人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,907名(単体) 8,484名(連結)
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平均年齢40.0歳(単体)
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平均勤続年数17.0年(単体)
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平均年収7,045,243円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注)従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。
2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
当社および連結子会社は、労使関係に関して、特記すべき事項はありません。
なお、当社の労働組合(京浜急行労働組合)は、日本私鉄労働組合総連合会(私鉄総連)に属しており、2025年3月31日現在における組合員のうち当社従業員および出向者は2,841名であります。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異(注)1
(注)1.常時雇用する労働者数101人以上の会社について、京浜急行電鉄㈱を除き雇用数の多い順に記載しております。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4.正規雇用者について、出向社員については、社外への出向社員を含み、他社からの出向社員を除いております。非正規雇用者については、パートタイマ―、嘱託、再雇用社員等の有期雇用者を含み、派遣社員を除いております。
5.労働者の男女の賃金差異について、賃金は性別に関係なく同一基準を適用しておりますが、勤続年数の違い等により男女で差が生じております。
今後は、価値観の多様化を踏まえ、男女を問わず働きやすく、社員全員が一様にワークライフバランスを実現しながら、個々に思い描くキャリア形成を目指すことができる労働環境を整備していくことにより改善を図ってまいります。
<正規雇用>
京浜急行電鉄㈱では、1992年から女性総合職の採用を開始し、管理職での賃金差異は男性の9割(96.8%)となっております。一般職は改善傾向にあるものの、現在、女性採用者数が増加、若年層において女性社員の比率が高まってきており、勤続年数の差等により賃金差異が生じていると考えられます。今後、働きやすい労働環境の整備をすることにより、男女の勤続年数の差異が無くなることを目指してまいります。
<非正規雇用>
職種の違いや、現在在籍している社員においては相対的に男性の社員のほうが勤続年数が長く賃金が高い嘱託社員や再雇用社員が多いことから差異が生じていると考えられます。また、業種によっては、有期雇用者のうち扶養控除を受けるための収入制限等により労働時間に差異が生じていることによるものと考えられます。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1)サステナビリティに関する取り組みの全体像
グループ理念・サステナビリティ基本方針に基づき、当社グループが持つ強みを最大限に活かし、事業活動を通じて、沿線地域の経済的・社会的価値を持続的に創造してまいります。
また、本項に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、判断したものであります。
イ.ガバナンス体制
サステナビリティへの取り組みを経営戦略と一体的に推進するため、経営戦略室長を委員長とする「サステナビリティ委員会」において経営戦略およびサステナビリティに関する諸課題を議論し、リスク管理委員会との連携を図ったうえで、取締役会に提言・報告することで、取締役会が適切に管理・監督を行っております。
ロ.戦略
当社グループでは、グループ理念と一体不可分のサステナビリティに関する方針として、「サステナビリティ基本方針」を定めており、「社会の持続的発展への貢献と、京急グループの持続的発展のよりよい循環を目指します。」として、3つのテーマを設定し、グループ理念を補完しております。
この基本方針のもと、社会価値・企業価値のさらなる向上を目指し、マテリアリティ分析に基づき、ステークホルダーおよび当社グループにとって重要度の高い課題を抽出したうえで、各課題をカテゴライズして、サステナビリティ重要課題を特定しております。また、特定したサステナビリティ重要課題の解決を目的に非財務KPIを改めて設定し、PDCAサイクルを通じて進捗管理を行うとともに、施策・KPIの改善を図り、中長期的な社会価値・企業価値の向上を目指します。(後述の「ホ.指標および目標」を参照)
