2024年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 10,701 100.0 1,662 100.0 15.5

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは当社及び連結子会社9社により構成され、「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」というミッションステートメントのもと、海外発のビジネスモデルを日本に、そして、日本の技術力を海外に展開することを目指しております。

 当社グループが提供するサービスの内容・特徴は以下のとおりです。

(1)当社グループが提供するサービスの内容

 当社グループの事業はChargeSPOT事業の単一セグメントであることからセグメント別の記載はしておりませんが、当社グループが提供するサービスは、主に、日本初の携帯型充電器のシェアリングサービスであるモバイルバッテリーのシェアリングサービスと、当該モバイルバッテリーのバッテリースタンドそのものを媒体として広告放映などを行うマーケティングソリューションを中心としたプラットフォーム事業の2つで構成されております。

 

① モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」

 モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」は、「どこでも借りられて、どこでも返せる」をコンセプトに2018年4月から開始した、主にスマートフォンやワイヤレスイヤホン、電子タバコ、ポケットWi-Fiなどの小型電子機器向けの充電器の貸出サービスです。スマートフォンは現在、コミュニケーション手段や情報取得端末という側面を超えて、ビジネス利用や普段の生活での決済等私たちの日々の生活に欠かせないインフラになっています。そのため、スマートフォンのバッテリー残量切れを防ぐことは利便性の高い日常生活を営み、一層進んだデジタル社会を実現していく上で必要不可欠となっております。

 こうした社会情勢を踏まえ、当社グループは、2018年4月に国内で競合他社に先駆けてモバイルバッテリーのシェアリングサービスを開始いたしました。同時に、香港でもサービス展開をはじめ、当初からグローバルを意識したサービス運営を行なってまいりました。その後中国本土にも子会社を設立し、広州を中心としたエリアでサービスを展開しております。また、フランチャイズを通じて2019年に台湾とタイ、2023年にシンガポール、2024年にマカオにも展開を開始し、2024年12月時点では日本を含む7エリアで「ChargeSPOT」をお使いいただける状態になりました。現在はイタリアでの展開開始の準備を行っており、2025年中に開始する予定です。また、オーストラリアで「Ezycharge」を運営する企業を子会社にし、展開しております。

 「ChargeSPOT」はエリアを超えてレンタルすることができ、日本で借りて香港で返す、香港で借りてタイで返す、といったことが可能です。バッテリー容量は、5,000mAhとなっており、一般的なスマートフォンを約1回充電可能です。容量はケーブルを格納する箇所に記載しております。飛行機内に持ち込むこともでき、フライト中に充電し旅先で返却することもできます。

※一部の航空会社では、バッテリーの機内持ち込みに制限を設けている場合がございます。ご利用の際は、事前に各航空会社の規定をご確認いただきますようお願いいたします。(2024年12月末現在)

 

[ChargeSPOTの利用方法]

 「ChargeSPOT」の具体的なサービス利用方法は以下のとおりです。

 

[利用料金について](2024年12月末現在)

 国内における「ChargeSPOT」の利用料金は、最初の1時間未満で330円(税込。以下同様)、3時間未満430円、6時間未満500円、12時間未満570円、24時間未満640円、その後は、24時間につき360円の追加と設定しております。

 なお、利用可能時間は120時間を上限としており、レンタル開始後120時間を超えた場合は、それまでの利用料金と違約金2,000円を含む合計4,080円を徴収することとしております。

※5月1日から、1時間未満の料金体系を30分未満165円、30分以上1時間未満330円に分割します。

     

 

 利用料金の決済手段としては、キャリア決済、クレジットカード等をはじめ様々なキャッシュレス決済手段に対応しており、サービス利用前に決済情報を登録していただくことで料金回収に係るリスクを低減しております。

 

 使用できる決済手段の例は以下のとおりです。(一部、使用できるエリアが限定されています。)

・各種クレジットカード

Visa、MasterCard、JCB、Diners Club Card、American Express

・各種キャリア決済

d払い、ソフトバンクまとめて支払い、auかんたん決済

・各種スマホ決済アプリ

Apple Pay、Google Pay、PayPay、メルペイ、WeChat Pay、Alipay、Paidy、au PAY、

楽天ペイ、Union Pay

 

[モバイルバッテリーについて]

 モバイルバッテリーの最大容量は5,000mAhとなっており、ケーブル端子は、USBType-C※1、Lightning※2、Micro USBの3種類が附属しているため、国内で普及するほとんどのスマートフォンやその他多くのモバイル機器に対応し、汎用性の高いサービスとなっております。

 

※1 USB Type-C はUSB Implementers Forum の登録商標です。

※2 LightningはApple Inc.の商標です。

   その他会社名、製品名は、一般に各社の商標または登録商標です。

 

[バッテリースタンドについて]

 「ChargeSPOT」のバッテリースタンドは、設置施設の要望に柔軟に対応できるよう、サイズ別に6つの主要モデルを展開しております。

 

