2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    436名(単体) 827名(連結)
  • 平均年齢
    41.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.9年(単体)
  • 平均年収
    5,610,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.8%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループでは、神戸電鉄グループ長期経営ビジョン「神鉄グループみらいビジョン 2030」において、『多様な人材一人ひとりが活躍できるステージづくり』を人的資本投資の強化に向けた方針として掲げ、当社グループの将来の成長に向けた「新しい時代(外部環境の変化)に対応した収益構造の構築」、「沿線活性化」、「成長投資・新規投資による収益拡大」等の事業戦略を自律的に推進できる多様な人材の確保と育成に努めるとともに、人事制度の見直し、福利厚生制度の拡充、健康経営体制の推進等を通じた従業員エンゲージメントの向上等に取り組んでおります。

 

①人材の確保と育成

 優秀な人材の確保に向けて、キャリア採用や外国人採用等を含めた幅広い採用活動を強化することに加え、従業員の能力向上や組織力強化のため、役職や経験年数に応じたスキル・知識の習得を支援する「階層別研修」や業務遂行に必要な専門知識や特定スキルの向上を図る「目的別研修」など体系的な人材育成に取り組むとともに外部研修の受講も積極的に実施しております。

②多様な人材の活用

 女性活躍推進については、「係長級以上の女性管理監督職人数」や「総合職の採用者に占める女性割合」をKPIに設定し、仕事と家庭の両立も含め、女性が長く働ける職場環境づくりや、研修等を通じた必要な意識の早期醸成に加え、知識・技能の習得機会を増やすといった取組を行っております。また、定年年齢の改定による高齢者層の活用や、障がい者の活躍推進についても積極的な採用と活用に努めており、今後も多様性のある人材がそれぞれの個性や能力を発揮できる環境の整備に取り組みます。

③人事制度の見直し

 従業員一人ひとりが持つ力を最大限発揮し、活き活きと働くことができる職場環境を整備するため、労使協議に基づく資格制度・賃金制度等の見直しを適宜実施しております。なお、賃金制度は、職務・職責や経験に加えて、個別の目標管理制度に基づいた評価によって昇給額等が決定される仕組みとしており、評価制度においては半年毎に上司が面談を実施することで、達成度の確認や課題の整理等を通じた個々の能力発揮と納得度向上につなげております。また、定年年齢の改定や福利厚生制度の拡充により、働きやすい職場環境づくりにも努めております。

④健康経営の推進

 従業員の心身の健康維持・増進をより一層推進していくため、『健康宣言』を制定するとともに、健康経営推進委員会を中心とした健康経営の推進体制のもと、健康保険組合や労働組合と一体となって従業員の健康に関する取組を推進しており、その取組内容や実績については随時、経営会議や取締役会等に報告しております。なお、上記取組が認められ、当社は「健康経営優良法人2026 大規模法人部門(注1)」に認定されております(2026年3月9日付)。

 また、当社では、2028年に開業100周年を迎えるにあたり、この先もお客様に「安心」・「安全」・「快適」をお届けすることで豊かな暮らしを実現し、地域社会に貢献していくため、その担い手である従業員一人ひとりが健康で活き活きと働くことができるよう、2028年に向けた取組の方向性を定めた「神戸電鉄 heal00th challenge 2028」(ヘルスチャレンジ2028)を策定し、健康経営戦略マップ(注2)に基づいた取組を進めております。

 この取組においては、重点取組事項の課題を数値として可視化することで健康経営の成果を把握しやすくするとともに、アブセンティーイズム(注3)の低減、プレゼンティイズム(注4)の低減及びワーク・エンゲージメント(注5)の向上の3つを健康経営全体の目標指標とし、これらの数値の継続的な向上を目指しております。

(注)1.「健康経営優良法人」とは、従業員の健康管理や健康増進等の取組が特に優良である法人を日本健

     康会議が顕彰する制度

   2.健康経営の施策について、計画的・効果的に推進するために一連の流れを図式化したもの

   3.病気や体調不良などにより従業員が会社を欠勤している状態

   4.心身の健康上の問題が作用して従業員の生産性が低下している状態

   5.仕事に対するやりがいや貢献意欲

 

