2026年5月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 36,322 100.0 1,167 100.0 3.2

 

3 【事業の内容】

(1)事業の概要

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社(㈱アイブリット、㈱ドゥアイネット、Radiant Communication Sdn. Bhd.及び同社子会社Radiantcom Services Sdn. Bhd.、Reverb Digital Technologies Sdn. Bhd.)の計6社で構成されており、自社開発のクラウドPBX(注1) Omnia LINK(オムニアリンク)等のデジタル技術を活用したコンタクトセンター(注2)・BPO(注3)サービスの提供、およびAI・DX(注4)ソリューションの開発・販売を行なっております。

当社グループは事業理念である「洞察を通じた社会への貢献」の実践を通じ、コンタクトセンター・BPO事業を通じて、業務の企画・設計などの上流工程から、教育・運営までをワンストップでご提供することで、顧客企業の競争力強化の一助を担ってまいりました。

また、2016年に子会社化した㈱アイブリットの開発力を活かしたクラウドPBX Omnia LINKのご提供をはじめとする自社開発のシステムソリューションの販売も行っております。PBXは、コンタクトセンターに限らず、企業など複数の電話回線を持つ場所には、必須のシステムです。主な役割は、受発信機能(企業にかかってきた電話を適切に振り分けて着信させる機能や、適切な通知番号での発信を可能にする等)や、内線通話、転送、保留など電話に関わる制御を行なう装置です。

さらに、2026年5月期に子会社化したRadiant Communication Sdn. Bhd.は、マレーシアにおいて電話設備・ネットワーク機器の構築・保守、コンタクトセンターシステムの販売・保守、AIエージェントソリューションKeyAI(注5)及びCRM等の自社開発プロダクトを展開しております。同社の子会社化により、当社グループは国内に加え海外においてもAI・DXソリューションを提供することが可能な体制となりました。

 


 

(注1)Private Branch eXchange:構内交換機。従来は構内に置いていたPBXをクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うことで、従来の電話システム環境を改善することができるシステム。

(注2)顧客対応チャネルを「電話」に絞らず、「メール」「チャット」「WEB」など複数の組み合わせで顧客対応するセンターを「コンタクトセンター」と定義しております。当社は顧客対応チャネルを複数ご提供しており、「電話」に限っていないため、事業内容を「コールセンター」ではなく、「コンタクトセンター」と記載しております。

(注3)Business Process Outsourcingの略で、企業活動における業務プロセスの一部について、業務の企画・設計から実施までを一括して専門業者に外部委託することを指します。BPOには、広義での捉え方と狭義での捉え方があります。広義での捉え方は、「ITアウトソーシング」との対比で、ビジネスプロセスにおけるアウトソーシングを広義の「BPO」と捉えます。この場合、コンタクトセンターも「BPO」の一部と見ることができます。狭義での捉え方は、広義で捉えた「BPO」のうち、顧客対応を伴わないもの(多くは企業のバックオフィス部門や、受発注や請求などの事務業務)を狭義の「BPO」として捉えます。当社の事業である、「コンタクトセンター・BPO」における「BPO」は狭義の「BPO」の意味合いとして使用しております。

(注4)デジタルトランスフォーメーションの略。進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念。

(注5)Radiant Communication Sdn. Bhd.が開発したAIエージェントソリューション。生成AIを活用し、AIエージェントが多言語での音声・テキスト等の自動応対が可能であるとともに、応対後に業務システムへのデータ連携および後処理を行うためのワークフロー機能も有しております。

 

当社グループのコンタクトセンター・BPOサービスでは、顧客へのサービス提供の際、顧客ごとのニーズを捉え、オーダーメイドで見積もりを提示し、必要なリソースやシステム、環境を用意して顧客に役務の提供を行なっております。外部資源・情報を戦略的に活用し、コア業務へリソースを集中させることで顧客企業が競争力を高める手段を提供しています。当社のようなアウトソーシング事業者は顧客企業の業務を専門的に請け負うことにより、顧客企業には適正対価での品質・生産性の向上を提供し、また自社にとっては業務の受託規模を増加していくことにより事業を継続的に成長させていくことが可能となります。また、アウトソーシングの提供形態には場所・運営・システムまですべてを提供する「フルアウトソーシング」と、場所・システムは顧客が用意し、当社が運営を行う「インソーシング」があります。当社グループにおける2026年5月期売上高の約60%がフルアウトソーシングとなっており、インソーシングよりも場所・運営・システムを含めたフルアウトソーシングの提供に注力しております。

