2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    703名(単体) 1,398名(連結)
  • 平均年齢
    41.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    7.2年(単体)
  • 平均年収
    6,947,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

 

(1)連結会社における従業員数

 2025年3月31日現在

セグメントの名称

国内事業(銀行業その他)

クレジットカード・

電子マネー事業

海外事業

従業員数(人)

947

〔471〕

212

〔147〕

239

〔13〕

 

(注)1.従業員数は、役員、執行役員、連結会社外への出向者、パート社員、派遣スタッフを除き、連結会社外からの出向者を含めた就業人員であります。

 2.従業員数の〔外書〕は、1日8時間、月間163時間換算による臨時従業員の月平均人員を概数で記載しております。

 

(2)当社の従業員数

 2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

703

〔64〕

41.2

7.2

6,947

 

(注)1.従業員数は、役員、執行役員、当社から社外への出向者、パート社員、派遣スタッフを除き、社外から当社への出向者を含めた就業人員であります。

 2.当社の従業員はすべて国内事業(銀行業その他)のセグメントに属しております。

 3.従業員数の〔外書〕は、1日8時間、月間163時間換算による臨時従業員の月平均人員を概数で記載しております。

 4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 5.平均年間給与は、社外から当社への出向者を含んでおりません。

 6.当社では労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

 

(3)女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差

 

①当社

当事業年度

女性管理職比率(%)

男性の育児休業取得率(%)

男女間賃金格差(%)

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

18.7

61.5

74.0

79.2

53.6

 

(注)1.女性管理職比率と男女間賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 2.男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 3.女性管理職比率は、当社から社外への出向者を除き、管理職である参事・副参事・主任調査役で算出しております。

 4.男性の育児休業取得率は、社外から当社への出向者を除いております。

 5.男女間賃金格差の対象社員に関して、役員、執行役員、社外から当社への出向者を除いております。非正規雇用労働者は、契約社員(有期雇用労働者)・アソシエイト社員(無期契約転換者)・嘱託社員(60歳以上の有期雇用労働者)・マスターズ社員(65歳以上のパートタイム労働者)としております。

 6.男女間賃金格差の賃金に関しては、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

男女間賃金格差の補足説明

・役割に基づいた同一社員等級における男女間賃金格差はないものの、女性で育児等に伴う短時間勤務社員が多いこと等で、格差が生じております。

・非正規雇用労働者の格差に関しては、上記の通り異なる区分を一括りに算出していますが、区分毎に役割が異なり、それに応じた処遇・賃金となっていますので、正規雇用労働者と比較し格差が大きくなっております。

 

②連結子会社:株式会社セブン・カードサービス

当事業年度

女性管理職比率(%)

男性の育児休業取得率(%)

男女間賃金格差(%)

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

15.4

100.0

53.6

79.5

52.9

 

(注)1.女性管理職比率と男女間賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 2.男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 3.女性管理職比率は、自社から社外への出向者を除き、管理職である部長、副部長、担当部長、課長、課長代理、オフィサー、シニアオフィサーで算出しております。

 4.男性の育児休業取得率は、社外から自社への出向者を除いております。

 5.男女間賃金格差の対象社員に関して、役員、執行役員、社外から自社への出向者を除いております。非正規雇用労働者は、アソシエイト社員(有期・無期雇用労働者)・パートナー社員(有期雇用労働者)・嘱託社員(60歳以上の有期雇用労働者)としております。

 6.男女間賃金格差の賃金に関しては、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

男女間賃金格差の補足説明

・役割に基づいた同一社員等級における男女間賃金格差はないものの、女性で育児等に伴う短時間勤務社員が多いこと等で、格差が生じております。

・非正規雇用労働者の格差に関しては、上記の通り異なる区分を一括りに算出していますが、区分毎に役割が異なり、それに応じた処遇・賃金となっていますので、正規雇用労働者と比較し格差が大きくなっております。

