2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    511名(単体) 884名(連結)
  • 平均年齢
    41.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.1年(単体)
  • 平均年収
    5,196,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

(2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸業

699

(372)

不動産業

12

(2)

流通業

52

(170)

報告セグメント計

763

(544)

その他

74

(217)

全社(共通)

47

(9)

合計

884

(770)

  (注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除く)であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

(2024年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

511

(134)

41.5

18.1

5,196

 

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸業

454

(43)

不動産業

12

(2)

報告セグメント計

466

(45)

その他

45

(89)

合計

511

(134)

  (注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数は、組合専従者1人及び出向社員51人を含んでおりません。

4 60歳定年制を採用しております。

(3)労働組合の状況(2024年3月31日現在)

  当社グループにおいて、日本私鉄労働組合総連合会の組合員数は586人で、その他の労働組合に所属している組合員数は281人であります。なお、労使間において特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表を行っていない項目ならびに連結子会社については、記載を省略しております。

  ①提出会社

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1

全労働者

(内訳)

正規雇用労働者(注)2

非正規雇用労働者(注)3

70.7%

73.0%

109.6%

 

  (注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2023年4月から2024年3月の実績をもとに男女別の平均年間賃金を算出し、女性労働者の平均年間賃金について男性労働者に対する割合を記載しております。

  (注)2 正規雇用労働者は、期間の定めなくフルタイム勤務する労働者であり、組合専従者および出向者を含んでおります。

      正規雇用労働者について、男女の賃金の差異は勤続年数等により生じたもので、職能等級や成果が同じであれば人事制度上、性差により格差が生じることはありません。なお、男女別の平均年齢および平均勤続年数(2024年3月31日現在)は、次のとおりであります。

 

平均年齢

平均勤続年数

男性

41.6才

18.7年

女性

39.3才

8.1年

  (注)3 非正規雇用労働者は、パートタイム労働者および有期雇用労働者であります。

      パートタイム労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数をもとに平均年間賃金を算出しております。

 

  ②連結子会社

 

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)

全労働者

(内訳)

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

㈱神鉄エンタープライズ

71.3%

84.8%

87.1%

 

  (注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年度法律第64号)の規定に基づき、労働者の男女の賃金の差異の公表対象となる㈱神鉄エンタープライズの数値を記載しております。

 なお、正規雇用労働者、非正規雇用労働者の定義および平均年間賃金の算出方法は提出会社に準じております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。

 なお、将来に関する内容は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その正確性を当社として約束する趣旨のものではなく、また、全ての影響をカバーするものではありません。

 

(1)サステナビリティ全般に関する考え方及び取組

①サステナビリティ基本方針

  当社グループは、経営理念・経営方針の実践や多様な人々との連携・共創を通じて新たな価値を創出し、グループの持続的な成長を図るとともに、社会課題の解決や持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。

 

 ②重要テーマ(マテリアリティ)

 

 ③ガバナンス及びリスク管理(サステナビリティ推進体制)

 当社グループでは、サステナビリティへの取組をグループ一体で推進するため、2021年12月、当社社長を議長とし、当社の執行役員・監査等委員(常勤)とグループ各社社長により構成される「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。

 当社取締役会の監督のもと、本委員会が中心となって、同じ委員で構成される「リスク管理委員会」そして「健康経営推進委員会」とも連携を図りながら、サステナビリティへの取組を統合的に協議・決定するとともに、PDCAサイクルを回していくことで取組をブラッシュアップするなど、サステナビリティ経営を推進しております。

 ④指標と目標(KPI等)

 サステナビリティへの取組における重点目標及びKPIについては、次のとおりであります。

重点的な取組

目標・KPI

安全輸送の確保

鉄道事業における有責事故 ゼロの継続

バス・タクシー事業における死亡事故 ゼロの継続

鉄道施設の強靭化

自然災害への対応力 継続的な強化 (注1)

駅を中心としたまちづくりの推進

地域における鉄道の交通分担率 増加に転換 (注2)

賃貸物件の魅力度向上 継続的な更新

新しい価値の提供

共創を起点とした関係人口の創出 共創案件や観光客数の

継続的な増加 (注3)

