2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,282名(単体) 1,513名(連結)
  • 平均年齢
    40.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.0年(単体)
  • 平均年収
    6,391,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2025年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

金融商品取引業

その他

合計

従業員数(人)

1,361

109

43

1,513

〔353〕

〔4〕

〔7〕

〔364〕

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であり、嘱託及び臨時従業員369人を含んでおりません。

2  臨時従業員数は、〔  〕内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

(2) 当行の従業員

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,282

40.8

18.0

6,391

〔297〕

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であり、嘱託及び臨時従業員305人を含んでおりません。

2  当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。

3  臨時従業員数は、〔  〕内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

(4) 当行の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める
女性労働者

の割合(%)

男性労働者の
育児休業

取得率(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

支店長代理級以上 (注1)

次長級以上

全労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用

労働者

16.4

4.7

93.8

50.3

61.7

53.1

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

(補足説明)

1 管理職に占める女性労働者の割合は2025年3月31日時点を基準日として、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は2025年3月期を対象期間として各々算出しております。

2 管理職に占める女性労働者の割合における管理職は、支店長代理級以上とその上位職である次長級以上の役職で算出しております。

3 労働者の男女の賃金の差異における正規雇用労働者及び非正規雇用労働者の定義は以下のとおりであります。

   正規雇用労働者 :行員

   非正規雇用労働者:嘱託、準職員、パートタイマー(無期労働契約へ転換者を含む)

4 当行においては、同一の職種や職位、役職、年齢等における男女の賃金は、全労働者において差異はありません。

5 正規雇用労働者における賃金の差異は、相対的に賃金水準が高くなる管理職(支店長代理級以上)に占める女性労働者の割合が大きく影響しております。

6 非正規雇用労働者における男女の賃金の差異は、その75.4%を占めるパートタイマーが全員女性であることが大きく影響しております。

7 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異に対する当行の取組方針については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本 ②戦略」に記載しております。

8 連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。以下、(1)サステナビリティ全般、(2)気候変動関連、(3)人的資本の順に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、当行グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

 ①ガバナンスの状況

 ア.ガバナンス体制

当行グループは、当行、地域社会ならびにステークホルダーが直面する持続可能性に関わる重要な課題(「マテリアリティ」)への積極的な対応が、当行の持続可能性にも資する重要なミッションであると認識し、当行の課題への取組みとともにこれらを経営戦略に落とし込み、中長期的な企業価値の向上に繋げていくこと、そしてそれを取締役会が監督・主導していくことが重要であると考えております。

以上を踏まえ、当行グループは、取締役会での議論を経て、2021年12月に「サステナビリティ方針」を策定するとともに、「サステナビリティ方針」を踏まえた3つの基本的な方針(「環境方針」、「人権方針」、「持続可能な社会の形成に向けた投融資方針」)を策定いたしました。

 

<サステナビリティ方針>

栃木銀行グループは、「経営理念」に基づく企業活動を通じて、環境や社会課題を考慮した地域経済の好循環サイクルを追求し、地域社会と全てのステークホルダーの持続的な発展に貢献するとともに、当行グループの持続的な企業価値の向上を実現します。

 

 

<3つの基本的な方針>

<環境方針>

<人権方針>

<持続可能な社会の形成に向けた投融資方針>

(基本的な考え方)

栃木銀行グループは、豊かな地域社会づくりに貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を目指しております。そのために、気候変動等を含む環境課題の解決に向けた取組みを進めてまいります。

(基本的な考え方)

栃木銀行グループは、豊かな地域社会づくりに貢献し、信頼される企業グループとなることを目指しています。そのために、「世界人権宣言」などの国際規範を尊重するとともに、お客さま・従業員をはじめ全てのステークホルダーの基本的人権を尊重します。

(基本方針)

栃木銀行グループは、環境や社会的課題解決に向けた取組みを、投融資業務を通じて積極的に支援することにより、お客さまの中長期的な企業価値向上と持続的成長をサポートします。

一方、環境・社会に対して重大な影響を与える可能性が高い事業者への投融資については、慎重に判断することで、その影響を低減・回避するよう努めます。

 

(行動指針)

1.環境関連の法令等を遵守します。

2.金融商品やコンサルティングの提供などの事業活動を通じて、地域社会の環境保全に貢献します。

3.省資源・省エネルギー等の推進により、環境負荷の低減に努めます。

4.地域における環境保全活動に参画します。

5.気候変動に関するリスクへの対応が、経営の重要課題であることを認識し、脱炭素社会の実現に向けた取組みを行います。

(行動指針)

1.役職員に対して

 役職員の人権を尊重し、健康と安全に配慮した職場環境を確保します。また、役職員のあらゆるハラスメント行為を許しません。そして、心理的安全性に満ちた明るい働きがいのある職場を作ります。

