2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    6,483名(単体) 15,365名(連結)
  • 平均年齢
    42.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.4年(単体)
  • 平均年収
    6,399,403円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    9.1%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

人的資本を拡充することが経営理念の実現に繋がるという認識のもと、「わたしたちの夢を実現するためのJR九州の人材戦略」を制定しております。また、中期経営計画(2025-2027)において、「価値創造の源泉である人づくり」をマテリアリティの一つとして掲げており、各種戦略に連動した人材戦略を推進することで、事業の持続可能な成長と生産性向上を図ります。また、社員の誰もがやりがいを持ち、いきいきと活躍できる環境を整え、人間力と実務力を持つ社員の育成を図ることが、経営理念で掲げる「九州の元気を、世界へ」という私たちの夢の実現につながると考えています。
 社員一人ひとりが創意工夫のうえで創出した収益等については、賃金の引上げを含め、処遇改善や教育訓練等を中心とする人への投資を積極的に行い、労働条件の改善、社員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するような取り組みにつなげてまいります。

 

(2)【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸サービスグループ

6,355

(59)

不動産・ホテルグループ

2,193

(405)

流通・外食グループ

1,426

(3,776)

建設グループ

3,023

(47)

ビジネスサービスグループ

2,368

(613)

合計

15,365

(4,900)

(注)従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者及び嘱託社員(常勤)を含む。当社グループ内での出向については、出向先企業に係るセグメントに含む。)であり、臨時従業員数は、( )内に外書きで記載しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

6,483

42.5

13.4

6,399,403

9.1

 

(参考情報)提出会社の正社員の状況

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

5,621

38.4

14.8

6,794,513

8.5

 

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

運輸サービスグループ

6,194

不動産・ホテルグループ

272

流通・外食グループ

0

建設グループ

0

ビジネスサービスグループ

17

合計

6,483

(注)1 従業員数は、当社から他社(グループ会社を含む。以下「(2)提出会社の状況」において同じ。)への出向者及び契約社員を除き、他社から当社への出向者及び嘱託社員(常勤)を含む就業人員数であります。

2 臨時従業員数については、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

3 平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、従業員から、他社から当社への出向者を除いたものについての数値であります。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。また、当社は様々な人事制度を導入しており制度に応じた給与体系が異なることから、当社の従業員の中心である正社員の平均年間給与等を参考情報として記載しております。

 

(補足説明)

   当社では、職務と勤務エリアが限定された正規労働者(以下「地域社員」という)を雇用しています。 より広い分野で活躍を希望する地域社員に対しては、2024年10月に職務と勤務エリアを限定しない「社員」 へ雇用契約を変更しました。

   なお、雇用契約を変更した社員については、勤続年数の起算日を2024年10月としています。

 

(3)労働組合の状況

当社には、現在、以下の3つの労働組合があります。

2026年3月31日現在

 

労働組合名

組合員数(人)

上部団体

九州旅客鉄道労働組合

(JR九州労組)

6,321

日本鉄道労働組合連合会

(JR連合)

ジェイアール九州ユニオン

(JR九州ユニオン)

158

国鉄労働組合九州本部

(国労九州本部)

88

国鉄労働組合

(国労)

(注) 括弧書は略称であります。

 

当社は、九州旅客鉄道労働組合、ジェイアール九州ユニオン及び国鉄労働組合九州本部との間において労働協約を締結し、これに基づいて経営協議会、団体交渉等を行い、健全で安定した労使関係の維持、発展に努めております。

なお、子会社の労働組合の状況については、特記すべき事項はありません。

 

 

(4)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 ①提出会社

 

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

(%)

男性労働者の

育児休業等取得率

(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

全労働者

正規労働者

 

非正規労働者

社員

地域社員

6.4

148.7

79.4

72.5

72.5

107.9

84.8

(注)1 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき算出したものです。

2 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は、2026年4月1日現在の数値です。

  また、出向者を出向元の労働者として集計しております。

3 男性労働者の育児休業等取得率については、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合(育児休業+育児目的休暇を取得した男性労働者の数/配偶者が出産した男性労働者の数×100)を算出したものです。

