事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 7,662 | 100.0 | 2,074 | 100.0 | 27.1 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社の企業集団は、当社及び当社の子会社2社(国内子会社2社)で構成されており、商品デリバティブ取引業等を主要な事業とするほか、研修施設等の管理を主な業務とする不動産管理業を行っております。
事業部門別による企業の配置は、
(1) 商品デリバティブ取引業等
商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業
(注)「YUTAKA SHOJI MALAYSIA SDN.BHD.」は、2024年7月1日開催の取締役会において解散し、清算することを決議し、2025年3月3日付けにて清算しております。
(2) 不動産管理業
となっております。
事業の内容別による主な業務は、
(1) 受託業務
金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく商品デリバティブ取引業(商品デリバティブ取引)及び金融商品取引法に基づく金融商品取引業(取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引)に係る受託業務。
(2) 自己売買業務
商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引、取引所為替証拠金取引及び株価指数先物取引等における当社グループが自己の計算において行う取引業務。
となっております。
(1) 商品デリバティブ取引業等
① 商品デリバティブ取引
当社は、次に掲げる金融商品取引所及び商品取引所の各上場商品について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。
(注)1. 上記において「受託業務を行っている会社」とは商品市場における売買について委託者の委託を受け上記取引所へ直接注文の執行ができる会社であり、「取次業務を行っている会社」とは上記取引所への注文の執行を「受託業務を行っている会社」を通して行うことのできる会社であります。
2. 2025年3月末現在、取引又は立会いを休止している上場商品は一部を除き上表から除いております。
② 取引所株価指数証拠金取引
当社は、金融商品取引法に基づき、㈱東京金融取引所の取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」(当社のサービス名「ゆたかCFD」)について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。
③ 取引所為替証拠金取引
当社は、金融商品取引法に基づき、㈱東京金融取引所の取引所為替証拠金取引「くりっく365」(当社のサービス名「Yutaka24」)について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。
④ 株価指数先物取引
当社は、金融商品取引法に基づき、㈱大阪取引所における先物取引等取引資格及び指数先物等清算資格を得て株価指数先物取引「日経225先物取引」等について受託業務及び自己売買業務を行っております。また、子会社のユタカ・アセット・トレーディング株式会社は、自己売買業務を行っております。
(2) 不動産管理業
当社の子会社であるユタカエステート株式会社は、研修施設等の管理事業を行っております。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
また、事業系統図を示すと次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、通期を通して内需主導の緩やかな回復が見られました。企業活動の活発化やインバウンド需要の回復を背景に、大企業・非製造業の景況感は高水準を維持し、大企業・製造業も一部のハイテク関連や素材産業を中心に改善の動きがありました。一方で、業種によって景況感の二極化が進み、米国の通商政策への警戒感が製造業の一部において景況感を押し下げました。先行きの経済は、好調な企業収益を背景とした賃上げや設備投資の拡大により、個人消費の下支えが期待されるものの、米国の関税引き上げに起因する輸出減少や企業収益の下押しが、民需を抑制し景気は減速する見通しであります。
一方、世界経済は、米国では個人消費が底堅さを見せる局面もありましたが、高金利や物価上昇の影響により、年後半にかけて徐々に消費の勢いは鈍化しております。米国供給管理協会(ISM)景況感指数は製造業・非製造業ともに年初から低下傾向にあり、企業マインドも悪化しております。中国では、年初こそ政策効果を背景に内需が持ち直したものの、個人消費や固定資産投資は通期を通して力強さを欠き、企業の景況感も総じて低迷しており、輸出は一部の分野で好調を維持したものの、内需の低迷が景気の重荷となっております。先行きは、米国では関税引き上げに伴うコスト増加や物価上昇が個人消費・設備投資を抑制し、景気は減速傾向を辿る見込みでありますが、一部では減税や規制緩和への期待が下支え要因となる可能性もあり、中国では、景気刺激策の実効性や規模が限定的であるため、内外需ともに回復力は弱く、景気は引き続き減速する見通しであります。