2.お客さまおよびサプライヤーに対して

 あらゆる企業活動(注)において、人種、国籍、性別、性的指向、性自認、出身、社会的身分、信条、宗教、障害、身体的特徴などを理由とした差別などの人権侵害を行いません。

 (注)あらゆる企業活動:金融サービスの提供(預金、融資、役務取引等)、投資業務、業務の委託、物品・役務の調達等。

(特定セクターに対する方針)

1.石炭火力発電

 石炭火力発電所の新設および既設発電設備の拡張を資金使途とする投融資は行いません。ただし、災害時対応や日本政府のエネルギー政策に沿った案件等を例外的に検討する場合、環境や地域社会への影響等、個別案件毎の背景や特性等に十分注意の上、慎重に対応します。

2.兵器

 クラスター弾、対人地雷、生物・化学兵器などの非人道的な兵器を製造する事業者に対する投融資は行いません。

3.森林伐採

 違法な森林伐採や焼却が行われている事業に対して投融資は行いません。また、森林伐採を伴う資金使途に対する投融資については、環境に対する配慮状況や地域社会への影響等、個別案件毎の背景や特性等に十分注意の上、慎重に対応します。

 

 

あわせて、「サステナビリティ方針」を実現するために、頭取を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。

「サステナビリティ推進委員会」は半期に一度開催し、サステナビリティに関連する重要事項について協議し、取締役会に報告する体制としております。取締役会は、サステナビリティ推進委員会からの報告を受け、サステナビリティ活動を監督する役割を担っているほか、サステナビリティ全般の案件を含む、経営上の重要事項について意思決定を行っております。またサステナビリティ推進のための活動として、環境・人的資本・社会課題・ESG地域金融・地域課題などの重要な課題に対して活動するワーキンググループを組成し、営業店・グループ会社・本部機能が相互に連動して地域社会等の課題解決に取組む体制としております。各ワーキンググループの活動状況は、サステナビリティ推進検討部会で情報共有が行われており、直面する課題に対し、本部・営業店が協力して解決に向けた方策を協議しております。

これらの活動により、広く地域社会の課題を解決していくことが地域社会の持続性を高め、「地域の未来を共創する」という当行の長期ビジョンの実現に寄与すると考えております。

 


当事業年度においては、当行や地域が直面する課題を共有し解決していくため、サステナビリティ推進委員会を2回開催し、以下の議題について報告を行いました。また、取締役会にも報告し共有を図っております。

 〔サステナビリティ推進委員会における主な議題〕

・CO2排出削減の取組み

・サステナブルファイナンス等の取組み

・TCFD(注)提言に基づく取組み及び開示状況

・人的資本の取組み及び開示状況

・地域課題解決の特筆すべき事例

(注)TCFD(Task Force on Climate-Related Financial Disclosures):気候変動関連財務情報開示タスクフォース

 

 

 イ.業績連動型株式報酬

第11次中期経営計画では、取締役(社外取締役除く)に対する業績連動型株式報酬における評価項目の一部としてCO2排出量削減率と女性管理職比率を採用しております。

 

 ②戦略

当行グループは、サステナビリティ方針を踏まえて、地域社会・ステークホルダーと当行グループにとっての重要課題(マテリアリティ)を、地域社会とステークホルダーにとっての重要度を縦軸、当行グループにとっての重要度を横軸として整理し、より重要度の高いマテリアリティを、取締役会の協議を経て特定し、そのリスクと機会を認識した上で解決に向けた取組みを実施しております。

 


 

 

重要課題

(マテリアリティ)

リスク

機会

当行グループの

主要な取組み

環境

・気候変動対策への取組み

・自然災害による物理的リスク、貸出資産の劣化

・お客さまのカーボンニュートラル対応の遅れ、ビジネスモデル陳腐化(移行リスク)

・当行グループ施設の自然災害の被害による事業継続リスク

・環境軽視の経営によるレピュテーションリスク

・自然災害への備えに対応する資金ニーズ

・カーボンニュートラルに向けた資金ニーズ

・省資源・省エネ化によるコストの低下

・環境重視の経営による企業価値向上

・ESG地域金融を柱とした取組み

(グリーンローン等)

・とちぎんC&Cによる投資(農業法人ファンド/コンサルティング)

・関連会社クリーンエナジー・ソリューションズによるPPA事業

CO2排出量削減の取組

TCFD提言に基づく取組

 

地域経済・社会

・人口減少・少子高齢化の対応

 

