2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    558名(単体) 1,320名(連結)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.0年(単体)
  • 平均年収
    8,215,906円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    9.0%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 当社グループの人材戦略

当社グループは、2030年に目指す姿として「Shibusawa 2030 ビジョン」を制定しております。コーポレートスローガン「永続する使命。」を果たし続けるためには、人的資本が事業活動全般を支え発展させる最重要の無形資産であると認識し、一人ひとりと組織がともに成長しあう好循環を継続し、挑戦を続けていく必要があると考えております。また、マテリアリティである「人権の尊重」と「安全・安心の実現」への取組みを徹底し、以下の重点項目を中心に人材戦略を推進してまいります。

 

a.最適な人材配置と自律的成長を促す人材育成

当社グループは、従業員一人ひとりが主体的に能力を開発し、挑戦し続ける「自律的成長」がグループ全体の持続的成長に不可欠であるとの共通方針を掲げております。この方針のもと、キャリア採用も含め多様な人材を集める採用活動、定着活動を立案実践しています。各種人事情報システム等を通じて、連結各社が保有するスキルや経験等の人材情報を可視化し、それぞれの事業特性に合わせた戦略的な人材配置や育成計画、個別の教育体系の構築に向けた取組みを推進しております。また、今後の事業戦略の展開に有用なスキルを特定し、全体の育成計画や教育体系との連携も図っていきます。これに加え、提出会社においては、組織の現状を客観的に把握し施策に反映させるための年1回の「エンゲージメントサーベイ」の実施や、グローバル人材育成のための海外実務研修、女性管理職のライフステージに合わせたキャリア形成支援の計画など、多様な人材のさらなる活躍と成長を後押しする高度な人材育成施策を先行して推進しております。さらに、提出会社が培ってきたこれらのサーベイの知見や階層別・業務別研修等の実践知を、将来的に当社グループ共通の教育リソースとして順次共有・展開していく方針であり、当社グループ全体で主体的な能力開発を後押しする環境整備を目指してまいります。

 

b.多様性を力に変えるダイバーシティの推進

当社グループは、多様な価値観や経験を尊重し、それらを新たなビジネスチャンスの創出へと繋げるため、個々が能力を最大限に発揮して活躍できる企業風土の醸成を図っております。具体的には、属性にとらわれない公正な業務配分とマネジメントの強化を徹底し、一人ひとりの意欲に応える多様なキャリアパスの形成支援を進めております。特に、ワークライフバランスの推進を軸とした両立支援においては、複数担当者制の導入や業務の多能化を推進することで特定の個人への属人化を排除し、職場全体で相互にカバーし合える体制の構築を当社グループ全体で強化してまいります。これにより、多様な人材がライフイベント等に左右されず、長期的に安心して活躍し続けられる経営基盤の確保に努めております。

 

c.挑戦を支える健康経営と職場環境の整備

当社グループは、「心身ともに健康であることが挑戦を続けるエネルギーの源泉である」との考えに基づき、健康保険組合と連携した多角的な健康経営の実践に向けた体制整備を推進しております。具体的には、定期健康診断の確実な受診徹底とその後のフォローアップ(保健指導等)の充実に努めるほか、ストレスチェックの活用や相談体制の拡充を通じたメンタルヘルスケアの強化により、心身の不調の未然防止に取り組んでまいります。また、マテリアリティである「安全・安心の実現」に向けて、適正な労働時間管理による過重労働の防止や、職場における安全衛生管理体制の強化を進めております。これらを通じて、誰もが安全・安心に、活き活きと能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を、当社グループ全体で段階的に進めていく方針です。

 