証券市場においては、取引所株価指数取引(くりっく株365)は、米国の根強いインフレを背景として米連邦準備制度理事会(FRB) による利下げ観測が後退したことや、イスラエルによるイラン大使館周辺の空爆などの中東情勢緊迫化を受けて下落、一時37,000円を割り込みました。5月に入るとNYダウが高値を更新して40,000ドル台まで上昇、国内市場も追随する動きを見せましたが、その後は長期金利の上昇が圧迫要因となり軟調な推移となりました。6月は39,000円を中心としたもみ合いを経て、円安ドル高を背景に月末にかけて上値を追う展開となりました。7月の前半はFRBの早期利下げへの期待を背景にNYダウが上昇、円安ドル高も支援要因となり過去最高値を更新して42,000円台まで上昇しました。しかしその後は急速に円高ドル安が進行、NYダウの下落も嫌気され急落場面となりました。8月の前半も円高ドル安の流れに押されて続落場面となり約10ヶ月ぶりに安値を更新、一方で急落に対する反動も大きく、月後半では7月末の水準まで戻すなど不安定な相場展開となりました。9月前半もFRBが0.5%の利下げに踏み切るとの見方から、為替が一時140円を割り込むなど、円高ドル安を背景に35,000円台まで下落しましたが、実際に0.5%の利下げを決定すると米国景気のソフトランディング期待からNYダウが上昇、国内市場も堅調な推移となりました。10月には米国で景気の底堅さを示す経済指標の発表が相次いだことから、日本株市場もリスクオン選好の動きとなり上昇、約3ヶ月ぶりに40,000円を上回りましたが40,000円は抵抗ラインとして意識され、その後は調整場面から38,000円割れまで下落しました。11月に入り米国大統領選挙でトランプ前大統領が勝利したことから、財政出動を期待する「トランプ・トレード」を意識した買いにより上昇しましたが、その後は関税強化の方針が投資家心理の悪化を誘い、再度38,000円を割り込みました。12月に入ると為替市場での円安ドル高進行を背景に下値を切り上げる動きとなりましたが、引き続き抵抗ラインが継続して1月には38,000円台を試す動きとなりました。その後も38,000円から40,000円のレンジを意識した動きとなりましたが、2月後半に為替が150円を割り込んだことからレンジを下抜いて3月には36,000円台まで下落しました。その後は調整場面から値を戻す場面も見られたものの、米国による「相互関税」の導入を控え、景気後退懸念を背景に月末には一時36,000円を割り込みました。
商品市場においては、原油は中東情勢の悪化による供給不安が高まる中、下値を切り上げて80,000円台まで上昇するなど堅調な足取りとなりました。しかし5月に入ると、イスラエルとイスラム組織ハマスとの休戦実現に向けた期待感や米国原油在庫の増加を背景に、海外市場が急落したことから75,000円台まで下落しました。その後は徐々に値を戻しましたが6月に入り、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国でつくるOPECプラスの閣僚級会合が開催され、現行の協調減産を2025年末まで延長することで合意したものの、一部の減産については10月以降、減産規模を徐々に縮小する枠組みを設定したことから、海外市場が急落、国内市場も追随して一時72,000円を割り込みました。しかし売り一巡後は、ウクライナ情勢や中東情勢を巡る地政学的リスクが意識されて急反発場面となり、再度80,000円台を回復しました。その後は中国の消費減速を背景とした原油需要減退懸念が台頭して下落、8月には米国株式市場が大きく下落する中、原油相場にもリスク回避の動きが強まったことから急落場面となり、64,000円を割り込みました。その後も引き続き地政学的リスクが下支えとなり70,000円台を回復する場面も見られましたが、9月に入りOPECが2024年と2025年の世界石油需要見通しを2ヶ月連続で引き下げたことが圧迫要因となり、60,000円台前半まで下落しました。10月に入るとイランがイスラエルにミサイル攻撃を行い、地政学的リスクの高まりから急伸場面となり一時70,000円台まで上昇しましたが、イスラエルの反撃が限定的であったことから、その後はおおよそ65,000円から69,000円での推移となり、保ち合い相場が続いた後、12月にシリアのアサド政権が崩壊したことから中東情勢不安定化への懸念が台頭、日銀の金融政策決定会合での金利据え置きによる円安ドル高も上昇要因となり1月半ばには74,000円台に到達しました。しかしその後は、パレスチナ・ガザ地区の停戦合意が成立したことや、ウクライナ停戦を巡る米露高官協議が行われたことから地政学的リスクが後退して反落、3月にはOPECプラスが自主減産を予定どおり4月から段階的に縮小すると発表したことも圧迫要因となり、60,000円台まで下落しました。年度末にかけては米国が対イラン制裁を強めるなど、中東の地政学的リスクの高まりから供給への懸念が台頭、65,000円台で取引を終えました。