4 労働者の男女の賃金の額の差異については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合(その雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合)を示しております。他社から当社への出向者及び派遣社員については、対象外としています。また、当連結会計年度に、休職実績がある者は対象外としています。なお、退職手当については、賃金に含めておりません。

 

(補足説明)

 当社の男女の賃金の額の差異について、次のとおり補足します。

 ア 正規労働者について

   当社の正規労働者は、「社員」と「地域社員」で構成されており、「地域社員」は職務と勤務エリアが限定された正規労働者であり、「社員」はそれらに限定のない正規労働者です。

 イ 正規労働者の賃金の額の差異の主な要因について

   当社では、「社員」と「地域社員」のそれぞれの役割が異なることから、「社員」は「地域社員」より給与水準を高く設定しています。

   このうち「地域社員」は、従来、構成比の約97%が女性で占められていましたが、2024年10月に、希望者を対象に「社員」への転換を実施しました(619名)。転換後の賃金は転換前の賃金を基に決定しているため、賃金水準に差が生じることとなり、結果として正規労働者全体の男女の賃金の額の差異に影響しております。

 ウ 正規労働者のうち、「社員」の賃金の額の差異について

   「社員」における男女の賃金の額の差異は、労働者の年齢構成によるものであり、職種及び等級が同一である者の賃金は、人事考課による調整前においては男女とも同一です。なお、平均年齢では男性の方が女性よりも約2.5歳高くなっております。

 エ 非正規労働者の賃金の額の差異の主な要因について

   非正規労働者は、「嘱託再雇用社員」「期間契約社員」等で構成されています。「嘱託再雇用社員」は、当社を定年退職した後、再雇用された社員であり、駅での案内業務等、時給制で働く「期間契約社員」よりも給与を高く設定しております。なお、対象期間において「嘱託再雇用社員」の多くが男性であったため、結果的に男女の賃金の額の差異に影響しております。

 

 

②連結子会社

 

セグメント

会社名

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

(%)

男性

労働者

育児

休業等

取得率

(%)

労働者の男女の賃金の額の

差異(%)

運輸サービス

JR九州バス㈱

0.0

100.0

80.7

82.1

77.9

不動産・ホテル

㈱JR博多シティ

33.3

100.0

88.0

81.9

66.1

JR九州ビルマネジメント㈱

4.0

50.0

76.7

75.6

118.5

JR九州レンタカー&パーキング㈱

12.5

100.0

104.4

90.7

83.3

JR九州シニアライフサポート㈱

36.4

-

80.8

82.6

105.2

JR九州ホテルズアンドリゾーツ㈱

12.0

84.6

67.4

78.5

77.5

㈱おおやま夢工房

0.0

100.0

83.6

82.4

103.4

流通・外食

JR九州リテール㈱

15.8

75.0

69.7

81.5

99.4

JR九州ファーストフーズ㈱

46.2

100.0

89.7

94.0

107.3

JR九州フードサービス㈱

7.7

100.0

62.5

80.8

94.6

JR九州ファーム㈱

0.0

-

93.0

89.1

104.9

㈱萬坊

0.0

-

79.5

86.2

79.3

㈱ヌルボン

0.0

100.0

86.1

82.5

92.1

㈱フジバンビ

13.3

-

68.4

72.8

80.2

建設

九鉄工業㈱

2.4

54.5

73.1

66.9

41.7

JR九州エンジニアリング㈱

0.0

65.7

87.8

88.1

111.0

三軌建設㈱

0.0

75.0

62.0

75.2

61.4

JR九州電気システム㈱

2.4

66.7

72.8

71.7

45.8

JR九州コンサルタンツ㈱

0.0

75.0

84.0

80.5

65.0

 

 

ビジネスサービス

キャタピラー九州㈱

3.9

100.0

62.2

65.9

59.5

JR九州商事㈱

0.0

100.0

98.8

88.7

-

JR九州サービスサポート㈱

6.0

0.0

69.1

87.8

85.1

JR九州システムソリューションズ㈱

0.0

100.0

75.1

80.4

62.4

 

