沿革
2【沿革】
当社グループの創業者である袴田武史は、米大学院で航空宇宙工学修士号を取得後、経営コンサルティング会社を経て、民間による月面探査車(以下、「ローバー」という。)開発及び、世界初の民間月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」への参加を目指し、2010年9月に合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(現当社)を設立いたしました。その後、ローバー開発及び資金調達面で提携していた欧州のホワイトレーベルスペース財団が「Google Lunar XPRIZE」から脱退したことを受け、2013年5月に組織変更を行い、現在の株式会社ispaceに社名を変更した後、2013年7月に「Google Lunar XPRIZE」に日本唯一のチーム「HAKUTO」として独自に参加いたしました。
当社グループは、将来の米国進出に向けて2015年1月に米国デラウェア州にispace technologies, inc.を設立し、当社を子会社化する組織変更を実施しましたが、2016年10月には、日本での事業化加速を優先するために親会社であるispace technologies, inc.を解散の上、当社を親会社とした上で改めて子会社ispace technologies U.S., inc.を米国デラウェア州に設立し、NASA Ames Research Park(米国カリフォルニア州)内にオフィスを設置しました。なお、2020年12月には米国子会社において月着陸船(以下、「ランダー」という。)の開発を実施するための体制を構築するため、子会社ispace technologies U.S., inc.のオフィスをコロラド州デンバーに移転しております。また2017年3月には、ルクセンブルク大公国政府との間で月の資源開発に関する覚書を締結し、子会社ispace EUROPE S.A.をルクセンブルク市に設立しております。直近では、当社事業運営上必要となる電波法に係る無線免許の取得及び電波利用を実施するための子会社として、株式会社ispace Japanを2021年7月に設立し、現在に至っております。
資金調達面では、2017年12月から2018年2月にかけてシリーズAとして国内過去最高額、また、宇宙分野のシリーズAとしては世界過去最高額(いずれも2018年2月当時)となる103.5億円の新株発行による資金調達を行いました。その後、2020年のシリーズB、2021年のシリーズCの資金調達を経て、2023年4月には、グロース市場に上場しております。上場後も、2024年3月には海外募集を、2024年10月から2025年3月にかけては第三者割当増資を実施し、累計で415億円の新株発行による資金調達を実施しております。また、2021年5月には複数行と総額19.5億円の借入を実行、2022年7月には総額50億円のシンジケートローン契約を締結の上、本件融資を実行しております。続く2024年3月期においては、複数行と融資契約を締結し総額75億円の借入を実行、2025年3月期には総額100億円のシンジケートローン契約を含め、借換も含めて総額193億円の融資契約を締結し実行しております。進行期である2026年3月期も、2025年5月に株式会社三井住友銀行と100億円、株式会社みずほ銀行と50億円の融資契約をそれぞれ締結し実行し、本書提出日現在までに創業以来の累計値で496億円の融資契約を締結し実行しております。これらの資金を原資としたランダー及びローバーの開発並びに当社ミッションの実行を進めると同時に、事業化のための市場と顧客の開拓を行っております。
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年月 |
事項 |
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2010年1月 |
当社代表取締役CEOの袴田武史が東北大学吉田和哉教授とともに日本からGoogle Lunar XPRIZE(注1)参加の検討を開始 |
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2010年9月 |
合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(現 当社)を埼玉県入間市に設立 |
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2011年8月 |
Google Lunar XPRIZE向けの月面探査車(ローバー)のプロトタイプを発表 |
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2013年5月 |
合同会社を株式会社に組織変更し、社名を株式会社ispaceに変更 |
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2013年7月 |
Google Lunar XPRIZEに日本唯一の参加チーム「HAKUTO」(注2)として始動 |
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2015年1月 |
「HAKUTO」で開発するローバーが宇宙空間でも機能する性能を持つことが評価され、Google Lunar XPRIZEの中間賞を受賞 |
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2015年1月 |
米国デラウェア州にispace technologies, inc.を設立し、株式会社ispaceを子会社化する組織変更を実施 |
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2015年8月 |
業容拡大に伴い、本社を東京都港区麻布台に移転 |
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2016年4月 |
月面開発事業への本格進出に向け、月着陸船(ランダー)の開発に着手 |
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2016年10月 |
インキュベイトファンド株式会社及び株式会社日ノ樹よりコンバーティブル・エクイティで2億円を調達 |
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2016年10月 |
日本での事業化加速のため、米国本社ispace technologies, inc.を解散の上、株式会社ispaceを本社に変更 |
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2016年10月 |
新規に子会社ispace technologies U.S., inc.(連結子会社)を米国デラウェア州に設立し、NASA Ames Research Park(米国カリフォルニア州)内にオフィスを設置 |
