2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    199名(単体) 1,373名(連結)
  • 平均年齢
    46.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    22.0年(単体)
  • 平均年収
    6,830,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2025年3月31日現在

セグメントの名称

銀行業

その他

合計

従業員数(人)

1,228

[575]

145

[27]

1,373

[602]

 

(注) 1.従業員数は嘱託及び臨時従業員580人(銀行業552人、その他28人)を含んでおりません。

2.臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

 

(2) 当社の従業員数

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

199

46.00

22.00

6,830

[32]

 

(注) 1.当社従業員は主に株式会社荘内銀行及び株式会社北都銀行からの出身者であります。なお、従業員数には各子銀行との兼務者(株式会社荘内銀行7人、株式会社北都銀行8人)は含まれておりません。

2.当社の従業員は、すべて銀行業のセグメントに属しております。

3.臨時従業員数は、[  ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

4.平均勤続年数は、出身銀行等での勤続年数を通算しております。

5.平均年間給与は、2025年3月末の当社従業員に対して各社で支給された年間の給与、賞与及び基準外賃金を合計したものであります。

6.当社には従業員組合はございません。当社グループには、荘内銀行従業員組合(組合員数583人)、北都銀行職員組合(組合員数368人)、全国金融産業労働組合(組合員数1人)があります。労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

17.7

100.0

70.4

81.2

72.2

 

 

連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

荘内銀行

32.0

100.0

63.4

76.4

86.6

北都銀行

26.3

100.0

57.0

77.6

82.0

フィデアカード

5.0

55.6

59.6

47.6

フィデア情報総研

15.1

76.5

79.7

51.2

フィデアリース

0.0

27.4

44.1

フィデアエナジー

0.0

フィデアキャピタル

0.0

42.5

30.8

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、「労働者の男女の賃金の差異」の「-」は対象となる労働者がいないことを示しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、「男性労働者の育児休業取得率」の「-」は育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティ全般

① ガバナンス

当社は、2020年度にスタートした第4次中期経営計画とあわせて「フィデアグループSDGs宣言」を公表し、SDGsの趣旨に賛同し、地域課題の解決に向けた取り組みを通じて地域社会の持続的な発展を目指すこと、また役職員全員がSDGsの達成に取り組むことを表明しております。

このような中、2021年度には、当社グループのSDGs達成に向けた取り組み及びサステナビリティ経営の状況を評価、検証するとともに、今後のあり方な


 

どに関して取締役会に助言することなどを目的として、取締役会の任意組織として社外取締役等を中心に構成するサステナビリティ委員会を設置しました。

また、サステナビリティ委員会において決定した基本方針のもと、具体的な業務執行及び各種施策を検討し実行する当社及び荘内銀行、北都銀行の横断的な会議体としてサステナビリティ推進会議を設置しております。サステナビリティ推進会議においては、当社グループ一体の取り組みとして、気候変動への対応に加え、人的資本や多様性への対応、地方銀行としての地域貢献のあり方等を検討しております。

サステナビリティ委員会は、サステナビリティ推進会議における検討内容及び各種施策への取り組み状況について報告を受け、その取り組み状況等を評価検証します。また、取締役会は、サステナビリティ委員会における審議内容について報告を受け、当社グループ全体のサステナビリティ経営への取り組み状況を監督評価する体制としております。

 

(イ) 2024年度のサステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会の主な協議・報告事項

当事業年度においてサステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会を7回開催しています。開催状況は以下のとおりです。

開催回(開催月)

議題

第11回(4月)

・人的資本の開示内容

第12回(5月)

・人的資本の開示内容(再審議)

第13回(5月)

・有価証券報告書におけるサステナビリティ開示内容

・サステナビリティ推進会議規程及び同委員会規程の改定

第14回(6月)

・委員長の選任に関する件

第15回(10月)

・TNFD開示に向けた今後の検討事項

第16回(11月)

・TNFDフォーラムへの参画

・環境方針の策定

・投融資方針の改定

第17回(1月)

・フィデアホールディングス CO2排出量削減に向けた追加施策

・サステナブルファイナンスの実績(2024年度上期)

 

 

 

② 戦略

当社は、グループ経営理念に基づき、当社グループのサステナビリティへの考え方についてサステナビリティ方針として策定するとともに、あわせて投融資方針等各種方針を明示し具体的に実践しております。

<サステナビリティ方針>

フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念の実現に向け、我々を取り巻く、地域経済の持続的な成長、持続可能な地域環境づくり、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、並びに社会から信頼されるガバナンス構築の5つを重要な社会課題として認識し、解決に取り組みます。

これらの課題解決を通じて当社グループの企業価値向上を実現し、地域社会と地域経済の持続的な発展に貢献してまいります。

 

また、サステナビリティ方針を踏まえ、当社グループが「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念を実現するうえで取り組むべき5つの課題をマテリアリティ(重要課題)として特定しました。これらマテリアリティへの取り組みを通じて、SDGs達成に向けた社会課題解決に貢献してまいります。

<マテリアリティ(社会とフィデアグループが持続的に成長するための重要課題)>

1.地域経済の持続的な成長

地域やお客さまが抱える課題の解決に取り組むとともに、デジタル技術も活用しながら、適切な投融資等の金融サービスを提供し、地域経済の持続的な発展に貢献します。また、地方自治体や教育機関等と協働で地方創生に取り組むことで、地域課題の解決を目指します。

 

2.持続可能な地域環境づくり

環境に配慮した経営の実践を通じて地球温暖化や気候変動に対応するとともに、東北地方の豊かな自然の力を活用した再生可能エネルギー事業等に積極的に取り組み、脱炭素社会の実現を目指します。また、東北の農林水産業、観光産業などの産業を支える恵まれた自然環境を守る活動を支援し、持続可能な地域環境の実現に貢献します。

 

3.人権の尊重

性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等、あらゆる人権を尊重します。

 

4.働きがいのある職場づくり

全ての従業員が働きがいを感じ、能力を発揮できる職場環境を整備するとともに、従業員一人ひとりが希望する働き方を実現します。また、ダイバーシティと働き方改革を推進し、多様な人材の活躍機会を創出します。

 

5.社会から信頼されるガバナンスの構築

透明性と実効性の高いコーポレート・ガバナンスを実現し、持続的な企業価値の向上に取り組みます。また、株主、お客さま、従業員、地域社会など多様なステークホルダーに対し積極的に情報を開示することで、信頼される企業を目指します。

 

