事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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日本 | 1,256,571 | 51.4 | N/A | N/A | N/A |
米州 | 151,291 | 6.2 | N/A | N/A | N/A |
欧州 | 192,655 | 7.9 | N/A | N/A | N/A |
東アジア | 157,663 | 6.5 | N/A | N/A | N/A |
南アジア・オセアニア | 140,840 | 5.8 | N/A | N/A | N/A |
警備輸送 | 67,892 | 2.8 | N/A | N/A | N/A |
重量品建設 | 51,111 | 2.1 | N/A | N/A | N/A |
物流サポート | 425,896 | 17.4 | N/A | N/A | N/A |
事業内容
3 【事業の内容】
(1) 当社は、国内・海外各地域で貨物自動車運送業、鉄道利用運送業、航空利用運送業、海上運送業、港湾運送業、倉庫業等を行っている「ロジスティクス事業」を主軸とし、更に専門事業である「警備輸送事業」、「重量品建設事業」、及び各事業に関連する販売業・不動産業等の「物流サポート事業」を展開しているグループ会社の経営管理及びそれに附帯又は関連する業務を行っております。
当社グループの事業に係る位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。
○ ロジスティクス事業(日本通運㈱、及びNXアメリカ㈱以下274社)
○ 警備輸送事業(NXキャッシュ・ロジスティクス㈱)
○ 重量品建設事業(日本通運㈱、他1社)
○ 物流サポート事業(NX商事㈱以下42社)
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断されます。
(2) 事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(以下「NXグループ」という。)が判断したものです。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、一部の国や地域で内需の底堅さがみられ、資源価格の高騰にも一服感がみられるなど緩やかな回復基調にあるものの、欧米を中心とした政策金利の高止まりが経済活動の下押し圧力となるなど、本格的な経済回復は道半ばの状況となりました。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル・ハマス紛争、米中間の対立などの地政学リスクや経済安全保障リスクが高まっており、先行き不透明な状況下において、総じて厳しい経営環境となりました。
このような経済情勢のなか、物流業界におきましても、国際物流では、在庫調整の一巡などにより、荷動きが回復している地域や産業が一部ではみられるものの、総じて低調に推移し、コロナ禍以来続いていた航空輸送や海上輸送における需給逼迫状況も大幅に緩和され、サプライチェーンの正常化が進みました。国内物流では、訪日外国人観光客の回復などによる小売やサービス分野での改善や、車載用半導体不足の緩和による自動車生産の回復など、一部では動きがみられるものの、世界経済の減速とも連動する製造業での生産の落ち込みの影響が大きく、全体としての荷動きは力強さに欠ける状況で推移いたしました。引き続き、地政学リスクや経済安全保障リスクに加え、国内では物価高や円安に伴う各種調達コストの上昇、物流業界における2024年問題など、今後の動向に注視が必要な状況にあります。
NXグループは、このような経営環境のもと、2019年4月にスタートいたしました5年間の経営計画「NXグループ経営計画2023~ 非連続な成長“Dynamic Growth”~」の最終年度となる当連結会計年度も、大きな方向性を変えることなく、足元の経営基盤を強化しながら、最終目標に定めた各種指標の達成と、「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」という長期ビジョンの実現に向け、グループ一丸となって取り組んでまいりました。
2023年度につきましては、低調な荷動きや、エネルギー、人件費をはじめとしたコスト上昇などの外部環境の影響を受け、最終年度目標に対していずれの目標も未達という結果になりました。一方、コロナ禍前の2019年度と比較すると、厳しい外部環境にあるなか、売上収益、営業利益ともに上回る結果となっており、経営計画での取組みの成果が着実に現れていると捉えております。
[事業の成長戦略]
「コア事業の成長戦略」につきましては、グローバル事業本部(GBHQ:Global Business Headquarters)を中心に、営業戦略の中核に「グローバルアカウントマネジメント」を据え、グローバルな営業体制、組織の更なる強化に努めてまいりました。顧客(産業)軸アプローチでは、電機・電子、自動車、アパレル、医薬品、半導体関連の5つを重点産業として捉え、継続的に顧客へのアプローチに取り組むとともに、新たな顧客基盤を構築するため、グローバル市場においてプレゼンスを持つ非日系顧客の開拓にも取り組んでまいりました。事業軸アプローチでは、航空および海運フォワーディング事業に加えて、コントラクト・ロジスティクスの拡販を強化し、顧客サプライチェーンをカバーするソリューションビジネスの提供が可能な販売体制の構築を図ってまいりました。
「顧客(産業)軸」「事業軸」に関する各種KPIの進捗は以下のとおりです。
※実績、KPI数値は、日本通運、NXキャッシュ・ロジスティクス対象事業分の合計値。
※1.実績、増減率は四捨五入し記載
※2.GAMとは、Global Account Managementの略。GTAとは、Global Target Accountsの略。