金はイスラエルがシリアのイラン大使館周辺を空爆したことを受けて、中東情勢を巡る地政学的リスクが一段と高まり、国内外ともに最高値を更新する動きとなりました。5月に入り米国の経済指標がインフレ鈍化傾向を示したことから円高ドル安が加速、東京金は一時11,180円まで急落しました。しかし中東の地政学的リスクの再燃や、イラン大統領の事故死などを受けて堅調に推移、12,000円台まで上昇しました。6月に入ると中国人民銀行(中央銀行)が1年半続けてきた金準備高の増加が5月で一時停止したことが明らかとなり12,000円を割り込む場面も見られたものの円安ドル高を背景に堅調に推移、米国の9月利下げ開始予想も支援要因となり、12,679円と過去最高値を更新しました。その後は中国の金需要減退懸念や円高ドル安が圧迫要因となり軟調に推移、8月早々には急激な円高ドル安と株安を受けて商品市場にも売り圧力が加わり、一時11,000円を割り込む暴落場面となりました。その後は中東の地政学的リスクへの警戒や為替市場が大幅に円安ドル高に振れたことから投機資金が流入、12,000円手前まで値を戻すなどボラティリティの高い状況が続きました。9月に入るとFRBが通常の2倍にあたる0.5%の利下げを決定したことが金利のつかない金の支援要因となり、NY市場で2,708.7ドルと過去最高値を更新、国内市場も追随する動きから12,600円台を回復しました。10月に入ると修正を経た後、急激な円安ドル高を背景に連日過去最高値を更新して13,819円まで上昇、NY市場も過去最高値となる2,800ドル台まで上昇しました。その後は利益確定の売りなどの持ち高調整で軟調に推移、米国大統領選挙ではトランプ前大統領が圧勝したことから政策実現性が高まるとの見方が強まり、「トランプ・トレード」が誘発されたことも圧迫要因となりました。12月に入り、シリアのアサド政権崩壊による地政学的リスクや、中国人民銀行(中央銀行)が11月に7ヶ月ぶりとなる金購入を再開したことなどを受けて反発、NY市場では一時2,600ドルを割り込む場面も見られたものの、国内市場は円安基調を背景に上昇しました。1月に入っても中国の金購入が好感され続伸、引き続き地政学的リスクも意識されて2月には14,500円台まで上昇しました。その後は修正場面から一時14,000円を割り込みましたが、円安ドル高を背景に上昇に転じて連日高値を更新、3月後半には15,000円台に至りました。
為替市場においては、底堅い米国経済情勢を背景にFRB議長が政策金利を当面の間、現行水準を維持する方針を示唆したことから利下げ観測が後退、また、日銀の金融政策決定会合を受けて緩和的な金融政策が継続する見方が強まったことから、160円台前半まで円安ドル高が進行しました。5月に入り高値警戒感の中でISM景況感指数などの米国主要指標が市場予想を下回ったことを受けて急落場面となり、一時151円台後半へ調整安となりましたが、その後はFRBと日銀の金融政策を巡るスタンスの違いが意識され、再び157円台半ばへ円安ドル高が進みました。6月は一進一退の動きを経た後、日銀が国債買い入れの減額を先送りしたことなどから37年半ぶりとなる161円台まで円安ドル高が進行しました。7月に入ると日米金利差の縮小を背景に円高ドル安が進行、FRBが9月の利下げ開始を示唆した一方で、日銀が追加利上げと長期国債買い入れ減額を発表したことも円高ドル安に拍車をかけました。8月には日銀高官が利上げを急がない姿勢を示したことで一時的に円が反落しましたが、9月に入り軟調な米国の経済指標を受けて再び円高ドル安が進み、一時140円を割り込みました。月後半の自民党総裁選では、当初円売りドル買いが強まり、146円台に達しましたが、決選投票後に143円台まで急落するなどボラティリティの高い展開となりました。10月に入ると石破首相の「追加の利上げをする環境にはない」との発言や、米国雇用関連指標の強さを背景に大きく円安ドル高が進行しました。11月にはトランプ前大統領の勝利を経て、共和党が上下両院を制する見通しやFRB高官の利下げ慎重姿勢を背景に156円台後半まで上昇しましたが、その後は日銀の早期追加利上げ観測が浮上、11月末には一時150円を割り込む展開となりました。12月に入るとFRBが堅調な経済指標やインフレ再燃への警戒から利下げペース鈍化を示唆したことや、日銀の金融政策決定会合では植田総裁が利上げに慎重な姿勢を示したことから円安ドル高が進行、1月初旬には158円台後半に達しました。しかしその後は日銀が追加利上げを実施したことにより日米両国の金利差が縮小、2月の前半には一時150円台後半まで円高ドル安が進みました。その後も修正を繰り返しながら円高ドル安トレンドが継続、3月上旬には米国がカナダ、メキシコへの関税賦課を実施すると表明したことから146円台半ばまで円高ドル安が進行しました。その後は堅調な米国経済指標を背景に151円台まで反発しました。
このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品デリバティブ取引の総売買高1,269千枚(前年同期比3.7%増)及び金融商品取引の総売買高2,335千枚(前年同期比19.9%減)となり、受入手数料7,537百万円(前年同期比2.8%増)、トレーディング損益27百万円の利益(前年同期は16百万円の損失)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益7,662百万円(前年同期比3.5%増)、純営業収益7,643百万円(前年同期比3.5%増)、経常利益2,153百万円(前年同期比2.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,915百万円(前年同期比33.9%増)となりました。
当社の経営成績の概要は次のとおりであります。
a. 営業収益
当連結会計年度の営業収益は7,662百万円(前年同期比3.5%増・259百万円増加)となりました。受入手数料は7,537百万円(前年同期比2.8%増・204百万円増加)、トレーディング損益は27百万円の利益(前年同期は16百万円の損失)、その他の営業収益は97百万円(前年同期比13.6%増・11百万円増加)となりました。
b. 金融費用
当連結会計年度の金融費用は18百万円(前年同期比20.9%増・3百万円増加)となりました。
c. 純営業収益
当連結会計年度の純営業収益は7,643百万円(前年同期比3.5%増・256百万円増加)となりました。
d. 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,569百万円(前年同期比3.3%増・176百万円増加)となりました。この主な内訳は、取引関係費が761百万円(前年同期比1.4%減・10百万円減少)、人件費が3,580百万円(前年同期比3.8%増・130百万円増加)、貸倒引当金繰入額が20百万円(20百万円増加)、その他(電算機費等)が655百万円(前年同期比4.1%増・25百万円増加)となっております。
e. 営業利益
前連結会計年度に比べて純営業収益は256百万円増加し、販売費及び一般管理費は176百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は2,074百万円(前年同期比4.0%増・80百万円増加)となりました。
f. 営業外収益
当連結会計年度の営業外収益は92百万円(前年同期比16.8%減・18百万円減少)となりました。この主な内訳は、受取利息が22百万円(前年同期比40.2%減・15百万円減少)、受取配当金が54百万円(前年同期比8.6%増・4百万円増加)となっております。
g. 営業外費用
当連結会計年度の営業外費用は13百万円(前年同期比97.2%増・6百万円増加)となりました。この主な内訳は、為替差損が8百万円(8百万円増加)、投資事業組合運用損が4百万円(前年同期比28.3%減・1百万円減少)となっております。
h. 経常利益
前連結会計年度に比べて営業外収益は18百万円減少し、営業外費用は6百万円、営業利益が80百万円それぞれ増加したため、当連結会計年度の経常利益は2,153百万円(前年同期比2.6%増・55百万円増加)となりました。
i. 特別利益
当連結会計年度の特別利益は624百万円(前年同期比245.7%増・443百万円増加)となりました。この主な内訳は投資有価証券売却益が393百万円(前年同期比127.2%増、220百万円増加)、商品責任準備金戻入額が157百万円(157百万円増加)となっております。
j. 特別損失
当連結会計年度の特別損失は111百万円(前年同期比34.4%増・28百万円増加)となりました。この主な内訳は、投資有価証券評価損が98百万円(98百万円増加)、金融商品取引責任準備金繰入額が10百万円(前年同期比16.4%増加・1百万円増加)となっております。
k. 税金等調整前当期純利益
前連結会計年度に比べて特別損失は28百万円増加したものの、特別利益が443百万円、経常利益が55百万円それぞれ増加したため、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2,665百万円(前年同期比21.4%増・470百万円増加)となりました。
l. 法人税等
当連結会計年度の法人税等は750百万円(前年同期比1.9%減・14百万円減少)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が731百万円(前年同期比8.8%減・70百万円減少)、法人税等調整額が19百万円(前連結会計年度は△36百万円)となっております。
m. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,915百万円(前年同期比33.9%増・484百万円増加)となりました。営業収益合計に対する比率は25.0%(前連結会計年度は19.3%)となっております。自己資本利益率は14.6%(前連結会計年度は12.3%)となりました。また、1株当たり当期純利益は343.86円(前連結会計年度は259.93円)となりました。
以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産総額は125,860百万円、負債総額は112,060百万円、純資産13,800百万円となっております。
