人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,021名(単体) 14,116名(連結)
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平均年齢42.7歳(単体)
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平均勤続年数10.3年(単体)
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平均年収8,242,230円(単体)
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平均年収の
対前年増減率10.0%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社は、コーポレートスローガンに掲げる「信用と創造」を実践し、持続的成長による企業価値を高める源泉は従業員であると考え、持続的成長の果実はまず従業員に還元する「従業員ファーストの経営」と「グループ一体経営」を目指しております。また、社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会社の持続的な成長を確保する上での強みとなるとの認識のもと、かねてよりダイバーシティ推進に積極的に取り組み、中途採用による人材確保(キャリア職)、年功によらず専ら職務と実績に基づく評価制度、専門職種毎の給与体系を並立させる給与制度など、多様性に富む強靭な組織を実現するための独自の人事制度を構築しております。その結果、定期昇給ではなく、役割と成果に応じて年収を上げることで、当社の経営の根本である「持続的成長戦略」における「持続的な賃上げ」を実現しております。また、2023年に「人材開拓推進室」を新設し、多様な人材が活躍できる就労環境の整備、研修の推進も強化しております。
① 当社グループの人事戦略
イ 経営再建時代、事業構造転換のために進めた人事制度改革
バブル崩壊後、再建計画として第一次中期経営計画(1997-2001)を開始した頃の当社は、収益力の大幅な低下とともに不良債権や過大な有利子負債を抱えておりました。
再建計画では、不動産証券化など資金調達の多様化に取り組み、不動産業の原材料である未稼働土地の商品化(開発)を進める一方で、先行投資を必要としない「人が収益を生み出す」受注生産型の新規事業「新築そっくりさん(リフォーム事業)」等に活路を見いだし、収益力の回復を目指しました。
この事業構造転換に際して、外部から優秀な専門人材(キャリア職)を大量に採用する必要に迫られ、旧来の“年功序列”による人事制度を廃し、“高率歩合給”などの能力、成果主義を核とする人事制度への改革を実施し、「新築そっくりさん事業」や「注文住宅事業」の収益拡大に大いに寄与しました。
その後、分譲マンションや賃貸マンション、ホテル、イベントホールなど、「実物資本」と「人的資本」をハイブリッド活用する他の事業にもこの人事制度を拡大適用しました。グループ全体でキャリア職を通年採用し、多岐に渡る職種ごとに、その職務と実績によって年収を定めるジョブ型に近い給与制度に切り替えるなど、キャリア職中心の人事制度を中核に据え、各事業の付加価値向上に大きく寄与しました。
当社はこうして、東京都心の再開発事業を中心としたオフィスビル賃貸事業を収益の柱に据えて長期的な安定成長基盤を構築するとともに、賃貸マンションやホテル、イベントホールなどの賃貸関連事業、分譲マンション、新築そっくりさん、注文住宅、仲介などの各主力事業において、それぞれ特徴的な事業スタイルを築きながら、現在まで持続的な成長による企業価値向上を実現してきました。
ロ 当社独自の「職種別人事制度」と「持続的な賃上げ」
当社はこの人材戦略の有効性を踏まえ、営業職や技術職に限らず、コーポレートスタッフにも専門職種のキャリア職採用を拡大、現在は主要職種だけで約30種もの職種別の給与体系を並立させる人事制度を構築しています。各専門職種は従事する事業や業務の特性に応じて、固定給、変動給の割合、昇給テーブル等を個別に設定した給与制度であり、定期昇給がない代わりに、年齢、性別、社歴を問わず、役割と成果でのみ評価し、社員の成長に応じて年収を上げる制度です。この制度は、社員の成長が年収の上昇に連動しておりますので、言い換えれば、「年収アップをした社員」が多いほど、会社全体の生産性の向上、企業価値の向上に寄与するということになり、「人件費はコストではなく投資」を体現する仕組みとなっております。そのため、当社は、賃上げ率の指標及び目標は定めるものではないと考えておりますが、結果として、当期は6.0%の賃上げを実現しております(前期実績:5.7%)。