・株式会社セブン・カードサービスにおいては全労働者数に占める非正規雇用労働者数の割合が当社と比較して高いため、全労働者の格差も当社と比較し高くなっております。

 

 

③連結子会社:株式会社バンク・ビジネスファクトリー

当事業年度

女性管理職比率(%)

男性の育児休業取得率(%)

男女間賃金格差(%)

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

30.0

33.3

37.2

59.3

49.4

 

(注)1.女性管理職比率と男女間賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 2.男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 3.女性管理職比率は、自社から社外への出向者を除いております。対象者は、部長・部付部長・室長・副部長・統括マネージャー・次長・主任調査役・主任内部監査役で算出しております。

 4.男性の育児休業取得率は、社外から自社への出向者を除いております。

 5.男女間賃金格差の対象社員に関して、役員、執行役員、社外から自社への出向者を除いております。非正規雇用労働者は、嘱託社員(有期雇用フルタイム社員)・パートナー社員(有期雇用パート社員)・マスターズ社員(有期雇用パート社員)としております。

 6.男女間賃金格差の賃金に関しては、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

男女間賃金格差の補足説明

・正規雇用労働者に関しては、女性社員の多くは、パート社員/派遣社員からの正社員登用によるため、割合として非管理職層が多くなっており、支給額差異に影響を及ぼしております。

・非正規雇用労働者に関しては、女性社員の半数程度が扶養の範囲で就業しているパート社員であること、男性社員の中に元管理職の社員が複数名いることが支給額差異に影響を及ぼしております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

当社グループでは、「事業活動を通じて環境・社会課題の解決に積極的に取組み、環境・社会と企業双方に価値を創り出すこと」及び「お客さまや社会から支持され環境や社会と共存する企業として主体的に果たすべき社会的責務」をサステナビリティと定義し、長期的な経営戦略の根幹に位置づけ、多様化する社会課題の解決と新しい価値創造を目指し、さまざまな取組みを実践しております。

 

2024年度は外部環境の変化と当社グループの事業ポートフォリオ変革に対応するため、2019年に策定した「5つの重点課題」の見直しを行いました。ステークホルダーへのアンケートや社内ディスカッション、更に有識者とのダイアローグを通して、改めて当社が優先的に取組む課題を再検証し、パーパスを実現するための価値創造の観点から、新たな5つの重点課題を策定いたしました。

 

 

当社グループの5つの重点課題

 

重点課題

目指す姿

長期的な取組目標

根源的価値:

いつでも安心・安全に使える社会インフラを提供する

平時・有事にかかわらず、万全なセキュリティ体制と、緊急時でも稼働休止を最小限に留める態勢を構築し、日常の暮らしの中で、いつでもご利用いただける多様なサービスを提供し、社会に安心・安全を与える社会インフラとなる

・止まらない社会インフラの実現

・堅牢なセキュリティ対策の徹底

・安心・安全な金融サービスの構築

社会的価値:

誰でもどこでもアクセスできる多様なサービスを実現する

「社会で最もやさしいデジタルチャネル」を目指し、世界5か国で約5万台のATMネットワークを通じて、いつでもどこでも誰もがアクセスできる社会インフラを確立し、必要とされる多様なサービスを提供する

・安全性・利便性を両立するUI/UXの実現

・グローバルなATMネットワークの拡大

・多様なニーズに対応するATMサービスの拡充

新たな価値創造:

お客さまの期待を超えたユニークな価値を創る

「近くて便利」「安心・安全」をベースに、従来の金融サービスの概念にとらわれない「小売×金融」の新たなサービスの発展を通じて、日々の暮らしの中で、お客さまとつながる新たな価値を創造する

・日常使いの金融サービスの提供

・金融の枠を超えたユニークなサービスの提供

・AI/データ活用による価値創造

・外部パートナーとの新たな価値協創

価値創造の源泉:

