2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,377名(単体) 2,772名(連結)
  • 平均年齢
    43.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.3年(単体)
  • 平均年収
    6,939,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社における従業員数

 

 

 

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

リース業

その他

合計

従業員数(人)

2,377

81

314

2,772

[1,068]

[1]

[130]

[1,199]

(注)1.従業員数は、就業人員であり嘱託及び臨時従業員1,899人を含んでおりません。なお、従業員数及び嘱託には、執行役員を含んでおります。

2.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

(2)当行の従業員数

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,377

43.2

19.3

6,939

[1,068]

(注)1.従業員数は、就業人員であり嘱託及び臨時従業員1,604人を含んでおりません。なお、従業員数及び嘱託には、執行役員を含んでおります。

2.当行の従業員は、すべて銀行業のセグメントに属しております。

3.臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5.当行の従業員組合は、北洋銀行職員組合と称し、組合員数は1,682人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当行及び連結子会社

 

 

 

2025年3月31日現在

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1、3)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2、4)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1、5,6)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

当 行

24.8

100.0

51.8

63.1

51.0

連結子会社

北洋ビジネスサービス株式会社

15.2

69.4

61.1

64.5

北洋証券株式会社

5.4

100.0

──

──

──

株式会社札幌北洋リース

30.0

50.0

──

──

──

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。出向者は出向元の従業員として集計しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.管理職に占める女性労働者の割合の算出にあたっては、女性の「課長級」以上の人数を男女合計の「課長級」以上の人数で除して算出しております。「課長級」とは「課長」と呼ばれている者または、当行グループ各社において、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者をいいます。

 

4.男性労働者の育児休業取得率の算出にあたっては、次のとおりであります。

(1)2024年度に「育児休業等」及び「育児目的休暇」を取得した男性労働者の数を、2024年度に「配偶者が出産した男性労働者の数」で除して算出しております。

(2)北洋ビジネスサービス株式会社は育児休業等の取得対象者がいないため-%となっております。

5.労働者の男女の賃金の差異の算出にあたっては、次のとおりであります。

(1)男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合であり、「平均年間賃金」は「総賃金」を「人員数」で除して算出しております。

(2)「総賃金」は、2024年4月から2025年3月までの、給与・手当等の総支給額と賞与等の総支給額の合計であります。(退職手当及び通勤手当等を含んでおりません。)

(3)「人員数」は毎月初の労働者数を2024年4月から2025年3月まで合計し、12で除して算出しております。

(4)「正規雇用労働者」は期間の定めなくフルタイム勤務する労働者と定義しており、「行員」「嘱託」が該当しております。

(5)「パート・有期労働者」は「パートタイマー」「シニア職員」「契約社員」が該当しております。

(6)時間給や育児短時間勤務の場合、所定労働時間換算で人員数を調整(所定労働時間が正規労働者の半分の場合は0.5人で計算)しております。

(7)北洋証券株式会社、株式会社札幌北洋リースは開示対象外となっております。

6.当行の男女の賃金の差異については、次のとおりであります。

(1)全労働者について

① 賃金差が発生している主因の一つは男女の雇用形態の差によるものです。女性は男性よりも、嘱託やパートタイマーなどを選択している比率が高く、賃金差に影響しております。

② もう一つの主因は男女のコース選択の差によるものです。当行では、転居を伴う転勤のある「総合職」と、転居を伴う転勤のない「地域総合職」があり、「総合職」は「地域総合職」よりも給与を高く設定しております。女性は男性よりも、「地域総合職」を選択している比率が高く、この差も賃金差に影響しております。

③ なお、コース選択は働き方に応じて行員が選択しております。男女ともに「総合職」の比率が高い20代行員の賃金差は91.5%と、ほぼ同水準となっております。

また、「総合職」のうち、管理職の賃金差は以下のとおり、ほぼ同水準となっております。

支店長級   92.2%

副支店長級  97.3%

次長・課長級 95.8%

④ 以上を要因とした男女の賃金差異改善のために、女性のキャリア形成支援を目的とした研修や、育児休業中の職員の職場復帰支援など、女性の管理職への登用強化や働きやすさの改善に取組んでおります。また、2025年7月からは人事制度を改正し、転勤がある総合職と、勤務地を限定する地域総合職を統合予定にあります。これらの女性活躍支援や人事制度の見直しにより男女間の賃金差改善を図るとともに、全職員の働きがいの向上に取り組んでおります。

(2)正規雇用労働者について

 全労働者の項目で説明しているとおり、賃金差が発生している主因は、男女の雇用形態(※)の差と男女のコース選択の差によるものです。

(※)正規雇用労働者のうち、嘱託を除く行員だけで比較した場合、男女の賃金差は68.0%となっております。

(3)パート・有期労働者について

① 賃金差が発生している要因は、男女の雇用形態の差によるものです。

② 「パート・有期労働者」のうち、女性の多くがパートタイマーである一方、男性のパートタイマーはごく一部で、多くはシニア職員(定年後再雇用を行った者で、パートタイマーよりも平均賃金は高くなる傾向にあります。)となっており、この差が賃金差に影響しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

