2025年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)特定得意先との営業契約について

当社グループが営業契約を締結している得意先の中で、営業収益に占める割合が10%を超える大口得意先グループがあります。その契約期間は1年間で、双方より申し出のない場合は1年間の自動延長となっております。当社グループは、得意先の期待に応えるため品質の高い物流サービスを提供し、強固な信頼関係の構築および維持に努めておりますが、予期せぬ事象等により契約解消となった場合は、当社の業績等に多大な影響を与える可能性があります。

 

(2)法的規制等について

当社グループは、貨物自動車運送事業、センター事業、アセット事業を主要な事業としております。これらの事業を営むにあたっては、貨物自動車運送事業法や倉庫業法などの許認可をはじめ、安全や環境に関する各種法的規制を受けております。そのため、各種法令の改正や新たな法令の制定があった場合には、それらに対応するための費用負担が生ずる可能性があります。また、当社グループは、法令順守に努めておりますが、何らかの事由により各種法令に違反した事実が認められた場合には、事業の停止や許可の取り消しなどの罰則を受ける場合があります。したがって、これらの事象が発生した際には当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)重大事故について

当社グループは、法令順守と安全最優先を原則とした安全方針を掲げ、安全研修の強化、事故撲滅運動の実施、事故防止対策などに取り組んでおりますが、万一重大な交通事故または労災事故を発生させ、得意先の信頼および社会的信用の低下、事業許可取消し等の行政処分、被害者からの損害賠償請求等を受けた場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)自然災害・感染症等について

当社グループは、大地震や風水害などの自然災害や、新型感染症の流行などの予期せぬ事態に備え、事業継続計画書(BCP)を策定し、事業の中断を早期に復旧させるための方針、体制、手順を定めるなどの対策を講じております。しかし、これらの事象により事業活動が停止したり、社会インフラの大規模な損壊、従業員の稼働率低下など、予想を超える事態が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)人財の確保・育成および労務費について

当社グループは、ドライバーや商品管理士など多様な人財を雇用し事業を営んでおります。人手不足が深刻化する中、貨物自動車運送事業およびセンター事業においては、従来から労働集約型産業の側面が強いことに加えて、物流ニーズの多様化・高度化への対応などから一定割合の労働力を要する環境にあります。当社グループは、定期採用や中途採用により人財確保を図るとともに、人財育成の強化、労働環境の整備等により定着率の向上に努めておりますが、これらの取り組みが不十分であった場合には適正なサービスの提供ができない事態となる可能性があります。また、人財の確保や育成を進める一方で、自動化や省人化を推進し作業生産性の向上を図ること等により労務費の抑制に努めておりますが、今後の法改正や労働需給の動向等により労務費が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)外部委託について

当社グループの貨物自動車運送事業は、運送の一部を外部の協力会社等に委託しております。また、センター事業においても、物流3PL事業者として倉庫内作業を外部の協力会社に委託する場合があります。当社グループは、これらの協力会社等との連携を強化し強固な信頼関係の構築に努めておりますが、需給状況や時季により委託費が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(7)施設等の稼働率について

当社グループのアセット事業は、倉庫保管および不動産賃貸を中心に展開しております。その施設、設備につきましては自社保有または賃借にて営業しており、これらの費用は固定費となっております。当社グループは、営業活動を推進し一定水準の稼働率維持に努めておりますが、景気変動、得意先の荷動き動向により稼働率が低下した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)エネルギーコストの動向について

当社グループは、貨物自動車運送事業をはじめとする物流全般の事業活動を展開しており、燃料価格や電気料金などのエネルギーコストが事業運営において重要な要素となっております。そのため、燃料価格や電気料金の上昇により、運送費用や施設運営費用が増加する可能性があります。当社グループは、運送の効率化、エコドライブの推進、LED照明設備の導入などの自助努力に加え、得意先に対して料金改定交渉を行うなど、エネルギーコストの変動に伴う影響の低減に努めておりますが、その費用増加分を運賃やその他料金に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)為替レートの変動について

当社グループの海外の所在地別売上高比率は、2024年3月期13.3%、2025年3月期13.6%であります。換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらないとしても、円換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)与信リスクについて

当社グループは債権管理委員会を定期的に開催し、売上債権の回収状況の把握や適正な与信限度額の設定を行っておりますが、今後の社会情勢、景気の動向ならびに企業収益状況の変化等により、売上債権回収が悪化した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)カントリーリスクについて

当社グループが事業活動を行う主要な市場である日本、ベトナム、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジア、および中華圏の政情不安、治安の悪化、経済環境等の動向につきましては、グループ各社との月次会議等により情報を収集し状況把握に努めておりますが、不測の事態が発生し社会・経済環境が急激に変化した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)減損会計について

当社グループは、所有する土地や建物、リース資産等を事業用不動産・倉庫設備として使用しておりますが、土地の時価下落、事業環境の変化による収益性の低下に伴い、固定資産の減損に係る会計基準および適用指針を適用し減損処理を行った場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)株価の下落について

当社グループは、中長期的な経済合理性や取引先との総合的な関係の維持・強化の観点から、事業の円滑な推進を図るため必要と判断する日本企業の株式を保有しております。保有の意義が薄れたと考えられる株式については、できる限り速やかに処分・縮減をしていく方針でありますが、これらの株式が日本経済の停滞等によって急激に下落し、保有株式の評価損が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)金利の上昇について

当社グループは、主に金融機関からの借入により資金を調達しております。キャッシュ・フローの改善や収益性の向上に取り組み、有利子負債の圧縮に努めておりますが、今後金利が大幅に上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(15)新リース会計基準の適用について

当社グループは、アセット事業において一定規模の物流不動産をオペレーティングリース取引により賃借し、事業を展開しております。新リース会計基準の適用により使用権資産およびリース負債が著しく増加した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)情報セキュリティについて

当社グループは、事業運営において顧客情報や取引情報、機密情報などの重要な情報を取り扱っております。これらの情報を保護するため、情報セキュリティ対策を講じ、システムの強化や従業員への教育を実施しております。しかしながら、サイバー攻撃や不正アクセス、情報漏洩、システム障害などの予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの事業運営に支障をきたす可能性があります。また、これにより顧客や取引先からの信頼が損なわれ、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)環境・気候変動について

当社グループは、物流業界に属しており、事業運営において環境規制や気候変動に関連するリスクに直面する恐れがあります。特に、温室効果ガス排出削減に関する規制の強化や、異常気象の頻発による物流網の混乱、施設の損壊などが発生した場合には、環境対応車両の導入やエネルギー効率の向上に向けた投資が必要となるリスクが考えられます。また、環境対応が不十分であると認識された場合、社会的信用の低下や取引先からの評価に影響を及ぼす懸念があります。これらの要因により、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する安定した配当の継続を経営の最重要課題の一つとして位置付けており、業績の進展状況や配当性向等を勘案し、利益配分に積極的に取り組んでいく方針であり、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

上記方針に基づき、当事業年度の中間配当ならびに期末配当につきましては、1株当たり40.0円の配当を実施いたしました。

これらの剰余金の配当の決定機関は、取締役会であります。

内部留保につきましては、今後の事業展開などの投資等に充てることにより、業績の向上に努め、財務体質の強化を図ってまいります。

当社は、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める。」旨定款に定めております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2024年11月14日

54,171

40.0

取締役会決議

2025年5月27日

54,169

40.0

取締役会決議