事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
-
セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
投資銀行事業 | 6,919 | 72.1 | 2,505 | 118.9 | 36.2 |
公共コンサルティング事業 | 368 | 3.8 | -34 | -1.6 | -9.3 |
エンタテインメント・サービス事業 | 2,311 | 24.1 | -364 | -17.3 | -15.8 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社18社、持分法適用関連会社2社、非連結子会社2社、持分法非適用関連会社2社で構成されており、投資銀行事業を中心に、公共コンサルティング事業及びエンタテインメント・サービス事業を営んでおります。
当社グループの報告セグメント、主な事業内容及び主な連結会社は以下の通りであります。
(投資銀行事業の事業内容)
当事業では、ファイナンスアレンジやフィナンシャル・アドバイザリーにより資金調達を支援し、顧客の戦略的目標の達成に貢献しております。また資金を必要とするプロジェクトや組織の潜在的価値や将来性を見いだして価値を高めるプライベートエクイティ投資やアセット投資を行う投資業務、不動産や有価証券等の投資運用サービスを提供するアセットマネジメント業務を行っております。また、将来的な航空機投資運用を視野に入れて航空機アセットマネジメントや航空機技術アドバイザリー業務等を提供しています。
なお、当社グループは、北欧のライフスタイルを体験できる「メッツァビレッジ」とムーミンの物語を主題とした「ムーミンバレーパーク」の2つのゾーンで構成される「メッツァ」を運営しておりますが、当事業におけるアセット投資の一環として当社は「メッツァビレッジ」を保有し、賃貸しております。
(公共コンサルティング事業の事業内容)
当事業では、㈱パブリック・マネジメント・コンサルティングが地方公共団体の財務書類作成や固定資産台帳整備を支援しております。また、公会計を活用した「公共施設等総合管理計画」の策定や公営企業会計など事業領域は拡大しており、これらを通じて地方財政の健全化に貢献しています。
(エンタテインメント・サービス事業の事業内容)
当事業では、㈱ムーミン物語がムーミンバレーパークを運営しております。飯能地域資源利活用合同会社はムーミンバレーパークの不動産を保有、管理、賃貸するために組成された特別目的会社であり、当該不動産を㈱ムーミン物語に賃貸しております。
事業の系統図は以下の通りとなります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の概要
当連結会計年度は、投資銀行事業において事業承継問題を抱える企業を対象に財務アドバイザリーやアセットマネジメントなどを提供する事業承継ソリューション業務受託と、これらの企業を投資対象とするプライベートエクイティ投資(以下、「PE投資」)を推進しました。
当連結会計年度の経営成績は、第1四半期に㈱ライツ・アンド・ブランズ(以下、「RBJ」)を連結の範囲から除外したものの、事業承継ソリューション業務受託とPE投資の回収が順調に進捗したことにより業務受託収益及び投資収益が増加し、航空機アセットマネジメントも好調に推移したことにより、売上高は9,302百万円(前連結会計年度比0.0%増)、売上総利益は5,111百万円(前連結会計年度比28.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は、事業拡大のための人員増強や外部委託の増加などにより前連結会計年度比10.7%増の3,767百万円となりましたが、営業利益は売上総利益の増加により1,343百万円(前連結会計年度比128.7%増)、経常利益は1,277百万円(前連結会計年度比136.1%増)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、RBJ株式の売却益や負ののれん発生益などにより特別利益が579百万円となったことにより、1,603百万円(前連結会計年度比810.4%増)となりました。
(単位:百万円)
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
① 投資銀行事業
投資銀行事業では、事業承継ソリューション業務受託において案件組成が順調に進捗し、PE投資を実行するとともに、組成した投資案件の回収も進みました。この結果、組成ファンドのアセットマネジメント受託によるアップフロントフィーや期中管理報酬、成功報酬等の業務受託収益が前連結会計年度比で増加するとともに、PE投資の回収による投資収益も増加しました。投資運用業務においては、海外機関投資家、国内機関投資家からレジデンス向け投資のアセットマネジメントを受託し収益を計上しておりますが、預り資産残高は前連結会計年度末比99.0%増の1,117億円となり、ストック型収益の基盤が強化されました。また航空機アセットマネジメントにおいては、コロナ禍の沈静化により機体検査や機体返還などの技術サービスは減速したものの高水準の売上を維持しており、航空機登録の増加や航空機リマーケティングなどの新たな取り組みにより好調に推移しました。
以上の結果、投資銀行事業の売上高は6,919百万円(前連結会計年度比39.1%増)、セグメント利益は2,504百万円(前連結会計年度比112.1%増)となりました。
② 公共コンサルティング事業