「日本事業の強靭化戦略」につきましては、NXグループの核となる日本国内物流事業の収益性の更なる改善と経営基盤の強化に向け、間接部門人員の再配置を進めるとともに、先端技術の導入やロジスティクス人財の育成による倉庫オペレーションの強化、オフィス業務の自動化・簡素化による生産性の向上に取り組んでまいりました。また、CO2削減や2024年問題に伴う輸送力不足など、今後の物流を取り巻く課題解決に有用な輸送モードである鉄道や内航船を活用したモーダルシフトの推進、自然災害時のバックアップ輸送体制の構築に取り組むなど、ネットワーク商品の強化にも努めてまいりました。
「日本事業の強靭化戦略」に関する各種KPIの進捗は以下のとおりです。
[長期ビジョン実現のための取組み]
「非連続な成長戦略」として、M&A戦略を前提に、ホールディングス体制での変革を加速し、グローバルな 成長を実現できる体制や、より強固なグループ経営を行う体制の構築に取り組んでまいりました。過去最大の投資となるcargo-partner社のM&Aを通じて、今後、欧州域内の生産拠点として成長が見込まれる、中東欧地域のロジスティクス基盤を補完し、グローバルネットワークの更なる拡大に努めてまいります。
「取組みを支える機能の強化」につきましては、グローバルでの競争優位を築くためのブランディング戦略として、NXグループブランドの浸透・強化に努めてまいりました。また、世界最高峰の野球大会である「2023 World Baseball Classic TM」のグローバルスポンサーとして、グループの認知度向上を推進いたしました。
「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営の確立」につきましては、持続的な成長とステークホルダーとの共創による企業価値向上を目指すなか、サステナビリティ経営を一層推進するため、2023年1月にサステナビリティ方針・ビジョンを策定いたしました。その取組みの一環として、カーボンニュートラル社会実現への貢献と地球環境の保全を目指し、CO2排出量削減について新たな中長期目標を設定いたしました。今後も気候変動への取組みを進めていくとともに、積極的に取組内容の情報開示を行ってまいります。
また、長期ビジョンの実現に向け、「社員が幸せを感じる企業に変革する」ことを掲げ、日本国内では、「ダイバーシティ」「働き方の改善」「ワークスタイルイノベーション」を柱に、「意識改革」「風土改革」「働き方改革」「行動改革」の4つの改革を推進するとともに、グローバル成長を見据えた人財戦略として、多国籍人財の採用や、法務・会計など高い専門性が求められる領域での経験者採用などを進めてまいりました。
当社グループの当連結会計年度の業績は、国際物流における需給逼迫状況の大幅な緩和による販売単価の正常化や輸送数量の減少影響を受けたこと、国内物流においても低調な荷動きであったことから、売上収益は2兆2,390億円と前年同期に比べ3,796億円、14.5%の減収となり、営業利益は600億円と前年同期に比べ954億円、61.4%の減益、税引前利益は612億円と前年同期に比べ989億円、61.8%の減益となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は370億円と前年同期に比べ712億円、65.8%の減益となりました。
報告セグメントの業績概況は以下のとおりであります。
(売上収益の明細)
(セグメント利益の明細)
①日本(ロジスティクス)
国内物流が継続して低調に推移し、航空貨物、海運貨物の取扱いが減少したことに加え、販売単価の下落の影響があり、売上収益は1兆2,565億円と前年同期に比べ1,944億円、13.4%の減収となり、セグメント利益は485億円と前年同期に比べ228億円、32.0%の減益となりました。
②米州(ロジスティクス)
倉庫配送は好調を維持したが、航空貨物、海運貨物の取扱いが減少したことに加え、販売単価の下落の影響があり、売上収益は1,512億円と前年同期に比べ107億円、6.7%の減収となり、セグメント利益は92億円と前年同期に比べ44億円、32.6%の減益となりました。
③欧州(ロジスティクス)
航空貨物、海運貨物の取扱いが減少したことに加え、販売単価の下落の影響があり、売上収益は1,926億円と前年同期に比べ230億円、10.7%の減収となり、セグメント利益は98億円と前年同期に比べ26億円、21.5%の減益となりました。
④東アジア(ロジスティクス)
航空貨物、海運貨物の取扱いが半導体関連、自動車関連を中心に減少し、販売単価の下落の影響もあり、売上収益は1,576億円と前年同期に比べ838億円、34.7%の減収となり、セグメント利益は37億円と前年同期に比べ90億円、70.6%の減益となりました。
⑤南アジア・オセアニア(ロジスティクス)
航空貨物は半導体関連の取扱いが減少し、海運貨物は販売単価の下落の影響を受け、売上収益は1,408億円と前年同期に比べ810億円、36.5%の減収となり、セグメント利益は83億円と前年同期に比べ117億円、58.5%の減益となりました。
⑥警備輸送
設定便の減少等により、売上収益は678億円と前年同期に比べ1億円、0.3%の減収となったものの、各種コスト削減の効果等により、セグメント利益は33億円と前年同期に比べ2億円、8.9%の増益となりました。
⑦重量品建設
風力発電関連、産業機械関連の取扱いが堅調に推移し、売上収益は511億円と前年同期に比べ65億円、14.7%の増収となり、セグメント利益は65億円と前年同期に比べ1億円、2.0%の増益となりました。
⑧物流サポート
整備製作部門の取扱いの増加等により、売上収益は4,258億円と前年同期に比べ42億円、1.0%の増収となったものの、石油部門、LPガス部門の取扱いの減少及び販売単価の下落により、セグメント利益は138億円と前年同期に比べ25億円、15.8%の減益となりました
