リスク
3【事業等のリスク】
当社グループでは、取締役会が決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、定期的にリスク管理委員会を開催し、事業活動やその持続性に影響を与えるリスクの重要性や残余リスク等の定量的な評価を行い、経営方針・経営戦略との関連性の程度を考慮したうえで、優先順位を付けて対策を立案・実行しております。
これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績等に重大な影響を与える可能性のある主要なリスクには以下のようなものがあります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)法的規制等に係るリスク
当社グループの運輸業では、鉄道事業は鉄道事業法等の、バス事業及びタクシー業は道路運送法等に基づき事業を運営しており、鉄道事業及びバス事業の運賃や路線の設定に当たっては国土交通省の許可・認可を得る必要があります。また、この他の事業においてもそれぞれを律する法律を前提に事業活動を行っております。こうした法律、規制、政策、会計基準等の新たな施行、変更及びその影響を予測することは困難であり、これらの法規制や法改正により、事業活動が制限を受ける場合、これらの法的規制等によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合と沿線人口の減少等に係るリスク
当社グループでは、鉄道事業を中心に主として当社沿線で事業展開しているため、沿線人口の減少や他社との競合激化の状況が続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)自然災害・気候変動等に係るリスク
当社グループは、兵庫県南部において鉄道施設や賃貸ビル等の営業施設を所有しております。鉄道においては、六甲山系を超えて神戸の北部に至る路線であることから、自然災害に備えて、橋梁、トンネル及び法面の補強等の防災工事を進めておりますが、近年の異常気象による豪雨や大型台風により被災し、またこれにより運休することがあります。今後、当該エリアに大きな被害をもたらす地震、台風による洪水等の自然災害が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事故に係るリスク
当社グループでは鉄道、バスなど大量の旅客を輸送する公共交通事業を営んでおり、安全保安諸施設の整備、従業員教育の徹底など安全管理には万全の注意を払っておりますが、大規模な事故が発生し、長期に亘る運休となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)要員の確保に係るリスク
当社グループでは、鉄道をはじめ労働集約型の事業を展開しておりますが、労働人口の減少や価値観の多様化による人材流出により、要員の確保が難しくなってきております。このため、離職率の抑制に向けて「従業員エンゲージメントの向上」に取り組むとともにキャリア採用の強化や定年退職者の雇用延長等による要員の確保を図っているところであり、今後は、地域社会の多様化(訪日外国人の増加)を踏まえた外国籍の社員についても採用を検討していきます。なお、各分野のIT化や作業用機器の導入により作業の軽減や効率化等にも努めていますが、要員計画の未達成が続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)金利の変動に係るリスク
当社グループの有利子負債は、営業キャッシュ・フローに比べ過大であります。このため金利の変動リスクを回避するため、大部分の借入金等は固定金利で調達しているものの、金利上昇が長期間続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)保有資産の時価下落に係るリスク
当社グループが保有する賃貸用土地・建物をはじめとする事業用固定資産については、経済状況の悪化や競合状況の激化などによる収益性の低下や地価が著しく下落した場合に減損損失が発生する可能性が、また、当社グループが保有する有価証券については、今後市場価格が著しく下落した場合には評価損等が発生する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)コンプライアンスに係るリスク
当社グループでは、法令順守の意識と高い倫理観をもって事業運営にあたり、従業員への啓発・教育にも努めておりますが、これらに反する不法行為や不適切な事象が発生した場合に、社会的信用失墜のみならず、損害賠償請求等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)感染症に係るリスク
新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症が発生・拡大した場合、当社グループの主要な事業である運輸業・不動産業・流通業においては、生活様式の変化等による利用客の減少や、従業員の感染による要員不足に伴う事業縮小や休業の可能性があります。
これらに加えて、当社が運営する保育施設等において集団感染が発生した場合に、風評被害等の影響が及ぶ可能性があります。
これらの事象が長期化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報の漏洩に係るリスク
当社グループでは、多数の個人情報を取り扱っており、その管理には万全を期しておりますが、システムトラブルや犯罪行為により情報が流出した場合、社会的信用失墜のみならず、損害賠償請求等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)動力費等の高騰に係るリスク
当社グループの主要な事業である運輸業では、鉄道事業において大量の電力を消費するほか、バス・タクシーなどの営業車両の燃料として軽油等を使用しております。電気料金をはじめ、これらの価格が大きく高騰した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、鉄道事業という公共性の高い事業を展開しており、財務状況、経営見通し等を総合的に勘案し、安定した配当を継続的に行うことを基本方針としております。
内部留保資金については、当社グループの持続的な成長のための投資、また引き続き鉄道事業における安全対策のための投資等に充ててまいります。
なお、当社は中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うこととしており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。また、当社は「当会社は取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
当事業年度の配当については、上記の基本方針に基づき、今後の経営の見通しを総合的に勘案し、1株当たり年10円(うち中間配当0円)といたしました。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年6月13日 |
80 |
10.0 |
定時株主総会決議 |