誰もが活躍できる社会づくりを進める

セブン銀行グループ全体として、人権と多様性を尊重し、誰もが生き甲斐・働き甲斐を実感できる企業を目指し取組む。さらに事業パートナーや提携先企業にも広げることで、多様性が活きる社会の実現につなげる

・社員の自律的成長と自発的なキャリア形成の促進

・社員のウェルビーイングとエンゲージメントの向上

・多様性を受け入れ、強みにかえる企業風土の構築

・多様な人権を尊重できる社会づくりへの貢献

将来への価値創造:

豊かな社会と地球の未来に貢献する

将来世代に向けて地球と社会の未来を引き継ぐために、企業市民として、金融機関として、セブン&アイグループの一員として、企業も社会も地球も持続可能であるためのさまざまな課題解決に取組む

・次世代向け金融教育の推進

・環境問題への取組みの拡充・拡大

・多様なステークホルダーへの社会的責任の遂行

 

 

1.気候変動への取組み

当社グループでは、5つの重点課題の一つとして、「豊かな社会と地球の未来に貢献する」ことを掲げており、気候変動への対応も重要な経営課題の一つと位置づけております。2021年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しており、2023年には気候変動が自社の事業活動や収益等に与える影響を把握するため、当社の主力事業であるATMプラットフォーム事業を対象としたシナリオ分析を実施、気候変動によるリスク及び機会を特定し、財務インパクトを試算しました。今後も気候関連のリスク及び機会に対して、具体的な対策を講じるとともに、当社グループ全体で脱炭素社会の実現に向けたさまざまな取組みを行ってまいります。

なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは、経営会議の諮問機関である「サステナビリティ委員会」において、気候変動に関する重要事項の協議や、グループ各社の社会課題や環境問題の解決に向けた取組み状況の把握と併せて、グループ全体でのサステナビリティ情報開示や外部評価の対応を行っております。

 

また、気候関連リスクについては、同じく経営会議の諮問機関である「リスク管理委員会」と連携し、取締役会により毎年度決定される「リスク管理基本方針」に沿って、気候変動に起因する影響を含めた統合的リスク管理の状況、評価、対応を行っており、四半期ごとに全社的なリスク状況を確認しております。「サステナビリティ委員会」および「リスク管理委員会」は、気候変動を含むサステナビリティに関する事項に関して、それぞれ必要に応じて経営会議および取締役会へ付議・報告する体制を構築しており、経営の意思決定・監督機関として、サステナビリティに関する基本方針および業務運営における重要事項の決定並びに業務執行について監督しております。

 

 

(2)戦略

「サステナビリティ委員会」では、主力事業であるATMプラットフォーム事業を対象として、2022年3月期末時点の情報をもとに、2030年時点を想定したシナリオ分析を実施しました。その中で特に事業インパクトの大きいと想定される異常気象による物理的リスクに関しては、財務的インパクトを試算しております。

 

■想定するシナリオの条件

気候変動のシナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書をベースとして2℃以下と4℃シナリオを想定し、それぞれの世界で当社ATM事業に与える様々な要因を抽出し、財務的な影響を評価した上で、リスクと機会を特定しました。

 

項目

2℃以下シナリオ

4℃シナリオ

参照シナリオ

(2℃シナリオ)

IEA Sustainable Development Scenario、IPCC RCP2.6

(1.5℃シナリオ)

IEA Net Zero Emissions by 2050

(4℃シナリオ)

IEA Stated Policies Scenario、IPCC RCP8.5

対象年

2030年時点

対象事業

セブン銀行ATM事業   26,253箇所

想定される世界観

2100年時において、産業革命時期比で1.5℃未満の平均気温上昇が想定されるシナリオ。カーボンニュートラル実現を目指し、気候変動問題を抑制するために現状以上の厳しい政策・法規制等が敷かれる。