 当行グループは、サステナビリティ経営への取組強化を目的として、頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会では、サステナビリティ方針に基づき、サステナビリティにおける課題の洗い出しとそれに対する施策展開、年度毎のサステナビリティ取組方針の制定ならびに気候変動や生物多様性などの「環境保全」、人財育成などの「人的資本」に関する施策・方針、取組状況などについて協議・報告を行っています。

 決議事項等は取締役会へ報告し、取締役会による監督が適切に図られるよう体制を整備しています。

 

 

②戦略

 経営理念及びサステナビリティ方針のもと、2023年度の中期経営計画「『新たな成長へのチャレンジ』~お客さま、地域と共に持続可能な成長を~」において長期ビジョンを「環境・社会への貢献投資と経済成長投資を両立し、未来志向の豊かな地域社会の実現に貢献する」と定め、道内企業のサステナブル経営や個人のお客さまのサステナブルな生活設計をサポートするとともに、優先的に取り組むべきサステナビリティ経営の重要課題を3つ、人的資本の重要課題を3つ特定しております。

A.気候変動対応

(a)国内随一の再生可能エネルギー導入ポテンシャルを有する北海道では、洋上風力発電や水素・アンモニアなど多くのGX関連事業が動き出しております。うち、洋上風力発電は日本海沖を中心に「有望な区域」に指定されました。洋上風力の羽や躯体製造等の大型部品は欧米メーカーや国内大手企業になりますが、周辺のインフラ整備などに関しては、道内の企業が参入できる余地があり、当行は投融資による積極的な支援を予定しています。GXを起点として北海道全体の成長につなげるため、2023年6月に発足した産官学金のコンソーシアム「Team Sapporo-Hokkaido」等の官民連携により、再生可能エネルギーなどに関連したお客さまの新たなニーズの発掘、課題の解決に積極的に取組んでおります。また、お客さまの脱炭素社会への移行を支援するサステナブルファイナンスへの取組みを強化してまいります。

 

(b)当行グループのGHG排出量の削減に向けた取組みとして、省エネルギー設備への更新やカーボンフリー電力・ガスの導入を進めています。また、北海道の脱炭素を積極的に進めるため、Scope3計測によるセクター別の分析に基づき、対象先にGHG排出量削減に向けた脱炭素コンサル等のソリューションの提供や、気候変動から創出されるビジネス機会へのサポートを行っていきます。

B.生物多様性保全

 北海道は3つの海に囲まれ、多様な樹種からなる広大な森林、日本最大級の湿原など、豊かな自然環境に恵まれています。北海道の希少種保護や生育環境の整備等に取り組む団体を支援する当行独自の基金(ほっくー基金)を通じて、生物多様性保全や自然環境の維持に取り組んでいきます。

C.金融経済教育

(a)北海道の未来を担う子どもたちへの教育活動は地域に根差した金融機関として重要な取組みと位置づけ、道内大学生向け講義、小・中・高生向けの出前授業及び当行本支店での職場見学受け入れなどを積極的に行っていきます。

(b)人生100年時代に向けた準備の必要性が高まっており、正しい金融知識や資産形成に対する意識の向上がこれまで以上に重要となっています。金融経済教育に対する地域金融機関の役割が重要であると捉えており、高齢化社会における不安の解消や将来の豊かな生活、社会づくりに必要な知識・判断力の醸成に貢献していきます。

(c)広域な北海道に住む道民のあらゆる地域・年代の人に対して、平等・均一な金融経済教育の環境と機会を「オール北海道」で提供することを目的に発足した「北海道金融経済教育推進協議会」に参加しました。本協議会は、4つの金融団体(※)と各団体に加盟する計45金融機関の会員で構成され、学校や職場からの講師派遣依頼に対応していきます。本協議会と連携した講義や金融セミナーの開催を通じて、北海道全体の金融リテラシー向上に寄与してまいります。

(※)4つの金融団体:札幌銀行協会・北海道信用金庫協会・北海道信用組合協会・日本証券業協会北海道地区協会

D.人的資本

 人的資本の戦略は、「(4)人的資本 ①戦略」をご参照ください。

 

「サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)の特定について」

 北海道はGX関連事業に加えて、次世代半導体産業の進出など産業構造に変革をもたらす大きなチャンスが訪れています。北海道経済に効果を波及させていくためには、企業誘致や道内企業の事業領域拡大、地元企業とのビジネスマッチングといった支援が必要です。一方で、人口減少や少子高齢化、人手不足、原材料・エネルギー価格の高騰、脱炭素化社会の実現に向けたお客さまの意識改革が進んでいない等の多くの課題もあります。

 当行グループは長期ビジョンの実現と北海道の課題に対応するためサステナビリティに関するマテリアリティを特定しました。地域とお客さまの課題を解決し、北海道の持続的な成長に貢献してまいります。

 

特定した10個のマテリアリティ

 

③リスク管理

 リスク管理の内容については「3 事業等のリスク ⑦気候変動リスク、⑧自然資本に関するリスク」、「(2)気候変動問題への取組 ③リスク管理」及び「(3)生物多様性保全への取組 ③リスク管理」をご参照ください。

④指標及び目標

A.気候変動及び生物多様性保全に関する指標及び目標については、「(2)気候変動問題への取組 ④指標及び目標」「(3)生物多様性保全への取組 ④指標及び目標」をご参照ください。

