事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 897 | 100.0 | -107 | 100.0 | -11.9 |
事業内容
3 【事業の内容】
(1) 事業の特徴
当社は、コリネ型細菌という微生物を活用した高効率な発酵技術(バイオプロセス)をコア技術として設立された技術開発型ベンチャーであります。
当社は、現在石油を原料として生産されている化学品を、農業残渣や食品残渣等のバイオマス由来のものに転換、又は従来バイオマスより生産されている製品につき、より効率的な生産方法に代替していくことによる、持続可能な社会の実現を経営理念として掲げており、当社の技術により、石油を使わず、バイオマスから化学品を作る「バイオエコノミー」と資源の循環により持続的な社会を作る「サーキュラーエコノミー」の両方を同時に実現してまいります。
そして、今後、増加してくるであろう世界中のバイオリファイナリープラントにおいて当社の技術が使われ、「創造的な技術力、提案力でバイオリファイナリー分野を牽引し、常識を変革する企業になる」ことを目指しております。
当社は、自らは生産設備を保有せず、研究開発事業とライセンス・製品販売事業の2つのビジネスモデルを軸としております。新技術の商用化には、大別して4つの段階があり、技術開発の対象を選定するStage0、技術的及び市場的な可能性を実証するStage1、対象製品に対する需要を抱える企業等と最適な菌体及び生産プロセスを開発するStage2、そして事業化された技術のパイロットテストの実施、パイロットテスト後の商用化された技術をパートナー企業等にライセンス供与、又は当該技術を使用した自社販売(外部へ委託生産し、当社が販売)するStage3となります。
各Stageにおける具体的な実施事項は次のとおりであり、Stage2(開発段階)においては、主として研究開発収入、Stage3(商用化段階)においては、主としてライセンス一時金、ロイヤリティ収入又は製品販売収入を収益として計上しており、特許権等の活用による長期的かつ安定的な収益形態を目指しております。
なお、自社販売においては、Stage2を自社開発、Stage3のパイロットテスト及び量産実証を委託先とともに自社で進める想定であり、得られる収入はパイプラインを通じて製品販売収入のみとなります。
① Stage0~1「研究段階」
・開発品候補の選定:市場の需要等より開発すべき化学品の候補を選定
・PoC(Proof of Concept):開発候補品の技術的な開発可能性、特許権の抵触の有無、市場規模、競合製品及び市場優位性等の確認
② Stage2「開発段階」
・菌体の設計及び開発:意図する化学品を効率的に生産する菌体の設計、開発
・生産プロセスの開発:意図する化学品を生産可能な菌体をラボレベルで増殖させるプロセスの開発
・生産プロセスのスケールアップ:実機レベルで菌体を増殖可能とするためのシミュレーション等の実施
③ Stage3「商用化段階」
・パイロットテストの実施:ライセンス候補先又は当社における、Stage2で得られた菌体及び生産プロセスにかかる知見を基にしたパイロットスケールで化学品を生産実証
・量産プラントの立上げ:ライセンス契約の締結後の、ライセンシーにおける商用化のための量産プラントでの試作とサンプル提供等(商用生産準備)
・製造販売:ライセンシーにおける商用生産又は当社における委託生産の開始及び製品(化学品)販売の実施
当社においては、開発対象とする製品や提供するサービス等の区分とパートナー企業の組合せごとに、このような研究開発から商用化までの流れに沿って進められる案件をパイプラインと称しております。
主としてStage2が研究開発事業、Stage3がライセンス・製品販売事業の領域であり、研究開発事業がライセンス・製品販売事業へと成長することから、これらのビジネスモデルを総じて1つのバイオリファイナリー事業というセグメントとしております。
売上高にかかるパイプライン総数の推移は次のとおりであります。
注.当該事業年度中に売上を計上したパイプラインの数
※1 マイルストン数は、研究開発の契約形態により異なります。
※2 成功確率、各期間は、2023年9月末時点のパイプライン実績平均より算定しております。
※3 出展:厚生労働省「医薬品ビジョン2021」
※4 出展:日本製薬工業協会資料及び各社有価証券報告書より当社にて作成しております。
(2) 技術の特徴
当社が得意とするバイオリファイナリー技術は、次の4つの特徴を有します。これらの特徴的な技術の組合せによって、遺伝子操作により高度に機能が設計された微生物を活用した、高効率なバイオプロセスを実現しております。
① 増殖非依存型バイオプロセス
従来の発酵法によるバイオマスからの化学品の生産は、微生物の生命活動(増殖)を利用し、その生命活動のための多段階の酵素反応(代謝)の過程で生成される物質を得るものであります。よって微生物の分裂増殖に依存して生産を行います。
そのため、増殖のためのエネルギー、場所、時間を必要とし、石油等の非バイオマスからの化学反応による生産と比較して生産性が大幅に低く、経済的な障壁となっておりました。
