事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
航空運送事業 | 1,514,934 | 86.5 | N/A | N/A | N/A |
その他 | 236,345 | 13.5 | N/A | N/A | N/A |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社134社および関連会社54社により構成され、「航空運送事業」および「その他」を営んでおり、その事業内容と各事業に係る位置づけおよび事業の種類別セグメントとの関連は、次のとおりです。
(1)航空運送事業 |
次のとおり、当社、子会社30社および関連会社3社、合計34社が行っております。 |
①航空運送事業 |
フルサービスキャリア(FSC)領域は、当社、子会社の株式会社ジェイエア、日本エアコミューター株式会社、株式会社北海道エアシステム、日本トランスオーシャン航空株式会社、琉球エアーコミューター株式会社が行っております。 ローコストキャリア(LCC)領域は、子会社の株式会社ZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパン株式会社および関連会社であるジェットスター・ジャパン株式会社が行っております。 |
②空港旅客サービス |
航空旅客の搭乗手続きおよび案内業務に加えて、運航補助業務、搭載コントロール業務を株式会社JALスカイ等の子会社が行っております。 |
③グランドハンドリング |
手荷物および貨物の搭載、航空機の誘導、客室や機体外部のクリーニング等、空港内地上サービス業務を株式会社JALグランドサービス等の子会社が行っております。 |
④整備 |
航空機、エンジンおよび航空部品の整備等を株式会社JALエンジニアリング等の子会社が行っております。 |
⑤貨物 |
貨物・郵便の取扱い業務、上屋(貨物取扱施設)業務等を株式会社JALカーゴサービス等の子会社および関連会社が行っております。 |
⑥旅客販売 |
JALグループおよび提携航空会社の航空券販売等を株式会社ジャルセールス等の子会社が行っております。 |
⑦マイレージ |
マイレージプログラムの運営等を子会社の株式会社JALマイレージバンクが行っております。 |
⑧空港周辺事業他 |
機内食調製等をジャルロイヤルケータリング株式会社等の子会社および関連会社が行っております。
|
(2)その他 |
マイル・ライフ・インフラ領域として、卸売業、航空運送を利用した旅行の企画販売、手荷物宅配、システム開発・運用、クレジットカード事業等を株式会社JALUX、株式会社ジャルパック、株式会社JALインフォテック、株式会社ジャルカード等の子会社104社および関連会社51社、合計155社が行っております。 |
(注)当社の完全子会社である株式会社ジャルセールスは、2024年4月1日付で当社を存続会社とする吸収合併に より消滅しております。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
(3)留意事項
当社を含む当社グループ航空会社9社は、航空法に基づく本邦航空運送事業者として、国土交通省より事業許可を受けて事業を運営しており、当該許可についての有効期限その他の期限は法令等で定められておらず、当該許可の取消は航空法第119条、失効は航空法第120条にてそれぞれ定められております。当社グループは、当該許可の保持を図るべく適正な社内体制を整えており、現時点において当該許可の取消または失効の原因となる事象はありません。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)は、コロナ禍が収束した新たな環境において、2019年度を上回る利益水準への回復を達成いたしました。一方で、不安定な世界情勢、物価上昇、人材不足など、社会全体に共通する新たな課題に直面しています。こうした経営環境の変化等を踏まえて、当社グループは2024年3月21日に「2021-2025年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2024」を発表いたしました。事業構造改革の推進によりさらなる成長を実現してまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
まず経営課題について、当社グループは、航空輸送のサステナビリティを確かなものにするために大きく三つの 課題に取り組んでいます。カーボンニュートラルの実現、事業構造改革、そして人的資本経営です。カーボンニュートラルの実現に向けては、2023年6月にShell社の航空燃料部門であるShell Aviationと2025年から米国ロサンゼルス国際空港にてSAF(Sustainable Aviation Fuel)を調達する契約を締結しました。これにより「2025年度に全燃料搭載量の1%をSAFに置き換える」という目標を達成できる見込みとなりました。また、同月に省燃費機材の円滑な導入のため、当社として2回目となるトランジションボンドを発行いたしました。さらに、2024年1月に エアバスA350-1000型機を導入し、2024年3月にエアバス社とボーイング社から42機の新型機導入を決定しました。今後も最新鋭省燃費機材の導入を加速し、お客さまに最高のサービスを提供しつつ、国際線を中心に増機・大型化により成長を目指すとともに、より環境に配慮したフライトをご提供してまいります。当社グループのこのようなサステナビリティに関する取り組みやサービス品質等が世界最高水準と評価され、2023年9月にはAPEX(Airline Passenger Experience Association)「WORLD CLASS」を3年連続で受賞し、2023年12月にはESG投資の代表的指数であるDJSI Asia Pacific Index(Dow Jones Sustainability Asia Pacific Index)の構成銘柄に世界の航空業界トップのスコアで2年連続選定されました。今後も「2030年度に全燃料搭載量の10%をSAFに置き換える」という目標達成のため重要となる国内におけるSAF商用化および普及・拡大に向け、ご関係の皆さまと横断的に協力して取り組んでまいります。