 他にも、鉄道駅の券売機に内装したモデルや、自動販売機に付属したモデルなど、新しい形態のスタンドの開発・展開も実施しています。既存の他社の設備に対応したハードウェアを展開することで、新たな場所への設置を実現しております。

 

[設置メリットについて]

a.負担が少ない契約

 設置先に提供するバッテリースタンドは、設置先との契約に基づき原則として無償貸与しており、設置先の費用負担を低減しております。

 運用に際しても、ラウンダーが各設置場所を巡回し、モバイルバッテリーの補充・回収を行っているため、基本的に設置先でのご対応は不要です。

 不具合などには24時間365日対応のコールセンターで電話や有人チャットによって対応しており、一部の不具合については遠隔での対応も可能なほか、不具合の状況に応じて当社のアクティベーターが店舗を訪問いたします。

 また、レンタル数を定期的に確認し、状況に応じて設置場所の改善や販促物の設置などもご提案しております。

 

b.集客効果

 設置先の情報はアプリ内に掲載される他、クーポンを配布することも可能なため、集客や認知向上のためにご活用いただくことが可能です。

 当社が設置先企業と共同で2022年に行った調査によると、小売店やファストフード店などにおいてバッテリーをレンタルすると同時に店舗で商品を購入するユーザーが約30%いらっしゃいます。

 「ChargeSPOT」が店舗と顧客とのタッチポイントになり、新たな購買動線の構築につながっています。

 

c.サイネージの利活用

 「ChargeSPOT」のバッテリースタンドに搭載されているデジタルサイネージは、設置先にもご利用いただけます。静止画だけではなく動画も配信することができるため、モバイルバッテリーのレンタルもできるサイネージ端末としてもご利用いただいております。

 

d.災害対策

 災害発生時にこそ安心して充電ができる環境を提供することが重要だという考えのもと、当社では台風などによる大規模停電や大型地震が発生した際、48時間以内の利用を無料でご提供しています。

 「ChargeSPOT」は設置先を訪れているお客様や従業員の方、近隣の方々のための備えにもなります。

 

② マーケティングソリューション

 当社が運営するモバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」のバッテリースタンドには、デジタルサイネージが搭載されております。サイネージは1枠15秒、最大48枠(最大720秒)で1ロールを構成し、繰り返し放映されます。営業時間中、設置店舗が利用できる枠を全体の3分の1提供し、残りを企業向け広告枠と、ファンがアーティストを応援できる「CheerSPOT」の配信枠として活用しています。「ChargeSPOT」のサイネージを活用することで、人流の多い店舗や施設内で効果的な広告放映が可能です。

 当社は「ChargeSPOT」のバッテリースタンドを様々な業種の店舗や施設内に設置しています。国内47,330台に加え、香港4,546台、中国本土5,125台、台湾9,471台のバッテリースタンドを有し、グローバルでは約66,000台※1のサイネージ画面を活用できます。

 近年、小売店舗を中心に、リテールメディア※2が注目を集めています。当社はすでに多くの店舗や施設内に「ChargeSPOT」のサイネージを設置しており、新たなコストをかけずに大規模なリテールメディアネットワークを構築しています。設置先店舗にとっても、新たにデジタルサイネージを購入・設置する必要がないため、手軽に店舗内広告の放映環境を整えられるという利点があります。このことは、「ChargeSPOT」の設置促進にもつながっています。

※1 一部のバッテリースタンドはサイネージを未搭載、または広告放映対象外です。

※2 店舗を持つ小売企業(店舗事業者)やEC専業の小売企業(EC事業者)が提供する各種オンラインメディア広告、店舗に設置しているデジタルサイネージ広告の総称。当社のサービス領域はデジタルサイネージ広告。

 

[リテールメディア:企業向け広告枠販売]

 当社グループでは各バッテリースタンドのサイネージ画面を広告枠として、広告主や設置先等に提供し、広告収入を得ております。配信内容は、全国規模のPRから近隣地区への告知まで、エリア、業種業態、ブランドやターゲットに合わせた自由なカスタマイズが可能となっており、設置施設ごとに独自のサイネージ配信を行っております。

a.純広告

 「ChargeSPOT」のデジタルサイネージを活用した広告の配信を行い、視認性の高い訴求を実現しています。ユーザーは「ChargeSPOT」をレンタルする際と返却する際に必ずバッテリースタンドに立ち寄るため、特に店舗内での広告配信では、購買行動の最終意思決定に影響を与えるメディアとして活用されています。

 

b.リワード広告

 利用者に対して、バッテリー利用料の割引や、設置場所の商品の割引等の特典と引き換えに広告コンテンツの視聴を促すインセンティブ型広告を提供しております。これにより、広告主にとって高いエンゲージメントを実現するとともに、ユーザーに対してもメリットのある広告配信を可能にしています。

 

c.ビーコンを活用したソリューション

 ChargeSPOT端末に搭載したビーコン技術を活用し、近接マーケティングや店舗送客を目的としたプロモーションを展開しています。ユーザーの位置情報を活用し、リアルタイムでの広告配信やクーポン提供など、購買促進に寄与する施策を展開しております。