 

健康宣言

 当社は、お客様に「安心」・「安全」・「快適」をお届けすることで豊かな暮らしを実現し地域社会に貢献していくために、その担い手である従業員の心身の健康づくりと、従業員一人ひとりが健康で活き活きと働くことができる職場環境づくりに積極的に取り組みます。

 そして、従業員の健康こそが持続可能な会社の未来の礎であるとの認識のもと、健康保険組合・労働組合とも一体となって従業員の健康維持・増進に取り組むことを宣言します。

2023年6月

 

 

「神戸電鉄 hea100th challenge 2028」の重点取組事項

(1)生活習慣病リスクの低減等

(2)メンタルヘルス不調等の発生予防と早期対応

(3)従業員の喫煙率低下

(4)ワークモチベーションの向上

 

 

 

〇健康経営戦略マップ

https://www.shintetsu.co.jp/company/pdf/kk_map.pdf ご参照

 

※健康経営に関する具体的な取り組み内容は、当社ウェブサイト「健康経営の取組」:

https://www.shintetsu.co.jp/company/pdf/kenkou_keiei.pdf ご参照

 

⑤従業員エンゲージメントの向上

 サステナビリティ経営を進めるにあたり、従業員が働きがいを感じながら会社と共に成長していける、風通しの良い組織風土づくりに向けた取組の一環として、従業員の会社に対する愛着や思い入れの強さである「従業員エンゲージメント」を定期的に調査し、スコアの向上に取り組んでおります。調査結果の分析から見えた課題等については部署毎に改善策を実施するとともに、人事制度等の見直しや研修の充実、職場内でのコミュニケーション強化等の取組を通じて、より働きがいを感じられる、働きやすい職場環境づくりに努めております。

 なお、2025年度に実施した調査の全体平均スコアは「63.9点」であり、前回(2022年度)と比較して「0.5点」の上昇となっております(注1)。

(注)1.前回調査(2022年度実施)とは調査内容が一部異なるため、前回の調査結果を2025年度の調査内容

     に補正して比較

 

⑥指標と目標

 

指標

 

目標

実績

従業員エンゲージメントの向上

エンゲージメント調査スコアの継続的な向上

2025年度調査

全体平均スコア63.9点

(前回比+0.5点)

多様な人材の活躍

総合職の採用者に占める女性の割合

30%以上

(2030年度)

100%

(2025年度)

係長級以上の管理監督職につく女性社員

5人以上

(2031年3月末時点)

4人

(2026年3月末時点)

健康経営の推進

「BMI25以上」の従業員の割合

25%以下

31.2%(2025年度)

「運動をしていない」従業員の割合

50%以下

57.4%(2025年度)

高ストレス者の割合

10%未満

13.3%(2025年度)

ストレスチェック回答率

95%以上

86.7%(2025年度)

従業員の喫煙率

15%以下

20.1%(2025年度)

 

 

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

(2026年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸業

661

(339)

不動産業

11

(3)

流通業

47

(114)

報告セグメント計

719

(456)

その他

68

(226)

全社(共通)

40

(12)

合計

827

(694)

  (注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除く)であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

②提出会社の状況

 

 

 

 

(2026年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

436

(151)

41.0

19.9

5,610

4.8

 

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸業

385

(48)

不動産業

11

(3)

報告セグメント計

396

(51)

その他

40

(100)

合計

436

(151)

  (注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数は、組合専従者1人及び出向社員46人を含んでおりません。

 

③労働組合の状況(2026年3月31日現在)

  当社グループにおいて、日本私鉄労働組合総連合会の組合員数は557人で、その他の労働組合に所属している組合員数は274人であります。なお、労使間において特記すべき事項はありません。

 

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表を行っていない項目並びに連結子会社については、記載を省略しております。

  ア 提出会社

管理的地位にある労働者に占める

女性労働者の割合

(%)(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(注)3

全労働者(%)

(内訳)

