事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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日本 | 1,262,027 | 45.3 | - | - | - |
米州 | 153,068 | 5.5 | - | - | - |
欧州 | 501,757 | 18.0 | - | - | - |
東アジア | 173,913 | 6.2 | - | - | - |
南アジア・オセアニア | 157,655 | 5.7 | - | - | - |
警備輸送 | 68,538 | 2.5 | - | - | - |
重量品建設 | 50,068 | 1.8 | - | - | - |
物流サポート | 420,489 | 15.1 | - | - | - |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、国内・海外各地域で貨物自動車運送業、鉄道利用運送業、航空利用運送業、海上運送業、港湾運送業、倉庫業等を行っている「ロジスティクス事業」を主軸とし、更に専門事業である「警備輸送事業」、「重量品建設事業」、及び各事業に関連する販売業・不動産業等の「物流サポート事業」を展開しているグループ会社の経営管理及びそれに附帯または関連する業務を行っております。
当社グループの事業に係る位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。
○ ロジスティクス事業(日本通運㈱、及びNXアメリカ㈱以下294社)
○ 警備輸送事業(NXキャッシュ・ロジスティクス㈱)
○ 重量品建設事業(日本通運㈱、他2社)
○ 物流サポート事業(NX商事㈱以下41社)
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断されます。
事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
前連結会計年度に取得したTramo社との企業結合について前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNXグループが判断したものです。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、米国や新興国の一部において内需主導による景気拡大がみられ、また、その他の国や地域における実質賃金の上昇による個人消費の回復などに下支えされ、底堅い成長を維持しました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化、米中間の対立など地政学リスクや経済安全保障リスクの高まりにより、依然として先行き不透明な状況で推移しました。
このような経済情勢のなか、物流業界におきましては、国際物流では、中国発の越境eコマース(電子商取引)の拡大による航空貨物輸送の増加などにより貨物輸送の需要は回復基調にあるものの、海上貨物輸送では中東の情勢不安に伴うスエズ運河の航行回避の長期化やパナマ運河の記録的な干ばつによる通航制限等、貨物輸送に直接影響を与える地政学・自然災害リスクが顕在化し、不安定な状況で推移いたしました。国内物流では、個人消費に持ち直しの動きがみられた一方で、設備投資の減速を受け生産関連貨物輸送は低調に推移し、全体としての荷動きは力強さに欠ける状況で推移しました。また、物流業界における2024年問題への対応や人件費・燃料費の高騰等コスト上昇圧力への対応に迫られる状況が続きました。
引き続き、地政学および経済安全保障上のリスクによるサプライチェーンへの影響、労働力の不足や燃料費の高止まりによる各種調達コストの上昇等、その動向に注視が必要な状況にあります。
NXグループは、このような経営環境のもと、2024年1月1日より新たな経営計画である「NXグループ経営計画2028 Dynamic Growth 2.0“Accelerating Sustainable Growth ~持続的な成長の加速~”」がスタートしています。目指す姿や方向に変わりはありませんが、よりスピード感をもって長期ビジョンである「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」の実現に向け、経営計画に掲げる諸施策及び企業価値向上を意識した経営に取り組んでまいりました。
当連結会計年度につきましては、物流需要の回復やNXグループに新たにcargo-partner社が加わったことにより売上収益は対前年比増加となりましたが、エネルギー価格の高止まり、人件費をはじめとしたコスト上昇等の外部環境の影響を受け、セグメント利益は減少という結果になりました。
「グローバル市場での事業成長の加速」
「グローバル市場での事業成長の加速」につきましては、お客様のグローバル・サプライチェーンにEnd to Endソリューションを提供することで取扱う事業領域の拡大を目指し、航空及び海運フォワーディングの販売拡大や倉庫を中心とした幅広いロジスティクスソリューションの提供強化に注力してまいりました。グローバル事業本部(GBHQ:Global Business Headquarters)を中心に、営業戦略の中核に「グローバルアカウントマネジメント」を据え、グローバルな営業体制、組織の更なる強化に努めてまいりました。重点産業の取組みとして、テクノロジー、モビリティ、ライフスタイル、ヘルスケア、半導体関連の5つを選定し、継続的にお客様へのアプローチに取り組むとともに、新たな顧客基盤を構築するため、グローバル市場においてプレゼンスを持つ非日系顧客の開拓にも取り組んでまいりました。また、cargo-partner社へのPMIによるグループシナジー創出やインド市場における事業体制の拡充を図ってまいりました。
主なKPIの進捗は以下のとおりです。