事業領域の拡大 不動産事業エリアの拡大・新規事業の創出

脱炭素社会の実現

神鉄グループにおけるCO₂排出量(スコープ1・2)

2013年度比△46%(2030年度) (注4)

従業員エンゲージメントの向上

エンゲージメント調査スコア 継続的な向上 (注5)

(注)1.防災工事を着実に推進するとともに、災害監視や対応能力の強化に継続して取り組んでおります。

2.10年ごとに実施される近畿圏パーソントリップ調査において、代表交通手段を鉄道とされる沿線の方の割合が増加に転じることを目指し、沿線自治体と連携して様々な取組を行っております。

3.神鉄グループは、「神鉄グループみらいビジョン2030」において『暮らしに彩を添える地域の共創プラットフォーム』になることを掲げており、暮らしに彩を添える時間(トキ)やモノ、サービスの共創プラットフォームとして確固たる地位を築き、地域の持続的な価値向上に貢献するとともに、社会・経済活動を支える存在となることを目指しております。

4.神鉄グループ全体で、政府が掲げる温室効果ガスの削減目標(2021年10月22日決定)の達成を目指しております。

5.従業員エンゲージメント調査(定期的に実施)において、調査スコアが継続的に前回を上回ることを目指してまいります。

(2)気候変動への取組

 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに基づき整理した当社グループの気候変動(気候関連問題)への取組は、次のとおりであります。

 なお、取組の詳細については、当社ホームページ(https://www.shintetsu.co.jp/company/)の「気候関連問題への対応」をご参照ください。

 

①ガバナンス及びリスク管理

 上述のサステナビリティ推進体制のとおりであります。

 

②戦略

 (ⅰ)リスクと機会の特定

 IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が示す1.5℃~2℃シナリオや4℃シナリオ、IEA(国際エネルギー機関)のレポート(World Energy Outlook)等をもとに、脱炭素社会への移行が進む場合と気候変動によって大きな物理的変化が生じる場合における鉄道事業及び不動産事業への影響について分析を行いました。

 

[鉄道事業]

 

 

[不動産事業]

 

 

(ⅱ)財務的な影響の想定と対応

 特定したリスクと機会のうち、特に影響が大きいと想定されるものであり、なおかつシナリオ分析に対応できる客観的な過去データや将来予想データが入手できる項目について、鉄道事業及び不動産事業への財務的な影響の想定を行いました。

 その結果は下表のとおりであります。

 

 

項目

財務影響の変化想定

4℃シナリオ

1.5~2℃シナリオ

移行リスク

炭素税賦課による税負担の増加

[2030年度時点]

△330百万円/年

物理的リスク

大雨(日降水量100mm以上)の発生回数増加による設備被害(法面崩壊・路盤流出等)の増加と旅客運輸収入の減少

2076~2095年平均(21世紀末)時点]

△16百万円/年

△8百万円/年

大雨(計画規模降雨)に伴う洪水(浸水)被害の増加と旅客運輸収入の減少

2050年度時点]

△16百万円/年

△5百万円/年

(注)1.影響分析に活用した将来に影響を与える要素(パラメータ)の出典は以下のとおりであります。

(社内データ)CO排出量の見通し、過去10年間(2012~2021年度)における自然災害被害額

(社外データ)IEA「World Energy Outlook2023」、自然エネルギー財団「2030年における電力需給バランスとコストの検証」(2021年2月)、文部科学省・気象庁「日本の気候変動2020-大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書-(詳細版)」(2020年12月)・国土交通省「重ねるハザードマップ」洪水浸水想定区域(計画規模降雨)・国土交通省 気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」提言(2021年4月改訂)。

2.いずれも排出規制の強化に伴う資材価格の高騰や自然災害の増加に伴う損害保険料の上昇、沿線人口の減少などの影響を加味しない場合の試算であります。

3.物理的リスクは、2℃シナリオ及び4℃シナリオを想定して算定しております。また、損害保険金等の受給や一部区間の長期運行休止を織り込んだ場合の数値であります。

 

