2024年6月期有価証券報告書より
  • 社員数
    16名(単体) 6,648名(連結)
  • 平均年齢
    58.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    26.5年(単体)
  • 平均年収
    10,066,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

   2024年6月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

コンサルティング事業

3,208

(1,589)

都市空間事業

2,237

(270)

エネルギー事業

745

(104)

その他

458

(132)

合計

6,648

(2,095)

 

(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員です。

2.従業員数の(外書)は、当連結会計年度における臨時従業員の平均雇用人員です。

3.臨時従業員には、期間契約社員、パートタイマーおよび非常勤の従業員を含み、派遣社員を除いています。

 

(2) 提出会社の状況

   2024年6月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

16

58.9

26.5

10,066

(-)

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

その他

16

(-)

合計

16

(-)

 

(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。

2.従業員数の(外書)は、当事業年度における臨時従業員の平均雇用人員です。

3.臨時従業員には、期間契約社員、パートタイマーおよび非常勤の従業員を含み、派遣社員を除いています。

4.平均勤続年数は、グループ内の勤続年数を通算しています。

5.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。

 

(3) 労働組合の状況

日本工営労働組合と称し、1947年10月1日に結成され、2024年6月30日現在の組合員数は当社グループ全体で935名となり、上部団体には属していません。

対会社関係においても結成以来円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める
女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の育児休業取得率
(%)(注2)

男性労働者の育児休業平均取得日数
(日)(注3)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)(注4)

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

0.0

56.0

68.8

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。なお、本項目の「-」は、当事業年度において対象となる従業員がいないことを示しています

3.休職満了日が当事業年度内に属する男性労働者の育児休業について、総取得日数(前事業年度に取得された日数を含む。)を総取得者数で除した日数です。なお、本項目の「-」は、当事業年度において対象となる従業員がいないことを示しています

4.正規雇用労働者欄の「-」は、当事業年度において対象となる女性従業員がいないことを示しています

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注2)

男性労働者の

育児休業平均取得日数(日)
(注3)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用
労働者

非正規雇用
労働者

日本工営(株)

6.5

65.7

72.3

76.0

78.7

64.4

日本工営都市空間(株)

3.6

72.2

71.0

69.9

71.2

72.0

日本工営エナジーソリューションズ(株)

0.0

23.0

41.0

49.7

67.6

53.9

日本工営ビジネスパートナーズ(株)

17.6

77.7

95.7

78.0

77.0

51.2

(株)エル・コーエイ

33.3

81.6

73.0

86.9

(株)コーエイリサーチ&コンサルティング

56.0

200.0

37.5

日本シビックコンサルタント(株)

(注5)

(注5)

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.休職満了日が当事業年度内に属する男性労働者の育児休業について、総取得日数(前事業年度に取得された日数を含む。)を総取得者数で除した日数です。

4.「-」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)または「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)において、公表義務がない場合、選択公表をしていない場合を示しています。

5.当事業年度において対象となる従業員がいないことを示しています

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1) サステナビリティに関する考え方

当社グループの経営理念「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」は、サステナビリティに対する基本姿勢を表しています。サステナビリティを経営の中核に据え、環境および社会の課題と正面から向き合い、社員一人ひとりが持続可能な社会の実現に向けて取り組みます。当社グループは、2024年6月までを変革期としてサステナビリティ経営の土台作りを進めてきましたが、2024年7月から2027年6月までは展開期としてグループ全体にその拡大・定着を図ります。サステナビリティに関する取組みの透明性を一層高め、あらゆるステークホルダーから信頼される企業グループとなることを目指します。また、サステナビリティ経営を通じて得た知見とこれまで培ってきた経験・技術を融合させることで、サステナビリティ課題に関連する多様なビジネス市場に参入し、サービスプロバイダー又は事業運営者としての地位を確立していきます。次世代を見据えたサステナブルなソリューションを提供することで、ミッションである「世界をすみよくする」を実現します。

さらに、当社グループはミッションの達成およびグローバル課題の解決に貢献すべく、外部環境の変化とステークホルダーの関心を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)を改定しました。新たなマテリアリティを軸に社員一人ひとりが持続可能な社会の実現に向けて、高い意識を持って誠実に取り組みます。

 

ID&Eグループ マテリアリティ


 