事業構造改革については、コロナ禍の経験から事業ポートフォリオを再構築し、特に非航空事業領域での新たなビジネスの創造およびグループ全体の利益拡大を目指しております。マイル・ライフ・インフラ事業領域やLCC事業領域の成長を通じて、レジリエンスと成長性を備えた事業構造を実現してまいります。
人的資本経営については、現在当社グループの人員数はコロナ前と同水準を確保しているものの、今後の人財不足に鑑み、2023年4月には3年ぶりに約2,000名の新入社員を迎え、キャリア採用、インターンシップの募集も開始しました。このほか、将来の航空整備士の養成・確保のためANAホールディングス株式会社と共同で無利子貸与型奨学金「航空整備士育成支援プログラム」を創設し、持続可能な空港グランドハンドリング体制の整備に向け個社の垣根を越えて協力する取り組みを開始しております。また、デジタルや新技術を活用し、少ない人数でも同じアウトプットを実現できるよう社員へのDX教育を実施する等、生産性向上を進めております。2025年3月期は4年ぶりに大幅なベースアップも実施しており、当社グループは今後も人財を資本ととらえて企業価値向上につながる人的資本経営を推進してまいります。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産については、前連結会計年度末に比べ1,286億円増加し、2兆6,492億円となりました。負債については、前連結会計年度末に比べ372億円増加の1兆7,008億円となりました。資本については、前連結会計年度末に比べ913億円増加の9,483億円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上収益は1兆6,518億円(前年同期比20.1%増加)、営業費用は1兆5,422億円(前年同期比14.7%増加)となり、財務・法人所得税前利益(当社は、当期利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。以下「EBIT」という。)は1,452億円(前年同期比124.9%増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益は955億円(前年同期比177.5%増加)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりです。
<航空運送事業セグメント>
当連結会計年度における航空運送事業セグメントの経営成績については、売上収益は1兆5,149億円(前年同期比 20.1%増加)、投資・財務・法人所得税前利益(以下「セグメント利益」という。)は、1,322億円(前年同期比160.7%増加)となりました。(売上収益およびセグメント利益はセグメント間連結消去前数値です。)
フルサービスキャリアにおける国際旅客収入は6,223億円(前年同期比49.1%増加)、国内旅客収入は5,510億円(前年同期比22.1%増加)、貨物郵便収入は1,333億円(前年同期比40.7%減少)、LCCにおける国際旅客収入は621億円(前年同期比129.1%増加)、国内旅客収入は51億円(前年同期比46.3%増加)でした。
部門別売上収益は、次のとおりです。
科目 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
構成比 (%) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
構成比 (%) |
対前年 同期比 (%) |
国際線(フルサービスキャリア) |
|
|
|
|
|
旅客収入(百万円) |
417,526 |
33.1 |
622,399 |
41.1 |
149.1 |
貨物収入(百万円) |
188,902 |
15.0 |
100,367 |
6.6 |
53.1 |
郵便収入(百万円) |
12,241 |
1.0 |
9,766 |
0.6 |
79.8 |
手荷物収入(百万円) |
1,766 |
0.1 |
1,556 |
0.1 |
88.1 |
小計(百万円) |
620,437 |
49.2 |
734,090 |
48.5 |
118.3 |
国内線(フルサービスキャリア) |
|
|
|
|
|
旅客収入(百万円) |
451,127 |
35.8 |
551,026 |
36.4 |
122.1 |
貨物収入(百万円) |
20,017 |
1.6 |
19,591 |
1.3 |
97.9 |
郵便収入(百万円) |
3,631 |
0.3 |
3,642 |
0.2 |
100.3 |
手荷物収入(百万円) |
409 |
0.0 |
491 |
0.0 |
119.8 |
小計(百万円) |
475,187 |
37.7 |
574,751 |
37.9 |
121.0 |
国際線・国内線 合計(百万円) |
1,095,624 |
86.9 |
1,308,841 |
86.4 |
119.5 |
旅客収入(LCC) (百万円) |
|
|
|
|
|
ZIPAIR |
22,449 |
1.8 |
54,082 |
3.6 |
240.9 |
スプリング・ジャパン |
8,224 |
0.7 |
13,253 |
0.9 |
161.1 |
小計(百万円) |
30,674 |
2.4 |
67,335 |
4.4 |
219.5 |
その他 (百万円) |
134,753 |
10.7 |
138,757 |
9.2 |
103.0 |
合計(百万円) |
1,261,052 |
100.0 |
1,514,934 |
100.0 |
120.1 |
(注)金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
輸送実績(フルサービスキャリア)は、次のとおりです。
項目 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
|
国際線 |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