※ ビーコンとはBLE(Bluetooth Low Energy)デバイスの一種で、極めて少ない電力消費でスマートフォン等と連携できることが特徴です。設置されたビーコンに対応アプリが反応することで、場所やシーンに応じた情報の配信などができるようになります。

 

[リテールメディア:CheerSPOT(個人向け枠販売)]

 2024年12月から、「CheerSPOT」を開始しました。本サービスは、ファンが個人でアーティストやIPキャラクター等への応援を発信できるプラットフォームです。応援の気持ちを表した広告を「ChargeSPOT」のデジタルサイネージに放映することが可能です。

 従来、ファンが広告を出稿できる場所は駅などの公共空間が中心であり、広告出稿費用も高額になることから、手軽なものではありませんでした。また、広告作成はアーティストや事務所に無許可なものも多くあり、著作権や肖像権の観点で課題がありました。

 「CheerSPOT」は1枠420円から出稿が可能で、放映場所も全国各地のバッテリースタンドから選ぶことができます。また、当社はアーティスト等と契約を締結しているため、公式の素材をご提供いただいて運営しています。広告収益の一部はアーティスト等にも還元され、その先の活動に繋がります。

 

[アプリ画面・バッテリー面を活用した広告]

 「ChargeSPOT」のアプリはユーザーがモバイルバッテリーをレンタルする際に必ず開くもので、2024年12月末時点でグローバルで累計1,243万回ダウンロードされています。当社では、アプリの画面上部のバナーを広告枠として提供しています。

 また、レンタルされるバッテリーの表面を広告として使用することも可能です。通常と異なるバッテリーデザインを施すことで、持ち運ばれている時はもちろん、スタンドに装填されている時からユーザーの注目を集めることができます。

 

③ ベビーケアルーム「mamaro」

 2024年11月に、ベビーケアルーム「mamaro」を運営するTrim株式会社を子会社化しました。

 「mamaro」の設置ニーズがある場所は「ChargeSPOT」の設置場所と重なるところが多いため、今後は、INFORICHが今までの事業運営の中で培ってきた設置先への導入も進めることで、設置数を増加させてまいります。

 ベビーケアルーム内にはモニターが付いており、広告を流すことも可能です。子育て中の人をターゲットとした放映が可能であるため、消費財メーカーや子育て関連サービス事業者等からのニーズを見込んでおります。

 「mamaro」は工事不要で設置できる完全個室型のベビーケアルームです。授乳やおむつ替え、離乳食などの際に、女性だけではなく男性にもご活用いただけます。

 従来の授乳施設は女性専用であることが多く、また、施設側が後から設置・増設しようとすると大規模な工事が必要でした。「mamaro」は約1畳の空間に設置することができ、工事も不要であることから、商業施設や自治体施設などに2024年12月段階で750台以上設置されています。一括購入プランだけでなく、レンタルプランも用意することで、月々の負担を抑えながら、施設利用者のニーズに応えることができます。

 

(2)当社グループが提供するサービスの特徴

[ChargeSPOT]

① 豊富な設置による利便性

 モバイルバッテリーのシェアリングサービスは、コンセプトとしている「どこでも借りられて、どこでも返せる」を実現する観点から、人が集積しやすい地域の施設や店舗に集中的に設置することが効果的であると考えております。こうした考えに基づき、バッテリースタンドの設置場所は、都市部を中心とした、駅、娯楽施設、コンビニエンスストア、飲食店等に集中して展開しております。

 この結果、2024年12月末現在、国内で47,330台の設置を実現しております。返せる安心感を作り上げることによって、ユーザーがサービスを気軽に利用できる状況を作っています。

 具体的な設置先の例は以下のとおりです。

区分

施設名(略称)

コンビニ

セイコーマート、セブン-イレブン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソン、生活彩家 等

鉄道駅構内

JR東海、Osaka Metro、toks、つくばエクスプレス、バスタ新宿、みなとみらい線、ゆいレール、横浜市交通局、京王電鉄、京成電鉄、京浜急行電鉄、近畿日本鉄道、近鉄リテーリング、埼玉高速鉄道、西日本鉄道、山陽電車、西武鉄道、千葉都市モノレール、大阪モノレール、都営地下鉄、東急電鉄、東京メトロ、東武鉄道、南海電鉄、福岡市地下鉄、北総鉄道、名古屋市交通局、名古屋鉄道 等

空港

札幌丘珠空港、仙台空港、山形空港、庄内空港、成田国際空港、東京国際空港(羽田空港)、八丈島空港、松本空港、富士山静岡空港、中部国際空港、関西国際空港、岡山桃太郎空港、広島空港、岩国錦帯橋空港、阿蘇熊本空港、北九州空港、長崎空港 等

娯楽施設

アンパンマンこどもミュージアム、キッザニア、サンリオピューロランド、スモールワールズ、ナガシマリゾート、ハウステンボス、よみうりランド、ラグーナテンボス、レゴランド、旭山動物園、新横浜ラーメン博物館、川崎競馬場、相模湖プレジャーフォレスト、東京サマーランド、東京国立博物館、富士急ハイランド 等