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2017年3月 |
ルクセンブルク大公国政府と月の資源開発に関する覚書を締結し、子会社ispace EUROPE S.A.(連結子会社)を設立 |
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2017年12月 |
月着陸船(ランダー)開発のために101.5億円の資金調達(シリーズA)を実施 |
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2018年2月 |
シリーズAの追加ラウンドとして2億円(累計103.5億円)の資金調達を実施 |
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2018年3月 |
Google Lunar XPRIZEの終了に伴い、HAKUTOプログラムを終了 |
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2018年7月 |
業容拡大に伴い、本社を東京都港区芝に移転 |
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2018年9月 |
月面探査の技術検証ミッション「HAKUTO-R」(注3)プログラムの立上げ及びSpace Exploration Technologies Corp.(以下、「SpaceX社」という。)のファルコン9ロケットで相乗りでの打上げを公表 |
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2018年11月 |
NASAによる月面輸送サービスの商業的購買プログラムであるCommercial Lunar Payload Serviceに米国The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.のチームとして選定 |
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2019年5月 |
European Space Agency(以下、「ESA」という。)との間で、月資源利用の実証に向けたミッション「In-Situ Resource Utilization」(ISRU)の事前検討に係る契約を締結 |
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2019年7月 |
子会社のメンバーが、ESAの月の水探査を目指すプロジェクト(PROSPECT)のサイエンスチームに選出 |
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2020年7月 |
月着陸船(ランダ―)開発のために追加で30億円の資金調達(シリーズB)を実施 |
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2020年12月 |
ispace technologies U.S., inc.のオフィスをカリフォルニア州からコロラド州デンバーへ移転 |
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2020年12月 |
ミッション・コントロール・センター(月着陸船及び月面探査車を地球から操縦するための管制室)を東京都中央区日本橋に開設 |
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2020年12月 |
NASAによる月面で採取した月のレゴリス(砂)の販売に関する商取引プログラムに、当社とispace EUROPE S.A.が採択される |
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2020年12月 |
シリーズBの追加ラウンドとして5億円(累計35億円)の資金調達を実施 |
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2021年2月 |
業容拡大に伴い、本社を東京都中央区日本橋浜町に移転 |
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2021年5月 |
国内大手銀行4行から、総額19.5億円の借入を実行 |
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2021年7月 |
東京都中央区に株式会社ispace Japanを設立 |
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2021年7~8月 |
月着陸船開発のために追加で53.1億円の資金調達(シリーズC)を実施 |
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2021年10月 |
シリーズCの追加ラウンドとして2.5億円(累計55.6億円)の資金調達を実施 |
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2021年12月 |
子会社ispace EUROPE S.A.がESAの月面輸送サービスパイロットプログラムにAriane groupと共同採択される |
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2022年7月 |
ispace technologies U.S., inc.がチャールズ・スターク・ドレイパー研究所(以下、「ドレイパー研究所」という。)を中心とするチームの一員としてNASAの商業的物資輸送プログラム(Commercial Lunar Payload Services、以下、「CLPS」という。)のタスクオーダーCP-12のサービスプロバイダーに採択される |
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2022年7月 |
金融機関各行より総額50億円の借入を実行 |
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2022年12月 |
民間月面探査プログラムミッション1の打上げをフロリダ州ケープカナベラル宇宙基地より実施 |
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2023年4月 |
東京証券取引所グロース市場に株式を上場し、65.1億円の資金調達を実施 |
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2023年4月 |
ミッション1マイルストーンのSuccess8までを完了、Success9の完了が困難と判断 |