4,348,562 |
6,628,180 |
152.4% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
27,310,618 |
37,201,808 |
136.2% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
38,039,283 |
47,328,460 |
124.4% |
有償座席利用率 |
(%) |
71.8 |
78.6 |
6.8 |
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
2,795,737 |
2,515,410 |
90.0% |
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
125,904 |
104,259 |
82.8% |
国内線 |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
30,109,920 |
35,109,846 |
116.6% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
23,090,624 |
26,771,128 |
115.9% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
35,243,210 |
35,184,302 |
99.8% |
有償座席利用率 |
(%) |
65.5 |
76.1 |
10.6 |
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
280,599 |
282,974 |
100.8% |
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
22,044 |
22,079 |
100.2% |
合計 |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
34,458,482 |
41,738,026 |
121.1% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
50,401,243 |
63,972,937 |
126.9% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
73,282,493 |
82,512,763 |
112.6% |
有償座席利用率 |
(%) |
68.8 |
77.5 |
8.8 |
有償貨物トン・キロ |
(千トン・キロ) |
3,076,337 |
2,798,384 |
91.0% |
郵便トン・キロ |
(千トン・キロ) |
147,949 |
126,338 |
85.4% |
輸送実績(LCC)は、次のとおりです。
項目 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
|
ZIPAIR |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
488,210 |
1,130,315 |
231.5% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
2,471,419 |
6,215,209 |
251.5% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
4,674,955 |
7,979,582 |
170.7% |
有償座席利用率 |
(%) |
52.9 |
77.9 |
25.0 |
スプリング・ジャパン |
|
|
|
|
有償旅客数 |
(人) |
481,206 |
845,485 |
175.7% |
有償旅客キロ |
(千人・キロ) |
409,361 |
902,067 |
220.4% |
有効座席キロ |
(千席・キロ) |
760,306 |
1,286,916 |
169.3% |
有償座席利用率 |
(%) |
53.8 |
70.1 |
16.3 |
(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、
各区間有効座席数(席)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。輸送量(トン・キロ)は、
各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機関)の統計資料に準じた算出基準の大圏距離方式で算出しております。
3.フルサービスキャリア(国際線):日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)
フルサービスキャリア(国内線):日本航空(株)、(株)ジェイエア、
日本エアコミューター(株)、(株)北海道エアシステム、
日本トランスオーシャン航空(株)、琉球エアーコミューター(株)
ただし、前年同期は、
フルサービスキャリア(国際線):日本航空(株)
フルサービスキャリア(国内線):日本航空(株)、(株)ジェイエア、
日本エアコミューター(株)、(株)北海道エアシステム、
日本トランスオーシャン航空(株)、琉球エアーコミューター(株)
4.スプリング・ジャパンの輸送実績には国際線および国内線の合計を記載しております。
5.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
<その他>
株式会社ジャルパックと株式会社JALUXおよび株式会社ジャルカードの概況は、次のとおりです。
株式会社ジャルパック
項目 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前年 同期比 (%) |
海外旅行取扱人数(万人) |
1.7 |
5.9 |
343.4% |
国内旅行取扱人数(万人) |
213.1 |
170.4 |
80.0% |