なお、当社グループの気候変動への対応に関する戦略については「(2)気候変動への対応 ②戦略」、人的資本に関する戦略については「(4)人的資本、多様性への対応 ①戦略」を参照ください。

 

③ リスク管理

当社グループは、マテリアリティとして、地域経済の持続的な成長、持続可能な地域環境づくり、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、社会から信頼されるガバナンスの構築という5つの重要課題を特定し、地域に根差した事業を展開する広域金融グループとしてこれらの解決に貢献することが重要ととらえています。事業遂行上のリスクの中でも、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、サステナビリティ関連リスクを含め3「事業等のリスク」を判断しております。

特に、当社に重要な影響を及ぼすリスクとしてトップリスクを選定しており(3「事業等のリスク」をご参照ください)、サステナビリティ関連リスクの気候変動リスク・人的リスクを選定しております。これらリスクは必ずしも独立して発生するものではなく、信用リスク、市場リスク、自己資本比率に関するリスクなど、他の様々なリスクの発生につながり、また、様々なリスクを増大させる可能性があると認識しております。

トップリスクの選定にあたっては、当社グループを取り巻く様々なリスク事象を抽出し、本部各部及び各役員とも協議の上、リスクマネジメント会議で決定しております。

リスク管理にあたる組織及びプロセスについて、第4提出会社の状況 4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(1) コーポレート・ガバナンスの概要にリスク管理態勢の整備状況として記載しております。サステナビリティ関連リスクを識別、評価、管理するプロセス、組織等は、統合的リスク管理態勢に統合されており、リスク区分に応じた管理部署を定めるとともに、当社グループ全体のリスク管理態勢を最高リスク管理責任者(CRO)、リスク統括部が統括しております。業務執行に係るリスクの状況については、リスクマネジメント会議で審議され、その審議内容を取締役会に設置されたリスク委員会に報告し検証等を行う体制としております。

 

(2) 気候変動への対応

当社グループは、サステナビリティ方針の中で、重要な社会課題の一つである持続可能な地域環境づくりに取り組むこととしており、その一環として、2022年3月にTCFD提言(※)への賛同を表明しています。再生可能エネルギー事業のご支援や自治体と協働しての脱炭素化のご支援など持続可能な地域社会の実現に主体的に貢献するとともに、TCFD提言に沿った情報開示に取り組んでまいります。

※ <TCFD(Task Force on Climate‐related Financial Disclosures)提言>

TCFDは、G20における各国首脳の要請を受けて、2015年12月に金融安定理事会(FSB)に設置された企業の気候変動に関連したリスク及び機会の情報開示を推奨する作業部会です。

TCFD提言は、低炭素社会へのスムーズな移行により金融市場の安定化を図ることを目的に2017年6月に最終報告書として公開されました。具体的には、気候変動に関連したリスクと機会に係るガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4項目について企業が開示を進めていくことを求めています。

 

 

① ガバナンス

当社グループの気候変動への対応に関するガバナンスは、サステナビリティ全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」を参照ください。

 

② 戦略

当社グループは、気候変動に起因するリスクが、戦略、財務、事業運営などに影響を与えるものと認識するとともに、持続可能な地域環境づくりのための再生可能エネルギー事業をはじめとしたサステナブルファイナンスをビジネス機会ととらえ積極的に取り組んでまいります。

また、サステナビリティ方針に基づく投融資方針を下記のとおり定め公表しております。

「投融資方針」

1.フィデアグループは、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨を踏まえ、グループ経営理念に基づく企業活動を通じた地域社会と地域経済の持続的な発展の実現に向け、地域における環境及び社会問題の解決につながる投融資を推進します。

2.また、環境への負荷や人権問題など社会への影響の大きい事業等に対する投融資に関しては慎重に判断し、十分に留意します。

3.以下に例示するような事業に対して、積極的に支援を行います。

①  地域社会や地域経済の持続的な発展に資する取り組み及びその事業(創業及び事業承継を含む)

②  気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業

③  水資源や森林資源、生物多様性などの保全に資する事業

④  少子高齢化に対応する教育、医療や福祉に資する事業

⑤  農林水産業や観光産業をはじめとした地域産業の振興に資する事業

⑥  防災や減災に資する取り組み及びその事業

⑦  その他、持続可能な地域づくりに資する事業

4.以下のような先には投融資を行いません。

①  反社会的勢力及び事業

②  人権侵害や強制労働への関与先

③  非人道的な兵器の開発・製造の関与先や、規制・制裁対象先

④  新設の石炭火力発電所向け投融資

ただし、例外的に取り組みを検討する場合は、発電効率性能や環境への影響、地域社会への影響、個別案件毎の背景や特性等について総合的に勘案し、慎重に対応を検討

 

 

(気候変動に伴うリスクと想定される影響)

当社は、気候変動に伴うリスクと機会について、短期、中期、長期の時間軸で分析を行っており、その内容は以下のとおりとなっております。(以下、「短期」5年程度、「中期」10年程度、「長期」30年程度)

 

主なリスクと機会

時間軸

移行リスク

◇ 気候変動問題に対する適切な取り組みや開示が他社比劣後することによる企業価値の低下

短期~長期

◇ 気候変動に対応した規制や税制等が変更となり、お客さまの業績にネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生

中期~長期

◇ 脱炭素関連技術の進捗、消費者の製品嗜好の変化等の市場環境の変化に伴い、お客さまの業績にネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生

中期~長期

物理的リスク

◇ 水害等に伴う不動産担保(建物等)の毀損や、お客さま事業施設が自然災害で被災し、事業が停滞することによる信用リスクの発生

短期~長期

◇ 当社グループ事業施設の毀損による事業コストの増加や浸水被害等による営業停滞リスクの発生

短期~長期

機会

◇ 気候変動対策、脱炭素社会への移行を支援するための投融資やサービスの提供

(山形県や秋田県沖における洋上風力発電事業など、脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギー事業へのファイナンスや脱炭素化に関連するコンサルティング機会の拡大(脱炭素経営に必要となる『知る』『測る』『減らす』の各ステップに合わせた最適なソリューションの提供)など、環境負荷低減を目的とした商品・サービスの積極的な提供)

短期~長期

◇ 当社グループの省資源・省エネルギー化の実施による事業コストの低下

短期~長期

◇ 再生可能エネルギーの地産地消の実現及び地域脱炭素経営支援体制の構築

(フィデアエナジー株式会社による地域に豊富に存在する再生可能エネルギー資源を活用した発電プロジェクトへの支援や、地域内で発電した再生可能エネルギーの電力を最大限活用できる体制の整備等、カーボンニュートラルとグリーンビジネスの創出等を通じた地域のエネルギー収支改善と経済活性化を実現)