② 連結会社の従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

当社グループは、従業員の「努力と挑戦」が正当に報われ、それがさらなる成長意欲へと繋がる「挑戦と成長を原動力とする」報酬体系を基本方針としております。連結各社においては、この方針を共通の指針として共有しており、それぞれの事業特性を尊重しつつ、従業員一人ひとりがより納得感を持って働くことができる処遇の実現に向けた体制の整備と運用の改善を継続的に進めてまいります。具体的には、各社が保有する人材情報や評価データを活用し、役割の大きさ、職務遂行能力、および組織目標に対する貢献度を多角的に評価し、その結果を適切に給与等へ反映させていく仕組みづくりを推進してまいります。

 

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

物流事業

1,217

(139)

不動産事業

26

(-)

報告セグメント計

1,243

(139)

全社(共通)

77

(-)

合計

1,320

(139)

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

558

(17)

42歳

9ヵ月

17年

5ヵ月

8,215,906

9.0

 

セグメントの名称

従業員数(人)

物流事業

476

(17)

不動産事業

5

(-)

報告セグメント計

481

(17)

全社(共通)

77

(-)

合計

558

(17)

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、基準外賃金および賞与を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

③ 労働組合の状況

提出会社における労働組合の組織および活動の状況は次のとおりであります。

a.組織の状況

1946年12月澁澤倉庫従業員組合が結成され、その後1969年11月に澁澤倉庫労働組合と改称し、2026年3月31日現在の所属組合員数は264名であります。

また、同組合は、全日本倉庫運輸労働組合同盟に加盟しております。

b.活動の状況

提出会社と同組合は、労働協約に基づき労使協議会を設置し、従業員の労働条件に関する事項、人事に関する基本的事項等について協議決定し、労使協調して円満に運営しております。

なお、2026年3月31日現在、特別の懸案事項はありません。

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異

a.提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

1.1

116.7

73.2

73.5

70.4

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.出向者は出向先の労働者として集計しております。

 

b.連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める
女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

澁澤陸運㈱

0.0

0.0

大宮通運㈱

7.1

日正運輸㈱

0.0

100.0

平和みらい㈱

0.0

100.0

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「-」は男性の育児休業取得の対象となる従業員が無いことを示しております。

4.出向者は出向先の労働者として集計しております。

5.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき公表義務のある会社のみ記載しております。

 

⑤ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式保有制度の内容

「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、コーポレートスローガン「永続する使命。」のもと、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を目指しております。非財務価値の追求が将来の財務価値の向上に直結すると認識しており、各マテリアリティ(重要課題)に紐づく施策を戦略的に完遂し、将来の財務的リターンを最大化させることで、持続的な成長基盤を構築してまいります。その実現に向けたサステナビリティに関する考え方およびサステナビリティ関連のリスク・機会に対処するための取組みは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ課題全般

① ガバナンスおよびリスク管理体制

a.組織体制

当社は、サステナビリティを巡る課題の解決に取り組むため、次のとおりのガバナンス体制・リスク管理体制を構築しております。本体制は、従業員からの報告や意見(ボトムアップ)と経営層による意思決定(トップダウン)が有機的に機能するよう設計されています。

取締役会は、年1回または必要に応じて、サステナビリティを巡る課題に対する取組みについて議論し、サステナビリティ推進基本方針や、マテリアリティ(重要課題)に関する数値目標などの重要事項を決議し、その執行を監督します。

サステナビリティ推進委員会は、取締役社長を委員長として、サステナビリティ推進基本方針や、マテリアリティ(重要課題)に関する目標の設定と重要事項の立案を行うとともに、サステナビリティに関する全社的な取組みを指導・監督しつつ、サステナビリティに係るリスクを識別・評価し、これらを取締役会に報告します。

また、サステナビリティ推進室は、サステナビリティ推進委員会の監督・指導のもと、当社グループのサステナビリティ推進に関わる事項について、適切な対策を遂行し、関係会社を含む各事業部門に指示・指導を行うとともに、目標の達成状況のモニタリングと、必要な改善策の策定と実行を行い、重要事項や行動計画をサステナビリティ推進委員会に報告します。

 