JR九州ライフサービス㈱

0.0

-

98.0

-

90.7

(注)1 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)又は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)に基づく公表の有無にかかわらず、労働者数が、101名以上の連結会社(海外子会社及び持分法適用会社を除く)について公表しております。

2 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき算出したものです。

3 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は、2026年4月1日現在の数値です。

  また、出向者を出向元の労働者として集計しております。

4 男性労働者の育児休業等取得率については、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合(育児休業+育児目的休暇を取得した男性労働者の数/配偶者が出産した男性労働者の数×100)を算出したものです。

5 男性労働者の育児休業等取得率における「-」は、男性労働者の育児休業等取得の対象となる労働者(当連結会計年度に配偶者が出産した労働者)がいないことを示しております。

6 労働者の男女の賃金の額の差異については、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)に基づき、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合(その雇用する男性労働者の賃金の平均(平均年間賃金=賃金総額÷人員数)に対するその雇用する女性労働者の賃金の平均の割合)を示しております。他社から当社への出向者及び派遣社員については、対象外としています。また、当連結会計年度に、休職実績がある者は対象外としています。なお、退職手当については、賃金に含めておりません。

7 労働者の男女の賃金の額の差異については、労働者の勤続年数及び雇用形態別の人数構成の差等によるものであり、職種及び等級が同一である者の賃金は、人事考課による調整前においては男女とも同一です。また、「-」は、男女のいずれかで対象となる労働者がいないため、賃金の額の差異を算出することが出来ないことを示しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)持続的な価値創造に向けたESG経営の推進

 未来に向けた価値を提供し続け、社会に貢献する企業グループであるために、日々の使命と、その先に実現したい未来像を掲げた経営理念を「わたしたちの夢」「使命」「おこない」として定めています。「わたしたちの夢」は九州の元気を世界へ届けることであり、この夢の実現のためには持続的な価値提供が不可欠です。この持続的な価値提供のために、常に考えるべきこととしてマテリアリティを設定しています。そして、このマテリアリティに真摯に取り組んで行くことこそが、環境・社会・ガバナンスの観点から企業の持続可能性を高める「ESG経営」であり、この非財務活動がわたしたちの経営基盤を強固に支え、持続的な財務価値の創出につながっていくものと考えています。

 ESG経営を強化・推進していくための審議機関として、社長執行役員を委員長とする「ESG戦略委員会」を設置しています。「ESG戦略委員会」は、ESG経営を全社的な課題と位置づけ、環境・社会・ガバナンスの各分野における取り組みを強化・推進するための審議機関です。非財務活動の進捗やESG分野の動向、課題といった委員会で審議した事項は、必要に応じて取締役会へ報告するなどリスク管理を含めた管理体制としております。また、ESG経営をさらに推進していくために、ESGに関する知見を有する社外取締役も同委員会にオブザーバーとして適宜参加しています。

 

 

 

 

 

JR九州グループ中期経営計画 2025-2027[マテリアリティと非財務KPI]

※1 鉄道事業における接遇、設備、ダイヤ等に関わるアンケート調査の総合スコア

※2 従業員意識調査結果(総合満足度)以外は単体指標

※3 退職しなければ勤続15年に達した者を含む

※4 当社独自の指標で、従業員意識調査における関連する項目の平均スコア

※5 売上高原単位:水使用量/売上(千㎥/億円)

 

 

(2)気候変動及び自然

 2021年2月、当社は金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、さらに2025年11月には自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言への賛同を表明しました。今後も両提言に基づく「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つの視点について、相互のつながりを意識し、気候変動及び自然関連リスク・機会への対応を経営に統合して推進することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