正規雇用労働者(%)(注)4

非正規雇用労働者(%)(注)5

2.0

57.0

71.3

75.3

98.5

 

  (注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

  (注)2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における男性労働者の育児休業等の取得率を算出し、割合を記載しております。

  (注)3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2025年4月から2026年3月の実績をもとに男女別の平均年間賃金を算出し、女性労働者の平均年間賃金について男性労働者に対する割合を記載しております。

  (注)4 正規雇用労働者は、期間の定めなくフルタイム勤務する労働者であり、組合専従者及び出向者を含んでおります。

      正規雇用労働者について、男女の賃金の差異は勤続年数等により生じたもので、職能等級や成果が同じであれば人事制度上、性差により格差が生じることはありません。なお、男女別の平均年齢及び平均勤続年数(2026年3月31日現在)は、次のとおりであります。

 

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

男性

41.3

20.6

女性

33.9

7.3

  (注)5 非正規雇用労働者は、パートタイム労働者及び有期雇用労働者であります。

      パートタイム労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数をもとに平均年間賃金を算出しております。

 

  イ 連結子会社

 

管理的地位にある労働者に占める

女性労働者の割合

(%)(注)1

労働者の男女の賃金の額の差異(注)2

全労働者(%)

(内訳)

正規雇用労働者(%)

非正規雇用労働者(%)

神鉄バス㈱

0.0

37.1

66.7

46.7

大阪神鉄豊中タクシー㈱

0.0

88.7

101.1

40.1

㈱神鉄エンタープライズ

5.0

45.3

87.7

69.5

神鉄観光㈱

11.1

59.7

73.1

85.9

神鉄タクシー㈱

0.0

72.9

119.8

45.4

㈱神鉄コミュニティサービス

0.0

63.0

58.1

68.7

 

  (注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

     2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、労働者の男女の賃金の額の差異の公表対象となる連結子会社の数値を記載しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、将来に関する内容は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その正確性を当社として約束する趣旨のものではなく、また、全ての影響をカバーするものではありません。

 

(1)サステナビリティ全般に関する考え方及び取組

(サステナビリティ基本方針)

 当社グループは、経営理念・経営方針の実践や多様な人々との連携・共創を通じて新たな価値を創出し、グループの持続的な成長を図るとともに、社会課題の解決や持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。

 

①ガバナンス[サステナビリティ推進体制]

 当社グループでは、サステナビリティへの取組をグループ一体で推進するため、神戸電鉄社長を議長とし、同社の執行役員・監査等委員(常勤)とグループ各社社長により構成される「サステナビリティ推進委員会」を2021年12月より設置しております。

 サステナビリティ推進委員会は、神戸電鉄取締役会の監督のもと、同じ委員で構成される「リスク管理委員会」そして「健康経営推進委員会」とも連携を図りながら、原則として年2回開催し、サステナビリティへの取組を統合的にモニタリング・協議・決定しております。中でも、後述する重点目標とKPIについては、取締役会の監督の下、その達成に向けたPDCAサイクルを回し、各事業のアクションプランに反映させることで、サステナビリティ経営を推進しております。

 

 

②戦略[サステナビリティ重要テーマ(マテリアリティ)]

 当社グループでは、社会とともに持続的に存続・発展していく上での重要テーマをマテリアリティとして、下表のとおり整理し、その取組方針を定めております。

 

 

 

③リスク管理

 当社グループでは、上述のサステナビリティ推進委員会において、リスク管理委員会とも連携しながら、サステナビリティ課題のリスクと機会について議論を行っております。特に気候関連問題に関連するリスク管理については、脱炭素社会の実現と鉄道施設の強靭化をKPIの項目に設定することで、損失の発生の回避に努めるとともに、影響を最小限に抑えることとしております。

 

④指標と目標(重点目標・KPI)

 サステナビリティに関する重要テーマ(マテリアリティ)に対応した「重点的な取組」と「目標・KPI」を下表のとおり定めており、サステナビリティ推進委員会でモニタリングし、PDCAサイクルを回しております。

 