B.人的資本への対応に関する指標及び目標については、「(4)人的資本 ②指標及び目標」をご参照ください。

C.金融経済教育による金融リテラシー向上

 金融経済教育の対象者数を2023年度から2025年度の対象者延べ50,000人の目標を設定しております。2024年度の実績は17,987人です。

指標

目標

2024年度までの累計実績

金融経済教育対象者数

2023年度から2025年度

対象者50,000人

36,112人

 

(2)気候変動問題への取組

①ガバナンス

 当行グループは「脱炭素化社会の実現」をマテリアリティの一つと特定しており、サステナビリティ委員会において気候変動に関する取組方針や取組みの進捗状況を協議・報告しております。詳細については「(1)サステナビリティ ①ガバナンス」をご参照ください。

②戦略

A.機会

 お客さまの脱炭素社会への移行を支援するファイナンス(サステナビリティ・リンク・ローン、グリーンローン等)やソリューション(SDGsコンサルティング、脱炭素コンサルティング等)の提供を通じて、金融・非金融の両面から、脱炭素化社会の実現に貢献してまいります。

 

B.リスク

 当行では、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で気候変動に伴うリスクとして移行リスクと物理的リスクを以下の通り認識しており、引き続きTCFD提言が推奨するシナリオを活用した分析を実施し、各リスクの定量的な評価を進めてまいります。

移行

リスク

脱炭素社会への移行に伴い、お客さまの事業が影響を受け当行の与信関係費用が増加するなどのリスクを想定

時間軸

法規制リスク

炭素税等、CO₂排出に関する規制強化等

中期~長期

技術リスク

既存製品の低炭素技術への入替に係る投資の失敗等

中期~長期

市場リスク

消費者行動の変化、原材料コストの上昇等

中期~長期

評判リスク

特定セクターへの非難等

短期

物理的

リスク

異常気象により、当行の事業用資産が被災し事業継続が困難となるリスクや、お客さまの業績悪化や事業用資産毀損による当行の与信関係費用が増加するなどのリスクを想定

時間軸

急性リスク

洪水等の増加、異常気象の深刻化

中期~長期

慢性リスク

平均気温の上昇、海面上昇

長期

C.炭素関連資産

 「エネルギーおよびユーティリティー(注1)」セクター向け貸出金等の当行貸出金等に占める割合は1.5%です。なお2021年TCFD改訂付属書に基づく炭素関連資産(注2、3)向け貸出金等の当行貸出金等に占める割合は20.3%です。

(注)1.石油精製・石油製品製造、ガス、石炭製品、大手電力会社等。水道事業者、再生可能エネルギー発電事業者は除きます。

2.「エネルギーおよびユーティリティー」セクターに「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」セクターが追加されました。

3.2024年度より、「素材・建築物」セクターの炭素関連資産の集計において、以下の変更を行っています。

(1)「建設業」を追加。

(2)「住宅売買業」「不動産代理・仲介業」等について、大企業のみを集計対象とする方法から、全ての企業規模を集計対象とする方法に変更。

D.シナリオ分析

 TCFD提言では、気候変動のリスクに対する戦略のレジリエンスを示すために複数のシナリオに基づいた分析の実施を推奨しており、当行では移行リスクと物理的リスクについてシナリオ分析を実施しています。シナリオ分析結果を当行のリスク低減やお客さまの脱炭素社会への移行に向けた対話の強化や支援につなげていくため、引き続き分析手法の高度化に取り組んでまいります。

 

 

移行リスク

物理的リスク

リスク事象

脱炭素社会へ移行によるマクロ経済環境の変化を通じてお客さまの財務が悪化することに伴う当行の信用リスクへの影響

①洪水等の増加による当行不動産担保の毀損やお客さまの事業停滞に伴う業績悪化

②洪水等の増加による当行営業店舗等の毀損を基因とした当行の損失発生

分析対象

エネルギー、ユーティリティー、鉄鋼セクター

①道内事業性貸出先

②当行営業店舗等(ATMを含む)

シナリオ

NGFS(注1)の「Netzero2050」「Delayed Transition」

IPCC(注2)第5次報告書におけるRCP2.6(2℃シナリオ)およびRCP8.5(4℃シナリオ)

分析期間

2050年まで

2050年まで

分析結果

信用コストの増加額:116~176億円

①信用コストの増加額:最大で37億円

②当行損失の増加額:最大で5億円

(注)1.気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク

2.気候変動に関する政府間パネル

 

③リスク管理

 当行では、経営の健全性を確保しつつ収益力を向上できるよう、信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクをはじめ主要なリスクを把握し統合的に管理を行っています。

 気候変動に伴う変化は様々な波及経路を通じて信用リスク等の主要なリスクを増減させ、当行の事業活動や財務内容に重要な影響を与える可能性があることを認識し、行内で共有しています。

 シナリオ分析の活用やお客さまのGHG排出量の算定等を通じて、気候変動による当行財務等及びお客さまの事業活動等への影響について評価を行い、各種ソリューションの提供を中心とするお客さまの気候変動対応への積極的な支援を通じて、中長期的に当行の気候関連リスクの低減を図る体制を統合的なリスク管理の枠組みの中で構築しています。

