事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 104,075 | 100.0 | 4,668 | 100.0 | 4.5 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、長らく大手数社の寡占により運賃が高止まり状態にあった航空業界に競争原理を起こすべく設立された航空会社であります。当社は設立以来、安全運航を使命とし、社会に役立つ存在となるべくお客様に適正な運賃を提供することを理念としております。なお、当社は、航空事業の単一セグメントであり、セグメント情報の記載を省略しております。
(1)事業の概要
当社の航空事業の概要は次のとおりであります。
事業 |
概要(2024年3月31日現在) |
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航空事業 |
旅客運送事業 |
定期航空運送事業 |
羽田―新千歳線(1日9往復) |
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羽田―神戸線(1日6往復) |
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羽田―福岡線(1日12往復) |
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羽田―鹿児島線(1日4往復) |
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羽田―那覇線(1日6往復) |
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羽田―宮古(下地島)路線(1日1往復) |
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茨城―新千歳線(1日2往復) |
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茨城―福岡線(1日1往復) |
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茨城―那覇線(1日1往復) |
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中部―新千歳線(1日3往復) |
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中部―鹿児島線(1日2往復) |
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中部―那覇線(1日3往復) |
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神戸―新千歳線(1日4往復) |
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神戸―仙台線(1日2往復) |
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神戸―茨城線(1日3往復) |
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神戸―長崎線(1日3往復) |
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神戸―鹿児島線(1日2往復) |
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神戸―那覇線(1日4往復) |
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神戸―宮古(下地島)路線(1日1往復) |
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福岡―新千歳線(1日1往復) |
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福岡―那覇線(1日3往復) |
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鹿児島―奄美線(1日2往復) |
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那覇―宮古(下地島)路線(1日2往復) |
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不定期航空運送事業 |
国内外への不定期旅客(チャーター)便を運航しております。 |
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附帯事業 |
旅客運送附帯業務 |
旅客運送において予約のキャンセル及び変更サービス、手荷物受託サービス及びペット受託サービス等を提供しております。 |
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広告宣伝業務 |
当社が運航する航空機にて提供している機内誌、機内サービス等を活用し、広告枠の販売を行っております。 |
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訓練設備等賃貸業務 |
他の航空会社に対し、模擬操縦訓練装置(シミュレーター)及び航空機地上作業車両等の貸し出しを行っております。 |
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商品販売業務 |
当社が運航する航空機の機内にて当社のグッズ等を販売しております。 |
(2)事業の特徴
当社は、1996年11月の設立後、定期航空運送事業に係る路線免許(当時)取得の活動を経て1998年9月19日、航空機1機(ボーイング767-300型機)により羽田=福岡線(3往復/日)に就航いたしました。航空運送事業における規制緩和政策を受け、大手航空会社(当時3社)に対し半額運賃を武器に、適正な航空輸送サービスの提供を理念に新規航空会社として参入いたしました。当社の参入によって新たに航空運送事業での競争状態の創出に貢献し、効率的な航空機への転換、運航路線の拡充に努め、世界有数の市場規模を誇り、寡占的な構造を持つ日本の国内航空市場において、国内航空会社の第三極として航空運送事業での足場を固めました。現在は、北は北海道から南は沖縄県・宮古(下地島)まで、12空港・23路線・1日当たり154便の運航(2024年夏ダイヤ、2024年3月31日時点)をボーイング737-800型機にて行っております。
当社は、世界的にも利用旅客数の多い空港の一つであり、首都圏からのアクセスもよい東京国際空港(羽田空港)を主要拠点としております。羽田空港を拠点とする路線は、旅客単価が高く、収益性に優れているため、当社は、これらの路線に戦略的に集中して運航することとしており、2023年度の当社の旅客収入、旅客数及び運航便数における羽田空港国内路線の占める割合は、それぞれ、約60%、約54%及び約51%となっております。
また、当社は、保有・運用コストが比較的低廉な小型機(ボーイング737-800型機)のみの単一機材で運航しています。これにより、運航乗務員や整備士に必要なライセンスも1種類となり、人的資源を効率的に活用することができます。加えて、航空機部品などの物的資源についても複数機種を運用する場合に比べて大きくコストが抑制されます。