エンターテインメント、パフォーマンス施設

109シネマズ、CLUBチッタ、kino Cinema、RED°TOKYO、Zepp、アプレシオ、イマーシブフォート、ラウンドワン、横浜アリーナ 等

球場

エスコンフィールドHOKKAIDO 、楽天モバイルパーク宮城、東京ドーム、明治神宮球場、横浜スタジアム、ZOZOマリンスタジアム、ベルーナドーム、バンテリンドーム ナゴヤ、みずほPayPayドーム福岡 等

商業施設、オフィスビルコンベンション施設

DAIMARU、MIYASHITA PARK、PARCO、SHIBUYA 109、アトレ、イオンモール、クイーンズスクエア横浜、グラングリーン大阪、グランフロント大阪、マルイ、ルミネ、横浜赤レンガ倉庫、丸の内ビルディング、高島屋、阪急阪神百貨店、阪急阪神不動産、三井アウトレットパーク、三越伊勢丹、渋谷スクランブルスクエア、新丸の内ビルディング、表参道ヒルズ、福岡タワー、福岡大名ガーデンシティ、幕張メッセ、六本木ヒルズ 等

カラオケ

JOYSOUND、カラオケBanBan、カラオケコロッケ倶楽部、カラオケの鉄人、カラオケレインボー、カラオケ歌屋、カラオケ館、コートダジュール、ビッグエコー、歌広場 等

金融機関

みずほ銀行、りそな銀行、三井住友銀行、郵便局 等

携帯電話ショップ

au、docomo、Softbank、UQモバイル、Ymobile、楽天モバイル 等

家電量販店

エディオン、コジマ、ビックカメラ、ベスト電器、ヤマダデンキ、ヨドバシカメラ 等

薬局

アマノドラッグ、ウエルシア薬局、クリエイト エス・ディー、コクミンドラッグ、

スギ薬局、ツルハドラッグ、ドラッグイレブン、ドラッグセイムス 等

小売

ROPE' PICNIC、TSUTAYA、WEGO、サンキューマート、ライトオン、丸善ジュンク堂書店、阪急スタイルレーベルズ、寺子屋、不二家、文教堂 等

レストラン、ファストフード店

ウェンディーズ・ファーストキッチン、ガスト、スシロー、デニーズ、ジョナサン、バーミヤン、フレッシュネスバーガー、ポポラマーマ、モスバーガー、牛カツ京都勝牛、焼肉坂井ホールディングス、銚子丸 等

カフェ

ヴィ・ド・フランス、エプロント、カフェ・ド・クリエ、コメダ珈琲、サンマルクカフェ、タリーズコーヒー、ドトールコーヒーショップ、モリバコーヒー、春水堂、上島珈琲 等

ホテル

JR東日本ホテルメッツ、アパホテル、スーパーホテル、ドーミーイン、ホテルニューオータニ、ホテルメトロポリタン、ホテルリブマックス、東横イン、東急ステイ 等

自治体管理施設

山梨県、渋谷区、豊島区、熱海市、神戸市、福岡市 等

※一部の設置先の情報であり、全設置先ではありません。

 

② 円滑な運用体制

 モバイルバッテリーやバッテリースタンドの故障状況はシステム管理されており、何らかの異常が発覚した場合は、直ちに当社グループのスタッフを派遣し、回収・修理・交換を行うことで安定的なサービス提供を実現しております。また、ラウンダーが各設置場所を巡回しモバイルバッテリーの補充または回収を行うことで偏在解消を図っております。

 レンタル時に問題が発生した場合にも、アプリ内でユーザー自身で解決できるようにしている他、チャットを活用したカスタマーサポート体制を整備することで迅速な対応を可能にしています。ユーザーからの問い合わせ内容を分析することで、バッテリーやバッテリースタンドの不具合を早期に検知し、必要に応じた対応を実施する体制も整備しています。

 

③ 海外マーケットへの進出

 海外では、香港、中国本土、台湾、タイ、シンガポールでChargeSPOT事業を展開しております。全てのエリアで同一のアプリを使用しており、エリアを超えて使用することが可能です。オーストラリアではEzycharge社を買収後、Ezychargeブランドでシェアリングサービスを運営しております。

 展開エリアごとに人流が多くレンタルがしやすいところを中心に、バッテリースタンドを一定程度の密度で設置し、各エリアでよく使われている決済手段を搭載することで展開エリアの全てで高い市場シェアを実現しています。

 また、中国本土では中国所在の連結子会社である殷富利(广州)科技有限公司及び現地のフランチャイジー、香港においては香港所在の連結子会社であるINFORICH ASIA HONG KONG LIMITED、台湾ではChargeSpot ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.、オーストラリアではEzycharge Australasia Pty Ltd.、タイ、シンガポール及びマカオでは現地のフランチャイジーがそれぞれサービス提供をしております。その他、子会社の事業状況については、「4 関係会社の状況 」に記載のとおりであります。