2100年時において、産業革命時期比で3.2℃~5.4℃(約4℃)の平均気温上昇が想定されるシナリオ。気候変動問題を軽減するための積極的な政策・法規制等は敷かれず、異常気象の激甚化が顕著に表れる。

 

 

■気候変動によるリスク及び機会の特定

リスク・

機会の種類

評価項目

顕在時期

事業インパクト

財務的影響

4℃

1.5℃

移行リスク

政策・法規制

資源循環に関する規制

中期~

長期

・ATM機体に使用している化石燃料由来プラスチックの流通・使用が規制され、バイオプラスチック等の代替材料への転換が必要となる

・リサイクル可能な材料・構造への転換が必要となり、対応コストが増加する

市場の変化

原材料コストの変化

中期~

長期

・原油価格の高騰により、ATM機体に使用している化石燃料由来プラスチックの価格が増加した場合、製造コストが増加する

エネルギーコストの変化

中期~

長期

・再生可能エネルギー需要の増加により、電力価格が上昇し、オフィスやデータセンターでの操業コストが増加する

・ガソリン代の高騰により、警送費等の費用が増加する

物理リスク

急性

異常気象の頻発・激甚化

短期~

長期

・浸水によるATM不良、自然災害による現金輸送網の分断、ATM設置場所の営業停止による利用件数の減少など、主力事業であるATM事業の収益力が低下する

・人々の外出機会の減少に伴う、ATM利用件数の減少により、収益が減少する

慢性

平均気温の上昇

短期~

長期

・オフィスや東西のデータセンターでの空調コストが増加する

機会

製品・サービス

環境配慮意識の高まり

中期~

長期

・省エネ性能に優れたATMの切り替え、リサイクル可能なATMへの関心の高まりにより、当社ATMへの代替需要が増加する

・ATMネットワーク全体での気候変動への取組みが進み、持続可能な社会インフラとしてのATMへの需要が高まる。

市場

平時・有事の現金ニーズ

短期~

長期

・気温上昇により、コンビニエンスストアへの来店客数が増加し、ATM利用機会が増加する

・災害発生時の適応策として、移動ATM車両派遣サービスの需要が増加する

・災害発生時の現金ニーズが高まり利用件数が増加する

 

*短期:1年、中期:1年~5年、長期:5年~30年

 

 

■財務インパクトの試算

シナリオ分析の結果、事業インパクトが大きいと評価された異常気象による当社設置ATMへの被害と影響については、ハザードマップから全国のATM設置場所で洪水・高潮の発生頻度や発生確率を割り出し、被害を受けた場合のATM実機の損害についてATM復旧費用及び稼働停止による損失を算出し、財務インパクトを試算しました。

 

前提条件

試算項目

試算結果
(単位:百万円/年)

2030年時点の4℃シナリオ及び2℃以下シナリオの両シナリオにおいて、異常気象の激甚化に伴い、洪水・高潮による物理的被害が増加。当社ATMは全国に多く展開しており、洪水・高潮の発生増加により、財務的な影響を及ぼすことを想定。

 

治水経済調査マニュアル(国交省)などを参考に以下の項目を試算した。

・浸水によるATM資産額への被害

・復旧費用

・稼働停止による損失額

 

※想定される浸水深などの被害情報は、ハザードマップにてATM設置箇所ごとに特定。

805~1,408

※洪水・高潮発生時の想定被害額に年超過確率を乗じて、年平均の被害額(単年)を算出

 

 

■当社の主な取組みについて

気候変動関連のリスク及び機会に対応し、当社グループでは脱炭素社会の実現に向けた様々な取組みを行っております。

リスク・

機会の種類

評価項目

主な取組

移行リスク

政策・法規制

資源循環に関する規制

既存ATMの対応策

次世代ATMの対応策

・ATMは設計段階から、リサイクル素材の導入やメンテナンスしやすい構造などを積極的に採用しています。不具合が起きた場合は、パーツごとの取替えやメンテナンスを行い、長く使えるような工夫も取り入れています。

