人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数4,045名(単体) 6,729名(連結)
-
平均年齢42.5歳(単体)
-
平均勤続年数16.9年(単体)
-
平均年収6,127,568円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
臨時従業員数(人) |
主要事業 |
5,952 |
2,034 |
その他の事業 |
777 |
439 |
計 |
6,729 |
2,473 |
(注)1.特定のセグメントに区分できないため、主要事業とその他の事業に区分して記載しております。
2.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は有期労働契約従業員であります。
3.前連結会計年度末に比べ従業員数が631人増加しておりますが、主として株式会社オリコプロダクトファイナンスを連結子会社化したことによるものであります。
(2) 提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
臨時従業員数(人) |
平均年齢(才) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
4,045 |
1,540 |
42.5 |
16.9 |
6,127,568 |
(注)1.提出会社において特定のセグメントに区分できないため、セグメント別の記載を省略しております。
2.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は有期労働契約従業員であります。
3.平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与は当社への出向者及び無期転換従業員を除いております。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5.従業員数の内訳は、男性1,620人、女性2,425人であります。
(3) 労働組合の状況
当社においてはオリエントコーポレーション労働組合(組合員数1,744人)があり、上部団体には加入しておりません。また、一部の国内連結子会社において労働組合があります。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
2024年3月31日現在
当事業年度 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1,2 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)3 |
労働者の男女の賃金差異(%) (注)1,4 |
||
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
||
27.6 |
108 |
44.7 |
48.9 |
50.0 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.管理職の範囲は、4段階の職階のうち上から2番目のマネジメント職階以上と位置付けており、課長職に匹敵する役割を担う課長代理までの職位を含めております。営業店課長と課長代理は同じ等級としている他、各部室店における経理責任者の任命基準など複数業務で課長と同等の権限を付与しております。課長補佐は1つ下の職階に位置付けられた非管理職につき含めておらず、係長の職位は存在しません。なお、課長代理を除いた場合の管理職に占める女性労働者の割合は22.4%となります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4.労働者における男女の賃金差異は、パートタイマーの人数比率が大きく影響するものであります。なお、パートタイマーを除いた場合の率は下記のとおりであります。
1)全労働者 :62.6%
2)うち正規雇用労働者:61.0%
3)うち有期労働者 :80.3%
男女の賃金差異につきましては、現在新たな人事制度として段階的に進めている、自律的キャリア形成支援や年齢に捉われない登用、転居転勤義務の有無を含めたキャリア形成のあり方によって区分してきたコース別管理制度の廃止、また、インクルージョン&ダイバーシティの取組みによる女性管理職比率の向上等、多様性を受け入れ社員一人ひとりが自分らしく活躍できる組織風土の実現を通じて、縮小をはかってまいります。
②連結子会社
女性活躍推進法に基づく管理職に占める女性労働者の割合等の公表対象となる連結子会社は以下のとおりであります。