公共コンサルティング事業では、財務書類作成のコンサルティングについて大規模自治体を軸に営業活動を推進していますが、令和5年度(2023年4月~2024年3月)における都道府県の財務書類作成受託件数は前年度と比べ1件増加し9件、政令指定都市・特別区についても1件増加し12件となり堅調に推移しました。また、公共施設等総合管理計画の見直しに関しては、総務省は見直しが未完了の地方公共団体は2024年3月末までに完了とすることとしているため、見直しを支援する業務について積極的に営業活動を推進しました。
公共コンサルティング事業の売上高は、国が各自治体に配布した公会計ソフトのサポート終了に伴って発生した提携先のソフト販売による売上高の増加があった前連結会計年度の反動がありましたが、公共施設等管理計画策定の支援業務の受注が増加したことにより367百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。セグメント損益は受注拡大のための先行投資により費用が増加した結果、34百万円のセグメント損失(前連結会計年度は14百万円の損失)となりました。
③ エンタテインメント・サービス事業
メッツァ(メッツァビレッジ及びムーミンバレーパーク)は、来園者数が前連結会計年度比14.6%減の63万人となりましたが、ムーミンバレーパークの入園料金を改定したほか物販・飲食の顧客単価が上昇したことにより、メッツァ関連の売上高は前連結会計年度比4.1%減の2,311百万円に留まりました。
ライセンス関連については、同業務により前連結会計年度に売上高1,877百万円を計上していたRBJを第1四半期連結会計期間より連結の範囲から除外し持分法適用の範囲に含めることとしました。このため、同社業績については当セグメントでは計上せず、営業外損益において持分法による投資損益として計上しておりましたが、当社子会社㈱ムーミン物語は保有するRBJの全株式を2023年7月14日付で譲渡したことにより、RBJは第4四半期連結会計期間より当社の持分法適用の範囲から除外されました。
なおムーミンバレーパークでは、コロナ禍からの本格的な回復を目指し、経営陣及び財務の強化を推進しました。経営陣については、西武グループからレジャー・アミューズメント施設の開発・運営経験者を㈱ムーミン物語へ取締役として招聘しました。また、RBJ株式の譲渡により設備投資、マーケティング費用を確保した上で、新コンテンツ等を導入する設備投資計画の検討を進めるとともに、テレビCMの試行、SNS情報発信の強化、インバウンド施策開始など、集客力を向上させて収益を高める基礎を固めました。
以上の結果、エンタテインメント・サービス事業の売上高は2,311百万円(前連結会計年度比46.1%減)、セグメント損失は364百万円(前連結会計年度は34百万円の損失)となりました。
(2) 財政状態の概要
財政状態の概要は、「(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 Ⅲ 財政状態の分析」において、分析・検討内容と一体的に記載しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、2,868百万円(前連結会計年度末比492百万円増加)となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の増加は615百万円(前連結会計年度は701百万円の減少)となりました。これは主に、売上債権の増加により335百万円、営業投資有価証券の増加により331百万円、関係会社株式売却益により386百万円、法人税等の支払額又は還付額により402百万円減少したものの、税金等調整前当期純利益により1,824百万円、減価償却費により444百万円増加したことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の増加は766百万円(前連結会計年度は141百万円の減少)となりました。これは主に、関係会社株式の売却により680百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入により280百万円増加したものの、関係会社株式の取得による支出により154百万円減少したことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の減少は538百万円(前連結会計年度は802百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入により273百万円増加したものの、長期借入金の返済による支出により514百万円、リース債務の返済による支出により266百万円減少したことによるものです。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 生産高は、評価損等による減少を除く販売用不動産及び仕掛販売用不動産の増減額に売上原価を加えた金額により表示しております。
② 受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度の下記の相手先への販売実績は、総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
3 投資銀行事業の販売実績が増加した主な要因は、事業承継ソリューション業務受託と付随するプライベートエクイティ投資の回収、並びに航空機アセットマネジメントによる売上高が増加したことによるものであります。
