2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    23名(単体) 2,326名(連結)
  • 平均年齢
    43.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.9年(単体)
  • 平均年収
    7,511,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社における従業員数

2024年3月31日現在

セグメントの名称

報告セグメント

その他

合計

銀行業

リース業

 

証券業務

クレジット
カード業務

その他業務

 

銀行業務

信用保証
業務

 

従業員数(人)

2,001

1,987

14

33

292

113

41

138

2,326

[1,274]

[1,251]

[23]

[16]

[57]

[-]

[6]

[51]

[1,347]

 

(注)1 従業員数は、嘱託及び臨時従業員1,355人を含んでおりません。

2 嘱託及び臨時従業員は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。

3  従業員数は、執行役員26人を含んでおりません。

 

(2) 当社の従業員数

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

23

43.0

17.9

7,511

 

(注)1  当社従業員は全員、池田泉州銀行の出向者であります。なお、上記のほかに池田泉州銀行との兼務者123人が従事しております。

2  当社の従業員はすべてその他に属しております。

3  平均勤続年数は、出向元での勤務年数を通算しております。

4  平均年間給与は、3月末の当社従業員に対して支給された年間の給与、賞与及び基準外賃金を合計したものであります。

5  当社は、嘱託及び臨時従業員を雇用しておりません。

6 従業員数は、執行役員1人を含んでおりません。

 

(3) 労働組合の状況

当社には、労働組合はありません。また、当社グループには、池田泉州銀行職員組合と池田泉州銀行従業員組合の2つがあり、組合員数は池田泉州銀行職員組合1,702人、池田泉州銀行従業員組合1人であります。双方の組合とも労使間においては特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

 当社は常時雇用する労働者数が100人以下であるため、開示を行っておりません。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に
占める
女性労働者の割合()

(注1)

男性労働者の育児休業取得率()

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1、3)

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

株式会社池田泉州銀行

14.1

104.7

56.6

65.2

78.1

(注4)

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。具体的には、管理職とは「課長」以上の職位にある者としております。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 労働者の男女の賃金の差異におけるパート・有期労働者については正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しております。

  なお、男女の賃金の差異は、男女間の管理職比率の差異ならびにパート・有期労働者における女性労働者比率の高さを主要因としています。

  女性が管理職を含めたあらゆるポストで活躍できる環境を整えるとともに、パート・有期労働者の正規労働者への登用を推進することで、差異の解消を進めてまいります。

4 労働人口の減少やグローバル化の進展等、社会構造や経済環境が大きく変化する中、女性・外国人・経験者等の多様な人材の登用が変化に対応出来る企業づくりにつながるものと考え、中核人材の多様性の確保に積極的に取り組んでまいります。

5 上記以外の連結子会社は、開示を行っておりません。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社は2021年5月、経営理念の実践および経営ビジョン『Vision’25』の具体化に向けて、『サステナビリティ宣言』を採択しました。当社グループでは『サステナビリティ宣言』に従い、本業を通じて、地域の課題解決に資する取組みを強化しております。

(サステナビリティ宣言)


 

また、2021年11月には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の趣旨に賛同しており、推奨された情報開示の高度化に取組んでおります。

 

(1) ガバナンス

① サステナビリティ推進体制

サステナビリティへの取組みは、経営の重要課題として位置付けており、取締役会の監督のもと、具体的な取組みを推進しております。

2022年4月には、代表取締役社長兼CEOを委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。当委員会では、代表取締役社長兼CEO以下、各担当役員等を構成員としており、原則四半期毎に開催し、持続可能な地域社会の実現に貢献する中長期的な成長戦略として、気候変動問題を含むSDGs・ESGを経営に取込み、「ビジネスモデルの変革」を行うことを目的としております。当委員会で議論された内容については取締役会へ報告を行っており、適切な監督が図られる体制を構築しております。サステナビリティに関する重要な取組事項については、経営会議での議論を経て取締役会に付議、報告を行っております。

また、当社グループ全体のSDGs・ESGに関する施策をより一層推進すべく、2022年4月にSX戦略室を設置しております。

 