・エリア内GDP縮小、後継者不在等に伴う廃業増加、資金需要低迷

・若者のエリア外移住、相続等で預金がエリア外流出

・長期的資産形成の必要性

・既存ビジネス、産業構造の変化

・若年人口減少による採用難

・社会的課題解決ニーズに対するコンサルティング

・高齢化ビジネス

M&Aなど事業承継ビジネスの拡大

・長期的資産形成のコンサルティング

・お客さまの資産形成サポート

・「遺言代用信託」「暦年贈与信託」などの提供

M&A、事業承継支援

(地元応援型M&A

プラットフォーム)「とちぎ/ぐんま/筑波/さいたま/ふくしまの結び目」

・創業支援「ビジネスプランコンテスト」

・ビジネス交流商談会

SDGs宣言支援サービス、同スタートアップローン

SDGs私募債、サステナビリティ・リンク・ローン

・金融リテラシーへの取

  組

・デジタル化への対応

・DX、AIへの対応の遅れによる競争力低下

・AIの悪用、情報漏洩

・デジタルサービス需要拡大

・デジタル化推進による業務効率向上、コスト削減

AI活用による業務効率化、自動化の加速による競争力向上

ICTコンサルティング

・とちぎんアプリ

・行内ワークフロー構築

・マーケティングでのAI活用(コールセンター)

 

 

 

 

重要課題

(マテリアリティ)

リスク

機会

当行グループの

主要な取組み

人的資本・ダイバーシティ

・人的資本への取組み

・ダイバーシティ&インクルージョン

・経営戦略と人材戦略の不一致、従業員エンゲージメント低下

・単一的価値観によるイノベーション停滞、組織の不活性化

・多様性軽視の経営によるレピュテーショナルリスク

・多様な価値観が集まることによる組織活性化、企業価値向上

・労働環境整備による生産性向上

・エンゲージメント向上プロジェクト

D&Iプロジェクト

・役員と営業店若手行員のダイアログ

・副業解禁

・登用制度改正

・復職制度、中途採用の取組

・雇用延長

・シニア社員の処遇改善

・健康経営

 

 

 ③リスク管理

当行グループのリスク管理は、直面するリスクに関し、「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク(事務リスク、システムリスク、法務リスク、人的リスク、有形資産リスク、風評リスク等)」のリスクカテゴリー毎に評価したリスクを相対的に捉え、当行グループの経営体力である自己資本と比較・対照し、当行グループが持続していくうえで必要な経営体力の範囲内のレベルにコントロールする枠組み(統合的リスク管理)のなかで管理しております。

サステナビリティに関するリスクの識別、評価は、サステナビリティ推進委員会において共有され、その内容は取締役会に報告されますが、あわせて、気候変動や人的資本等のサステナビリティに関する重要課題に起因するリスクは、統合的リスク管理の枠組みのなかで管理されます。統合的リスク管理の状況は、半期毎に取締役会に報告しております。

 

 ④指標及び目標

当行グループは、サステナビリティの取組みについて以下の項目について目標を設定し、指標をモニタリングしております。

 ア.脱炭素関連

CO2排出量削減量、当行子会社によるPPA事業を通じた発電容量など。詳細は後述「(2)気候変動関連」を参照願います。

 イ.人的資本

ワークエンゲージメントの数値、各種資格取得者数など。詳細は前述「第1 企業の概況 5従業員の状況」及び後述「(3)人的資本」を参照願います。

 

 ウ.サステナブルファイナンス等の取組み

当行では、お客さまの社会課題や環境問題等への取組みを後押しするため、以下の融資を「ESG/SDGs融資」と位置付け、取組みを強化しています。社会におけるESGに対する意識の高まりとともに、企業にとってもESG経営への関心は年々高まっており、当行が取り扱ったESG/SDGs融資実績も増加傾向にあります。また、環境分野への取組みとして、地域資源を活用した再生可能エネルギー事業(太陽光発電、小水力発電等)などの脱炭素化を推進する分野への融資にも積極的に取組んでおります。

(ア)ESG/SDGs融資実行額(2022年度からの累積)

 2022年度から2030年度の融資実行額の累計目標を2,500億円として長期的に取組んでおります。

■社会分野

対象となる業種への融資(医療・福祉、保健衛生、教育、農業等)

・対象企業の取組みを評価するもの(寄付型私募債、創業支援融資等)

■環境分野

対象となる事業への融資(再生可能エネルギー事業、省エネ化設備の導入や更新)

その他(バリューチェーン脱炭素促進利子補給事業融資等)


(イ)サステナブルファイナンス(注)

   上記のESG/SDGs融資実行額のうち環境分野には「サステナブルファイナンス(サステナビリティ・リンクローン、グリーンローン等)」の実績が含まれております。

(単位:億円)

 

2022年度

2023年度

2024年度

累計

件数

金額

件数

金額

件数

金額

件数

金額

サステナブルファイナンス

11

94

19

129

15

174

45

398

 

うち、サステナビリティ・リンク・ローン

3

20

10

61

6

60

19

141

うち、グリーンローン

4

48

2

6

3

49

9

103

 

(注)サステナブルファイナンス:国際金融業界団体が策定した「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」等の関連原則等に適合あるいは整合的であると評価した融資を「サステナブルファイナンス」と定義しております。