 

④指標及び目標

A.サステナブルファイナンス累計実行額(環境関連投融資から名称を変更)

 気候変動への対応として脱炭素社会への移行を支援する「環境関連投融資」の2021年度~2030年度までの累計実行目標5,000億円は、2024年度に累計5,541億円と前倒しで達成しました。

 これまでの「環境関連投融資」に、北海道における社会課題への解決に資する投融資(※)を加え、「サステナブルファイナンス」として再定義。環境関連投融資と同様に過去実績を含め、新たな目標を2兆円に引き上げしております。

 ESG投融資への対応を通じて北海道の環境課題や社会課題の解決を目指していきます。

(※)社会課題への解決に資する投融資は、半導体関連産業への支援、新産業育成(創業・スタートアップ)、製造業の合理化支援、食・観光への支援強化等

 

※環境・社会ともに2021年度からの累計

 

B.GHG排出量削減に向けた取組み

 地域の脱炭素化を積極的に進めていくため、当行グループのGHG排出量(Scope1+2)の削減目標引き上げと投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリー15)の削減目標を新設しました。

 

旧目標

新目標

Scope1+2

2030年度までに

2013年度対比△80%

2030年度までに

実質ゼロ

Scope3(カテゴリー15)

目標なし

2050年度までに

実質ゼロ

 

(a)当行グループのGHG排出量(Scope1.2)は、省エネルギー設備への更新やカーボンフリー電力・ガスの導入により、2024年度は2013年度比66.8%削減しました。

 

(b)金融機関に対して Scope3の取組みへの期待が高いことを認識しています。カテゴリー15(投融資先のGHG排出量)は、金融機関におけるGHG排出量の大部分を占めることから、PCAF(※1)スタンダードの計測手法を参考とし、法人融資先を対象に試算しております(一般事業法人向け融資額の85%が集計対象)。

(単位:t-CO2)

Scope3カテゴリー

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

資本財

15,487

Scope1.2に含まれない燃料及びエネルギー活動

2,469

輸送、配送(上流)

2,570

事業活動から出る廃棄物※2

24

18

出張※3

430

462

418

896

400

通勤※4

1,563

1,494

1,425

1,432

914

15

投融資※5

586,103

10,539,301

8,770,278

 

 

Scope3カテゴリー15の内訳

業種

排出量 ※6

(単位:t-CO2)

炭素強度 ※7

(単位:t-CO2/百万円)

農業

196,548

7.74

製紙・林業製品

170,904

7.31

加工食品・加工肉

528,616

5.50

飲料

20,664

3.00

金属・鉱業

251,553

11.61

化学

97,492

5.24

石油及びガス

304,309

2.82

石炭

5,383

5.44

建設資材

552,060

14.09

資本財

2,349,846

4.13

自動車及び部品

59,064

9.82

電力ユーティリティ

556,186

45.06

不動産管理・開発

93,539

1.04

トラックサービス

486,300

3.75

鉄道輸送

12,006

1.99

海上輸送

47,002

12.38

旅客空輸

139,288

281.41

航空貨物

986

2.43

その他

2,898,534

5.09

合計

8,770,278

※1.Partnership for Carbon Accounting Financials 投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

2.カテゴリー5は廃プラスチック類他4種類の開示です。

3.カテゴリー6は、移動手段別による算出から、従業員数による算出に変更しました。

4.カテゴリー7は、移動手段別による算出から、従業員営業日数による算出に変更しました。

5.カテゴリー15が2023年度対比約16.7%程度減少している要因は、GHG算定ツールの導入により、一部使用データが概算値から実測値となったこと等によるものです。

6.排出量の総量に「融資先の資金調達総額に占める当行融資額の割合」を乗じた数値。小数点以下切り捨て。

7.融資先の売上高1百万円あたりの排出量

 

(3)生物多様性保全への取組

 当行は、気候変動対応に加え自然資本の保全・回復に取組むため、2023年12月「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」に賛同し、TNFDフォーラムに参画しました。2024年度「環境省 脱炭素実現に向けた自然関連情報分析パイロットプログラム」に採択され、金融機関の投融資ポートフォリオにおける自然との接点や自然関連リスク・機会について把握・分析しております。

 TNFDフォーラムやパイロットプログラムで得られた情報を活かし、自然関連の財務情報開示や北海道の気候変動への対応、自然環境保護に取り組むことで、全てのステークホルダーと地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。

①ガバナンス

 当行グループは「北海道のネイチャーポジティブへの貢献」をマテリアリティの一つと特定しており、サステナビリティ委員会において生物多様性保全に関する取組方針や取り組みの進捗状況を協議・報告しております。詳細については「(1)サステナビリティ ①ガバナンス」をご参照ください。

②戦略

 自然資本に対する投融資先の依存度・影響度の分析を進めていくにあたり、ENCOREを使用してTNFD優先セクターの「依存」「インパクト」について分析を行い、ヒートマップを作成しました。

 「依存」については、多くのセクターで「水の依存度」が高い結果となりました。その中でも特に「食品・飲料」と「素材」の依存度が高いセクターと分析されました。また、「インパクト」は多くのセクターにおいて「攪乱(騒音・光等)」「有害な土壌および水質汚染物質の排出」「水使用量」が高い結果となりました。その中でも特に「食品・飲料」と「ユーティリティー、商業・専門サービス」のインパクトが大きいセクターと分析されました。