短期~長期

 

 

(ビジネス機会への取り組み)

お客さまの脱炭素経営への移行に向けたコンサルティング提供やSDGs/ESGの取組支援は、当社グループのビジネス機会になると認識しております。中長期的な目線でお取引先や地域のお客さまの課題やニーズを理解し、気候変動対応や脱炭素社会への移行の支援を行うことで、投融資をはじめとしたソリューションの提供などのビジネス機会の創出・拡大に取組んでおります。

 

(地域の脱炭素化への貢献 - 電力小売事業への参入)

当社グループの営業地盤である東北地方は、再生可能エネルギー資源を豊富に有する地域として、発電事業者による投資活動、開発が進んでおります。一方、その発電した電力の活用に向けた地域での取組みは限定的であり、地元で発電しているメリットを地域企業が享受できていないことが課題と認識しています。これに対応するため、2024年11月に当社の完全子会社として「フィデアエナジー株式会社」を設立しました。再生可能エネルギーの地産地消を実現するため、主に北都銀行において培ってきた再生可能エネルギー事業への知見を生かし、秋田県内で盛んな風力発電などを活用した電力小売事業に取り組むことで、地域の脱炭素化、地域経済活性化に積極的に貢献してまいります。

2025年3月28日に小売電気事業者としての登録手続き等が完了し、2025年度上半期の電力小売り開始を予定しております。当初は当社グループへの電力小売りからスタートし(2025年当社グループ50%へ電力小売り予定)、2026年度には地元県内の一般事業会社に電力小売りを開始することを計画しております。また、将来的には再生可能エネルギー発電事業、カーボンクレジット事業、脱炭素コンサルティング事業をあわせて取り扱う総合的な脱炭素支援体制の構築を目指してまいります。

 

(シナリオ分析)

シナリオ分析にあたっては、「環境省  TCFD提言に沿った気候変動リスク・機会のシナリオ分析実践ガイド(銀行セクター向け)ver.2.0」を参考とし、下記分析結果は、一定の前提条件のもとに試算しております。今回の分析範囲においては、当社グループの財務への影響は限定的なものとなりましたが、引き続きシナリオ分析の高度化に努めてまいります。

 

(イ) 移行リスク

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言が推奨するセクター等を対象に分析を行った結果、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいセクターとして、気候変動に関連する炭素税導入の影響が大きいと想定される「電力」「ガス」「石油」を選定しました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook 2021」における、Net Zero Emissions by Scenario(NZE(1.5℃シナリオ))などを参考に、炭素税の導入等、脱炭素社会への移行に伴う与信コストの影響を試算しました。

シナリオ

IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)

NZE(Net Zero Emissions)2050シナリオ

分析内容

◇ リスクと機会の影響評価のためのパラメータを特定。シナリオ下におけるパラメータ変化を基に炭素税が導入された場合の費用負担増加による与信先の財務内容が悪化するシナリオを想定し、当社グループの与信コストの変化を分析

分析対象

「電力」「ガス」「石油」

観測期間

2050年まで

分析結果

与信コスト等

最大7.3億円

 

 

(ロ) 物理的リスク

台風・洪水や高潮等の急性的な自然災害による浸水被害を分析しました。分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、当社グループに担保を提供している取引先の与信コストの影響額及び当社グループの影響を試算しました。

シナリオ

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)

RCP8.5(シナリオ)

分析内容

◇ 河川の氾濫等による浸水を想定し、不動産担保の毀損及び投融資先の業績悪化による与信コストを分析

① 直接影響:不動産担保の毀損

② 間接影響:与信先の営業停止による売上や利益減少等を要因とした財務状況の悪化による信用格付の低下

◇ 河川の氾濫等による浸水を想定し、当社が保有する店舗・ATM等への被害や営業停滞による影響を分析

分析対象

当社グループへ不動産担保(建物等)を提供している取引先

当社グループが保有する店舗・ATM、浸水被害による営業停滞日数等

観測期間

2050年まで

分析結果

与信コスト等

最大24.6億円

 

 

③ リスク管理

当社グループの気候変動への対応に関するリスク管理は、サステナビリティ全般のリスク管理に組み込まれています。詳細については「(1) サステナビリティ全般 ③リスク管理」を参照ください。

 

④ 指標と目標

フィデアグループ投融資方針に基づきサステナブルファイナンスに積極的に取り組むとともに、2030年度までのCO2排出量70%削減(2013年度比)を目標に、再生可能エネルギー由来電力への転換、省エネルギー化、各種認証制度の活用などを進めてまいります。

 

(イ) サステナブルファイナンス実行目標及び実績

2021年度から2030年度まで10年間の累計実行額目標 4,000億円(うち環境分野※ 2,000億円)



 

サステナブルファイナンスの累計実行額は2021年度から2024年度までに2,159億円の実績となっており、2030年度までの累計実行目標4,000億円に対して進捗率は53.9%となっております。うち環境分野での累計実行額は994億円と、サステナブルファイナンス全体の約50%を占めています。

当社グループでは、再生可能エネルギー分野のコンサルティング営業を強化しており、これまで陸上風力発電事業、バイオマス発電事業向けのプロジェクトファイナンス組成などで実績を積み上げております。秋田県沖、山形県沖を中心とした洋上風力発電事業の本格化も予定されており、引き続き積極的に脱炭素社会実現に貢献してまいります。

※うち環境分野=フィデアグループ投融資方針で定める「気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業」、「水資源や森林資源、生物多様性などの保全に資する事業」

 

2013年度以降のプロジェクトファイナンスの組成実績は2024年度までに1,318億円の実績となっております。秋田県においては恵まれた風況を活用し、風力発電事業が盛んになっており、北都銀行を中心に、太陽光発電事業、木質バイオマス発電事業も含め、プロジェクトファイナンス組成に積極的に取り組んでおります。


 

 

(ロ) CO2排出量削減目標及び実績

「2025年度までに2013年度比 △60%」、「2030年度までに2013年度比 △70%」及び「2030年度ネットゼロ(2013年度排出量実績8,802t-CO2)」(Scope1、2合計)

 

2024年度までのCO2排出量削減実績(Scope1及びScope2の合計)は、2013年度比△59.9%となっており、順調に推移しております。また、2025年度のCO2排出量削減率は、2013年度比△70%と、2025年度のCO2排出量削減目標(2013年度比△60%)を達成する見込みです。