しかし、増殖非依存型バイオプロセスは、微生物(コリネ型細菌)が、増殖できない酸素抑制条件において、増殖をしないものの代謝活性を高く維持するという特徴に着目し、増殖をさせずに代謝のみを行わせることにより、低コストで高い生産性を発揮する独創的な発酵法であります。
増殖非依存型バイオプロセスでは、大量に培養したコリネ型細菌を反応器に高密度に充填し、酸素抑制条件下で増殖を停止させてコリネ型細菌の活動を物質生産に集中させる手法により、従来の発酵法と比較して高い原料効率で小規模な設備で短時間に対象物質を多量に得ることができます。
また、増殖に依存しないため、非可食バイオマスを原料とする代謝の過程で生じるフェノール類やアルデヒド類、有機酸類等の副生物による、発酵阻害(増殖阻害)の影響をあまり受けずに生産することができます。
② 微生物の改良
より高効率な生産を実現するために、微生物自体についても、複数の遺伝子を破壊、もしくは導入する遺伝子組換えにより、副生物の生成を抑えて原料の利用効率を高める等の代謝経路の最適化や、酵素特性の改変、特定物質への耐性の付与等の開発を行っております。
とうもろこしや小麦、サトウキビといった可食バイオマスは主として炭素数が6のグルコース、ガラクトース、マンノース等の糖類(以下、「C6糖」という。)から構成されます。一方、とうもろこしの葉、茎(コーンストーバー)や稲わら、サトウキビ搾汁後の残渣(バガス)、廃材といった非可食バイオマスは、C6糖に加えて、炭素数が5のキシロースやアラビノース等の糖類(以下、「C5糖」という。)も多く含まれます。
バイオプロセスに利用される微生物の多くは代謝においてC6糖を原料とし、C5糖を利用することを苦手としていますが、コリネ型細菌は、遺伝子組換えにより、C6糖とC5糖の同時利用を可能とし、また生産性も向上されることから、これまで廃棄物として処理されていた非可食バイオマスを化学品の原料としてより有効に利用することができます。
③ CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)を使った効率的なスケールアップ
モノづくりにおいて、ラボスケールで良いデータが得られても、商用スケールにした場合、同様の結果が得られるとは限りません。特に、バイオリファイナリーでは、菌体という生きものを扱っていることから、設備の種類や大きさ、生産規模等の環境によって菌体のパフォーマンスが大きく異なることから、これまで商用スケールにおける生産予測が難しく、少しずつスケールアップするというのが常道でありました。
当社は、バイオ生産プロセスにおけるCFDに基づくコンピュータシミュレーションシステムを開発しており、本システムの活用により、精度良く各環境下における生産条件を予測し、短期間、低コストでスケールアップすることが可能となります。
※ 従来のコンピュータシミュレーションでは、気体・液体・固体が混在する培養槽内の環境を再現するのは困難であります。
④ リサイクルプロセス
グラム陽性菌であるコリネ型細菌は、細胞壁が厚く丈夫であることから壊れにくく、バイオプロセスにより生産された化学品を含む溶液から濾過、分離されたコリネ型細菌は、繰り返し利用することが可能であります。
(3) 事業系統図等
当社の事業系統図は次のとおりであります。
※1 OEM(Original Equipment Manufacturer):委託者のブランドで製品を生産すること、又は生産するメーカーのこと
※2 2024年9月期からの売上計上を計画している収益化手法
(4) 用語
本書で使用する用語の解説は次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 市場状況並びに経営成績の概要及び分析
2023年は欧米の物価高や金融引締めにより、経済成長は鈍化しているものの、日本においては新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方、ロシア・ウクライナ情勢や米国の金利及び日本の金利政策に関連した急激な円安の進行、原材料価格やエネルギー価格の上昇により、依然として先行き不透明な状況が続くことが見込まれます。
このような状況下であるものの、2022年度のバイオファウンドリ事業においては、バイオファウンドリ研究所の構築にあたって追加的な予算が交付されました。また、国内大手企業とのバイオ樹脂原料にかかる研究開発契約の締結やオイルパーム廃木にかかる調査契約の締結に至っております。
以上の結果、当事業年度は売上高897,422千円(前年同期比53.4%増)、営業損失106,917千円(前期営業損失99,065千円)、経常損失108,156千円(前期経常損失113,873千円)となりました。当期純損失については、112,215千円(前期当期純損失234,324千円)となりました。
なお、当社はバイオリファイナリー事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の分析
a 資産