当連結会計年度末の資産総額125,860百万円は、前連結会計年度末99,476百万円に比べて26,384百万円増加しております。この内訳は、固定資産が438百万円減少したものの、流動資産が26,822百万円増加したものであり、主に「投資有価証券」が317百万円減少したものの、「保管有価証券」が1,633百万円、「差入保証金」が16,033百万円、「委託者先物取引差金」が6,381百万円それぞれ増加したものであります。
当連結会計年度末の負債総額112,060百万円は、前連結会計年度末87,005百万円に比べて25,054百万円増加しております。この内訳は、固定負債が259百万円、特別法上の準備金が147百万円それぞれ減少したものの、流動負債が25,462百万円増加したものであり、主に「預り証拠金」が18,523百万円、「金融商品取引保証金」が9,354百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産13,800百万円は、前連結会計年度末12,471百万円に比べて1,329百万円増加しております。この内訳は、主にその他の包括利益累計額が290百万円減少したものの、株主資本が1,620百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の自己資本比率は11.0%(前連結会計年度末は12.5%)となっております。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて482百万円の増加となり、8,137百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、1,765百万円(前年同期は1,951百万円の取得)となりました。これは「委託者未払金」の減少、「差入保証金」の増加、「委託者先物取引差金」の増加、及び「未払委託者取引差金」の減少による資金の使用等があったものの、「預り証拠金」及び「金融商品取引保証金」の増加による資金の取得等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の使用は、827百万円(前年同期は16百万円の取得)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入等があったものの、有価証券の取得及び投資有価証券の取得による支出等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、407百万円(前年同期は308百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額によるものであります。
③ 商品デリバティブ取引業等
a. 当連結会計年度における商品デリバティブ取引業等の営業収益は次のとおりであります。
(受入手数料)
(単位:千円)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(トレーディング損益)
(単位:千円)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
b. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引等の売買高に関して当連結会計年度中の状況は次のとおりであります。
(売買高の状況)
(単位:枚)
(注)1. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
2. 商品デリバティブ取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:枚)
3. 商品デリバティブ取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
c. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引業等に関する売買高のうち当連結会計年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。
(未決済建玉の状況)
(単位:枚)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。
当連結会計年度における当社の状況は、商品デリバティブ取引部門の国内委託売買高は、前年同期1,124千枚に対し当期1,216千枚と92千枚増加しております。これは、貴金属市場の委託売買高が76千枚増加(前年同期比9.54%増加)したことが主因となっております。また、貴金属市場の主要銘柄である金市場ではシリアのアサド政権崩壊による地政学的リスクや、中央銀行が11月に7ヶ月ぶりとなる金購入を再開したことなどを受けて反発、NY市場では一時2,600ドルを割り込む場面も見られたものの、国内市場は円安基調を背景に上昇しました。1月に入っても中国の金購入が好感され続伸、引き続き地政学的リスクも意識されて2月には14,500円台まで上昇しました。その後は修正場面から一時14,000円を割り込みましたが、円安ドル高を背景に上昇に転じて連日高値を更新、3月後半には15,000円台に至ったことから前年度と同様に取引が集中しました。貴金属市場の取引手数料収入は前年同期比5.6%増加となり、国内商品デリバティブ取引手数料収入が前年同期比4.9%増加したことの主因となっております。