 分析の結果、1.5℃~2℃シナリオでは、政策等により環境関連の規制が強化され、炭素税賦課が経営に大きな影響を与えることを確認いたしました。

 この対応として、鉄道事業において、省エネルギー型車両への更新やLED照明の導入、効率的な列車運用等により、エネルギー使用量の削減に取り組んでおります。また、不動産事業においても、賃貸物件における照明のLED化推進等による環境性能の向上を計画的に行うことにより、エネルギー使用量の削減に取り組んでおります。

 

 4℃シナリオでは、大雨の発生回数の増加により、特に鉄道事業において、物理的被害の可能性が高まることを確認いたしました。

 当社では、このような自然災害のリスクに対応するべく、ハザードマップ等により、線路脇で土砂崩れや冠水が発生するリスクが高いと予想される個所を「災害注意箇所」として社内で定め、斜面の崩落や落石の防止、橋梁の洗掘防止、排水機能の強化などの対策を鋭意進めております。

 

③ 指標及び目標

 当社グループでは、「脱炭素社会の実現」を図ることや、沿線において「駅を中心としたまちづくり」が推進され、定住とともに公共交通の利用が促進されることが、グループの持続的な成長にとっても、また持続的な社会の実現にとっても重要と考えております。

 このうち「脱炭素社会の実現」に向けては、グループをあげて地球環境の保護・保全に取り組むものとして、2030年度までにグループ全体のCO排出量を2013年度比で46%削減する目標を掲げております。具体的には、鉄道事業において電力消費量が従来型に比べて約60%削減される新型車両の導入を計画的に進めるほか、バス・タクシーの電動化(ハイブリッド機構を含む)、照明のLED化をはじめとする設備の省エネ化、資産のスリム化等に取り組んでおります。

 

 また、「駅を中心としたまちづくり」の推進については、沿線における人口減少やモータリゼーションの進行により、鉄道利用者の減少傾向に歯止めがかからない中、沿線自治体が策定する地域公共交通計画において、まちづくりと公共交通の連携・一体的な整備を施策として盛り込んでいただくともに、定住や鉄道の利用促進に向けて行政や民間企業・学生団体等と協働した取組を進めております。それら取組の成果として、10年毎に行われる近畿圏パーソントリップ調査において、鉄道を代表交通手段とされる沿線の方の割合が増加に転じることを目指しております。

 

 これらの取組に加え、災害に強い公共交通サービスの実現を目指して、防災工事を着実に推進するとともに、災害監視や対応能力の強化に継続して取り組んでおります。

 

 なお、CO排出量の実績及び2030年度の削減目標値については、下図のとおりであります。

 

(注)1.神戸電鉄及び連結子会社のCO2排出量合計。なお、2013年度実績が把握できない一部会社については2014年度実績で代用しております。

2.CO排出量の数値については、第三者機関の認証等を得たものではありません。

3.2023年度については、電気に係わるCO2排出係数が前年度より大きくなったことに伴い、CO2排出量が

 増加しております(グループの電力使用量は前年度比△0.7%)。

 

 

(3)人的資本についての取組

① 戦略

 当社グループの経営理念である「『安心』・『安全』・『快適』をお届けすることで、お客様の豊かな暮らし

を実現し、地域社会に貢献します」を実現していくためには、多様な価値観や個性を尊重しながら、従業員一人

ひとりが持つ力を最大限発揮し、活き活きと働くことができる職場環境を整備することが不可欠となります。

 それらを踏まえ、当社グループでは「多様な人材一人ひとりが活躍できるステージづくり」を人的資本投資の強化に向けた方針として掲げ、「新しい時代(外部環境の変化)に対応した収益構造の構築」、「沿線活性化」、「成長投資・新規投資による収益拡大」等の事業戦略を自律的に推進できる多様な人材の育成に努めるとともに、人事関連制度の見直し・健康経営の推進・福利厚生制度の拡充等を通じた「従業員エンゲージメント」の向上に取り組んでおります。