2024年3月31日現在
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2,3 |
労働者の男女の賃金差異(%) (注)1 |
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全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
|||
従業員301名以上 |
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㈱オリコプロダクト ファイナンス |
7.2 |
64 |
67.3 |
73.0 |
89.8 |
㈱オリコフォレント インシュア |
23.6 |
100 |
67.5 |
66.0 |
96.5 |
日本債権回収㈱ |
18.9 |
100 |
52.3 |
47.8 |
40.3 |
㈱ビジネスオリコ |
27.3 |
- |
55.9 |
22.9 |
50.2 |
従業員101名以上 |
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|
|
|
㈱オリコオートリース |
0.0 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「男性労働者の育児休業取得率(%)」のうち、対象者がいない連結子会社については、「-」表示としています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに対する考え方及びマテリアリティ
当社は、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向け「オリコがめざすサステナビリティ」を定めております。また、サステナビリティを推進する上で当社が優先的に解決すべき重要課題としてマテリアリティを特定のうえ、具体的な取組項目やKPIを設定しPDCAサイクルを回すことにより、様々な課題の解決による社会価値の創出と企業価値の向上をめざしてまいります。
[オリコがめざすサステナビリティ]
わたしたちは、「その夢の、一歩先へ」というパーパスを掲げています。これには、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまのパートナーとして、一人ひとりのいまと未来に親身に寄り添い、真摯に向き合い、時には熱意をもってリードするというわたしたちの想いが込められています。 わたしたちがめざすのは、誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会。イノベーションの力で様々な社会課題を解決し、未来の世代へと継承していきたいと考えています。 そのために、わたしたちは信頼されるパートナーとして、すべての企業活動を通じて社会に貢献し、社会価値と企業価値の両立を追求してまいります。 |
(2) サステナビリティへの取組
①ガバナンス
当社ではサステナビリティを経営の上位概念に位置づけ、10年後のめざす社会・めざす姿の実現に向けてマテリアリティを特定しKPIを設定するとともに、より実践的なサステナビリティ経営を推進するための体制を構築しております。
a.サステナビリティに関するガバナンス
環境、人権、顧客保護等のサステナビリティに関連する事項に関しては、当社としての姿勢を示す基本的な方針を取締役会で審議し、承認の上、「経営の基本方針」として定めています。これら「経営の基本方針」に基づき、実行計画を立案の上、具体的な取組を組織横断的かつ中長期的に推進しています。計画の進捗等の具体的な内容は、サステナビリティ委員会や経営会議等を通じ、取締役会に対して適宜・適切に報告されております。また、取締役会は適切な指示を行う等、当社のサステナビリティの体制は取締役会が監督しております。
b.サステナビリティ委員会
取締役社長を委員長とし、各部門・グループ長が委員を務めているサステナビリティ委員会を中心に全社的なサステナビリティの推進体制を構築しております。また、その取組状況を取締役会へ定期的に報告し取締役会の関与・監督の実効性を高めております。
<主な議論・報告内容>
・サステナビリティ委員会及び環境・地域部会、顧客部会、人財部会の2024年3月期活動計画
・サステナビリティ取組項目、KPIの見直しに関する審議
・サステナビリティ取組項目、KPIの実績及び進捗状況報告
・環境・地域部会、顧客部会、人財部会の活動報告
・統合報告書、ESG、TCFD対応、社内浸透における進捗報告