 

以下の図のように、アウトソーシングサービスの領域は様々です。アウトソーシング業界においては、大きく「IT領域」(注6)と「ビジネスプロセス領域」が存在します。当社グループのサービス範囲は、その大半が、「ビジネスプロセス領域」のうち、着色している「コンタクトセンター」「調達」「購買」「人事・採用」「経理」「業界特化型サービス(注:製品や商品を販売するにあたって、その業界に特化して生じる事務業務のこと)」を対象領域としております。その中でも「コンタクトセンター」は当社グループの売上高の約70%を占めております。コンタクトセンター領域においては、オリジナル顧客対応メソッド「ミライ転換力」の確立や、80種類以上のスーパーバイザー(注:オペレーターを指導する立場にあるリーダー的立場のスタッフ)向け教育コンテンツを有しており、コンタクトセンターサービス提供会社としての専門性を保有し、強みを有する領域となっております。

 

(注6)2022年に子会社化した㈱ドゥアイネットは、「IT領域」における「システムソフトウエア設計/開発/運用」のアウトソーシングを担っております。また、2022年11月にリリースした㈱Works Human Intelligenceとの協業は、提供する統合人事システム「COMPANY」の導入支援を行うもので、システム利用における詳細設計や、設定支援、マニュアル作成等のIT導入に係るアウトソーシングを行うものです。売上高比率は大きくはありませんが、ビジネスプロセス領域とIT領域の垣根を越えた、事業領域の拡張を行っております。

 


 

コンタクトセンター・BPOの主な機能は、オペレーターを介して顧客企業のエンドユーザーや従業員に向けた高品質なサービスを提供することにあります。質の高い対応を行なうことによって、最終的にエンドユーザーや従業員の満足度を高めることが、顧客企業の満足度を高めることになり、契約期間や当社の売上高の拡大につながります。

そのために当社として注力するべき事項は、オペレーターやスーパーバイザーなどのオペレーションに関わる人材の教育や、テクノロジーによるスタッフの支援を通じた運営品質や生産性の向上を実現する仕組みを構築し、継続的にQCD(注:Quality<品質>、Cost<費用>、Delivery<納期>)の改善を行うことです。

また、運営を通じてエンドユーザーや従業員の声を受け取り、適切に顧客企業にフィードバックすることで、商品開発やサービス改善のヒントを提供し、受託している業務自体の高付加価値化を目指すことも顧客企業と長く取引を続ける中で大変重要なポイントです。

 

当社グループのコンタクトセンター・BPO事業のビジネスモデル概念図を以下に記載します。

 


 

当社は顧客企業(業務発注企業)を委託者としたコンタクトセンター・BPOサービスに関する業務委託契約を締結し、受託した業務の遂行のための場所やシステム、オペレーターやスーパーバイザーなどの体制を用意し、顧客企業のエンドユーザーへの対応にあたります。主な収益は顧客企業から受け取る、スタッフの稼働時間・システム・場所等の提供費用となっております。一部商品販売や販売勧奨を目的としたアウトバウンド業務(注:電話を発信する業務のこと)では、販売実績に応じたインセンティブ請求が発生することがあります。

 

コンタクトセンターで使用するシステムは、複数存在します。例えば、PBXや通話録音システムなどの電話応対の基幹となるシステムや音声認識システム(音声のテキスト化)や音声合成システム(テキストの音声化)、顧客管理システム、FAQシステム等が挙げられます。これらの各システム・機能はOmnia LINKの機能として内包されており、コンタクトセンター・BPOにおけるシステム利用料としてOmnia LINK利用料を請求しております。ただし、前述のようにコンタクトセンター・BPOはオーダーメイドの特性を有することから、Omnia LINKの活用範囲を企業ごとにカスタマイズし都度提案を行なっております。また、顧客の要件がOmnia LINKの機能だけでは満たせない場合は、要件が満たされる外部のシステムを仕入れ、提供することもあります。