 

「依存」                               

 

「インパクト」

 

 TNFD提言では、地域特性を踏まえた分析が推奨されております。北海道は、「GX金融・資産運用特区」に指定され、GX推進の適地として洋上風力や太陽光発電計画が進む中、自然環境への配慮から漁業や希少生物への影響等、環境アセスメントへの重要性が高まっています。さらに、お取引先の融資残高の割合、依存・インパクトが比較的大きいことより、本年度は、電力、ガス、石油、石炭関連事業者等が該当する「エネルギー・ユーティリティー」を優先セクターと特定しました。

 同セクターのバリューチェーンにおける、「依存」「インパクト」の影響度合い及び機会とリスクについては以下の通り整理しています。

 

A.機会

 洋上風力発電など脱炭素化社会への移行を支援するファイナンスについては、生態系や自然資本に与える影響を考慮しながら対応してまいります。また、行政や大学等と連携しながら生態系の保護・回復に資する取組みへのサポート等、金融・非金融の両面から、北海道のネイチャーポジティブに貢献してまいります。

B.リスク

 当行では、生物多様性保全に関するリスクとして移行リスクと物理的リスクを以下の通り認識しております。今後もTNFD提言に沿った各リスクの定量的な評価を進めてまいります。

移行

リスク

政策リスク

環境規制等への対応コスト増、周辺環境の再生義務の発生等

評判リスク

周辺環境への影響や環境破壊、災害発生に伴う住民からの反発、社会的評判の低下、それによる利害関係者の忠誠心の低下を通じた運用コスト増、操業停止等

物理的

リスク

急性リスク

有害物質の排出による環境・希少生物への影響。洪水、地滑り、地震、津波、その他自然災害の被害による操業停止、インフラの修復・メンテナンスコスト増等

慢性リスク

操業による温室効果ガスや廃棄物、汚染物質の排出による底生植物・淡水植物、その他希少生物、周辺環境への影響・汚染、種の移動による生態系の変化等

③リスク管理

 移行リスクや物理的リスクに起因する再生可能エネルギーの操業停止は、信用リスクを増減させ、当行の事業活動や財務内容に重要な影響を与える可能性があります。環境アセスメントの観点から、開発エリアにおける周辺の自然資本に与える影響や要注意地域との接点、周辺地域への影響を投融資判断の材料として検討します。また、シナリオ分析では、気候変動と自然資本の関連性について様々なシナリオを考慮し、リスクの特定・評価・管理していく体制を構築していきます。

④指標及び目標

A.サステナブルファイナンス累計実行額(うち環境関連)

 サステナブルファイナンスのうち、脱炭素化社会への移行を支援する環境関連への投融資を指標と目標としました。詳細は「(2)気候変動問題への取組 ④指標及び目標」をご参照ください。

 

2024年度までの累計実績

2030年までの累計目標

サステナブルファイナンス

(うち環境関連)

5,541億円

1.4兆円

 

 

B.ほっくー基金

 北海道の生物多様性保全を目的として2010年に「ほっくー基金」を設立し、道内の希少種保護や生息環境整備などに取り組む様々な団体を助成金により幅広く支援しています。ほっくー基金の原資として、「北洋銀行アプリ」など通帳デジタル化に伴う紙通帳の印刷コスト相当額を拠出しています。

 評価基準には、TNFDで自然資本の対象として定義されている「陸、海、淡水、大気」への寄与、北海道生物多様性保全計画(第2次計画)における圏域別の生物多様性保全方針への該当有無等を取り入れています。

 選定先は、特別天然記念物・絶滅危惧種の生息環境保護、繁殖環境の整備や特定外来生物の駆除、魚道整備や植樹に加え、幅広い世代に生物多様性保全に関する教育を実施する団体を助成しています。指標及び目標は以下の通りです。

 

2024年度実績

2025年度目標

ほっくー基金助成先

19先

20先

 

 

<ほっくー基金助成先の魚道整備・植樹の様子>

 

(4)人的資本

①戦略

 2023年4月からスタートした中期経営計画では、「成長」と「環境・社会」をキーワードに掲げ、人材戦略を経営戦略の一環として位置づけ、人財戦略の策定と実行を担うCHROの設置(2024年6月)、将来の経営人財の育成を狙いとしたサクセッションプランの策定(2024年12月)など、人財戦略と経営戦略を連動させる取組みを進めております。

 この人財戦略に基づき、法人、地域、個人、デジタルの各戦略に必要な人材の育成と配置を行い、職員が最高のパフォーマンスを発揮できる働きがいのある職場環境を整備しています。さらに、人員シミュレーションを通じて人材ポートフォリオの推移を分析し、新規採用の増加やキャリア採用の強化、不足する分野の人材育成、初級行員の早期育成を進めています。

 一方で、お客さまのニーズが多様化し、それに対応するための銀行のビジネスモデルも変化する中、挑戦することが評価される企業風土の構築が課題と認識しています。そのため、挑戦を後押しする組織風土の一環として、2025年7月より人事制度を改正します。新しい人事制度のもとで、職員一人ひとりが自律的に考え行動し、挑戦することを当行の文化として浸透させ、経営理念や長期ビジョンの達成を目指してまいります。