c.部会
サステナビリティ委員会の直下に3つの部会「環境・地域部会」「顧客部会」「人財部会」を設置しております。それぞれの部会は、部門長・グループ長を部会長とし、各部門・グループを代表する部長以上のメンバーで構成されております。部会においては、多面的な議論を行い、具体的なサステナビリティの取組・施策の推進を担うクロスファンクショナルな場となっております。
<3つの部会の目的>
・環境・地域部会
事業活動を通じた脱炭素社会・持続可能な地域社会への貢献
・顧客部会
あらゆる場面のお客さま体験価値向上に努め、商品・サービスの充実を図ることによるお客さま満足度向上
・人財部会
会社と社員が互いに成長できるWin-Winな関係構築
全社員が自らの価値を最大限発揮し、生き生きと働ける環境づくり
②リスクマネジメント
当社はサステナビリティ課題を含む事業へのリスクを、一元的に把握・管理しその規模・態様に応じた総合リスク管理を行っております。リスク管理の詳細は、[3.事業等のリスク]に記載をしております。
気候変動に関するリスクに対しては、取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会にて審議・報告する体制を整備しております。加えて、気候変動関連のリスクや機会を含む事業戦略などの検討状況は定期的に取締役会に報告しており、当社の気候変動関連を含むリスク管理体制は取締役会が監督しております。
③戦略
a.サステナビリティの戦略上の位置づけ
サステナビリティ経営においては、当社の強固な財務基盤や経営資本を活用し、「誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会」の実現に向けて当社が貢献するためには、「さまざまな社会課題解決に貢献し続ける、イノベーティブな先進企業」「ステークホルダーからこれまで以上に存在意義を認められる企業」になることが重要であると考えております。こうした認識のもと、当社は新たな中期経営計画の策定を機に、社会価値と企業価値の両立をめざす「サステナビリティ」を経営の軸に据え、中期経営計画の上位に位置づけました。同時に、10年後のめざす社会・姿を実現するために6つのマテリアリティを定めました。
6つのマテリアリティと戦略を結び付け、それぞれのマテリアリティに紐づく取り組み項目と2025年3月期にめざす水準であるKPIを設定し、ステークホルダーに対して公表しております。
こうしたサステナビリティの考え方は、中期経営計画のすべての事業戦略に反映されております。各部門やグループの重点戦略は、それぞれの戦略・施策がどのマテリアリティに繋がるものなのかを検証し作り上げたものであり、経営戦略策定のプロセスは「社会への貢献と企業価値向上の両立」を体現しているものであります。
<サステナビリティの戦略上の位置づけの概念図>
b.当社の価値創造プロセス
当社は、国内外にまたがる幅広いビジネスパートナーとのネットワークや、審査・回収ノウハウをはじめとした知的資本、多様な人的資本、強固な財務資本等を元に、幅広い金融サービスを通じ社会に価値を提供しています。当社の価値創造プロセスを通じて社会課題解決を重点的に行う領域が、6つのマテリアリティとなっております。
<当社の掲げる6つのマテリアリティ>
・安全・安心で利便性の高いキャッシュレス社会実現への貢献
・金融ノウハウの活用を通じた新たな顧客体験価値の創造
・脱炭素・循環型社会実現への貢献
・持続可能な地域づくりへの貢献
・人材の多様性と育成および働き方改革
・ガバナンスの強化
<当社の価値創造プロセス>
c.マテリアリティの実現に紐づく具体的な取組
以下、当社の当年のサステナビリティ経営の進捗の内、主なものを報告いたします。
イ.脱炭素社会の実現に向けたビジネス(マテリアリティ:脱炭素・循環型社会実現への貢献)
太陽光発電システムの普及に寄与するV2H、省エネ設備に係るローン商品の開発、Orico Sustainability
Fundを活用したEVファブレスメーカーとの資本業務提携によるEV市場拡大への貢献や、同ファンドを活用し
たモビリティサービスプラットフォーマーとの資本業務提携による持続可能な交通網・まちづくりの推進と
地域経済の活性化等に取り組んでおります。
ロ.コミュニティー投資(マテリアリティ:持続可能な地域づくりへの貢献)
(ⅰ)地域社会への貢献活動
2024年3月に千葉県船橋市との包括連携協定を締結いたしました。船橋市が直面する様々な課題に対して、オリコグループが持つ金融サービスやネットワークを活用し、地域貢献の幅を広げ様々な課題解決に貢献してまいります。
(ⅱ)次世代への支援