当社グループのサステナビリティ推進に関するガバナンス体制・リスク管理体制は以下に示すとおりです。

 

b.役員の保有する知見・経験

当社の経営戦略に照らして必要なスキルは、①企業経営、②事業戦略・M&A、③物流DX、④グローバルビジネス、⑤不動産、⑥サステナビリティ・ESG、⑦人事・労務、⑧財務・会計、⑨法務・コンプライアンス・内部統制と考えております。

個々の役員は、有する知見・経験に基づき各分野に適切に配置しております。サステナビリティに関するスキルについて、取締役は一定の知見を有しております。

また、取締役会の監督機能をさらに向上させることを目指し、各役員の期待される役割や責務に応じたトレーニングや事業全般・各分野の研修を実施しております。社内役員については、顧問弁護士による重要法規のレクチャーや、経営環境の変化に応じた外部セミナーへの参加により知見向上を図っております。社外役員に対しては、就任時の当社業務全般に関する説明に加え、物流現場の視察を通じて事業への理解を深める機会を提供しております。これらの研鑽を通じて、サステナビリティを含む中長期的な経営課題に対する監督体制の実効性を高めております。

 

c.サステナビリティに関する会議体の審議状況

当社は、サステナビリティへの取組みを次なる成長の礎と捉えております。取締役会においては、次期中期経営計画期間に向け、より実効性の高いKPIを選定すべく議論を交わしました。サステナビリティに取組むお客様の動向やニーズの変化に真摯に向き合い、パートナーとして社会課題の解決に寄与することを通じて、既存の枠組みに捉われず着実な価値創出を目指す方針を確認しております。

 

・2025年度の取組みに関するサステナビリティ推進委員会での審議

開催年月

審議内容

2025年7月

2024年度各種ESGデータおよび目標進捗について報告

 

・2025年度の取組みに関する取締役会での決議・報告

開催年月

決議・報告内容

2025年7月

2024年度各種ESGデータおよび目標進捗について報告

2026年3月

マテリアリティに関する次期KGI、KPIの設定について審議

 

② 戦略および指標・目標

当社グループでは、「物流を越えた、新たな価値創造により、持続的で豊かな社会の実現を支えること」をグループミッション、果たすべき社会的使命と規定しております。また、サステナビリティ推進基本方針において「地球温暖化の防止」「循環経済への転換」「安全・安心の実現」「イノベーションの活用」「人権の尊重」「共存共栄の追求」の六つをマテリアリティ(重要課題)として特定し、事業活動を通じてその解決に貢献することとしております。

 

当社グループは、私たちのみならず社会にとっても持続可能な成長につながるマテリアリティの解決に事業活動を通じて取り組むことにより、企業価値を向上させてまいります。

 

a.マテリアリティの設定

当社グループのマテリアリティは、社内での知見に基づいて当社の事業環境や社会に与える影響等を考慮したうえで、さらに社外の知見者の意見も含めて総合的に判断し、サステナビリティ推進委員会で討議の上立案、社外取締役を除く上級執行役員以上で構成される経営執行会議の先議を経て、取締役会で決議・承認されています。またマテリアリティやそれに基づくKPI等は、定期的に見直しを検討し、変更のある場合は取締役会での決議がなされます。なお、2027年度より開始する次期中期経営計画の策定に際し、各マテリアリティの重要性およびKPI・定量目標の妥当性について、最新の事業環境を踏まえた見直しを現在進めております。

 

b.マテリアリティに対する取組みと指標

マテリアリティ(重要課題)に対処するための取組みと指標は次のとおりです。特に「地球温暖化の防止」についてはTCFDの枠組みに基づき詳細なリスク・機会分析を行っており、その内容を「(2) 気候変動」に記載しております。また、「安全・安心の実現」および「人権の尊重」については、当社グループの方針および具体的な取組みを「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等 ① 当社グループの人材戦略」に記載しております。サプライチェーンを通じた人権課題への対応も進めており、人権デューディリジェンスの精度向上や特定した重要な人権リスクへの対策強化を目指してまいります。

