2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    133名(単体)
  • 平均年齢
    43.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.0年(単体)
  • 平均年収
    13,656,206円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    0.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①当社の人材戦略

 当社の人材戦略は、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(5)企業戦略と関連付けた人材・人事戦略」をご参照ください。

 

②人材戦略を踏まえた従業員給与等の決定方針

 正社員に対する当社の報酬構成は、a.基本給、b.賞与、c.キャリーの3種類に大別されます。

a.基本給

 基本給については、当社で定めたグレードに従い支給されます。グレードについては年に1回、役割・能力発揮度、バリュー体現度などを総合的に勘案し、人材会議で部門を超えて議論をした上、取締役会にて承認、決定します。「強固な組織基盤の構築」の観点から、能力面だけでなくバリュー体現度も加味している点が特徴です。

 定期的に他社水準などを調査することで、基本給において競争力を維持できるよう努めています。

b.賞与

 賞与については、1年間の成果を踏まえて決定される賞与ランクに従い支給されます。賞与ランクは全グレード共通の指標であるため、年次やグレード問わず、高い賞与ランクが設定されることもあります。賞与ランクを全グレードで共通指標とする方針は、未上場企業投資という「個」に影響を受けやすい事業の特性を踏まえて設計しています。

 支給額については、賞与ランクごとに設定された支給テーブルに対し、全社業績にもとづく係数を掛けることで決定されます。

c.キャリー

 キャリーについては、ファンドごとのパフォーマンス目標を達成した際、従業員に支給されます。ファンドによって配分比率は異なりますが、一定割合は全社員に対して配分されます。残る割合は、パートナー/マネージング・ディレクターや、案件ごとの貢献度に応じて担当者に対してそれぞれ配分されます。高い成果を上げた「個」に対して報いつつ、全社員に対しても配分することで「強固な組織基盤」を構築する狙いがあります。

 

(2)【従業員の状況】

①提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

133

43才

3ヵ月

13年

8ヵ月

13,656,206

0.5

 

事業の部門等の名称

従業員数(人)

投資・ファンド管理運営業務

97

全社(共通)

36

合計

133

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員は、特定の部門等に区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

②労働組合の状況

 当社の労働組合は、ジャフコ従業員組合と称し、1990年7月28日に設立されました。上部団体には加盟しておらず、労使関係は良好であります。なお、2026年3月31日現在における組合員数は73人であります。

 

③管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.

11.4

25.0

(注)1.2026年3月31日現在で「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.労働者の男女の賃金の額の差異については、提出会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社は、地球環境や社会システムが大きく様変わりする中、「いかなる時でも投資を継続する」という投資哲学を持ち、創業以来変わらない「投資」という手段を通じて、「挑戦への投資で、成長への循環をつくりだす」というパーパスの実現、ならびに持続可能な社会の実現を目指しています。このようなサステナビリティに関する基本的な考え方や、環境・社会・ガバナンスというESG要素の課題及び対応方針について、ステークホルダーの皆様と共有し、持続可能な環境・社会の実現を目指すために、当社は2023年6月に「サステナビリティに関する基本方針」を策定しました。

 当社のサステナビリティに対する取り組みは、①企業としてのESGの取り組みの強化と、②事業を通じたサステナビリティへの貢献の大きく2つに分けられます。当社は未上場企業投資という事業を通じて、投資先企業自体のサステナビリティを高めるとともに、その事業が社会のサステナビリティに貢献できるよう、積極的に関与していきます。

 

(2)ガバナンス

 当社は、ESG課題を含むサステナビリティに関する課題への対応を経営上の最重要課題の一つとして認識しています。サステナビリティに関しては全社的に取り組み、管理部がその推進状況を管理し、年に1回以上、取締役会において取り組みを報告します。取締役会は、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議を実施することで取り組みの監督を行います。

 

 

 

 

 

(3)戦略

 当社のサステナビリティに対する取り組みは、「(1)サステナビリティに関する考え方」に記載のとおり2種類に分けられます。当社のみならず、投資という事業を通じて投資先企業がもたらす影響についても積極的に関与していくことで、サステナブルな社会への貢献に努めていきます。

 

 当社のマテリアリティと中長期の取り組みについては、各事業年度の統合報告書に記載しています。詳細は下記当社WEBサイトURLをご参照ください。
https://www.jafco.co.jp/ir/integrated-report/

 

①企業としてのESGの取り組みの強化

 当社は、パーパス実現に向け、さまざまなサステナビリティに関する課題の中でも、特に環境、社会、ガバナンスについて以下の課題を認識し、取り組みを行ってまいります。

 