重点的な取組

目標・KPI

2025年度実績

安全輸送の確保

鉄道事業における有責事故:

ゼロの継続

有責事故ゼロを継続

*近畿運輸局長より運転無事故表彰を受賞

バス・タクシー事業における死亡事故:

ゼロの継続

有責死亡事故ゼロを継続

*貸切バス事業者安全性評価認定制度において、二ツ星を獲得

鉄道施設の強靭化

自然災害への対応力:

継続的な強化 (注1)

木津-木幡間の擁壁補強工事を実施

駅を中心とした

まちづくりの推進

地域における鉄道の交通分担率:

増加に転換 (注2)

(2021年度近畿圏パーソントリップ調査での沿線地域における鉄道の交通分担率:14.6%)

定住や鉄道の利用促進に向けて行政や民間企業・学生団体等と協働した取組

(例:ハイキングや駅前の賑わいづくり)やスムーズな移動の実現

(QR乗車券・クレジットカードタッチ決済への対応等)を引き続き実施

賃貸物件の魅力度向上:

継続的な更新

谷上SHビル・トイレ改装 など

新しい価値の提供

共創を起点とした関係人口の創出:

共創案件や観光客数の継続的な増加

(注3)

【共創案件】

[いろどりBASE]谷上駅・鈴蘭台駅

[段ボール回収所]長田駅・鈴蘭台西口駅

その他 花山駅・大池駅・丸山駅・神鉄道場駅において行政や企業共創案件を実施

【観光客数の継続的な増加】

有馬温泉駅の定期外乗車人員481,993人

(前年度比△5.0%)

*中国人旅行客数の減少の影響など

事業領域の拡大 :

不動産事業エリアの拡大・

新規事業の創出

【不動産事業エリアの拡大】

大阪府摂津市・東京都葛飾区・東京都立川市賃貸マンションの取得

【新規事業の創出】

空き家等管理事業の拡大

脱炭素社会の実現

神鉄グループにおけるCO₂排出量

(スコープ1・2):

2013年度比△46%(2030年度)

(注4)

2013年度比△30.3%

(前期比△2.8pt)

従業員エンゲージメント

の向上

エンゲージメント調査スコア:

継続的な向上 (注5)

2025年12月調査スコア 63.90点

(前回調査比+0.50点)(注6)

※神戸電鉄(単体)

 

 

(注)1.防災工事を着実に推進するとともに、災害監視や対応能力の強化に継続して取り組んでおります。

2.10年ごとに実施される近畿圏パーソントリップ調査において、代表交通手段を鉄道とされる沿線の方の割合が増加に転じることを目指し、沿線自治体と連携して様々な取組を行っております。

3.当社グループは、「神鉄グループみらいビジョン2030」において『暮らしに彩を添える地域の共創プラットフォーム』になることを掲げており、暮らしに彩を添える時間(トキ)やモノ、サービスの共創プラットフォームとして確固たる地位を築き、地域の持続的な価値向上に貢献するとともに、社会・経済活動を支える存在となることを目指しております。

4.当社グループ全体で、政府が掲げる温室効果ガスの削減目標(2021年10月22日決定)の達成を目指しております。

5.従業員エンゲージメント調査(定期的に実施)において、調査スコアが継続的に前回を上回ることを目指しております。

6.前回の調査は2022年12月に実施しました(前回調査と設問・内容等が一部異なるため、前回調査の結果を今回調査の設問に変換し、点数を再計算した上で比較しております。)

 

(2)気候変動への取組

 当社グループの気候変動(気候関連問題)への取組は次のとおりです。

 なお、取組の詳細については、当社ホームページ(https://www.shintetsu.co.jp/company/sustainability/)の「気候関連問題への対応」をご参照ください。

 

①ガバナンス

 ガバナンスについては、上述の(1)ガバナンス[サステナビリティ推進体制]のとおりです。

 

②戦略

 (ⅰ)リスクと機会の特定

 IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が示す 1.5~2シナリオや 4シナリオ、IEA(国際エネルギー機関)のレポート(World Energy Outlook)等をもとに、脱炭素社会への移行が進む場合と気候変動によって大きな物理的変化が生じる場合における分析を行いました。

