人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数497名(単体) 55,702名(連結)
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平均年齢43.3歳(単体)
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平均勤続年数12.5年(単体)
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平均年収12,595,575円(単体)
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平均年収の
対前年増減率3.4%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 企業戦略に関連する人材戦略
人材戦略については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 4.人的資本に関する戦略・指標と目標」に記載のとおりであります。
② 従業員給与・報酬の額や内容の決定に関する方針
ア.給与・報酬制度の位置づけ
当社グループにおいて、報酬とは「人材投資」そのものと捉えております。積極的な昇給等の処遇水準の引上げは、エンゲージメントの高い社員が、専門性と生産性の追求を通じて企業価値の向上に寄与し、さらなる「人材投資」へと繋がる好循環を生み出すものと考えております。
イ.給与・報酬体系の概要
・当社ならびに最大人員会社である損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」といいます。)およびSOMPOケア株式会社(以下「SOMPOケア」といいます。)のいずれにおいても、能力発揮や人物本位を重視した設計としており、担う職務・期待役割・職責によって定める等級(グレード、ランク等)によって、社員一人ひとりの役割・職責を明確化し、期待役割に対する発揮度・貢献度が処遇に反映される、公正かつ透明性の高い人事制度を構築しております。特に当社では、ジョブサイズ(職務の大きさ・難易度)および国内外の市場水準、また職種によっては保有・発揮する専門スキル等を踏まえ設計しており、市場競争力の維持と社員のモチベーション向上を図っております。
・評価制度は絶対評価を基本とし、社員一人ひとりの行動発揮や成果を中心に適正かつ公正に評価する仕組みを採用しております。なお、賞与に関しては、個人評価の結果と併せて会社業績の状況を総合的に勘案し、社員の貢献度に応じて適切に反映しております。これにより、個人の成果と会社全体の業績向上を連動させた報酬体系を実現し、社員の成長意欲および企業価値向上を促進しております。
・さらに、グループ横断での取組みとして、2026年7月に、グループ全体の一体感醸成および社員のオーナーシップ向上を目的として、当社および国内グループ会社の社員を対象に株式報酬制度(ストックインセンティブ)を導入する予定であります。これにより、社員の会社業績および株価の上昇に対する意識をより一層高め、企業価値向上と社員の豊かさが連動する仕組みの構築を目指しております。
ウ.昇給等を含む給与・報酬水準に関するグループ基本方針
報酬の水準や昇給等の決定にあたっては、法令の改正等を含めた外部環境、業績、また、各事業の業種・マーケットにおける昇給トレンドや方針を踏まえて、以下の観点から総合的に検討することとしております。
a.「変革へのチャレンジ・価値創造の後押し」
現状維持バイアスを捨て、社員一人ひとりの変革へのチャレンジや価値創造を後押しし、結果として現場で活躍している社員、活躍が期待される社員などを中心として、メリハリのある戦略的な配賦を行う。これにより、グループの持続的な成長と新たな価値創造、変革を実現する。
b.「エンゲージメントとビロンギングの醸成」
社員一人ひとりの高いエンゲージメント、成長や貢献が、企業の成長・企業価値の向上へ直結するという相互依存関係にあることを全役職員が自覚し、社員と企業がともに成長をしていく価値観を共有する。
c.「内発的満足感の向上」
金銭的な外的報酬はもとより、自律的なキャリア形成、自律的な学び・成長の支援、活躍の場の機会提供、仲間との共創ムーブメントを仕掛ける等、内的報酬を意識した「人材投資」を行うことで、社員一人ひとりが、やりがい、達成感、人間関係から得られる社会的・内発的満足感を向上できるようにする。
d.「生活水準の維持・向上」
各社の報酬水準を踏まえ、相対的に低い水準の社員層に対する配賦を行うなど、社員の生活水準が維持・向上できるようにする。
昇給等の処遇水準の引き上げとともに、生産性向上を効果的に推進するために、更なる生産性の向上、リスキリング・自己研鑽の推進、デジタル・データ・AIの活用等を通じて働き方やオペレーションモデルの変革も含めた生産性向上にチャレンジし、「人材投資」との相乗効果を図ってまいります。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、就業人員数であり、当社グループ会社との兼務者を含んでおります。
2 従業員数の( )内には、臨時従業員の年間の平均雇用人員数を外数で記載しております。
3 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
② 提出会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、就業人員数であり、当社グループ会社との兼務者を含んでおります。なお、執行役員(委任型)は含んでおりません。
2 従業員数の( )内には、臨時従業員の年間の平均雇用人員数を外数で記載しております。
3 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
4 提出会社の従業員は、すべて「その他(保険持株会社等)」に属しております。
5 平均年間給与には、賞与および基準外賃金を含んでおります。
③ 最大人員会社の状況
ア.当事業年度における従業員数が最も多い会社
損害保険ジャパン株式会社
(2026年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、就業人員数であり、当社グループ会社との兼務者を含んでおります。なお、執行役員(委任型)は含んでおりません。
2 従業員数の( )内には、臨時従業員の年間の平均雇用人員数を外数で記載しております。
3 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
4 従業員は、すべて「国内損害保険事業」に属しております。
5 平均年間給与には、賞与および基準外賃金を含んでおります。
イ.上記アの会社の次に従業員数が多い会社
SOMPOケア株式会社
(2026年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、就業人員数であり、当社グループ会社との兼務者を含んでおります。なお、執行役員(委任型)は含んでおりません。
2 従業員数の( )内には、臨時従業員の年間の平均雇用人員数を外数で記載しております。
3 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
4 従業員は、すべて「介護事業」に属しております。
5 平均年間給与には、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
当社には労働組合はありません。
なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注)1 管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号、以下「女性活躍推進法」といいます。)の規定に基づき算出したものであります。
2 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 管理職に占める女性労働者の割合は2026年4月1日現在の実績、その他の指標は当事業年度の実績を記載しております。
4 労働者の男女の賃金の差異が生じている主要因は、相対的に賃金水準が高い管理職の男性比率が高いためであり、職務等が同じである場合は、性別による賃金の差異は発生しない給与制度となっております。
5 前事業年度における「労働者の男女の賃金の差異」について、一部の労働者の雇用区分が女性活躍推進法に定める定義に準拠しておりませんでした。正しい雇用区分に基づく前事業年度の数値は以下のとおりであります。
全労働者:71.6%、正規雇用労働者:76.6%、パート・有期労働者:10.9%
② 連結子会社
(注)1 管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、同法に基づき公表を行う会社のみ数値を記載しております。
2 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであり、同法に基づき公表を行う会社のみ数値を記載しております。
3 管理職に占める女性労働者の割合は2026年4月1日現在の実績、その他の指標は当事業年度の実績を記載しております。
4 労働者の男女の賃金の差異が生じている主要因は、各社によって異なりますが、男女間における全国転勤型であるか否か、職種、管理職人数または短時間勤務者等の人数の差異等によるものであり、従業員区分、職種、職務、役職および勤務時間等が同じである場合は、いずれの会社においても性別による賃金の差異は発生しない給与制度となっております。
当社グループでは、あらゆる階層におけるジェンダーギャップの解消を目指し、女性管理職・管理職候補を対象とした社内外のメンタープログラムや、外部研修派遣をはじめとした育成支援策を実施しております。