また、当社との業務委託契約がなく、自社でコンタクトセンターを運営している企業に対して、コンタクトセンターシステムとしてOmnia LINKのみを販売することもあります(当社では「Omnia LINK外販」と呼称)。

 

当社の事業の特徴は、自社開発のPBX Omnia LINKを保有している点にあります。

PBXは、コンタクトセンター運営には必要不可欠なシステムですが、日本のPBX市場においては、長年米国のメーカーの寡占状態にありました。当社グループでは自社のコンタクトセンターシステムのコスト削減・高機能化を目的に2016年に株式会社アイブリット社を買収し、自社開発PBXとしてOmnia LINKを開発いたしました。

当社グループの調べにおいては、コンタクトセンター・BPOサービスの提供会社が自社開発のPBXを保有している例は極めて少なく、競合企業の多くがPBXの開発会社から仕入れを行った上で、サービス提供をしています。そのため、自社開発のPBXを有するコンタクトセンター・BPOサービス提供会社として、当社グループは、業界でも稀有なポジションを獲得していると考えております。

 

PBXには、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つのタイプが存在しており、Omnia LINKはクラウド型PBXとなっております。以下はオンプレミス型PBXとクラウド型PBXの違いを記載した図です。PBX利用企業にとっては、オンプレミス型PBXの場合、利用する場所自体にPBXを物理的に設置する必要があり、新規設置や増設には初期費用や準備期間が必要な上、利用場所も限られますが、クラウド型PBXの場合は、PBXはデータセンター上に存在するため、複数の場所において利用規模の変動を含め柔軟に利用することが可能であり、在宅勤務環境を含めて、利用拠点に制限を設けずにPBXを活用することが可能となります。


当社グループでは、自社の受託業務の大部分においてOmnia LINKを活用しています。コンタクトセンターの現場から開発部門へダイレクトに改善要望を上げ、それを迅速に反映することで、Omnia LINKは着実に機能強化を重ねてきました。そのような取り組みから、Omnia LINKの機能は、基本的な電話の受発信の機能やCRM機能(Customer Relationship Management:顧客管理システム)だけでなく、コンタクトセンターにおける通話音声のリアルタイムテキスト化や、AIによる自然言語処理(人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術)を用いたFAQレコメンデーション(それまでの会話内容から予測される想定問答の提示)まで広がっております。コンタクトセンターシステムの競合製品は、一つの機能を単体で販売しており、複数システムをそれぞれ調達の上で組み合わせて使用するものが大半ですが、Omnia LINKは基本機能から高付加価値機能までをオールインワンでご提供しており、機能の幅広さがOmnia LINKの強みであると当社グループでは認識しております。

 

Omnia LINKの主な機能は以下の通りです。


Omnia LINKは以下3点の要因から当社グループの競争力の源泉となっております。

 

① システム内製化によるコスト削減
 上述のようにPBXはコンタクトセンター運営に必要不可欠なシステムであることから、過去、当社グループがコンタクトセンターサービスをご提供するにあたっては、米国メーカーを中心に複数企業の製品に対するシステム投資コスト及び保守コストが重複して発生しておりました。PBXの調達そのものを内製化したことにより、拠点新設や増強時のコストについて、その規模にもよりますが10百万円~100百万円程度のコスト削減が可能になり、Omnia LINKの社内利用を本格的に開始した2016年頃と比較しても、当社グループの利益水準は大きく改善しております。

 

