リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境について
当社グループの業績は、企業の設備投資に対する需要動向に影響を受けやすいため、経済環境及び当社グループが関連する企業の経営環境に変化があった場合には、企業の購買意欲が減退し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば環境・エネルギー事業では企業の設備投資に影響を受けやすく、動力・重機等事業では原材料価格及び造船業界等の動向に影響を受けやすくなっております。また、防災・安全事業では、政府の防災設備に対する補助金制度の変更及び廃止による顧客の購買意欲の減退、あるいは消防法の改正による消防設備の設置義務範囲の変更が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製造コストの変動によるリスクについて
当社グループは、製造上必要となる多数の資機材を直接仕入先から購買し、あるいは顧客から供給を受けて調達しております。特に連結子会社の株式会社三和テスコと東洋精機産業株式会社では原材料価格が直接製造原価に結びつき、製造コストの変動により業績が左右されやすくなっており、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの仕入先から購買する資機材の中には、市況変動により調達価格が高騰するものも含まれるため、急激な市況価格の上昇は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社グループ商品の安全性のリスクについて
当社グループは環境、エネルギー、動力重機、防災及び安全等に関連する機器の製造及び販売を行っております。当社グループでは製商品の安全性を最重要課題として認識し、適用される規制を遵守し要求される全ての品質基準を満たすよう取り組んでおります。
さらに当社グループは、品質、環境、健康及び安全に関する様々な基準を採用しております。しかしながら、当社グループの取り組みにもかかわらず、製商品がこれらの基準を満たさず又はその品質が低下し、安全性に問題が生じる可能性があります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先、製造委託先において生じる可能性があります。これによる多額の費用を伴う製造中止や損害賠償請求が発生した場合、また当社グループのブランド及び信用が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)補助金制度の内容や廃止によるリスクについて
当社グループの防災・安全事業におけるスプリンクラー消火装置「ナイアス」の製造及び販売については、国又は地方自治体が支援する「有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業補助金」を活用して導入に至るケースがあります。
当社グループは、営業スタッフの増員や、代理店経由での販売等、販売チャネルを増やすことで、売上を増加させる方針ですが、補助金の採択漏れによる売上計上時期のズレや、失注が発生するリスクがあります。また、当該補助金制度の変更、あるいは廃止により顧客の購買意欲が減退した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)有利子負債等について
当社グループの事業では、事業規模の拡大及び新製品の開発に伴う製造設備等の新設・更新のために、継続的な設備投資を行っております。なお、当社グループでは設備投資に必要な資金は主として金融機関からの借入により補っており、2023年8月末時点で総資産に占める有利子負債の比率は47.4%に達し、自己資本比率は40.5%となっております。
以上のような事象又は状況を回避すべく、事業の選択と集中によって、既存事業の成長による業績の回復や、財務体質の強化を図っておりますが、これらの事業計画が当初の経営計画、利益計画及び設備投資計画どおりに進捗せず、投入された資本の回収計画が低下、停滞又は計画の中断に至った場合には、更なる自己資本比率の低下が想定され、この結果、借入が増加する場合は金利上昇により資金調達コストが増加する可能性があります。
さらに、借入資金を変動金利で調達した場合は、金利変動によって支払利息の負担が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材の採用・育成について
当社グループは、今後の成長が見込まれる事業や企業規模の拡大に伴い、継続的に優秀な人材を採用することが必要不可欠であると認識しております。顧客ニーズに適合する製品の製造や競争力の向上にあたっては、技術力・企画力を有する人材が要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を採用していくとともに、人材育成にも積極的に取り組む方針であります。しかしながら、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や人材育成が計画どおり進まなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)M&Aについて
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。
M&Aを行う際には、対象企業の財務内容や契約関係等について公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めております。
しかしながら、M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があることに加えて、新規事業領域に関しては、M&Aによりその事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。これらに加えて、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)新規事業について
当社グループは今後も引き続き、積極的に新商品の開発もしくは新規事業に取り組んでまいりますが、これによるシステム及び資産への先行投資や追加的な支出が発生した場合には、利益率が低下する可能性があります。さらに、進出した新領域での新規事業の拡大・成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)当社代表取締役への依存について
代表取締役会長である来山哲二は当社の創業者であり、設立以来取締役を務めております。同氏は、水処理機器の卸販売、技術サービスに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社は、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害、事故等のリスクについて
当社グループの事業拠点の周辺地域において、大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生した場合には、工場等の施設に物理的に障害が生じる可能性があります。また、当社グループの販売活動や物流、仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合は、通常の事業活動ができなくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)法的規制について
