金差異は縮小傾向にあります。

・年代別の女性比率の差異や非正規労働者における女性比率の高さについては、家事・育児・介護等との両立に関する社会的背景などが影響していると考えています。当行グループは、性別にかかわらず能力を発揮できる環境づくりを進めるため、働き方やキャリア形成を支える制度の充実と運用改善に取り組んでいます。

 

《男女間の賃金差異(連結)》

男女間の賃金差異は、近年着実に縮小しています。

対象

2023年度

2024年度

2025年度

2023年度比

全労働者

50.4%

52.4%

54.1%

+3.7p

うち正社員

63.1%

65.1%

66.1%

+3.0p

うち非正規雇用者

86.0%

85.1%

83.2%

△2.8p

 

 

〔参考指標1〕

《男女別の平均年齢・勤続年数(連結)》 ※正社員のみ

女性の平均勤続年数は、新卒採用強化により全体の勤続年数が低下傾向の中でも伸長しており、男女間の賃金差異の縮小に寄与しています。

項目

2023年度

2024年度

2025年度

男性

女性

男性

女性

男性

女性

平均年齢

44.2歳

39.0歳

43.6歳

39.3歳

43.4歳

39.6歳

平均勤続年数

20.1年

15.5年

19.5年

15.6年

19.0年

15.7年

 

 

《年代別女性比率(連結)》 ※正社員のみ

平均賃金が相対的に低い10~30代の層において女性比率が高いことが、人員構成上の要因として男女間の賃金差異に影響しています。一方、中堅層や50代以上における女性比率が上昇しており、こうした人員構成の変化が、近年の男女間の賃金差異の縮小に寄与しています。さらに、こうした変化は将来的な管理職の増加につながり、賃金差異の一層の縮小要因となることが想定されます。

項目

2023年度

2024年度

2025年度

2023年度比

全体

48.7%

49.1%

49.4%

+0.7p

10~20代

63.8%

61.5%

57.4%

△6.4p

30代

54.4%

54.5%

58.6%

+4.2p

40代

47.7%

47.6%

45.7%

△2.0p

50代以上

35.1%

37.9%

39.9%

+4.8p

 

 

《女性の管理職比率(連結)》

女性管理職比率の上昇が、男女間の賃金差異の縮小に寄与しています。

項目

2023年度

2024年度

2025年度

2023年度比

管理職比率(課長相当職以上)

21.9%

24.1%

25.5%

+3.6p

管理職比率(係長相当職以上)

30.0%

34.8%

36.0%

+6.0p

 

 

 

《男女別のフリー手当及び赴任手当受給者割合(単体)》

フリー手当及び赴任手当受給者割合における男女差が男女間の賃金差異に影響を与えています。

転居を伴う異動を許容する人材にはフリー手当(定例給与の10%相当)を支給しています。この受給者割合は、男性が70~80%台で推移する一方、女性は約10%にとどまっており、受給者構成に大きな差があります。また、基本居住地を離れて、社宅等に入居し勤務する従業員には月額40,000円~150,000円の赴任手当を支給していますが、こちらも男性の受給者割合が約35%に対し、女性は7%以下と男女差が生じています。これら手当の受給状況の違いは、広域な店舗ネットワークを有する当行の業務特性によるものであり、正社員における男女間の賃金差異の約4分の1を構成する要因となっています。

 

  <フリー手当受給者割合>                 <赴任手当受給者割合>

 


 

〔参考指標2〕

《雇用形態別人員割合(連結)》 ※年間の平均人員にて算出

全従業員に占める非正規雇用者(女性)の割合が高く、非正規雇用の賃金水準が相対的に低いことが、全労働者における男女間の賃金差異の一因となっています。

 


 

c.男性労働者の育児休業等取得率の向上

当行グループは、育児や家事に関する役割分担の固定的な意識を是正し、女性活躍を一層推進するため、男性労働者の育児休業取得を促進しています。

育児休業を子が3歳の誕生日の前日まで取得可能とする制度を設けるなど、制度面の充実を図っています。

また、男性労働者が育児休業を取得しやすい職場環境の整備や意識啓発に取り組むことで、制度利用の促進及び取得日数の長期化を目指し、男女がともに育児に参画できる環境づくりを進めています。

 

 

《男性の育児休業等取得率(連結)》


※1…当該年度に育児休業等を取得した従業員を対象に算出

 