さらに、第20次総合経営計画においては、長期経営方針の一つとして「サステナビリティ推進方針」を定め、サステナビリティ基本方針を基礎として経営・事業活動を推進することで、社会価値・企業価値の向上を推進することを掲げております。
ハ.人財の育成および社内環境整備に関する方針、戦略
人財の育成および社内環境整備に関する方針、戦略、指標および目標(後述の(3)人的資本・多様性に関する取り組みを参照)
ニ.リスク管理
当社グループの持続可能性は、沿線地域の持続可能性と極めて関連が深く、人口減少等による沿線地域の活力低下は重大なリスクと認識しております。また、気候変動に関する移行・物理的リスクおよび人的資本に関するリスクについても、持続可能な企業活動に大きな影響を及ぼすリスクと認識しております。
これらのリスクについては、サステナビリティ委員会をはじめとするガバナンス体制(前述の「イ.ガバナンス体制」を参照)のもと、適切な対応に努めてまいります。
ホ.指標および目標
サステナビリティ重要課題および主な非財務KPI
(注)当社実施の調査に基づく
(2)気候変動への取り組み
当社グループは、世界全体における気候変動による経済をはじめとしたさまざまな分野における影響の大きさに鑑み、「地球環境保全への貢献」を当社グループのサステナビリティ重要課題として認識しております。
当社グループが運営する公共交通機関は、自家用車と比べ温室効果ガス排出量が少なく、環境にやさしい交通手段であることから、これまでも公共交通の利用促進・モーダルシフトを推進するため、「ノルエコ(乗るだけでエコ)」としてPR活動等を続けてまいりました。
さらに持続可能な社会の形成と事業活動を推進するため、2021年度に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同する旨を表明し、2022年度に長期環境目標として「京急グループ 2050年カーボンニュートラル」を策定のうえ、TCFD提言に基づく情報開示を実施しました。以降毎年見直しを行い、気候変動に対する取り組み施策および開示内容の拡充を図っています。
今後も引き続き、シナリオ分析の深化等による開示内容の充実化を図るとともに、温室効果ガス排出量の削減に向けた「省エネ」「創エネ」「再エネ」に資する取り組みを積極的に検討・実施し、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
イ.ガバナンス
(イ)ガバナンス体制
「(1)サステナビリティに関する取り組みの全体像」の「イ.ガバナンス体制」を参照
(ロ)気候変動に関するガバナンスの状況
(ハ)役員報酬制度への環境指標の導入
2023年度から、サステナビリティへの取り組みを一層推進することを目的に、執行役員賞与の評価項目の一部に、非財務指標であるESG指標を採用しています。環境については、CDP(注1)による評価結果を指標としております。また、ESG指標で評価される報酬の割合は、執行役員賞与のうち連結業績評価分(注2)の10%となります。
(注)1.企業等の環境関連の戦略や取り組みなどを評価する外部団体
2.執行役員賞与のうち、連結業績を評価し決定する部分(職責や業務分担を考慮し、設定)
ロ.戦略(シナリオ分析)
(イ)分析対象事業
京急グループすべての事業
(交通事業、不動産事業、レジャー・サービス事業、流通事業、その他の事業)
(ロ)シナリオの設定
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)等が公表しているシナリオを参照のうえ、移行リスクと物理的リスクがもたらす影響の全体的な幅を捉えるため、設定シナリオを脱炭素社会が実現するシナリオ(世界的な平均気温の上昇を産業革命以前と比べて1.5℃程度に抑える)と地球温暖化が進展するシナリオ(平均気温の上昇が4℃以上となる)に分け、リスク・機会の特定と影響度評価、またリスクへの対処および機会を捉えた取り組みや今後の方向性を定めました。
(注)脱炭素社会実現シナリオにおける物理的リスクの影響は、2℃シナリオにおける影響と同等と想定
(ハ)気候変動によるリスク・機会の特定ならびに時間軸および影響度の評価
(注)1.交:交通事業、不:不動産事業、レ:レジャー・サービス事業、流:流通事業、他:その他の事業
2.時間軸:短期0~1年(中期経営計画の最終年である2026年度までを想定)、
中期1~5年(2030年度までを想定)、長期5~25年(2050年度までを想定)
(ニ)財務的な影響の定量評価(事業別)
特定した気候変動にともなうリスク・機会において、公表されているデータ等を基に、一部の項目においてシナリオごとの2030年および2050年時点の影響額を試算ならびに影響度の定量評価を行いました。