また、社員の育児や介護と仕事の両立に向け、育休者の復帰直前における両立不安の払拭と所属長のさらなる理解促進に向けた「育休者フォーラム」をグループ横断で実施するとともに、2025年度には、当社や損保ジャパンをはじめとしたグループ会社において、家族の介護による離職を未然に防ぐべく、SOMPOウェルビーイング株式会社が提供する仕事と介護の両立支援サービス「ウェルビオBiz」を導入しております。
くわえて、多様なバックグラウンドや価値観を持つ社員が、互いに尊敬し、学び、高めあい、性別・障害の有無・人種・国籍・年齢等に左右されることなく活躍できるカルチャーの醸成に継続して取り組むなか、2025年度は、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の真の実践に向けたグループ横断イベント「SOMPO DEI Days」を4年連続で開催しました。今後も多様な人材が活躍するインクルーシブな組織を目指し、継続して取り組んでまいります。
(5) 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は使用人その他従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を2026年7月に導入予定であります。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容 株式給付信託(J-ESOP)」に記載のとおりであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。また、文中の目標値等の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情などを基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
サステナビリティ関連情報開示
1.サステナビリティ関連財務開示の作成方法
(1)全般的情報
本サステナビリティ関連財務開示は、当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)を報告期間として作成しております。 また、本サステナビリティ関連財務開示の公表承認日、承認者は有価証券報告書と同一であります。
(2)当社グループのビジネス・モデルとサステナビリティ関連のリスクおよび機会
① 当社グループのビジネス・モデル
当社グループは、中期経営計画の取組みの加速に向け、2025年度より以下の二つのビジネス領域による執行体制をとっております。
(SOMPO P&C)国内損害保険事業・海外保険事業
(SOMPOウェルビーイング)国内生命保険事業・介護事業・その他ウェルビーイング
また、これらのビジネス領域において、当社グループが持続的に成長するために取り組むべき財務・非財務両面におけるマテリアリティ(重要課題)を以下のとおり特定しております。
<SOMPOグループのマテリアリティ>
■SOMPOが解決を目指す社会課題
・リスクにおびやかされることのない未来への貢献
・少子高齢化にともなうお客さまの不安の解消
・SOMPO Earth Positive Actions
■課題解決を可能にする土台
・デジタル・データ・AIの戦略的利活用
・人間尊重・SOMPOの価値観(誠実・自律・多様性)の体現
② サステナビリティ関連のリスクおよび機会の識別
上記のビジネス・モデルの中で、特に当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスクおよび機会として、次のリスクおよび機会を識別しております。
人的資本関連
・「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」の低下/向上<リスク/機会>
気候関連
・気象災害による保険引受収支の悪化<リスク>
・政策移行に伴う運用資産の価格変動<リスク>
・環境配慮型商品・サービスの提供機会の増大<機会>
・レピュテーションの向上<機会>
当社は、これらのリスクおよび機会の影響が生じると合理的に見込み得る時間軸について、「短期」、「中期」および「長期」をそれぞれ短期(2~3年以内)、中期(4~10年未満)および長期(10年以降)と設定しております。これは、当社グループが業績に関する経営数値目標を設定する期間(短期)と、当社グループが定性的に掲げるビジョンの達成年限(中期)、それ以降の期間(長期)と整合させて設定したものであります。
2.ガバナンス
(1)取締役会の監督
当社では、 取締役会が、グループ全体の人的資本、気候変動を含むサステナビリティに関するリスクおよび機会を監督する責任を負っております。また、取締役のスキルマトリックス※において、人材戦略や気候関連を含むサステナビリティ(ESG・SDGs)に関して有益な助言・監督を期待する取締役を明示しております。これらの取締役の中には、サステナビリティに関する高度な知見を有する有識者や専門家が含まれており、取締役会におけるサステナビリティの議論を主導するなど、取締役会全体として十分なスキルおよびコンピテンシーが確保されていると判断しております。
※取締役スキルマトリックス(https://www.sompo-hd.com/company/summary/skillmatrix)
取締役会は、グループ全体の戦略や方針を定めるとともに、パーパス実現に向けた執行状況を監督しており、取締役会の監督範囲の中には、人的資本、気候関連を含むサステナビリティに関するリスク・機会とそれらに関連するトレードオフの考慮も含まれております。
なお、取締役の報酬制度には気候関連のパフォーマンス指標は含まれておりません。人的資本に関しては、人的資本関連のリスク・機会を踏まえた人材戦略の策定・実行を所管するグループCHRO(Chief Human Resource Officer)の2025年度のパフォーマンス指標に含まれております。
(2)経営者の役割・取締役会の監督を支援するために設置された委員会
当社では、 グループ・チーフオフィサー(以下「グループCxO」といいます。)が各領域における高い専門性をビジネス領域横断で発揮し、グループベストを追求する「グループCxO制」を採用することで、敏捷かつ柔軟な意思決定および業務執行ならびに権限・責任の明確化を図っております。
① 気候変動(全般)
気候変動のリスク・機会に関しては、当社グループのサステナビリティ領域を所管するグループCSuO(Chief Sustainability Officer)が責任を担っております。
また、グループCSuOを議長とする「グループサステナブル経営推進協議会」において、関連するリスク・機会を踏まえた対応について協議することで、グループCSuOの意思決定を支援するなど、当社グループ全体のサステナビリティ推進体制を構築しております。くわえて、グループCSuOの業務執行のサポート機能としては、サステナブル経営推進部を設置しております。
グループサステナブル経営推進協議会の協議状況を含むグループCSuOの業務遂行状況は、重要なトピックが生じた都度、グループCEO、グループCHRO等から取締役会に報告され、取締役会が気候変動のリスクおよび機会への対応状況等を監督できるよう努めております。
また、社外取締役に対しては、「統合レポート」「有価証券報告書」「IR説明会資料」など、各種情報提供にも努めております。くわえて、取締役で構成される監査委員会は、気候関連リスク・機会に関する目標の設定・進捗を含む当社グループの重要課題への取組状況をモニタリングする役割を担っており、モニタリングの実効性を高めるために、執行からの情報提供に努めております。
② 気候変動(リスク)
当社グループのリスク管理については、取締役会が定める「SOMPOグループERM基本方針」に基づいてリスクコントロールシステムを構築しております。グループCRO(Chief Risk Officer)は、グループのリスク管理領域の最高責任者として各事業が抱えるリスクを網羅的に把握・評価し、そのうち気候変動を含む当社グループに重大な影響を及ぼす可能性がある重大リスクについては、グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議の下部組織であるグループERM委員会においてコントロールの状況を確認・議論したうえで、半年ごとに取締役会およびグループ執行会議等に報告しております。
③ 人的資本
人的資本については、グループCHROが人事領域の最高責任者として、人的資本の最大化に向けた人材戦略の策定・実行の役割を担っております。くわえて、グループCHROの業務執行のサポート機能として人事部を設置しております。
グループCHROは、国内・海外の主要事業会社のCHROが参加するCHROミーティングや国内グループ会社の人事担当役員が参加するグループ人材戦略会議を定期的に開催し、グループ人材戦略やその進捗について協議を行っております。
グループCEOは、グループCHROを含む各役員の管掌領域のうち重要なものについて、四半期に一度、取締役会において報告を行っております。
3.リスク管理
(1)サステナビリティ関連のリスクの識別等ならびにモニタリングを行うためのプロセスおよび関連する方針
① 人的資本関連
当社は、「重大リスク管理」の枠組みで、人的資本リスク含めた当社グループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行ったうえで、リスクコントロールを実施しております。なお、詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
② 気候変動関連
ア.気候関連のリスクと機会