4 エンタテインメント・サービス事業の販売実績が減少した主な要因は、㈱ライツ・アンドブランツを連結の範囲から除外したことによるものであります。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下の通りであります。文中における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
Ⅰ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者の主観的な判断を伴う見積りが必要になる項目があります。経営者はその見積りが合理的であると判断していますが、市況の変化等により将来の結果が異なるものとなり、連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
当社グループの重要な会計方針のうち、特に重要性の高い会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
Ⅱ 経営成績の分析
① 売上高、売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度にエンタテインメント・サービス事業においてムーミンのライセンス関連により1,877百万円の売上高があった㈱ライツ・アンド・ブランズ(RBJ)が連結除外された減収要因があったものの、投資銀行事業において業務受託とプライベートエクイティ投資、航空機アセットマネジメントがそれぞれ増収となった結果、9,302百万円と前連結会計年度と同水準となりました。
売上原価は、原価率が高いRBJが連結除外となった結果、前連結会計年度の5,311百万円より1,120百万円減少(21.1%減)、4,191百万円となりました。
売上総利益は5,111百万円となり、前連結会計年度の3,990百万円より1,120百万円増加(28.1%増)しました。
販売費及び一般管理費は、事業拡大に伴う人件費や支払手数料の増加により3,767百万円となり、前連結会計年度の3,402百万円より364百万円増加(10.7%増)しました。
営業利益は1,343百万円となり、前連結会計年度の587百万円と比べて756百万円増加(128.7%増)しました。
投資銀行事業及びエンタテインメント・サービス事業の分析は以下のとおりとなります。なお、上記のグラフ及び下記のセグメント別の数値は、いずれもセグメント間の取引を相殺消去しない数値を使用しております。
(投資銀行事業)
投資銀行事業の業務別の売上高、及び売上総利益は、以下の通りです。
業務受託及びプライベートエクイティ投資については、事業承継の課題を抱えた企業に対し当社が買い手となり課題を解決する事業承継ソリューション業務受託とこれに付帯するプライベートエクイティ投資により、案件組成時のアップフロント報酬、期中報酬、投資回収時のディスポジションフィーや投資利益が増加したことや、航空機アセットマネジメントも好調も続いたことにより、売上高が増加しました。以上の結果、投資銀行事業の売上高は前連結会計年度比39.1%増の6,919百万円となりました。
売上原価は、アセット投資の原価率が改善して減少したものの、メッツァビレッジにおけるイベント関連費用や一部リニューアル費用の増加や、航空機アセットマネジメントにおける売上増加に伴う外部委託費用の増加により、前連結会計年度比7.7%増の2,177百万円となりました。
これらの結果、売上総利益は前連結会計年度比60.7%増の4,742百万円となりましたが、販売費及び一般管理費は、事業拡大に伴う人件費や支払手数料などの増加により前連結会計年度比26.4%増の2,237百万円となり、セグメント利益は2,504百万円(前連結会計年度比112.1%増)となりました。
(エンタテインメント・サービス事業)
ムーミンバレーパークを含むメッツァでは、新型コロナウイルス感染症の第8波により上半期は積極的なプロモーションを控えたことや、同感染症が一定の収束を見せた2023年春以降は宿泊を伴う遠出に需要が集まり、関東近郊のレジャー施設が苦戦を強いられたこと、そして夏は猛暑が続いたことにより、来園者数は前連結会計年度比14.6%減の63万人となりました。ムーミンバレーパークでは、2023年5月1日から入園料を改定(大人 当日券3,400円を3,600円に改定など)したことや、物販・飲食客単価向上施策の実施などにより顧客単価が上昇したことにより、メッツァ関連の売上高は前連結会計年度比4.1%減の2,311百万円に留まりましたが、RBJが連結除外されライセンス事業の売上計上がなくなったことにより、エンタテインメント・サービス事業の売上高は前連結会計年度比46.1%減の2,311百万円となりました。
売上原価はライセンス事業の売上原価の計上がなくなったことにより前連結会計年度比39.4%減の2,005百万円となり、売上総利益は前連結会計年度比68.7%減の305百万円となりました。販売費及び一般管理費はライセンス事業の費用がなくなりメッツァにおける費用削減も進んだことにより341百万円減少しましたが、セグメント損失は前連結会計年度に比べ329百万円悪化し364百万円となりました。
(単位:百万円)
(注)1 他のセグメントとの取引を消去しない数値を使用しております。
2 償却前セグメント利益は、セグメント損失に売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる減価償却費及びのれん償却費を足し戻して算出しております。
エンタテインメント・サービス事業(メッツァ関連)の四半期毎の売上高、及びメッツァ来園者数の推移は、以下のとおりです。