 

 

エ.金融リテラシーセミナー等の開催

小学生~大学生、社会人の金融リテラシー向上、相続に対するお客さまの不安解消を目的にセミナーを開催しております。金融リテラシーセミナーについては、J-FLEC(金融経済教育推進機構)も活用しております。

<2024年度の開催実績>

対象

目的

回数

学生(小学生~大学生)

金融リテラシー向上

12

社会人

取引先企業の従業員さま

397

その他

4回

相続に不安のあるお客さま

相続にまつわるお悩み解決

3回

 

 

 

(2)気候変動関連

①ガバナンスの状況

気候変動に関するガバナンスについては、前述「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンスの状況」を参照願います。なお、当行グループは2021年12月にTCFD提言への賛同を表明しており、今後も積極的な情報開示に努めてまいります。

②戦略

 ア.シナリオ分析

当行グループは、気候変動が当行の財務にもたらすリスクと機会について、以下のシナリオに基づき分析しております。

シナリオ

シナリオの概要

1.5℃シナリオ

規制を強化して多くの国の温室効果ガス排出量を削減した結果、21世紀末における地球の平均気温の上昇が、20世紀末と比べて1.5℃未満に抑えられるシナリオ。IEA(国際エネルギー機関)Net Zero 2050シナリオなどを参考に検討。

4℃シナリオ

従来通り化石燃料等への依存を継続した結果、21世紀末における地球の平均気温が、20世紀末と比べておよそ4℃上昇するシナリオ。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)RCP8.5シナリオなどを参考に検討。

 

(ア)リスクと機会に対する定性的認識

当行グループでは気候変動に関する主なリスクと機会を以下のように認識しています。これらの認識を踏まえ、当行グループのCO2排出量の削減やお客さまの脱炭素支援等、脱炭素社会の実現に向けて取組んでまいります。

リスク

時間軸

1.5

シナリオ

移行リスク

信用

リスク

気候変動にかかる規制強化、税制変更、エネルギー価格上昇等により、お客さまの事業に影響が生じることで与信関係費用が増加するリスク

中期~

長期

お客さまの脱炭素対応の遅れやビジネスモデルの陳腐化により、事業に影響が生じることで与信関係費用が増加するリスク

風評

リスク

当行グループが環境軽視の経営を行い、企業価値を毀損することによって損失が生じるリスク

短期~

長期

4

シナリオ

物理的リスク

信用

リスク

台風や洪水等の自然災害で、不動産担保が毀損することにより与信関係費用が増加するリスク

短期~

長期

台風や洪水等の自然災害で、お客さまが被災して事業が停滞することにより与信関係費用が増加するリスク

オペレーショナルリスク

当行グループが保有する資産(営業店・事務センター等)や社員が被災することにより、事業継続に影響が出て損失が生じるリスク

短期~

長期

 

 

機会

時間軸

1.5

シナリオ

省資源・省エネ化による当行グループのコスト低下

短期~

長期

温室効果ガス排出量削減やエネルギー効率の向上に向けた設備投資ニーズに対応する融資やリース等の提供

環境重視の経営による、当行グループの企業価値の向上

4℃

シナリオ

自然災害への備えに対応する設備投資ニーズに対応する融資やリース等の提供

中期~

長期

 

 

 

(イ)定量的シナリオ分析

a 移行リスク

 2050年にカーボンニュートラルを目指す社会において、炭素税(排出した温室効果ガスに対して課される税)が導入された場合に、お客さまの財務悪化を通じて当行の与信関係費用がどの程度増加するかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額は最大15億円程度と推計しております。

 なお、当行の融資ポートフォリオは、移行リスクの影響を大きく受ける状況ではないと考えておりますが、推計にあたっては、そのなかでも比較的影響を受けやすいと考えられるセクター(業種分類:鉄鋼・エネルギー・不動産)を選定して分析対象としております。この選定したセクター内でサンプル企業を抽出し、将来財務諸表の変化を一定条件のもとで予想する方法により算出しております。

シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)のNZENet Zero Emission by 2050

シナリオ(1.5℃シナリオ)

分析内容

移行シナリオに基づき、対象セクターについて将来の業績変化を予想し、与信関係費用への影響を推計(脱炭素社会への移行に伴い、炭素税が導入された場合における投融資先の財務悪化)

分析対象

「鉄鋼」「エネルギー」「不動産」

分析期間

2050年まで

分析結果

与信関係費用の増加額:最大15億円程度

 

 

b 物理的リスク

 物理的リスクについては、4℃シナリオにおける気候変動に起因する自然災害のなかでも、国内における発生頻度が高く、当行の営業エリア内でも被害が出やすいと考えられる「洪水」の影響について定量的に分析したものです。