気候変動による自然災害の激甚化や発生頻度の上昇、干ばつや慢性的な海面水位の上昇などの「物理的リスク」のみならず、脱炭素社会への転換に向けた法規制の強化や新技術の進展が産業構造や市場の変化をもたらし、企業の財務やレピュテーションに様々な影響を与える「移行リスク」が顕在化する可能性があります。また、これらのリスクに付随して、企業の事業活動に起因する気候変動影響や炭素集約度の高い事業への投融資、不適切な開示などによる法的責任を追及する気候変動訴訟が発生しており、当社グループの損害保険事業における賠償責任保険の支払保険金を増大させる可能性があります。一方で、自然災害リスクの認識の強まりや社会構造の変革は、新たなサービス需要の創出や技術革新などのビジネス機会をもたらします。
イ.リスク管理
当社グループは、グループのパーパスおよび経営計画における目指す姿の実現に向けて、その達成確度を高めるためにリスクアペタイトフレームワークを構築し、「取るリスク」、「回避するリスク」を明確にしております。
自然災害リスクについても、リスクアペタイトを明確化するとともに、自然災害が発生した場合に想定される保険金支払を気象学等の科学的知見や当社グループの商品特性を踏まえて定量的に把握したうえで、財務健全性や収益性、利益安定性への影響、再保険マーケットの動向等を踏まえて、再保険方針およびグループ全体のリスク保有戦略を策定し、管理しております。
気候変動リスクは、戦略的リスク経営(ERM)のリスクコントロールシステムの重大リスク管理、自己資本管理、ストレステスト、リミット管理、流動性リスク管理の枠組みにおいて、多角的なアプローチでコントロールしております。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2)主要なリスク」を参照ください。
当社グループは、気候変動リスクフレームワークを通じた短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会の評価、これらに基づくシナリオ分析(物理的リスク・移行リスク)を実施するとともに、これらのリスク・機会へのレジリエンス(強靭性)を高めるための各種取組みを行っております。
ウ.気候変動リスクフレームワーク(気候変動リスクの特定、評価および管理)
気候変動リスクについては、気候変動が保険事業以外を含めた当社グループの事業の様々な面に影響を及ぼすこと、その影響が長期にわたり、不確実性が高いことを踏まえて、既存のリスクコントロールシステムを補完し、長期的な気候変動が様々な波及経路を通じて当社グループに影響を及ぼすシナリオを深く考察してリスクを特定・評価および管理するための気候変動リスクフレームワークを構築しております。
気候変動リスクフレームワークでは、気候変動の複雑な影響を捕捉するために、以下の3ステップで評価を行い、「5. 気候変動に関する戦略・指標と目標 (1)気候変動に関する戦略」にリスクおよび機会を整理しております。
また、気候変動リスクフレームワークを通じて得られた知見を、既存のリスクコントロールシステムの枠組みである自己資本管理、ストレステスト、リミット管理、流動性リスク管理に反映させていくことで、リスク管理全体の高度化を図ってまいります。
(2)サステナビリティ関連の機会の識別等およびモニタリングを行うためのプロセス
気候関連の機会に関しては、重大リスク管理におけるアセスメントや気候変動リスクアセスメントに加えて、保険引受WGや資産運用WGにおける関連部門からの報告内容や各事業における取組みの進捗状況を、グループサステナブル経営推進協議会で共有・議論することにより、シナリオ分析を用いない方法で、機会の識別、評価、優先順位付け、モニタリングを行っております。
人的資本の機会に関しては、海外も含む主要事業会社のCHROが参加するCHROミーティングや国内グループ会社の人事担当役員が参加する人材戦略会議にて、定期的に協議や人材戦略の進捗共有の場を設け、機会の識別、評価、優先順位付け、モニタリングを行っております。
4.人的資本に関する戦略・指標と目標
(1)人的資本に関する戦略
① 人的資本関連のリスクおよび機会の識別
SOMPOのパーパス実現に向けたグループ経営戦略および各ビジネス領域における事業戦略実行における人的資本に関するリスクと機会に関し、以下の「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」の低下・向上を特定しております。
(人的資本における主要なリスクおよび機会)
「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」の低下・向上 (時間軸:中期)
<リスク>
人材戦略の実行が滞り、「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」が低下すると、提供する商品・サービスの品質低下、組織全体の生産性低下を招くおそれがあります。
社員の貢献意欲や成長意欲が低下し、自律的な学びやチャレンジが減退することで、イノベーション創出やビジネス・モデル変革を実現することができません。くわえて、優秀な人材の確保・定着も困難となり、企業としての競争力の低下につながります。
<機会>
人材戦略の実行により、社員の「働きやすさ」の充実を土台とし、「社員と組織の成長」を促進することで、一人ひとりの「働きがい」が高まります。
社員一人ひとりの想い・志(MYパーパス)を起点とした、自律的な学びやチャレンジの機会を提供することで、スキル・専門性が高まるとともに、エンゲージメントが向上し、組織全体のパフォーマンスが向上します。結果として、お客さまへのさらなる価値提供・新たな価値創出に繋がり、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を実現します。
② 人的資本関連のリスクおよび機会が企業のビジネス・モデルおよびバリュー・チェーンに与える影響
当社グループが経営戦略を遂行するうえで、人的資本に関するリスクおよび機会が、各ビジネス(SOMPO P&C、SOMPOウェルビーイング)に対して与えている(与えると予想される)影響は以下のとおりであります。
<SOMPO P&C>
損害保険事業における収益力および提供価値の向上には、アンダーライティングをはじめとする高度な専門性が不可欠です。オフィス環境・ウェルビーイング・多様な人材が活躍できるインクルーシブな企業文化など、あらゆる面から「働きやすさ」を整備し、社員の専門性向上を図るとともに専門人材の獲得と定着につなげ、組織全体の専門性向上(「社員と組織の成長」)を可能にします。
また、「働きやすさ」の実現には、AI利活用への投資も不可欠であり、AIを活用した業務の飛躍的な生産性向上と、AIをドライバーとしたビジネス・モデル変革は、収益性に大きな影響を及ぼします。
<SOMPOウェルビーイング>
SOMPOウェルビーイングにおいても、生命保険事業をはじめとし、社員の高度な専門性が不可欠であり、損害保険事業同様「働きやすさ」「社員と組織の成長」が大きな影響を及ぼします。
介護事業は、労働集約型の産業であり、業界全体で人材不足が深刻な課題です。AIの利活用を進めることで業務効率化を図るとともに、社員は「人にしかできない」業務に集中することができます。
また、両ビジネスともに、自律的な学びやチャレンジの機会を提供し、貢献実感・成長実感を生む「働きがい」を最大化することがパフォーマンス向上につながります。
③ 人的資本関連のリスクおよび機会の財務的影響
人的資本に関するリスクおよび機会は、中期的な時間軸で当社グループの企業価値に影響を及ぼすものと認識しております。当報告期間においても、これらのリスクおよび機会が財務業績やキャッシュ・フローに影響を与えたことが想定されますが、関連する要因が複雑かつ多岐にわたるため、その影響度を個別に定量化することは困難であります。そのため、当報告期間における直接的な定量情報は記載しておりません。
中期的に生じる財務的影響の例としては、SOMPO P&Cにおいて、専門性向上、専門人材の獲得・定着が、アンダーライティング等の質の向上を生み、収益および利益の拡大につながります。
また、現在、300億円規模の「SOMPO人材ファンド」を活用した人材投資を実行しておりますが、これらの投資や各種取組みは、当社グループの収益および利益に貢献するものであります。この進捗を把握し、実効性のある人材戦略を実行するため、当社グループではエンゲージメントスコアほか、主要な指標の実績を定期的に確認・分析しております。
④ 人的資本関連のリスクおよび機会が企業の戦略および意思決定に与える影響
当社グループでは、SOMPOのパーパス実現に向けたグループ経営戦略および各ビジネスの事業戦略実行上の人的資本に関するリスクおよび機会を踏まえ、グループ人材戦略を策定しております。
また、人材戦略の策定・実行においては、人的資本に関するリスクと機会のトレードオフを考慮しております。「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」の向上に向けた取組みを通じ、社員一人ひとりがスキル・専門性を高め、キャリアオーナーシップを発揮することは、一方で育成・採用した高度な専門性を有した人材が社外へ流出するリスクがあることを認識しております。
しかしながら、労働市場の流動化が加速するなかでも、「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」向上への継続した取組みこそが、社員のエンゲージメントを高め、会社と社員の「選び・選ばれる関係」を強固にするものと考え、引き続き取組みを進めてまいります。
<SOMPOグループ人材戦略>
前項にも記載のとおり、当社グループでは「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」を向上することで、価値創造を最大化し、持続的な成長を目指すとともに、SOMPOのパーパス実現を目指してまいります。