当社は、「リーズナブルな価格」「シンプル・わかりやすい商品」をコンセプトに、大手航空会社、LCC(格安航空会社)各社との運賃競争での価格優位性を確保し、継続的に利用者に対し、利用し易い価格帯を訴求し続けることを行っております。また、運航品質の向上(定時運航率№1(注)、低い欠航率)、顧客満足度の向上(無料でのコーヒー、緑茶の提供)、地域共生の強化(特定地域を対象とした需要喚起キャンペーンの実施など)は、営業活動を行う上での認知度向上に役立っており、低運賃に加え、一定重量までの手荷物無料受託、変更・取消に係る制限(手数料等)の緩和等、付加価値を提供することで旅客の支払総額における優位性を確保しております。
当社については、伝統的にレジャーやVFR(知人・家族訪問)等の非ビジネスの旅客の割合が高く、ポストコロナにおける非ビジネスの旅客需要の回復は、ビジネスの旅客需要に比べ、より早いものとなっております。加えて、当社は、大手航空会社、LCC各社と異なり国内線のみを運航しておりますが、国内線需要は、国際線需要に比べて、安定して推移するほか、新型コロナウイルス感染拡大による需要減少からの回復は早く足元はコロナ前を上回る旅客需要となっております。また、円安による国内旅行への需要シフトやインバウンド回復など事業環境の好転も見られております。
当社は、2015年の民事再生手続以降、ガバナンスの強化、機材の統一、運用コスト削減、路線の選別等の改革を実施し、柔軟な運航便数調整による変動費抑制や、機材コストや委託費を中心とした固定費削減の施策を実施するなど、コスト削減に取り組んで参りました。今後とも当社は適正な運賃水準を確保しながら、安定した高い運航品質の維持及びお客様へ温かく誠実なサービスを提供することで顧客満足度を高め、高い座席利用率を安定的に維持することで収益の安定確保を図って参ります。
(注)出典:国土交通省HP「航空輸送サービスに係る情報公開」
事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」という。)の5類感染症への移行に伴い経済及び社会活動の正常化が進み、持ち直しの動きがみられました。一方で、原材料価格・エネルギー価格の高騰、米国の金融政策の影響を受けた円安進行、地政学リスクの高まりによる不安定な世界経済など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社が事業を展開する航空業界の国内線市場においてはコロナ流行前の水準に近づく回復を見せ、好調に推移いたしました。円安による旅行者の国内旅行へのシフトや訪日観光客の増加など、旺盛な旅客需要は継続する見通しとなっております。
このような環境下において、当社の当事業年度における旅客需要はレジャー・VFR※1を中心に、期初よりコロナ前を上回る水準で推移し、有償旅客数は7,948,495名(前年同期比13.2%増)と多くのお客様にご搭乗いただきました。コストにおいては、大幅な円安進行や原油価格の高騰、世界的なインフレ圧力の高まり等により想定以上に増加いたしましたが、お客様に提供するサービス品質をより一層を磨き上げながら適切な価格設定を実施し、前年比9.2%増の12,756円に単価を引き上げながらも搭乗率は82.7%と高い水準を保つことで、増益を実現いたしました。
また、当社の中長期における成長戦略施策の一つとして高品質なサービス提供を目指す中で、定時運航率は6年連続第1位を達成、更にはJCSI(日本版顧客満足度指数)調査の「国内長距離交通部門」において2年連続で顧客満足第1位を獲得いたしました。
※1.Visit Friends and Relatives:友人親族訪問
当事業年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ2,953百万円増加し、110,790百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ986百万円減少し、82,932百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ3,939百万円増加し、27,857百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度における事業収益は104,075百万円(前年同期比22.9%増)、営業利益4,668百万円(前年同期比35.2%増)、経常利益7,463百万円(前年同期比101.0%増)、当期純利益2,997百万円(前年同期比47.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて4,389百万円増加し、26,909百万円(前事業年度末は22,519百万円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果、獲得した資金は8,179百万円(前事業年度は5,911百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益7,463百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果、支出した資金は2,186百万円(前事業年度は2,269百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,682百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果、支出した資金は2,326百万円(前事業年度は9,608百万円の獲得)となりました。これは主に自己株式の取得による支出1,393百万円、長期借入金の返済による支出500百万円、配当金の支払による支出275百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.営業実績
当事業年度の営業実績の状況は、次のとおりであります。
科目 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比 |
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金額(百万円) |
構成比(%) |
(%) |
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航空運送事業収入 |
旅客収入 |
101,395 |
97.4 |
123.6 |
貨物収入 |
11 |
0.0 |
40.0 |
|
航空運送事業収入合計 |
101,406 |
97.4 |
123.6 |
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附帯事業収入 |
附帯事業収入 (航空運送に附帯関連する事業) |
2,669 |
2.6 |
103.1 |
合計 |
104,075 |
100.0 |
122.9 |
(注)1.当社は航空事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
b.輸送実績
当事業年度の輸送実績の状況は、次のとおりであります。
項目 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比 (%) |