 分析にあたっては、ハザードマップ等のデータを活用し、100年に1度レベルの雨量によって洪水が発生した場合に、担保不動産が毀損し、またお客さまの事業が停滞することにより、当行の与信関係費用がどの程度増加する可能性があるのかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額はおよそ8億円程度と推計しております。

シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)

分析内容

・ハザードマップを利用し、担保不動産(建物(※))の毀損額と、お客さまの事業中止や停滞による売上減少額を推計。

(※)住宅ローンの担保物件は、水害が火災保険の補償範囲であることを前提に分析対象外とした。

・上記結果による保全額の低下と、お客さまの財務悪化による与信関係費用への影響を算出

分析対象

栃木県および埼玉県に本店を置くお客さま

分析期間

2050年まで

分析結果

与信関係費用の増加額:およそ8億円程度

 

 

 

 イ.当行の炭素関連資産の状況

2021年10月のTCFD提言改訂において「炭素関連資産」とされた4つのセクターについて、当行の与信額及び与信割合は下記のとおりです。なお、各セクターに含まれる業種は、①「エネルギー」=石油・ガス、石炭、電力、②「運輸」=空港貨物輸送、空港旅客輸送、海運、鉄道輸送、トラックサービス、自動車・部品、③「素材・建築物」=金属・鉱業、化学品、建材、資本財(建物等)、不動産管理・開発、④「農業・食料・林産物」=飲料、農業、包装食品・肉、紙・林産物、と定義しております。

 

エネルギー

運輸

素材・建築物

農業・食料・林産物

合計

与信額(百万円)

20,748

97,682

358,680

72,155

549,265

与信割合(%

0.94%

4.45%

16.33%

3.28%

25.00%

 

※2025年3月末の貸出金、支払承諾、私募債等の合計。ただし、再生可能エネルギー発電事業、水道事業は除く。

※TCFD提言における対象業種に当行融資先を分類して集計。

 

 ③リスク管理

 当行グループは、気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、中長期的に当行グループの財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 気候変動に関連して発生が想定される「信用リスク」や「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」は、様々な時間軸や影響経路を通じて顕在化する性質を持つため、事業運営や財務への影響を総体的に捉え、当行グループが持続していくうえで必要な経営体力の範囲内のレベルにコントロールする枠組み(統合的リスク管理)のなかで管理しております。

リスクカテゴリー

想定される主な事象

信用リスク

大規模自然災害で不動産担保が毀損することやお客さまが被災することにより融資先の財務状況が悪化等し、債務履行能力が低下することで当行の貸出資産が劣化・毀損するリスク

市場リスク

大規模自然災害の影響で金利・株式・為替等の様々な市場が変動し、有価証券等の価値が下落することで損失を被るリスク

流動性リスク

大規模自然災害でお客さまが被災することにより融資先の資金繰りが急激に悪化し、預金が大量に流出することで当行で必要な資金の確保が困難になるリスク

オペレーショナル

リスク

当行の事業拠点が被災し、事業の中断や防災対応により損失を被るリスク(有形資産リスク)や、当行の脱炭素社会への対応不足により評判が悪化して損失を被るリスク(風評リスク)など

 

 ④指標と目標

 ア.CO2排出量の削減

Scope1,2の推移>

 当行グループではCO2排出量の削減に取組んでおり、2024年度は2013年度比で67.6%削減しております。今後、2030年度には70%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを目指しております。

 


※エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)の規定に基づく定期報告書より算出。

※グラフ中の2022年度までの排出量は、当行グループ7社のうち株式会社クリーンエナジー・ソリューションズを除いた6社の排出量を算出。

 

<Scope3 カテゴリ別排出量>

当行のScope3排出量のうち、カテゴリ15(投融資先の温室効果ガス排出量=ファイナンスド・エミッション)が占める割合が大半となっております。同カテゴリは、気候変動リスク管理において、重要な指標であると認識し、算定の精緻化に取り組んでおります。

カテゴリ

排出量

t-CO2)

カテゴリ1 (購入した製品・サービス)

4,126

カテゴリ2 (資本財)

2,100

カテゴリ3 (Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動)

258

カテゴリ4 (輸送・配送)

360

カテゴリ5 (事業から出る廃棄物)

12

カテゴリ6 (出張)

33

カテゴリ7 (雇用者の通勤)

1,921

カテゴリ8~14

カテゴリ15 (投融資)

3,606,247

 

Scope3については栃木銀行単体の数値。

※カテゴリ1~7の算定にあたっては、環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の

 算定のための排出原単位データベースVer3.4」を使用しております。

※カテゴリ3は、電力のみのデータ。

 

 

 

 

<カテゴリ15(ファイナンスド・エミッション)の排出量内訳>

カテゴリ15については国内事業法人向け融資先を算定対象としております。対象先のうち、排出量を公表している先については当該データを、それ以外の先については業種ごとの平均データを使用して計算する併用方式で算定しております。