① ガバナンス

当社グループにとって、サステナビリティは経営と一体不可分であることから、経営トップがリーダーシップを発揮しうる体制の構築に努めています。2023年7月に設立された持株会社である当社に、当社代表執行役社長を議長とする「サステナビリティ推進会議」を設置しました。2024年7月には、サステナビリティ経営のグループ戦略の立案・推進機能を高めるため「サステナビリティ推進本部」を当社の専属組織として新設しました。

「サステナビリティ推進会議」は、グループ全体のサステナビリティ経営の司令塔として、グループ全体のガバナンス、戦略の企画立案や推進、サステナビリティに関連するリスクと機会の管理、ステークホルダーに対する説明責任を担っています。本会議は、当社代表執行役社長を議長とし、アドバイザーとして社外取締役が参加しています。構成員は、主要グループ会社(日本工営、日本工営都市空間、BDP社、日本工営エナジーソリューションズ、日本工営ビジネスパートナーズ)の各社社長および当社の各本部長が含まれ、議案の内容に応じてその他の関係者や外部有識者が出席します。本会議の活動は、取締役会が監督し、審議事項は定期的に執行役会および取締役会に付議・報告されます。

また主要グループ会社には、「サステナビリティ推進会議」と連携する「サステナビリティ推進委員会」を設置し、その傘下グループ会社にはサステナビリティ経営推進担当者を配置しています。主要グループ会社の各委員会事務局および傘下グループ会社の各担当者と連携を取りながら、グループ一丸となってサステナビリティの推進を図っています。

 

ID&Eグループ サステナビリティ推進体制図


 

② 戦略

当社グループが目指すのは、実効性のあるサステナビリティ経営の実現です。その実現を目指し、 2024年に「サステナビリティ経営フレームワーク(以下「フレームワーク」という。)」を策定しました。このフレームワークは当社グループがサステナビリティ経営を実践する際の判断の枠組みを体系的に提示し、グループ一体的な取組みを推進することも目的としています。フレームワークは、2045年に目指す姿を示した「サステナビリティ・ゴール」、そのゴール達成までのマイルストーンとなる「サステナビリティ・コミットメント/ターゲット」、および各課題別の方針や行動ガイドラインで構成されます。その内容は社会状況の変化を踏まえながら、柔軟に見直し、継続的な改善を図っていく予定です。当社グループは、同方針・行動ガイドラインに基づいて、実効性のある取組みを実施するために、行動計画を策定し、各グループ会社のサステナビリティ経営の取組み状況をモニタリングします。フレームワークの運営状況は、サステナビリティ推進会議で定期的な振り返りを行い、執行役会を通じて取締役会に報告します。

 

ID&Eグループ サステナビリティ経営フレームワーク


 

サステナビリティ経営フレームワークの詳細は、当社ホームページをご参照ください。

https://www.id-and-e-hd.co.jp/assets/pdf/sustainability/sustainability-management/ID&E_Sustainability_Management_Framework.pdf

 

③ リスク管理

当社グループでは、リスク管理の推進全般を統括する組織としてリスク統括会議を設置し、「内部統制基本方針」および「グループリスク・危機管理規程」に基づき、グローバルで幅広い事業遂行に伴う当社グループの全般的なリスク統制を行い、損失の最小化を図ることを任務としています。リスク統括会議は、議長である当社代表執行役社長、執行役および社外弁護士の計10名により構成され、オブザーバーとして常勤監査委員1名が出席しています。

具体的にはグループ各社がリスクを網羅的に抽出した上で、各リスクの管理策を設定し、継続的にリスク管理を行いながら事業活動にあたっています。リスク統括会議は、グループ各社から提出された「リスク管理計画」を確認のうえ取りまとめ、全体を「グループリスク管理計画」として承認し、リスク統制を行います。 サステナビリティのリスクは、国際的な議論の潮流や各国の政策・制度など外部環境を起点とするものや不確実性の高いものが多いことから、サステナビリティ推進会議がグループ各社と協力し、リスクの特定(識別)・評価を行うこととしています。2024年6月期には、気候変動に関するリスク管理プロセスを策定し、運用を開始しました。気候変動以外のサステナビリティのリスクについても、同様のプロセスでリスク管理を行うことを検討しています。

気候変動においては下図のとおり実施しており、この管理プロセスを運用するため、「グループリスク一覧表」および「主要グループ会社リスク管理一覧表」において、リスク分類に「サステナビリティ」を新たに加え、その下の「想定されるリスク事象」に「気候変動が事業に与える悪影響」を追記することとしました。

