人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数6,429名(単体) 14,677名(連結)
-
平均年齢41.3歳(単体)
-
平均勤続年数14.2年(単体)
-
平均年収5,165,775円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
運輸サービスグループ |
6,401 |
(74) |
不動産・ホテルグループ |
2,091 |
(492) |
流通・外食グループ |
1,356 |
(3,371) |
建設グループ |
2,854 |
(19) |
ビジネスサービスグループ |
1,975 |
(642) |
合計 |
14,677 |
(4,598) |
(注)1 従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者及び嘱託社員(常勤)を含む。当社グループ内での出向については、出向先企業に係るセグメントに含む。)であり、臨時従業員数は、( )内に外書きで記載しております。
2 「流通・外食グループ」における従業員数は、前連結会計年度から416名増加しておりますが、主として店舗従業員の増加や株式会社フジバンビの連結子会社化によるものです。また、「ビジネスサービスグループ」における従業員数は、前連結会計年度から491名減少しておりますが、主として駅の直営化により、駅受託業務が減少したことによるものです。
(2)提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
6,429 |
41.3 |
14.2 |
5,165,775 |
|
2024年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
運輸サービスグループ |
6,161 |
不動産・ホテルグループ |
254 |
流通・外食グループ |
- |
建設グループ |
- |
ビジネスサービスグループ |
14 |
合計 |
6,429 |
(注)1 従業員数は、当社から他社(グループ会社を含む。以下「(2)提出会社の状況」において同じ。)への出向者及び契約社員を除き、他社から当社への出向者及び嘱託社員(常勤)を含む就業人員数であります。
2 臨時従業員数については、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
3 平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、従業員から、他社から当社への出向者を除いたものについての数値であります。
4 平均勤続年数は日本国有鉄道における勤続年数を通算しております。
5 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
6 「ビジネスサービスグループ」における従業員数は、前事業年度に比べて34名減少しておりますが、主として損害保険代理店業を会社分割したことによるものです。
(3)労働組合の状況
当社には、現在、以下の3つの労働組合があります。
2024年3月31日現在 |
労働組合名 |
組合員数(人) |
上部団体 |
九州旅客鉄道労働組合 (JR九州労組) |
5,358 |
日本鉄道労働組合連合会 (JR連合) |
ジェイアール九州ユニオン (JR九州ユニオン) |
188 |
- |
国鉄労働組合九州本部 (国労九州本部) |
104 |
国鉄労働組合 (国労) |
(注) 括弧書は略称であります。
当社は、九州旅客鉄道労働組合、ジェイアール九州ユニオン及び国鉄労働組合九州本部との間において労働協約を締結し、これに基づいて経営協議会、団体交渉等を行い、健全で安定した労使関係の維持、発展に努めております。
なお、子会社の労働組合の状況については、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
管理職に占める 女性労働者の割合 (%) |
男性労働者の 育児休業等取得率 (%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) |
||||
全労働者 |
正規労働者 |
|
非正規労働者 |
|||
社員 |
地域社員 |
|||||
6.4 |
132.4 |
76.2 |
67.7 |
80.1 |
125.9 |
72.7 |
(注)1 管理職に占める女性労働者の割合については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき算出したものです。
2 管理職に占める女性労働者の割合は、2024年4月1日現在の数値です。
また、出向者を出向元の労働者として集計しております。
3 男性労働者の育児休業等取得率については、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等の取得割合(育児休業+育児目的休暇を取得した男性労働者の数/配偶者が出産した男性労働者の数×100)を算出したものです。