当社グループは、製造物責任法、知的財産基本法、建設業法、消防法等による法的規制を受けております。
当社グループは、これらの法令に基づいた許認可等を受けるための諸条件及び当該関係法令を遵守しており、現状において許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、これらの関係法令が改正された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又は何らかの理由によりこれらの法的規制について遵守できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において、当社グループは以下の許認可取消事由に抵触しておりません。
(許認可の状況)
(当社)
取得年月 |
2017年11月 |
2017年11月 |
2017年11月 |
2017年11月 |
2017年11月 |
許認可等の名称 |
建設業許可 |
建設業許可 |
建設業許可 |
建設業許可 |
建設業許可 |
管工事業 |
機械器具設置工事業 |
電気工事業 |
消防施設工事業 |
土木工事業 |
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所管官庁等 |
国土交通大臣 |
国土交通大臣 |
国土交通大臣 |
国土交通大臣 |
国土交通大臣 |
許認可等の内容 |
特定(特-29) 第19882号 |
一般(般-29) 第19882号 |
一般(般-29) 第19882号 |
一般(般-29) 第19882号 |
一般(般-29) 第19882号 |
有効期限 |
2022年11月 (5年ごと更新) |
2022年11月 (5年ごと更新) |
2022年11月 (5年ごと更新) |
2022年11月 (5年ごと更新) |
2022年11月 (5年ごと更新) |
規制法令 |
建設業法 |
建設業法 |
建設業法 |
建設業法 |
建設業法 |
法令違反の要件 及び主な許認可取消事由 |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)
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不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)
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不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)
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不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)
|
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)
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(子会社 株式会社三和テスコ)
取得年月 |
2020年3月 |
2020年3月 |
2020年3月 |
許認可等の名称 |
建設業許可 |
建設業許可 |
建設業許可 |
管工事業 |
機械器具設置工事業 |
鋼構造物工事業 |
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所管官庁等 |
香川県知事 |
香川県知事 |
香川県知事 |
許認可等の内容 |
一般(般-1) 第5528号 |
一般(般-1) 第5528号 |
一般(般-1) 第5528号 |
有効期限 |
2025年3月 (5年ごと更新) |
2025年3月 (5年ごと更新) |
2025年3月 (5年ごと更新 |
規制法令 |
建設業法 |
建設業法 |
建設業法 |
法令違反の要件 及び主な許認可取消事由 |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条) |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条) |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)
不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条) |
(12)売掛債権等の回収について
当社グループは取引先に対する売掛債権などの信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しております。また、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、こうした管理はリスクを完全に回避できるものではなく実際に発生する損失が貸倒引当金を超過するなど当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)投資有価証券による影響について
当社グループの2023年8月末時点における投資有価証券の合計残高は313百万円と総資産の約3.2%を占めております。有価証券への投資は、価格変動リスク、信用リスク、為替金利変動リスク、元本毀損リスク等のさまざまなリスクを有しております。また、投資有価証券の残高には、超過収益力を加味して取得した非上場株式が含まれており、投資先の業績の変動により超過収益力が減少し、超過収益力を加味した非上場株式の実質価額が著しく低下する可能性があります。このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)見積総原価の変動について
水処理設備工事、消防設備工事、船舶及びプラント設備工事の請負契約に係る収益は、履行義務の充足に係る進捗度(見積総原価に対する実際原価の割合)を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。当社グループでは、工事案件ごとに継続的に見積総原価の見直しを行い、適切な原価管理に取り組んでおります。
しかしながら、工事着工後の作業内容の変更や機器材料価格又は外注価格の変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開に必要な内部留保を確保しつつ、株主への還元を最優先に考え、安定した配当を継続して実施していくこと及び年1回の期末配当として剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術・製造開発・販売体制を強化し、さらには将来のグローバル戦略の展開を図るために有効に投資してまいりたいと考えております。
第35期事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり33円といたします。
当社は、取締役会の決議により、毎年2月末日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
第35期事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月29日 |
150,656 |
33 |
定時株主総会決議 |