売上収益 (億円)(連結消去前) |
1,088 |
1,154 |
106.1% |
株式会社JALUX
項目 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前年 同期比 (%) |
売上収益 (億円)(連結消去前) |
279 |
320 |
114.9% |
株式会社ジャルカード
項目 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前年 同期比 (%) |
カード会員数 (万人) |
344.3 |
348.1 |
101.1% |
売上収益 (億円)(連結消去前) |
171 |
132 |
77.0% |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ746億円増加し、7,138億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前利益1,393億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は3,639億円(前年同期は2,929億円のキャッシュ・インフロー)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△1,950億円(前年同期は△1,127億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出および配当金の支払額を主因として、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△1,050億円(前年同期は△384億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産、受注及び販売に該当する業種・業態がほとんどないため、「① 財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断および見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは次のとおりです。
・収益認識
航空輸送に係る収益は、航空輸送役務の完了時に認識しております。
航空輸送に使用される予定のない航空券販売(失効見込みの未使用航空券)は、航空券の条件や過去の傾向を考慮して適切な認識のタイミングを見積り、収益認識しております。
また、当社グループは会員顧客向けのマイレージプログラム「JALマイレージバンク」を運営しており、旅客輸送サービス等の利用に応じて付与するマイレージの内、将来顧客が行使することが見込まれる分を履行義務として認識し、顧客がマイレージの利用に際して選択するサービスの構成割合を考慮して独立販売価格を見積り、取引価格はこれらの履行義務に対して独立販売価格の比率に基づいて配分しております。マイレージプログラムの履行義務に配分された取引価格は契約負債として認識し、マイレージの利用に従い収益計上しております。
・航空機等の減価償却費
航空機、航空機エンジン部品および客室関連資産等の各構成要素の耐用年数決定にあたり、将来の経済的使用可能予測期間を考慮して、減価償却費を算定しております。
・固定資産の減損
当社グループは、期末日現在の対象資産について、減損が生じている可能性を示す事象があるかを検討し、減損の兆候が存在する場合には減損損失の計上要否の検討を行っております。
・繰延税金資産の認識
当社グループは、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で繰延税金資産を認識しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっての見積りに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産については、現金及び現金同等物の増加などを主因として前連結会計年度末に比べ1,286億円増加し、2兆6,492億円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債については、契約負債の増加などを主因として、前連結会計年度末に比べ372億円増加の1兆7,008億円となりました。
(資本合計)
当連結会計年度末における資本については、主に親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ913億円増加の9,483億円となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、収入面では、国際旅客収入(フルサービスキャリア)はインバウンドを中心に需要が回復し、前年対比2,048億円の増収となりました。国内旅客収入(フルサービスキャリア)は、旅客数が回復し、単価も向上したことで前年対比997億円の増収となりました。この結果、売上収益は1兆6,518億円(前年同期比20.1%増加)となりました。
費用面では、燃油費は復便による使用量の増加等により334億円の増加、人件費は採用再開による人員数の増加や業績回復に伴う賞与の増加等により417億円増加しました。一方、コストマネジメントに努めた結果、営業費用全体としては1兆5,422億円(前年同期比14.7%増加)となりました。
以上の結果、EBITは1,452億円(前年同期比124.9%増加)となりました。また、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、955億円(前年同期比177.5%増加)となりました。
セグメント別の分析は次のとおりです。
<航空運送事業>
(国際線 フルサービスキャリア事業領域)