② 経常損益
営業外収益は、前連結会計年度の為替利益27百万円がなかったものの、RBJの損益等による持分法による投資利益38百万円やメッツァに係る企業立地奨励金等による助成金収入26百万円などにより91百万円となり、前連結会計年度の90百万円と同じ水準となりました。営業外費用は、ムーミンバレーパーク開発のための金融機関借入やリース等による支払利息129百万円や為替差損21百万円により158百万円となり、前連結会計年度の137百万円より20百万円増加(15.1%増)しました。この結果、経常利益は1,277百万円となり、前連結会計年度の540百万円より736百万円増加(136.1%増)となりました。
③ 特別利益
特別利益は、㈱トリニティジャパンの株式取得による負ののれん発生益190百万円、及びRBJ株式の売却による関係会社株式売却益386百万円などにより、579百万円となりました。
④ 税金等調整前当期純損益
税金等調整前当期純利益は1,824百万円となり、前連結会計年度の556百万円より1,268百万円増加(228.1%増)しました。
⑤ 法人税等、非支配株主に帰属する当期純損益、親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等は180百万円となり、前連結会計年度の128百万円と比べて52百万円増加(40.5%増)しました。非支配株主に帰属する当期純利益は、飯能地域資源利活用合同会社において売掛債権についての回収可能性を見直し貸倒引当金繰入額を計上したことによる損失があったものの、SGI-Group B.V.の当期純利益が増加したことや㈱ムーミン物語が債務超過のため損失が非支配株主に配分されないことにより40百万円となり、前連結会計年度に比べて211百万円減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,603百万円となり、前連結会計年度の176百万円より1,427百万円増加(810.4%増)しました。
Ⅲ 財政状態の分析
① 流動資産
流動資産は、前連結会計年度末より13.2%増加し、12,477百万円となりました。これは主として、営業貸付金が25百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が241百万円、新規投資やPE投資先のファンドが投資回収に至ってファンドの価値が向上したことなどにより営業投資有価証券が365百万円増加したことによるものです。
② 固定資産
固定資産は、前連結会計年度末より3.8%減少し、6,646百万円となりました。これは主として、ムーミンバレーパークの建物、内外装等の減価償却等により建物及び構築物(純額)が195百万円、工具、器具及び備品(純額)が161百万円、RBJを連結の範囲から除外したことにより無形固定資産のその他に含まれる商標権が333百万円減少したことによるものです。
③ 流動負債
流動負債は、前連結会計年度末より204.5%増加し、7,880百万円となりました。これは主として、ムーミンバレーパークの内外装に係るリース債務が111百万円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が5,552百万円、短期借入金が77百万円増加したことによるものです。
④ 固定負債
固定負債は、前連結会計年度末より75.3%減少し、1,849百万円となりました。これは主として、ムーミンバレーパークの内外装に係るリース債務が107百万円、飯能地域利資源利活用合同会社(子会社SPC)の借入を長期借入金から1年内返済予定の長期借入金に振り替えたことにより5,893百万円減少したことによるものです。
⑤ 純資産
純資産は前連結会計年度末より19.8%増加し、9,393百万円となりました。これは主として、非支配株主持分が177百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が6,738百万円増加したことによるものです。
なお、2022年12月22日開催の定時株主総会の決議に基づき、資本金1,098百万円、資本準備金4,036百万円を減少させ、その他資本剰余金に振り替えるとともに、利益準備金を47百万円減少させ、増加したその他資本剰余金とともに繰越利益剰余金に振り替えて欠損填補に充当しました。
以上の結果、総資産は前連結会計年度末より6.6%増加し19,123百万円、負債は前連結会計年度末より3.6%減少し9,730百万円、純資産は前連結会計年度末より19.8%増加し9,393百万円となり、自己資本比率は43.4%となりました。
セグメントごとの分析は、次の通りです。
① 投資銀行事業
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の8,895百万円に対して1,660百万円増加し、10,556百万円となりました。これは主として、不動産信託受益権の販売が進んだものの、新規投資やPE投資先のファンドが投資回収に至ってファンドの価値が向上したことなどにより営業投資有価証券が増加したことや、投資回収や航空機アセットマネジメントの好調、㈱トリニティジャパンの新規連結によって現金及び預金や売掛金が増加したことによるものです。
② 公共コンサルティング事業
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の212百万円に対して地方公共団体への売掛金の増加などによって47百万円増加し、260百万円となりました。