今後もサステナビリティ推進会議およびリスク統括会議が連携してサステナビリティに起因するリスクの管理に取り組んでまいります。

 


気候変動のリスク管理プロセス


人権のリスクに関しては、上述の「グループリスク管理計画」の中に、労務上の問題やハラスメントなど人権リスクに関連する項目が含まれており、そのモニタリングを継続しています。加えて、当社グループでは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の手順に従って人権デュー・ディリジェンスを実施していきます。今後は、2024年7月にサステナビリティ推進会議の下に新設された「人権専門委員会」での審議を踏まえ 、サステナビリティの視点を考慮した人権リスクの識別・特定および対応を進めていきます。


④ 指標および目標

当社グループは、「サステナビリティ経営フレームワーク」にてサステナビリティ・ゴール(2045年のありたい姿)を明確にし、 「サステナビリティ・コミットメント/ターゲット」、さらに2045年のターゲットを定めることで取組みを推進しています。

ID&Eホールディングス サステナビリティ・ゴール

(2045年のありたい姿)

ID&Eホールディングス グループ(ID&E グループ)は、「世界をすみよくする」ため、長年にわたり、人々の命、暮らし、幸せに直結する国内外の社会資本整備や社会課題の解決に取り組んできました。

今、世界は歴史的転換点に直面しています。社会の分断・格差、紛争やテロの頻発、気候変動、それに伴う異常気象や自然災害の激甚化など、多くの危機が複合的に絡み合い、それが新たな危機を生み出し、人々の生活や企業の活動をとりまく環境・社会に大きな不確実性をもたらしています。

創業以来、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する」という経営理念の下で活動をしてきた ID&Eグループは、この歴史的転換点に、「サステナビリティ」を経営の根幹に位置付けます。

不確実性の高い時代の中で、多様な技術を総動員し、グループの「総合力」を生かすことで、これまで以上に世界から選ばれる「持続可能な環境・社会づくりのプロフェッショナル集団」を目指します。また、地球上で人々や様々な生物が共生する世界を、ステークホルダーの皆様と共に創ります。

 

(補足説明)2045年をゴール目標年とした背景:

現在、多くの国、地域で脱炭素を含む、各種ネットゼロ達成の目標年と設定されている2050年、並びにID&Eグループの母体である日本工営が2046年に創立100周年を迎えることを鑑み、2045年をID&Eグループのサステナビリティ・ゴールの達成目標年とした。

サステナビリティ・コミットメント/ ターゲット

・ID&Eグループの目指すサステナビリティ経営について説明責任を果たし、信頼される企業グループになります

・共創を通じた総合力の発揮を通じて、サステナブルですみやすい地球環境の実現に資する解決策を提供します

・企業活動に関係する人々の人権の尊重及び人的資本経営の推進を通じ、企業価値の向上と持続可能な社会の発展に貢献します

・ステークホルダーとの対話と協働を続け、能動的に良好な関係を構築し、企業経営の改善に役立てます

 

 

(2) 重要なサステナビリティ項目

① 気候変動

当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づき、対応策の検討と関連情報の開示に加え、気候変動を成長の機会ととらえた戦略の立案と実行を進めていきます。

ⅰ) ガバナンス

上述のガバナンス体制に基づき、気候変動対応に関わるサステナビリティ推進を行っています。当社サステナビリティ推進会議では多岐にわたるテーマを扱っており、気候変動に関する議論のみに注力することが困難なため、今後は気候変動に特化した専門委員会を立ち上げて、気候変動対応の具体的な検討やその実施を進めていきます。

ⅱ) 戦略

気候変動に関連して直面するリスクと機会に関しては、当社および主要グループ会社5社(日本工営、日本工営都市空間、BDP社、日本工営エナジーソリューションズ、日本工営ビジネスパートナーズ)を対象にシナリオ分析を実施しました。各社におけるリスク・機会を抽出のうえ統合、さらに定量可能なリスク・機会については財務影響の算定まで行っています。当社グループは、様々な事業分野で温室効果ガス削減に向けたコンサルティングサービスをすでに提供していますが、気候変動を抑制・適応するための事業に対するコンサルティングサービスは今後もますます増えてくるものと想定しています。