引き続き両行の本支店のLED化、使用電力の再生可能エネルギー由来電力への切り替えなど、具体的な施策を順次進めてまいります。

※2025年3月31日時点:再生可能エネルギー切り替え6か店(9%)、LED対応33か店(51%)


 

 

ⅰ.Scope1、2のCO2排出量削減計画

単位:t-CO2

排出量(計画)

削減率

基準年度

2013年度

直接排出(Scope1)

1,659

間接排出(Scope2)

7,143

Scope1、2合計

8,802

中間年度

2025年度

直接排出(Scope1)

1,040

△37%

間接排出(Scope2)

2,460

△65%

Scope1、2合計

3,500

△60%

2030年度

直接排出(Scope1)

988

△40%

間接排出(Scope2)

1,612

△77%

Scope1、2合計

2,600

△70%

 

 

ⅱ.Scope3について

Scope3(カテゴリ1~14)の算定方法は、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer2.7(環境省、経済産業省)」を参考に、排出係数は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.5(環境省、経済産業省)」を使用しております。カテゴリ3、8~11、14は該当せず、排出量はゼロとなっております。

単位:t-CO2

算定項目(t-CO2)

2023年度

2024年度

カテゴリ1

購入した製品・サービス(コピー用紙等)

3,064

2,889

カテゴリ2

資本財(建築、ソフトウエア等)

3,343

2,152

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

233

254

カテゴリ5

事業から出る廃棄物

1

2

カテゴリ6

出張(鉄道、航空機等)

149

105

カテゴリ7

雇用者の通勤(鉄道、バス等)

1,385

1,354

カテゴリ12

販売した製品の廃棄

36

33

カテゴリ13

リース(店外ATM)

302

298

カテゴリ15

投融資(事業性融資)

5,145,148

4,970,822

合計

5,153,661

4,977,909

 

 

ⅲ.Scope3(カテゴリ15)について(事業性融資を対象にTCFD14業種に分類)

a.Scope3(カテゴリ15)は、気候変動におけるリスクと機会を捉えていく重要な項目と考えております。GHG排出量の算定においてはパーセフォニ社が提供するPCAF(※1)に準拠した算定方式、各種排出係数を内包した炭素会計プラットフォーム(※2)を用いて事業性融資のお取引先全量を対象として実施しました。

 

b.今後は、算定精度の向上を図っていくほか、カテゴリ15における算定対象のアセット(住宅ローン、自動車ローン、プロジェクトファイナンスなど)の拡大を検討していく予定です。

 

c.カテゴリ15(投融資)のCO2排出量削減に向けては、サステナブルファイナンスに取組むとともに、再生可能エネルギーを軸とした産業振興など、地方創生の取り組みや持続可能な地域社会の実現に積極的に貢献していきます。また、2026年度にはフィデアエナジー株式会社による地域への再生可能エネルギーを由来とした電力供給を行う予定です。

 

 

Scope3 カテゴリ15
(事業性融資)

Financed Emissions
(t-CO2)

データクオリティ
スコア
(※3)

貸出金
残高
(億円)

件数

Scope
1,2,3

 

Scope
1,2

Scope
3

Scope
1,2,3

Scope
1,2,3

Scope
1,2

Scope
3

エネルギー

石油・ガス

1,028,059

612,870

415,190

3.94

3.82

996

1,800

電力

881,442

765,434

116,008

3.72

3.54

1,129

192

運輸

空運

313,554

234,230

79,323

4.03

4.02

580

1,447

海運

272,223

122,815

149,407

4.00

3.73

151

235

陸運

23,070

1,309

21,761

3.94

3.04

280

54

自動車

0

素材・
建築物

金属・鉱業

115,764

70,576

45,188

4.02

4.02

119

165

化学

78,024

49,993

28,031

4.49

3.88

141

11

建築資材・
資本財

467,210

227,633

239,577

4.09

3.34

423

275

不動産管理・
開発

13,493

3,563

9,930

3.90

3.65

955

550

農業・
食料・
林産物

飲料・食品

1,194,608

951,419

243,189

4.19

4.00

228

279

農業

0

製紙・林業

20,956

9,433

11,523

4.03

4.03

42

141

その他

562,421

82,682

479,739

3.99

3.84

2,369

3,929

合計

4,970,822

3,131,957

1,838,865

3.95

3.73

7,414

9,078

 

※1 PCAF:「Partnership for Carbon Accounting Financials」金融機関の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

※2 炭素会計プラットフォームを用いた算定にあたっては、当社グループで使用している日銀業種分類から世界産業分類(GICS)へ変換する必要があります。その変換については環境省の業種紐付表をベースとしており、複数の変換先が存在する場合は、過少の算定とならないようにするため変換先の排出係数の最も高いものを対象として計算しております。従って、お客さまの実際に営んでいる事業内容とは一部一致しないものがあります。

※3 データクオリティスコア:データクオリティスコアは、ファイナンスドエミッションにおけるGHG排出量データの品質を5段階で示した数値であり、1に近いほど品質が高く、5に近いほど推計値を多く使用しているものになります。

スコア

分類

概要

開示情報

企業開示の排出量データ(第三者機関認証あり)

企業開示の排出量データ(第三者機関認証なし)

推計情報

物理活動ベース

企業のエネルギー消費量と排出係数に基づく推計の排出量データ

企業の生産量と排出係数に基づく推計の排出量データ

財務指標ベース

企業の売上高と排出係数に基づく推計の排出量データ

企業への投融資残高と排出係数に基づく推計の排出量データ

 

 

 

(3) 生物多様性保全・自然資本への対応

当社グループでは、マテリアリティの1つとして「持続可能な地域環境づくり」を設定しており、生物多様性保全及び自然資本(※1)への対応を気候変動と並ぶ重要な経営課題と認識しております。当社グループの事業活動は生態系サービスの恩恵を受けながら自然資本に依存し、他方で事業活動によって自然に負の影響を与えており、自然資本の損失の深刻化は事業リスクとなっております。そのため、当社グループには、ネイチャーポジティブ(自然再興)(※2)に向け行動することが求められており、また自然資本の適切な保全・回復に向けた取り組みは、地域経済の持続的な成長を実現するためにも喫緊の課題となっております。

このような背景から、2024年12月に、当社グループとして環境問題に対して積極的に取り組む経営姿勢を示す「環境方針」を制定いたしました。また、環境方針の制定を踏まえ、自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)(※3)が公表した情報開示に係る提言(TNFD提言)に賛同表明し、TNFDフォーラムに参画しました。