中期経営計画(2024年度~2026年度)では「すべての社員にとって誇りと幸せを実感できる」、「自律的なキャリアや成長が実感できる」、「MYパーパスを追求できる」をキーワードに、人事制度を整備するとともに、取組みを拡充しております。この過程においては「グループ人材強化」、「コーポレートカルチャー変革」、「人事制度の進化と人材基盤の拡充」を重点戦略として位置づけ、取組みを進めています。
●グループ人材強化(「社員と組織の成長」促進)
当社グループの経営戦略の遂行に必要な人材ポートフォリオを明確にし、さらなる人材強化を進めております。その核となる施策として、2024年度に300億円規模の「SOMPO人材ファンド」を設立し、人的資本への投資を大幅に拡大しております。
2025年度からは、「AI(活用スキル)」と「英語(対話スキル)」をSOMPOグループ共通スキルと定め、役員・マネジメント層の必須要件を定義するとともに、当該領域への人材投資を強化しております。AI活用においては、生産性の飛躍的向上と人とAIが協働する「新しい働き方」への転換を目的として、AIツール「SOMPO AI エージェント」を国内グループ会社において実証運用を開始しております。
また、社員が現在や将来のキャリア形成に必要なスキルを得る機会を自ら選定・会社に補助を申請する仕組みを、損害保険ジャパン株式会社(以下「損保ジャパン」といいます。)、SOMPOひまわり生命保険株式会社(以下「SOMPOひまわり生命」といいます。)、当社をはじめグループ各社にて導入し、社員の自律的な学びを応援する仕組みを強化しております。
さらには、グループ全体での専門人材の質・量を高めるために、グループ内で専門人材を共有する人材プール「SOMPO Professional Pool」を構築し、グループ横断での高度な専門性の共有と伝播を図っております。
各ビジネス領域においても、専門性向上に向けた育成・採用等を強化しております。例えば、国内損害保険事業では、コマーシャル営業の変革・進化に向け、目指す姿を具現化し、アンダーライティング等の専門性向上につながる人材強化施策を大幅に拡大しております。
●コーポレートカルチャー変革(「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」の出発点)
当社グループでは、再言語化したパーパスをはじめとするグループ企業理念体系を核とし、「社員が声をあげられる、多様な意見が受け入れられる」コーポレートカルチャーを目指しております。
新たな企業理念体系においては、グループすべての役員・社員が大切にしたいものの根幹を成す「誠実」「自律」「多様性」を「SOMPOの価値観」として定め、パーパス実現に向けてグループ全体で取り組んでいくうえでの判断・行動の拠り所としております。
また、この「SOMPOの価値観」を起点に、日々の期待行動を導きだし、「グループ共通コンピテンシー」を整合的に見直しました。これをグループ全体で、役員選任、マネジメント登用、評価や採用の基準に反映し、浸透を図るとともに実効性を高めております。
2025年度には、当社、損保ジャパン、Sompo International Holdings Ltd.(以下「SIH」といいます。)およびその傘下会社において共通のインナーコミュニケーションツールを導入しました。こうした取組みを通じ、当社グループ内のコミュニケーションをさらに活性化し、共創を通じ価値創造を加速する「つなぐ・つながる」をグループ全体で実現してまいります。
●人事制度の進化と人材基盤の拡充(「働きやすさ」「社員と組織の成長」促進)
「グループ人材強化」や「コーポレートカルチャー変革」を下支えし、社員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援する、グループ横断での人事制度・人材基盤の整備を進めております。
2025年4月からは、自律的なキャリア形成と専門性強化を目的としたジョブ型人事制度のグループ統合・進化に向け、当社と損保ジャパンのジョブ型人事制度を共通化しました。また、社員が自らキャリアを選択・形成できる環境を強化すべく、グループ横断の人材戦略プラットフォーム(タレントマネジメントシステム)の構築を進めております。
くわえて、今後も社員の価値観やライフスタイルの多様化が進む中、一人ひとりの社員が自身のキャリア観やライフイベントに応じて柔軟に働き方を選択できる環境を整備してまいります。
社員の健康維持・増進に向けては、グループ全体でのウォーキングイベント「SOMPOウォーク」を2025年度に開催しました。日常的な運動習慣の促進や歩数に応じたNPOへの寄付を通じた社会貢献を組み合わせた参加型の施策として、グループ会社間の交流促進にもつながっております。また、当社グループの管理職向けのラインケア研修を実施し、メンタルヘルス不調の未然防止や安心して働ける職場環境づくりを推進しております。
さらには、グループ全体の一体感醸成およびグループ社員のファイナンシャル・ウェルビーイングの向上を目的に、国内グループ会社30社以上、社員最大約5万人を対象とする株式報酬制度を2026年7月に導入する予定であります。
(従業員給与・報酬の額や内容の決定に関する方針)
当社、損保ジャパン、SOMPOケア株式会社(以下「SOMPOケア」といいます。)の従業員給与・報酬の額や内容の決定に関する方針につきましては、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等 ②従業員給与・報酬の額や内容の決定に関する方針」に記載のとおりであります。
●人材戦略の効果の可視化に向けて~生産性指標の導入~
(「働きがい」および「価値創造」最大化)
これらの取組みを基盤とし、社員が誇りと幸せを実感しながら、活躍・成長できるよう、当社グループでは、国内・海外共通で、エンゲージメントサーベイを実施し、その結果を基軸とした、組織のPDCAサイクルを構築しております。
くわえて、これらの人材戦略の取組みが生み出す、中・長期的な効果を可視化するため、2つの生産性指標(社員一人当たりの価値創造の大きさを示す「労働生産性」と、人材投資のリターンを示す「人的資本ROI」)を2025年度より導入しました。これらの指標は単年度での増減のみで評価するのではなく、中・長期的な視点から、人材戦略に基づく取組みを評価し、改善につなげることを企図しております。
なお、生産性指標の2025年度実績は、2026年8月発行の当社統合レポートで開示予定であります。
⑤ 人的資本関連のリスクに関連する企業の戦略およびビジネス・モデルのレジリエンス
人的資本リスクに関連する戦略およびビジネス・モデルのレジリエンスについては、人材戦略に紐づく、エンゲージメントスコアほか主要な指標の実績を継続的にモニタリングすることでリスクの兆候を把握し、必要な対策を講じるための判断材料としております。これらは、会社や組織単位でのPDCAサイクルに加え、人的資本における主要な意思決定の場であるCHROミーティングやグループ人材戦略会議等で、経年実績を含め確認と議論をしております。
さらには、人的資本に関するインシデントが発生した場合、その都度、要因分析と対策を実行する体制を構築するとともに、インシデントを未然に防止する取組みも強化しております。具体的には、働きやすさを損ねるハラスメントに関し、ハラスメント認定件数の対前年比削減を主要なKPIとして掲げ、ハラスメントの未然防止の取組みを推進しております。その一環として、発生原因と発生後の対策について、ハラスメント発生メカニズムを分析し、意識改革、予兆把握、予防、処分の厳格化など包括的に対策を講じました。一例として、2025年度に懲戒関連規程を改定し、懲戒等処分に該当するような具体的な不適正行為の内容やそれに対する懲戒方法を従来よりも明確化し、社員の意識向上を図っております。また、グループにおける全管理職を対象としたハラスメント防止研修を実施し、過去の事例を基にしたケース動画(行為者・被害者双方の視点を含む)を活用して正しい危機感の醸成を図るとともに、ディスカッションを通じて主体的な気づきと行動変容の促進を図っております。
こうした取組みを踏まえ、またエンゲージメントスコアほか主要な指標の実績における分析から、グループ全体、また、SOMPO P&C、SOMPOウェルビーイングの各ビジネス領域においても、特筆する問題は発生していないと評価しております。なお、エンゲージメントスコア実績は、続く「(2) 人的資本に関する指標と目標 ①人的資本関連の指標・目標」に記載のとおりであります。
(2)人的資本に関する指標と目標
① 人的資本関連の指標・目標
「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」に関連する主たる指標・目標・実績は下表のとおりであり、目標の概要と目標期間に関し、以下に記載しております。
<目標の概要>
当社グループは、人的資本に関するリスクおよび機会に基づき、「働きやすさ」「社員と組織の成長」「働きがい」の向上を目指し、関連する指標で目標を掲げ、実績を確認・分析するとともに、その主たる指標・目標を開示しております。
<目標期間>
各目標は、原則として中期経営計画期間(2024年度~2026年度)に適用されます。目標に対する進捗は、1年単位で測定・開示します。
<働きやすさ>
<社員と組織の成長>
<働きがい>
<備考>
※人的資本に関する主要なリスクおよび機会のうち、「働きやすさ」「社員と組織の成長」に関しては、日本国内と海外の雇用慣行の違い等を考慮し、日本国内グループ会社を対象とした指標を設定しております。「働きがい」に関しては日本国内グループ会社、海外グループ会社をともに対象とした指標を設定しております。
※人的資本に関する実績値のうち、当社および国内連結会社の平均年齢および平均勤続年数、従業員の年間平均給与およびその対前事業年度増減率、また管理職に占める女性労働者の割合・男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異等に関しては、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況および(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