②グループ体制(推進、監督体制の強化)

a.グループ体制図

b.サステナビリティ委員会


 委員長 :社長CEO

 参加者 :担当役員等

 開催頻度:原則四半期毎

目的  :気候変動問題を含むサステナビリティに関する事項の審議、報告

 (2023年度の主な議題)

 

2023年4月

・サステナブルファイナンスの取組状況

・カーボンニュートラルロードマップの策定

・社内施策SDGsアクション第1弾

 

2023年5月

・気候変動対応に係る開示

・有価証券報告書サステナビリティ情報の開示

・CDP質問書への回答

 

2023年7月

・サステナビリティに関する全社的な取組状況

・ファイナンスドエミッションの算定

・取引先の脱炭素支援に向けたリテラシー向上策

 

2023年10月

・気候変動対応の充実

・サステナビリティ情報開示への対応

・生物多様性保全への対応

 

2024年1月

・第5次中計Plusにおけるサステナビリティの取組

・ESGリスクへの対応

・社内施策SDGsアクション第2弾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 戦略

当社グループは、幅広いパートナーシップを活用し地域の課題解決に取組むことで、地域のSDGs達成に貢献します。

また、持続可能な地域社会の実現が当社グループの成長の礎になるものだと考えております。

 


 

① 気候変動にかかるリスクと機会

気候変動の影響は不確実性が高く、また、分析対象となる期間も長期まで考慮したものとすべきとされています。当社では、気候変動の分析において、産業革命以前と比較して平均気温の上昇が「1.5℃以下」の上昇に留まるシナリオ及び「4℃」上昇するシナリオの2つのシナリオを用いて、気候変動が当社のビジネスに及ぼすリスクと機会について把握を行いました。また、評価の時間軸については、「短期(5年未満)」「中期(15年程度)」「長期(30年程度)」の期間で影響の分析を行いました。

 

a.リスクと機会

 

主なリスクと当社への影響

時間軸

リスク

移行リスク

● 低炭素商品・サービスなどへの消費者志向のシフトに伴う取引先企業の事業環境悪化と当該企業向け貸出資産毀損

● 気候変動対応が不十分なことによる当社レピュテーションの悪化

短期~長期

● 政策変更・規制強化に伴う取引先企業の事業環境悪化と当該企業向け貸出資産毀損

中期~長期

物理的リスク

● 災害による担保不動産の毀損

● 災害、生産性低下に伴う取引先の事業、就業への影響

● 当社拠点の毀損による影響

中期~長期

機会

● 低炭素社会に対応する企業の設備資金需要の増加

● 脱炭素化を支援する商品・サービス関連事業者、再生エネルギー事業者の事業機会と資金需要の増加

● エネルギー消費削減に伴う事業コスト減少

短期~長期

 

 

b.炭素関連資産

2021年のTCFD提言改定付属書にもとづく炭素関連資産(※)が当社貸出金等に占める割合は、「27.4%」(※)となっております。

※炭素関連資産は、「電力」「石油・ガス・消耗燃料」「運輸」「素材・建築物」「農業・食糧・林業製品」セクターと定義しております。

 

c.シナリオ分析
ⅰ.移行リスク

「TCFD」「SASB(サステナビリティ会計基準審議会)」など各種専門機関等の分析をもとに、セクター別の潜在的なリスクの大きさを調査するとともに、当社のエクスポージャーも加味したうえで、影響が大きなセクターを検討しました。検討の結果、「電力」及び「石油・ガス・消耗燃料(石油小売・卸売含む)」を重点セクターに選定しております。なお、重点セクターについては、今後の専門的分析や市場動向等を踏まえて追加・変更の可能性があります。

選定した2セクターについては、「1.5℃シナリオ」「4℃シナリオ」の2つのシナリオを前提として、当該セクターの事業者にどのようなリスクと機会があるかを洗い出した上、将来の事業に対する影響を分析しました。

移行リスクの分析に際しては、国際エネルギー機関(IEA)World Energy OutlookレポートのNet-Zero Emissions by 2050シナリオ(NZEシナリオ)等における資源需要や発電における電源別構成に関する将来予測データおよび炭素税の予測データ等を使用し、2050年までの融資先に対する財政状態や経営成績に関する変化についての予想を行い、与信関連費用の変化を分析しました。