小学生を対象としたクレジットカードに関する金融リテラシー教育、高校生向けに商業教育コンソーシアム東京への参画や金融リテラシー教育の教材提供、大学生に対する社会連携プログラム(正課外)などを行っております。
(ⅲ)社会貢献活動
2014年より、全社員を対象にボランティア活動を紹介する社会貢献プログラム「Orico One Step Program」を実施しております。また、社員の社会貢献活動を推進する募金制度として「オリコグループ社会貢献ファンド」を設立しています。これを通じ、福祉団体や大規模災害の被災地等へ寄付を行っています。これらの取組により、社員が自発的に社会のニーズに気付くきっかけや、自己啓発の機会を提供し、社員エンゲージメントの向上にもつなげております。
(ⅳ)サステナビリティ・リンク・ファイナンス(ローン/ボンド)
東南アジア(タイ、フィリピン、インドネシア)のオートローン年間取扱高をKPIとするサステナビリティ・リンク・ローン、サステナビリティ・リンク・ボンドを発行し、社会課題の解決を推進する手段としての資金調達を行っております。
④リスクと機会
気候変動が当社に与えうる影響について、TCFDが提言する情報開示フレームワークに則り分析しリスクと機会に分け、具体的なシナリオと影響額、その対応策等を以下のとおり認識しております。
⑤指標及び目標
<2025年3月期に向けたサステナビリティ取組項目>
10年後のめざす社会・めざす姿からバックキャストし、6つのマテリアリティに紐づくサステナビリティ取組項目及び2025年3月期にめざす水準であるKPIを、「ステークホルダーからの期待や要請」と「オリコの戦略上の重要度」の二軸でマッピングし、優先順位の高いものを選定しました。これらの取組は、統合報告書やWebサイトを通じてステークホルダーの皆さまに公表しております。
<GHG排出量削減目標>
当社は、TCFD提言を踏まえGHGプロトコルに則りScope1・2・3の排出量把握に取り組んでおり、以下のとおり削減目標を掲げております。パリ協定の1.5℃目標に貢献することを目標に、2050年にネットゼロを達成すべく、引き続き排出量削減に向けた努力を継続していきます。
(3)人的資本経営への取組
①人的資本経営の考え方
当社は人的資本経営という言葉を人事が関わる領域だけでなく、それ以外の活動も含めたものとして捉えております。既存ビジネスの変革や、新たな価値を創り出す能力を身につけられるよう、教育や学習支援など社員のスキル・能力開発に向けた投資に加え、社員が能力を最大限発揮しイノベーションを起こしやすい環境整備・仕組みづくりの両面にわたる取組みを成長戦略の重要な要素と位置付けております。この考えを踏まえつつ、求める人材像や人財マネジメントポリシー等の人事基本方針を定め、中期経営計画では、成長を支える経営基盤の強化として「人財戦略」を掲げ、経営戦略と整合させながら「社員エンゲージメントの最大化」を実現するために、多様性に富んだ人材集団づくりと新時代のための人事の基盤づくりに取組んでおります。
②ガバナンス
当社の人事基本方針は、業務執行取締役及び執行役員で構成される経営会議での審議を経て、取締役会で審議・決定しております。人財戦略は、経営会議での審議を経て、取締役社長が決定し、取締役会で報告・共有を行っております。また、取締役社長の諮問機関であるサステナビリティ委員会の傘下組織である人財部会にて、人事基本方針と人財戦略の実現に向けた活動状況の共有と議論を行い、四半期ごとに開催される本委員会に報告するとともに、委員会を通じて取組状況を半期に1回、取締役会に報告しております。
全社における人財戦略上の重要な取組みの推進にあたっては、取締役社長のもと、人事・総務グループ長を責任者として、社内各組織や連結子会社とも連携を取りながら進めております。当社の人事機能は、専門性の高さや複雑性への対処の観点から、企画・運用・厚生・人権啓発推進の機能を担う「人財マネジメント統括部」と、採用・教育・インクルージョン&ダイバーシティ推進の機能を担う「キャリアデザイン推進部」の2つの組織で構成しております。各事業・各機能における組織開発・人材開発は、人事・総務グループ長及び人財マネジメント統括部長が、部門やグループの責任者と意見交換や協議の場を設け、組織の活性化や人材の適所適材に向けた配置方針や、課題について共有・議論を行っております。
③戦略
a.人財戦略の策定の狙い