国内線 |
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有償旅客数(人) |
7,948,495 |
113.2 |
有償旅客キロ(千人・キロ) |
8,422,868 |
113.1 |
有効座席キロ(千席・キロ) |
10,186,882 |
101.6 |
有償座席利用率(%) |
82.6 |
111.3 |
(注)1.有償旅客キロは、各路線各区間の有償旅客数(千人)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
2.有効座席キロは、各路線各区間の有効座席数(千席)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて旅客需要の過去の動向や将来の機材導入及び整備計画、過去の整備実績等を勘案してその時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しております。しかしながら見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りに用いた仮定は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の翌事業年度の財務諸表に与える影響は、翌事業年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当事業年度末の資産合計は110,790百万円となり、前事業年度末に比べ2,953百万円増加しました。流動資産合計は10,039百万円増加しましたが、これは主に円安に伴う外貨預金の増加及び長期預け金の返還に伴う未収入金の増加によるものです。また、固定資産合計は7,086百万円減少しましたが、これは主に繰延税金資産の減少及び長期預け金の返還によるものです。
(負債合計)
負債合計は82,932百万円となり、前事業年度末に比べ986百万円減少しました。これは主に、好調な旅客需要に伴う契約負債の増加1,522百万円、燃油デリバティブ取引に係るデリバティブ債務の減少1,359百万円、未払消費税等の減少331百万円によるものです。
(純資産合計)
純資産合計は27,857百万円となり、前事業年度末に比べ3,939百万円増加しました。これは主に、当期純利益の計上による繰越利益剰余金の増加2,670百万円、為替予約等のデリバティブ取引による繰延ヘッジ損益の増加2,638百万円によるものです。
2)経営成績
当社は、航空事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
(運航体制等の状況)
当事業年度においては、コロナの影響も限定的なものとなり、特に第5類感染症への移行されることが決まった後の旅客需要はコロナ前を大きく超える水準となり、その取り込みのため事業年度を通して全便運航体制としました。加えて週末や連休などの高需要期には羽田=福岡線を中心に追加定期便を設定し、収益の拡大に努めました。
その結果、当事業年度の運航便数は55,087便となり、運航機体数は同じながらもコロナの影響の残った前事業年度と比べて1.6%増加しました。
(事業収益及び営業費用の状況)
当事業年度においては、好調な旅客需要を取り込むことができた結果、有償旅客数が前年同期比13.2%増の7,948,495名と運航便数の増加以上の伸び率となり、事業収益は104,075百万円(前年同期比22.9%増)となりました。事業費については、急激に進行した円安及び世界的なインフレを受けた諸物価の高騰などにより93,377百万円(前年同期比23.3%増)となりました。こうした費用増を事業収益が一定程度カバーし営業利益は4,668百万円(前年同期比35.2%増)となりました。経常利益は円安に伴う外貨建資産に係る為替差益の計上により7,463百万円(前年同期比101.0%増)となりました。
当期純利益は繰延税金資産の取崩による法人税等調整額の計上により、2,997百万円(前年同期比47.7%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の事業領域である航空業界は、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により旅客需要の大部分が蒸発するなど業績に大きな打撃を受けましたが、2023年5月の第5類感染症への移行により名実ともにポストコロナ時代に入り、旅客需要も新型コロナウイルス感染症拡大以前の状況に戻ってきております。一方で、世界的なインフレや円安、高止まりしている原油価格等、取り巻く環境は引き続き注視しなければならない状況にあります。
このような環境のもと、当社において、今後、羽田空港をはじめとする当社就航空港の発着枠拡大、レジャー、インバウンド需要の拡大などの多くの成長機会があるものと考えております。こうした成長ステージを見据え、当社では安全運航を大前提に、マイページ機能の進化やデータ活用などにより顧客体験価値を向上することで需要を更に掘り起こし、かつ、大幅な燃費改善が見込まれる次世代機材の導入等により低コスト運航を堅持することで、様々なリスクが顕在化する競争環境下においても安定的に利益を確保することができる体制を築いてまいります。
また、当社はこうした安全で安心かつ高品質な航空サービスを身近な価格であらゆる人々に提供することを通じて社会の持続的な発展に貢献することを「サステナビリティ基本方針」として掲げており、次世代機材の導入、運航効率の改善、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の利用等による気候変動への対応、社員の働き方や働きがいの向上への施策の実施、地方自治体や企業との連携に積極的に取り組んでまいります。
加えて、新規路線の検討においては、国内主要空港のみならず地方と地方を結ぶ路線も含めた多角的な検討を行っております。ビジネス・観光需要だけでなくその地域の需要に応じた路線就航を検討し、チャーター便についても状況に応じて実施する方針であります。
なお、当社では次期の業績予想にあたり、為替レートは1ドル=145円(ヘッジ後138.5円)、ドバイ原油価格は80ドル/BBL(ヘッジ後81.0ドル/BBL)を前提としております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社は新型コロナウイルス感染症の拡大により毀損した財務基盤強化のため2022年7月に株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行、株式会社日本政策投資銀行をアレンジャーとして300億円の借り入れ(借入期間1年)を行っておりましたが、2023年7月にそのうち100億円を借入期間3年(注)、200億円を借入期間1年として借換を行いました。
(注)100億円のうち45億円は3年間での分割返済、55億円は3年後の期限一括返済
また、2022年12月14日には次世代航空機材の導入費用を確保すること等を目的として東京証券取引所グロース市場に上場し、併せて行った公募増資により約142億円の資金を調達しております。
これらの対応により、当事業年度末における有利子負債の残高は31,096百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は26,909百万円となっております。