4 労働者の男女の賃金の差異については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合(その雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合)を示しております。他社から当社への出向者及び派遣社員については、対象外としています。また、当連結会計年度に、休職実績がある者は対象外としています。なお、退職手当については、賃金に含めておりません。
(補足説明)
当社の男女の賃金の差異について、次の通り補足します。
ア 正規労働者について
当社の正規労働者は、「社員」と「地域社員」で構成されており、「地域社員」は職務と勤務エリアが限定された正規労働者であり、「社員」はそれらに限定のない正規労働者です。
イ 正規労働者の賃金の差異の主な要因について
当社では、「社員」と「地域社員」のそれぞれの役割の違いから、「社員」は「地域社員」よりも給与を高く設定しておりますが、「地域社員」は約97%が女性で構成されており、結果的に正規労働者全体の男女の賃金の差異に影響しております。なお、より広い分野で活躍を希望する「地域社員」に対しては、2024年10月に職務と勤務エリアを限定されない「社員」への転換を実施いたします。
ウ 正規労働者のうち、「社員」の賃金の差異について
「社員」における男女の賃金の差異は、労働者の年齢構成によるものであり、職種及び等級が同一である者の賃金は、人事考課による調整前においては男女とも同一です。なお、平均年齢では男性の方が女性よりも約4.6歳高くなっております。
エ 非正規労働者の賃金の差異の主な要因について
非正規労働者は、「嘱託再雇用社員」「期間契約社員」等で構成されています。「嘱託再雇用社員」は、当社を定年退職した後、再雇用された社員であり、駅での案内業務等、時給制で働く「期間契約社員」よりも給与を高く設定しております。なお、対象期間において「嘱託再雇用社員」には男性しかいなかったため、結果的に男女の賃金の差異に影響しております。
②連結子会社 |
セグメント |
会社名 |
管理職に 占める 女性 労働者 の割合 (%) |
男性 労働者 の 育児 休業等 取得率 (%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) |
||
全 労 働 者 |
正 規 労 働 者 |
非 正 規 労 働 者 |
||||
運輸サービス |
JR九州バス㈱ |
0.0 |
100.0 |
75.8 |
82.9 |
58.1 |
不動産・ホテル |
㈱JR博多シティ |
10.5 |
- |
78.3 |
80.6 |
68.3 |
㈱JR大分シティ |
0.0 |
100.0 |
69.2 |
84.7 |
79.2 |
|
JR九州ビルマネジメント㈱ |
4.2 |
100.0 |
67.7 |
75.5 |
111.8 |
|
JR九州レンタカー&パーキング㈱ |
8.3 |
100.0 |
125.3 |
94.0 |
88.4 |
|
JR九州シニアライフサポート㈱ |
50.0 |
- |
73.2 |
81.5 |
68.5 |
|
JR九州ホテルズ㈱ |
15.6 |
50.0 |
66.4 |
75.5 |
104.4 |
|
JR九州ハウステンボスホテル㈱ |
5.7 |
60.0 |
69.3 |
77.1 |
78.6 |
|
JR九州ステーションホテル小倉㈱ |
6.3 |
- |
65.9 |
77.8 |
82.4 |
|
㈱おおやま夢工房 |
0.0 |
100.0 |
76.2 |
77.9 |
88.7 |
|
JR九州ホテルマネジメント㈱ |
7.1 |
- |
53.8 |
79.4 |
- |
|
流通・外食 |
JR九州リテール㈱ |
12.9 |
10.0 |
70.4 |
67.7 |
100.5 |
JR九州ファーストフーズ㈱ |
36.4 |
100.0 |
82.2 |
83.9 |
108.5 |
|
JR九州フードサービス㈱ |
11.8 |
50.0 |
80.6 |
81.6 |
94.0 |
|
JR九州ファーム㈱ |
0.0 |
50.0 |
87.5 |
102.1 |
97.2 |
|
㈱萬坊 |
33.3 |
- |
78.2 |
86.1 |
93.7 |
|
㈱ヌルボン |
0.0 |
- |
87.4 |
81.5 |
98.2 |
|
㈱フジバンビ |
12.5 |
0.0 |
63.8 |
71.2 |
72.7 |
|
建設 |
九鉄工業㈱ |
2.1 |
83.3 |
76.0 |
68.9 |
68.3 |
JR九州エンジニアリング㈱ |
0.0 |
140.0 |
93.7 |
93.0 |
- |
|
三軌建設㈱ |
0.0 |
71.4 |
65.4 |
69.7 |
67.9 |
|
JR九州電気システム㈱ |
2.5 |
83.3 |
74.1 |
72.2 |
- |
|
JR九州コンサルタンツ㈱ |
0.0 |
0.0 |
88.4 |
81.1 |
- |
|
ビジネスサービス |
キャタピラー九州㈱ |
4.5 |
100.0 |
63.1 |
86.5 |
58.6 |
JR九州商事㈱ |
0.0 |
100.0 |
99.4 |
93.9 |
77.9 |
|
JR九州サービスサポート㈱ |
5.0 |
28.6 |
76.6 |
90.8 |
91.5 |
|
JR九州システムソリューションズ㈱ |
0.0 |
100.0 |
67.6 |
77.3 |
55.9 |
|
JR九州リネン㈱ |
11.1 |