さらに、「循環経済への転換」に向けた取組みの一環として、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿って、当社グループの事業活動が自然環境に与える影響や依存状況についての分析を実施しました。物流・不動産事業の国内外の拠点ごとに把握した結果については、「自然関連財務情報レポート」として下記コーポレートサイトに開示しております。

(参照)

「澁澤倉庫グループ TNFD提言に基づく自然関連財務情報レポート」

 

(掲載先 https://www.shibusawa.co.jp/sustainability/environment/#circularEconomy

 

<当社グループの目指す姿(KGI)>

・地球温暖化の防止

: 環境負荷低減に貢献する企業

 

  2030年度営業収益あたりCO2排出量 2019年度比50%削減

・循環経済への転換

: 循環経済転換に貢献する企業

・安全・安心の実現

: 安全な事業運営による安心な社会の実現

・イノベーションの活用

: 事業の競争力強化と持続可能な社会の実現

・人権の尊重

: 多様な人材が集い活躍する環境の創出

・共存共栄の追求

: パートナー企業や地域社会との共存共栄

 

マテリアリティ

優先する取組み

評価指標(KPI)・目標(2026年度)

地球温暖化の
防止

・物流事業における温室効果ガスの削減

・環境配慮型施設へのバリュー
アップ

・事業所面積あたりCO2排出量 2019年度比40%削減
(注)1

・フェリー・鉄道輸送の取扱いコンテナ数 2023年度比30%増加

・再生可能エネルギー導入率 100%(注)2

循環経済への
転換

・資源循環型物流モデルの構築

・廃棄物削減と資源活用の推進

・保管文書のリサイクル取扱い量 2023年度比20%増加

・フォークリフト電池の二次利用方法の確立 テスト実施

安全・安心の
実現

・労働災害や交通事故を削減する事業プロセスの構築

・レジリエントな事業運営体制の構築

・物流業務における交通事故件数 事故ゼロ

・労働災害度数率 2023年度比3%削減

イノベーション
の活用

・物流事業の生産性向上

・業域の拡大

・技術導入による業務効率化推進の新規案件数 期間累計20件(注)3

人権の尊重

・ダイバーシティの推進

・労働環境の改善

・従業員エンゲージメントの肯定的回答率 2023年度比
増加

・高ストレス者比率 7%以下

・人権DD対象会社数(人権DDの精度向上) 200社以上

共存共栄の
追求

・パートナーシップ強化による
サプライチェーンの進化

・地域コミュニティ発展への貢献

・災害支援

・パートナーミーティングの開催 期間累計10回(注)3

・社会活動への協働 期間累計15件(注)3

 

(注)1.当社物流事業所におけるCO2排出量を対象としています。

2.当社賃貸オフィスビル(茅場町・永代・蛎殻町地区)の電力を対象としています。

3.期間累計の目標は2024年4月から2027年3月までを対象期間とします。

 

当社グループは、これらマテリアリティの解決に向けた取組みを、単なる法令遵守や社会的要請への対応に留まるものではなく、長年培ってきた「澁澤倉庫ブランド」への社会的信頼という無形資産をさらに積み上げるプロセスであると認識しております。こうした無形資産の蓄積は、事業の持続可能性を高めることによる中長期的なリスク低減と資本効率の向上、ひいては投資家からの信頼獲得を通じた資本コストの低減を通じて、持続的な企業価値の向上に直結するものと考えております。

なお、評価指標に対する2025年度の実績値につきましては、当社コーポレートサイトおよび統合報告書にて2026年度に掲載いたします。また、各マテリアリティに基づく具体的な活動事例や詳細な取組み内容につきましても、当社コーポレートサイトおよび最新の統合報告書にて公開しております。

 