 

④ 自社開発の製品・サービス基盤

 当社グループのモバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」は、自社開発のサービス基盤の元で運用されております。また、「ChargeSPOT」で使用しているバッテリースタンドの一部機能についても自社で開発を行っております。

 ChargeSPOT事業で使用するモバイルバッテリー及びバッテリースタンドの研究開発は、中国本土所在の連結子会社である殷富利(广州)科技有限公司で行っており、生産は同社から現地の外部企業へ委託しております。

 これらの自社での開発により、タイムリーかつ細やかな地域ごとのニーズへの対応が可能となる上、低コストでの継続的な製品・サービス改善を実現しております。日本市場では、鉄道駅の自動券売機の削減によって生まれたデッドスペースを活用した券売機モデルや、自動販売機に付帯した自動販売機モデルなど、市場のニーズに合った製品の導入を進めております。その他、海外(中国本土、香港、台湾、タイ、シンガポール)では狭小店舗のカウンター内への設置があることから、サイネージを廃したコンパクトな8スロットモデルを展開するなど、各エリアに合ったモデルを開発しております。オーストラリアの「Ezycharge」はタッチ決済に対応したモデルを従来から展開しており、今後は「ChargeSPOT」の展開エリアでもタッチ決済に対応したスタンドを開発/展開してまいります。

 また、ソフトウェアについては日本で開発を実施し、顧客情報などは各エリアで管理する体制をとっております。日本をはじめとする各地域における需要変化にも柔軟かつ迅速に対応が可能であることから、市場において当社グループ独自の戦略を実現することが可能となっております。

 

[マーケティングソリューション]

① 豊富なサイネージ面数と多様な設置場所

 当社のサイネージ画面は「ChargeSPOT」に付帯しているため、バッテリースタンドの設置網の広がりによってサイネージ画面の数も増加していきます。2024年12月末段階で国内47,330台に加え、香港4,546台、中国本土5,125台、台湾9,471台のバッテリースタンドを有し、グローバルでは約66,000台のサイネージ画面があることから、所有するサイネージ画面の数は国内でも最大規模のものです。また、バッテリースタンドを国内47都道府県と海外の7エリアのコンビニエンスストア、交通機関、商業施設などの幅広い業種に設置しているため、様々なセグメントの人に広告を訴求することが可能です。

※自社調べ

② 視認性の高さ

 「ChargeSPOT」のバッテリースタンドは人流が多い店舗や施設内を中心に設置しているため、サイネージ画面も視認性が高くなります。また、ユーザーはレンタルと返却の際に必ずバッテリースタンドを訪れることから、その場所を実際に訪れている人に対して広告を見せることができる、リアルなタッチポイントがある配信面だと言えます。

 

③ 配信コントロールの柔軟性

 広告配信においては、エリアや設置先の業種、バッテリースタンドのサイズなどで絞ってコントロールすることが可能です。特定地域の1店舗から特定業種の店舗、全国のチェーン店全店などに限定して配信できるため、エリア限定の情報から全国プロモーション、海外の特定エリアでの配信まで、幅広い用途で使用することができます。自社でバッテリースタンドの開発も行っているため、今後も設置ニーズに合った新たなスタンドの開発を行い、配信面の増加にも取り組んでまいります。

 「CheerSPOT」の利用に際しても、自宅の近くに放映する、応援しているアーティストのライブ開催場所や出身地に放映するなど、幅広い場所から選んで出稿することが可能です。また、既にタイでの対応も始まっており、日本からタイ、タイから日本のサイネージ画面に出稿することもできます。

 

[ベビーケアルーム「mamaro」]

① 高い利便性

 子育て中の人にとって、授乳や離乳食、おむつ替えのための空間が少ないことは外出時の障壁の一つです。施設側に空間として用意されていても、数が少なかったり女性専用空間の中にあったりと利便性が高くないことも多くあります。「mamaro」は完全個室型で男女関係なく利用できるため、多くの方の子育て上の障壁を解消する事が可能です。また、アプリケーション上で利用状況が可視化でき、30分以上の利用があった場合には施設管理者にアラートが発信されるため、待ち時間なく安全に施設を使用することができます。

 

② 設置の簡単さ

 従来、施設側が新たに授乳室を導入しようとした場合は大規模な工事が必要でしたが、「mamaro」は1畳程度の空間に工事無しで簡単に設置することができます。「mamaro」を設置することで、子育て中の利用者のニーズに応え、満足度の向上と利用者の増加に繋がります。設置に際しては、一括購入だけではなく月額払いでのレンタル設置も可能なため、施設側は負担なく導入することが可能です。

 

[事業系統図]

 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりとなります。

※HW(以下、ハードウェア)はバッテリースタンド及びモバイルバッテリーを指します。

SW(以下、ソフトウェア)は当社グループのサービスに係るソフトウェアを指します。

当連結会計年度においてEzycharge Australasia Pty Ltd、Ezycharge Australia Pty Ltd、ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.及びTrim株式会社は株式の新規取得により子会社となったため、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。また、2024年10月25日にINFORICH EUROPE LTDを新たに設立したことから、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。