・セブン‐イレブン店舗の改装・閉店や、第4世代ATMへの入替えに伴い撤去・回収したATMは、再利用可能な機体であればメンテナンスを行ってリユースするほか、パーツ単位でも再利用を行います。

・再利用ができない古くなったATMは、リサイクル業者を通じて再資源化し、リサイクル率約100%を達成しています。

・次世代のATM検討に向けては、産学連携した新素材の発掘やリサイクル素材の研究・開発を視野に入れて取組みを進めています。

市場の変化

原材料コストの変化

エネルギーコストの変化

・ATM内の現金を適正なレベルに維持するために、現在ではAIを活用して、ATMの利用状況を1台ごとに分析し、資金需要のタイミングを予測しています。その情報をベースに警送会社と協働で最適な現金輸送のルート及び回数を確定し、輸送時のエネルギー使用量及び排出されるCO2にも配慮した効率運用を実現しています。

・2022年には再生可能エネルギーだけで使用電力を調達しているデータセンター及び持続可能に配慮したクラウドを併用し、2025年にはデータセンターのCO2排出量の完全ゼロ化を目指し、将来的なエネルギーコストの変化にも対応しています。

物理リスク

急性

異常気象の頻発・激甚化

・従来システム拠点を東西に分散させることで業務継続可能な態勢を構築しておりましたが、2021年に大部分の基幹システムをクラウドに移行、事業パートナーと連携しながら、システムの二重化や東西交互運用を継続するとともに、災害時においても、障害部位の迅速な切り離し対応やリモート保守環境の強化など障害時の早期復旧対策も強化しています。

・ATM本体にUPS(無停電電源装置)を搭載して災害による停電に備える等の対策を講じています。

・セブン‐イレブンとは、自然災害による被害を最小限にするため、災害発生エリアの店舗統括部署と事前に連携するとともに店舗の情報共有の仕組み「7VIEW」を活用してリアルタイムに状況を把握し、早期対応を図る仕組みを構築しています。

慢性

平均気温の上昇

・オフィスの服装をカジュアル化し、冷暖房機器の電力削減を推進しています。

機会

製品・サービス

環境配慮意識の高まり

・2019年にリリースした第4世代ATMは、お客さまや社会のニーズにより幅広く応えるため、機能や性能アップにとどまらず、社会・環境への貢献を高めることを開発当初から目指しました。ATMの回路設計の見直しや各部品に徹底して低消費電力のものを採用するなど、事業パートナーと協働して取組み、消費電力の40%削減に成功しました。第4世代ATMは2024年度に日本全国で切り替えが完了し、ATM全体のCO2排出量の削減につながっています。

市場

平時・有事の現金ニーズ

・自然災害による銀行店舗及びATMの被害を最小限にするため、金融機関からのATM代替が増加することも想定し、社会インフラとしてのATMサービスの拡充に努めています。

・大規模災害でATMが広範囲に渡って稼働できない場合には、移動ATM車両を派遣し決済インフラの提供を通じた地域支援に取組みます。

 

 

 

(3)リスク管理

当社グループでは、気候関連リスクについて「リスク管理基本方針」内の統合的リスク管理方針として、リスク評価結果・モニタリングを通じて外部・内部環境の変化に即応した機動性の高いリスク管理を実践することを定めており、全社的なリスク管理体制の中で気候関連リスクを把握・管理するプロセスに組み込まれております。

リスク管理体制の整備状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

一方、機会については、「サステナビリティ委員会」にて、重点課題の一つである「豊かな社会と地球の未来に貢献する」について各事業部やグループ各社での取組状況を定期的にヒアリングしており、グループ全体での環境への取組みを強化しております。また、2024年2月よりATM関連の主要事業パートナー3社と共同で「ATMパートナーサステナビリティ会議」を立ち上げました。これまで以上に環境負荷低減や社会課題解決に貢献できるATMネットワークの構築を目指し、サプライチェーン一体でサステナビリティ戦略を推進してまいります。