今後も、算定方法について検討を重ねると同時に投融資先の排出量削減に向けて、サステナブルファイナンスの推進や当行子会社による地域企業のCO2排出量削減支援に取組んでまいります。

セクター

業種

炭素強度

t-CO2/百万円)

排出量

t-CO2)

エネルギー

石油・ガス

15.27

62,512

電力(ユーティリティ)

29.08

98,118

運輸

空運

12.14

478

海運

13.30

110

陸運

9.53

602,711

自動車及び部品

4.72

48,138

素材・建築物

金属・鉱業

6.11

317,125

化学

10.68

47,303

建設資材・資本財

4.42

870,955

不動産管理・開発

1.11

54,635

農業・食料・林産品

農業

3.53

22,345

飲料・食品

5.42

141,705

製紙・林業製品

4.16

19,933

その他

2.18

1,320,178

合計

3,606,247

 

※カテゴリ15は、以下の計算式に基づき算定。

・排出量を開示している取引先:温室効果ガス排出量×当行融資寄与度

・排出量を開示していない取引先:業種別の売上高あたりの炭素強度×融資先売上高×当行融資寄与度

※炭素強度:∑[業種別の炭素強度]/融資先数

 

イ.当行子会社によるPPA(注)事業を通じた地域企業のCO2排出量削減支援

地域における脱炭素の推進及び地域内経済循環の創出を目指し、2023年3月に株式会社クリーンエナジー・ソリューションズ(以下、「CES」)を設立いたしました。CESは地域事業者に対し、オンサイトPPA事業を通じて、再生可能エネルギーの供給を行っております。

本事業では、設立4年目までに年間発電容量約5万kW、年間CO2削減量約2万t-CO2(一般家庭の約1万世帯に相当)を目標に、地域企業のCO2排出量削減支援を通して地域社会発展に貢献しております。

(注)PPA(Power Purchase Agreement):「電力販売契約」と訳され、企業の敷地内に太陽光発電設備を無償で設置し、発電した電力を当該企業に供給する仕組みをオンサイトPPA、企業の敷地外に設置する仕組みをオフサイトPPAといいます。

 

2023年度

2024年度

2025年度

20262030年度

稼働発電

容量累計

目標

2,500kW

18,000kW

42,700kW

52,500kW

実績

2,016kW

12,572kW

年間CO2

削減量

目標

1,000t-CO2

7,000t-CO2

17,000t-CO2

20,000t-CO2

実績

792t-CO2

5,365t-CO2

 

 

(3)人的資本

①ガバナンスの状況

人的資本に関するガバナンスについては、前述「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンスの状況」を参照願います。

2024年3月に、部門、男女、年齢等様々なメンバーで構成する従業員エンゲージメント向上に向けたプロジェクトチームを始動いたしました。また、2025年2月には、外部人材の受け入れや多様な価値観を受け入れる組織風土・文化を醸成するために、様々な層のメンバーによる「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)プロジェクトチーム」を始動いたしました。両プロジェクトチームの取組みについては後述「②戦略」を参照願います。

 

②戦略

当行グループはパーパス「困りごとを『ありがとう』に変えながら、“笑顔”と“幸せ”を守りつづける」を基軸とし、徹底して地域との繋がりにこだわり、お客さまの困りごとに寄り添い解決し続けることを実践してまいります。そのためには、多種多様な専門スキルを持った人材、失敗を恐れず変化に向けて主体的に挑戦する人材、多様な価値観を有する人材の活躍に加えて、これらを包含する企業文化の醸成が必要であります。

これらの実現に向けては、当行グループ役職員一人ひとりの健康が源泉であり、誰もが活き活きと明るく活躍できる働きがいのある職場の構築を通じた、エンゲージメント及びウェルビーイングの向上が重要であると認識し、様々な取り組みを進めております。

また、少子化や労働力不足を背景にITやデジタル化が進展しており、地域・お客さま・当行グループ内における業務効率化ニーズが増えております。今後DXへの幅広い対応が求められるなか、DXに関する基礎レベルの知識を有したベース人材の育成も進めております。

<人材育成方針>

 当行グループは、お客さま、地域社会の課題を解決し、持続的な成長に貢献していくためには、多様なステージで活躍できる人材が必要であると考えております。職員の自律的な成長を積極的に支援するとともに、多様な人材がそれぞれの能力を発揮できる企業風土をつくり、お客さまや地域社会に新たな価値を提供できる人材を育成してまいります。

 

 

<社内環境整備方針>
 当行グループは、「人材育成」、「公正な評価」、「健康経営」、「人権尊重」を通じ、働きやすい、働きがいのある職場環境を整備してまいります。

 

 