③ エンタテインメント・サービス事業
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の7,553百万円に対して1,388百万円減少し、6,165百万円となりました。これは主として、RBJが連結の範囲から除外されたことにより、同社が保有していた現金及び預金、売掛金、商標権、ソフトウェア仮勘定等がそれぞれ減少したことや、ムーミンバレーパークについて建物、内外装等の減価償却により建物及び構築物、並びに工具、器具及び備品が減少したことによるものです。
Ⅳ 経営成績に重要な影響を与える要因
「3 事業等のリスク」に記載のとおり、当該事業リスクが発生した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資金調達
当社グループは、投資銀行事業の投融資をはじめとする事業活動に必要な資金の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に金融機関借入、不動産証券化、エクイティファイナンス、ファイナンス・リース等で資金調達し、適切な手元流動性を確保しています。
短期資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借入等で賄っています。例えば、不動産開発案件へのアセット投資では銀行借入により調達しております。また、プライベートエクイティ投資案件においては、個別案件毎にファンドを組成した上で当該ファンドがノンリコースローンなどにより資金を調達しております。ただし、成長を加速させると判断した場合、当社は投資銀行事業における投融資資金を確保するため、エクイティファイナンスによる調達も行っております。2018年12月4日には第19回新株予約権を発行し、その後の権利行使によって資金を調達(合計1,808百万円)しておりますが、その資金使途を「不動産小口化投資商品組成のための不動産(信託受益権を含む。)取得」などに充てております。なお、子会社に関しては、必要に応じて当社が子会社に対し運転資金や投融資のための資金の貸付を行っております。
中長期資金需要に対しては、主に金融機関借入、不動産証券化、エクイティファイナンス、ファイナンス・リース等で対応しております。メッツァ開業へ向けての資金需要に対しては、2017年7月にムーミンバレーパークの不動産証券化に係る各種契約を締結して、組成した特別目的会社である飯能地域資源利活用合同会社(当社子会社、以下「SPC」)が地元企業及び当社子会社の㈱ムーミン物語から匿名組合出資金7.5億円を受け入れ、2018年10月には地域金融機関から長期借入金56億円を調達し、調達期間を長期化しました。また、当社は2014年3月発行の第12回新株予約権、2015年4月発行の第14回新株予約権、2018年1月発行の第18回新株予約権で調達した資金のうち41億円をメッツァ建設資金等の開業準備に充当しました。子会社においては㈱ムーミン物語が第三者割当増資により2018年9月期に1,944百万円を、2019年9月期に898百万円(うち当社出資ファンドが634百万円引受)を調達しました。また2019年3月にセール・アンド・リースバックによりムーミンバレーパークの内外装工事代金として942百万円を調達しました。なお当該リース債務は返済が進んでおり、2024年9月期に完済する予定です。このほか、㈱ムーミン物語は、地域金融機関から運転資金を借り入れております。
2021年9月期に㈱ムーミン物語は新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した後、影響の長期化に備えて、メッツァの運営資金を確保すべく、コスト削減策を策定し実行しておりますが、これと並行して、制度融資や金融機関借入により資金調達しております。また同社はSPCからムーミンバレーパークの不動産を賃貸しておりますが、当該賃料支払いの猶予を受け、SPCの金融機関借入については㈱ムーミン物語のコスト削減策の遂行を前提に元本据置を受けておりました。当連結会計年度は正常化に向けて金融機関借入の返済を開始すべく、㈱ムーミン物語は金融機関との間で、同社がSPCに支払う不動産賃借料の見直しに合意し、当該賃借料を原資とするSPC借入金返済及び㈱ムーミン物語の借入金返済を2023年9月末から開始しました。これらの借入金は2024年3月に返済期限を迎えるため、今後、借り換え手続きを行う予定としています。
② 資金需要
当社グループにおける資金需要の主なものは、投資銀行事業においては営業活動における不動産プロジェクトや企業(事業承継案件を含む)への投融資、人件費等の販売費及び一般管理費の運転資金であります。公共コンサルティング事業における資金需要は、人件費や外注費等の運転資金です。エンタテインメント・サービス事業における資金需要は、ムーミンバレーパーク運営における商品・材料仕入れ、人件費、ライセンスフィー及びその他の諸経費の運転資金であり、投資活動においては、施設・コンテンツへの投資が主な内容であります。
投資銀行事業における投融資は、不動産等へ投資するアセット投資と、潜在性・将来性豊かな上場/未上場企業・事業や事業承継の課題を抱える企業等に対し投融資するプライベートエクイティ投資の2つに分けられます。当社グループは、投資銀行事業においては投融資が収益拡大を促進していると考えており、今後も事業承継案件を中心に投資案件の組成、実行、回収を行っていく予定であります。