(2) 気候変動

当社グループは、マテリアリティの一つである「地球温暖化の防止」実現に向けた取組みの一環として、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が公表した提言に沿った形で適切な情報開示を行います。

また、当社グループはガバナンス体制を強化するとともにグループ事業における気候変動が及ぼすリスクと機会による影響について毎年分析を行い、当社グループのみならず社会にとっても持続可能な成長につながる課題の解決に事業活動を通じて取り組み、企業価値を向上させてまいります。

 

① ガバナンスおよびリスク管理体制

気候変動に関するガバナンスおよびリスク管理体制は、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれております。詳細は「(1) サステナビリティ課題全般 ① ガバナンスおよびリスク管理体制」をご参照ください。

 

② 戦略

当社グループでは、シナリオ分析を活用し、当社グループの事業活動に中長期にわたって影響を与えると想定される気候変動に起因する重要なリスクと収益機会をサステナビリティ推進委員会にて特定、評価するとともに、対応策を検討しております。本分析の結果は、マテリアリティ「地球温暖化の防止」達成に向けた戦略策定や、設備投資の優先順位判断に活用しております。

シナリオ分析におきましては、主要事業地域である日本国内を中心に、連結子会社を含めて、4℃シナリオ、1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)の2つのシナリオで「Shibusawa 2030 ビジョン」でも指標としている2030年を想定し、次のとおり考察いたしました。

 

 

・リスク

分類

種類

項目

時間軸

想定されるリスク

影響度

1.5℃

4℃

移行

政策・法規制

炭素価格の上昇

中期

事業活動に伴うCO2排出量に対して炭素税が課され操業コストが増加する。

化石燃料の使用に関する規制

短期

物流事業および不動産事業の環境性能向上(非化石燃料車両導入・ZEB化)に係るコストが増加する。

省エネ政策

短期~長期

保有不動産のZEB化対応費用や自社車両のxEV化、定温倉庫における脱炭素型機器への転換に伴う設備投資額が増加する。

排出権取引

中期

排出権取引制度の拡大に伴い、CO2排出量上限超過分の排出権の購入が迫られるなど、対応コストが発生する。

リサイクル規制

梱包資材や廃棄物に対する規制準拠のため、仕分け・加工(ラベルはがし等)や廃棄しないためのリース・レンタル品導入等を行うことによるコストが増加する。

再エネ政策

再生可能エネルギーへの電力構成切り替え等の国家方針に伴い、需要変化や発電所の発電コスト増に伴い電力価格が高騰する。

市場

エネルギーコストの変化

中期

・再生可能エネルギーへの需要増加等により、電力価格が高騰する。

・化石燃料価格上昇に伴う主因のエネルギー調達費用高騰分を物流サービスへ転嫁した場合に需要が減少する。

評判

顧客の評判変化

短期

環境への取組みが不十分であると判断された場合、他サービスへの顧客流出に繋がる可能性がある。

投資家の評判変化

環境配慮・環境情報開示が不十分な場合、調達資金の減少及び資金調達コストが増加する。

物理

急性

異常気象の激甚化

中期~長期

・気象災害の激甚化による拠点の被災やサプライチェーンの寸断による営業停止損失が発生し、また、火災保険料が高騰する。

・受託貨物への損害や事業停止による顧客からの評判が低下する。

・災害リスクが高い地域に位置する保有資産の価値が減少する。

・協力会社・貨物・テナントおよび第三者への損害に関する訴訟リスクが発生する。

慢性

平均気温の上昇

中期~長期

ヒートストレスによる労働生産性低下を防止するため、施設の空調設備や遮熱設備を導入することによりコストが増加する。

降水・気象パターンの変化

短期~長期

大雪や大雨など、気象の極端化に伴う交通機関の乱れが発生し、輸送遅延やキャンセル、道路や鉄道の冠水による物流ルートの遮断が発生し、収益機会が減少する。

海面上昇

長期

浸水被害の増加による保有資産への損害が発生する。

 

 