ハ ダイバーシティに富んだ組織を実現
20年余り前から、他社での多種多様なキャリアを持つ人材を、即戦力として積極的に採用し人材確保を推し進めた結果、すでに当社グループ職員の8割以上がキャリア職となり、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点、価値観の存在する柔軟かつ強靭なダイバーシティに富んだ組織を実現し、当社成長の源泉となっております。
さらに、職員のモチベーション向上のためには管理職登用における機会均等が最も重要であるとの考えから、性別、新卒・中途の別によらず、専ら意欲と能力による登用を進めております。その結果、現在、管理職の7割以上をキャリア職出身者が占め、管理職における多様性も確保されております。
また、女性活躍推進についても積極的に取り組んでおります。まず、女性採用比率の数値目標(50%)を公表し、将来の登用に向けてまずは社員数を厚くすべく、職員における女性比率の向上に取り組んでいます(当期実績:64.0%)。次に、2022年に、職務給中心の人事制度を全職員に適用する改革を行い、出産、育児等のライフイベントにより中長期にわたりキャリアの中断があった職員についても、復職後、不利なく責任あるポストに即座に就くことが可能な制度とするなど、女性のキャリア形成支援に取り組んでいます。2023年7月設置の「人材開拓推進室」では、将来の幹部候補の開拓に注力してきました。その結果、当期末時点の管理職に占める女性の比率はグループ全体で10.6%(前期比0.1p増)となりました。また、女性の役員選任についても積極的に取り組んでおり、本報告書提出日時点で女性の役員は4名(社外取締役1名、社外監査役1名、執行役員2名)となっております。
なお、当社グループにおける職種別の構成比及び管理職の多様性は、上記のような公正な採用方針、公正な制度、公正な登用の結果として自ずと確保されていくべきものと考えております。当社グループにおける職種別の構成比及び管理職の多様性について数値目標を定めることは、却って、職員の採用及び管理職登用における機会均等を歪め、職員全体のモラールを下げてしまう懸念があると考えているため、かかる数値目標は定めない方針です。
ニ 制度の継続活用と深化拡大
現行の人事制度は、持続的成長を目指す当社の経営戦略において既存事業の成長に資するだけではなく、新規事業や将来の事業構造転換においても、必要なスキルを有する人材の確保、育成を推進する上で引き続き有効と考えております。
当社は、当該人事制度を継続深化、拡大させるため、各専門職種の人材マーケットに則した柔軟な給与水準の見直しや、必要な人材の厚みを確保するため職種ごとに専門的なスキルアップ教育の拡充を図るほか、有能な人材に社内転職の機会を提供する「住友不動産グループ・キャリアチェンジ応援制度」によるキャリア形成支援を行うなど、様々な取組みにより制度のさらなる発展を推し進めております。
ホ グループ一体経営の推進
当社グループ各社は、設立から様々な成長過程を経た結果、健康保険制度や産育休暇・私傷病休暇などのセーフティーネットが不統一となっておりました。「第九次中期経営計画」において、グループ全体の人的資源の流動化を企図し、基本的な諸制度を統一いたしました。
この結果、「住友不動産グループ・キャリアチェンジ応援制度」や他のグループ会社からの管理職登用の障壁が取り除かれ、一人ひとりのキャリア選択の自由度が増しております。今後も当社グループ全職員の機会均等を実現させ、当社グループ各社さらなる発展のため、「第十次中期経営計画」においても引き続き、グループ一体経営を推し進めてまいります。
ヘ 「人材開拓推進室」による社員一人ひとりの能力開拓
当社では、グループ全体で約14,000人の多種多様な社員が活躍していますが、当社が目指す姿は、全ての社員が個々の能力を十分に発揮しながら、やりがいのある仕事に取り組み、能力に見合ったステップアップを実現することです。年齢や性別、社歴によらず平等にステップアップの機会を与えられることで、女性の活躍推進はもちろん、会社全体としての成長につながると考えています。