 

(4)指標及び目標

当社グループは環境負荷を定量的に把握するため、年度ごとにCO2排出量を算出しております。

従来はセブン銀行単体のみのCO2排出量を算定しておりましたが、今年度よりScope2においては算定対象範囲を拡大し、セブン銀行グループ連結での直近3年度(2022年度~2024年度)のCO2排出量を算定いたしました。

またScope1について、社用車の利用に係る移動燃焼をセブン銀行単体で算定いたしました。海外子会社4社でも社用車の利用がありますが、算定に必要な数値実績の把握が現状困難であることと、対象車両の台数が限定的であり、影響が軽微であると考えられることから、グループ連結での算定を行っておりません。今後、グループ連結でのScope3のCO2排出量算定に併せて、当社グループにおけるCO2排出量の目標設定について検討していく予定です。

 

Scope2の算定対象範囲は以下の通りです。

[国内]

・株式会社セブン銀行

オフィス5拠点:東京都千代田区2ヵ所、東京都墨田区、神奈川県横浜市、大阪府豊中市

ATM直営店3拠点:東京都新宿区(※1)、東京都港区、大阪府大阪市

・株式会社セブン・ペイメントサービス

   オフィス1拠点:東京都千代田区(※2)

・株式会社ACSiON

 オフィス1拠点:東京都千代田区(※2)

・株式会社バンク・ビジネスファクトリー

オフィス3拠点:神奈川県横浜市、長崎県長崎市2か所

・株式会社ビバビーダメディカルライフ(※3)

オフィス1拠点:神奈川県大和市

・株式会社セブン・カードサービス(※4)

オフィス3拠点:東京都千代田区2ヵ所(※5)、埼玉県さいたま市

 

[海外]

・FCTI, Inc.(ダラス、アメリカ合衆国)(※6)

・PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL(ジャカルタ、インドネシア共和国)

・Pito AxM Platform, Inc.(マニラ、フィリピン共和国)

・ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL MALAYSIA SDN. BHD.(クアラルンプール、マレーシア)(※7)

 

※1.2024年1月に閉店

※2.株式会社セブン銀行と同一の東京都千代田区のオフィスを利用

※3.2022年11月より子会社化

※4.2023年7月より子会社化

 

※5.2025年1月より株式会社セブン銀行と同一の東京都千代田区のオフィスを利用。それ以前は東京都千代田区の別オフィスを利用しており、いずれの拠点も当該期間の算定対象範囲に含める。

※6.2024年4月より移転。2024年3月以前はロサンゼルスのオフィスを利用

※7.2024年5月設立

 

算定方法として、GHGプロトコルを採用し、原則国内についてはマーケット基準(契約した電力メニューに基づく算定)、海外についてはロケーション基準(特定の地域の平均排出原単位に基づく算定)で算定しております。また一部電気使用量の実数把握が困難な拠点については、ロケーション基準手法の床面積推定値を用いて算定しています。算定にはいずれもパーセフォニ社の炭素会計プラットフォームを活用しております。

(単位:t-CO2)

 

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

燃料の使用(移動燃焼)

※セブン銀行単体

10

11

9

Scope2

他社から供給された間接排出量/

電気/熱などの利用

※セブン銀行グループ連結

891

816

816

 

 

なお2021年度~2023年度のセブン銀行単体でのScope3での排出量は以下の通りとなります。

(単位:t-CO2)

 

2021年度

2022年度

2023年度

Scope3

カテゴリー1,5,6,7,12,13,その他

17,293

17,787

17,473

 

 

2.人財戦略

当社グループでは、5つの重点課題の一つとして、「誰もが活躍できる社会づくりを進める」ことを掲げており、グループ全体として、人権と多様性を尊重し、誰もが生きがい・働きがいを実感できる企業を目指し取組んでおります。そのため、性別・年齢・国籍等を問わず活躍できる機会を創出し、さまざまな社員の能力強化による生産性の向上や多様な人財の育成、また、誰もが活躍できる環境をつくることが、人々の豊かな生活と社会の継続的な発展につながると考えております。