 

 「人財育成方針」「社内環境整備方針」につきましては、事業内容が異なる連結グループ全体での記載が困難なため、連結グループの主要な事業を営む北洋銀行単体の内容としております。

 

A.人財育成方針

 サービス業である銀行の最大の差別化要素は職員であり、その質の向上が課題であると認識しています。人財への投資により、その価値を最大限に引き出すことが、中長期的な企業価値の向上につながると捉え、コンサルティング力強化やマネジメント力強化など、実効的な研修を取り入れた育成を行っています。この研修の取組み強化や自律的な育成支援のためのEラーニングツールの充実等により、2024年度の一人当りの育成費用は79.1千円と2023年度比18.9千円増加いたしました。また、一人当りの研修時間は40.3時間と同26.0時間増加しています。

(a)専門性の高い人財の育成

 銀行を取り巻く環境が大きく変化している中、当行はお客さま本位を徹底し、お客さまのニーズに応えるために、専門性の高いスキルを身に付けることに力を入れています。その一環として、リスキリングを推進し、公募制で専門機関に職員を派遣するトレーニー制度を導入しています。この制度では、銀行内の学習機会では十分に対応できないDXや海外支援、マーケット、コンサルティングなどの知識を得るため、社外の学習機会や大学院での修士課程取得等、職員が自身の将来のキャリアを見据えた成長を支援しております。

 新入行員の早期育成を目的として、2024年度からジョブローテーションを廃止し、1年目から本人が希望する業務を担当することにしました。育成の強化のため、新入行員研修を2週間から3ヵ月間に拡大し、支店配属後も約3ヵ月ごとに集合研修を開催するなど、研修とOJTを繰り返し行うことで、1年間で集中的に育成する体制を整えました。

 また、当行グループの北洋証券株式会社(証券業務)や株式会社北海道共創パートナーズ(コンサルティング業務)などと連携し、より専門的なコンサルティング提案を行うとともに、人事交流を通じて職員の専門的能力を高めています。

 さらに、タレントマネジメントシステムを活用して担当者のスキルを可視化し、スキル不足を補うための研修を追加するなど、専門知識の向上を図っています。これにより、SX・DX人材の育成を進め、北海道とお客さまのサステナビリティ向上やデジタル支援を推進してまいります。

 

2023年度実績

2024年度実績

トレーニー制度利用者数

22人

20人

(b)自律性・多様性・創造性の追求

 職員の自律的なキャリア形成を促進するため、挙手制の研修やセミナーを充実させています。研修内容には、業務に直結する具体的なスキルや知識の習得に加え、ケーススタディやロールプレイングなどの実践的なカリキュラムを組み込み、コンサルティング力やマネジメント力の強化、業務ごとのスキル向上を図っています。 また、ブレインストーミングやグループディスカッションをカリキュラムに取り入れ、自由な発想や活発な意見交換を促進しています。これにより、創造的思考を育む環境を整えています。

 加えて、専門性の高い外部講師による個人コンサルティング担当者や法人業務担当者向けの研修や、多様性の尊重と理解を深めるために、高齢者や車いす利用者、耳や目の不自由な人など、さまざまな状況の人への理解や接遇を学ぶ研修も行っています。

 行内で「人事制度の改正」プロジェクトメンバーを公募したところ、募集定員の4倍以上の応募がありました。新たなビジネスを企画する「行内ビジネスアイデアコンテスト」では215案の応募があり、北海道内の農業分野における人手不足解決を目指すアイデアが最優秀賞を取得しました。

 これらの成果は、職員が自由な発想で「まずはやってみよう」と取り組める風土を作り、「挑戦」する一歩を踏み出す機会を積極的に設けたことによるものです。さらに、自己研鑽の支援制度として、各種資格試験や検定試験の取得費用の補助、難関資格合格に対する奨励金の支給、Eラーニングの充実なども行っています。これにより、職員が自らのキャリアを積極的に開発し、成長できる環境を整えています。

 

2024年3月末実績

2025年3月末実績

コンサルティング力強化研修受講者数

17研修/実人数328人

/延べ1,483人

21研修/実人数675人

/延べ 781人

業務別スキル向上研修受講者数

25研修/実人数670人

/延べ1,939人

29研修/実人数1,028人

/延べ 1,047人

FP資格取得者

1級70人、2級1,379人

1級67人、2級1,368人

 