国際旅客事業では、日本における水際対策が終了、自由な往来が再開し、コロナ前を上回る事業規模への成長に向けた準備が整っております。旅客数は、日本発着路線への供給座席数が戻り切らない中において、月次ベースでは訪日旅客数がコロナ前の水準を超えることが増える等、好調なインバウンドが寄与し、コロナ前の約68%まで回復しております。中国線の需要回復の遅れはありますが、業績への影響は限定的であり、需要がコロナ前を上回ったインバウンドに比べ回復の遅れていた日本発の需要も徐々に戻っております。結果として、国際旅客全体の旅客数は前年を大きく上回る水準で増加する中、単価も前年に引き続き高い水準を維持しました。また、2024年度夏期ダイヤより欧州・アフリカ・南米方面への新たなゲートウェイとして羽田=ドーハ線を新規就航しました。さらに、エアバスA350-1000型機の導入により、脱炭素の推進に加え、最新の快適性をご提供し商品サービスの強化も進めてまいります。
(国内線 フルサービスキャリア事業領域)
国内旅客事業では、行動制限がなくなり、以前のような社会経済活動が再開したことで、すでにコロナ前同水準の供給体制でお客さまをお迎えしております。運賃をシンプルな体系へ移行しレベニューマネジメントを強化したことで、お客さまの利便性向上と単価向上を両立できております。その結果、旅客数、単価共に前年対比で増加し、好調を維持しております。2023年度冬期ダイヤより、株式会社北海道エアシステムが札幌丘珠=根室中標津線に新規就航しており、医療・防災を支える札幌市と中標津町をはじめとした根室エリアのつながりを強化することにより地域社会の発展に貢献してまいります。
(貨物)
貨物事業においては、日本発着貨物需要の回復が遅れている中、アジア・中国=北米間の需要獲得に努めるとともに、医薬品・生鮮貨物等の高付加価値貨物の獲得に注力し、コロナ前を大きく上回る収入を確保しました。また、2024年2月よりボーイング767型貨物専用機の運航を開始し、グローバルにロジスティクス事業を展開しているDHL Express社との強固なパートナーシップを軸に、成田/名古屋/ソウル/台北/上海に就航しました。旅客便貨物室と新たに加わった自社貨物専用機の供給を組み合わせ、アジア域内およびアジア=欧米間の最適な航空貨物輸送ネットワークを構築・強化します。社会ニーズをとらえた高品質な物流インフラとして、お客さまの想いに応え社会に貢献し、貨物郵便事業の持続的な成長を実現してまいります。
(LCC事業領域)
国際線中長距離LCCである株式会社ZIPAIR Tokyo(以下、ZIPAIR)は、2023年6月よりサンフランシスコ線、2023年7月からはマニラ線、2024年3月からはバンクーバー線に新規就航し、就航地点は北米・アジアを中心に9地点まで増加しております。ZIPAIRは現在の8機体制から2025年度までに10機体制へ拡大を予定しており、積極的に事業規模を拡大してまいります。中国線の需要が少しずつ回復する中、スプリング・ジャパンは3年8カ月ぶりに成田=上海線の運航を再開しており、ジェットスター・ジャパン株式会社を含めた特徴の異なるLCC3社による成田空港をハブとしたネットワーク構築に努め、若年層やファミリー層等、新たな人流の創出を目指してまいります。
(マイル・ライフ・インフラ事業領域)
2024年1月よりJALグローバルクラブが生まれ変わり、単年度のみのご搭乗実績によるステイタス進呈から、お 客さまの生涯を通じたJAL便のご利用および、日常生活のさまざまなサービスのご利用で、ステイタスポイントが たまり続ける「JAL Life Status プログラム」を開始しました。また、混雑する時期でもマイルで予約できる「特典航空券PLUS」のご利用も増えており、マイルのためやすさ・つかいやすさ向上に取り組んでおります。日常生活のさまざまなシーンでマイルをためて、JALならではの特別な体験へマイルを交換できる「JALマイルライフ」を引き続き推進してまいります。さらに、外国航空会社便のグランドハンドリングの受託便数も順調に回復しております。非航空事業領域では、今後も人やモノのつながりを創造し、新たな収益源にするとともに、つながりを新たな航空需要に結びつけ、航空事業の収益拡大につなげてまいります。
費用面においては、燃油費は復便による使用量の増加の影響を受け、前年より増加しておりますが、燃油市況は比較的安定して推移いたしました。各種費用も供給量の増加や世界的なインフレーションの進行により増加傾向にありますが、コスト抑制努力やイールド向上により対応し、前年対比で大きく増益となりました。今後も、さらなるイールド向上や生産性向上等により収益性向上に努めてまいります。
(今後の見通し)
「2021-2025年度 JALグループ中期経営計画」のうち、最初の3年間が終了し、その実績や経営環境の変化等を踏まえて、当社グループは2024年3月21日に「2021-2025年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2024」を発表いたしました。同中期経営計画の完遂に向け努力してまいります。
2024年3月期はコロナ禍が収束した新たな環境において、EBITはようやく1,000億円を超える利益水準への回復を達成いたしました。2025年3月期は事業構造改革の推進によりさらなる成長を実現してまいります。2025年3月期の通期連結業績予想につきましては、同中期経営計画ローリングプランでお示しした事業環境等を踏まえ、国際線旅客の需給バランスはタイトな状況が続くと想定して、連結売上収益1兆9,300億円、EBIT1,700億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,000億円、と予想いたします。
なお、算出にあたり、米ドル円為替レートは145円、航空燃油費の一指標であるシンガポール・ケロシンの市場価格を1バレルあたり110米ドルとしています。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2023年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束した新たな環境において、EBITは1,000億円を超える水準へ回復いたしました。一方で、不安定な世界情勢、物価高騰や航空・観光業界の人材不足といった、社会全体に共通する新たな課題が顕在化しております。また、SDGs達成や気候変動に対する社会の意識はさらに高まり、企業はESG経営を強く意識した上でその対応を加速していくことが求められております。このような経営環境の変化を踏まえ、当社は、「中期経営計画ローリングプラン2024」を策定し、ESG戦略を価値創造ストーリーに基づく最上位の戦略と定め、2025年度における中期経営計画の達成と、中長期的な成長に向けた取り組みを加速・具体化いたします。当社グループは、社会インフラ・ライフラインとしての責務を果たし、「安全・安心」と「サステナビリティ」を成長のエンジンとして、「JAL Vision 2030」の実現を目指して全社員一丸となって進んでまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、格付評価上の自己資本比率の水準を50%程度に保ち、「シングルAフラット」以上の信用格付(日本の格付機関)の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。