① 財政状態の状況

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は10,526,374千円(前連結会計年度末比4,595,025千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が4,334,640千円増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は8,382,029千円(前連結会計年度末比5,559,915千円増)となりました。これは主に、バッテリースタンドの新規設置及びモバイルバッテリーの取得等に伴うリース資産が264,385千円、工具、器具及び備品が321,428千円、建設仮勘定が143,081千円増加し、また、新規連結子会社の取得により工具、器具及び備品が853,232千円、のれんが2,924,711千円増加したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は10,663,013千円(前連結会計年度末比5,764,930千円増)となりました。これは主に、契約負債が1,190,993千円、短期借入金が3,214,787千円増加したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は2,854,815千円(前連結会計年度末比2,080,965千円増)となりました。これは主に、長期借入金が1,545,321千円、リース債務が309,433千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は5,390,574千円(前連結会計年度末比2,309,044千円増)となりました。これは主に、欠損補塡を目的とする減資による資本金334,382千円減少、資本剰余金3,366,700千円減少、利益剰余金3,701,082千円増加、また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,061,074千円、為替換算調整勘定が51,318千円増加したこと等によるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は緩やかに持ち直しの動きを見せていますが、実質賃金の増加幅はごく僅かにとどまり、消費の持ち直しは限定的なものにとどまっています。世界経済では、米国の保護主義化によって中国をはじめとした各国経済の先行きが不安視されています。各国の政治の不安定化が今後の情勢を左右する可能性もあり、注視が必要です。

 ChargeSPOT事業が対象とするモバイルバッテリーのシェアリングサービスの市場規模について、同サービス世界最大のマーケットである中国では、2023年12月末現在約517万台(出所:Fastdata,「2023 China Shared Power Bank Industry Trend Report」)のバッテリースタンドが稼動しており、年間約2.8億人がモバイルバッテリーのシェアリングサービスを使用しています。中国と日本では、市場、技術及び文化等の相違はあるものの、中国での市場規模の推移は今後の日本におけるモバイルバッテリーのシェアリングサービスの普及を予想する上で、一指標になるものです。

 「ChargeSPOT」はモノを所有するのではなく貸し借りすることで使用する、シェアリングエコノミーを前提としたサービスです。昨今の環境意識の高まりなどを受けて、シェアリングエコノミーを積極的に活用するユーザーが一定数存在しています。一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した「シェアリングエコノミー関連調査2024年度調査結果 2025年1月公表」においては、2024年度のシェアリングエコノミーの市場規模は3兆1,050億円(※1)で、2022年度比で18.7%増加しています。今後もシェアリングエコノミー市場は拡大していくものと想定されます。

 2023年4月に行った株式会社電通の調査に基づく当社の推計では、帰宅するまでにスマートフォンの充電が切れる人は約3,950万人、さらにそのうちの1,600万人は1日の外出時間中に最低2回以上の充電を必要としています。スマートフォンに使用されているリチウムイオン電池は、約600回の充電(概ね2年程度の使用)によって充電容量が80%に低下する特性を持っています(※2)。しかし、スマートフォンの高価格化が進んだ現在、スマートフォンの買い替えサイクルは4年7ヶ月に長期化しています(2022年度版の内閣府・消費者動向調査による)。この頃には、充電容量は新品時の30%程度にまで低下してしまいます(※2)。生活をする上でスマートフォンが欠かせないものになっている現在、数年以上使用したスマートフォンを使っている人が外出中に充電したいと感じることは自然なことと言えます。昨今、バッテリーについての研究が世界各国で盛んに実施されていますが、スマートフォンの電池のみを念頭に置いた場合、現在使用されているリチウムイオン電池以上のものは少なくとも2030年までには開発され得ないと想定されます(※2)。EV自動車やドローンなどのために開発される技術のスマートフォンへの転用は、小型化と安全性という観点で大きなハードルがあり、バッテリー技術の向上がスマートフォン性能の向上に直結するとは限りません。また、旧来よりリチウムイオン電池自体の性能の向上も行われており、内蔵電池の容量は年平均で11.6%増加しています(※2)。しかし、ディスプレイの高精細化やアプリケーションの高容量化、5G対応などによって、スマートフォンの平均消費電力量は17.9%と、内蔵電池容量以上に増加しています(※2)。以上のことから、外出中の充電のニーズは非常に高く、今後も高まっていくものと想定されます。

 ※1 市場規模は資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額と定義

 ※2 当社調べ

 

 また、株式会社CARTA HOLDINGSが株式会社デジタルインファクトと共同で実施した「リテールメディア広告市場調査 2025年1月23日公表」によれば、2024年の国内のリテールメディア広告の市場規模は、前年度比125%増の4,692億円に成長しました。そのうち147億円は店舗のデジタルサイネージを活用したものと推計されています。2028年の予測では、リテールメディア広告市場は2024年比約2.3倍の1兆845億円規模、そのうちデジタルサイネージは350億円規模に拡大すると予測されております。