 ①ガバナンス

 当社グループは「JR九州グループ環境ビジョン2050」において、環境に関わるマテリアリティとして「環境と調和した事業展開」を掲げており、「ESG戦略委員会」では気候変動及び自然課題への対応が「JR九州グループ環境ビジョン2050」に則り推進されているかを確認しています。「ESG戦略委員会」においては、気候変動等の環境課題解決に向けた自主的目標の設定、進捗の確認及びリスクマネジメント等を実施しています。「ESG戦略委員会」で審議された重要な事項について、取締役会は必要に応じて報告を受け、指示を出す管理体制としています。今後も、気候変動及び自然関連の取り組みや開示の方向性、各種目標設定、環境マネジメント体制等、取締役会内にて議論を進め、環境と調和した事業展開に向けてESG経営を推進していきます。

 

 ②戦略

 当社グループの事業特性等を鑑み、気候変動及び自然に関するリスクと機会を特定しています。

≪リスクと機会の特定≫

a 気候変動関連

 主なリスクとしては、炭素税の引き上げ、グリーンビルディング開発・改修、気温の上昇による光熱費増加、及び気候変動を原因とする自然災害の増加による事業活動の停止や資産の被害が見込まれます。

主な機会としては、鉄道の環境優位性の維持による売り上げの増加やグリーンビルディングへの需要の高まり、及びサステナブル商品への関心の高まりによる需要の拡大が見込まれます。

※ 詳細はウェブサイト(https://www.jrkyushu.co.jp/company/esg/pdf/tcfd_report.pdf)参照

b 自然関連

 主なリスクとしては、地形の改変に伴う水害リスクの増大、老朽トンネルからの湧水や落盤、線路沿いの環境の変化による法面崩壊、及び地盤沈下が見込まれます。

主な機会としては、自然観光資源との連携、自治体やパートナー企業との共同事業、設備に関する長寿命化技術の開発が見込まれます。

※ 詳細はウェブサイト(https://www.jrkyushu.co.jp/company/esg/pdf/tnfd_report.pdf)参照

 

これらのリスク・機会を踏まえ、「JR九州グループ環境ビジョン2050」において、脱炭素社会、循環型社会、及び自然共生社会の実現に向けたロードマップを策定しています。エネルギー使用量の削減や再生可能エネルギーの導入・活用、水使用量の削減、生態系保全活動の取り組み等、環境課題に対する統合的なアプローチを推進していきます。

 

 ③リスク管理

 気候変動及び自然関連のリスクに関しては、社長執行役員を委員長とする「ESG戦略委員会」において、当社グループの事業が受けるリスクを識別・評価するため、TCFD及びTNFD対応の一環として気候変動及び自然に関するリスクと機会を分析しています。また、本リスクの管理体制として、同じく「ESG戦略委員会」において、GHG排出量や水使用量の削減等を推進していくための施策の計画・立案、進捗を中心に管理しています。気候変動及び自然関連リスクの識別・評価、管理状況については「ESG戦略委員会」の中で毎年1回以上報告するとともに、必要に応じて取締役会にも報告します。

 

 ④指標と目標

 当社グループは、2050年GHG排出量実質ゼロ、水使用量の毎年度削減、及び廃棄物別のリサイクル率を目標として設定しています。また、「JR九州グループ環境ビジョン2050」で策定したロードマップについて、「JR九州グループ中期経営計画2025-2027」で非財務KPIとして設定し、経営戦略に反映することにより、GHG排出量の削減や効率的な水資源の使用等の取り組みを推進しています。今後も、当社グループ全体で環境と調和した事業展開の実現に向けてESG経営の強化を進めていきます。なお、2026年3月期の実績については2026年度中に発行する統合報告書等にて別途公表します。

 

(3)人的資本

  ≪基本的な考え方≫

   2025年3月より“わたしたちの夢”、“使命”、“おこない”と定め、人的資本を拡充することが経営理念の実現に繋がるという認識のもと、人材戦略を「わたしたちの夢を実現するためのJR九州の人材戦略」を制定しております。また、中期経営計画(2025-2027)において、「価値創造の源泉である人づくり」をマテリアリティの一つとして掲げており、人づくりはこれまでも、そしてこれからも当社グループの企業価値を向上させるためには非常に重要な取り組みであると考えています。

   「わたしたちの夢を実現するためのJR九州の人材戦略」については、以下のとおりです。

 