こうした中で、「人材開拓推進室」では、「まだまだ、個々の持つ能力を存分には発揮できていない状況があるのでは」という認識のもと、住友不動産グループ全体において社員一人ひとりが活躍できる、働きやすい職場環境を整えるための制度改革を進めています。まずは、その基礎づくりとして、多種多様な働き方をしている社員にヒアリングを実施し、また、国や参考にすべき制度を調べ、当社に合う制度へと整えることに取り組んでいます。
その第一弾として、「育児支援制度」を大きく拡充しました。「仕事と育児の両立をしながら活躍したい」という社員の声や悩みに対応するため、国の定める基準を超える手厚い制度を導入し、グループ会社間でも制度を共通にすることで、グループの垣根を越えて、社員が活躍できる基盤を整えています。
ト グループ従業員に当社株式の受取権を付与する「勤続功労株式報酬制度」の新設・拡充
当社は、2024年12月に本制度を新設、現在は当社グループ従業員約14,000人のうち10,000人に対象を拡大しました(退職金制度がある当社またはグループ会社従業員を除く。)。
本制度は従業員の毎年の貢献に応じて当社株式の受取権を割り当てるもので、年々当社株の受取権が累増するとともに、当社の持続的成長の実現を通じて株価が上昇することにより、さらに受取報酬が増えるという期待が醸成されることを通じて、当社の基本方針である持続的成長による企業価値の向上に、大いに力を発揮してもらうためのものです。そのため、本制度は指標及び目標を定めるものではございません。本制度により、従業員が当社の持続的成長に貢献する結果、当社の株価上昇により自らの受取報酬が増加するという好循環を作り出してまいります。(本制度は2025年7月に運用を開始いたしました。)
② 人権の尊重と侵害リスクへの対応
住友不動産グループは、人権の尊重が事業推進上の重要な課題の一つであると認識しています。国際人権章典をはじめとする各種人権規約等における自由権や社会権、付随する諸権利の普遍性や不可侵性を保護することはもちろんのこと、労働基準の遵守やダイバーシティの実現についても実践しながら、サプライヤーをはじめとするステークホルダーとともに事業活動を推進しております。
以上の方針を住友不動産グループ全従業員を対象とした基本方針として掲げ、徹底しております。また、サプライヤーに対してはサステナブル調達ガイドラインを通じて人権方針への協力を要請しております。
人権に関する基本方針
住友不動産グループは、以下に全役職員を対象とした人権基本方針を定めます。
本方針は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて策定しております。
1. 人権尊重に関連した規範や法令の遵守
(1)「国際人権章典」等、人権を規定する国際規範を支持、尊重します。
(2) 事業を行う地域の法令等を遵守し、児童労働・強制労働・人身売買の禁止や最低水準以上の適切な賃金支払いに努めます。
(3)人権に関して国際的基準と現地法令等との間に矛盾がある場合、国際的な原則を尊重する方法を追求します。
2. 事業全体における人権の尊重
(1)教育啓発等を通じ、あらゆる理由(人種、国籍、宗教、性別、性的指向・性自認、障がいの有無、社会的身分、年齢、疾病の有無等)による差別・ハラスメントを防止します。
(2)環境整備等を通じ、過重労働・労働災害等を防止します。
3. 適用範囲
(1) 住友不動産グループの全ての役職員に適用します。
(2) 取引先に対しては、本方針及びサステナブル調達ガイドラインを支持し、ともに人権尊重の取組みを推進することを期待します。
4.人権デュー・デリジェンスの実施
(1)人権への負の影響を防止、軽減すべく人権デュー・デリジェンスを実施します。※1
(2)継続的なモニタリングを通じ、システムに問題点があれば適宜改善策を講じます。
5.教育・研修
(1)本方針が全ての事業活動に反映されるよう、全役職員に適切な教育啓発を行います。
6.救済・是正
(1)人権への負の影響を認識した場合、被害者に対し適切な救済・是正措置を講じます。
7.ステークホルダーとの対話
(1)ステークホルダーとの対話を通じ、適宜人権リスク・課題等の見直しを行います。
※1 住友不動産グループでは、事業活動を通じた人権への悪影響を防止すべく、従業員の労働環境、職場における差別・ハラスメント、サプライヤーの労働環境、お客様の健康・安全、外国人技能実習生などの人権保護の5つの課題について対策を講じております。