同時に、持続的な成長に向けた取り組みも加速させます。設備投資に関しては、早期に新機材を導入するとともに、LCC事業領域の拡大を図り、グループとしての成長を加速します。
2)経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大により甚大なる影響を受けた経験を踏まえ、適正な手元現預金の水準について検証を実施した結果、イベントリスク発生時に大きな影響を受ける旅客収入規模に応じ、航空券払戻リスクにも一定程度耐えうる水準を設定しております。リスク耐性の強化および資産効率の両立を図るべく、旅客収入の5.0~5.6カ月分(毎月末)を安定的な経営に必要な手元現預金水準(コミットメントライン含む)として確保してまいります。
ESG戦略を加速するための投資を前向きに推進しつつ、業績の回復に伴い、配当性向35%程度の早期実現を目指して株主還元も拡大させることで、企業価値向上に資する経営資源の配分に取り組んでまいります。
3)資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、航空運送事業に関わる燃油費、運航施設利用費、整備費、航空販売手数料、機材費(航空機に関わる償却費、賃借料、保険料など)、サービス費(機内・ラウンジ・貨物などのサービスに関わる費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、成長を加速させるための省燃費機材の導入等の資産投資のほか、生産性向上を目的とした人財投資や、企業価値向上に資するSAF購入等のESG推進費用等があります。
4)資金調達
当社グループは、事業活動の維持および将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
設備投資は、内部資金および外部資金を有効に活用して実施してまいります。設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、十分な手元流動性の確保、資金調達手段の多様化、資本効率の向上を企図し、主要な事業資産である航空機などの調達に当たっては、金融機関からの借入、社債の発行、航空機リース等の有利子負債を一部活用しております。また、ESG投資の推進に向けては、2023年6月に当社として2回目となるトランジションボンドを発行するなど、今後もESGファイナンスを積極的に活用してまいります。
当社は従前から、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、資金調達能力の源泉である強固な財務体質の維持向上に努めてまいります。また、当社は国内2社の格付機関から信用格付を取得しております。本報告書提出時点において、日本格付研究所の格付は「シングルA(安定的)」、格付投資情報センターの格付は「シングルAマイナス(安定的)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、健全な財務体質を有していることから、必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題ないと認識しています。コロナ禍を耐え抜くために機動的な資金調達を実施したことで、有利子負債残高はこの3年間で大幅に増加しましたが、2024年3月末時点においても、格付評価上の自己資本比率は41.0%(注1)、ネットD/Eレシオは0.0倍(注2)と、航空業界においては世界最高レベルの強固な財務基盤を維持できております。
(注)1.格付評価上の自己資本比率=格付評価上の自己資本/総資産
2.格付評価上のネットD/Eレシオ=(格付評価上の有利子負債-現金及び現金同等物)/格付評価上の自己資本
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「2021-2025年度 JALグループ中期経営計画」において、以下を経営目標としております。
(安全・安心)
経営目標である「航空事故(注1)ゼロ・重大インシデント(注2)ゼロ」を達成し、安全のリーディングカンパニーを目指します。目標達成に向けて、安全・安心を最優先に考える文化・意識の継承と継続的な浸透を更に進めるとともに安全・安心を取り巻く社内外の環境変化に対応するために、以下を重点に取り組んでまいります。
・デジタル技術で安全を強化
- 飛行中の揺れを自動で感知し、他機へ共有する新たなシステムの導入
- 航空機の故障を予測し壊れる前に直す取組みの推進
- 業界全体での滑走路誤侵入対策の実施
・次世代への安全への継承
- 実運航を支援する専門人財育成プログラムの開始
- 多様な人財に安全を継承する取組みの実施(三現主義)
- 運航乗務員のメンタルヘルス支援の仕組み構築
2023年度は目標未達成となっておりますが、発生した事案を踏まえて再発防止策を強化し、安全で安心できる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
指標 |
2025年度までの目標 |
2023年度実績 |
航空事故 |
0件 |
1件(注3) |
重大インシデント |
0件 |
1件(注4) |
(注)1.航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災、航行中の航空機の損傷(大修理相当)等