 以下では、気候変動における影響の大きさやグループの利益額に占める割合の大きさ等の重要性を考慮し、鉄道事業及び不動産事業への影響について、その結果を記載しております。

 

 なお、気候関連の時間軸については経営計画などとの整合性に鑑みて定義しております。具体的には、短期については中期経営計画期間が4年であることを踏まえて「1~5年」を想定しております。中期については、2023年5月に公表した長期経営ビジョン『神鉄グループみらいビジョン2030』が2030年度(公表時点から8年後)を目標年度としていることを踏まえ、「5~10年」を想定しております。長期については、「10年以上」を想定しております。

 

[リスク・鉄道事業]

 

[リスク・不動産事業]

 

[機会・鉄道事業]

 

[機会・不動産事業]

 

 (ⅱ)財務的な影響の想定と対応

 特定したリスクと機会のうち、特に影響が大きいと想定されるものであり、なおかつ、シナリオ分析に対応できる客観的な過去データや将来予想データが入手できる項目について、鉄道事業及び不動産事業への財務的な影響の想定を行いました。

 その結果は下表のとおりです。

 

 

項目

財務影響の変化想定

4℃シナリオ

1.5~2℃シナリオ

移行リスク

炭素税賦課による税負担の増加

[2035年度時点]

△400百万円/年

物理的リスク

大雨(日降水量100mm以上)の発生回数増加による設備被害(法面崩壊・路盤流出等)の増加と旅客運輸収入の減少

2076~2095年平均(21世紀末)時点]

△17百万円/年

△8百万円/年

大雨(計画規模降雨)に伴う洪水(浸水)被害の増加と旅客運輸収入の減少

2050年度時点]

△16百万円/年

△5百万円/年

(注)1.影響分析に活用した将来に影響を与える要素(パラメータ)の出典は以下のとおりであります。

(社内データ)CO排出量の見通し、過去14年間(2012~2025年度)における自然災害被害額

(社外データ)IEA「World Energy Outlook2025」(2025年11月)、文部科学省・気象庁「日本の気候変動2025-大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書-(詳細版)」(2025年3月)・国土交通省「重ねるハザードマップ」洪水浸水想定区域(計画規模降雨)・国土交通省 気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」提言(2021年4月改訂)。

2.いずれも排出規制の強化に伴う資材価格の高騰や自然災害の増加に伴う損害保険料の上昇、沿線人口の減少などの影響を加味しない場合の試算です。

3.物理的リスクは、2シナリオ及び4シナリオを想定して算定しております。また、損害保険金等の受給や一部区間の長期運行休止を織り込んだ場合の数値です。

 

 分析の結果、1.5~2シナリオでは、政策等により環境関連の規制が強化され、炭素税賦課が経営に大きな影響を与えることが確認できました。

 この対応として、鉄道事業において、省エネルギー型車両への更新やLED照明の導入、効率的な列車運用等により、エネルギー使用量の削減を進めております。また、不動産事業においても、主たる賃貸物件及び貸駐車場において照明のLED化を既に完了させるなど、環境性能の向上を計画的に行うことにより、エネルギー使用量の削減に取り組んでおります。

 

 4シナリオでは、大雨の発生回数の増加により、特に鉄道事業において、物理的被害の可能性が高まることが確認されました。

 当社では、このような自然災害のリスクに対応するべく、ハザードマップ等により、線路脇で土砂崩れや冠水が発生するリスクが高いと予想される箇所を「災害注意箇所」として社内で定め、斜面の崩落や落石の防止、橋りょう下部の洗掘防止、排水機能の強化などの対策を鋭意進めております。

 

③リスク管理

 当社グループでは、毎年、「サステナビリティ推進委員会」において気候関連問題への取組状況の確認と見直しを、また「リスク管理委員会」において想定されるリスクの現実化状況をモニタリングしながら対処の見直しを行うこととしております。