当事業年度末における流動資産は2,637,473千円となり、前事業年度末に比べ746,832千円減少いたしました。これは主に売上高に紐づく研究開発活動にかかる仕掛品が49,187千円増加した一方、バイオファウンドリ事業における設備投資のうちNEDOの所有分による立替金が353,580千円、現金及び預金が339,908千円、売掛金が87,640千円減少したことによるものであります。固定資産は34,624千円となり、前事業年度末に比べ34,624千円増加いたしました。これは主にリース資産が14,385千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は2,672,098千円となり、前事業年度末に比べ712,207千円減少いたしました。
b 負債
当事業年度末における流動負債は396,223千円となり、前事業年度末に比べ578,623千円減少いたしました。これは主に未払金が34,636千円増加した一方、バイオファウンドリ事業における設備投資等費用の概算額の入金による仮受金が636,829千円、前受金が46,050千円減少したことによるものであります。固定負債は165,385千円となり、前事業年度末に比べ26,301千円減少いたしました。これは主にリース資産の賃貸借により長期リース債務が9,897千円増加した一方、借入金の返済等により長期借入金が44,810千円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は561,609千円となり、前事業年度末に比べ604,924千円減少いたしました。
c 純資産
当事業年度末における純資産合計は2,110,488千円となり、前事業年度末に比べ107,283千円減少いたしました。これは新株予約権行使により資本金が3,906千円、資本準備金が3,906千円増加した一方、利益剰余金が112,215千円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は78.9%(前事業年度末は65.5%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、本項目において「資金」という。)については、前事業年度末より339,908千円減少し、2,401,060千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、支出した資金は321,199千円(前事業年度においては337,564千円の獲得)となりました。これは主にバイオファウンドリ事業における設備投資のうちNEDOの所有分による立替金の減少額353,580千円、売掛金の回収に伴う売上債権の減少額87,640千円の増加要因があったものの、主としてバイオファウンドリ事業における設備投資等費用の概算払いによる仮受金の減少額636,829千円、税引前当期純損失108,156千円、売上高に紐づく研究開発活動にかかる仕掛品を含む棚卸資産の増加額48,488千円、前受金の減少額46,050千円の減少要因によるものであります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、支出した資金は13,410千円(前事業年度においては36,477千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出12,956千円の減少要因によるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、支出した資金は5,299千円(前事業年度においては1,612,812千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権行使による株式の発行による収入2,772千円の増加要因があったものの、リース債務の返済による支出4,567千円、及び長期借入金の返済による支出4,070千円の減少要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b 受注実績
当社が提供する役務の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社はバイオリファイナリー事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
注1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。
また、次の文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、過去の実績や市場動向を勘案し、合理的に判断しておりますが、不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表にかかる重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
特に次の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当社の将来の事業計画を基に、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