2.航空事故には至らないものの、その恐れがあったと認められる事態。滑走路からの逸脱、非常脱出等
3.航空事故:2024年1月2日、日本航空516便において、着陸後、海上保安庁の航空機と衝突し、滑走路脇で停止、炎上した事案。
4.重大インシデント:2023年7月12日、日本航空585便において、着陸時の予備燃料が不足した事案。
お客さまに心地よい安心をお届けするため、顧客満足度はNPS(Net Promoter Score)を指標とし、目標達成に向け取り組んでいます。
2023年度は、お客さまの航空のご利用がより一層進んだ中、各種商品・サービス品質の向上を図ってまいりました。
国際線では新機材であるA350-1000を導入し、「Design Your Story」をコンセプトとしたサービスを開始するなど、国内線・国際線を通じて、お客さま一人ひとりの価値観にこれまで以上に寄り添った体験づくりに注力しました。また、客室乗務員の接客や保安対応などを中心に、サービスの信頼性にも高評価をいただきました。
外部機関からの評価では、2023年9月に日本で唯一の3年連続となるAPEX(注1)の「WORLD CLASS」(注2)を受賞したほか、2024年4月には7年連続でのSKYTRAX(注3)「5スター」(注4)の認定を受けました。
引き続き、お客さまの多様なニーズや社会課題に合わせて商品・サービスを提供し、世界トップレベルの顧客体験を実現いたします。
指標 |
2025年度までの目標 (2021年度期初対比) |
2023年度実績 (2021年度期初対比) |
NPS 国内線 |
+4.0ポイント |
+6.8ポイント |
NPS 国際線 |
+4.0ポイント |
+3.3ポイント |
(注)1.お客さまの搭乗体験向上のために航空会社や航空関連メーカー、旅行関連企業などで構成する米国を拠点とする非営利団体
2.ポストコロナ時代に航空会社へ求められる最も重要な価値を「サステナビリティ」、「安全・安心とウェルビーイング」、「サービス品質」と定め、世界トップレベルの評価を認定するアワード
3.英国を拠点とする航空会社の格付け会社
4.格付けプログラム「ワールド・エアライン・スター・レイティング」において世界最高品質を示す評価
(財務)
これまで築き上げた高い収益性と強固な財務安定性を兼ね備えつつ、成長に向けた積極的な投資および経営資源の有効活用により常に成長し続けるために、「EBITマージン(売上高利益率)2025年度に10%以上を達成、ROIC(投資利益率)2025年度に9%を達成、EPS(1株当たり純利益)2025年度に290円レベルを達成」を目指します。
2023年度は未達成となっておりますが、高い収益性と強固な財務安定性を目指してまいります。
指標 |
2025年度までの目標 |
2023年度実績 |
EBITマージン(売上高利益率)(注1) |
10%以上 |
8.8% |
ROIC(投資利益率)(注2) |
9% |
7.3% |
EPS(1株当たり純利益) |
290円レベル |
219円 |
(注)1.EBITマージン=EBIT / 売上収益
2.投資利益率(ROIC)=EBIT(税引後)/ 期首・期末固定資産(*)平均
*固定資産=棚卸資産+非流動資産-繰延税金資産-退職給付に係る資産
なお、ROICは社会的価値を考慮した新しい投資効率指標として、「サステナブルROIC(仮称)」の導入を今後検討してまいります。
(サステナビリティ)
環境目標について、「省燃費機材への更新」「運航の工夫」「持続可能な航空燃料(SAF)の活用」によるCO2排出量削減と、客室・ラウンジでの新規石油由来プラスチック全廃、および貨物・空港での環境配慮素材配合への置き換えによる使い捨てプラスチック削減に取り組んでまいります。
地域社会目標について、多くの人々やさまざまな物の流動を創出し、航空会社の根源的な価値である輸送力を活かして、地域活性化に貢献してまいります。
DEI推進目標について、女性社員の意思決定への参画をさらに促すほか、多様な人財の登用と活躍を推進し、会社の持続的な成長と発展に向けて努めてまいります。
|
指標 |
2025年度までの目標 |
2023年度実績 |
環境 |
CO2削減 |
総排出量909万トン未満 (2019年度実績) |
907万トン |
使い捨てプラスチック削減 |
新規石油由来全廃 環境配慮素材へ100%変更 |
新規石油由来を58%廃止 環境配慮素材へ91%変更 |
|
地域社会 |
国内の旅客(注)・貨物輸送量 |
2019年度対比+10% |
旅客+2% 貨物△15% |
人 |
グループ内女性管理職比率 |
30% |
29.8% |
(注)観光需要喚起や新規流動の創造による旅客数の増
セグメント情報
6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、主として国際線および国内線の定期および不定期航空運送事業を行っております。
したがって、当社グループは、「航空運送事業」を報告セグメントとしております。
(2)報告セグメントに関する情報
当社グループの報告セグメントによる収益および業績は次のとおりです。
なお、セグメント間の売上収益は、市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
|
報告セグメント |
|
その他 (注)1 |
|
計 |
|
調整額 (注)2 |
|
連結(注)3 |
|
航空運送事業 |
|
|
|
|
||||
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
売上収益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
1,191,091 |
|
184,497 |
|
1,375,589 |
|
- |
|
1,375,589 |
セグメント間収益 |
69,960 |
|
28,893 |
|
98,854 |
|
△98,854 |
|
- |
合計 |
1,261,052 |
|
213,391 |
|
1,474,443 |
|
△98,854 |
|
1,375,589 |
