リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの経営成績等への影響について
① 不動産市況、金利動向等について
当社グループの不動産関連事業においては、「アルファ」シリーズのマンション分譲、戸建て分譲、注文住宅の受注等を行っております。
これらの住宅の販売及び受注は、政府の経済政策による影響を受けやすく、不動産市況、住宅ローン控除や住宅贈与等の住宅促進税制の改正、公的及び民間金融機関の住宅ローン金利の動向によって消費者の購買心理の動向に変化が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の要因による資源価格の高騰等に伴い、建築資材・住宅設備の高騰や供給不足が生じた場合には、事業の収益性が低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 有利子負債について
当社グループの不動産関連事業における分譲マンション事業においては、土地の仕入れ及び建設資金の一部を民間金融機関からの借入れという形で資金調達を行っており、有利子負債依存度が高くなっております。従って、経済不安及び金融引締め等による金融機関の融資抑制、または消費とは相反する金利の上昇等で、資金調達が困難になるような場合において、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
直近3期における連結での有利子負債依存度は、次のとおりであります。
|
2022年6月期 |
2023年6月期 |
2024年6月期 |
有利子負債残高(百万円) (A) |
57,447 |
65,861 |
71,067 |
総資産額(百万円) (B) |
113,337 |
126,609 |
136,303 |
有利子負債依存度(%)(A/B) |
50.7 |
52.0 |
52.1 |
③ 引渡時期による経営成績の変動について
当社グループの主要事業であります分譲マンション事業においては、マンションの売買契約成立時ではなく、顧客への引渡時に売上が計上されるため、その引渡時期により上半期と下半期では経営成績に偏りが生じております。また、天災その他予想し得ない事態による建築工期の遅延等、不測の事態により引渡時期が事業年度末を越えて遅延した場合には、当社グループの経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
直近3期における単体での上半期、下半期の経営成績は、次のとおりであります。
項目 |
2022年6月期 |
2023年6月期 |
2024年6月期 |
||||||
上半期 |
下半期 |
通期 |
上半期 |
下半期 |
通期 |
上半期 |
下半期 |
通期 |
|
売上高 |
36,008 |
30,377 |
66,385 |
40,433 |
27,092 |
67,525 |
31,720 |
53,298 |
85,019 |
(構成比率) |
(54.2) |
(45.8) |
(100.0) |
(59.9) |
(40.1) |
(100.0) |
(37.3) |
(62.7) |
(100.0) |
営業利益 |
2,461 |
1,136 |
3,598 |
3,965 |
1,125 |
5,091 |
2,020 |
2,098 |
4,119 |
経常利益 |
2,618 |
1,739 |
4,358 |
4,052 |
653 |
4,706 |
2,635 |
2,535 |
5,171 |
(注)構成比率は通期に占める上半期及び下半期の割合を示しております。
(2) 大京グループの㈱穴吹工務店との関係及び競業について
当社は、1964年5月に穴吹工務店グループにおける不動産部門として、当社代表取締役社長 穴吹忠嗣の実父 穴吹夏次(故人)及び実母 穴吹キヌヱ(故人)によって設立されました。穴吹工務店グループとは、当社代表取締役社長 穴吹忠嗣の実父 穴吹夏次(故人)が1961年1月に設立した㈱穴吹工務店を中心とする企業グループであり、当社代表取締役 穴吹忠嗣の実兄 穴吹英隆が、1994年4月、㈱穴吹工務店代表取締役に就任し、穴吹工務店グループの事業推進、運営を行っておりました。しかしながら、2009年11月に㈱穴吹工務店他3社において、会社更生法を申請し(2013年3月31日に更生手続きは終結)、2013年4月1日より分譲マンション事業を行う㈱大京が㈱穴吹工務店の親会社となったことにより、現在、㈱穴吹工務店は大京グループに属しております。
先述のとおり、当社は設立当時、穴吹工務店グループに属し、不動産の売買・賃貸・仲介事業を行っておりましたが、駐車場経営、ホテル事業等へと事業展開し、1985年6月に現在の主要事業であるファミリーマンションの分譲事業へ参入したことにより、1978年12月から既にファミリーマンションの分譲事業へ事業進出していた㈱穴吹工務店と競業するに至ったため、穴吹工務店グループより独立して新たな企業グループを形成し、独自の事業推進、運営を行うようになりました。