(注)事業への財務影響度:大(10億円以上)、中(1億円~9億円)、小(1億円未満)と評価
(影響額の主な試算結果)
a.対象:すべての事業
移行リスク(政策・法規制)
(注)1.4℃シナリオでは、環境政策の積極的な推進はなく、炭素税は導入されないと想定
2.ネットゼロ達成のため炭素税の課税はないと想定
b.対象:鉄道事業
(a)移行リスク(技術)
(注)1.4℃シナリオでは、環境政策の積極的な推進はなく、炭素税は導入されないと想定
2.2024年度から開始した鉄道全線再エネ化にともなう削減効果は加味し、その他において適切な
投資等を行わず、Scope1排出量が削減されなかった場合を想定
3.2031年以降の具体的な省エネ設備等の更新・投資は今後検討
(b)移行リスク(市場)
(注)長期における使用電力量は中期よりも低減することが推測されるため、各シナリオにおける2050年
時点のエネルギー調達コストは2030年時点を上回らないと想定
(c)物理的リスク(急性)
当社沿線に並行・横断する河川のうち、浸水による影響が特に大きいと考えられる以下の河川周辺における、鉄道資産等への影響額を試算しました。
(対象河川) ①多摩川・鶴見川 ②帷子川・宮川 ③平作川
(注)1.現在の100年に一度規模の影響額に対する、各年時点のリスク増加分
(2030年時点における洪水発生頻度は、現在と概ね同等であると想定)
2.脱炭素社会実現シナリオにおける物理的リスクの影響は、2℃シナリオにおける影響と同等と想定
3.リスク増加分を含む全体の影響額と比較し評価
(d)物理的リスク(慢性)
(注)1.電力調達価格および夏日・真夏日・猛暑日の日数を基準に試算した、2020年時点の推計コスト
に対する増加分
2.脱炭素社会実現シナリオにおける物理的リスクの影響は、2℃シナリオにおける影響と同等
と想定
3.増加分を含む全体のコストと比較し評価
4.2030年および2050年における真夏日ならびに猛暑日は増加する見込み
ただし、電力調達価格は低減することが推測されるため、1.5℃シナリオにおける2050年時点
のエネルギー調達コストは2020年時点の推計コストを上回らない想定
(e)機会
(注)1.4℃シナリオでは、現状以上の省エネ推進の取り組みはなく、炭素税も導入されないと想定
2.2031年以降の具体的な省エネ設備等の更新・投資は今後検討
(ホ)シナリオ分析による考察と今後の方向性
シナリオ分析の結果、脱炭素社会が実現する世界では、当社グループすべての事業において、炭素税が導入された場合の課税コストやエネルギー調達コストの増加が想定されます。また、地球温暖化が進展する世界では、自然災害の激甚化・頻発化に伴い、浸水害による資産への被害および鉄道事業においては運休による収入の減少、さらには平均気温の上昇による空調コストの増加等が見込まれることが財務的な評価により明らかとなりました。
一方で、脱炭素社会が実現する世界においては、「省エネ」「再エネ」による脱炭素の取り組みによってエネルギー調達コストや炭素税の課税コストが低減できることが分かりました。また、自然災害や気温上昇の影響はあるものの、地球温暖化が進展する世界と比べ、資産等への被害、収入の減少や空調に対するエネルギー調達コストの増加が限定的であることも分かりました。その他、環境優位性の維持・向上による公共交通機関利用者の増加、環境性能の高い不動産物件による競争力上昇と売上増加等の機会を得ることも予想されます。
これらを踏まえ当社グループでは、脱炭素社会が実現する世界に向けて「省エネ」「創エネ」「再エネ」に資する取り組みを加速するとともに、引き続きリスク・機会に対する財務影響評価を行います。特に影響の大きいリスクと認識した事項を中心に対処方針を検討し、リスクの最小化とレジリエンスの向上に努めることで「社会の持続的発展への貢献」と「京急グループの持続的発展」のよりよい循環による豊かな沿線の実現を目指してまいります。
ハ.リスク管理
「(1)サステナビリティに関する取り組みの全体像」の「ニ.リスク管理」を参照
ニ.指標および目標
(イ)温室効果ガス排出量の削減
当社グループは、脱炭素社会の実現および持続的発展が可能な社会の形成に貢献するため、「京急グループ 2050年カーボンニュートラル」を掲げ、以下の目標を定めております。
a.長期目標
2050年度において、京急グループ全体での温室効果ガス排出量を実質ゼロ
b.中間目標
2035年度において、京急グループ全体での温室効果ガスの排出量を2019年度実績と比較して70%削減(2024年度から実施している、京急線全線において運行に使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力へ置き換える取り組みにより、従来目標である「2030年度における京急グループ全体での温室効果ガス排出量を2019年度実績と比較して30%削減」の大幅な前倒し達成を見込んでいるほか、日本政府による温室効果ガス排出量中間目標の見直しに基づき、2025年度から目標を上方修正)