- |
57.1 |
53.0 |
56.6 |
|
JR九州ライフサービス㈱ |
0.0 |
- |
108.4 |
106.9 |
102.8 |
(注)1 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)又は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)に基づく公表の有無にかかわらず、労働者数が、101名以上の連結会社(海外子会社及び持分法適用会社を除く)について公表しております。
2 管理職に占める女性労働者の割合については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき算出したものです。
3 管理職に占める女性労働者の割合は、2024年4月1日現在の数値です。
また、出向者を出向元の労働者として集計しております。
4 男性労働者の育児休業等取得率については、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等の取得割合(育児休業+育児目的休暇を取得した男性労働者の数/配偶者が出産した男性労働者の数×100)を算出したものです。
5 男性労働者の育児休業等取得率における「-」は、男性労働者の育児休業等取得の対象となる労働者(当連結会計年度に配偶者が出産した労働者)がいないことを示しております。
6 労働者の男女の賃金の差異については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合(その雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合)を示しております。他社から当社への出向者及び派遣社員については、対象外としています。また、当連結会計年度に、休職実績がある者は対象外としています。なお、退職手当については、賃金に含めておりません。
7 労働者の男女の賃金の差異については、労働者の勤続年数および雇用形態別の人数構成の差等によるものであり、職種及び等級が同一である者の賃金は、人事考課による調整前においては男女とも同一です。また、「-」は、男女のいずれかで対象となる労働者がいないため、賃金の差異を算出することが出来ないことを示しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)ESG経営の推進
ESG経営を強化・推進していくための審議機関として、社長執行役員を委員長とする「ESG戦略委員会」を設置しています。「ESG戦略委員会」は、ESG経営を全社的な課題と位置づけ、環境・社会・ガバナンスの各分野における取り組みを強化・推進するための審議機関です。委員会では非財務情報の進捗やESG分野の動向や課題について審議した事項は、必要に応じて取締役会へ報告するなどリスク管理を含めた管理体制としております。また、ESG経営をさらに推進していくために、ESGに関する知見を有する社外取締役も「ESG戦略委員会」にオブザーバーとして適宜参加しています。
当社グループの「あるべき姿」には、私たちが、九州の元気をつくっていく、さらに、九州から日本、そしてアジアを舞台に元気をつくっていくという思いが込められています。当社グループは、「あるべき姿」のもと、長期的かつ持続的な価値を追求することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。当社グループには、「おこない」ということばがあります。「誠実」、「成長と進化」、「地域を元気に」の3つの「おこない」は、「あるべき姿」の実現のため、従業員が守るべき指針であり、従業員一人ひとりが大切にしてきたものです。当社グループは、昔から変わらない「おこない」を通して、マテリアリティの解決に向けて取り組みを行っていきます。
マテリアリティと非財務KPI
(2)気候変動
2021年2月、当社は金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同を表明しています。今後もTCFD提言に基づく「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つの視点について、相互のつながりを意識し、気候変動関連リスク及び機会への対応を経営に統合して取り組みを推進することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
①ガバナンス
当社グループはマテリアリティの一つとして「脱炭素社会の実現」を掲げています。「ESG戦略委員会」で気候変動をはじめとする環境問題への対応について、基本理念・基本方針に則った事業活動が推進されているかを確認し、気候変動問題解決に向けた自主的目標の設定及び進捗の確認、気候変動に伴うリスクマネジメント等を実施しています。「ESG戦略委員会」で審議された重要な事項について、取締役会は必要に応じて報告を受け、指示を出す管理体制としています。今後も、気候変動関連の取り組みや開示の方向性、各種目標設定、環境マネジメント体制等、取締役会内にて議論を進め、脱炭素社会の実現に向けてESG経営を推進していきます。
②戦略