※日本通運株式会社、海外4セグメント合計(cargo-partner社、Tramo社は除く)
※2023年実績にはcargo-partner社は含まない。
※倉庫・配送等売上にはcargo-partner社は含まない。
「日本事業の再構築」
「日本事業の再構築」につきましては、アカウントマネジメント推進体制の構築やロジスティクス事業の強化、重点産業での取扱い拡大等売上の拡大に取り組むとともに、日本事業強靭化施策の継続・深化に加え、事業基盤の変革・見直し等収益性や資本効率の向上に取り組んでまいりました。
特に、日本事業の再構築の根幹となる事業基盤の変革の取組みとして、日本通運株式会社においては、マーケットの特性に応じて、各エリアの役割を明確にし、経営の自由度を高めていくことを目的とした社内カンパニー制導入の検討を進めてまいりました。同時に、重量品建設事業の分社化や特積み事業の再編も進めてまいりました。また、2024年問題に伴う人手不足等の解消のため、先端技術の導入やロジスティクス人財の育成による倉庫オペレーションの強化、オフィス業務の自動化・簡素化による生産性の向上にも取り組んでまいりました。
「サステナビリティ経営の推進」
今次経営計画では、サステナビリティ経営をすべての事業の土台と位置付け、企業価値の向上と社会課題の解決のために取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を、「サステナブル・ソリューションの開発・強化」「グローバル・サプライチェーンの強靭化」「気候変動への対応強化」「イノベーションを生む人財力の向上」「人権の尊重と責任ある企業活動の実現」の5つに見直し、それぞれの課題解決に向けて取組みを進めてまいりました。
「サステナブル・ソリューションの開発・強化」では、モーダルシフトや低炭素輸送商品の開発等顧客ニーズへの対応を進め、「気候変動への対応強化」では、施設照明のLED化等経済合理性の高いScope2(間接排出)の削減を優先的に進めてまいりました。また、「イノベーションを生む人財力の向上」では、Well-beingの充実の施策の一つとしてNXエンゲージメントサーベイを実施し、課題の経年変化や新たな課題の可視化などエンゲージメント向上に繋がる取組みを進めてまいりました。
「企業価値向上に向けた取組み」
企業価値向上に向けた取組みにつきましては、資本コストを上回る資本収益性の達成、すなわち、エクイティ・スプレッドの拡大を図るために、ROEの改善が最優先課題との認識のもと、M&Aも活用しながら売上収益の拡大を図るとともに、利益率向上の取組みとして日本セグメントのセグメント利益改善に注力する等、経営計画に織り込んだ成長戦略の取組みを進めてまいりました。加えて、新たに内部経営指標にROICを導入する等資本収益性を意識した経営への転換を進め、更には、資本政策の見直しによる資本構成の最適化や事業ポートフォリオマネジメントの強化にも着手してまいりました。
NXグループの当連結会計年度の業績は、売上収益は2兆5,776億円と前年同期に比べ3,386億円、15.1%の増収となり、営業利益は490億円と前年同期に比べ110億円、18.3%の減益、税引前利益は518億円と前年同期に比べ93億円、15.2%の減益となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は317億円と前年同期に比べ53億円、14.4%の減益となりました。
報告セグメントの業績概況は以下のとおりであります。
売上収益の明細
セグメント利益の明細
①日本(ロジスティクス)
航空貨物、海運貨物の取扱いが増加し、売上収益は1兆2,620億円と前年同期に比べ54億円、0.4%の増収となりましたが、人件費をはじめとする各種コスト増の影響により、セグメント利益は405億円と前年同期に比べ80億円、16.6%の減益となりました。
②米州(ロジスティクス)
倉庫配送の取扱いが好調を維持し、売上収益は1,530億円と前年同期に比べ17億円、1.2%の増収となりましたが、航空貨物、海運貨物の利用費上昇の影響を受け、セグメント利益は53億円と前年同期に比べ38億円、42.1%の減益となりました。
③欧州(ロジスティクス)
航空貨物は紅海危機による海運輸送からのシフト貨物等もあり取扱いが増加したことに加え、cargo-partner社グループを新たに連結の範囲に含めたことにより、売上収益は5,017億円と前年同期に比べ3,091億円、160.4%の増収となり、セグメント利益は112億円と前年同期に比べ13億円、14.1%の増益となりました。
④東アジア(ロジスティクス)
航空貨物、海運貨物の取扱いが半導体関連を中心に増加し、売上収益は1,739億円と前年同期に比べ162億円、10.3%の増収となり、セグメント利益は45億円と前年同期に比べ7億円、20.4%の増益となりました。
⑤南アジア・オセアニア(ロジスティクス)
航空貨物の取扱いが半導体関連を中心に増加し、売上収益は1,576億円と前年同期に比べ168億円、11.9%の増収となりましたが、販売単価の下落の影響を受け、セグメント利益は54億円と前年同期に比べ28億円、34.5%の減益となりました。
⑥警備輸送
設定便の減便はあったものの、新紙幣切替に伴う改刷対応や金融機関アウトソーシング業務の受託拡大等により、売上収益は685億円と前年同期に比べ6億円、1.0%の増収となりましたが、各種コスト増の影響により、セグメント利益は24億円と前年同期に比べ9億円、28.9%の減益となりました。
⑦重量品建設
産業機械関連の取扱いが大幅に減少し、売上収益は500億円と前年同期に比べ10億円、2.0%の減収となり、セグメント利益は53億円と前年同期に比べ12億円、18.7%の減益となりました。
⑧物流サポート
物流部門及び整備製作部門の取扱いの減少等により、売上収益は4,204億円と前年同期に比べ54億円、1.3%の減収となり、セグメント利益は122億円と前年同期に比べ16億円、11.6%の減益となりました。