今後は、当社グループの「東北地方に根差した地域金融機関として地域社会と地域経済の活性化に貢献し、地域のお客さまとともに成長していく」というサステナビリティの考え方に基づき、環境負荷の軽減、生物多様性の保全など、環境方針に沿った取り組みを実践するとともに、TNFD提言に基づく情報開示に取り組んでまいります。

※1 自然資本:森林、水、土壌、大気、生物資源、鉱物資源等、生物・非生物を含めた自然によって形成される資本(ストック)のこと

※2 ネイチャーポジティブ(自然再興):自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め反転させること

※3 TNFD:「Taskforce on Nature-related Financial Disclosures」自然関連の財務情報を開示する枠組の開発・提供を目指す国際イニシアティブ

「環境方針」

フィデアグループは、気候変動をはじめとする環境への影響が経営リスクになることを認識し、脱炭素社会の実現を目指すとともに、「東北地方に根差した地域金融機関として地域社会と地域経済の活性化に貢献し、地域のお客さまとともに成長していく」というサステナビリティの考え方のもと、環境への負荷軽減とお客さまの環境に配慮した取組みを支援することにより、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。

1.環境関連諸法規の遵守

環境関連法令および規則等を遵守します。

2.金融商品・サービスを通じたお客さま支援

サステナブルファイナンスや脱炭素コンサルティングなどの金融商品・サービスなどを通じて、環境問題に取組むお客さまを支援します

3.環境負荷の軽減

再生可能エネルギー等の活用により、事業活動における環境負荷の軽減に努めます。

4.気候変動への対応

気候変動は地域社会の持続性に大きな影響を与える重大な環境課題と認識し、脱炭素社会の実現を目指した取組みを行います。また、気候変動が地域社会に及ぼすリスクの軽減に努め、気候変動への対応に関する適切な情報開示に取組みます。

5.生物多様性の保全

生物多様性がもたらす恩恵を認識し、その保全に努めます。

6.ガバナンス

気候変動への対応および生物多様性の保全に対する取組みの内容について、定期的にサステナビリティ推進会議で審議・報告を行うとともに、取締役会の任意の組織であるサステナビリティ委員会へ報告し、取組みの向上・改善に努めます。

7.ステークホルダーとの対話

環境保全に対する役職員の意識の啓発に努めるとともに、地域社会をはじめとしたステークホルダーとの対話を通じ、環境保全活動の啓発と推進に努めます。

 

 

 

(4) 人的資本、多様性への対応

① 戦略

当社グループは、地域経済の活性化、持続可能な地域社会の実現に貢献し地域のお客さまとともに成長していくための5つのマテリアリティを特定し、その課題解決に貢献するべく取り組んでおります。その中で、人的資本・多様性に関連した重要課題として、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、人材育成を掲げ、具体的な対応を進めています。

ガバナンス面では、取締役会や経営陣を支える管理職層において、ジェンダー・職歴・年齢等の多様性が確保され、それらの中核人材が経験を重ねながら、取締役や経営陣に登用される仕組みを構築することを目的としてグループ人事会議を実施しております。グループ人事会議で議論し、指名委員会、取締役会への報告を通じて人的資本経営の実現に向けたガバナンスを確保するとともに、人的リスクの低減に努めております。

 

<グループ人事会議>


「当社グループの人材戦略」

グループ経営理念及び行動規範<Future7>を実践し経営戦略の実現に取り組む人材を中長期的に育成・確保するため、多様性確保、人材育成、従業員エンゲージメント、健康経営推進の観点からKPIを設定し、人的資本価値の最大化を目指します。従業員経営戦略の柱であるコンサルティング業への転換を達成するために、内部人材の育成、外部人材の活用、人員配置の最適化、人事制度改定など、具体的な施策を展開していきます。また、マテリアリティ解決のためのサステナビリティ方針に基づき、人権方針、人材育成方針、社内環境整備方針を制定し、働きがいのある、働きやすい職場環境の実現、ひいては従業員エンゲージメントの向上を目指します。

 

 


 

② 指標及び目標

(イ) 人権への取り組み

当社グループは、人権を尊重しあらゆる人権侵害行為の根絶することを目指し、サステナビリティ方針に基づいた人権方針を定め公表しております。

また、企業活動が人権に与えるマイナスの影響を軽減することを目指し、企業の事業活動やサプライチェーンを通じて及ぼす労働問題、消費者被害、地域住民への影響の排除などを含む投融資方針を前述のとおり定め公表しております。

「人権方針」

フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、地域社会の持続的な発展に貢献していきます。

地域社会の持続的な発展を目指すうえで、人権の尊重を重要な社会課題の1つとして認識し、本業を通じてこの解決に取り組んでいきます。

1.国際規範の尊重

世界人権宣言をはじめとする人権に関する国際規範を尊重します。

2.あらゆる差別行為の根絶

性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等を理由とした差別や人権侵害を行いません。また、従業員一人ひとりの多様性を尊重し、あらゆるハラスメントや非人道的な扱いを根絶します。

3.人権に関する教育の実施

従業員一人ひとりが人権問題に関する正しい認識と理解を深めるため、研修をはじめとし、人権に関する教育を実施します。

 

 

実施状況

一般社団法人全国銀行協会が発行する「みんなの人権を守るために」を基礎資料とした、全役職員向け勉強会の実施、人権をテーマとした外部講師による研修、新入行員研修・階層別研修など集合研修を通じた人権啓発、カスタマーハラスメントの対応方針や発生時の対応方法にかかる勉強会等を実施しております。

また、ハラスメントに係る相談窓口及び内部通報窓口を設置。窓口担当者には年齢や性別の異なる複数人の窓口担当者を配置し、相談者が相談しやすいような配慮を行っております。

 

(ロ) 人材育成への取り組み

当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、経営理念及び経営戦略に基づいた人材育成、従業員一人ひとりの活躍の応援を目指し、サステナビリティ方針に基づいた人材育成方針を下記のとおり定め公表しております。

「人材育成方針」

経営理念の実現に向け、従業員一人ひとりが行動指針〈Future7〉※を主体的に実践し、地域やお客さまに寄り添い、それぞれが抱える課題の解決やニーズにお応えする、高次のコンサルティング力やソリューション提案力を身につけた人材を育成します。そのためには、一人ひとりのスキルに応じた各種研修(OFF-JT)、実践経験(OJT)、自己啓発(SD)を複合的に組み合わせ、従業員の自律的成長支援に不断に取り組んでまいります。また、多様な人材は新たな価値を生み出す源泉であると捉え、一人ひとりのモチベーション向上と自由な発想を促す個人の成長や経験の積上げ機会を設けていきます。