以上のような経緯から、当社の営業地域において㈱穴吹工務店は分譲マンション事業を行っており、現在においても当社と㈱穴吹工務店との競業関係は継続しております。
また、㈱穴吹工務店が2009年11月に会社更生法を申請した際において、それによって当社は経営に影響を及ぼすような風評被害等を受けることはなく、さらに、現在においては、当社グループと大京グループに属する㈱穴吹工務店とは、当然ながらそれぞれ独立した企業グループとして独自の経営がなされており、これらにより当社グループの事業推進、運営に影響を受けることはありません。
なお、顧客に対してのコーポレートブランドの差別化をはかるべく、当社は2002年10月1日に従前まで同一であった「穴吹」の商標を「あなぶき」に変更するとともに、CIマークも一新し、当社グループと㈱穴吹工務店等との違いを明確にしております。
(3) 法的規制について
当社グループの不動産関連事業においては、「宅地建物取引業法」をはじめとして、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、「国土利用計画法」、「都市計画法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「不動産の表示に関する公正競争規約」、「金融商品取引法」、「不動産特定共同事業法」、その他多数の法令により規制を受けております。
また、不動産関連事業以外の当社グループの多様な事業セグメントにおきましても、様々な法的規制を受けているなかで事業展開を行っております。
今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
(4) 個人情報の管理について
当社グループが行う不動産関連事業をはじめとして、各事業において取得した個人情報につきましては、その管理に万全を期しております。また、2006年12月よりISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格「ISO/IEC27001:2013(JIS Q 27001:2014)」の認証を取得・維持しており、情報資産の管理全般に関する体制の構築を図っております。
今後も個人情報の取扱いには十分留意しますが、不測の事態等により、万一、個人情報が外部へ漏洩する事態が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 訴訟などの可能性について
当社グループは分譲マンション事業を中心とした不動産関連事業をはじめ、様々な事業活動を行っております。個人・法人含め取引関係先も多岐にわたっており、多種多様な契約等を締結しております。契約内容の不備や、取引関係先とのトラブル等から訴訟に発展する可能性もあり、重要な訴訟が提起された場合には、訴訟費用の発生や損害賠償金の支払いによる損失が生じる可能性があります。
(6) 新型コロナウイルス感染症の影響について
長期化していた新型コロナウイルス感染症の影響が沈静化し、社会経済活動の正常化が進んでおり、ホテル事業及び施設運営受託事業を主力とした施設運営事業やトラベル事業を主力とした観光事業につきましても顕著に収益の回復が見られておりますが、新たな変異株等により感染が再拡大した場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主への利益還元に関して、経営の安定と業容の拡大に必要とする資金需要ならびに経営環境の変化に備えるための内部留保の充実にも留意しつつ、継続的な利益配当を決定することを基本方針としております。
また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
当方針に基づき、当事業年度の利益配当につきましては、中間配当27円00銭と、期末配当41円00銭(うち、普通配当31円00銭、設立60周年記念配当10円00銭)を実施することを決定いたしました。
この結果、当事業年度の配当性向は連結業績ベースで15.0%となりました。内部留保資金につきましては、既存事業における重点市場への積極的投資及び新しい事業領域への研究開発や投資を行っていきたいと考えております。
当社は、剰余金の配当について、期末配当の基準日を6月30日とする旨及び毎年12月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
これらの配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年2月8日 |
288,003 |
27.00 |
取締役会決議 |
||
2024年9月26日 |
437,338 |
41.00 |
定時株主総会決議 |