詳細は、当社のホームページをご参照ください。

https://www.id-and-e-hd.co.jp/sustainability/environment/climate-change/

 

リスクの種類

リスクの内容

財務影響算定方法

財務影響金額

1.5℃

4℃

移行リスク

政策(及び)法規制

 

炭素価格の内包化による燃料費等、エネルギー調達コストの増

2023年度のScope1(エネルギー源起源)×成長率×炭素価格

0.5百万円/年~4.3百万円/年

-

炭素価格の導入による光熱費や車両費の増

 

2023年度の光熱費(電気)×成長率×電力価格の変化率

9.7百万円/年

 

-

物理リスク

慢性

異常気象に伴う従業員のオフィス及び事業現場へのアクセス障害

過去最大被害額合計×成長率×発生確率

3.5百万円/年~15百万円/年

7百万円/年~30百万円/年

 

 

 

機会の種類

機会の内容

財務影響算定方法

財務影響金額

1.5℃

4℃

製品及びサービス

再生可能エネルギー関連業務の受注拡大

2023年度の再生可能エネルギー関連の売上金額×(2030年時点のパラメーター-成長率)

1,500百万円/年~2,200百万円/年

-

自然災害や海面上昇に伴う防災・減災・復旧・復興のためのインフラ建設や維持修繕の需要が拡大

2023年度のインフラ関連の売上金額×(2030年時点のパラメーター-成長率)

8,700百万円/年

-

発電・送電関連設備の増強に伴う受注機会の増

2023年度の発電・送電関連の売上金額×(2030年時点のパラメーター-成長率)

2,100百万円/年~5,500百万円/年

 

-

 

 *  財務影響金額は2030年度時点に想定しうる金額(リスクは費用、機会は売上)

 *  対象組織:シナリオ分析を実施した主要グループ会社5社

 *  使用した主要パラメーター:弊社長期経営戦略(成長率)、IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario, IPCC RCP2.6シナリオ、IPCC RCP8.5シナリオ

また、将来的な炭素価格の上昇リスク等を見据え、当社グループは、当社グループの本社を含む3拠点に自社が運営する水力発電所から電力を供給することで、使用電力を再生可能エネルギー100%とする実証事業「NKRE100」を2023年7月より開始しました。この度の取組みを機に、NKRE100の当社グループ国内拠点への展開を含め、地域特性に応じた再生可能エネルギー由来の電力調達や、再生可能エネルギー発電設備導入等のサービス拡大を進めていきます。将来的には他社再生エネルギー電源のアグリゲート、地産地消の再生可能エネルギー電源供給、需給管理や電力取引をサービスとして提供します。

ⅲ) リスク管理

当社グループは、気候変動に起因するリスク(機会を含む)を経営上の重要な課題と捉え、気候変動や生物多様性・自然資本に関わる事項も財務リスク等の分野と併せて、「サステナビリティ推進会議」を中心として、関連する情報を収集・分析し、当社グループの活動方針、活動計画を立案しています。気候変動に関する具体的なリスクのうち事業に悪影響を与えるものについては、上記(1)③に記載したリスク管理プロセスを通じて、グループリスク管理体制に統合しています。

ⅳ) 指標と目標

当社グループは、事業活動による温室効果ガス(GHG)の排出量をモニタリングし、経営に及ぼす影響を評価するため、シナリオ分析と同様に主要グループ会社5社(日本工営、日本工営都市空間、BDP社、日本工営エナジーソリューションズ、日本工営ビジネスパートナーズ)における2023年6月期のScope1、Scope2、Scope3の排出量を算出しています。初年度の算出であったため、会計データを活用して使用量ではなく金額からGHG排出量の算出を行う項目が大半を占めています。正確なGHG排出量を把握するためにデータ収集方法および算出方法の再検討に取り組んでいます。今後は段階的に算出範囲を拡大するとともに、2024年7月から導入した定量プラットフォームでのGHG定量の定常化により、排出量の削減に取り組みます。

 

ID&Eホールディングス主要グループ会社温室効果ガス(GHG)排出量

区分

2023年度排出量(t-CO2

Scope1

 

506.6 t-CO2

Scope2

マーケット基準

4,442.0 t-CO2

ロケーション基準

4,668.0 t-CO2

Scope1・2合計

マーケット基準

4,948.6 t-CO2

ロケーション基準

5,174.6 t-CO2

Scope3

 