当社グループの事業特性などを鑑み、気候変動によるリスクや機会を特定しています。主なリスクとして、炭素税の引き上げ、グリーンビルディング開発・改修、気温の上昇による光熱費増加、ならびに、気候変動を原因とする自然災害の増加による事業活動の停止や資産の被害が見込まれます。機会については、鉄道の環境優位性の維持による売り上げの増加やグリーンビルディングへの需要の高まり、サステナブル商品への関心の高まりによる需要の拡大などが見込まれます。これらのリスク・機会を踏まえ、「JR九州グループ中期経営計画2022-2024」(2022年3月公表)において、脱炭素社会の実現に向けたロードマップを策定しています。エネルギー使用量の削減や再生可能エネルギーの導入・活用に加え、バイオディーゼル燃料の導入等に向けた新技術の実証試験、不動産アセットにおけるグリーンビルディング認証の取得といった緩和策の積極的な実施とともに、各施設における電気機器室の嵩上げや止水板の設置等の降雨対策、BCP対策の充実、などの適応策も実施していきます。
③リスク管理
気候変動関連のリスクに関しては、社長執行役員を委員長とする「ESG戦略委員会」において、当社グループの事業が受けるリスクを識別・評価するため、TCFD対応の一環として気候変動に関するリスクと機会を分析しています。また、本リスクの管理体制として、同じく「ESG戦略委員会」において、CO2排出量を削減していくための施策の計画・立案、進捗を中心に管理しています。気候変動関連リスクの識別・評価、管理状況については「ESG戦略委員会」の中で毎年1回以上報告するとともに、必要に応じて取締役会にも報告します。
④指標と目標
当社グループでは2050年CO2排出量実質ゼロを目指すことを表明しています。また、「脱炭素社会の実現」をマテリアリティとしており、「JR九州グループ中期経営計画2022-2024」では2030年中間目標を含めた非財務KPIを設定し、CO2排出量削減の取り組みを推進しています。今後も、当社グループ全体で脱炭素社会の実現に向けてESG経営の強化を進めていきます。「脱炭素社会の実現」に関する非財務KPI及び進捗状況については、「(1)ESG経営の推進」をご参照下さい。なお、2024年3月期の実績については2024年度中に発行する統合報告書等にて別途公表します。
(3)人的資本について
■基本的な考え方
「2030年長期ビジョン」を実現していくためには、戦略の実行・実現を担う人づくりが重要であるとの認識のもと、マテリアリティの一つに「価値創造の源泉である人づくり」を掲げています。2023年3月に新たに策定した「JR九州の人材戦略」を確実に推進し、PDCAサイクルを回しながら有効性を高め、あるべき姿の実現につなげます。
「JR九州の人材戦略」については、以下のとおりです。
① ガバナンス
2023年4月に、ガバナンス強化の観点から、継続して人材戦略を審議する機関として、社長執行役員を委員長とする「人材戦略委員会」を設置しました。
2023年度は、人材戦略委員会を11回開催し、人材に関する各種計画の策定や取り組みの進捗確認など、延べ34の議題を付議し、議論しました。
そのうち、従業員意識調査の結果及び課題、その課題の打ち手となるタレントマネジメントシステムの導入や経営人材の選抜・育成等を含めた今後の人材戦略の重点取り組みについては、取締役会にて報告、審議しました。
② 戦略
人材戦略として策定した4つの柱に基づいて、具体的な取り組みを計画して人材戦略委員会にて練り上げ(P)、実施しました(D)。その後、従業員意識調査の結果や人材に関するKPIの進捗を確認し、人材戦略委員会にて、その取り組みの結果を検証し(C)、課題を抽出、次の手を打ちました(A)。こうして、社員が働きがいを持ち、いきいきと活躍できる会社をつくり、人間力と実務力を持った社員の育成を図ります。
≪4つの柱に基づいた具体的な取り組み≫
a 意欲と能力のある社員への挑戦・成長の機会の提供と支援
2023年9月より、一般の社員約5,000名を対象に、新たにキャリアデザイン研修を開講しました。事業の社会的意義等を改めて考え、理解し、自らの業務の意義や価値を明確にするとともに、将来のキャリアビジョンを描くことで働きがいを向上させることを目的としています。本研修の講師は公募制異動により選出された社内トレーナーが担当しています。2023年度は882名が受講し、2024年度中に全対象者が完了する予定です。
また、新入社員研修、管理者研修、経営幹部育成研修など、各階層においてそれぞれの成長ステージに合わせた階層別研修も実施しています。階層別研修を通じて、社員はコミュニケーションスキル・マネジメント手法等について学びます。
さらに、一人ひとりが自ら目標を持って学び続けられるように、グロービス単科派遣、海外留学・大学院・大学への派遣等、様々な社外派遣制度のプログラムを設定しています。2023年度より派遣対象の階層や派遣社員数を拡大するなど、多くの社員がスキルアップを図れるように取り組んでいます。なお、1年を通じて学ぶことに意欲的に取り組んだ社員を表彰する「学び大賞」を毎年実施しています。
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キャリアデザイン研修 |
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「学び大賞」の受賞 |
b 多様な価値観や能力を持つ社員の活躍による新たな価値の創造