※本指標の実績値は、第三者による保証は受けておりませんが、当社内での検証プロセスを経て、その正確性を担保しております。
指標の算定に用いた方法・指標の定義・指標の対象範囲
指標の算定に用いた方法と指標の定義、指標の対象範囲はそれぞれ以下のとおりであります。
・キャリア採用比率(相対指標)
(算定に用いた方法)
キャリア採用者数/全採用者数
(対象範囲)
当社、損保ジャパン
・男性育児休業取得率(国内グループ会社全体)(相対指標)
(算定に用いた方法)
男性社員のうち育児休業等を取得した人数/男性社員のうち対象事業年度に配偶者が出産した者の人数
(対象範囲)
当社、国内連結子会社
・公募型制度による異動者数/応募者数(絶対指標)
(算定に用いた方法)
公募型制度(当社グループ内で運営する公募制度、ジョブ・チャレンジ制度等)による異動者数/応募者数
(対象範囲)
当社、損保ジャパン、SOMPOひまわり生命、SOMPOケア
・チャレンジ指標(絶対指標)
(算定に用いた方法)
エンゲージメントサーベイにおけるチャレンジの実践を問う独自設問の平均スコアで算出(5段階評価)
(対象範囲)
以下、エンゲージメントスコアの対象範囲(国内)と同一であります。
・エンゲージメントスコア(絶対指標)
(算定に用いた方法)
エンゲージメントサーベイの平均スコアより算出(5段階評価)
(対象範囲(国内))
当社、損保ジャパン、SOMPOひまわり生命、SOMPOケア、他24社
(対象範囲(海外))
SIH、他15社
② 人的資本関連の指標の実績を踏まえた目標の進捗に関する分析
重点戦略である「グループ人材強化」、「コーポレートカルチャー変革」、「人事制度の進化と人材基盤の拡充」を中心としたさまざまな取組みの結果、各指標は上昇傾向にあります。
また、総合的に勘案し、「働きやすさ」「社員と組織の成長」を含めた「働きがい」を測定するエンゲージメントスコアは、国内・海外ともに高い水準を維持しており、今後も継続した取組みを進めてまいります。
5.気候変動に関する戦略・指標と目標
(1)気候変動に関する戦略
① 気候変動関連のリスクおよび機会の識別
当社は、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスクおよび機会として、次のものを識別しております。
<気候関連のリスクおよび機会・その影響が生じると合理的に見込み得る時間軸>
これらのリスクおよび機会の影響が生じると合理的に見込み得る時間軸の定義と戦略的意思決定に用いる計画期間との関係については、前述の「1. サステナビリティ関連財務開示の作成方法 (2)当社グループのビジネス・モデルとサステナビリティ関連のリスクおよび機会 ②サステナビリティ関連のリスクおよび機会の識別」に記載のとおりであります。
② 気候変動関連のリスクおよび機会が企業のビジネス・モデルおよびバリュー・チェーンに与える影響
上記のそれぞれのリスク・機会に関して、現在・将来の当社グループのビジネスに与えている(与えると予想される)影響、また、企業のビジネス・モデルおよびバリュー・チェーンにおいて、気候関連のリスクおよび機会が集中している部分は以下のとおりであります。
③ 気候変動関連のリスクおよび機会の財務的影響
ア.気候関連のリスク
「気象災害による保険引受収支の悪化」に関しては、保険収支の悪化により財務状況が悪化する可能性があると認識しております。しかしながら、気候変動による自然災害の激甚化の影響は、公表機関によって数字にばらつきがあり、不確実性が高いものとなっていることから、定量的情報は有用ではないと判断しております。
「政策移行に伴う運用資産の価格変動」に関しては、当社グループが保有する金融商品の価格は、政策移行公表時に変動する可能性があると認識しておりますが、実際の政策移行の度合いおよびその影響、当社グループの投資計画および資金計画の不確実性が高く、多くの前提条件がつく定量的情報は有用ではないと判断しております。
また、気候関連のリスクおよびその他の要因を踏まえた複合的な財務的影響を合理的に見積もることは困難であり、定量的情報は有用でないと判断しております。
イ.気候関連の機会
「環境配慮型商品・サービスの提供機会の拡大」「レピュテーションの向上」への対応に際しては、短・中・長期的に保険収益の増加が見込まれます。さらなる保険料収入増加やピュテーションの向上による購買行動の増加に向け、リスク・機会の管理を進めてまいります。
「環境配慮型商品・サービスの提供機会の増大」の当報告期間における企業の財政状態、財務業績およびキャッシュ・フローに与えた影響に関しては、後述の「(2) 気候変動に関する指標・目標」に記載のとおりであります。
「レピュテーションの向上」に関する、当報告期間において企業の財政状態、財務業績およびキャッシュ・フローに与えた影響、ならびに気候関連のリスクおよび機会を管理する企業の戦略を踏まえた、短期、中期および長期における、財務業績およびキャッシュ・フローに関する見込みについては、影響を見積るにあたり測定の不確実性の程度があまりにも高いことから、開示しておりません。
また、気候関連の機会およびその他の要因を踏まえた複合的な財務的影響を合理的に見積もることは困難であり、定量的情報は有用でないと判断しております。
ウ.関連する財務諸表
気候関連のリスクおよび機会が影響を与える可能性が高い、関連する連結財務諸表の行項目は以下のとおりです。
・<リスク>気象災害による保険引受収支の悪化:保険サービス損益
・<リスク>政策移行に伴う運用資産の価格変動:金融損益
・<機会>環境配慮型商品・サービスの提供機会の増大、レピュテーションの向上:保険収益、その他の営業収益
④ 気候変動関連のリスクおよび機会が企業の戦略および意思決定に与える影響
保険事業を主業とする当社グループにおいて、新しいリスクやニーズに対する保険提供が遅れることは、それ自体がリスクであり機会損失となります。当社グループでは、気候変動リスク・機会に対し複合的なアプローチを実践するため、2021年度より「SOMPO気候アクション」(気候変動への「適応」、「緩和」、「社会のトランスフォーメーションへの貢献」)を掲げ、各種目標を設定し、取組みを進めてまいりました。
2026年度からは、この「SOMPO気候アクション」を「SOMPO Earth Positive Actions」へとアップデートし、気候変動、生物多様性、循環経済のシナジーアプローチによる統合的な課題解決を目指しております。この新戦略では、地域ネットワーク、サステナビリティに関する国際ルール形成への貢献、環境人材育成といった、当社グループ独自の資源・強みを最大限活用し、「地域に根差した取組み」と「グローバルでの取組み」を展開してまいります。
ア.リスクと機会を管理するための目標
当社グループは、「(2)気候変動に関する指標・目標 ②温室効果ガス排出に関する開示 ク.温室効果ガス排出量目標およびその他の気候関連の目標に関する開示」に記載のとおり、気候変動関連のリスクと機会を管理するための目標を策定し、その進捗の管理を行っております。
イ.リスクおよび機会への対応策
上記の目標の達成および気候関連のリスク・機会への対応策は以下のとおりであります。
<参考:商品・サービスの提供例>
これらのうち、「気象災害による保険引受収支の悪化」に関しては、気象災害リスクを管理する部門やリスクに応じた保険商品の料率改定等に対応する部門、適切な再保険手配を実施する部門を設置するなど、要員を確保しております。
「政策移行に伴う運用資産の価格変動」、「環境配慮型商品・サービスの提供機会の拡大」および「レピュテーションの向上」に関しては、これらの活動を念頭に、「SOMPO気候アクション」ならびに「SOMPO Earth Positive Actions」を主導するサステナブル経営推進部を設置し、人員を配置、物件費を確保しております。
また、これらのリスク・機会への対応にあたり、再生可能エネルギー設備(風力、太陽光)やEV、蓄電池などの新技術はまだ事故データや損害データが蓄積されておらず、適切なリスク評価モデルや保険料率の設定が困難であるといった、技術のリスク評価の難しさ等のトレードオフを考慮しております。
なお、これらのリスク・機会への対応にあたり、現在のビジネス・モデルの変更に至るものは無いものの、今後も気候変動リスクアセスメントを通じて継続的に注視し、再保険戦略等に反映させてまいります。
⑤ 気候レジリエンス(気候関連シナリオ分析)
ア.シナリオの選定
当社グループは、NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)が公表するシナリオ(以下「NGFSシナリオ」といいます。)が国際的な標準シナリオとして広く参照されていることを踏まえ、これに準拠する形でシナリオを設定しております。NGFSシナリオの中から、発生可能性や影響度の高さに鑑み、下記のとおり性質の異なる3つのシナリオを選択しております。
また、当社グループに及ぼす影響の波及経路・内容のパターンを想定し、各シナリオについてパターンごとにリスクを評価することで、当社グループに及ぼす影響を深く考察し、当社グループのレジリエンスを様々な環境下で多角的に検証しております(「リスクの波及経路と影響内容のパターン図(例)」参照)。
<リスクの波及経路と影響内容のパターン図(例)>
イ.保険引受における物理的リスク
a. シナリオ分析の目的・内容