当社で働く全ての社員を当社の持続的成長における重要な「財産」として捉え、さらなる経営基盤の強化を図るべく、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画の重点戦略の一つとして「新たな人財戦略」を策定しております。これは、社員と会社の関係性が、これまでの「雇う側-雇われる側」という関係から、自分が大切にしていることを実現するための場所へと、「互いに選び・選ばれるもの(Win-Winの関係)」に変えていく必要があり、2030年の当社のめざす社会・めざす姿を構想した経営戦略の実現に向けて、中長期的な視点で、社員と会社の在り方を根本的に捉えなおしたものであります。
人財戦略の策定にあたっては、取締役及び執行役員の意見を反映させるほか、組織内の幅広い関係者と議論を重ね、以下の3つの要素が必要であると考えました。
・社員を惹きつける魅力ある組織の実現に資する戦略
・事業・組織・プロセスの変革を後押しする戦略
・変革の実行を実現するために、制度や仕組みを変えるだけでなく、役員・社員に対して思考・行動様式の改革を促す戦略
b.人財戦略のめざす姿と人事基本方針
人財戦略を通じてめざす姿には、「会社と社員が互いに成長できるWin-Winな関係構築を通じた社員エンゲージメントの最大化」を掲げています。このめざす姿には、会社と社員がともに必要な存在として絆を深めながら、社員が成長・活躍し、会社が持続的に成長する関係を築き上げていきたいという想いを込めております。
人財戦略の遂行にあたっては、「人事ビジョン」を定めるとともに、その実現の両輪として、社会的規範を重
視した行動様式を踏まえつつ、社員に変革・改善を通じた価値創造を求めていく中で、残すべき・取り戻すべき
オリコらしさを発展的・未来志向的に進化させた「求める人材像」、及び会社のコミットメントとして思考・行
動の改革を後押しし支援する「人財マネジメントポリシー」を定めております。
c.重点実施事項
「社員エンゲージメントの最大化」を実現するために、中期経営計画において重点的に実施すべき事項として、以下の2つを設定しております。
※詳細については2024年9月発行予定の統合報告書及び当社Webサイトをご覧ください。
イ.多様性に富んだ人材集団づくり
-個性ある多様な人材が活躍する組織へ-
(ⅰ)社員一人ひとりの成長意欲を高め、強みを伸ばすキャリア支援の拡充
・価値観やライフステージに合わせた働き方を尊重するために、2024年4月より社員が望まない転居を伴う転勤を廃止するとともに、社員の自律的なキャリア形成支援を目的として、2025年4月より社員が希望するポストや職種を選択するジョブポスティングを導入予定
・社内公募制度、国内・海外トレーニーのほか、デジタル企業やスタートアップ企業へのレンタル移籍、社外
副業など社外での就業機会を提供
・このような当社取組が評価され、個人と組織の持続的な成長を実現するキャリアオーナーシップ経営に取組
んでいる企業を表彰する「キャリアオーナーシップ経営AWARD2024」にて優秀賞(大企業の部)を受賞
(ⅱ)女性や外国人など、様々なバックグラウンドや個性をもつ人材の幹部登用の加速
・2023年4月に従来のダイバーシティ推進の考え方(ビジョン・基本方針・宣言)を見直し、インクルージョンの実現にフォーカスした「インクルージョン&ダイバーシティ基本方針」を新たに制定
・インクルージョン&ダイバーシティ基本方針に基づき、実行計画を立案の上、具体的な取組を組織横断的かつ中長期的に推進し、計画の進捗等の具体的な内容は経営会議を通じ、取締役会に対して適宜・適切に報告
・リーダーに求められるスキル強化を目的とした女性管理職向けの研修や、管理職の候補者となる人材基盤の形成を目的とした階層別研修、女性管理職同士が同じ立場や悩みを共有するネットワークづくり「Orico Women’s Network」を開催
(ⅲ)新規ビジネス創出などの核となる専門人材の確保・育成・活躍
・中期経営計画における事業戦略においてDXを推進する人材の育成は最も重要であると考え、DXの推進・実行に必要なマインド・スキルを有する人材の確保に向けた社内異動や外部採用の強化、育成プログラムの開発などを実施
・2025年3月期までにDX素養を有する人材(DX推進人材)を3,000人に拡大する目標を掲げるなか、DX人材育成プ
ログラムをリリース、2024年3月期までの2年間で3,200人以上が初級プログラムの認定を取得し目標を前倒
しで達成。また、約1,300名が中級プログラムを修了し、より上位をめざす社員は上級プログラムに挑戦
ロ.新時代のための人事の基盤づくり
-これからのオリコに相応しい評価・処遇・育成の制度・運用へ-
(ⅰ)年功・職能に基づく人事から仕事・ミッションを軸とした新たな人事への転換
・年功・職能を中心とした従来の考え方から、個人の担う仕事の内容や果たすべきミッションを軸とした新たな人事制度へ転換
