2024年9月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本報告書提出日(2024年12月19日)において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業界環境について

 当社グループは、不動産関連事業、外食事業及び服飾事業を展開しております。

 不動産業界においては、景気動向、金利動向及び地価動向等の経済情勢の影響を受けやすく、当社グループにおいてもこれらの経済情勢の変化により保有資産の価値が下落し、棚卸資産の評価損や固定資産の減損が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 外食業界および服飾業界においては、日本国内における景気の悪化、顧客の嗜好の変化、他社との競合において優位にたてない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)賃貸不動産の稼働状況について

 当社グループは、当社グループが所有する賃貸不動産からの賃貸収入、オーナーから管理業務を受託している賃貸不動産の業務受託収入、売却目的で取得又は開発した賃貸不動産からの賃貸収入等により収益を獲得しています。

 これらの賃貸収入及び業務受託収入は、テナント又は入居者の信用力の低下による賃料の支払の延滞、賃料の低下、退去による空室率の上昇により減少する可能性があり、賃貸収入の減少により保有資産の価値が下落し、棚卸資産の評価損や固定資産の減損が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)建築工事等について

 当社グループは、建築工事、リニューアル工事を建設会社に外注しております。外注先は品質、建築工期及びコスト等を勘案して決定しており、特定の外注先に依存しておりません。

 当社グループは、品質維持及び工期の遅延防止のため、当社の建築設計部の人員により現場視察を行い、外注先との定例会議を毎週開催し施工図及び工期スケジュール等の確認を行っております。しかしながら、工事中の事故、外注先の倒産や請負契約の不履行、その他予期せぬ事象が発生した場合、工事の中止又は遅延、建築コストの上昇等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)有利子負債依存度について

 当社グループは、用地及び物件の取得資金、建築資金等を主に借入金等の有利子負債で賄っていることから、当社グループの有利子負債残高の総資産額に占める割合は2024年9月期において57.2%となっております。

 今後においては、ポートフォリオの見直しにより有利子負債の圧縮に努めますが、今後の金利変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2024年9月期

有利子負債残高 (千円)

29,736,980

総資産     (千円)

52,032,627

有利子負債依存度

57.2%

 (注)有利子負債は、短期借入金、社債、長期借入金、リース債務及び割賦未払金であります。

 

(5)財務制限条項について

 当社グループの2024年9月期末時点の借入金のうち、2件1,143百万円については、①各年度決算期末の連結貸借対照表における純資産を一定水準以上に維持すること、②年度決算の連結損益計算書において税金等調整前当期純損失を2期連続して計上しないこと等の財務制限条項が付されております。これらの条項に抵触した場合、各項の変更につき金融機関と新たな合意がなされなければ、当社グループは、期限の利益を喪失し、該当する借入先に対し借入金を一括返済することとなっており、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)資金調達等について

 当社グループの資金調達にあたっては、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診し、融資実行を受けております。しかしながら、何等かの理由により計画どおりの資金調達が不調に終わった場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)原材料価格や光熱費の上昇リスクについて

 当社グループは、天候不順や自然災害、戦争の発生、為替の変動等による原材料の価格上昇や原油の高騰などエネルギーの価格上昇に伴う光熱費の上昇により原価率が上昇し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)人員の確保について

 当社グループは、主としてパートタイムの従業員が、店舗での業務に従事しております。

 賃金の上昇、求人費の増加、国内の労働力需要の増加に伴う従業員の確保困難等により採用環境が悪化した場合、当社グループが必要とする数の従業員を適切なコストで確保することができなくなり、必要な数の従業員を確保するための人件費の増加、出店計画等の見直し、一部店舗の営業停止や閉店等により、当社グループの事業運営及び事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)法的規制・許認可等の取得状況

 不動産業界においては、「宅地建物取引業法」、「都市計画法」、「建築基準法」、「建設業法」、「借地借家法」等による法的規制を受けております。今後、これらの法的規制等の改正が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 なお、当社は、不動産関連事業の事業活動に際して、以下のような許認可及び登録を受けております。  当社グループは、当該許認可及び登録の諸条件や関係法令の遵守に努めており、現時点において、宅地建物取引業法第5条・第66条等、建設業法第29条等及び建築士法第23条の4・第26条等に定める許認可及び登録の取消事由・更新欠格事由に該当する事実は存在しておりません。しかしながら、法令違反等により、当該許認可及び登録が取り消された場合には、当社グループの事業運営に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

① 宅地建物取引業法免許

[当社]番号:東京都知事(10)第46428号

有効期間:2022年12月14日から2027年12月13日まで

② 特定建設業許可

[当社]番号:東京都知事 許可(特-28)第84034号

有効期間:2021年9月14日から2026年9月13日まで

③ 一級建築士事務所登録

[当社]番号:東京都知事登録第28931号

有効期間:2023年4月16日から2028年4月15日まで

 また、外食業界においては、「食品衛生法」等による法的規制を受けております。今後、これらの法的規制等の改正が行われた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当社グループは、外食事業の事業活動に際して、管轄の保健所による飲食店営業許可を受けております。しかしながら、食中毒が発生した場合、社会的信用を失うことによる売上高の減少、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止や営業許可の取消などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)訴訟等の可能性について

 当社グループは、本報告書提出日(2024年12月19日)において当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある訴訟が提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループの不動産関連事業において、建築請負又は販売した物件における瑕疵の発生、建築に際しての近隣住民からのクレーム、受託する賃貸マンション等の居住者又はテナントによる賃料不払い発生等、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があり、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)顧客情報管理について

 当社グループは、事業内容に応じた様々な顧客の個人情報を有しております。当社グループは、個人情報を正確かつ最新の内容に保つよう努めるとともに個人情報の紛失、漏えい、破壊、改ざん等を防止するため、適切な安全管理対策を行なうとともに、必要な是正措置を講じます。

 当社グループが認識している限り、これまでにおいて顧客の個人情報が外部に流出した事実はありません。しかしながら、今後、上記施策にもかかわらず、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が発生した場合、社会的信用の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)災害の発生及び地域偏在について

 地震、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、暴動、テロ、火災等の人災が発生した場合、当社グループが保有する不動産の価値が大きく毀損したり、店舗の営業活動が困難となる可能性があります。

また、当社グループが保有する不動産や、店舗及び出店計画においては、経済規模や投資家需要の趣向等を考慮に入れ、東京を中心とする首都圏所在の比率が高い状況にあり、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つとして認識し、経営体質を強化するために必要な内部留保と成果配分とのバランスを勘案しながら業績に裏付けされた安定配当を継続していくことを基本方針としております。

 剰余金配当につきましては、年1回、期末配当を行うことを基本方針としております。期末配当の決定機関は株主総会であります。

 当期の剰余金配当につきましては、赤字決算となりましたが、1株当たり6円とすることにいたしました。その結果、配当性向は△5.6%となりました。

 内部留保資金につきましては、今後の事業拡大並びに経営体質の強化に役立てる考えであります。

  なお、当社は、「取締役会の決議により、毎年3月末日の株主名簿に記載または記録された株主若しくは登録株式質権者に対し、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

(注)基準日が当事業年度中である剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額(円)

2024年12月19日

119,076

6

定時株主総会