当社グループの損害保険事業は、台風や洪水、高潮などを含む自然災害の激甚化や発生頻度の上昇に伴う想定以上の保険金の支払いによる財務的影響を受ける可能性があります。損保ジャパンは、リスクの定量的な把握に向けて、2018年以降、大学等の研究機関と連携することで科学的知見を踏まえた取組みを進めており、「アンサンブル気候予測データベース:d4PDF(database for Policy Decision making for Future climate change)※1」などの気象・気候ビッグデータを用いた大規模分析によって、台風や洪水、海面水位の変化の影響を受ける高潮の平均的な傾向変化や極端災害の発生傾向について、平均気温が上昇した気候下での長期的な影響を把握するための取組みを行っております。また、5~10年後の中期的な影響を分析・評価し事業戦略に活用しております。
気候関連シナリオ分析においては、自社の分析だけではなく、損害保険料率算出機構(以下「料率機構」といいます。)の自然災害リスクモデル(以下「料率機構モデル」※2といいます。)も活用しています。料率機構モデルは、地震、風災および水災に関する基準料率・参考純率の算出や2026年3月期から新たに導入される経済価値ベースのソルベンシー規制の標準的なモデルとしても採用されている業界共通モデルであり、気候関連のシナリオ分析も可能となっています。料率機構モデルを用いたシナリオ分析の前提と当社グループの気候レジリエンス評価は次のとおりであります。
※1 文部科学省の気候変動リスク情報創生プログラムにて開発されたアンサンブル気候予測データベース。多数の実験例(アンサンブル)を活用することで、台風や集中豪雨などの極端現象の将来変化を確率的にかつ高精度に評価し、気候変化による自然災害がもたらす未来社会への影響についても確度の高い結論を導くことを可能とするもの。
※2 料率機構モデルの詳細は、料率機構ウェブサイト「自然災害リスクに関する研究」(https://www.giroj.or.jp/databank/natural_disaster.html)を参照
b. シナリオ分析の前提
・主要な仮定
将来における再保険マーケットの見通しは不透明であることから、元受契約への影響値を試算しております。
また、人口動態や都市構造の変化等を含む将来の契約ポートフォリオの変化、建物の強度や堤防・下水道の整備状況は現時点のまま変わらない前提としており、将来の防災・減災対策は考慮しておりません。
・実施時期
損保ジャパンは、当報告期間(2026年3月期)において、気候関連のシナリオ分析を実施しました。本分析は、2025年9月末時点で保有する火災保険契約を対象としております。
・シナリオ分析プロセスの変更有無
前報告期間ではUNEP FI(国連環境計画・金融イニシアティブ)のTCFD保険ワーキンググループが2021年1月に公表したガイダンスに基づく簡易な定量分析ツール※3を用いた台風に関する影響度の試算結果を開示しておりましたが、本報告期間から最新の知見を反映した料率機構モデルで分析を行っております。
※3 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書のRCP8.5シナリオに基づき、2050年と現在との間の台風の発生頻度や風速の変化をとらえ、頻度や損害額の変化を算出するモデル
c. シナリオ分析の結果からみる当社グループの気候レジリエンス、対応策
(a)シナリオ分析の結果と戦略への影響
損保ジャパンでは、温暖化進行についてのシナリオ分析を行い、国内の台風および水災のリスク量への影響を確認しております。
当社グループではパーパス実現に向けてレジリエンスのさらなる向上に努めており、その中には気候変動により激甚化する自然災害に対するレジリエンス、すなわち気候レジリエンスの向上も含まれております。特に自然災害の影響が大きい火災保険については、料率適正化の取組みに加え、規律ある引受の徹底と補償条件の見直しを通じて利益のボラティリティとリスク量の抑制を図ることでポートフォリオの改善に努める戦略を遂行しております。現在の戦略を継続しつつ、今後もシナリオ分析の結果を踏まえたレジリエンス向上策を実施してまいります。
(b)気候レジリエンスの評価において考慮された重大な不確実性
自然災害リスクモデルは、科学的な知見を用いて自然災害の発生メカニズムや損害発生度合いをモデル化したものであり、一般的に外部の研究機関や専門家の意見も踏まえて開発されております。過去に経験のない巨大災害を科学的シミュレーションにより評価を行うことが可能となっておりますが、観測データが十分でないため、真の発生確率や損害度合いから乖離する可能性があります。
気候変動影響の評価に用いている気候予測データであるd4PDFは、複数の将来気候予測モデルを使用しており、将来の海面水温の予測も複数のパターンが存在しております。パターンごとの気候変動による影響度合いを自然災害リスクモデルに当てはめてリスク量への影響を試算しておりますが、パターンによって結果に相応のばらつきがあり、将来予測の不確実性が高いことを意味しております。
(c)気候変動に対応する当社グループの能力と結論
(a)に記載のとおり、当社グループは、気候レジリエンスの向上に取り組み、対策を講じております。今後さらなる温暖化の進行が生じた場合においても、元受保険商品の販売戦略の転換(料率適正化や、規律ある引受の徹底、補償条件の見直しなど)や再保険戦略の見直し等を検討し、リスク量を抑制してまいります。
同時に、激甚化する自然災害に対する社会のレジリエンス向上のためには、自然災害による損害そのものを軽減させることが重要であり、「HIKESHI DNA 2030 Project」と連動し、気候変動を背景とする自然災害リスクに対する防災・減災の取組みを一層強化してまいります。
気候変動が将来のキャッシュ・フローや財務状況に与える影響の具体的な予測は不確実性が高く、現時点で見積もることは困難であります。気候変動影響を注視しつつレジリエンス向上の取組みを継続し、必要な対策を適時適切に実施することが不可欠だと考えております。これらの取組みにより、将来シナリオが現実に生じたとしても、持続的に商品提供が可能であると自己評価しております。
ウ.資産運用における移行リスク・物理的リスク・機会
脱炭素社会への移行が短期・中期・長期それぞれにおいて、当社グループに及ぼす財務的影響を把握するため、NGFSシナリオを前提に、脱炭素社会への転換に向けた法規制の強化や世界経済の変化が企業に及ぼす「政策リスク」と気候変動の緩和に向けた取組みによる「技術機会」、慢性的な猛暑、極寒、大雪、大雨、暴風、急性的な台風、洪水、自然火災など、気候変動がもたらす気象災害が企業に及ぼす「物理的リスク」について、MSCI社が提供するClimate Value-at-Risk(CVaR)※4を用いて、当社グループの保有資産に及ぼす影響を分析しております。詳細は、以下「(a)Climate Value-at-Risk(CVaR)NGFSシナリオ-保有資産別比較」および「(b)Climate Value-at-Risk(CVaR)NGFSシナリオ-短期・中期・長期のTime Horizon別比較」を参照ください。
くわえて、移行リスク削減に向け、脱炭素化への取組みが進んでいない企業への働きかけを促進することが重要であることから、同社が提供するImplied Temperature Rise(ITR)※5を用いて、当社グループの投資先企業が2100年度までに1.5℃の温暖化に抑える目標と整合的な温室効果ガス排出量削減目標を設定しているのかを定量的に分析しております。詳細は、以下「(c)Implied Temperature Rise(ITR)」を参照ください。
※4 Climate Value-at-Risk(CVaR)
•気候変動に伴う政策の変化や災害による企業価値への影響を測定する手法のひとつ。
•気候変動関連のリスクと機会から生じるコストと利益の将来価値を現在価値に割り引いたものであり、当社グループの資産運用ポートフォリオにおける各銘柄の保有時価ウェイトを考慮し、2025年3月末時点における影響度を算出。
※5 Implied Temperature Rise(ITR)
•2100年までに2℃、1.5℃の温暖化をもたらす可能性の程度を、度数(℃)で評価するフォワードルッキングな評価手法の一つ。
•投資先企業の温室効果ガス予測排出量(足元の排出量および企業が設定した削減目標をもとに算出)とカーボンバジェットの差分をもとに温度上昇への寄与度を表したものであり、当社グループの資産運用ポートフォリオにおける各銘柄の保有時価ウェイトを考慮し、2025年3月末時点における影響度を算出。
a.実施時期
当社は、当報告期間(2026年3月期)において、気候関連のシナリオ分析を実施しました。本分析は、2025年3月31日時点の株式・社債ポートフォリオを対象としております。
b.手法(インプット、主要な仮定、選択した理由など)
•分析の対象範囲
当社グループのすべての国内外連結子会社を対象とし、保有する株式・社債ポートフォリオについて分析を実施しております。
•分析の前提とした主要な仮定
分析の前提となる主要な仮定は、選択したNGFSシナリオで定義されている内容に準拠しております。これらのシナリオは、各国の気候政策の強度や導入タイミング(Policy reaction)、炭素除去技術(CDR)の導入度合い、物理的リスクの深刻度といった複数の変数に基づいて将来の世界像を描いております。当社の分析は、これらのシナリオが示す炭素価格、エネルギー需要、GDP成長率といったマクロ経済パラメータをインプットとして、ポートフォリオへの財務的影響を評価するものであります。なお、本分析においては、現時点の静的なポートフォリオを前提としており、将来の投資戦略の変更は加味しておりません。
※NGFSシナリオの各仮定の詳細については、NGFSが公表するドキュメントをご参照ください。上記シナリオに基づく財務影響の分析にあたっては、NGFSシナリオに対応した分析機能を有するMSCI社のClimate Value-at-Risk (CVaR)を用いております。
•インプット情報に関する情報
分析には、基準時点(2025年3月末)におけるポートフォリオの構成銘柄、保有時価、アセットクラスの情報に加え、上記で記載したNGFSシナリオが提供する各種マクロ経済・気候関連パラメータをインプット情報として使用しております。