・各ポジションが社会に提供する価値、職務要件や人材要件を明確化したミッション定義書を策定
(ⅱ)「求める人材像」に即した評価軸の見直しと客観性・透明性を高める多面評価の導入
・年功的な処遇運営からの脱却に向けて仕事・ミッションを軸とした評価・報酬制度へ見直しするとともに、会社が社員に期待する行動軸を定め評価基準を示すだけでなく、評価者のスキル向上に注力することで公正かつメリハリのある評価と処遇を実現
・会社の掲げる戦略や目標達成に向けて社員も一体となって取組み、ともに達成する喜びを分かち合える賞与制度の仕組みもあわせて構築
・部長、室長及び営業店の支店長などの経営職階のみならず、課長代理や営業店課長といったマネジメント層にも2024年3月期から対象に加え、360度サーベイとフィードバック研修を実施
(ⅲ)能力開発とタフ・アサインメント付与を通じた次世代を担う中核人材の育成
・先進テック企業の核となる次世代リーダーの育成をめざし、意識改革・行動改革を促す実践的トレーニングとして「中核管理職ミッション開発プログラム」を開催。2023年4月期は本社の部室長及び営業店の支店長を対象に開始し197名が参加。役員がメンターとして参加のもと、WEB・集合セッション終了後に、参加者自身が興味のあることや極めたいテーマを決め、ベンチマークとなる企業へのフィールドワークや新たな人脈作りを通じて調査・分析を行い、新たなビジネスアイデアや社会価値創出に資する構想を経営層へプレゼンテーションを実施
・適所適材の観点から、若手社員の営業店課長への抜擢登用を行うなど、将来キャリアを展望できる積極的なアサイメント
<<職場環境に関する取組>>
社員の生産性やモチベーション向上に向けて、働き方改革や健康経営の推進等、すべての社員が生き生きと活躍できる職場づくりに力を入れて取組んでおります。
(ⅰ)働き方改革
・テレワークや週休3日制、社員が任意に就業時間を選択できるスライドワーク等、多様な働き方の拡充に加え、生活スタイルに合わせて取得できるプライム休暇(特別休暇)を導入
(ⅱ)健康経営の推進
・社員が公私ともに生き生きとした生活を送ることができるよう、社員とその家族の健康が重要と考え、2023年9月「健康経営基本方針」を新たに制定
・健康経営基本方針に基づき、実行計画を立案の上、具体的な取組を組織横断的かつ中長期的に推進し、計画の進捗等の具体的な内容は経営会議を通じ、取締役会に対して適宜・適切に報告
・社員一人ひとりを尊重しながら、生活習慣病予防及び重症化予防対策・女性の健康増進・がん対策・感染症対策・喫煙対策・メンタルヘルス対策等、健康リテラシー向上と心身の健康保持・増進を積極的に働きかけることで、「より意欲的に学び成長する社員」を増やし「高い価値を生み出す組織づくり」と「生産性の向上」によって、社員と会社のWin-Winな関係構築を後押し
(ⅲ)人権尊重に関する取組
・2023年4月、人権尊重が今後ますます重要性を増していくとの考えのもと、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に従い新たに人権基本方針を制定
・人権基本方針に基づき、実行計画を立案の上、具体的な取組を組織横断的かつ中長期的に推進し、計画の進捗等の具体的な内容は経営会議を通じ、取締役会に対して適宜・適切に報告
・差別やハラスメントのない人権尊重に根ざした職場環境の実現に向けて、人権に関する実践的な研修を実施
・内部通報制度として「オリコ・ヘルプライン」など社内外に相談窓口を設置し、グループ会社の社員や退職者も含めた救済措置体制を整備
・人権への取組をサステナビリティの基盤と捉え、差別やハラスメントの排除及び周知徹底を図るとともに、経営レベルでの社内体制の整備等を通じて人権デュー・ディリジェンスを実施
(ⅳ)妊娠・育児・介護に関する各種制度
・妊娠・育児に関する各種制度を整え、すべての社員が仕事と育児を両立できるよう、育児関連制度を整備・啓発
・女性の育児休業・短時間勤務制度の利用はもちろん、男性の育児休業についても取得を積極的に推進しながら、育児休業取得率100%をめざす
・仕事と介護を両立する社員のための様々な支援制度を拡充
・このような当社の取組が評価され、2022年11月、次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」として「プラチナくるみんプラス」の認定を取得
(ⅴ)社員エンゲージメントサーベイの実施
・人財戦略の中核指標として活用するため、年1回のこれまでの社員意識調査を見直し、2022年4月より社員エンゲージメントサーベイを年2回実施