<多様な人材の活躍>

・性別・年齢・国籍を問わず、多様な人材の採用を進めており、1級建築士や弁護士、中小企業診断士、情報処理安全確保支援士など金融に限らず幅広い人材を採用しています。新卒採用環境の厳しさも踏まえ、リファラル採用制度やキャリアリターン制度など採用チャネルを拡充し、経験者採用を積極的に推進しています。

  また、2022年4月には市場価値や成果に応じて個別に報酬を決定する高度プロフェッショナル運用を導入し、専門性の高い人材の確保にも努めています。

・当行は、障がいのある方の専門的な就労支援を目的として、松江市(2007年開設)と鳥取市(2017年開設)の2か所で事業所を運営しており、計37名(2025年度末現在)が在籍しています。絵画制作を通じて創出される経済価値を地域の障がい者就労支援事業へ間接的に還流させる取組や、ITスキルを活用した事務サポート・業務効率化など多様な業務で活躍しています。今後も、地域における自立支援の取組を継続し、障がい者雇用の拡大を図っていきます。

・同性パートナーを持つ従業員に対し、法律上の配偶者と同等の福利厚生や規程を適用する「パートナーシップ制度」を導入するなど、従業員の多様な価値観を尊重し、誰もが働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。

 

項目

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度(目標)

経験者採用比率

27.1%

29.5%

31.6%

25.0%以上

経験者採用者数

19名

28名

36名

障がい者雇用比率

3.0%

3.0%

2.9%

 

 

 

<シニア人材の活躍の場の拡大>

・2025年7月に、役職定年を55歳から60歳へ、定年を60歳から65歳へそれぞれ延長しました。併せて、中高年層が専門分野で活躍できる機会を拡充することで、「モチベーションを維持しながら継続的に活躍できる仕組みの整備」と「年齢によらず豊富な知識・能力を発揮できる組織づくり」を進めています。

<ワーク・ライフ・バランスの充実>

・働く場所や時間を柔軟に選択できる環境を整備し、従業員一人ひとりのワーク・ライフ・バランス向上に取り組んでいます。

・2024年度には、成長意欲のある従業員が在籍しながら学び直しやスキル向上に取り組める環境や、配偶者の海外赴任などライフイベントにも柔軟に対応できる環境を整えるため「キャリア休職制度」を導入しました。多様な働き方の実現によるエンゲージメント向上や優秀な人材の定着、キャリア自律の促進を目的として個々のキャリアに応じた働き方の選択肢を拡充しています。

・休暇制度を従業員のニーズに応じて継続的に拡充し、有給休暇を取得しやすい環境づくりを進めています。

・従業員が安心して働き続けられるよう、育児休業・介護休業制度の充実を図り、家庭と仕事の両立を支援しています。

・2024年には、不妊治療と仕事の両立支援に積極的に取り組む企業として、厚生労働省より「プラチナくるみんプラス」の認定を受けました。

 

項目

2023年度

2024年度

2025年度

有給休暇平均取得日数

17.2日

16.5日

16.2日

有給休暇平均取得率

90.4%

86.6%

85.7%

月間平均時間外労働時間(※1)

6時間38分

6時間18分

6時間46分

 

       ※1…法定労働時間(1日8時間)を超えて労働した時間を基に算出しています。

 

 

⑥指標と目標

人材育成方針、社内環境整備方針に沿ったそれぞれの指標・目標は以下のとおりです。

<人材育成方針>

当行では、社内外で通用する専門性を有す人材の育成のため独自の認定制度を導入しています。また、認定者数を主要KPIとして設定し、認定レベルに応じた研修を拡大するなど体系的かつ計画的に専門性向上に取り組み、業務ごとの戦略と連動した人材育成を行っております。

 

《能力開発体系における認定者数(※1,2)》




※1…認定者数は、業務従事者が保有する最上位の資格のみを集計したものです。

※2…各認定分野及びレベルの詳細については、第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(5)人的資本 ⑤戦略 イ人材育成方針 B 取組方針 (B) 体系化した育成カリキュラムに基づく育成に記載

※3…デジタル人材は「DX企画人材」「データ利活用人材」「デジタル実務人材」の合計

 

 

<社内環境整備方針>

項目

指標

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度
目標

高いエンゲージメントの実現

 

心身の健康の実現

 

ダイバーシティ&
インクルージョンの実現

エンゲージメント・レーティング(※1)

AA

AA

AA以上

離職率(30歳未満)

6.3%

5.0%

4.2%

5.0%以下

経験者採用比率

27.1%

29.5%

31.6%

25.0%以上

女性管理職比率
(課長相当職以上)(※2)

21.9%

24.1%

25.5%

25.0%以上

女性管理職比率
(係長相当職以上)(※3)