•シナリオ分析プロセスの変更有無
当社が行ったシナリオ分析のプロセスは前報告期間から変更ありません。
c.シナリオ分析結果
(a)Climate Value-at-Risk(CVaR)NGFSシナリオ‐保有資産別比較
政策リスク、技術機会の影響は、すべての資産において、Net Zero 2050(1.5℃)シナリオが最大となり、1.5℃目標を達成するには、秩序だった移行であっても、政策リスクが大きいことが分かります。一方、物理的リスクの影響は、外国株式を除きNDCs(3℃)シナリオが最大となり、気温上昇がもたらす物理的リスクが大きいことが分かります。
また、保有資産別の比較では、政策リスク、技術機会の影響はいずれも国内株式(下記グラフ:左上)が最大となり、Net Zero 2050(1.5℃)シナリオ下においてそれぞれ△38.4%、6.9%となります。また、物理的リスクにおいても国内株式が最大となり、NDCs(3℃)シナリオ下において△8.6%となります。なお、融資は当社グループの影響が限定的であることを確認しております。
<当社グループ 資産別・NGFSシナリオ別 政策・物理的リスクと技術機会のCVaR分析結果>
• 政策リスク :温室効果ガス排出量削減目標を達成するために必要となる費用をスコープ1、2、3と段階ごとに算出した数値
• 技術機会 :低炭素経済への移行を背景に、企業が保有する環境関連技術が生み出す事業機会のポテンシャルを算出した数値
• 物理的リスク:慢性的または急性的な異常気象が企業の資産や売上にもたらす影響を算出した数値
(b)Climate Value-at-Risk(CVaR)NGFSシナリオ‐短期・中期・長期のTime Horizon別比較
短期・中期・長期のTime Horizon別の比較では、当社グループのポートフォリオにおいて、リスクの大部分は2034年以降に顕在化することがわかります。特に、Delayed transition(2 ℃)(Disorderly:脱炭素への急激な移行)シナリオでは2030年以降に急激な政策移行が想定されていることから、長期影響が顕著に現れます。また、政策リスクはNet Zero 2050(1.5℃)シナリオが△14.72%と最大となり、1.5℃目標を達成するには、秩序だった移行であっても、政策リスクが長期的にも大きいことがわかります。また、物理的リスクは気温上昇を伴うDelayed transition(2℃)シナリオとNDCs(3℃)シナリオで相対的に長期的な影響が大きくなりますが、1%未満と全体的な影響は限定的であります。
<当社グループ Time Horizon別 政策・物理的リスクと技術機会のCVaR分析結果>
(c)Implied Temperature Rise(ITR)
ITRが2℃未満の企業の割合は、国内株式、外国株式、国内社債、外国社債ポートフォリオの時価ベースでそれぞれ57%、100%、70%、87%、ITRが1.5 ℃ 未満の企業の割合は、40%、100%、53%、75%となっており、国内株式以外はパリ協定で掲げる「1.5℃目標」と整合的な企業が過半数を占めております。一方で、ポートフォリオ全体では、国内株式、外国株式、国内社債、外国社債のITRはそれぞれ2.24℃ 、1.18℃ 、2.18℃ 、2.44℃と、外国株式以外は1.5℃を超えております。
<当社グループ 資産別 ITR分析結果>
出所:MSCI Climate Value-at-Risk、Implied Temperature Riseを用いて当社が作成
(補足)ライセンス報告に関する通知および免責事項
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(d)分析結果から特定された主要なリスク・機会と対応策
●移行リスクが最も大きいセクター
・化石燃料関連セクター(石油・ガス、石炭): 脱炭素化の目標達成に向けた移行リスクが最も高いセクターであります。リスクが大きいセクターや企業は、投資・保険引受の制限や、排出削減目標を達成するためのエンゲージメントの主要な対象としております。
●物理的リスクの影響が大きいセクター
・農業、製造業、公益事業セクター: 物理的リスクの一環として、水不足による投資リターンへの悪影響を受けやすいセクターであります。リスクが大きいセクターや企業は、排出削減目標を達成するためのエンゲージメントの主要な対象としております。
●機会が最も大きいセクター
・運輸セクター:脱炭素化に向けた世の中の変化によって機会が生まれる可能性が高いセクターであります。これらの企業については、重点的にエンゲージメントを行い、企業の移行の促進や当社グループとの協業機会の創出に向けて取り組んでおります。
d.報告期間の末日における気候レジリエンスの評価
(a)シナリオ分析結果の戦略への影響
本シナリオ分析の結果は、当社グループの投資戦略における気候関連リスクの重要性を再確認するものとなりました。特に、移行リスクが高いと特定されたセクターへのエンゲージメントを強化し、投資制限の方針を継続・徹底するなど、既存の戦略の有効性を裏付ける結果となりました。今後も、本分析で特定されたCVaR値が特に高いセクターや企業については、エンゲージメントの優先順位を引き上げ、対話のテーマをより具体化するなど、既存戦略の実行を加速・高度化を行ってまいります。
(b)評価における重大な不確実性
当社のレジリエンス評価においては、特に「Delayed transitionシナリオにおける急進的な政策変更のタイミングと厳格さ」や、「低炭素技術の進化・普及の速度」が、将来の財務的影響を左右する重大な不確実性の領域であると認識しております。
(c)気候変動に対応する当社グループの能力と結論
当社グループは、健全な財務基盤と、本分析で特定されたリスク・機会を管理するための実効的なガバナンス体制を有しております。また、必要に応じてポートフォリオを機動的に再構築するための資本の柔軟性も有しております。
これらの能力を活かし、本分析で特定された移行リスクや物理的リスクの高いセクター・企業へのエンゲージメントを強化するとともに、機会が期待される領域へのサステナブル投資を加速させます。これにより、投資先・取引先企業の着実な移行を支援し、ポートフォリオ全体のリスク低減と収益機会の創出を図ります。
以上のことから、当社グループの戦略およびビジネス・モデルは、気候関連のリスクと機会に対してレジリエンスを有していると評価しております。
(2)気候変動に関する指標・目標
① 温室効果ガス排出量の測定方法等に関する開示
当社グループでは、スコープ 1 温室効果ガス排出およびスコープ 2 温室効果ガス排出、ならびに当社グループ全体のスコープ3 温室効果ガス排出について、「温室効果ガスプロトコルの企業算定および報告基準(2004年)」(以下「GHGプロトコル(2004年)」といいます。)に従って測定しております。
ア.温室効果ガス排出量の測定アプローチ
当社は、日々のオペレーションを管理し、省エネルギー施策などの削減努力を直接実行できる範囲を温室効果ガス排出量測定の対象範囲と一致させる趣旨に基づき、「経営支配力アプローチ」を選択する判断をしております。当該アプローチにおいて、省エネ等の削減努力を講じることができる事業所の排出量を算定対象とすることで、温室効果ガス削減量目標と日々のオペレーションが直結し、指標の信頼性を向上でき、的確な情報開示につながると考えております。
イ.温室効果ガス排出量の測定方法
当社は、次の方法により温室効果ガス排出量を測定しております。
(a)スコープ1 温室効果ガス排出
当社グループにおけるスコープ1 温室効果ガス排出の発生要因は、都市ガス、LPG、ガソリン、軽油、A重油、灯油、フロン漏洩によるもの等であります。
当社は、「GHGプロトコル(2004年)」に基づき、当連結会計年度における上述した発生要因の使用量に、当連結会計年度末において入手可能な環境省の「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」における排出係数を乗じることにより、スコープ1 温室効果ガス排出量を測定しております。ただし、フロン漏洩量は直接測定のため、排出係数を用いた見積りは行いません。
なお、スコープ1 温室効果ガス排出量の測定には、一部推計値が含まれております。
(b)スコープ2 温室効果ガス排出
当社グループにおけるスコープ2 温室効果ガス排出の発生要因は、電力、熱の使用であります。
・ロケーション基準
当社グループ国内拠点は、「GHGプロトコル(2004年)」に基づき、当連結会計年度における各拠点の電力と熱の消費量に、当連結会計年度末において入手可能な環境省の「電気事業者別排出係数」における全国平均係数を乗じることにより、スコープ2 温室効果ガス排出量(ロケーション基準)を測定しております。
さらに、当社グループ海外拠点は、「GHGプロトコル(2004年)」に基づき、当連結会計年度における各拠点の電力消費量に、原則として当連結会計年度末時点で公表されている各国法規等の固有の排出係数を乗じ、固有の排出係数を把握できない場合は、当連結会計年度末において入手可能な国際エネルギー機関(IEA)の国別排出係数を乗じることにより、スコープ2 温室効果ガス排出量(ロケーション基準)を測定しております。また、当該会計年度における熱使用量に、原則として当連結会計年度末時点で公表されている各国法規等の固有の排出係数を乗じ、固有の排出係数を把握できない場合は、当連結会計年度末において入手可能な「GHGプロトコル(2004年)」の国別排出係数を乗じることにより、スコープ2 温室効果ガス排出量(ロケーション基準)を測定しております。
当社グループは、ロケーション基準によるスコープ2 温室効果ガス排出量に加え、マーケット基準によるスコープ2 温室効果ガス排出量を開示することを選択しております。
・マーケット基準