 

 

 ① ガバナンス

 人的資本経営を推進するために、2023年4月に設置した社長執行役員を委員長とする「人材戦略委員会」を継続的に実施し、人材戦略に関する取り組みを審議しました。

 2025年度は、人材戦略委員会を7回開催し、人材に関する各種計画の策定や取り組みの進捗確認など、延べ23の議題を付議し、議論しました。

 また、人材戦略における2025年度の振返りと2026年度の重点取り組みについては、取締役会にて報告しました。

 

 

 ② 戦略

      2025年度は「JR九州の人材戦略」の5つの柱に基づいて、具体的な取り組みを計画して人材戦略委員会にて練り上げ(P)、実施しました(D)。その後、従業員意識調査の結果や現場管理者等の声、人材に関するKPIの進捗を確認し、人材戦略委員会にて、その取り組みの結果を検証し(C)、課題を抽出、次の手を打ちました(A)。こうして、社員が働きがいを持ち、いきいきと活躍できる会社をつくり、人間力と実務力を持った社員の育成を図ります。

 

    ≪5つの柱に基づいた具体的な取り組み≫

a 安全を最優先し、お客さま視点で考える社員を育む組織づくり

      安全を最優先し、お客さま視点で考える社員を育む組織の構築を目的に、「みんなが考える意見交換会2025」を実施しました。2025年に策定した新たな経営理念について、参加役員による説明ののち、「わたしたちの夢」、「使命」、「おこない」に関して、共感する点や日々の業務の中で実行できそうなこと等について対話型の意見交換を実施しました。2025年度は約600名の社員が参加しました。

      また、2024年度にJR九州高速船株式会社で発生した重大事象について、担当役員から全管理者に対して、再発防止を図るとともに誠実な風土を築くことを目的とした講義を実施しました。講義は、自分の身に置き換えて考えることを主眼に置き、今回の事案の経緯や問題点等を改めて伝え、グループワークを通して、再発防止に向けて今後どのように取り組むかを議論しました。

      今後も経営理念等をテーマとした経営陣と社員の意見交換会を継続し、安全を最優先し、お客さま視点で考える社員を育んでいきます。

 

b 意欲と能力のある社員への挑戦・成長の機会の提供と支援

      2023年9月より、一般の社員約5,000名を対象に、新たにキャリアデザイン研修を開講しています。本研修は、将来のキャリアビジョンを描くことで働きがいを向上させ、当社で長期的に活躍するキャリアを歩めるようになることを目的としています。本研修の講師は公募制異動により選出された社内トレーナーが担当しており、2026年度中に全対象者が受講完了する予定です。

      また、JR九州の人材戦略の基本方針の一つである、「人間力」と「実務力」をもった社員の育成の一環として、2025年9月~12月にかけてリーダー研修を実施しました。本研修は、組織の将来を担うリーダーの育成を目的に、役員や先輩リーダー研修生による特別講義や会社施策に関する課題研究、グループ会社での体験実習、資格取得、社外視察等をカリキュラムに取り入れています。2025年度で27回目の研修となり、これまでに約700名の社員が研修を受講しており、研修後は現場の管理者やグループ会社の役員など様々なフィールドで活躍しています。引き続き、組織を牽引する人材に求められる判断力・マネジメント力・人材育成力の向上を図ります。このような研修等の各種施策により持続的な価値創造を支える人材基盤の強化に取り組んでいきます。

 

 

 

みんなが考える意見交換会

 

リーダー研修

 

     c 一人ひとりが持つ価値観や能力を活かせる風土と仕組みづくり

      当社は社員が自分の仕事に誇りを持ち、誰もがいきいきと活躍できる会社づくりを進めています。本活動を推進する部署として「明るく楽しい会社づくりプロジェクト」を立ち上げ、DE&Iの浸透に取り組んでいます。2025年度は、「あかたの部長対談」として、「私にとっての明るく楽しい会社づくり」をテーマに事業本部の枠を超えた組み合わせの中で、主管部長が大切にしている価値観などを対談形式で語り合い、その様子を社員向けに社内のイントラネットにて動画配信しました。