また、金融商品取引部門の国内委託売買高は、前年同期2,855千枚に対し当期2,204千枚と650千枚減少しております。これは前年度に引き続き取引所株価指数証拠金取引におけるNYダウリセット付証拠金取引及び日経225リセット付証拠金取引の委託売買高の大幅な減少によるものであります。主力商品である日経225リセット付証拠金取引は、12月に入ると為替市場での円安ドル高進行を背景に下値を切り上げる動きとなりましたが、引き続き抵抗ラインが継続して1月には38,000円台を試す動きとなりました。その後も38,000円から40,000円のレンジを意識した動きとなりました、2月後半に為替が150円を割り込んだことからレンジを下抜いて3月には36,000円台まで下落しました。その後は調整場面から値を戻す場面もみられたものの、米国による「相互関税」の導入を控え、景気後退懸念を背景に月末には一時36,000円を割り込んだことにより委託売買高は減少しました。取引所株価指数証拠金取引全体の委託売買高は、前年同期比33.7%減少となり、手数料の減少の要因となり、受入手数料(取引所株価指数証拠金取引)1,166百万円(前年同期比8.9%減)となっております。しかし、取引所為替証拠金取引における主力商品である米ドル円の証拠金取引は、12月に入るとFRBが堅調な経済指標やインフレ再燃への警戒から利下げペース鈍化を示唆したことや、日銀の金融政策決定会合では植田総裁が利上げに慎重な姿勢を示したことから円安ドル高が進行、1月初旬には158円台後半に達しました。しかしその後は日銀が追加利上げを実施したことにより日米両国の金利差が縮小、2月の前半には一時150円台後半まで円高ドル安が進みました。その後も修正を繰り返しながら円高ドル安トレンドが継続、3月上旬には米国がカナダ、メキシコへの関税賦課を実施すると表明したことから146円台半ばまで円高ドル安が進行しました。その後は堅調な米国経済指標を背景に151円台まで反発したことから、委託売買高が増加しました。取引所為替証拠金取引の委託売買高は、前年同期比9.3%増加となり、受入手数料(取引所為替証拠金取引)363百万円(前年同期比26.4%増)となったものの、取引所株価指数証拠金取引の受入手数料減少が、金融商品取引部門の国内取引手数料収入が前年同期比4.5%減少したことの主因となっております。
このような結果、当連結会計年度の経営成績は、金融商品取引業の受入手数料は前連結会計年度に比べ減少したものの、トレーディング損益が27百万円の利益(前年同期は16百万円の損失)、商品デリバティブ取引業の受入手数料は前連結会計年度に比べ増加したことにより、営業損益、経常損益ともに利益を計上、親会社株主に帰属する当期純利益は1,915百万円(前年同期は1,430百万円の利益)を計上しました。
当社の収益の柱は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。収益比率では、前連結会計年度に引続き、金を中心とした商品デリバティブ取引業の手数料収入が収益の大きな割合を占めました。手数料収入のおおよその割合は商品デリバティブ取引業が79%、金融商品取引業が21%となっております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第2「事業の状況」」「第4「提出会社の状況」」に記載しております。
当社の資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合などは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保、財務の健全性及び安定性を維持するため、銀行等から借入を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向総合的に勘案しながら最適な調達を実施しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。当該課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(訴訟損失引当金)
訴訟損失引当金の認識は、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により見積りと異なった場合、訴訟損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りについての詳細は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(重要な会計上の見積り)」に記載されております。
また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
【関連情報】
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。