当社グループ国内拠点および当社グループ海外拠点は、「GHGプロトコル(2004年)」に基づき、当連結会計年度における契約ごとの電力使用量・熱使用量に、原則として当連結会計年度の契約ごとの排出係数を乗じ、契約ごとの排出係数を把握できない場合は、当連結会計年度末において入手可能な環境省の排出係数を乗じることにより、スコープ2 温室効果ガス排出量(マーケット基準)を測定しております。
なお、スコープ2 温室効果ガス排出量の測定には、一部推計値が含まれます。
(c)スコープ3 温室効果ガス排出
当社は、スコープ3 温室効果ガス排出について、「温室効果ガスプロトコルのコーポレート・バリュー・チェーン(スコープ3)基準(2011年)」に定めるスコープ3 カテゴリーごとに分類したうえで、「GHGプロトコル(2004年)」に基づき、次の活動量および排出係数を用いた算出方法により測定しております。
ただし、スコープ3 カテゴリー15 投融資(ファイナンスド・エミッション)に関しては、Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)の定める算出方法を活用し、当社グループの温室効果ガス排出量を測定しております。
この際、サステナビリティ開示テーマ別基準第2号「気候関連開示基準」における「スコープ3 測定フレームワーク」に従い、当社グループの事業モデルに鑑みて影響度が高いと考えられるものを選択して、組み込むデータを決定しております。
また、スコープ3については、当社では原則として1次データを使用しており、スコープ3カテゴリー15のみ、外部ベンダーより入手した2次データを使用しております。検証されたデータは使用しておりません。
なお、カテゴリー1、3、6、7のスコープ3 温室効果ガス排出の測定には、一部推計値が含まれております。
(温室効果ガス排出の測定期間)
当社は、当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)を算定期間として温室効果ガス排出量を測定しております。ただし、スコープ3 カテゴリー15 投融資に関しては、2024年度末(国内は2025年3月末、海外は2024年12月末)に当社グループが保有する運用資産および投融資先企業の2024年度の排出量情報に基づき、温室効果ガス排出量を測定しております。
なお、スコープ1、2、3(カテゴリー15投融資を除く)の算出にあたって使用している活動量は、当該会計年度4月~12月については、実測値を使用しておりますが、当該会計年度1月~3月については、4月~12月の実測値に基づき算出した推計値を使用しております。
② 温室効果ガス排出に関する開示
(単位:t-CO2e)
(スコープ3 温室効果ガス排出の内訳に関する情報)
(単位:t-CO2e)
(ファイナンスド・エミッションに関する開示)
当社は、Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)の測定方法を活用し、スコープ3カテゴリー15 投融資(ファイナンスド・エミッション)における温室効果ガス排出量を測定しております。
測定にあたっては、MSCI ESG Research社が提供するデータ((カバー率)2024年度:上場株式86%、社債72%、いずれも時価ベース)を使用しております。対象資産は国内外の上場株式と社債の投資先におけるスコープ1、2であります。
温室効果ガス排出量は、投資先のEVIC(Enterprise Value Including Cash:現金を含む企業価値)ベースに対する当社グループ持分であります。
インテンシティは、投融資額1単位あたりの温室効果ガス排出量であります。なお、海外保険事業における投融資額は、2019年(基準年)の為替レートを用いて円貨計算しております。
ア.気候関連の移行リスクに関する開示
気候変動に係る移行リスクについて、脱炭素に向けた政策・法規制強化は新技術の開発・既存技術の陳腐化に対応するコスト増加等を背景に企業価値・金融市場に影響を及ぼすことが想定され、ひいては当社グループが保有する運用資産の価格に影響すると認識しております。運用資産のうち、特に株式は変動幅が大きいため、当社では株式を気候変動に対して脆弱な資産であると考えております。
当社では資産運用における移行リスクについて、NGFSが公表している「Delayed transition」・「Net Zero 2050」・「NDCs」の3つのシナリオ分析を実施しております。このうち、政策移行に伴う影響度が最大である「Net Zero 2050」シナリオにおいて、MSCI社が提供するClimate Value-at-Risk(CVaR)を用い気候変動関連のリスクと機会から生じるコストと利益の将来価値を現在価値に割り引き、当社グループの資産運用ポートフォリオにおける各銘柄の保有時価ウェイトを考慮したうえで2026年3月末時点における影響度を算出しております。そのうち、30%超の下落が発生する銘柄を脆弱な資産として特定しております。
※当社グループの保有株式の大宗は国内株式であり、国内株式のうちMSCIから投融資先の排出量データ等を取得できる銘柄を対象としております。
イ.気候関連の物理的リスクに関する開示
当社グループの火災保険は、火災のほか、台風による風災や豪雨による水災など、多くの自然災害による損害を補償しており、当社グループの気象災害による保険引受収支の悪化リスクに対し、特に脆弱性が高い事業活動であります。 2025年度において、国内損害保険事業の主要会社である損保ジャパンの火災保険の正味収入保険料は4,040億円であり、これは損保ジャパン全体の正味収入保険料の約17.5%を占めます。これらの保険種目は、気象災害の影響を直接的に受けやすく、将来的な気候変動の進行により、収益性悪化のリスクが高まると認識しております。
ウ.気候関連の機会に関する開示
気候変動対応への対応がますます必要とされるにつれ、環境配慮型商品・サービスに対するニーズ・提供機会が増加することが想定されると認識しております。
当社グループでは、SOMPOリスクマネジメントが気候変動対応を含む環境関連のリスクコンサルティングサービスを提供しており、自然災害の激甚化や、法規制の厳格化に伴い機会が増加する領域であると考えております。
エ.資本投下に関する開示
当連結会計年度における、気候変動に関するリスク・機会に投下された当社グループによるファイナンス又は投資は、以下のとおりであります。
※算定対象範囲は、損保ジャパン、SOMPOひまわり生命、SOMPOダイレクト損害保険株式会社、SIHおよびその傘下のグループ会社(Aspen Insurance Holdings Limitedが2026年3月に実施した投融資を含む)
オ.内部炭素価格に関する開示
当社グループでは、現時点で内部炭素価格を意思決定には用いておりません。
カ.報酬に関する開示
当社グループでは、気候関連を含むサステナビリティ関連の要素も、役員報酬のうち変動報酬(業績連動報酬)に組み込まれていますが、これを区分して識別することができません。
キ.その他の気候関連の指標に関する開示
ク.温室効果ガス排出目標およびその他の気候関連の目標に関する開示
当社グループは、投融資における温室効果ガス排出量の削減および脱炭素に資する保険商品・サービスの提供が、当社グループにとってのリスク低減と新たなビジネス機会の獲得につながるとの認識のもと、目標を設定しております。
投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量(スコープ3カテゴリー15)について、2050年の実質ゼロに向け、排出量を2025年25%削減(2019年比)、インテンシティを2030年50~60%削減(2019年比)する中間目標を設定し、移行リスク軽減に取り組んでおります。目標達成に向け、株式保有先のうち温室効果ガス高排出の上位20社を中心とするエンゲージメントやグループが保有する運用資産を入れ替える際の温室効果ガス低排出セクターへのシフトなどの取組みを進めております。
また、社会のグリーン移行へ貢献することを目的に、再生可能エネルギーや次世代エネルギーの普及に貢献する商品の展開に取り組んでおります。当社グループでは脱炭素に資する保険商品の保険料収入を2026年度に国内・海外合計で250億円にする「トランジション保険目標」を設定しております。
(*1)インテンシティは、投融資残高の増減などに影響を受けにくい指標です。投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を削減するだけではなく、投融資先や社会のグリーン移行を同時に促進していくため、温室効果ガス排出量の排出効率を示す指標として設定しております。
(*2)目標値は、パリ協定の1.5℃目標水準として、国際的な投資機関のイニシアティブ「NZAOA(ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス)」の指針に基づいて設定しております。
(*3)トランジション保険目標は当社グループが独自に設定した目標であります。
当社は、毎年、連結会計年度の期首に目標の変更の要否について検討を行っております。また、当社は、目標に対する進捗を把握するため、投融資の温室効果ガス排出量は削減率基準年(2019年度)比の削減率、トランジション保険目標は脱炭素に資する保険商品の元受保険料を用いてモニタリングしております。目標については第三者認証を取得しておりません。
これらの目標設定およびレビューは、グループCSuOを議長とするグループサステナブル経営推進協議会において協議し、適切性を確認しております。
また、目標の進捗のモニタリングについては、グループCSuOを議長とするグループサステナブル経営推進協議会において協議し、進捗を確認しております。
投融資の温室効果ガス排出量は、前述のとおり2024年度実績で1,469,598tCO2e(2019年比 29.1%減)となっております。