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2023年12月 |
SBIR制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」において、補助対象事業として採択され、補助金120億円の交付決定通知書を受領 |
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2024年1月 |
金融機関各行より、2024年3月期の総額として75億円の借入を実行 |
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2024年3月 |
海外募集により83.6億円の資金調達を実施 |
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2024年4月 |
株式会社三井住友銀行より借換も含めた総額70億円の融資契約を締結 |
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2024年7月 |
金融機関各行より総額100億円の借入を実行 |
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2024年9月 |
ルナ・アドバイザリー・ボードの創設を発表 |
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2024年10月 |
Heights Capital Management, Inc.に対する第三者割当による普通株式及び新株予約権の発行 |
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2024年11月 |
株式会社三井住友銀行がHAKUTO-Rオフィシャルパートナーとして参画 |
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2025年1月 |
Mission2“SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”の打上げを実施 |
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2025年4月 |
宇宙戦略基金(第1期)として公募された「月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証」に、当社が連携機関として参画する研究開発課題「テラヘルツ波リモートセンシング衛星による月地下浅部の資源探索」が採択 |
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2025年5月 |
株式会社三井住友銀行から100億円、株式会社みずほ銀行から50億円の借入を実行 |
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2025年6月 |
Mission2“SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”のSuccess9である月面着陸の完了が困難と判断 |
(注)1.Googleがスポンサーとなり、Xプライズ財団によって開催、運営された世界初の民間月面探査レースであります。
2.当社運営のGoogle Lunar XPRIZEに向けた月面探査チームであり、名称は日本古来の「月にはウサギがいる」という伝承に因んだ「白兎」に由来しております。
3.「HAKUTO-R」プログラムは、米国Google社がスポンサーとなりXプライズ財団によって開催、運営された世界初の民間月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に、当社が日本から唯一参加して挑んだ際のチーム名称「HAKUTO」に由来しております。当該レースは最終的に参加全チームが期日内の打上げを達成できず、勝者のないまま期限切れにより終了しておりますが、チーム「HAKUTO」は、最終選考の5チームに選ばれ、2015年1月には開発するローバーが宇宙空間でも機能する性能を持つとして高い評価を受け、モビリティ部門における中間賞(賞金50万米ドル)を受賞いたしました。レース終了後、HAKUTOを応援していただいた多くの皆様の想いを継承しつつ、初心に立ち返って、日本初の民間月面探査実現への挑戦を”R”eboot(再起動)するという想いを込め、当社ミッション1及びミッション2からなる技術実証ミッションを「HAKUTO-R」と呼称しております。なお、ロゴは、HAKUTOでモチーフとした白いうさぎと頭文字の「H」を継承しながら、さらに一筆書きできる曲線によって地球から月へ向かうランダーの軌道と月面を表現しております。
関係会社
4【関係会社の状況】
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名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合(又は被所有割合)(%) |
関係内容 |
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(連結子会社) |
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ispace EUROPE S.A. |
ルクセンブルク大公国 ルクセンブルク市 |
40,000ユーロ |
月面開発事業 |
100 |
役員の兼任 2名 資金の援助 |
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ispace technologies U.S., inc. (注)2.3.4 |
米国 コロラド州デンバー |
500,000.01米ドル |
月面開発事業 |
100 |
役員の兼任 2名 資金の援助 |
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その他1社 |
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(注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
2.ispace technologies U.S., inc.は特定子会社に該当しております。
3.ispace technologies U.S., inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上高 2,149,938千円
(2)経常損失 △2,854,499千円
(3)当期純損失 △2,871,086千円
(4)純資産額 △4,485,275千円
(5)総資産額 17,329,744千円
4.ispace technologies U.S., inc.は、債務超過の状況にあり、債務超過の額は2024年12月31日時点で4,485,275千円であります。