30.0%

34.8%

36.0%

30.0%以上

 

※1…株式会社リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントサーベイの結果を示しております(全11段階に分かれており、現行「AA」は、「AAA」に次ぐ上位から2段階目のレーティングであり、金融業界平均「BB」、従業員1,000名以上企業の平均「B」よりも高い水準)。

※2…女性活躍推進法の規定に基づき算出。労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者(部店長等の所属長、副部店長、グループ長、次長など)

※3…女性活躍推進法の規定に基づき算出。「係長」及び同等の権限を有する者(部店長代理、本部副企画役などの役職者)

 

 

 

(6) サイバーセキュリティへの対応

当行グループは、サイバー攻撃の高度化・巧妙化を踏まえ、サイバー攻撃の未然防止と発生時の迅速な復旧対応を経営の重要課題の一つとして位置づけ、サイバーセキュリティ対策に取り組んでいます。

 

① ガバナンス

当行グループが直面する様々なサイバー攻撃の脅威に対し、関連部署で組織された「ごうぎんCSIRT(Computer Security Incident Response Team)」を設置し、経営主導のもと、サイバーセキュリティ管理態勢の整備に取り組んでいます。

サイバーセキュリティ管理態勢については、「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」(2024年10月公表)、国内外のサイバーインシデント発生事案等を参考に、改善・強化に継続的に取り組んでいます。

《体制図》


 

② 戦略

お客様に安心・安全な金融サービスを提供するため、サイバーセキュリティ対策の強化に取り組んでいます。具体的には、ごうぎんCSIRTにおいて下記の活動を行っています。

・サイバーセキュリティ関連規程・マニュアルの整備

・サイバーセキュリティに対する技術的対策の企画・立案・実施

・インターネットシステム/クラウドサービスのサイバーリスク評価及び改善要請

・最新の攻撃手口や脆弱性情報の収集と予防措置

・サイバー攻撃対策の稼働状況及び監視状況の確認・チェック

・サイバー攻撃対応に関する教育の企画・立案・実施

 

③ リスク管理

A.サイバーインシデント発生時の対応

「サイバー攻撃対応マニュアル」を定め、ごうぎんCSIRTが部門間でシームレスに連携し対応に当たる体制を構築しています。また、影響調査、被害特定、被害拡大防止、お客様対応及び対外広報等が迅速に行えるよう、定期的に訓練等を実施し、実効性の向上を図っています。

B.AIの利用をめぐるサイバーリスクへの対応

生成AIの進化・普及に加え、最先端の汎用型AI(フロンティアAI)の発展に伴い、脆弱性の発見や高度な攻撃コードの生成が容易になるなど、AIをめぐるサイバーリスクは一層高まっています。

こうした環境変化を重要な経営課題と認識し、インシデント対応力の向上に取り組むとともに、脅威分析や監視の高度化を通じて、サイバーセキュリティ対策全体の強靭化を進めています。

C.システムリスク(サイバーリスク)の評価

システムを導入する際に、システムリスク評価を実施し、セキュリティ対策の実施状況を確認するとともに、対策を講ずるべき重要なリスクが残存していないか洗い出し、必要に応じて追加対策を要請しています。また、システム稼働後も、定期的にシステムリスク評価を実施し、セキュリティ対策の実施状況をモニタリングしています。

 

 

《システムリスク評価の流れ》

セキュリティ対策要求水準の策定

あらかじめ、システム重要度に応じたセキュリティ対策の要求水準を策定

システム重要度の決定

導入するシステムの取扱情報、障害発生時の影響度等からシステム重要度を決定

サイバーセキュリティ対策内容の確認

「システムリスク評価シート」「インターネットシステム調査票」等により、ITベンダーに対し、セキュリティ対策実施状況を確認

セキュリティ対策の妥当性確認

セキュリティ対策の妥当性を確認し、要求水準と乖離があれば、必要に応じて対応(改善)を要請

セキュリティ診断(脆弱性診断)の実施

システムに脆弱性が残存していないか確認するため、稼働前に必要に応じて、外部専門業者によるセキュリティ診断を実施

定期モニタリングの実施

システムの重要度に応じた所定の頻度により、セキュリティ対策が有効に維持されているかモニタリング

 

 

④  指標と目標

サイバーセキュリティの強化に向け、下記の指標と目標を設定しております。

指標(実施回数)

目標

2025年度実績

セキュリティ診断

年1回以上

2回

サイバー攻撃対応演習

年2回以上

2回

標的型攻撃メール訓練

年2回以上

2回

セキュリティ教育

年2回以上

2回