B.社内環境整備方針

 サービス業である銀行の最大の差別化要因であり、その職員が安心してやりがいを持って働ける環境や従業員の多様性を認め、尊重する環境の整備に取組んでおります。

(a)well-beingの実現

 「夫婦帯同転勤制度」「勤務地変更制度」「半日有給休暇制度」「企業内託児所の設置」「育児休暇制度」などのワークライフバランス関連制度を導入しているほか、1週間の連続休暇や勤続年数に応じたリフレッシュ休暇による有給休暇の取得推進や、外部専門家による介護の相談窓口を開設、WEBセミナーや介護制度に関するガイドの発信等も行い、介護と仕事の両立支援にも積極的に取り組んでおります。また、誰もが自分らしく働ける職場環境を目指すことで働きがいを高め、お客さまへのサービス向上を図ることを目的としたビジネスカジュアルを2024年5月に導入したほか、自らのスキル・能力を活かした教育・文化・スポーツ、家業といった分野での活動や地域貢献などを通じて、地域の持続的な成長にも貢献することを目的とした副業制度、就業時間内外を問わず、所属店部室以外の業務を兼ねることを認める社内兼業制度を2024年12月に導入しました。加えて、時間や場所にとらわれない働き方の一環として、リモートで研修受講や会議出席が可能なコミュニケーションツールの活用や、2025年5月からはテレワーク、フレックスタイム制を導入するなど、行内外における多様な働き方を促進するとともに、従業員の能力を最大限発揮できる環境を整え、より付加価値の高いサービスの提供を行ってまいります。

 健康経営の取り組みとして、健康診断やストレスチェックに加え、定時退行励行週間等による時間外労働削減、保健師によるメンタルヘルスセミナーの実施、さらには、初級行員のメンタル不調や離職を抑制する取組として「メンター制度」を取り入れるなど、職員が心身の健康を保ち、能力を最大限発揮できる環境整備に努めております。一方で、有給休暇の取得については、2020年度に41.6%であった取得率が2024年度には56.6%に上昇したものの、全国平均の65.3%(厚生労働省:2024年「就労条件総合調査」)には及ばず休暇制度の見直しを含めたさらなる利用促進が必要と考えております。

 

 行内のコミュニケーションの充実のために、役職員・職場のトピックスを紹介する行内SNSの積極利用や、上司部下の相互理解、信頼関係の構築のために、定期的な1on1ミーティングを実施しています。

 職員の経済的な安定の支援として積立金額に応じて奨励金を支給する職場積立NISAや、財形制度、持ち株会制度、選択型確定拠出年金などの制度を導入しております。また、定期的に全職員を対象とした研修を実施するなど、金融リテラシーの向上にも取組んでおります。

 

 

2023年度実績

2024年度実績

1on1ミーティング実施回数

7,093回

6,407回

 

(b)ダイバーシティ(Diversity)&インクルージョン(Inclusion)の深化

 女性のキャリア形成支援を目的とした各階層別研修や、育児休業中の職員の職場復帰支援等、出産・子育てをしながら働き続けるためのサポートに加え、女性支店長や副支店長を育成するための研修では、研修参加者に対し先輩女性支店長とのメンター制度を約半年間実施し、精神的サポートを行っています。これら女性の活躍支援に加え、前述「(a)well-beingの実現」で説明した各種支援制度の結果、男性と女性の平均雇用年数の差は2017年度の4.3年から2024年度には2.7年に短縮しております。女性管理職比率についても、2021年度は20%を割り込んでいたものが、2024年度には24.8%に向上しています。

 中長期的な企業価値向上のために、女性活躍を促すことに加え、多様な知・経験を持ったキャリア採用者、外国人材の活躍が必要と考え、人材紹介業務を行っている当行グループの北海道共創パートナーズと連携して、キャリア採用の強化を行っております。2024年8月からはアルムナイ(退職者)と退職後も持続的に繋がることができる公式ネットワークを構築しました。多様な人財がその多様な個性・価値観を互いに認めつつ、能力を最大限発揮していくことで、より付加価値の高いサービスを提供できることに加え、当行からの近況報告・採用情報等の発信や外部で活躍しているアルムナイからの気づきの提供、ビジネス連携の創出などが期待できます。外国人材については2025年4月1日時点で、海外2拠点を含め計9名の外国人職員(海外4名、国内5名)が勤務しております。

 また、人生100年時代に対応するため、希望者全員が満65歳まで引き続き勤務可能な「シニア職員再雇用制度」や、最長70歳まで雇用延長可能な「シニアパートナー制度」により、これまでのキャリアや経験を活かして活躍できる環境の整備に取り組むとともに、障がいのある方が地域の中で安心して暮らせる社会の実現と、社会的自立を支援するために障がい者雇用に取り組んでおります。

 

2024年3月末実績

2025年3月末実績

従業員に占める女性比率

41.8%

42.8%

男性と女性の平均雇用年数の差

2.2年

2.7年

 

女性管理職比率の推移

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

女性管理職比率

19.9%

20.8%

23.1%

24.8%

(c)職員エンゲージメントの向上

 人財育成方針及び社内環境整備方針記載の取組みに加え、職員エンゲージメントの更なる向上のため、2025年7月より人事制度を改正します。詳細は、「③新人事制度 愛称ポラリスについて」をご参照ください。

 

2023年度実績

2024年度実績

職員エンゲージメント(総合値)

64点

66点

 

 

②指標及び目標

 事業内容が異なる連結グループ全体での設定が困難なため、当行に関する指標及び目標となっております。

目的

項目

2024年度実績

2025年度目標

人財育成強化

職員一人あたりの研修費用(注1)

79.1千円

85.0千円

人財育成強化

職員一人あたりの研修時間(注2)

40.3時間

40.0時間

人財育成強化

コンサルティング力強化研修の受講人数(注3)