従業員の労働環境においては、法令以上の厳格な基準のもと、従業員が健康・安全に働ける環境を整備します。職場における差別・ハラスメントにおいては、あらゆる理由による差別・ハラスメントの防止を徹底します。サプライヤーの労働環境においては、研修等を通じサプライヤーの従業員の安全衛生を守るとともに、サプライヤーに対し適切な労働環境を整備することを要請します。お客様の健康・安全においては、提供する商品・サービスにおいて、お客様に健康・安全 にご利用いただけるよう品質管理を徹底します。外国人技能実習生などの人権保護においては、住友不動産ヴィラフォンテーヌでのホテル客室整備等に従事する技能実習生について、直接の雇用主である業務委託先に対し、適切な賃金支払いや母国語での窓口設置など労働環境整備等を実施していることを確認しております。また、業務委託先と共催で実習生のご家族との現地懇親会を定期的に実施、業務説明のほか寮に関する報告など、安心して働ける環境整備に努めています。
③ 人的資本の取組みに関する指標、目標及び実績
人的資本の取組みに関する指標、目標及び実績は、以下の通りです。
※1 提出会社のみ対象、その他指標は連結。
※2 当社グループの職員の採用及び管理職登用における機会均等を歪めるため、数値目標は定めない方針です。(「ハ ダイバーシティに富んだ組織を実現」参照。)
人的資本の関連情報については、当社ホームページをご参照ください。
(https://www.sumitomo-rd.co.jp/sustainability/society/)
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。
② 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であります。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
3 前事業年度末に比べ従業員数が3,752名減少しておりますが、主として2025年4月1日に当社の完成工事事業を住友不動産ハウジング㈱へ吸収分割により承継したことによるものであります。
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。
2 前事業年度末に比べ完成工事事業の従業員数が3,685名減少しておりますが、2025年4月1日に当社の完成工事事業を住友不動産ハウジング㈱へ吸収分割により承継したことによるものであります。
③ 労働組合の状況
労働組合は結成されておりません。
④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。
⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員100人超の会社について記載しております。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出しております。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第2号に
定める育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。
⑥ 労働者の男女の賃金の差異
提出会社および各連結子会社においては、多数ある専門職種(主要なものだけでも約30職種)ごとに採用・昇給を行っており、各専門職種内において各人の能力(職責)と成果のみで評価する公正な給与制度となっております。かかる実態に即して管理系職種、営業・企画系職種、技術系職種、アシスタント系職種に4分類した差異を記載しております。また、正規雇用・非正規雇用の区分は以下の通りです。
当連結会計年度(2025.4.1-2026.3.31)
(注) 1 従業員100人超の会社について記載しております。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出しております。
3 「-」は、対象なし、男性のみ、女性のみのいずれかに該当。
4 住友不動産㈱の数値が前連結会計年度から大きく変動している主な要因は、完成工事事業を住友不動産ハウジング㈱へ吸収分割により承継したことによるものであります。なお、住友不動産㈱と住友不動産ハウジング㈱を一体とした場合(前連結会計年度と同一の算定方法)の数値は以下の通りであり、前連結会計年度から大きな変動はありません。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1)基本方針、ガバナンス及びリスク管理