移行リスクに関する分析結果は以下の通りです。

シナリオ

IEAのNZEシナリオ等

分析対象

「電力」および「石油・ガス・消耗燃料(石油小売・卸売含む)」

分析期間

2050年まで

リスク量

与信関連費用の増加額:最大で25億円程度

 

 

 

ⅱ.物理的リスク

物理的リスクについては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)等を参考にし、ハザードマップを用いて事業性融資取引先の不動産担保の損壊による担保価値毀損額、および事業の停滞等による業績悪化の影響が、与信関連費用の増加に及ぼす影響を分析しました。

物理的リスクに関する分析結果は以下の通りです。

データおよびシナリオ

4℃シナリオ等を参考に融資先の本店所在地及び担保物件所在地のハザードマップを使用

分析内容

気候変動に起因する大規模水害が発生した場合の業績悪化および担保等の毀損の影響を分析

分析期間

2050年まで

リスク量

与信関連費用の増加額:最大で35億円程度

 

上記分析により試算した与信関連費用の増加については、中長期的な取り組みにより低減することが可能であることから、気候変動リスクが当社戦略へ与える影響は限定的であることを確認しております。なお、一定の前提を置いた試算であることから引き続きシナリオ分析等の向上及び精緻化に取り組みます。

 

d.戦略への反映

子会社である池田泉州銀行では、サステナブル投融資方針を制定し、ESG(環境・社会・ガバナンス)に対して負の影響を与えるおそれがある投融資については、十分に注意しながら取組み可否を検討し、その影響を低減・回避することに努めることとしているほか、以下のとおり、特定セクターに対する投融資方針も設定しています。

 

(特定セクターに対する投融資方針)

セクター

方針

兵器

クラスター弾など非人道的な兵器の開発・製造等に関与している企業への投融資は行わない。

石炭火力発電

新設の石炭火力発電所建設を資金使途とする投融資については、原則として取組まない。ただし、国際的なガイドライン等を参考に、高効率化・次世代化に資する発電所新設の場合は、個別案件ごとに十分に注意しながら取組み可否を検討する。

森林伐採

森林伐採を伴う開発等を資金使途とする投融資は、違法伐採や違法労働に関与していないか、また環境への影響を勘案し、十分に注意しながら取組み可否を検討する。

 

 


・CDP気候変動調査

池田泉州ホールディングスは、国際環境非営利団体であるCDPによる2023年度の気候変動調査において、「B」評価を獲得しました。

 

 

② 本業の金融サービスを通じた環境問題への対応

池田泉州ホールディングス傘下の池田泉州銀行と池田泉州リースは、「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21世紀金融行動原則)」に署名しております。池田泉州ホールディングスグループとして、SDGs私募債「絆ふかまる」、自家消費型太陽光投資パッケージ(リースモデル)等、様々な取組みを行っております。

 

③ 環境を重視した事業活動

池田泉州ホールディングスグループは、「SDGsアクション」と名付けた全社的な取組みを実施しています。

・脱!クリアファイル

・ペーパーレス 等

 

 

④ 生物多様性・自然資本への取組み
a.当社グループ営業エリアの自然資本
ⅰ.大阪湾及び大阪平野を取り囲むように弧状に山地が存在

・多様な自然環境(海、山、河川、農地等)

・幅広い分野の産業が集積している

・都市と自然が隣接している

 

ⅱ.経団連生物多様性宣言イニシアチブへの参画
池田泉州銀行は、経団連生物多様性宣言・行動指針に賛同し、経団連生物多様性宣言イニシアチブへ参画しております。2022年12月に「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、2023年3月には日本でも「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定されました。
経団連および経団連自然保護協議会は、こうした昨今の情勢をふまえ、会員企業による生物多様性保全への取組みの深化、裾野拡大を目指しており、経団連生物多様性宣言・行動指針の改定を5年ぶりに実施し、2023年12月に公表しました。
当社グループは、経団連生物多様性宣言イニシアチブへの参画を含め、生物多様性保全、自然環境の保護に取り組んでまいります。