各年度の実績の詳細は、当社ウェブサイト
(https://www.keikyu.co.jp/company/csr/environment.html)に掲載しております。
(ロ)サステナビリティ重要課題に基づくKPI
当社では、2024年5月に公表した第20次総合経営計画とあわせて、当社グループが長期的・持続的に社会へ価値を提供するため、サステナビリティ重要課題を見直し、「地球環境保全への貢献」をサステナビリティ重要課題のひとつとして特定しています。さらに、関連する非財務KPI(重要業績指標)の指標および目標を設定し、適切な取り組みの推進とともに、モニタリングを図っております。
「(1)サステナビリティに関する取り組みの全体像」の「ホ.指標および目標」を参照
その他、気候変動への取り組みの詳細は、当社ウェブサイト
(https://www.keikyu.co.jp/company/csr/tcfd.html)に掲載しております。
(3)人的資本・多様性に関する取り組み
イ.戦略
(イ)人的資本経営の推進
多様な視点・顧客視点で物事を捉え、価値創造・共創ができる「個」の成長の後押しと、多様な価値観の尊重、信頼と協力を大切にして、チャレンジできる組織・カルチャー醸成の両輪により、長期ビジョンの実現・企業価値の向上を目指してまいります。また、エンゲージメントサーベイを継続的に実施し、人的資本経営に関わる各取り組みの仮説検証を組織・職場のさまざまなレベルで実行できる体制を確立してまいります。
(ロ)推進項目
a.人財・「個」の成長
働く一人ひとりが自身の貢献領域を広げ、新たなチャレンジに踏み出し、個の力を最大限に発揮することを後押しし、成長を実感できる状態を実現するとともに、そのための制度・仕組みづくりを推し進めてまいります。
当社では、従業員一人ひとりのキャリアの充実化を図るため、職階・コースに応じたさまざまな研修を提供しております。課長~部長相当職以外の一般職においては、鉄道コース、事務コース、総合コースの3つのコースに分けており、各コースに期待する役割、能力に応じて、個々の専門性や経験を最大限に活かしながら、従業員の能力の伸長とキャリア形成を図っております。
(施策例)
・リスキリングの機会創出 DX研修の実施
・ICT人財の育成方針および教育体系見直し
・一部鉄道現業職において希望制での選考および登用を実施
b.組織・カルチャー醸成
働く人々の意識やマネジメントのあり方を、多様な価値観の尊重、信頼と協力を大切にし、自律・共創を促すものへと変革できるよう、社内環境の整備を行ってまいります。職責に応じたマネジメント研修の強化や、各種対話の機会創出、チャレンジしやすい組織風土づくりを推進しています。
(施策例)
・リーダーシップ・マネジメント研修の充実(経営職・現業)
・経営職に対する多面観察およびフィードバック研修の実施
・社長とのタウンホールミーティングの実施
・新価値創造プログラム「ICHIRYU(一粒)」の充実化
c.「個」・組織の土台づくり
前述の「人財・『個』の成長」「組織・カルチャー醸成」を効果的に進めていく土台づくりとして、人財の戦略的確保や、働くための十分な環境整備を推進しています。
採用の拡充による人財確保や、職場環境施設の充実や健康経営の推進等による働きやすい環境の整備、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンとワークライフバランスに関するさまざまな制度の充実化に取り組んでいます。
(施策例)
・カムバック採用やITなど専門人財をはじめとした採用拡充
・寮の住環境改善、寮生支援充実の取り組み実施
・休暇制度をはじめとした法定以上の制度拡充
・経済産業省が推進する「健康経営優良法人 2025(大規模法人部門)」に認定
・グループ合同の健康促進イベントをはじめとした健康管理に関するイベントやセミナーの実施
・ハラスメント防止や人権に関する啓発活動の継続実施
ロ.指標および目標
人的資本経営を推進するうえで、年齢、性別、家庭事情等を問わず、働きやすく、活躍でき、そして満足度の高い企業を目指し、以下の指標の進捗管理を重点的に行ってまいります。
(人的資本における指標および目標)
(注)1.障がい者雇用比率を除く各指標については、単体ベースの数値を記載しております。
2.外部調査会社の提供する従業員エンゲージメント調査サービスにおける肯定的・中立的回答率であります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。