※ 行動指針〈Future7〉

1.前例にとらわれず、決して立ち止まらず、常に新しいことに挑み続けます。

2.お客さまの夢を自分ごとにし、実現のために情熱をもって考え、動きます。

3.向上心・探究心・好奇心を心掛け、常に自らをアップデートしていきます。

4.高水準のコンサルティングで、地域に幅広い知見とアイデアを提供します。

5.一人ひとりを尊重し、個々の成長や挑戦を後押しできる組織を目指します。

6.よく聞き、よく話す、声が闊達に飛び交う風通しのよい職場をつくります。

7.法令遵守と高い倫理観に基づき、地域の一員として責任ある行動をします。

 

当社グループでは、経営理念を実現するために、一人ひとりがどのような姿勢・気持ちで行動するべきかを行動指針〈Future7〉として制定し、人材育成方針及び中期経営計画に基づき法人個人一体営業人材の育成に注力しております。

 

<実施状況>

ⅰ.多様性の確保・戦力化

エージェントの活用、アルムナイ・リファラルなど人的ネットワークの活用等、採用チャネルを拡大。性別や年齢を問わず、幅広い業種の中から経験(キャリア)を重視した採用を実施。人材の多様性を確保するとともに、採用後のオンボーディング施策を併進し、早期戦力化と中途採用人材の定着率向上につなげていきます。

 

ⅱ.スキルバロメーターによる法人スキルの目標及び実績

従業員のスキルレベルに応じた効果的な育成(研修・OJT・自己啓発)により、法人スキルA/Bに相当する、当社グループの営業戦略を支えるコンサルティング営業人材の拡大を目指し、お客様の多様なニーズに応えられる人材の育成を図ってまいります。

法人スキル
 (※)

2021年度
実績

2022年度
実績

2023年度
実績

2024年度
実績

2025年度
目標

備考

229名
(27%)

211名
(28%)

216名
(28%)

229名
(31%)

230名
(31%)

スキルバロメーターは株式会社フィデア情報総研が提供する業務スキルの習得状況を可視化するための評価ツール。

 

各スキルの人数の( )内のパーセンテージは構成比を表示。

 

人員数は、荘内銀行及び北都銀行の営業店が対象。また、預金や為替業務などの内部事務に従事する従業員数を含む。

 

119名
(14%)

90名
(12%)

110名
(14%)

101名
(14%)

130名
(17%)

C・D

498名
(59%)

465名
(60%)

446名
(58%)

398名
(55%)

386名
(52%)

合計

846名
(100%)

766名
(100%)

772名
(100%)

728名
(100%)

746名
(100%)

 

 

※ 法人スキルA~Dの各スキルのレベルは下記のとおりです。

事業性貸出(プロパー)に加え、コンサルティング営業が可能

事業性貸出(プロパー)に加え、顧客ニーズを想定した商品別営業が可能

法人基盤営業に加え、事業性貸出(マル保)が可能

スキルCに向けて育成途上にある

 

 

ⅲ.人材育成プログラムの目標及び実績

人材育成の具体的施策として、法人営業力と事業金融力(取引先の経営支援や途上管理)を軸とした「研修(OFF-JT)」、「実践(OJT)」、「自学」、三位一体による人材育成プログラムを展開しております。より専門性の高い知識の習得や、人脈形成を通じたキャリアアップを目的として、審査部トレーニーや外部機関への研修派遣を実施。審査部トレーニーについては、第5次中計期間にあたる2023年度から2025年度の3か年で累計109名の派遣を計画しております。

育成施策名

2021年度
実績

2022年度
実績

2023年度
実績

2024年度
実績

2025年度
目標

備考

集合研修

259名

238名

219名

258名

集合研修は、本部が主催する集合研修で現場におけるOJTと連動した法人スキル育成に資するものの合計参加者数を表示。

OJT支援

58名

58名

136名

126名

OJT支援は、実際の融資案件組成や格付申請、顧客交渉等の際に本部よりフォローを行い、人材育成を加速させる目的で実施する施策。

審査部
トレーニー

19名

29名

29名

32名

109名

審査部トレーニーは、融資審査の専門部署である「審査部」に営業店等の行員を一定期間(3か月~6か月程度)トレーニングのために派遣するもの。なお、実績は各年度の派遣実績を表示。

外部研修
派遣

10名

14名

11名

11名

外部研修派遣は、専門知識の習得や人脈形成を通じたキャリアアップを目的として外部専門機関等へ派遣するもの。

 

 

ⅳ.自律的キャリア形成の目標及び実績

事業性評価を起点とした取引先支援を実践・強化するために必要な資格の習得を促進し、FP1級や中小企業診断士などの専門性の高い資格や、事業性評価並びにSDGs・ESG、脱炭素、DX、M&A関連資格など、当社グループで取り組みを強化している分野の資格保有者数を2025年度までに1,500名とする計画です。

なお、資格保有者数は、次にあげる資格保有者の合計人数です。

FP1級、中小企業診断士、日商簿記2級、M&Aエキスパート、M&Aベーシック、事業性評価エキスパート、金融DXアドバイザー、ITパスポート、SDGs・ESGファシリテーター、脱炭素アドバイザー

育成施策名

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

資格保有者数

517名

623名

1,032名

1,451名

1,500名

 

 

ⅴ.人的投資額の目標及び実績

当社グループが目指す、高いコンサルティング力を有する人材を育成するうえで、研修費や検定試験の受験費用の補助、自己啓発奨励金など、必要な人への投資を計画的に実施してまいります。なお、研修費等は、国内研修費、研修旅費、自己啓発奨励金、通信講座補助の合計額です。

育成施策名

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

研修費等

26百万円

24百万円

33百万円

35百万円

40百万円

 

 

(ハ) 社内環境整備への取り組み

当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、健康で安全な職場環境の整備、多様な人材の確保などを目指し、サステナビリティ方針に基づいた社内環境整備方針を下記のとおり定め公表しております。

「社内環境整備方針」

従業員満足(ES)や自発的貢献意欲の向上を図り、これを起点としてお客さま満足(CS)の向上に繋げられるように、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めていきます。

また、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していきます。

 

 

<実施状況>

ⅰ.人事制度の改定

経営戦略と連動した人事戦略の実現に向け、人事制度の見直しを進めております。新しい人事制度では、役割職務の重要度や難易度、業績貢献に応じた評価と処遇を実現。また、新たに専門職コースを設け、主体的・自律的キャリア形成を通じ、専門性の高い人材を育成してまいります。