68,376.5 t-CO2

 

  *    マーケット基準は、電力会社毎の係数を用いて排出量を計算

  *    ロケーション基準は、国ごとの係数を用いて排出量を計算

  *     2024年4月に公開したTCFD提言に基づく開示内容より排出量を一部修正

 

 

移行計画に基づく2030年削減目標

区分

基準年度(2023年度)

排出量

2030年度排出量

削減率

(年平均削減率)

Scope1

506.6 t-CO2

293.8 t-CO2

42%(6%)

Scope2

4,442.0 t-CO2

2,576.4 t-CO2

42%(6%)

Scope1・2合計

4,948.6 t-CO2

2,870.2 t-CO2

42%(6%)

 

  *     2024年4月に公開したTCFD提言に基づく開示内容より排出量を一部修正

主要グループ会社5社は、2030年度までにScope1とScope2の排出量をSBT(Science-based Targets)と同水準の削減目標としました。Scope3の削減目標は現在設定中です。今後は、SBTの認証と削減目標のコミットメントを進めるとともに、再生可能エネルギー導入の対象拠点を拡大し、Scope2の排出量削減を進めます。今後、TCFD 提言が求める4つの情報開示項目に基づいた情報開示の更なる拡充に取り組んでまいります。

過去の指標の推移については、当社のホームページをご参照ください。(https://www.id-and-e-hd.co.jp/sustainability/sustainability-management/data/

自社における気候変動への取組みに加え、当社グループは、再生可能エネルギー事業、コンサルティング業務を通じた、社会全体を対象としたカーボンポジティブ事業にも取り組んでおり、GHG削減貢献目標を次のとおり設定しています。

目標年:2030年6月期

GHG削減貢献量:直接貢献:36,000(t-Co2)、間接貢献:1,000,000(t-Co2)

 

② 生物多様性・自然資本について 

当社グループは、環境保全、森林保全、生態系保全や環境アセスメント等、自然資本やその保全・管理に資する各種業務・事業を実施してきました。近年の生物多様性保全・自然資本に関する議論の動向に鑑み、2024年6月期には、サステナビリティ経営フレームワークの一環として、これらの分野での自社グループの取組み姿勢や判断の枠組みを示した「自然環境/生物多様性保全に関する行動ガイドライン」を制定しました。第一段階として、2030 年までの世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を念頭に置きつつ、「ネイチャー・ポジティブ」社会の実現に貢献することを目指します。

具体的には、2025年6月期中に、TNFD提言に基づく分析・評価・開示とTNFD Adaptor登録を目指します。また、ネイチャー・ポジティブへの貢献の観点から、生態系維持・回復貢献面積目標を次のとおり設定し、事業に取り組んでいます。

目標年:2030年6月期

生態系維持・回復貢献面積:直接貢献:5ha、間接貢献:100,000ha

 

③ 人的資本について

 当社グループは、企業価値を継続的に向上させるために、当社グループおよびグループ各社の経営戦略と人財戦略が一体となった「人的資本経営」に戦略的に取り組みます。

ⅰ) ガバナンス

当社グループの「人的資本経営」の目指す姿(次項詳述)の実現に向け、2024年7月から当社重要会議体として「人財戦略会議」を設置しました。原則年6回開催し、その協議事項は、定期的に執行役会、取締役会へ報告されます。議長および執行役会で選任された各委員は国内における主要グループ会社(日本工営、日本工営都市空間、日本工営エナジーソリューションズ、日本工営ビジネスパートナーズ)の社長および副社長で構成されます。

「人財戦略会議」で議論された戦略・人事施策の立案および展開に関しては、「人財戦略会議傘下 ワーキンググループ」が中心となり、サステナビリティ推進本部と連携しながら、その取組みを推し進めていきます。

ⅱ) 戦略

当社グループは、2030年の長期経営戦略で掲げた「世界をすみよくする」というミッションに基づき、中期経営計画に「人財育成、先端技術開発、品質管理強化によるID&Eブランド・クオリティの体現」という方針を掲げ、「人財」をID&Eブランドを体現する1つの重要な要素として位置付けています。

具体的には経営戦略に一致したグループ人財戦略を構築するとともに、「人財育成」、「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DE&I)」、「Well-being」の3つを、当社グループの人的資本価値の向上を支える重要な基本戦略として位置付け、その最大化を推進します。