将来の事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、当社の将来の課税所得見込みや想定実効税率等、現状入手可能な将来情報に基づき、合理的に将来の税金負担を軽減する効果を有し、回収可能性があると考えられる範囲内で計上することとしております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上額に影響する可能性があります。
② 経営成績の分析
a 売上高
当事業年度における売上高については、前事業年度より312,260千円増加し、897,422千円となりました。これは主にバイオリファイナリー事業のインフラ整備を目的として受託しているバイオファウンドリ事業等の国のプロジェクト、並びに石油資源の枯渇、CO2削減又は使い捨てプラスチックにかかる法的及び業界の規制を見据えた企業の、石油由来の化学品からバイオマス由来の化学品への転換の需要の伸長による、研究開発契約の締結によるものであります。
b 売上原価
当事業年度における売上原価については、前事業年度より222,666千円増加し、478,080千円となりました。これは主に当事業年度において、バイオファウンドリ事業を始めとする研究開発契約に紐づき発生する外注費及び間接原価が前事業年度と比較して増加したことによるものであります。
c 販売費及び一般管理費及び営業損失
当事業年度における販売費及び一般管理費については、事業規模の拡大に伴う増員及び増員に伴う各種経費の増加の結果、前事業年度より97,446千円増加し、526,259千円となりました。以上の結果、営業損失は106,917千円となりました。
d 営業外収益、営業外費用及び経常損失
当事業年度における営業外収益については、前事業年度より11,781千円減少し、684千円となりました。また、営業外費用については、前事業年度より25,350千円減少し、1,924千円となりました。これは主に上場関連費用19,569千円の減少等によるものであり、以上の結果、経常損失は108,156千円となりました。
e 特別利益、特別損失及び当期純損失
当事業年度においては、特別利益の発生はなく、固定資産除却損0千円の特別損失が発生しました。また、法人税、住民税及び事業税2,025千円、及び法人税等調整額2,032千円を計上した結果、当期純損失は112,215千円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社は、自らは製品の生産設備を保有せず、研究開発に必要な設備のみを有し、技術を提供する事業形態であることから、資金需要の主なものは、菌体及びバイオプロセスの基礎開発にかかる研究開発費その他人件費等の事業活動費でありますが、2022年9月期より、バイオファウンドリ事業において、インフラ整備のための新たな研究施設の建設、発酵槽や自動化機器等の研究開発設備への大規模な追加投資を行っております。ただし、これらの固定資産は事業期間中においては、NEDOが所有するものとなり、事業終了後に簿価買取となります。
運転資金については、2020年9月期においては新型コロナウイルス感染症による経済の低下の可能性を鑑み、融資により60,000千円を調達しており、2021年9月期においても100,000千円の融資及び第三者割当増資による株式発行により550,000千円を調達しております。
さらに、2022年9月期においては上場に伴う株式発行の有償一般募集及び有償第三者割当により1,617,875千円を調達しております。
上述の大規模投資についてはバイオファウンドリ事業の事業予算及び上場に伴う株式発行による調達資金を充当いたします。なお、それ以降は現時点において大規模な資金需要の計画はなく、基本的に流動性の高い銀行預金により賄う方針であります。
⑤ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析
当社は、新興市場であるバイオリファイナリー業界においては、当面、売上高の拡大が同業界における企業成長を示すものと考えており、目標とする経営指標として売上高を掲げております。
売上高実績については、国等のプロジェクトの契約の締結による受託収入、並びに研究開発契約の締結による研究開発収入及びライセンス契約の締結によるライセンス一時金等の計上により、前事業年度は585,161千円(前年同期比16.4%増)、当事業年度は897,422千円(前年同期比53.4%増)であります。売上高は、現時点において上述の方針どおりの進捗となっており、堅調に推移しているものと認識しております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、経済動向、世界市場を対象としたライセンス契約による製品の市場展開、特定の第三者の技術を基盤とする事業展開、技術の損失、漏洩及び知的財産権の侵害等によるリスクを認識しております。
これらのリスクに対応するため、当社は、製品の市場動向を見据え、ライセンシーとの密な提携により、予算や各種計画の精度を上げるとともに、研究開発活動への投資を拡大して、当社単独による特許権の取得や多様な製品を対象とした研究開発を推進し、併せて情報セキュリティの拡充を含む内部統制の向上により、情報資産の管理、保全に取り組んでまいります。