 

ⅱ.従業員満足度調査の目標及び実績

従業員満足度調査は、従業員の意識(働きがい、モチベーション、企業風土、職務内容、職場環境、処遇等に対する満足度)を明らかにし、今後のグループ施策に反映させることを目的に実施しております。直近では2024年11月5日~11月29日に実施し、グループ合計1,665名(フィデアHD216名、荘内銀行701名、北都銀行748名)が回答しております。課題解決に向けた対策の実行に真摯に取り組み、2025年度の総合満足度の目標を3.65ポイント以上としております。調査結果も踏まえ、物価上昇等への対応及び優秀な人材確保を目的とした賃上げや初任給引上げによる直接的な処遇改善に加え、頭取・社長と従業員の対話機会を拡充し、経営ビジョンの共有に取り組んでおります。

なお、従業員満足度調査は、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供するサーベイシステムを使用し、当社への外部委託により原則2年ごとに実施しております。総合満足度は従業員が5点満点で評価するもので、フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行に所属する正行員のほかパート従業員等、3社に所属する全ての従業員を対象としております。(2024年回答者数:1,665名、回答率:99.7%)

 

2019年度実績

2021年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

総合満足度

3.42

3.58

3.58

3.60

3.65以上

 

 

ⅲ.1on1ミーティングの目標及び実績

1on1ミーティングは、上司と部下のコミュニケーション機会の拡大を目的として導入し、2021年の開始以降、コミュニケーションツールとして定着が図られつつあります。今後は、所定の期間内での完全実施を目指すとともに、上司向けセミナー等を通じて上司の傾聴力・カウンセリング力の支援・指導を実施。ミーティング内容を充実させ、実効性を高めていく方針です。

なお、1on1ミーティングは、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供するマネジメント支援ツール「INSIDES(インサイズ)」(部下のアンケート回答内容に基づき、部下の仕事への意欲の状態が上司にレポートされる仕組み。)を活用し、部下のメンタリティに応じた、きめ細かい対話を目指しております。年2回、9月と3月に実施しており、下表は3月の実施率を表示しております。

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

実施率

84.7%

91.0%

95.1%

97.9%

100.0%

 

 

ⅳ.ダイバーシティ&インクルージョン

女性活躍推進体制を一層強化するとともに、女性に限らず、中途採用者の管理職への登用など、中核人材の登用等における多様性の確保についても積極的に取り組み、性別や年齢などに関係なく、多様な人材が意欲をもって活躍する、活力ある組織の構築を推進していきます。

 

a.中核人材の登用等における多様性の確保に関するKPIの目標及び実績

「女性役員比率」は、第5次男女共同参画基本計画における女性登用加速化の方針に対応し、2025年度の目標を19%としております。具体的な取り組みとして、取締役会の機能を一層強化し、経営の透明性及び意思決定の多様性を高めるために、豊富な経験と高い識見・専門性を有する女性外部人材の登用に積極的に取り組んでおります。内部人材については、次の役員候補となる女性管理職の育成を着実に進めるとともに、役員登用に向けて候補者を選定のうえ計画的な育成に取り組み、最終的に2030年度の女性役員比率30%以上を目指してまいります。中途採用については、専門性の高い人材の確保や組織の活性化に向け、通年採用などの取り組みを充実させるとともに、中途採用者向けの研修・育成体系を整備し、人材の定着と早期の能力発揮を促してまいります。

KPI指標

内容

実績(2024年度)

目標

(2025年度)

実数

(分子/分母)

比率

女性役員比率

フィデアホールディングスの女性役員(執行役を含む)比率

3/24

12.5

19

女性部長相当職
比率

フィデアホールディングス:部長

荘内銀行及び北都銀行:部長、単独室長、支店長

7/68

10.3

12

女性課長相当職
比率

フィデアホールディングス:室長、センター長、チーム長

荘内銀行及び北都銀行:副部長、室長、センター長、副支店長、出張所長、次長、課長など

83/238

34.9

30

中途採用者の
課長相当職比率

フィデアホールディングス、荘内銀行及び北都銀行の中途採用者の課長相当職比率

31/238

13.0

18

 

※ 課長相当職は本部のスタッフ職(シニアマネージャー、マネージャー)を除きます

※ 中途採用者には臨時職員の行員登用者を含みます

 

b.男女間賃金差異の実績

女性活躍推進法に基づく、男女間賃金差異は以下の通りです。賃金差異の主な要因は、正規雇用労働者における管理職比率の差異や、非正規雇用労働者(パート・有期労働者)に占める女性の割合が8割を超えるなどの、雇用形態による差異が大きく影響しております。当社グループでは、特に女性の法人分野におけるキャリア開発を強化しており、従来の枠組みにとらわれず活躍の場を広げていくとともに、仕事と家庭の両立に向けた各種制度の拡充に取り組み、男女間賃金差異の縮小、ひいては生産性向上に努めてまいります。

 

2023年度実績

2024年度実績

全労働者

54.3%

59.8

正規雇用労働者

69.7%

76.7

パート・有期労働者

72.7%

79.4

 

 

(参考指標1)※フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行の行員

男女別の平均年齢・平均勤続年数

 

2023年度実績

2024年度実績

男性

女性

男性

女性

平均年齢

41.9歳

42.8歳

42.2歳

43.7歳

平均勤続年数

18.2年

18.2年

18.6年

19.0年

 

 

(参考指標2)

雇用形態別人員構成

 

2023年度実績

2024年度実績

男性

女性

男性

女性

正規雇用
労働者

672名
(55.0%)

549名
 (45.0%)

653名
  (55.3%)

527名
  (44.7%)

パート・
 有期労働者

96名
 (16.1%)

500名
 (83.9%)

84名
  (15.3%)

464名
  (84.7%)

 

 

c.男性労働者の育児休業取得率の実績

男性職員の積極的な育児参加を促し、育児休業取得率100%の継続はもとより、平均取得日数の増加に取り組んでまいります。対象者一人ひとりに対する育児休業取得の意向確認と両立支援制度の周知を継続。男性の育児参画による女性の継続就業を後押しするとともに、従業員の重要なライフイベントをサポートすることで、モチベーションや生産性の向上を図ります。

 

2023年度実績

2024年度実績

取得割合

100.0%

100.0%

平均取得日数

5.5日

7.9日

 

 