① 基本方針
当社は、住友本社を継承した住友グループの総合不動産会社として、430年もの歴史を刻む“住友の事業精神”を経営理念としています。世界で最も永続している企業グループの一つである住友グループは、「信用を重んじ、浮利を追わない」、「自身を利するとともに社会を利する」といった事業精神を脈々と受け継いでおり、住友不動産グループでも、これら先人の教えを踏まえ、信用を大切に、目先の利益を追わず、自己利益の追求による経済価値だけでなく、先々まで世に必要とされる持続的な社会価値をも一体的に創出することを理念に掲げています。
この理念に即し、当社は、『より良い社会資産を創造し、それを後世に残していく』ことを基本使命とし、各事業を通じて環境をはじめとする様々な社会課題の解決に取り組みつつ、企業価値の最大化を目指すことを経営の基本方針としています。さらには、この企業姿勢をコーポレートスローガン『信用と創造』として掲げ、そして、ステークホルダーの皆様との信頼関係を大切に、且つ、高い目標を掲げ、新たな発想で新分野に挑戦し、“新しい価値を創造”することを行動指針として事業展開を進めています。
不動産業は、人々が働き、住まい、交流する拠点形成や関連するサービスを創出し、人々の生活を豊かにする使命を負った社会的意義の高い事業です。当社の主要な開発手法であるオフィスや住宅を中核とする再開発事業では、木造家屋が密集するなど災害リスクの高い地域で、堅牢な耐火建築物への建替えを実施し、地域防災性を大きく向上させるとともに、地権者と共同で事業を推進することにより、コミュニティ形成や地域活性化を促進する交流拠点を形成するなど地域の課題解決に貢献するまちづくりを推進しています。
当社は、「災害に強い」、「環境にやさしい」、「地域とともに」、「人にやさしい」の4つを重要課題(マテリアリティ)とし、後世まで持続可能な社会資産を提供する、「サステナビリティ経営」を実践してまいります。
② ガバナンス
当社グループ全体で、横断的にサステナビリティ経営を推進していくために必要なガバナンス体制の構築を進めており、「サステナビリティ委員会規程」に基づき、社長を委員長として、サステナビリティ委員会を設置しています。同委員会の構成員は、委員長である社長の他、会長、副社長2名、その他委員長が必要に応じ指名する者で、経営会議と同じ構成員となっているため、同委員会は経営会議と一体で開催しています。
当社がリスクとして認識し重要な課題と位置づける項目について、同委員会は、3つの下部組織(「BCP対策協議会」、「サステナビリティ推進協議会」、「内部統制会議」)を通じてリスクと課題の識別を行い、必要な対応・対策の優先度を確認し、所管部門における取組みの推進及び統括を行っています。また、事業部門毎の事業遂行上のリスクについては、各部門を統括し責任を有する執行役員が、経営会議(サステナビリティ委員会)にその内容・重要性・対策を報告することとしています。なお、同委員会は、上記の活動により認識したリスクや課題等について討議し、その中でも特に重要と位置付けられた項目については、委員長である社長が取締役会に報告することとしています。
また、取締役会は上記のリスク管理体制を監督しています。
③ リスク管理
当社は、事業における各種リスクを把握し、これらのリスクを未然に防ぐための措置を講じることに加え、緊急事態が発生した際の対応策を事前に定め、当社グループの企業活動への影響を軽減させることが、企業経営上重要であると認識しています。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティ委員会規程に基づき設置した以下の3つの下部組織を通じて、当社がリスクとして認識し重要な課題と位置付ける項目について、その具体的リスク内容と機会を認識し、必要な対策・対応の促進および統括を行っています。なお、この活動を通じて認識する特に重要な事項については、委員長である社長が、取締役会に報告することとしています。なお、当事業年度の活動においては、サステナビリティ委員会より「中小企業庁による下請法(現取適法)立入調査」について取締役会に報告を行い、取締役会決議のうえで改善報告書の提出を行いました。
各リスクとその対策の概要につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。
(2)主な取組み
① 気候変動に関する取組み
イ 脱炭素への取組み方針