 

b.泉南市シティプロモーション事業「ウミガメを待つビーチ」への協力

池田泉州銀行は2024年3月、地方創生コンサルティング業務として事業参画する泉南市シティプロモーション事業「ウミガメを待つビーチ」に協力しました。

泉南ロングパークにあるサザンビーチは、ウミガメが過去4回も産卵に訪れております。2014年を最後に産卵は確認されておりませんが、再びウミガメが訪れることを目指して、2022年から本イベントが開催されております。

今後も自治体の想いに共感し、それぞれの地域の特性を活かせる事業を提案してまいります。

 

⑤ 人材への取組み

当社は2021年4月に「人材育成基本方針」を制定し、「人材育成」を人材マネジメントの重要なテーマとしてきました。2024年4月には、人材マネジメントを行う上で密接に関連する5つの要素(採用、育成、配置、評価、報酬)の方針を明確にした「人的資本経営基本方針」を制定し、さらなる人材マネジメントの高度化に取り組んでいます。

 

a.人的資本経営基本方針

ⅰ.人的基本経営の目的

当社グループの人的資本経営は、当社グループを構成する全ての人材を「資本」として捉え、人材が有する知識、技能その他の能力及び適正を見出し、最大限に生かすことで、当社グループの持続的な企業価値向上及び経営理念の実現を図ることを目的とします。

 

ⅱ.基本的価値観(スローガン)

人的資本経営における基本的な価値観を明示することで、どのような人材を求め、活躍を期待しているかを一貫したグループのカルチャーとして浸透させるべく、スローガンを制定しました。

スローガン:人に集い、仕事に集う

 

 

ⅲ.人材マネジメント5要素

人材マネジメントにおいて認識すべき要素は5つに分類され、その5要素のうち最も中心となる要素を『育成(=成長支援)』とし、他の4要素との密接に関連した人材マネジメントを行います。

(人材マネジメントの5要素)


 

 

b.人材育成の方針

当社では、「人的資本経営基本方針」に則り、人材育成の推進を図ります。

ⅰ.人材育成の目的

当社グループの人材育成は、人材の能力を引き上げる環境と機会の提供によって、人事の成長を支援し、企業価値の向上を図りつつ、健全な企業文化を醸成することを目的とします。

 

ⅱ.目指すべき人材像

当社グループは、次に掲げる属性を高い次元で備えた人材の育成を目指します。

       ・広い視野

       ・旺盛なチャレンジ精神

       ・高い規範意識

       ・弛まぬ向上心

       ・高度な専門性

       ・豊かな感受性

 

ⅲ.多様性の追求

当社グループは、人材との十分な対話を経て、個性に応じた多様なキャリア形成の機会を提供します。

 

c.社内環境整備の方針

当社ではすべての職員が最大限の力を発揮できるよう、職員が当社グループの事業に誇りを持ち、自らの仕事に対してやりがいを感じ、安心して新たな課題に挑戦できる職場・風土を構築します。

ⅰ.挑戦する職員の支援

自らの仕事に誇りとやりがいを持って、新たな課題に挑戦し続ける職員を支援するため、意欲のある職員に対し、成長する機会と働きやすい環境を提供します。

そのため、公募により希望職種にチャレンジできる制度やトレーニー制度を設けています。

 

 

ⅱ.多様な働き方の実現

多様な人材が活躍できる環境をつくるため、時間や場所の制約を軽減しワークライフバランスを確保するとともに、ライフイベントに応じてキャリアの継続・向上を支援します。

そのため、テレワークやフレックスタイムの活用推進、女性活躍を支援するための様々な取組みを実施しています。

 

ⅲ.職員の心身の健康増進

当社では職員の心身の健康が将来的な成長と地域への貢献に重要であると考え、職員一人ひとりの心身の健康増進に向けた様々な取組みを行います。

そのため、産業保健スタッフによる健康指導や休暇取得奨励等、健康増進に向けた取組みを実施しています。

 

⑥ 人権尊重の一層強化

2024年4月、人権尊重の取組みを一層強化するため、「池田泉州ホールディングスグループ人権方針」を制定しました。

池田泉州ホールディングスグループは、人権尊重を重要なテーマとして位置付け、今後も人権に関する国際的な規範に則した事業活動を取組むなど、人権尊重への取組みを強化し、持続可能な成長と社会貢献を実現していきます。