なお、NXグループの取り扱う輸送手段は多岐にわたるとともに、実運送や利用運送も行っており、セグメント情報に関連付けて、輸送手段ごとの販売実績の的確な表示を行うことは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況につきましては、上記セグメントの業績に示しており、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は2兆2,971億円となり、前連結会計年度末に比べ1,878億円、8.9%増となりました。
流動資産は9,348億円で前連結会計年度末に比べ385億円、4.3%増、非流動資産は1兆3,622億円で前連結会計年度末に比べ1,493億円、12.3%増となりました。
流動資産増加の主な要因は、営業債権及びその他の債権の増加等によるものです。
非流動資産増加の主な要因は、のれん及び無形資産の増加等によるものです。
流動負債は7,578億円で前連結会計年度末に比べ1,667億円、28.2%増、非流動負債は6,662億円で前連結会計年度末に比べ341億円、4.9%減となりました。
流動負債増加の主な要因は、短期償還社債の増加等によるものです。
非流動負債減少の主な要因は、長期借入金の減少等によるものです。
当連結会計年度末の資本合計は8,730億円で、前連結会計年度末に比べ552億円、6.8%増となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、2,513億円となり、前連結会計年度末に比べ637億円減となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは2,278億円の収入となり、前年同期に比べ421億円収入が増加しました。その主な要因は、法人所得税の支払額が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは1,407億円の支出となり、前年同期に比べ814億円支出が増加しました。その主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,641億円の支出となり、前年同期に比べ639億円支出が増加しました。その主な要因は、長期借入れによる収入が減少したこと等によるものです。
NXグループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、NXグループの主要な資金需要は、利用運送費、燃油費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びにNXグループの設備の新設、改修及びM&A等に係る投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金の一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
セグメント情報
4.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象としているもので、エリア別セグメントと事業別セグメントの組合せにより構成されております。
ロジスティクス事業においては、「日本」、「米州」、「欧州」、「東アジア」及び「南アジア・オセアニア」の5つを報告セグメントとし、ロジスティクス事業以外では専門事業である「警備輸送」、「重量品建設」及び、各事業に関連する販売業・不動産業等を行っている「物流サポート」を報告セグメントとしております。
この結果、各報告セグメントの主要製品及びサービス、主要な事業内容は、以下のとおりです。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告セグメントの会計方針は、「3.重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同一です。なお、セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 調整額は以下のとおりです。
1 セグメント利益(事業利益)の調整額△22,302百万円には、セグメント間取引消去△1,425百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△20,877百万円が含まれております。
全社費用は、主に純粋持株会社である当社の企業イメージ広告に要した費用及びグループ管理費用です。
2 減価償却費及び償却費の調整額は報告セグメントに帰属しない純粋持株会社である当社における減価償却費等です。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 調整額は以下のとおりです。
1 セグメント利益(事業利益)の調整額△23,504百万円には、セグメント間取引消去△850百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△22,654百万円が含まれております。
全社費用は、主に純粋持株会社である当社の企業イメージ広告に要した費用及びグループ管理費用です。
2 減価償却費及び償却費の調整額は報告セグメントに帰属しない純粋持株会社である当社における減価償却費等です。
(3) 製品及びサービスに関する情報
(4) 地域に関する情報
①外部顧客への売上収益
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
各区分に属する主な国又は地域
②非流動資産
(注) 各区分に属する主な国又は地域
(5) 主要な顧客に関する情報
連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める特定の顧客はありませんので、記載を省略しております。