●E(Environment):当社では、環境を重要な社会課題と認識し、自社の環境負荷低減を推進します。効率的なオフィス運用、リモートワークなどを通じて、エネルギー使用量の削減及び温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。社内会議での紙資料の配付・保管を原則廃止し、ペーパーレス化を徹底するとともにクラウド化を進め、2018年2月の本社オフィス移転を機に、フリーアドレス制を導入しました。また、当社は2023年5月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force оn Climate-related Financial Disclosures。以下、TCFD)による提言(以下、TCFD提言)へ賛同しました。TCFD提言をふまえた情報開示については、「(6)気候変動への対応(TCFD提言をふまえた情報開示)」をご参照ください。

 

●S(Social):当社の事業の本質は、出資者からの投資資金の調達、社会課題を解決する有望企業の発掘と投資、投資後の対話を通じた成長支援とEXITです。また、長年培った豊富なリソースと多くの企業との幅広いネットワークを活かし、起業家と大企業とのマッチングや新事業開発に関する企業との勉強会、スタートアップ向けの経営人材支援事業等の、様々な取り組みを行っています。このように投資事業を通じてスタートアップエコシステムの発展に貢献し、社会及び経済を循環させることで持続的な社会の実現を目指します。このため、投資事業を支えるための人材育成と組織基盤を重視する人材戦略を進めています。例えば、「強い個の育成」のために、当社独自のキャピタリスト育成ノウハウを活用し、パートナーを中心とした採用・育成体制の構築、インストラクター制度やメンター制度の充実を図っています。また、「組織基盤の発展」のために、中途採用の強化や人事制度の継続的な見直し、マネジメントの育成強化、当社のパーパス・ミッション・バリューを軸とした社内カルチャー浸透プロジェクトを実施しています。

  さらに、当社は、当社の活動に関連するすべての個人の人権、多様な価値観を尊重するとともに、安全で健康に働くことのできる職場環境を目指すことを表明しています。2024年11月には、「ハラスメント防止に関する方針」を策定し、内部通報制度を拡充しました。職場だけでなく投資先を含む全てのステークホルダーの方々に対するハラスメント等を根絶していくため、通報制度の利用対象者を投資先等の外部の関係者まで拡大し、合わせて社外の法律事務所による外部窓口を設置しました。ハラスメントの事実が判明した場合には、適正な対処と、再発防止に向けた措置を講じています。また、人権尊重の取り組みを一層強化するため、2025年5月に「人権方針」を制定しました。当社は、人権尊重が企業の社会的責任であると同時に企業価値の向上に不可欠と考え、国際規範の支持と遵守を表明すると共に、人権デューデリジェンスの実施と課題への対応、投資先企業との協働による人権尊重の推進、教育・啓発活動の推進、ステークホルダーとの対話・協議を重視し、人権尊重の取り組みを効果的に推進していきます。

 

●G(Governance):ベンチャー投資・バイアウト投資というリスクの高い事業を営む当社にとって、経営のガバナンスを高め、公正で迅速な意思決定を行うことは非常に重要です。当社はこれまで、経営の独立性、株主の皆様との価値共有、資本効率の向上と成長戦略推進等のテーマで、毎年段階的にガバナンスの強化を進めてきました。具体的には、2015年6月に監査等委員会設置会社へ移行して以降、取締役会での社外取締役比率の向上、女性取締役の選任、指名・報酬委員会の設置などを実施してきました。また、2021年3月期には、資本効率の観点から、投資活動の継続に必要な資金を明示し、それを超える部分は株主還元を検討する方針を決め、自社株買いを実施しました。さらに、2022年12月に公表した「企業価値向上の基本方針」の実現に向けた蓋然性を高めるため、2025年4月に国内投資への集中と海外子会社の譲渡を決定し、合わせて株主還元方針の見直しを行い、当該基本方針の更新をしました。これに伴い、アジア法人JAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdを2025年10月に、米国法人JAFCO America Ventures Inc. (Icon)を2026年1月に譲渡完了しています。当社はこの基本方針の実現に向け、引き続き組織基盤を強化するとともに、事業を通じたサステナビリティへの貢献の施策に継続して取り組んでいます。

  各事業年度毎のガバナンス強化の取り組みについては、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載した「(ご参考)ガバナンスへの取り組み」をご参照ください。

  また、企業価値向上の基本方針の更新については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)会社の対処すべき課題 2)資本効率の向上、および 3)中長期的目標」をご参照ください。

 