投資・財務・法人所得税前利益 |
50,713 |
|
10,990 |
|
61,703 |
|
2 |
|
61,706 |
投資収益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
3,970 |
投資費用 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
△1,112 |
財務収益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
2,074 |
財務費用 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
△14,209 |
税引前利益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
52,429 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費、償却費及び減損損失 |
△154,087 |
|
△4,784 |
|
△158,872 |
|
675 |
|
△158,197 |
持分法による投資損益(△は損失) |
△4,775 |
|
1,422 |
|
△3,353 |
|
△0 |
|
△3,353 |
(注)1.その他には、旅行企画販売事業等を含んでおります。
2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去です。
3.セグメント利益は、連結損益及びその他の包括利益計算書の投資・財務・法人所得税前利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
報告セグメント |
|
その他 (注)1 |
|
計 |
|
調整額 (注)2 |
|
連結(注)3 |
|
航空運送事業 |
|
|
|
|
||||
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
売上収益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
1,446,480 |
|
205,410 |
|
1,651,890 |
|
- |
|
1,651,890 |
セグメント間収益 |
68,454 |
|
30,934 |
|
99,389 |
|
△99,389 |
|
- |
合計 |
1,514,934 |
|
236,345 |
|
1,751,280 |
|
△99,389 |
|
1,651,890 |
投資・財務・法人所得税前利益 |
132,208 |
|
9,415 |
|
141,624 |
|
△222 |
|
141,402 |
投資収益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
4,490 |
投資費用 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
△657 |
財務収益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
9,277 |
財務費用 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
△15,206 |
税引前利益 |
- |
|
- |
|
- |
|
- |
|
139,306 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費、償却費及び減損損失 |
△143,993 |
|
△6,929 |
|
△150,922 |
|
962 |
|
△149,960 |
持分法による投資損益(△は損失) |
△1,014 |
|
1,643 |
|
628 |
|
△159 |
|
469 |
(注)1.その他には、旅行企画販売事業等を含んでおります。
2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去です。
3.セグメント利益は、連結損益及びその他の包括利益計算書の投資・財務・法人所得税前利益と調整を行っております。
(3)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
(4)地域に関する情報
外部顧客からの売上収益
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円) |
日本 |
アジア・オセアニア |
米州 |
欧州 |
計 |
724,921 |
239,500 |
298,786 |
112,382 |
1,375,589 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円) |
日本 |
アジア・オセアニア |
米州 |
欧州 |
計 |
850,898 |
324,556 |
352,569 |
123,865 |
1,651,890 |
(注)国または地域の区分の方法および区分に属する主な国または地域
①国または地域の区分方法
地理的近接度により区分しております。
②各区分に属する国または地域
アジア・オセアニア:中国、韓国、台湾、インド、インドネシア、オーストラリア、グアム
シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア
米州:アメリカ合衆国(除くグアム)、カナダ
欧州:イギリス、フランス、ドイツ、フィンランド、ロシア
非流動資産(金融資産および繰延税金資産を除く)
本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の金額の大部分を占めるため、記載を省略しております。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、特定の顧客への売上収益であって、連結損益及びその他の包括利益計算書の売上収益の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。