675人

550人

社内環境整備

(well-beingの実現)

年次有給休暇取得率(注4)

56.6%

63.0%

社内環境整備

(ダイバーシティ&

インクルージョン深化)

女性管理職比率(注5)

24.8%

25.0%

注)1.年間の「研修費用」を職員の「平均人数」で除して算出しております。「研修費用」は外部講師費、教材費、外部研修への参加費、資格取得費、宿泊費、交通費等を含んでおります。「平均人数」は2024年4月から2025年3月までの毎月の人数の和を12で除して算出しております。

2.年間の「研修時間」を職員の平均人数で除して算出しております。

3.お客さまに対する話し方やロールプレイングなどコンサルティング力を強化するための研修の受講者数であります。

4.「有給休暇の取得日数」を「有給休暇付与日数」で除して算出しております。

5.女性の「課長」級以上の人数を男女合計の「課長」級以上の人数で除して算出しております。

③新人事制度 愛称「ポラリス」について

<「ポラリス」の全体像> ※制度開始は2025年7月を予定

 サービス業である銀行においては、職員すなわち人財の質が最大の差別化要素であり、職員の満足≒エンゲージメントを高めることが重要です。そのために職員が「北洋銀行で働いていて本当に良かった」と感じると同時に、当行で働くことに誇りと自信を持てる制度を目指します。

 

A.検討の過程

 職員の満足度を高めるためには意見を幅広く反映させることが必要です。そのため、全職員アンケートやインタビューに加え、「人事制度改正公募プロジェクト」を立ち上げ、人事制度を改革したい職員を募りました。その結果、予定の4倍を超える55人の応募があり、年齢、役職、所属部署の壁を越え、3ヵ月以上にわたり熱い議論を重ねてきました。年齢によるポストオフの廃止や、考課給テーブルの新設など様々な改正案が今回の「ポラリス」には反映されています。

B.制度の愛称に込めた想い

 公募プロジェクトメンバーから愛称を募りました。34個のアイデアの中から、北の大地で輝く北極星のように職員のキャリアの指針となる制度となってほしいとの想いを込め「ポラリス」と命名しました。

C.「ポラリス」の概要

(a)ゴール

 ゴールは当行の人財ポテンシャルを最大限に発揮させ、挑戦する風土を実現することです。その結果、経営理念や長期ビジョン、そしてお客さま・地域・株主・職員・銀行の「五方よし」を実現できると考えています。

(b)ゴールを実現するためにあるべき姿

 ゴールを実現するために必要な「組織と人財のあるべき姿」を定義しました。まずは銀行として、処遇への納得感や挑戦・成長の後押し、自律的なキャリア選択をできる組織、言い換えると職員個々人のポテンシャルを発揮できる環境、挑戦できる環境を用意します。

 その環境の中で、職員は自律的な行動や専門性発揮、お客さま本位を実践し、当行の企業価値を向上させる人財を目指します。

(c)課題と前提条件

ア.課題

 2016年の人事制度改正から9年が経過し、総合職と地域総合職のコース別人事制度への不満、全員がマネジメント層を目指す画一的なキャリアパス、年功序列など多くの問題が顕在化しています。つまり、人事制度そのものが制度疲労を起こし、時代にもマッチしていないという課題が生じています。

イ.前提条件

 対面コンサルティングは当行の生命線である一方で、事務レス化を目指す方向性に変わりはありません。また北海道を活性化するという当行のミッションから、引き続き一定の店舗網も必要となります。

(d)解決の方向性

 前提条件を満たしつつ、あるべき姿と課題のギャップを埋め、ゴールを実現するため、3つのコンセプト「実力本位」「処遇の納得性向上」「自律性」を定めるとともに、そのコンセプトのベースとなる「評価制度」を改正します。

ア.実力本位~年齢ではなく評価によって昇降職、昇降格を実施

 昇降職、昇降格を年齢不問とするとともに、シニアについても現役並みの処遇を維持できる仕組みを新たに導入しました。

イ.処遇の納得性向上~役割やポスト、評価に処遇を紐づけるとともに転居転勤での負担軽減策を拡充

 総合職と地域総合職を統一し「転居を伴う異動の可能性」を軸にした報酬差を廃止し、役割と役職、評価によって報酬を決定する仕組みとする一方で、職員の異動エリアと業務を限定したいとのニーズに応え、オフィスプロフェッショナル職を新設しました。

 あわせて転居転勤による負担軽減と公平性の担保を目的に、実際に転居を伴う異動をする際の手当てや一時金、住居施策を拡充しました。

ウ.自律性~業務領域の自己選択と専門職種を新設

 全員がマネジメント層を目指すキャリアパスを改め、希望と適性に応じて自律的にキャリアパスを描くことを目的として、キャリアフィールド(業務の領域)と専門職種(エキスパート・高度専門人財職)を新設し、全職員が自ら選択できる機会を持てるようにしました。

エ.評価制度の改正

 経営理念や行動指針に基づいた評価項目へ抜本的に見直すとともに、業務のプロセスや特徴を評価に反映させるべく、評価項目を「共通項目」「専門項目」に分割しました。

 また、フィードバックの充実や中間考課の導入など、透明性を高め、納得感も高まる運用を新たにはじめてまいります。