 当社の新サービスである「CheerSPOT(チアスポット)」については、「オタク」の活性化も普及につながると考えられます。矢野経済研究所の「オタク」市場に関する調査によると、2023年の「オタク」市場全体の市場規模は約8,176億円に上ると見込まれ、年々成長しています。ファンがアイドルなどへの「応援」のメッセージを広告面などに掲載する応援方法に関する市場も国内約300億円規模だと推定されています。

 このような状況の中、当社グループは、ChargeSPOT事業の拡大に取り組むべく、積極的な投資を進めるとともに、新たなビジネス機会の創出に取り組んでまいりました。

 バッテリースタンドの設置台数は2024年12月末時点で当社グループ全体では66,472台、国内では47,330台となり、「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に向けて増加させております。月間アクティブユーザー数(四半期平均)は当社グループ全体では1,537千人、国内では1,020千人になりました。月間レンタル数(四半期平均)も当社グループ全体では283万回、国内では190万回になりました。フランチャイズ展開を行っているタイ、シンガポール、マカオを含めると、設置台数は71,073台になり、サービスの裾野がグローバルに広がっています。

 当社は、「ChargeSPOT」の設置を通じて、幅広い業種の店舗や施設との関係性を築いてきました。「VISION2030(中期経営計画)」では、この関係性と多数のユーザーを土台にし、新たな収益機会を獲得することをプラットフォーム事業と定義し、重点領域に設定しています。

 11月には、完全個室型ベビーケアルーム「mamaro」を提供するTrim株式会社を子会社化しました。「mamaro」は性別問わずに利用できる1畳程度のコンパクトな設計の完全個室型のベビーケアルームです。授乳やおむつ替え、離乳食の際などに利用することができ、商業施設や公共施設、駅やレジャー施設を中心に設置が進んでいます。ベビールームの中にはモニターがあり、広告を配信することも可能です。「ChargeSPOT」のサイネージに加え、「mamaro」内のモニターの活用も進めていきます。今後は、当社が今までに築いてきた設置先への展開を進めることで「mamaro」設置数の増加を目指すほか、「ChargeSPOT」を運営しているエリアをはじめとした、グローバルへの展開も検討してまいります。また、当社が築いてきた海外の協力工場との関係性をもとに製造におけるコスト削減を行うことで、売上伸長とコストカットの両面でのシナジーも見込んでおります。

 かねてより進めていた「ChargeSPOT」のバッテリースタンドに付属するサイネージの活用にも引き続き取り組んでまいりました。当社が展開している「ChargeSPOT」のサイネージは日本全国の人流が多い場所に設置されていることから、台数の増加にともなって広告面としての価値も向上していくものと考えています。

 12月には新たなサービスとして、「CheerSPOT」を開始しました。「CheerSPOT」は、「ChargeSPOT」のデジタルサイネージにおいて、ファンが個人でアーティストへの応援を発信できる新たなプラットフォームです。このプラットフォームの開始によって、個人が「ChargeSPOT」デジタルサイネージの広告枠を購入し、自分の好きなアーティストやタレントを「Cheer(応援)」することができるようになりました。ユーザー数の拡大を目指すべく、今後も参加アーティストの増加に取り組んでまいります。また、「ChargeSPOT」をフランチャイズ展開しているタイでのサービス提供も開始するなど、エリアの拡大も行っています。

 これらの結果、売上高は大きく増加し、10,701,124千円(前連結会計年度比39.3%増)となりました。EBITDA(注)2,963,557千円(前連結会計年度比110.3%増)、営業利益は1,662,265千円(前連結会計年度比175.3%増)、経常利益は1,751,485千円(前連結会計年度比176.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,061,074千円(前連結会計年度比260.4%増)となりました。

 当社グループといたしましては、今後もサービス品質のさらなる向上を念頭に置きながら、サービスの認知度向上及び利用拡大へ取り組んでまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、9,061,496千円と前連結会計年度末に比べ4,634,495千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、3,938,784千円(前連結会計年度は2,430,079千円の獲得)となりました。これは主に増加要因として、税金等調整前当期純利益1,586,507千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益473,519千円)、減価償却費1,210,663千円(前連結会計年度は805,522千円)、減損損失153,579千円(前連結会計年度は148,074千円)等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、4,673,415千円(前連結会計年度は959,130千円の使用)となりました。これは主に、モバイルバッテリー、バッテリースタンド等の取得による有形固定資産の取得による支出1,634,914千円(前連結会計年度は1,148,714千円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,186,656千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により獲得した資金は、5,135,216千円(前連結会計年度は885,077千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増額3,214,787千円(前連結会計年度は975,500千円)、長期借入れによる収入1,811,120千円(前連結会計年度は30,000千円)、セール・アンド・リースバックによる収入1,500,723千円(前連結会計年度は1,140,645千円)、新株予約権の行使による株式の発行による収入160,714千円(前連結会計年度は109,017千円)等があった一方で、長期借入金の返済による支出196,567千円(前連結会計年度は41,100千円)、リース債務の返済による支出1,321,896千円(前連結会計年度は1,359,414千円)等があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