② 柔軟な拠点戦略
 当社グループのコンタクトセンター新拠点は、標準PBXとしてOmnia LINKを利用しております。従来のPBXの場合、筐体やライセンスの納品まで時間を要すため、拠点新設の意思決定から実行までのリードタイムが長期化しておりました。Omnia LINKは自社開発かつクラウド型のため最短数日での導入が可能です。これにより拠点新設や増強のリードタイムが大幅に改善しました。その結果、顧客の要望に沿った業務実施場所の柔軟性の獲得とともに、サテライトオフィスや在宅を活用した運営も可能となりました。顧客提案時における機会損失を防止し、タイムリーな提案を行うことで受注を拡大し、コンタクトセンターサービスの成長につなげております。機会を逃さずに高収益案件を獲得することができるため、1席あたりの月次売上高(注:アウトソーシング業務の月次売上高/月次稼働席数。オペレーションブースの収益面での効率性を現す指標)もOmnia LINKの利用拡大とともに増加傾向にあります。
   また、新型コロナウイルス感染拡大の状況下においては、自社のクラウドPBXを保有していたことから、感染拡大の早い局面(2020年6月頃)の時点で在宅コンタクトセンターサービスである「Bewith Digital Work Place(ビーウィズデジタルワークプレイス)」を開始いたしました。現在においても、BCP対策、柔軟な増席対応につながるものとしてテレワークの活用を行っております。

 

③ Omnia LINK外販を通じた売上・利益の増大
 自社でOmnia LINKを利用するだけでなく、Omnia LINKそのものをクラウドサービスとして外部企業へ販売する戦略を採用したことで、より安定した全社収益確保の一助となり、当社グループの業績に貢献しております。また、Omnia LINKはコンタクトセンターの基幹システムであるため、導入時にはオペレーションフローの見直しを含めた業務への影響が生じることから、他システムへの切り替えが行いづらく、契約が長期化する傾向にあります。そのため、より安定した収益を生み出しやすい事業モデルへと、当社グループの事業構造の転換が進んでおります。

 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、賃上げ継続に伴う所得環境の改善や、AI関連需要の拡大を背景とした企業収益の底堅い推移を背景に、緩やかな回復基調がみられました。設備投資についても、人手不足への対応を目的とした省人化やDX(デジタルトランスフォーメーション)関連投資を中心に底堅く推移いたしました。一方で、エネルギー価格や原材料価格の高騰に伴う物価上昇に加え、人手不足に伴うコスト上昇圧力の継続が、家計や企業活動に影響を及ぼしており、景気動向は依然として不透明な状況が続いております。

国際情勢においては、AIやデジタル分野への投資拡大が世界経済を下支えする要因として期待されているものの、データセンターの増設等に伴うエネルギー需要の増加に加え、中東地域における地政学的緊張の高まりによる供給懸念も重なり、エネルギー価格やインフレ動向への影響が懸念されております。さらに、為替相場やサプライチェーンを取り巻く不確実性なども企業活動に影響を及ぼす要因となっており、国際的な経済環境は予断を許さない状況となっております。

当社グループの属するコンタクトセンター・BPO業界においては、労働市場の引き締まりを背景とした企業のアウトソーシング需要が底堅く推移している一方で、人材確保の難易度上昇や人件費の上昇が供給面における課題となっております。こうした課題への対応策として、生成AIやAIエージェントの活用に向けた取り組みが加速しており、AIと人材の協働を前提とした業務設計や業務プロセスの変革が業界全体に広がっております。

このような経営環境の下、当社グループは2026年5月期までを対象期間とする「中期経営計画2025」において、「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」をビジョンとし、経営方針として①Omnia LINKの強力な成長、②特徴あるコンタクトセンター・BPOの継続的成長、③事業成長を支える経営基盤の構築、の3点の実現に向けて取り組んでまいりました。

 

(コンタクトセンター・BPOサービス)

当連結会計年度のコンタクトセンター・BPOサービスでは、重点分野であるスマートライフ領域(金融業界・情報通信業界・小売流通業界)において、新規案件の獲得及び既存案件の拡大が進展しました。特に金融業界では、資産運用ニーズの高まりを背景としたカスタマーサポート案件のほか、新リース会計基準対応などの制度対応需要を取り込みました。情報通信業界では、生成AIをはじめとするデジタルサービスの普及を背景に、本人確認審査やヘルプデスク等の案件が拡大しました。また、小売流通業界では、美容・ヘルスケア関連商材を扱う案件が堅調に推移しました。一方で、特定公共案件の業務量縮小の影響により、前年同期比の売上高は微減となりました。