なお、NXグループの取り扱う輸送手段は多岐にわたるとともに、実運送や利用運送も行っており、セグメント情報に関連付けて、輸送手段ごとの販売実績の的確な表示を行うことは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況につきましては、上記セグメントの業績に示しており、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は2兆1,071億円となり、前連結会計年度末に比べ319億円、1.5%増となりました。
流動資産は8,960億円で前連結会計年度末に比べ117億円、1.3%減、非流動資産は1兆2,110億円で前連結会計年度末に比べ436億円、3.7%増となりました。
流動資産減少の主な要因は、営業債権及びその他の債権の減少等によるものです。
非流動資産増加の主な要因は、使用権資産の増加等によるものです。
流動負債は5,910億円で前連結会計年度末に比べ1,048億円、15.1%減、非流動負債は6,982億円で前連結会計年度末に比べ980億円、16.3%増となりました。
流動負債減少の主な要因は、営業債務及びその他の債務の減少等によるものです。
非流動負債増加の主な要因は、社債及び借入金の増加等によるものです。
当連結会計年度末の資本合計は8,178億円で、前連結会計年度末に比べ386億円、5.0%増となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、3,150億円となり、前連結会計年度末に比べ383億円増となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,857億円の収入となり、前年同期に比べ1,095億円収入が減少しました。その主な要因は、税引前利益が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは592億円の支出となり、前年同期に比べ633億円支出が増加しました。その主な要因は、有形固定資産の売却による収入が減少したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,001億円の支出となり、前年同期に比べ631億円収入が増加しました。その主な要因は、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものです。
NXグループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、NXグループの主要な資金需要は、利用運送費、燃油費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びにNXグループの設備の新設、改修等に係る投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金の一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
セグメント情報
4.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象としているもので、エリア別セグメントと事業別セグメントの組合せにより構成されております。
ロジスティクス事業においては、「日本」、「米州」、「欧州」、「東アジア」及び「南アジア・オセアニア」の5つを報告セグメントとし、ロジスティクス事業以外では専門事業である「警備輸送」、「重量品建設」及び、各事業に関連する販売業・不動産業等を行っている「物流サポート」を報告セグメントとしております。
この結果、各報告セグメントの主要製品及びサービス、主要な事業内容は、以下のとおりです。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告セグメントの会計方針は、「3.重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同一です。なお、セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
(注1) 調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント利益(事業利益)の調整額△19,047百万円には、セグメント間取引消去△2,633百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△16,414百万円が含まれております。
全社費用は、主に純粋持株会社である当社の企業イメージ広告に要した費用及びグループ管理費用です。
(2)減価償却費及び償却費の調整額は報告セグメントに帰属しない純粋持株会社である当社における減価償却費等です。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注1) 調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント利益(事業利益)の調整額△22,302百万円には、セグメント間取引消去△1,425百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△20,877百万円が含まれております。
全社費用は、主に純粋持株会社である当社の企業イメージ広告に要した費用及びグループ管理費用です。
(2)減価償却費及び償却費の調整額は報告セグメントに帰属しない純粋持株会社である当社における減価償却費等です。
(3) 製品及びサービスに関する情報
(4) 地域に関する情報
①外部顧客への売上収益
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
各区分に属する主な国又は地域
②非流動資産
日本国内の非流動資産の帳簿価額は、連結財政状態計算書の非流動資産の大部分を占めるため、地域別の非流動資産の記載を省略しております。
(5) 主要な顧客に関する情報
連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める特定の顧客はありませんので、記載を省略しております。