さらに「従業員エンゲージメントを高め、業績の向上だけでなく、離職率の低下・経営ビジョンの浸透率向上・イノベーションを生む企業風土の促進など、幅広い効果をもたらす」ことで、長期的に新たなイノベーションや市場競争力を生み出していく「人的資本経営」を推進し、長期経営戦略ミッションを達成するという好循環をつくることが当社グループの人的資本経営の目指す姿です。

[人財育成方針、DE&I方針、社内環境整備・労働安全衛生方針]

2024年6月期、当社グループは新たに「サステナビリティ経営フレームワーク」を策定し((1)サステナビリティに対する考え方②戦略参照)、この中で、人的資本を構成する3つの課題(「人財」、「DE&I」、「Well-being」)について、下表のとおり方針・行動ガイドラインを策定しました。

 

ID&Eグループ 「サステナビリティ経営フレームワーク」

人的資本にかかる方針・行動ガイドライン

方針

行動ガイドライン

人財育成方針

人財育成に関する行動ガイドライン

ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン方針

ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン行動ガイドライン

社内環境整備・労働安全衛生方針

 

社内環境整備・労働安全衛生に関する行動ガイドライン

 

 

[人財育成、DE&I、社内環境整備・労働安全衛生にかかる主要な取組み]

■人財育成

当社グループの全従業員が共に成長し、未来のグローバルリーダーやID&Eブランドを体現する人財を育成するためのラーニングエコシステムとして、2024年6月期に「ID&E Global Academy」を設立しました。当社グループ全従業員が参加でき、「自分を知る」「共に学ぶ」「世界とつながる」という3つの機能で構成されます。

①「自分を知る」:タレントマネジメントシステムによるデータに基づいた人財管理

②「共に学ぶ」:一元化された教育研修の実施による従業員のスキル・能力の向上

③「世界とつながる」:ステークホルダーとの共創による知のネットワークの構築

 

また、2025年6月期より、「ID&Eグローバルアカデミー」の一つの機能であるタレントマネジメントシステムの運用を開始し、従業員一人ひとりが、現在の自分と将来像を見比べ、自分のキャリアビジョンを自ら描き自律的に成長していく機会を提供することを予定しています。

人財情報を一元化し、スキルや経験、ポジションを可視化することで、各従業員のスキルアップやキャリア形成を支援するとともに、各プロジェクトへの任命や最適人財配置にも活用していきます。

これら機能を人財育成基盤として整備することで、当社グループ内の知を結集すること、それを自律的に学ぶことのできる環境をつくること、また、従業員のそれぞれが自らの学びや経験を発信するなど、当社グループの全従業員がグループ各社の枠を超えて共に成長することを目指します。

ID&Eグローバルアカデミーの具体的な取組みは特設サイトをご参照ください。

https://www.id-and-e-hd.co.jp/academy/

■ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)

当社グループは、性別、年齢、国籍、人種や国籍、障害の有無、性的指向、宗教・信条、価値観、雇用形態などにかかわらず、多様な人財が個性・能力を発揮することが企業の成長には欠かせないものと考え、多様な人財が存分にその能力を発揮できるよう、社内制度や就業環境を整備していきます。

また、今後、多様性の尊重をしながら、エクイティ(多様な人財に対する公正・公平な機会の提供)、インクルージョン(多様性を受容できる風土の醸成)を志向すべく、様々な取組みを推進していきます。

2030年には達成すべき特に重要な数値目標として、「女性管理職比率」「外国人管理職比率」「中途採用者管理職比率」を掲げ、年度ごとに点検および公表を行いながら、その目標値達成に向けて着実に取り組んでいきます。同数値の2024年6月期の実績および2030年の目標については、ⅲ)指標及び目標に後述しています。

 

■Well-being経営(社内環境整備・労働安全衛生)

当社グループは、従業員一人ひとりがやりがいを感じながら働き、仕事上の責任を果たすために労働の質を重視したメリハリのある働き方を追求しています。

従業員の「ワークライフバランス」における施策に積極的に取り組むことで、従業員が身体的、精神的、社会的に健やかな状態で生き生きと働き続けられる「Well-being(ウェルビーイング)」の経営を推し進めています。

具体的には、内閣府の「働き方改革の実行計画」に基づいて、下表に示す9つの基準に「その他」を加えた10基準に分類し、当該基準ごとに各種施策を展開しています。

 