 

(1)人的資本経営の方針

当社の人的資本経営とは、パーパスに掲げる「日常の未来」の実現に向け、企業価値向上の主体である“社員”の自律的成長を支援し活躍の場を提供することで、全社員がイノベーションマインドによる事業挑戦を通じて社会に貢献することです。人的資本経営の推進主体である社員について、当社が求める人財像として、新たな事業・ビジネスの拡大に向けた「自律型人財」を設定し、「事業・ビジネスの基盤となる“多様なスキルと専門性を持つ人財”」「事業・ビジネスを拡げ・創造する“事業を企画し挑戦する人財”」「多様な仲間との協働のため“コミュニケーションが取れる人財”」を定義しております。

 

(2)人事ポリシーと人財戦略

人事ポリシーは人財戦略を実現するための土台の考え方で、社員の自律的成長を促すことで、パーパスの実現に向けて社員も会社も共に成長することを目指しております。社員の自律的成長の観点では、社員が実現したい未来に向けて自ら進化を続けるため、変化を恐れず自由な発想で挑戦できるマインド醸成に関する取組みを推進しております。また、継続的な成長支援の観点では、社員が最大限に力を発揮し成長できる環境を提供するため、多様な人財が活躍できる機会の創出に努めております。

 

人財戦略については、事業環境変化に対応した第2の成長の加速に向けて、経営戦略の3つの柱である「成長戦略」「社会課題解決への貢献」「企業変革」と連動して策定しております。成長戦略の実現にあたり、当社の人財に必要なスキル・マインドについて現状とのギャップを明確化した「採用・育成」、誰もが活躍できる社会を実現するための「多様な人財の活躍」、自律型人財を育成するための組織変革・ビジネスモデル変革につながる「エンゲージメント向上」「イノベーションマインドの醸成」「生産性向上」に関する取組みを推進しております。

 

(3)人財育成方針、社内環境整備方針

① 採用

採用にあたっては、「差別的な扱いは行わず、雇用における機会均等に努める」ことを原則としています。また、豊富な知見と経験を有するキャリア人財の積極的な採用も進めております。

② 育成・登用

当社では、一人ひとりのポテンシャルを見極めるため、適切なローテーションを通じて適性を確認しながら中長期的な視点で育成を行います。自律型人財が活躍できるよう、各ステージに必要な知識やスキルを習得するための研修を実施しております。また、社員の成長を促すべく、公平な評価を行い、それに基づいた登用を行っております。

③ 社内環境整備方針

一人ひとりが個性を活かし、力を発揮し成長することが会社の成長につながると考え、2024年度に人事制度の全面的な見直しを行った他、「エキスパートキャリア制度」「社員登用制度」「マスターズ社員制度」といった多様なキャリアを実現する制度や「在宅勤務制度」「育児・介護休業制度」等の働きやすさを促進する制度を導入し、活用促進に努めております。

 

(4)指標と目標

当社グループでは上記に記載した、人財育成方針及び社内環境整備方針に関する指標について、以下の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は下記の通りです。

なお、当社では、当該指標に関する関連データの管理と共に具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、以下の指標に関する目標及び実績は、特に明記した場合を除き提出会社のものを記載しております。

① 女性管理職:2025年度末に30%を目指してまいります(2024年度末時点 18.7%)

② 中途採用管理職:2024年度末時点において90%超となっております。

③ 外国人管理職:成長戦略の一つとして、海外事業を展開しております。海外子会社の役員・管理職は海外雇用社員を登用するなどグローバルな展開を推進しております。海外子会社役員・管理職の海外雇用社員登用比率は2024年度末時点において50%を超えており、現状維持に今後も努めてまいります。