なお、当連結会計年度末のオペレーションブース数は、全国16拠点、6,660ブースとなっております。

 

(クラウドPBX Omnia LINKをはじめとするシステム開発・販売)

クラウドPBX「Omnia LINK」外販については、当連結会計年度末のライセンス数は5,721(前年同期比+28.3%)、ARR(年次経常収益:毎月継続して生じる収益×12か月で算出)は14.7億円(前年同期比+37.8%)となりました。当連結会計年度においても大型案件の出荷が進み、ライセンス数及びARRは着実に増加しております。

また、当社はOmnia LINKの成長加速に向け、中期経営計画においても掲げていた海外展開の第一歩として、マレーシアのAI・コンタクトセンター関連企業であるRadiant Communication Sdn. Bhd.の株式85%を取得し、連結子会社化いたしました。同社にはマレーシア国内においてコンタクトセンター向けシステムやAIソリューションを提供してきた実績とノウハウがあり、当社との高い事業親和性を有しております。同社が有する知見やネットワークを活用し、Omnia LINKのローカライズ及び海外市場への展開を推進するとともに、同社の自社開発AIエージェントソリューション「KeyAI」の日本市場での展開も検討してまいります。

 

営業費用に関しては、当連結会計年度を通じて、2025年5月29日に開示した短期プランに基づき、拠点総席数の適正化及び間接人件費率の抑制施策を実施し、売上高の水準に応じたコスト適正化を進めてまいりました。第4四半期においてRadiant Communication Sdn. Bhd.の連結子会社化に伴う取得関連費用が発生いたしましたが、通期計での営業利益は前年同期に対し増益となりました。

 

上記の取り組みの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は36,322百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は1,167百万円(同9.1%増)、経常利益は1,181百万円(同17.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は579百万円(同27.9%増)となりました。

なお、当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産額は、16,484百万円となり、前連結会計年度末比1,989百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加403百万円、売掛金の増加476百万円、のれんの増加679百万円等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における総負債額は、7,669百万円となり、前連結会計年度末比2,127百万円の増加となりました。これは主に、長期借入金の増加1,496百万円、未払金の増加258百万円等によるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産額は、8,815百万円となり、前連結会計年度末比137百万円の減少となりました。これは主に、新株予約権行使による資本金及び資本剰余金の増加256百万円、親会社株主に帰属する当期純利益579百万円を計上した一方で、剰余金の配当1,087百万円により利益剰余金が減少したためです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、1,299百万円(前年同期は1,176百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因として税金等調整前当期純利益1,013百万円(前年同期834百万円)等があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、1,490百万円(前年同期は479百万円の支出)となりました。主な減少要因として拠点の増床に伴う有形固定資産の取得による支出211百万円(前年同期234百万円)、無形固定資産の取得による支出92百万円(前年同期269百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,245百万円(前年同期発生なし)等があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、463百万円(前年同期は706百万円の支出)となりました。主な増加要因として新株予約権の行使による株式の発行による収入254百万円(前年同期44百万円)、長期借入れによる収入1,300百万円があった一方で、減少要因として配当金の支払額1,087百万円(前年同期746百万円)等があったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b 受注実績

当社グループは、受注生産をしておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c 販売実績

当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

コンタクトセンター・BPO事業

36,322

△0.3

 

 

(注)なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。

相手先

第26期連結会計年度

(自 2024年6月1日

至 2025年5月31日)

第27期連結会計年度

(自 2025年6月1日

至 2026年5月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

東京電力エナジーパートナー(株)

5,459

15.0

5,131

14.1

(株)パソナ

3,747

10.3

1,706

4.7

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

当連結会計年度における売上高は36,322百万円(前年同期比0.3%減)となりました。コンタクトセンター・BPOサービスは重点分野であるスマートライフ領域(金融業界・情報通信業界・小売流通業界)において、制度改定関連の需要や業界構造の変化による業務量拡大の需要を取り込み、新規案件の獲得を進め、売上を順調に積み上げました。しかしながら、特定の公共案件の業務量縮小に加え、一部ライフライン案件の業務量減少が重なったことにより、全体では減収となりました。クラウドPBX「Omnia LINK」外販は、大型案件の新規出荷及び既存顧客における利用拡大を背景に、外販ライセンス数が増加するとともに、オプション利用の拡大等も寄与し、売上高は堅調に推移しました。