・機会

分類

種類

項目

時間軸

想定されるリスク

影響度

1.5℃

4℃

移行

政策・法規制

省エネ政策

短期~長期

・倉庫・物流センターのエネルギー効率向上(省エネ化)に伴いエネルギーコストが減少する。

・環境負荷の低いモーダルシフトの利用増加により、収益機会が増加する。

リサイクル規制

中期

循環型社会への移行に伴い、紙資源の回収・溶解処理を行う文書保管サービスの収益機会が増加する。また、資源の回収および運搬に伴う物流増加により、収益機会が増加する。

技術

低炭素技術の進展

中期

・スワップボディコンテナ車両等の輸送効率手段の導入により人件費コストが削減される。

・低炭素型ディーゼルトラック車両などの省エネ車両導入により燃料コストが削減される。

次世代技術の進展

無人フォークリフト・自動保管ラックなど、荷待ち・荷役時間短縮に向けた自動化・機械化設備導入により操業コストが減少する。

評判

顧客の評判変化

短期

・保有不動産において、CASBEEやZEBなど低炭素認証制度を取得することにより、環境意識の高い企業の選好度が高まり、収益機会が増加する。

・鉄道やフェリー輸送などのエネルギー効率の高い輸送形態の拡大や、モーダルシフトの推進、リニューアブル燃料を使用したトラック輸送など、GHG排出量を従来より抑制することが可能な環境配慮型事業を行うことにより収益が増加する。

投資家の評判変化

環境配慮・環境情報開示が進んでいる場合、資金調達コストが減少する。

物理

急性

異常気象の激甚化

中期~長期

被災拠点の操業を持続するため、BCP対策を推進し、有事における安全確実な事業継続体制を確立することで、結果的に相対的な競争力強化となり、収益機会が増加する。

慢性

平均気温の上昇

中期~長期

気温上昇により、夏季型飲料貨物の取扱い量が増加することによって、収益が増加する。

降水・気象パターンの変化

短期~長期

極端な気象現象が発生した場合に備え、多様な運送ルートを整備しておくことで事業継続が可能となり営業停止損失を回避できる。また、競合との差別化により収益機会の増加にも繋がる。

 

影響度の定義

「大」:財務的影響が大きい

「中」:財務的影響が不明

「小」:財務的影響が小さい

 

 

時間軸の定義

「短期」:~3年

「中期」:4~10年

「長期」:11年~30年

 

(注)1.移行リスクとは、低炭素経済への移行に伴い、GHG排出量の大きい金融資産の再評価によりもたらされるリスクです。

2.物理リスクとは、洪水や高潮、暴風雨等の気象現象によってもたらされる財物損害等の直接的なインパクトリスクです。

3.評価(大・中・小)は、定性的に分析し、相対的な影響度として評価しています。

4.4℃シナリオとは、気候変動対策が現状から進展せず、地球の平均気温が産業革命以前と比較して2100年時点で約4℃上昇するとされているシナリオです。異常気象の激甚化など、物理的な損害が大きくなる一方、気候変動対策としての法規制は現行から変わらないとされています。(参考シナリオ:IEA Stated Policies Scenario)

5.1.5℃シナリオとは、カーボンニュートラル実現を目指した積極的な取組みが活発化し、地球の平均気温が産業革命以前と比較して、2100年時点で約1.5℃の上昇に抑えられるとするシナリオです。異常気象の激甚化は4℃シナリオと比べ抑制される一方、気候変動対策としての法規制は現行から大きく強められるとされています。(参考シナリオ:IEA Net Zero Emissions by 2050、一部Sustainable Development Scenarioも併用)

 

 

これらのリスク・機会は環境省発行のガイダンス「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ」記載の以下の手順に沿ってシナリオ分析を実施いたしました。