②事業を通じたサステナビリティへの貢献

 事業を通じたサステナビリティへの貢献は、サステナビリティに貢献する事業への投資活動と、投資先のESGリスクを見極め、適切な取り組みを推進する活動の2種類があります。

 当社の事業の本質はESG投資の考え方に強く合致するものです。社会課題を解決する有望企業の発掘、投資後

の対話を通じた成長支援、そしてEXITに至るまでの過程にESGの観点を取り入れ、投資先の事業成長を通じてサステナビリティの実現に貢献し、当社の競争力と企業価値を高めていきます。また、責任投資原則(Principles for Responsible Investment)の基本的な考え方に賛同し、2025年7月11日に署名機関となりました。これに合わせて、当社の投資活動における ESG投資の取り組みをより一層推進するために、「ESG投資方針」を策定しました。「ESG投資方針」の詳細は下記当社WEBサイトURLをご参照ください。
https://www.jafco.co.jp/sustainability/contributing_to_sustainability/

 投資活動の最初の段階となる事業ポテンシャルの評価にあたっては、ESGやSDGsの側面からのリスクや社会的ニーズが重要な要素です。その評価をもとに、サステナブルな成長実現のための課題についても、投資候補先企業の経営陣と議論し、投資実行の判断を行います。投資実行後は、サステナビリティチェックを通じ各社の取り組み状況を半年ごとにモニタリングしつつ「ポートフォリオ会議」においてサステナビリティ観点でも課題が見られる企業に対する対応策を検討します。

 これら取り組みを通じてサステナビリティにおける課題を把握した上で、投資先の成長支援を行います。投資先の事業立ち上げを最優先としつつ、管理体制の整備を並行して進めることが重要となります。さらに、成長の段階に応じて人材採用を含め、営業・開発・管理の体制構築をサポートします。こうした取り組みを通じ、将来的に大きな社会的インパクトを生み出す企業を輩出し、サステナビリティの実現に貢献します。

 

(ご参考)投資活動における取り組み

* 直近でEXIT(IPO/M&A/その他の流動化)を予定している先、及びサステナビリティ(ガバナンス)チェック実施タイミングの直前に投資した先(基準日から遡って一カ月以内程度)は調査対象から除外しています。

 

●サステナビリティに貢献する事業への投資活動

当社は「すべての投資先企業が、事業を通じてサステナビリティに貢献している」と考えています。投資対象となる有望企業の発掘の際には、これらの企業の「事業が社会的意義を有しているか」や「事業が社会課題の解決に貢献し得るか」も考慮し、この社会的意義の実現こそが、サステナブルな社会への貢献だと捉えています。

当社は、社会に未だ見ぬ価値を見出し、社会的意義を実現する事業への投資を継続することで、投資先企業を通じた持続可能な社会の実現を目指しています。従来より投資対象は特定の業種・領域に限定しない方針としていますが、「脱炭素社会や社会課題の解決に直接的に貢献する企業」は、ESGの観点においても重要な投資領域と捉えています。

●投資先のESGリスクを見極め、適切な取り組みを推進する活動

 当社の投資先となる企業には、環境・社会・ガバナンスへの取り組みに関して様々なリスクが内在しています。特にシード・アーリーステージのスタートアップにおいては、経営リソースが限られているため、自社のみでESGリスクを改善することが困難なケースも少なくありません。そのため、当社では投資前・投資後のタイミングにおいて、投資先企業のESGリスクの見極めとESGの取り組みの強化に向けた活動を行っています。

 投資前においては、起業家・企業・事業の各要素において、ESGのリスクが対応可能な範囲であるかを見極めるため、デュー・デリジェンスに力を入れています。投資委員会においても十分な議論を行い、ESGリスクの高い企業に対して投資を行わないように努めています。

 投資後においては、投資先の企業活動のモニタリングとESGリスクの対応支援に取り組んでいます。半期に1度、すべての投資先企業を対象としたサステナビリティチェックを行い、ESGに関するリスクを未然に洗い出します。潜在的なリスクが認められる投資先企業に対しては、個別に啓蒙活動や各種支援を行い、ESGリスクの最小化に努めています。

 

(4)リスク管理

 当社は、パーパスの実現のため、当社の事業におけるサステナビリティに関するリスクと機会を適切に把握、管理するように努めます。具体的には、取締役会から委託を受けて設置している投資委員会では、投資候補企業のESGリスクや、サステナビリティに関するリスクと機会を含む事業の成長性も踏まえて投資の可否を審議します。投資委員会は、取締役社長を含むパートナー等で構成され、原則として毎週開催しています。また、投資先企業のサステナビリティに重要な影響を及ぼす事案が発生した場合には、投資委員会の構成員に対してすみやかに報告する体制を整えています。さらに、投資先企業のサステナビリティチェックを定期的に実施するとともに、四半期に1回、ポートフォリオ全体のリスクを把握し、課題を検討します。