「池田泉州ホールディングスグループ人権方針」の詳細な内容は、以下URLをご参照ください。

 (URL:https://www.senshuikeda-hd.co.jp/ir/e-koukoku/esg/jinkenhoushin.html

 

⑦ 雇用者の資産形成を支援する取組み(ファイナンシャル・ウェルネス)

当社では職員の将来的な財産形成の一助となるべく、従業員持株会を設定しております。積立口数に応じて奨励金を拠出しており、職員の加入を推奨しております。

 

(3) リスク管理

① リスク管理の基本的な考え方

金融業務の自由化・高度化・国際化の進展や情報通信技術の著しい進捗などにより、金融機関のビジネスチャンスが拡大する一方で、金融機関の抱えるリスクは、ますます複雑化・多様化しています。

また、金融機関が様々な顧客ニーズに応えながら収益を安定的かつ継続的に確保するためには、多様なリスクを適切に把握・評価・管理し、環境の変化に適時・適切に対応することが重要となっています。このような状況の下、当社グループは、リスク管理体制の充実・強化を経営の重要課題として位置づけ、健全性の維持・向上に努めています。 

 

② ESGリスクへの対応

ESGリスクは環境や地域・社会、企業倫理などに関連して複合的に発生するリスクであり、財務的損失や社会的信頼の低下、当局からの制裁、従業員の身体生命の安全性への脅威を引き起こし、最終的には、企業価値の毀損につながる恐れがあると認識しております。企業にとって重要なESGリスクの特定・評価およびその対応を進める必要性が高まっている中、取組み強化を図っていきます。

(当社が認識しているESGリスク)

環境

社会

ガバナンス

生物多様性

労働基準

腐敗の防止

水の安全保障

人権と社会

リスク・マネジメント

汚染と資源利用

顧客に対する責任

税の透明性

気候変動

健康と安全

コーポレート・ガバナンス

サプライチェーン:環境

サプライチェーン:社会

 

 

 

③ 気候変動へのリスク管理体制

当社グループは、統合的リスク管理の枠組みの下、信用リスクなどにかかる各種リスクの総量を自己資本の一定範囲内にコントロールするため、リスク資本管理制度に基づいて、業務運営を実施しています。

気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが、お取引先の業績を通じて事業運営、戦略、財務計画に大きな影響を与えうることを認識しております。シナリオ分析結果を踏まえ、当社グループお取引先の事業活動に及ぼす影響については、信用リスク管理の枠組みの中で対応しており、リスク管理委員会において気候変動リスクに関する報告を実施しております。

気候変動のリスクは時間軸やその不確実性に配慮する必要がありますが、気候変動をドライバーとした当社グループのリスクについて、既存のリスク管理の枠組みも活用しながら、状況をモニタリングし、適切な対応を検討してまいります。

前述のとおり、サステナブル融資方針・特定セクターに対する融資方針を設定し、気候変動による負の影響について、融資の取組可否判断の際には十分に注意しつつ検討を行っております。また、シナリオ分析を活用した重要セクターのリスク把握に基づき、お取引先と意見交換をさせていただくことで、サステナブルファイナンスやCO2削減に向けての取組みなど気候変動対応の支援も進めていく予定です。こうした対応は当社グループのリスクの低減にもつながると考えております。

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動にかかる指標および目標

当社グループでは、気候変動問題に関する中長期目標として次のように定めております。

サステナブルファイナンス ※実行額累計

目標額

2024年3月末

2022年度~2030年度

1兆円

2,118億円

 

※資金使途が環境、社会分野の課題解決につながる投融資、SDGsへの取組みを支援・促進する投融資

なお、日銀気候変動対応オペの対象投融資の残高は267億円です。(2024年3月末時点)

 

CO2排出量削減(2013年度比)

目標

2024年3月末

中期目標(2022年度~2030年度)

60%削減

47.9%削減(速報値)

長期目標(~2050年度)

カーボンニュートラル

 

 

a.CO2排出量について

当社グループでは、TCFD提言等を踏まえ、下記の通り算定を行っております。

(単位:t-CO2)

計測項目

2023年度

Scope1

直接的エネルギー消費

ガソリン、都市ガス等

1,073

Scope2

間接的エネルギー消費

電気

4,942

 