 主な取組み

ア.自律型人材の育成

新しいこと、変化へ取組む勇気を持ち、地域課題の解決や組織内の問題解決に向けてアクションを起こす自律型人材の育成に取組んでおります。環境や地域課題を考慮した地域経済の好循環サイクルを追求し、地域社会と全てのステークホルダーの持続的な発展を目的に、新事業・サービスの創出に向けた研修プログラムやプロジェクトに加え、職員のやりがい創出や職場環境整備に向けたプロジェクトも推進しております。これらの取組みは、地域を俯瞰する観点や、ステークホルダーとのあるべき関係性について考える力を養い、とちぎんマインド(注1)の醸成にも繋がるものです。

項目

2024年度実績

新事業構想研修プログラムの参加人数(公募)(注2)

11

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)プロジェクトチーム参加人数

11

新事業・サービスの創出に向けた新たな取組み(注3)

業種

参加人数

広告業

4

農業

6人

観光業

4人

 

(注1)お客さまと地域に貢献したいと強く思う精神。

(注2)事業構想に向けた課題設定やアイデア開発から新事業構想を策定していくプログラム。第1期(2023年11月~2024年10月)開催、参加者12人。第2期(2024年11月~2025年10月)開催、本部・営業店の20~30代の男女11人が参加。

(注3)2023年11月に全部室店向けにビジネスアイデアを募集し、163件の応募があり、地域への貢献や事業の成長可能性などの観点から、記載の3つの事業に絞込みを実施。2024年度に、事業化に取組む意志のある行員を公募し「とちぎん新事業創出プロジェクトチーム」を結成し、各事業の磨き上げ活動を実施してきました。今後も、事業化に向けて取組んでまいります。本部・営業店の20~50代の男女が参加しております。

 

イ.従業員エンゲージメントの向上

当行では、仕事や職場環境に関する課題を抽出し、いきいきと働きがいのある職場環境を目指す為に、2023年度より従業員エンゲージメント調査を実施しております。

 

 

2023年度

2024年度

ワークエンゲージメント数値(注)

3.22

3.20

エンゲージメント向上プロジェクト

チームへの参加人数(延べ人数)

66人

74人

 

(注)ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度の「活力」「熱意」「没頭」の平均値。

 

2024年度調査の結果を踏まえ、引き続き下記3項目を重点改善項目として、2024年3月に始動したエンゲージメント向上プロジェクトチームの活動も活かして改善に取り組んでまいります。

(重点改善項目)

 ・総合心理的安全性の改善

 ・上位管理職と中間・若年層のエンゲージメント格差の是正

 ・ウェルビーイングの改善

 

この3点の重点改善項目の改善、エンゲージメント向上に向けて以下の通り、戦略マップを作成し、3つに施策のグループ化を行い、対策ポイントを設定いたしました。

 


3つの対策ポイント毎に、プロジェクトチーム(以下、PT)を組成し、2024年3月に始動いたしました。中間層・若年層の男女・内外勤・本部・営業店等、様々な属性の職員が活動しております。

<本PTの提言から実現した主な施策>

業績評価項目の一部集約・削減、役職定年者の処遇改善、手書き業務の削減、住宅ローン業務の本部業務拡大、業務スキルの見える化、ビジネス・カジュアル導入、制服廃止

 


 

 

ウ.健康経営の推進

当行グループは、従業員を始めとする人材への投資を強化しサステナブル経営の土台を作るためには、従業員とその家族の健康こそが活力の源泉と考えております。従業員等の健康を考えた経営の強化に取り組むため、2023年6月に健康経営宣言を公表致しました。

健康経営宣言以降、生活習慣病等のからだの健康課題及びこころの健康課題の両面に対応するため、従業員の健康リテラシーの向上と健康リスク予防への様々な取組みを強化しております。こうした取組みが評価され、2025年3月に、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に昨年に引き続き認定されました。

 

<栃木銀行グループ健康経営宣言>

 栃木銀行グループは、「困りごとを『ありがとう』に変えながら“笑顔”と“幸せ”を守りつづける」ことで持続的で豊かな地域社会づくりに貢献していきます。

 その実現のためには、一人ひとり、すべての役職員とその家族の健康こそが活力の源泉であると捉え、心身の健康保持・増進に向けた取り組みを推進し、誰もが活き活きと明るく活躍できる働きがいのある会社づくりに努めます。

 

 

<健康経営推進体制>

 


 

 

<主な施策>

・健康サポートブックの制作・配付

・全館禁煙及び禁煙支援の実施

・メンタルヘルス態勢の拡充

(外部健康保険相談窓口の設置、メンタルヘルスリテラシー向上に向けた取組み、外部産業保健師による個別面談)

・特定保健指導の勧奨強化

・有給休暇取得の促進

 