 ESGに関するリスク及び機会に関しては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。

 

(5)企業戦略と関連付けた人材・人事戦略

 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のように、当社は、2022年12月に公表した「企業価値向上の基本方針」において、株主の皆様の利益拡大に繋がる企業価値向上を目指し、成長戦略の推進と、純資産の圧縮による資本効率の向上を進めています。企業価値向上を持続的に向上させるためには、人材の強化が欠かせません。具体的には、「強い個の育成」と、「強固な組織基盤の構築」の2点が必要になります。

 

 人的資本強化をより強力に推進する体制として、組織人事部を2025年10月に新設しました。中長期の企業戦略にもとづく要員計画の見直しや、エンゲージメントサーベイ等に基づく課題分析・施策の設計に取り組んでいます。また、2025年5月には人権方針を策定するとともに、ハラスメント防止に向けた研修も継続的に実施しています。

 

①ガバナンス

 有形資産を持たない当社においては、人的資本が競争力の源泉であり、経営上の最重要課題として認識しています。2025年10月には、人的資本の強化に向けて組織人事部を新設しました。組織人事部が主管となり人的資本のリスク及び機会を捉えた上で、四半期に1回、取締役会において取り組みを報告します。取締役会は、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議を実施することで取り組みの監督を行います。

 

②戦略

 当社の成長は、その事業の特性上、ベンチャーキャピタリストをはじめとする「個」に大きく依存します。そのため、いかにして優秀な「個」を採用し育てていくかが、事業上の大きな課題となります。当社の人材の採用・育成は、持続的な企業価値向上の実現に向けた経営・事業戦略と連動した要員計画にしたがって行っています(下図1)。特に投資部門においては、これまでも継続している新卒採用に加え、様々な経験・スキル・ポテンシャルを有するキャピタリスト人材を継続的に採用しています(下図2)。加えて、当社が培ってきた独自のキャピタリスト育成モデルにより、良質な投資を実現する強い「個」を育成していきます(下図3)。

 また、当社および、投資先を取り巻く環境も、大きく変化をしています。そのため、キャピタリストだけではなく、投資先支援やファンド運用、コーポレート分野など、各領域においてもプロフェッショナル人材の採用・定着・育成も重要となり、力をいれています(下図4)。こうした多様な強い「個」を持つ優秀な人材の採用・定着・育成には、人事制度をはじめとする評価・処遇等の仕組みも重要な要素です(下図5)。

 加えて、ファンドパフォーマンスの向上を支える組織力・仕組みの構築も欠かせません。組織としてのナレッジ蓄積・共有や経営の効率化等の仕組み作りは、個の成長も促し、組織として持続可能性を高めます。また、組織としての対応力の強化は投資事業において高い付加価値を生み出すことに繋がると考えます(下図6)。

 さらに、多様な「個」の力を最大化し、「個」の力を最大限発揮し続けられるようにするためには、働く環境づくりも重要です。社員のモチベーションを高め、心身ともに健康的に働き続けることができ、ライフステージの変化にも対応できる体制や仕組みの構築も、当社が取り組んでいる重点事項です(下図7)。

 強い「個」の育成と、強固な組織基盤構築に向けて欠かすことのできない要素が、パーパス・ミッション・バリュー・アイデンティティに表現されるカルチャーの醸成・浸透です。様々なバックグラウンドを有する多様な人材の集団が、一丸となって高いパフォーマンスを発揮するためには、共通するカルチャーを醸成し、浸透させていくことが欠かせません(下図8)。

 このような取り組みを通じ、強い「個」と、強固な組織基盤の構築を実現することで、持続的な企業価値の向上とパーパスの実現に努めてまいります。

 

 

③リスク管理

 当社では、人的資本におけるリスク及び機会のモニタリングにあたっては、定量・定性の両面による評価が重要だと考えています。

 定量面では、要員計画を踏まえた採用数や離職率、当事業年度より開始したエンゲージメントサーベイのスコアなどを参考としています。定性面では、日常でのコミュニケーションに加え、定期的な社員1on1面談や、年1回の自己申告制度で得られる要望、意見などを参考としています。