当社は、国際的社会課題である「2050年カーボンニュートラル」に賛同を表明するとともに、2022年5月には、2030年度までの中間目標として、パリ協定直前の2014年度対比でCO₂排出量を50%削減する目標を掲げています。総合不動産デベロッパーとして、サプライヤーや事業パートナー、テナント、業界団体などの各ステークホルダーと協働し、各主力事業で省エネや創エネの普及促進を図り、消費者への訴求力を高めた商品やサービスの開発、提供を推進しています。
また、TCFDフレームワークに基づき、気候変動がもたらす財務影響とその対応を整理・分析し、当社ホームページにて情報開示しています。(URLの詳細につきましては、「①気候変動に関する取組み」末尾をご参照ください。)
ロ シナリオ設定
気候変動への対応戦略を検討するにあたり、パリ協定の水準に適合する「1.5℃~2℃シナリオ」、十分な気候変動対策が取られなかった場合の「4℃シナリオ」を設定し、重要な気候変動関連のリスクと機会を整理しています。(各シナリオの設定に際し、IEA World Energy Outlook(SDSシナリオ、STEPSシナリオ他)及びIPCC第5次評価報告書(RCP2.6シナリオ、RCP8.5シナリオ他)の文献等を参考としていますが、今後、取組み強化のため内容の深化を進めてまいります。)
1.5~2℃シナリオ
脱炭素に向けた規制や政策の強化、大幅な技術革新等により気候変動への対策が進捗し、21世紀末の平均気温上昇が産業革命以前から1.5~2℃に抑えられ、パリ協定で定められた目標水準に整合することを想定しています。
このシナリオでは、脱炭素が進む社会への移行リスク、機会に対応する企業戦略の重要度が高まる一方、風水害の激甚化や増加といった物理的リスクは抑制されます。
4℃シナリオ
気候変動対策が十分に進展せず、21世紀末の平均気温上昇が産業革命以前から4℃程度まで上昇することを想定しています。
このシナリオでは、追加的な排出抑制策が不十分で、高い水準のCO₂排出が継続することが前提となり、規制強化などによる負担増加といった移行リスクが軽微となる一方で、風水害の激甚化や増加により事業にもたらす影響が深刻なものとなるなど、物理的リスクが高まります。
ハ リスク・機会およびリスク・機会への対応戦略
当社は、上記の各シナリオを踏まえ、自社の事業範囲に加えてサプライチェーンの上流・下流を含む範囲で、財務影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会への対策を講じています。
ZEB・ZEH要請の高まり(1.5~2℃/移行リスク)
ZEB・ZEH仕様が標準化された場合、建物設備の環境性能を更に高める必要が生じ、設備導入に係るコストアップが想定されます。
そのため、既存物件においては環境性能が高い設備への入れ替えを適時検討しています。また、新築物件おいては、2021年10月以降設計、開発する全て(JVなど一部物件を除く)の新築分譲マンションにおいて省エネ性能「ZEH-M Oriented」を標準仕様としています。注文住宅では、2022年4月にZEH基準を超えた断熱・省エネ性能を有するZEHを標準仕様としており、2027年4月から始まる、さらに高水準な新基準「GX ZEH」についても対応可能となっています。
炭素税の導入(1.5~2℃/移行リスク)
炭素税の導入により、サプライヤーの価格転嫁による各種建築資材の調達価格上昇が想定されます。
関連制度・規制を注視し、迅速に対応すべく、GHG排出量削減に向けた取組みを推進するとともに、再生可能エネルギーの活用などを検討してまいります。
高環境性能製品の普及に伴う廉価化(1.5~2℃/機会)
ZEB・ZEH仕様が標準化された場合、高環境性能の製品が普及することにより、廉価化が進むと想定されますが、当社は、環境性能に優れた設備を既に高い水準で導入しており、これらの調達コスト負担の軽減が見込まれます。
物件開発時に都度、コストと性能を加味したうえで導入する設備を決定することで、コスト傾向の変化に対応できるよう備えております。
環境性能志向の高まり(1.5~2℃/機会)
顧客への環境意識の浸透に伴い、市場における環境性能志向の高まりが想定されますが、当社は、環境性能に優れた設備を高い水準で導入しており、顧客の獲得機会増加が見込まれます。
なお、環境性能の高い新築物件を開発・保有、既存物件についてもリニューアルにより性能向上を図る等、ポートフォリオ全体の環境性能を継続的に改善するとともに、各種グリーンビル認証を取得することで、環境性能の高さを客観的に示しています。また、既存戸建住宅では、最新省エネ基準まで性能を向上させる高断熱リフォーム等を提供しております。