エンタテインメント・サービス事業においては、メッツァにおいて新型コロナウイルス感染症拡大による売上減少に対応して、コスト削減により運転資金を減少させており、2021年12月のムーミンバレーパークのリニューアルによっても運営コストを低減させておりますが、今後も運営コストの見直しを続けていく予定です。設備投資については、従来は施設維持・改善と一部のコンテンツ入れ替えを中心としてきましたが、2024年には集客力を向上させるため、RBJ株式売却資金により効果的な設備投資を行う予定です。
(7) 経営上の目標の達成状況について
当社は、株主価値の最大化のため資本を効率的に活用することを重視し、効率性を計る尺度として、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標として位置づけ、ROEが安定的に20%超を継続できるよう、収益力の強化を推進するという方針を2023年11月に公表しました。
当連結会計年度は、投資銀行事業の業績拡大に加えて特別利益などの特殊要因もあった結果、売上高純利益率が17.2%となりROEは21.6%となりましたが、この水準を継続できるよう、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の「収益力の強化」、「資産効率性の改善」、「財務レバレッジの改善」に取り組んでまいります。
ROEの推移
(注)1 売上高純利益率・・親会社株主に帰属する当期純利益÷売上高
2 総資産回転率・・・売上高÷総資産(期首・期末平均)
3 財務レバレッジ・・総資産÷自己資本(それぞれ期首・期末平均)
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは「投資銀行事業」を中心に、子会社が行っている「公共コンサルティング事業」、「エンタテインメント・サービス事業」の3つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントの事業内容は以下の通りであります。
・投資銀行事業
ファイナンス・アレンジメント業務
フィナンシャル・アドバイザリー業務
アセットマネジメント業務(不動産投資運用、投資ファンド運用等)
プライベートエクイティ投資
アセット投資
航空機アセットマネジメント、航空機技術アドバイザリー、航空機登録サービス
・公共コンサルティング事業
地方公共団体の財務書類作成支援
公共施設等総合管理計画策定支援
・エンタテインメント・サービス事業
テーマパークの開発、保有、管理、運営
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されているセグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益又は損失は、営業利益又は営業損失ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高又は振替高は、第三者間取引価額に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
(単位:千円)
(注) 1 調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△543,604千円には、セグメント間取引消去303,417千円及び報告セグメントに配分していない全社費用△847,021千円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2)セグメント資産の調整額1,270,895千円は、セグメント間取引消去△1,090,744千円及び各報告セグメントに配分していない全社資産2,361,639千円であります。
2 セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整しております。
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
(単位:千円)
(注) 1 調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△762,616千円には、セグメント間取引消去228,784千円及び報告セグメントに配分していない全社費用△991,400千円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2)セグメント資産の調整額2,141,863千円は、セグメント間取引消去△1,136,296千円及び各報告セグメントに配分していない全社資産3,278,160千円であります。
2 セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
1 製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:千円)
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
1 製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:千円)
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
(単位:千円)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
投資銀行事業セグメントにおいて、190,025千円の負ののれん発生益を計上しております。これは、当社が㈱トリニティジャパンの株式を取得したことによるものであります。