 今後も、引き続き「従業員エンゲージメントの向上」、「多様な人材の活躍」、「健康経営の推進」、「戦略的な人材育成・配置」等に取り組むことにより、従業員が働きがいを感じながら会社とともに成長していける、風通しの良い組織風土づくりに努めてまいります。

 

〔従業員のエンゲージメント調査〕

 当社では、サステナビリティ経営を進めるにあたり、従業員が働きがいを感じながら会社と共に成長していける、風通しの良い組織風土づくりに向けた取組の一環として、従業員の会社に対する愛着や思い入れの強さである「従業員エンゲージメント」を調査しており、2022年12月に実施した調査では、回答のあった580人(回答率82.9%)の平均スコアは62.8点となり、同内容の調査を実施した他社全体の平均スコアとほぼ同水準となっております。

 当社スコアの分析結果については、部署や年代によってばらつきはあるものの、全体としては、従業員が当社で働くことの「誇り」や「メリット」を感じている割合のスコアがやや低いなどの課題点がうかがえる一方、従業員が日頃より各職場において協力し合いながら業務を進める「相互支援」のスコアが高い等の特徴が見られ、これらの結果等をもとに人事制度等の見直しや研修の充実、職場内でのコミュニケーション強化等を進め、より働きがいを感じられる、働きやすい職場環境づくりに努めております。

 

〔健康経営の取組状況〕

 当社では、従業員の心身の健康維持・増進をより一層推進していくため、『健康宣言』を制定するとともに、健康経営推進委員会を中心とした健康経営の推進体制のもと、健康保険組合や労働組合と一体となって従業員の健康に関する取組を推進しており、その取組内容や実績については随時、経営会議や取締役会等に報告しております。なお、上記取組が認められ、当社は「健康経営優良法人2024 大規模法人部門(注)」に認定されております(2024年3月11日付)。

 (注)「健康経営優良法人」とは、従業員の健康管理や健康増進等の取組が特に優良である法人を日本健康会議が顕彰する制度

 

〇健康宣言

 当社は、お客様に「安心」・「安全」・「快適」をお届けすることで豊かな暮らしを実現し地域社会に貢献していくために、その担い手である従業員の心身の健康づくりと、従業員一人ひとりが健康で活き活きと働くことができる職場環境づくりに積極的に取り組みます。

 そして、従業員の健康こそが持続可能な会社の未来の礎であるとの認識のもと、健康保険組合・労働組合とも一体となって従業員の健康維持・増進に取り組むことを宣言します。

 

 

〇健康経営推進体制

 

〇健康経営推進体制

https://www.shintetsu.co.jp/company/pdf/kk_map.pdf ご参照

 

〇重点取組事項(2024年度)

・従業員への運動促進による生活習慣病リスクの低減

・メンタルヘルス不調等のストレス関連疾患の発生予防と早期対応

・従業員の喫煙率低下

・ワークモチベーションの向上

 

※健康経営に関する具体的な取り組み内容は、当社ウェブサイト「健康経営の取組」:

https://www.shintetsu.co.jp/company/pdf/kenkou_keiei.pdf ご参照

 

② 指標と目標

指標

目標

実績(当連結会計年度)

従業員エンゲージメントの向上

エンゲージメント調査スコアの継続的な向上

従業員エンゲージメント調査スコア62.8点/100点(2022年12月実施)

多様な人材の活躍

鉄道現業職の女性従業員数

15人以上(2026年3月末時点)

6人(2024年3月末時点)

係長級以上の管理監督職に就く女性社員数

5人以上(2026年3月末時点)

4人(2024年3月末時点)

健康経営の推進

「BMI25以上」の従業員の割合

25%以下

29.0%(2023年度)

「運動をしていない」

従業員の割合

50%以下

56.1%(2023年度)

高ストレス者の割合

10%未満

12.2%(2023年度)

ストレスチェック回答率

90%以上

90.5%(2023年度)

従業員の喫煙率

15%以下(2025年度)

20.2%(2023年度)

(注)1.対象会社:神戸電鉄株式会社

2.従業員エンゲージメント調査は、外部機関を利用した調査であり、当該実績は、同調査を利用した他社平均と同水準の数値となっております。