ChargeSPOT事業

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

7,681,681

175.0

10,701,124

139.3

 (注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,019,443千円増加し、10,701,124千円(前連結会計年度比39.3%増)となりました。これは主に、国内の料金改定とM&Aによる新規連結子会社の貢献によるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて439,563千円増加し、2,371,841千円(同22.7%増)となりました。これは主に、バッテリースタンドの増設に伴う減価償却費の増加及びレンタル数の増加に伴う支払手数料の増加によるものであります。

 その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて2,579,879千円増加し、8,329,283千円(同44.9%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて1,521,519千円増加し、6,667,017千円(同29.6%増)となりました。これは主にバッテリースタンドの増設に伴う地代家賃に含まれる設置料の増加、レンタル収益の増加に伴うロイヤリティの増加及び人員増加に伴う人件費の増加、M&Aに伴う業務委託費やのれん償却額の計上によるものであります。

 その結果、営業利益は1,662,265千円(前連結会計年度は603,905千円の営業利益)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて83,897千円増加し、226,036千円(同59.0%増)となりました。これは主に、受取利息及び受取配当金の増加によるものであります。

 当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて24,490千円増加し、136,816千円(同21.8%増)となりました。これは主に、支払利息130,458千円計上したことによります。

 その結果、経常利益は1,751,485千円(前連結会計年度は633,718千円の経常利益)となりました。

 

(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は、債務免除益14,785千円を計上しております。当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて19,563千円増加し、179,762千円となりました。これは主に、ChargeSPOT事業で利用するモバイルバッテリーの一部について、除却予定となり将来の使用が見込まれていないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失153,579千円を計上したことによります。

 その結果、税金等調整前当期純利益1,586,507千円(前連結会計年度は473,519千円の税金等調整前当期純利益)となりました。

 

(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の法人税等合計は、△483,576千円(前連結会計年度の法人税等合計は△96,603千円)となりました。これは主に、今後の業績見通し等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産が増加したことから、法人税等調整額△498,753千円(前連結会計年度の法人税等調整額は、△114,583千円)を計上したことによります。

 その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,061,074千円(前連結会計年度は571,888千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

b.財政状態

 主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループは、認知度の向上及び利用者数の拡大をすべく、積極的に設備投資及び広告宣伝活動を実施してまいりましたが、今後は設備投資を重視して実施する方針であります。当社グループの資金需要の一定割合は設備投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及び増資等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針

 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、月間レンタル数(各四半期平均)、月間アクティブユーザー(各四半期平均)及び累計設置台数を重要指標として運営を行っております。

 

 各指標の推移は以下のとおりであります。

(グローバル)

 

第6期

連結会計年度

(自 2020年

1月1日

至 2020年

12月31日)

第7期

連結会計年度

(自 2021年

1月1日

至 2021年

12月31日)

第8期

連結会計年度

(自 2022年

1月1日

至 2022年

12月31日)

第9期

連結会計年度

(自 2023年

1月1日

至 2023年

12月31日)

第10期

連結会計年度

(自 2024年

1月1日

至 2024年

12月31日)

月間レンタル数 (万回)

51

91

142

208

287

月間アクティブユーザー (千人)

37

49

75

113

154

累計設置台数 (万台)

3.2

3.7

4.6

5.1

6.9

 

(国内)

 

第6期

連結会計年度

(自 2020年

1月1日

至 2020年

12月31日)

第7期

連結会計年度

(自 2021年

1月1日

至 2021年

12月31日)

第8期

連結会計年度

(自 2022年

1月1日

至 2022年

12月31日)

第9期

連結会計年度

(自 2023年

1月1日

至 2023年

12月31日)

第10期

連結会計年度

(自 2024年

1月1日

至 2024年

12月31日)

月間レンタル数 (万回)

12

53

104

156

191

月間アクティブユーザー (万人)

7

27

55

81

102

累計設置台数 (万台)

2.5

3.0

3.8

4.2

4.7

 

 

 

 

 

 

 

※ 月間アクティブユーザー:1ヶ月に1回以上利用のあるユーザー(FY2020 1Q,2Qは中国分のデータを含まない)

※ 月間アクティブユーザー・ダウンロード数には別ブランドのオーストラリア「Ezycharge」は含まない

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

 当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

 

日本

中国(香港含む)

その他

合計

6,166,881

1,316,117

198,682

7,681,681

 (注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:千円)

 

日本

中国(香港含む)

その他

合計

2,248,398

390,386

2,638,785

 

3.主要な顧客ごとの情報

 連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客への売上高がないため、記載は省略しております。

 

 

 当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

 

日本

中国(香港含む)

その他

合計

8,396,564

1,565,249

739,311

10,701,124

 (注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:千円)

 

日本

中国(香港含む)

その他

合計

2,558,478

566,336

415,177

3,539,992

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客への売上高がないため、記載は省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。