エ.ダイバーシティの推進

正規雇用労働者における賃金差異は、相対的に賃金水準が高くなる管理職(支店長代理級以上)に占める女性労働者の割合が大きく影響しております。30代、40代の管理職に占める女性労働者の割合は、各々18.2%、18.8%であり、特に出産や育児などさまざまなライフイベントを経験する30代の女性管理職割合が低いことが課題となっております。

当行は上記課題に対応するため、2022年4月に人事制度の改正を行い、出産・育児・介護など個々のライフイベントや事情により地域限定で働く女性を含む全ての職員が上位職位にチャレンジ可能としたことに加え、コース間(総合職・地域総合職)における昇進基準の差異を撤廃いたしました。加えて、今後も人事制度や育児短時間勤務、復職制度(カムバック制度)などの働く環境面に止まらず、男性に比べて職務範囲が狭いとされる女性の職務拡大を支援するため、ジョブ・ローテーション制度や新任役席者フォローなどの教育研修体制の整備も進めてまいります。こうした女性のキャリア支援体制を充実させつつ、女性管理職のロールモデルとなる一定の母集団を形成するため、計画的に女性の積極登用を行っていく方針であります。

また、2023年8月に引続き、2024年8月に非正規社員の75.4%を占めるパートタイマー(全員女性)の時給引上げを実施いたしました。これにより、非正規雇用労働者の男女の賃金差異解消を図るとともに、非正規から正規への雇用転換についても積極的に取組んでまいります。

これらの取組みにより、管理職に占める女性労働者の割合向上及び労働者の男女の賃金の差異解消を図ってまいります。

 

 ③リスク管理

 人的資本に起因するリスクについても、気候変動関連のリスク同様、主に「オペレーショナルリスク(主として人的リスク)」として、統合的リスク管理の枠組みのなかで管理しております。

項目

人的リスク

対応状況

人口減少・少子高齢化

・若年人口減少による採用難

・復職制度の推進、中途採用の取組み。

・雇用延長、シニア社員の処遇改善。

経営戦略と人材戦略の不一致

・従業員エンゲージメント低下によるパフォーマンス低下、離職増加

・役員と営業店若手行員のダイアログ継続。

・エンゲージメント向上プロジェクトの推進。

多様性確保の遅れ

・組織の不活性化、イノベーション停滞

・レピュテーションリスク

D&Iプロジェクト始動。

労働環境悪化

・健康軽視によるパフォーマンス低下

・離職増加、採用難

・レピュテーションリスク

・健康経営宣言を踏まえた各種施策の実施。

モラル低下

・法令違反等により直接的な損失・損害を被るリスク。

・レピュテーションリスク

・部署毎に毎年コンプライアンスプログラムの策定実行。

・毎月コンプライアンス研修実施。

 

 

 ④指標及び目標

当行グループでは、人材育成方針及び社内環境整備方針の実現度合いを測るために、次の指標を用いております。なお、当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社においては、企業規模及び業種の専門性も区々であり、データ管理及び具体的な取組みについては部分的な実施に留まるため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績については、連結グループにおける主要な事業を含む提出会社のものを記載しております。また、管理職に占める女性労働者の割合など下記以外の指標を「企業情報 第1 企業の概況 5従業員の状況」に記載しております。

 ア.人材戦略

指標

目標

実績

(2024年度)

有資格者の人数

中小企業診断士・
経営コンサルタント

2026年3月末までに60人

54人

1級FP技能士

2026年3月末までに55人

46人

ITパスポート

2026年3月末までに500人

144人

 

 

 イ.多様性確保

指標

目標

実績

(2024年度)

管理職に占める女性労働者の割合
(支店長代理級以上)

2026年3月末までに16.0%以上

16.4%

管理職に占める女性労働者の割合
(次長級以上)

2030年3月末までに13.0%以上

4.7%

労働者の男女の賃金の差異
(正規雇用労働者)

 

2030年3月末までに70.0%以上

 

 

61.7%

 

正規雇用労働者の中途採用比率(注)1

2025年3月末までに10%以上

19%

障がい者雇用率 (注)2

2026年3月末までに2.70%以上

2.60%

 

 

 ウ.社内環境整備

指標

目標

実績

(2024年度)

有給休暇取得率 (注)3

2028年3月末までに70%以上

53.8%

ワークエンゲージメント(注)4

2026年3月末までに3.60

3.20

定期健康診断受診率

2028年3月末までに100%

100.0%

特定保健指導実施率

2028年3月末までに55%以上

37.4%

ストレスチェック受検率

2028年3月末までに100%

94.8%

高ストレス者比率

2028年3月末までに10%未満

9.0%

 

(注) 1.労働施策総合推進法に基づく中途採用比率を示しております。

  2.従業員に占める身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の割合を示しております。

  3.従業員に付与した年次有給休暇の日数に対し、実際に従業員が取得した日数の割合を示しております。

  4.ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度の「活力」「熱意」「没頭」の平均値