 

b.環境省「金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」への参加

当社は、環境省が実施する「令和5年度 金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」の参加金融機関として採択され、ファイナンスドエミッション(投融資先の温室効果ガス排出量)の算定・分析(ポートフォリオ・カーボン分析)及び、金融機関のネットゼロ達成に向けた移行戦略の検討を行いました。

本支援事業への参加を通じて得られた、取引先企業の温室効果ガス排出量の把握・算定・削減支援の為に必要な知見やノウハウを活用し、取引先企業の脱炭素化をサポートしてまいります。

 

 

c.カーボンニュートラルに向けたロードマップ 

当社グループでは、2050年カーボンニュートラルに向けて、ロードマップを作成しております。


 

d.取引先支援の充実

ⅰ.脱炭素経営セミナー 「中小企業が知りたい、脱炭素経営による経済的メリット」の開催

中小企業の脱炭素経営を数多くサポートしてきた支援機関より、脱炭素経営に取組むメリットや、活用できる補助金、税制等について具体的な事例をご紹介しました。

 

ⅱ.(環境省)地域脱炭素融資促進利子補給事業の取扱い

二酸化炭素の排出削減に取り組む事業者を支援するため、環境省による「地域脱炭素融資促進利子補給事業」の指定金融機関として参加しております。

 

e.サステナブルファイナンスの推進

当社グループでは、資金使途が環境、社会分野の課題解決につながる投融資、SDGsへの取組みを支援・促進する投融資を「サステナブルファイナンス」として、推進しております。

(サステナブルファイナンスの例)

・サスティナビリティ・リンク・ローン

・グリーンローン

・ポジティブ・インパクト・ファイナンス

・「池田泉州SDGs経営応援ローン」

・池田泉州銀行SDGs私募債「絆ふかまる」

 

 

② 人材への取組みに関する指標及び目標

分類

設定指標

(池田泉州銀行単体)

2020年度

実績

2021年度

実績

2022年度

実績

2023年度

実績

(達成年度)

目標

人材育成

(専門人材育成)

ソリューション
人材

70名

104名

150名

154名

(2025年度)

220名

FP1級
 資格保有者

40名

84名

130名

159名

デジタル人材

143名

(2025年度)

360名

エンゲージメント

エンゲージメント
スコア

67

(同規模

金融68)

67

(同規模

金融68)

今後検討

従業員持株会
加入率
(Financial
 Wellness)

98.0%

97.3%

97.2%

95.2%

ダイバーシティ

女性管理職比率(注1)

11.2%

12.0%

12.9%

14.1%

(2026年度)

25%以上

(2030年度)

35%以上

女性役付者比率(注2)

20.7%

21.6%

23.5%

25.6%

(2026年度)

35%以上

(2030年度)

40%以上

男女間

賃金格差

正規

67.0%

64.2%

64.5%

65.2%

非正規(注3)

84.0%

85.0%

79.8%

78.1%

合計

59.4%

56.1%

55.9%

56.6%

男性育休取得率

46.4%

44.9%

92.3%

104.7%

(2026年度)

100%

女性育休取得率

103.6%

男女育休取得率

104.2%

男性育休取得日数
(平均)

6.4営業日

(2026年度)

12営業日以上

(2030年度)

24営業日以上

経験者採用比率

13.8%

5.3%

13.8%

21.7%

今後検討

障害者雇用比率

2.39%

2.32%

2.36%

2.43%

(2025年度法定)

2.7%

健康

有給休暇取得率

42.8%

47.1%

52.9%

51.5%

月平均
時間外勤務

12.9時間

11.3時間

12.1時間

12.7時間

ストレスチェック
受検率

95.2%

96.9%

96.5%

96.5%

特定保健指導
実施率

35.3%

45.6%

58.4%

喫煙率

16.1%

15.5%

14.9%

14.3%

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。管理職とは、具体的には、『課長』以上の職位にある者としております。

2 役付者とは、担当業務の責任者として、組織マネジメントの職責を担う者としております。具体的には、部下を持つ職務にある『課長代理』『調査役』以上の職位にある者としております。

3 男女間賃金格差における非正規雇用労働者については正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しております。

4 事業内容が異なる連結グループ全体での設定が困難であるため、池田泉州銀行単体で指標及び目標を設定しております。