      また、JR九州グループとしてのDE&Iの取り組みとして、グループで働く女性社員がグループ他社の女性社員や女性管理者との交流を通じ、今後のキャリア形成への気づきや成長意欲、向上心を高める機会を創出することを目的に、「JR九州グループ女性社員交流セッション」を初めて開催しました。このようなグループ会社間の女性社員同士での交流を通じて、ネットワーク形成やキャリアに関する意見交換を促進し、多様な視点を事業活動に活かす取り組みを進めています。意見が活発に飛び交い、多様な社員が活躍できる組織を目指していきます。

 

 

     d 努力と成果に応じたメリハリのある評価と報酬

2024年度より、年度初に評価者が実施するフィードバック面談において、被評価者に対して特に良かった点や今後の最優先課題と共に評価内容や理由を伝えるよう見直しました。また、昇進試験における面接評価や昇給、賞与の通知を行う際にも社員に理由を伝え評価と報酬に納得感を持たせ、働きがいの向上に努めています。

社員の納得感を高めるために、評価者や面接官を対象とした研修を実施し、コミュニケーション能力や評価スキルの向上を図っています。評価者に対する評価者(コミュニケーション)研修は、人事評価の前提となる心理的安全性、そして部下の成長を支援するフィードバックの実践力向上を図り、どの部下に対しても公平で納得感のある人事評価を行えるようになることを目的に実施しています。評価者は3年に1度の頻度で本研修を受講する計画としており、2024年度から2巡目を実施しています。また、昇進試験の面接官を対象とした面接官研修では、公正かつ納得感のある試験実施のためのポイントについて学んでいます。これらの研修を通じて、社員の評価と報酬に対する納得感を高め、信頼関係に基づくマネジメントの浸透とエンゲージメント向上を図っています。

 

女性社員交流セッション

評価者(コミュニケーション)研修

 

     e 健康経営の推進とライフプランに合わせた柔軟な働き方が選択できる環境整備

 2024年度に策定した健康経営における戦略マップに基づき、健康経営を推進しております。社員が若いうちから健康に対する意識を高め、自身の健康状態を把握する機会を設けるため、人間ドックの費用補助対象者を拡大しました。また、家族の健康が社員の働きやすさにつながるという考えのもと、配偶者についても補助制度を新設しました。疾病予防や病気の早期発見を目的とした二次検査の受診率や禁煙推進により非喫煙者率が向上しています。

 また、仕事と家庭生活の両立支援の一環として、男性社員の育児休暇取得を促進し、性別を問わずライフステージに応じて活躍できる環境づくりを進めています。2026年3月には、当社の健康経営の取り組みが評価され、「健康経営優良法人2026」の認定を受けました。

 

 

健康経営における戦略マップ

 

健康経営優良法人2026

 

 

 ③ リスク管理

   社長執行役員を委員長とする人材戦略委員会において、人材に関する各種計画策定とKPIの進捗確認を実施しており、本委員会に付議した内容は必要により取締役会にも報告しています。各種施策の有効性を測るとともに、人材戦略の具体的な取り組みを計画するにあたり、KPIのほか、全社員を対象に実施している従業員意識調査の結果を重要視しています。2025年度より調査ツールを更新し、当社の強みと弱みがこれまで以上に細かく把握することが可能になりました。総合満足度については、これまでで最も高い水準になっております。2026年度は、ありたい状態から逆算した組織づくりへ移行していく段階と分析しており、弱みの改善だけでなく、現状表出していない課題への対応も進めていきます。そうすることで、社員の誰もがやりがいを持ち、いきいきと活躍できる会社を目指してこれまで以上に人的資本に関する取り組みを拡充させていきます。

 

 

総合満足度の推移

 

    ④ 指標と目標

      当社グループでは、企業理念の実現に向け、非財務KPIを設定しています。当社の人材戦略に関する非財務KPI及び進捗状況については、「(1)持続的な価値創造に向けたESG経営の推進」をご参照下さい。