ⅴ.健康経営の推進

地域とともに発展する銀行であり続けるためには、従業員とその家族一人ひとりが心身ともに健康であることが不可欠であると考えております。当社グループは、健康意識向上とワークライフバランスの推進を通じて、活き活きと働き続けられる職場づくりに取り組み、将来にわたり地域社会の発展に貢献する企業を目指します。なお、以下の指標は、フィデアホールディングス、荘内銀行、北都銀行に所属する正行員のほかパート従業員等、3社に所属する全ての従業員を対象に算出しております。

 

a.年次有給休暇・時間外勤務の目標及び実績

有給休暇取得率は、政府目標に対応し70%以上の取得率を継続するとともに、時間外勤務時間数については2025年度10時間以内を目指します。なお、時間外勤務時間数は、時間外勤務対象の行員(社員)における、1か月平均の時間外勤務時間数です。

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

有給休暇
取得率

60.4%

60.1%

64.1%

73.5%

70.0%以上

時間外勤務
時間数

10時間55分

10時間40分

11時間9分

10時間2分

10時間以内

 

 

b.健康診断等受診率の目標及び実績

病気の早期発見・早期治療により、従業員の高いパフォーマンスを維持することを目的とし、健康診断等の受診率100%を目指します。

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

定期健康診断
受診率

100.0%

100.0%

100.0%

100.0

100.0

特定検診
受診率

99.5%

99.9%

99.6%

99.5

100.0

精密検査
受診率

80.0%

86.7%

71.9%

77.1

100.0

 

 

c.ストレスチェック受験率の目標及び実績

自覚しにくいストレスの状態を理解し一次予防に努めるとともに、セルフケアの意識向上を目指します。

ストレスチェックは、労働安全衛生法に定める項目を、セコムトラストシステムズ株式会社が提供する「セコムあんしんストレスチェックサービス」を利用し、年1回実施しております。

なお、一定数のアンケート辞退者を考慮し、2025年度目標を95%としております。

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

2025年度目標

受検率

97.6%

97.7%

94.8%

97.7%

95.0%以上

 

 

社内環境整備方針に基づく主な取り組み

項目

内容

アニバーサリー休暇

従業員本人や家族の誕生日、結婚記念日などの記念日及びその前後の日に、年1回取得できる休暇制度。

有給休暇の取得促進による、ワークライフバランスの充実に取り組んでおります。2024年度は1,518名の従業員がアニバーサリー休暇を取得しております。

テレワーク

本部従業員の企画業務や報告資料の作成、営業店従業員のお客さま向け提案書の作成等、モバイル端末を活用した新たな働き方を実現することで、多様かつ柔軟な働き方の中から、従業員一人ひとりが集中的かつ効率的な働き方を自律的に選択し、高いパフォーマンスの発揮と生産性の向上を目指しております。

 

 

項目

内容

ポストチャレンジ制度

外部専門機関やグループ各本部等の研修派遣先におけるトレーニー経験を、従業員自らが手を挙げ経験することを通じ、働きがいを醸成するための制度。

知識習得や幅広い人脈づくりを通じ、キャリアアップを目指す従業員を支援しております。2024年度は10名の応募があり、うち3名についてトレーニー派遣を実施しております。

服装自由化

それぞれの業務に相応しい清潔感がある服装に配慮しながら、ビジネスウェアのほか、ビジネスカジュアルウェア(ジャケット等)、カジュアルウェア(襟なしシャツ、デニム等)などの服装を主的に選択可能としております。

1on1ミーティング

業務面談や業務報告とは異なり、部下の話すことに耳を傾け、部下が自ら行動できるように導き支援する場として制度を設置。部下が、やりがいや意義をより感じながら仕事に取り組むことができる環境を整備。

半年に一回、1on1ミーティングを実施し、上司と部下が1対1による対話を深めることを通して、従業員のキャリア支援を行うとともに一人ひとりのモチベーションアップにつなげていきます。

副業、兼業

従業員の多様な働き方を支援するとともに、当社業務(銀行業務)外の活動による新たな知識やスキルの習得、ひいては従業員の自律的かつ主体的なキャリア形成を応援するもの。

中小企業診断士などの保有資格を活かした講義や講演、NPO法人の理事、スポーツ少年団のコーチや審判など、原則として、地域貢献に資する事業の副業・兼業を認めております。これまでに延べ13名が副業・兼業を行っております。主な内容として、地元中高生向けのスポーツ指導、市民ランナー向け練習コーチ、地元音楽イベントへの出演など、幅広い分野で活躍しております。

リカレントツール(eラーニング)

/通信講座の費用補助

通信講座及びeラーニング受講費用の半額を補助。eラーニングは従来の金融に関するコンテンツに加え、企画書やビジネス文章の書き方、プレゼンテーション力・交渉力などのビジネススキルや、PowerPoint・Excelの実用的な操作方法、語学など、幅広いコンテンツを受講可能としております。知識の広がりや興味の深掘りを後押しすると共に、中堅以上のリスキリングを促進。高い知的好奇心のもと、自律的に「学び」を楽しむことができる組織風土を目指していきます。

多面評価

マネジメント層における日頃の行動を多面的に評価・フィードバックし、自身の行動を部下や同僚、上司がどのように受け止めているか客観的に振り返る機会として導入。

自身や上司の評価だけで気づかなかったマネジメント上の強みや弱みを把握。新たに得た「気づき」をもとに、自己認識の変化と行動変容を促すことを目的に実施しております。

フレックスタイム制の対象者拡大

行員(非管理職)に限定していたフレックスタイム制について、対象を嘱託・契約行員に拡大。労働時間管理にかかる各自の自主性を尊重し、業務効率と生産性の一層の向上を目指します。

時間単位の年次有給休暇付与

全従業員を対象に、年5日を上限とした1時間単位の年次有給休暇の取得を制度化。利便性向上による、年次有給休暇の取得促進及び、仕事とプライベートの両立を支援します。

キャリアサポート休暇制度

従業員の不妊治療を行うための入院または通院について、積立休暇(繰り越し時に消滅する年次有給休暇の積み立て分)の優先使用を可能とし、時間単位の取得を許可。

増加傾向にある不妊治療に対応し、仕事と不妊治療の両立を支援。一定の職務経験を積んだ従業員の離職防止を図ります。

勤続表彰制度

勤続10年及び勤続25年の全役職員を対象とし、組織貢献に対する慰労と感謝を伝える機会として導入。勤続10年の役職員には特別休暇3日と記念品、勤続25年表彰の役職員には特別休暇5日と一定額の旅行費用を会社が負担する内容としております。