多様な価値観や能力を活かす環境をつくるため、JR九州にとってのDE&Iの考え方をまとめ、2024年度以降の取り組みを決定しました。当社で働く社員が互いを認め合い学び合うという社員の意識改革を推進するとともに誰もが活躍できる公平な機会を提供することに注力しています。誰もが働きがいを持ちいきいきと活躍し、風通しの良い組織で活発な意見が飛び交う状態とすることで、社員も会社も成長しあるべき姿を実現します。
また、多様な人材の確保のひとつとして、社会人の採用・活躍に向けた取り組みを実施しました。2023年度から本格的に社会人の採用を開始し、1年間で82名の社会人が入社しました。2023年10月には、リターン雇用制度をリニューアルし、対象者を拡大した「ハッピーターン採用」を開始しました。一度退職したものの再び当社で力を発揮したいと考える方に対し、採用の窓口を設けたもので、2024年4月に10名が入社しました。入社時研修やメンター制度、職場や主管部との定期的な面談、人事部長等との意見交換会等、フォロー体制を構築し、定着そして活躍を支援しています。
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2023年10月入社の社会人採用者 |
c 努力と成果に応じたメリハリのある評価と報酬
2024年度から毎年度初に評価者が実施するフィードバック面談について、被評価者に対して特に良かった点や今後の最優先課題と共に評価内容や理由を伝えるよう見直しを行います。昇給や賞与の通知を行う際にも、社員に理由を伝え、評価と報酬に納得感を持たせ、働きがいの向上を図ります。
フィードバック面談の実施方法の見直しに併せて2023年8月より評価者を対象とする研修を開講しました。マネジメントにおける人事評価の重要性や人事評価の前提となる心理的安全性、そして目標設定のポイントと目標達成に向けた部下との接し方等、マネジメント能力の向上を目的に導入しました。マネジメント能力の継続的な向上を図るために、定期的に本研修を受講することとしており、2023年度は1,322名が受講しています。
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評価者(コミュニケーション)研修 |
d ライフプランに合わせた柔軟な働き方が選択できる環境整備と健康経営の推進
育児や介護等のライフステージに合わせて就業するエリアを限定できる制度を新設しました(社員が希望し、会社が認めた場合に限る)。就業するエリアは福岡・佐賀エリア、長崎エリア、大分エリア、熊本エリア、鹿児島エリア、宮崎エリア、東京エリア(※東京エリアは2024年10月より追加)の中から選択することが可能です。
また、当社グループは「JR九州グループ健康宣言」のもと、当社グループ全体で健康経営の推進に取り組んでいます。「あなたの健康は、みんなの幸せ」をスローガンに掲げ、社員一人ひとりがより積極的に健康増進のための具体的行動を起こすことを目指しています。2023年度は、社内の健康経営推進体制を整備し、重点項目を定め、その箇所別実績を経営会議等で報告するなど、会社全体で健康経営を推進していく体制を構築しました。
さらに、特定保健指導については、面談時間を労働時間にしたほか、特に実施率が低い箇所にはヒアリングを行い、課題を明らかにすることで対象者が指導を受けやすい環境づくりを行いました。2024年3月には、当社の健康経営の取り組みが評価され、「健康経営優良法人」の認定を受けました。
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健康経営推進体制 |
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「健康経営優良法人」に認定 |
③ リスク管理
社長執行役員を委員長とする人材戦略委員会において、人材に関する各種計画策定とKPIの進捗確認を実施しています。人材戦略の具体的な取り組みを計画するにあたっては、KPIのほか、全社員を対象に定期的に実施している従業員意識調査の結果を重要視しています。2023年度は前年と比べ総合満足度は上昇し過去最高値を記録しましたが、以前より課題としていた「従業員にとっての魅力」や「市場での発展」、「会社へのロイヤリティ」の項目は他の項目に比べて低い数値で留まっています。この結果を踏まえ、2024年度は、2022年度から実施している経営陣と全社員を対象とした意見交換会の継続した開催や管理者に対する組織活性化に関する研修の導入、タレントマネジメントシステムによる人材発掘の推進等の施策を実施することにしました。このほか、会社を取り巻く環境の変化や各種施策の浸透度、進捗状況等に応じて具体的な施策を見直すなど、柔軟に対応することで人材戦略の実効性を高めています。人材戦略委員会に付議した内容は必要に応じて取締役会にも報告しています。
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従業員意識調査の結果(2022年度、2023年度) |
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総合満足度の推移 |
④ 指標と目標
当社グループでは、2030年長期ビジョンの実現に向け、非財務KPIを設定しています。「価値創造の源泉である人づくり」に関する非財務KPI及び進捗状況については、「(1)ESG経営の推進」をご参照下さい。