 

b.売上原価、売上総利益

当連結会計年度の売上原価は30,964百万円(前年同期比0.9%減)となりました。売上原価については、臨時従業員の減少により人件費が減少しました。売上原価率を低減させるための適正な人員配置やデジタル技術を活用した生産性向上の取り組みを継続した結果、当連結会計年度における売上総利益は5,358百万円(前年同期比3.3%増)となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,191百万円(前年同期比1.8%増)となりました。増加の主な要因は戦略投資としてのM&A関連費用によるものですが、拠点再編による賃料の減少や、間接人員の配置転換による人件費の減少によって増加を抑制しています。当連結会計年度における販管費率は11.5%となり、前連結会計年度から0.2%の増加となりました。これにより、当連結会計年度における営業利益は1,167百万円(前年同期比9.1%増)となりました。

 

d.営業外損益、経常利益

当連結会計年度において補助金収入13百万円等により営業外収益は28百万円(前年同期比228.8%増)、持分法による投資損失12百万円等により営業外費用は13百万円(前年同期比81.3%減)となりました。結果、経常利益は1,181百万円(前年同期比17.6%増)となりました。

 

e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度において、減損損失161百万円、固定資産除却損5百万円により特別損失は167百万円(前年同期比31.8%減)、法人税等合計は438百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は579百万円(前年同期比27.9%増)となりました。

 

② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。

 

③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

当社グループは堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しており、売上高成長率及び営業利益成長率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としております。

当連結会計年度における売上高は36,322百万円となり前年同期比からの成長率は△0.3%となっております。

売上高の減少は、主にコンタクトセンター・BPO事業における特定の公共案件の業務量縮小によるものですが、同事業における新規案件の獲得に加えて、Omnia LINK外販事業でのライセンス増加と大型案件の出荷により、減少幅を縮減しました。2027年5月期以降においては、特定の公共案件における業務量減少の継続とともに、電力業界の減少も見込まれるため、更なる新規案件の受注活動を活発化させていく方針です。

売上原価や販売費及び一般管理費において、2025年5月に開示した「短期プラン」で発表のとおり、2025年上期中に拠点の一部統廃合の実施、および人材再配置を実施し、賃料等の固定費とコーポレート等の間接人件費を削減したことで営業利益率の改善につながりました。結果、営業利益は1,167百万円で前年同期比の成長率は9.1%となっております。2027年5月期においても、AI等の活用を推進し間接人件費の抑制を継続する予定です。また、コンサルティング等の高単価サービスを「プロフェッショナルサービス」として強化し、メリハリをつけた事業運営を行います。

 

④ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る内容

 a.キャッシュ・フローの状況分析

 キャッシュ・フローの状況の詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 b.資本の財源及び流動性に係る内容

 当社グループの主な資金需要は運転資金と設備投資資金になります。運転資金は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び銀行借入金にて賄う方針であります。具体的には、手元流動性資金、国内金融機関2行と締結している特殊当座貸越枠のフレキシブルな資金調達手段を確保し、流動性リスクを適切にコントロールしてまいります。また、設備投資資金に関しては、内部留保及び資金計画に基づき、長期借入による調達を行い、財務の安定性を確保してまいります。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)
【セグメント情報】

当社グループの事業セグメントは、コンタクトセンター・BPO事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3 主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

東京電力エナジーパートナー(株)

5,459

コンタクトセンター・BPO事業

(株)パソナ

3,747

コンタクトセンター・BPO事業

 

 

当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

日本

その他

合計

1,343

717

2,060

 

 

3 主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

東京電力エナジーパートナー(株)

5,131

コンタクトセンター・BPO事業

(株)パソナ

1,706

コンタクトセンター・BPO事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)

当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年6月1日 至 2026年5月31日)

当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。