異常気象による自然災害増加(4℃/物理リスク)
風水害の著しい発生頻度増加・被害の激甚化が想定されます。当社は、多数のオフィスビル等を保有しており、風水害による資産価値毀損および補修費用負担が増加する可能性があります。
大型台風が到来した場合等に備え、物件開発時にハザードマップや浸水実績を基に冠水時想定浸水深を物件ごとに定め、流入を防ぐことができる高さの防潮板を必要箇所に設置しています。
防災性能志向の高まり(4℃/機会)
風水害の著しい発生頻度増加・被害の激甚化に伴い、市場における防災性能志向の高まりが想定されますが、当社の保有ビルは、防災性能を高く評価されており、顧客の獲得機会増加が見込まれます。
新築物件で高い防災性能を実現するとともに、既存物件においてもリニューアルを実施することにより、ポートフォリオの防災性能をより一層向上させるべく取り組んでいます。
二 指標と目標
住友不動産グループは、以下の脱炭素目標を掲げています。
CO₂排出量
住友不動産グループのサプライチェーンを含む総排出量及び増減率は以下の通りです。
総排出量の詳細は以下の通りです。
※上記のCO₂排出量は、GHGプロトコルの経営支配力基準を参照し、該当する住友不動産グループ(重要な国内連結子会社含む)の事業活動に伴い直接/間接的に排出される総排出量としています。
※上記の温室効果ガス排出量に関する主な排出量及び算定方法については、環境データブックをご覧ください。(https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/Environmental_Data_Book_202503.pdf)
「TCFD提言に基づく情報開示」についての詳細情報は、以下よりご参照ください。
(https://www.sumitomo-rd.co.jp/uploads/TCFD_disclosure_climate_change.pdf)
② 各事業における取組み
当社は、CO₂総排出量の着実な削減に向け、事業ごとに以下の具体的な取組みを推進しています。
オフィスビル
オフィスビル事業では、新規物件の開発や既存物件のリニューアルに際し、高断熱の外皮仕様や高効率設備等を積極的に導入して環境性能の高い開発により省エネ化を推進しています。また、テナント専有部においては、テナント企業の多様化するグリーン電力導入ニーズに応えるべく、一般的な非化石証書を使用した電力供給のみならず、脱炭素への貢献度が高い新設した再生エネルギー発電所からの電力供給など、複数のメニューを揃え提供する体制を整えています。
分譲マンション
第九次中計以降の設計物件は全件、現行の省エネ基準からエネルギー消費を2割抑制する高い環境性能を備えた「ZEH-M Oriented」を標準仕様とし、居住時の省エネ性能向上で脱炭素に貢献する開発を推進しています。
新築そっくりさん・注文住宅
日本の既存住宅は、5,000万戸超のストックのうち約8割が最新の省エネ基準を満たさず、脱炭素化に向け、大きな社会課題となっています。当社の「新築そっくりさん」事業では、2021年12月に提供開始した高度な省エネ性能を実現する「高断熱リフォーム」が好評を博し、改修による長寿命化とともに既存住宅の省エネ化を推進しています。
また、初期費用負担を要因に普及が進みにくかった太陽光発電設備については、東京電力グループとの協業により、初期費用なし、居住期間中は月額サービス料のみでメンテナンス、交換も受けられる太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」(2021年9月提供開始)に加え、新プランの「新すみふ×エネカリ」を2025年3月に提供開始しました。注文住宅では、ZEH(ゼロエネルギーハウス)基準を超えた高い省エネ性能を確保した「住友不動産の栖(すみか)」を2022年4月に発売、2026年3月期のZEH受注比率は99%に達しました。なお、「すみふ×エネカリ」、「新すみふ×エネカリ」から創出された環境価値を活用し、当社グループが自己利用するオフィスの電力については、全量をグリーン電力化することとしています。
各事業における主な施策と当期実績
③ 人的資本に関する取組み
人的資本に関する取組み、指標、目標及び実績については、「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等」をご参照ください。