 社会情勢や経営環境に変化が生じた場合や、関係機関から発表される気候関連問題に係る情報が更新された場合には、上記委員会のプロセスを通じて経営陣がそれらに接し、対処や取組の見直しを行った上で、必要に応じて取締役会にも共有されます。

 

④指標と目標

 当社グループでは、「脱炭素社会の実現」を図ることや、沿線において「駅を中心としたまちづくり」が推進され、定住とともに公共交通の利用が促進されることが、グループの持続的な成長にとっても、また持続的な社会の実現にとっても重要と考えております。

 このうち「脱炭素社会の実現」に向けては、その取組を一層強化し、地球環境の保護・保全にグループをあげて取り組むものとして、2030年度までにグループ全体のCO2排出量を2013年度比で46%削減する目標を掲げております。具体的には、鉄道事業において電力消費量が従来型に比べて約60%削減される新型車両の導入を計画的に進めるほか、バス・タクシーの電動化(ハイブリッド機構を含む)、照明のLED化をはじめとする設備の省エネ化、資産のスリム化等に取り組んでおります。

 なお、2025年2月に政府が発表した温室効果ガスの新たな削減目標(2013年度比で2035年度に60%削減ほか)につきましては、その達成の道筋を研究しております。

 

 また、「駅を中心としたまちづくり」の推進については、沿線における人口減少やモータリゼーションの進行により、鉄道利用者の減少傾向に歯止めがかからない中、沿線自治体が策定する地域公共交通計画において、まちづくりと公共交通の連携・一体的な整備を施策として盛り込んでいただくとともに、定住や鉄道の利用促進に向けて行政や民間企業・学校団体等と協働した取組を進めております。それらの取組の成果として、10年毎に行われる近畿圏パーソントリップ調査(前回調査は2021年実施)において、鉄道を代表交通手段とされる沿線の方の割合が増加に転じることを目指しております。

 

 これらの取組に加え、災害に強い公共交通サービスの実現を目指して、上述のとおり、防災工事を着実に推進するとともに、災害監視や対応能力の強化に継続して取り組んでおります。

 

 なお、CO2排出量の実績及び2030年度の削減目標値については、下表及び下図のとおりです。

*1:ロケーション基準は、環境省が公表する全国平均係数を用いて算出しております。

*2:マーケット基準は、当社グループでは主に関西電力の電気(ゼロカーボンメニュー以外の契約)を使用していることから、当該電気に係る排出係数を用いて算出しております。

 

 

(注)1.神戸電鉄及び連結子会社のCO2排出量合計(合計値を小数点以下切捨)。なお、2013年度実績が把握できない一部会社については2014年度実績で代用しております。

2.CO2排出量の数値については、第三者機関の認証等を得たものではありません。

3.2023年度については、電気に係るCO2排出係数が前年度より大きくなったことに伴い、CO2排出量が増加しております(グループの電力使用量は前年度比△0.7%)。

 

(3)人的資本についての取組

戦略

 当社グループの経営理念である「『安心』・『安全』・『快適』をお届けすることで、お客様の豊かな暮らしを実現し、地域社会に貢献します」を実現していくためには、多様な価値観や個性を尊重しながら、従業員一人ひとりが持つ力を最大限発揮し、活き活きと働くことができる職場環境を整備することが不可欠となります。

 それらを踏まえ、当社グループでは、神戸電鉄グループ長期経営ビジョン「神鉄グループみらいビジョン 2030」において、『多様な人材一人ひとりが活躍できるステージづくり』を人的資本投資の強化に向けた方針として掲げ、当社グループの将来の成長に向けた「新しい時代(外部環境の変化)に対応した収益構造の構築」、「沿線活性化」、「成長投資・新規投資による収益拡大」等の事業戦略を自律的に推進できる多様な人材の確保と育成に努めるとともに、人事制度の見直し、福利厚生制度の拡充、健康経営体制の推進等を通じた従業員エンゲージメントの向上等に取り組んでおります。

 なお、具体的な取組及び指標・目標等については、第4[提出会社の状況]5[従業員の状況等](1)「人材戦略に関する基本方針等」に記載のとおりであります。