ワークライフバランス施策基準とその制度および取組み(一部を抜粋)

非正規雇用の処遇改善:雇用形態の多様化に対応した制度、正社員登用制度

賃金引上げと労働生産性向上:業績連動賞与制度

長時間労働の是正:過重労働撲滅重点月間の実施、ノー残業デーの実施、労働時間のチェック、

  アラートメール、代休取得の徹底、日曜・深夜残業の原則禁止

柔軟な働き方がしやすい環境整備:サテライトオフィス勤務、在宅勤務、フレックスタイム制度

病気の治癒、子育て・介護等と仕事の両立:育児特別休暇制度、育児短時間勤務制度、育児休業制度、

   介護休業(休暇)制度、育児等を理由に退職した者の再雇用制度

外国人材の受け入れ:会議、社内文書の英語化

女性が活躍しやすい職場環境:女性活躍推進行動計画の展開、女性活躍推進セミナーの実施

人材育成・教育の充実:自己研鑽のための教育支援制度、論文投稿・講演奨励金制度、特命・私費留学制度

高齢者の就業促進:嘱託社員の限定社員制度

その他:会議効率化・会議体数の見直し、ペーパーレス化、従業員の健康増進における諸活動 

 

 

また、当社グループは「グループ健康宣言」を制定し、従業員の健康を経営的な視点で考え、以下のとおり、戦略的に健康増進に資する各種施策・取組みを推進する「健康経営」にも取り組んでいます。

・従業員の健康管理支援:

健康診断受診率100%(契約従業員、社会保険加入義務のあるアルバイトを含む全従業員対象)を前提とした「重症化予防」に重点を置いた施策を展開しています。年1回の健康診断は、婦人科検診や35歳以上75歳以下の全従業員が人間ドックを受診可能とし、充実した検査項目を提供しています。また、所見のある従業員には 当社グループ健康管理室による再検査受診確認や高リスク者への産業医面談を行う等、幅広い予防措置を講じています。

・健康施策セミナー・研修の実施:

「ID&Eグローバルアカデミー」と連動し、健康に関する様々な研修を企画・実施しています。セミナーや研修テーマは、食生活、メンタルヘルス、乳がん等、多岐にわたっています。

・社内ウォーキングイベント「みんなで歩活(あるかつ)」の定期実施:

日常の生活に「歩く」をプラスする「みんなで歩活(あるかつ)」という健康イベントを定期実施しています。部署を超えて任意のチームを組成して日々の歩数を計測し、その合計歩数を競うものです。従業員同士で歩くサイドイベントもあり、コミュニケーションの機会創出の一助となっています。

グループ健康宣言、健康経営、ならびに、その他関連する具体的な取組みは、当社のホームページをご参照ください。

https://www.id-and-e-hd.co.jp/sustainability/social/health-management/

 

ⅲ)指標及び目標

上記ⅰ)およびⅱ)の記載に関し、人的資本にかかる指標及び目標は、以下のとおりです。

指標

2024年度実績/目標

ID&E

日本工営

日本工営都市空間

日本工営

エナジーソリューションズ

日本工営ビジネスパートナーズ

女性管理職比率

2024年度実績

0.0

6.5%

3.6%

0.0%

17.6%

2030年目標

 ―

10%以上

10%以上

5%以上

30%以上

外国人管理職比率

2024年度実績

0.0

0.2%

0.0%

1.0%

0.0%

2027年目標

 ―

1.5%以上

0.5%以上

1%以上

0.5%以上

中途採用者管理職比率

2024年度実績

100

30.6%

25.7%

21.0%

35.3%

2030年目標

 ―

30%以上(維持)

30%以上

30%以上

30%以上(維持)

 

(注) 1. 上記指標の集計範囲は、国内における主要グループ会社(日本工営、日本工営都市空間、日本工営

     エナジーソリューションズ、日本工営ビジネスパートナーズ)です。

2.上表の2024年度実績は2024年6月期末時点のデータです。

3.「外国人管理職比率」のみ2027年までの目標値を示しています。

その他、「サステナビリティ・コミットメント/ターゲット」の「人的資本対応」項目において、2030年および2045年における定性的な指標及び目標を中心に設定しています。

(https://www.id-and-e-hd.co.jp/assets/pdf/sustainability/sustainability-management/ID&E_Sustainability_Management_Framework.pdf)