 人的資本の強化には、定量面には表れていない問題の深掘りが重要だという考えのもと、課題の構造整理や仮説検証を繰り返すことで、適切な評価及び優先順位付けを行っています。

 

④指標及び目標

 「強い個の育成」及び「強固な組織基盤の構築」の両立に向け、適切な指標や目標の設定に努めています。

 年間採用人数や退職率などは、「強い個の育成」において重要な指標です。一方で、要員数の指標や目標が先行することで、質的観点が薄れてしまうことに対しては注意が必要となります。

 女性活躍や障がい者雇用といった多様性の強化や、コンプライアンス研修の受講率、エンゲージメントスコアなどは、「強固な組織基盤」において重要な指標となります。エンゲージメントスコアは当事業年度が初年度であるため、定期的な取得を通じて、課題改善に努めていきます。目標の設定、開示の方法については、今後、対応の検討を進めてまいります。

 

(6)気候変動への対応(TCFD提言をふまえた情報開示)

①ガバナンス

 「(2)ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

 当社はTCFDの情報開示フレームワークに沿い、地球の平均気温が産業革命以前に比べて4℃、1.5℃上昇することを想定した2つのシナリオを用いて気候変動に係るリスクと機会の特定を行いました。その結果、当社の事業において影響度が大きなものを中心に以下にまとめています。今後、脱炭素社会の実現に向けた対策の検討を行っていきます。

 

●リスク

区分

種類

想定されるリスク

時間軸 *

影響度 **

移行リスク

政策・法規制

炭素税をはじめとするカーボンプライシング導入、省エネ・GHG排出規制強化による対応コストの増加

中~長期

関連法規制の増加、情報開示義務拡大に伴う事業運営コストの増加、および怠った場合の罰則等の負担

短期

市場

ESG投資および環境関連ビジネス市場の競争激化による、ファンド募集・投資運用における競争激化、コストの増加、および投資倍率の低下 ※1

短~長期

評判

当社および投資先の気候変動対応が不十分なことによるステークホルダーからの評判低下リスク

短~中期

技術

投資先企業が有する技術の陳腐化や技術開発の失敗、競争激化によるコスト増による投資先企業の価値が低下する可能性

中~長期

物理リスク

急性

風水害の激甚化等の災害をトリガーとした金融市場の破綻や当該市場における市場暴落や大型倒産

中期

慢性

気温上昇による事業所およびデータセンター等の運営コストの増加

中期

 

●機会

区分

種類

想定されるリスク

時間軸 *

影響度 **

機会

市場

脱炭素に貢献する事業を展開する企業への投資機会・EXIT機会の増加、評価額の増加による収益機会の拡大 ※2

短~中期

サービス

積極的な気候変動対応によるレピュテーション向上、これに伴う投資機会・ファンド出資獲得の機会増加

短~中期

 

* 各リスク・機会の候補が発生し始める時間軸(影響期間)の分類は以下の考え方に基づく。

長期・・・今後10〜30年の間に影響が発生

中期・・・今後4〜9年の間に影響が発生

短期・・・今後0〜3年の間に影響が発生

** リスク・機会の候補から、当社事業における重要度の分類は以下の考え方に基づく。

大・・・リスク・機会が与える影響が大きい

小・・・リスク・機会が与える影響が小さい

 

※1 現時点では具体的に以下のようなリスクを想定しています。

・投資候補先発掘から投資判断・実行にかけてのフェーズでの調査コスト増加

・ESG特化型ファンド参入による投資競争激化

・ESG関連サービスを提供している会社のバリュエーション上昇による取得コストの増加

・投資先の企業価値向上フェーズにおけるESG支援コストの増加

・ESGチェック基準の厳格化等によるEXITまでの期間の長期化等のリスク

※2 現時点では具体的に以下のような機会を想定しています。

・再生可能エネルギー分野をはじめとする、環境関連ビジネスを行う企業への投資機会の増加

・脱炭素など環境関連ビジネスを提供する企業へのM&A需要増加に伴うEXIT機会の増加および評価額の増大等の機会

 

③リスク管理

 「(4)リスク管理」および「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。

 

④指標・目標

 当社は、2018年3月期分より温室効果ガス(GHG)排出量におけるScope1、Scope2の算定を行っております。詳細は下記当社WEBサイトURLをご参照ください。
https://www.jafco.co.jp/sustainability/initiatives_for_tcfd_recommendations/

 また、GHG排出量(Scope1、2)の削減目標の設定、およびサプライチェーンにおけるGHG排出量(Scope3)の算定については、今後対応の検討を進めて参ります。