・エンゲージメント向上プログラムを導入し、職場ごとに抱える課題に対して部室長・支店長が社員とコミュニケーションを取りながら、より良い職場づくりと改善に向けたPDCAを実践
④リスクマネジメント
戦略で記載のとおり、当社の人財戦略は、社員と会社との関係性を互いに選び・選ばれる(Win-Winの関係)ものに変えていくこと、そして個人の特性をより活かしていくための様々な能力開発の機会提供に力を注いでおります。事業の強化・拡大に向けて必要な専門的スキルや能力を備えた外部人材の採用にも積極的に取組んでおります。また、2024年3月期から社員が退職後もオリコとの交流・つながりを促進するためのコミュニティーとしてオリコアルムナイネットワークを新設しております。こうした取組の結果、従来と比べて人材の流動性が高まる可能性があります。
当社の人的資本に関わる取組のリスクは、社員に対する自律的なキャリア形成支援を推進した結果、社員が当社よりも他社に挑戦や活躍の機会を見出し離職してしまうリテンションリスクの顕在化や、採用市場の競争環境が想定以上に厳しさを増した場合に当社の人材獲得力が相対的に低下し、外部の人材採用が計画的に実現できなくなること等が挙げられます。
当社はこうしたリスクを十分に認識し、リスクの顕在化に備えるために、社員に対しては、社内での成長・活躍の機会を最大限享受できるよう、2025年4月より人事異動の原則ポスティング化を予定しております。また、採用手法の多様化をより一層進めながら採用力強化に取組んでまいります。
⑤指標及び目標(注)1
<重点実施事項に関する取組>
取組内容 |
目標(注)2 (2025年3月期) |
実績 (2024年3月期) |
|
社員一人ひとりの成長意欲を高め、強みを伸ばすキャリア支援の拡充 |
社内公募任用者 |
150人 |
131人 |
社外・海外トレーニー、 レンタル移籍、副業・兼業経験者 |
50人 |
95人 |
|
女性や外国人等、様々なバックグラウンドや個性を持つ人材の幹部登用加速 |
女性管理職比率 (課長クラス以上) |
28%以上 (旧:27%以上) |
27.6% |
女性管理職比率 (部室長相当職) |
12%以上 (旧:9%以上) |
11.6% |
|
新規ビジネス創出等の核となる専門人材の確保・育成・活躍 |
DX推進人材 |
3,000人 |
3,237人 |
<人財戦略を支えるその他取組>
取組内容 |
目標(注)2 (2025年3月期) |
実績 (2024年3月期) |
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有給休暇取得率向上等を通じた総労働時間の適正化と、ワーク・ライフ・バランスの定着化 |
有給休暇取得率 |
70%以上 |
70.9% |
性別に関わらず仕事と家庭の両立ができる社会をめざした、男性の育児休業取得の促進 |
男性の育児休業取得率 |
100% |
108% |
サーベイを活用した社員エンゲージメントの向上 |
社員エンゲージメントスコア |
BBBへ向上 (AAA-DDの11ランク中 3ランクアップ) |
スコアB (1ランクアップ) |
(注)1.国内グループ各社において課題に応じた指標と目標を設定していることから、代表として提出会社における指標と目標を記載しております。
2.目標のうち、社内公募任用者及び社外・海外トレーニー、レンタル移籍、副業・兼業経験者の目標値は2023年3月期から2025年3月期までの累計であります。
女性管理職比率の目標値は、2025年3月期にめざす水準であります。なお、1年前倒しで目標を達成したため、課長クラス以上は+1%、部室長相当職は+3%の目標値に見直しています。
(4)お客さま本位への対応
当社は、最も重要なステークホルダーであるお客さまに対して、お客さま保護に加え、お客さまの声に真摯に耳を傾け、お客さま視点を大切にしていくため「お客さま本位の基本方針」を定めております。「お客さま本位の基本方針」を含めた当社のお客さまエンゲージメント等については、当社Webサイトを通じて社内外に開示しております。
お客さま本位の基本方針に基づき、実行計画を立案の上、具体的な取組を組織横断的かつ中長期的に推進し、計画の進捗等の具体的な内容は経営会議を通じ取締役会に対して適宜・適切に報告しております。
また、サステナビリティ委員会配下の顧客部会では、「あらゆる場面のお客さま体験価値向上に努め、商品・サービスの充実を図ることによるお客さま満足度向上」を活動目的に掲げ、お客さま起点による商品・サービスの探索や、期待を超えるお客さま対応の追求などについて議論を行っており、その内容は半期に1回、サステナビリティ委員会を通じて取締役会に報告しております。