(PHASE 1)リスク重要度評価・シナリオ定義・事業インパクト評価

サステナビリティ推進室が主体となり、各事業部門や連結子会社から収集したデータに基づき、気候変動が事業に及ぼす影響を詳細に分析・試算しております。具体的には、気候関連リスク・機会を洗い出し定性的に影響を考察した後、各シナリオを参照して検討した影響の具体化を行い、将来予測値を参考に財務的な影響額の試算を実施しております。

(PHASE 2)対応策の定義

サステナビリティ推進室による分析結果に基づき、サステナビリティ推進委員会において、リスクの低減および機会の最大化に向けた具体的な対応策を検討・定義しております。

(PHASE 3)取締役会による承認と監督

策定された対応策および分析内容は取締役会へ報告されます。また、取組みの進捗状況や効果測定の結果についても定期的に取締役会へ報告し、適切な監督を受ける体制を構築しております。

 

この気候変動への対応として、マテリアリティ「地球温暖化の防止」を具現化するため、GHG排出量およびエネルギー使用量の削減・効率改善、ならびに収益機会の創出に向けて、当社グループでは様々な取組みを行っております。

リスク項目

対応の方向性

具体的な対応策(機会の創出)

炭素価格の上昇・GHG排出規制の強化・再エネ/省エネ政策への移行

・脱炭素化の推進

・モーダルシフトの推進・倉庫の大型化による拠点集約や、最適立地への配置を通じた物流効率化を推進する。

・太陽光発電による再生可能エネルギーを利用する。

・創電設備の設置を進める。

再エネ/省エネ/次世代技術の普及

・施設運営を省エネ化する。(太陽光パネル、BEMS、LED等省エネ機器の導入)

・低GHG排出への投資を促進する制度の運用による環境技術導入を推進する。

社会からの評価

・気候変動ソリューションの創出と発信

・ステークホルダーへの情報発信を強化する。

異常気象に起因する自然災害の激甚化

・施設の強靭化

・防災/減災対策の強化

・運送システムの多様化

・BCPを考慮した施設の立地

・台風や豪雨を想定した定期的な施設の点検・補修を実施する。

・BCPの定期的なアップデートと訓練の実施・モーダルシフト運営体制の強化を行う。

・被災リスクを考慮した新規施設の開発を進める。

平均気温の上昇

・職場環境の改善・省力化の推進

・快適な作業環境を整備する。

・DXの推進等による省力化・省人化を推進する。

 

③ 指標・目標

当社グループでは、気候変動が経営に及ぼすリスクと機会等の影響を測定・管理するため、マテリアリティ「地球温暖化の防止」において定めた以下の評価指標(KPI)を気候変動対応の主軸としております。

2026年度目標

2030年度目標

・物流事業所面積あたりのCO2排出量 2019年度比40%削減

・フェリー・鉄道輸送の取扱コンテナ数 2023年度比30%
増加

・不動産事業の再生可能エネルギー導入率 100%達成

営業収益あたりのCO2排出量 2019年度比50%削減

 

 

(3)人的資本

① 戦略

「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等 ① 当社グループの人材戦略」に記載しております。

 

 

 

② 指標・目標

マテリアリティに掲げる特定の課題に対する指標(「(1) サステナビリティ課題全般 ② 戦略および指標・目標」)のみならず、多様な人材が活躍し続けられる組織環境を多角的に把握するため、人的資本に関する基本的な指標を継続的に開示してまいります。

指標

目標

2024年度実績

2025年度実績

管理職員に占める女性の割合(%)(注)1

前年比増加

11.7

12.3

有給休暇取得率(%)(注)2

前年比増加

48.0

51.8

有給休暇年間平均取得日数(日)

前年比増加

11.91

12.83

階層別研修のべ年間受講者数(人)

前年比増加

184

211

業務研修のべ年間受講者数(人)

前年比増加

955

794

(注)1.管理職員は管理職に任用できる資格者を表しています。

2.2024年度より入社2年目以降の有給休暇付与日数は20日から25日へ変更しました。