リスク
3 【事業等のリスク】
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 景況等の影響について
当社グループの売上の多くは、広告収入に依存しています。特に、大きなウエイトを占めているテレビスポット収入は、国内景気の全体の動きに加え、広告主である各企業の業績や広告出稿に対する動向などとの連動性が強くなっています。このため、景況や広告主の動向によって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、放送事業の広告収入を柱としながらも、不動産関連セグメント他の事業により収益基盤を強化しており、リスクの最小化に努めております。
(2) 視聴率、聴取率による影響
視聴率および聴取率は、スポンサーにとって、CMが、視聴者および聴取者に、いかに到達しているかを示す指標となっています。このため、視聴率や聴取率の変動は、メディアコンテンツ関連部門の売上高に影響を与えることとなります。
テレビにおける視聴率のうち、ゴールデンタイム、プライムタイムと呼ばれる時間帯の多くは、キー局である㈱TBSテレビが制作、編成していますが、こうした番組の視聴率動向によっても、売上高が大きく変動する可能性があります。
当社グループの㈱CBCテレビでは、キー局制作の番組を番組宣伝などにより多くの視聴者に見ていただけるよう努める一方、自社による編成時間帯では、自社制作番組の強化などにより、高い視聴率を獲得できるよう取り組んでおります。
(3) 他メディアとの競合について
テレビメディアは受像機が広く普及しており、広告メディアとしての優位性を保っていますが、技術の飛躍的な進歩によるメディア、情報デバイスの多様化は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、報道、制作、編成、営業の各部署が連携して、番組を主軸としたコミュニケーション力を最大化する「総合力」を生かして、70年余りの間に培ってきた制作力に基づくコンテンツを生み出し、最大のリーチメディアである地上波放送や通信を活用した多様なメディア戦略によって、その価値を最大化し、グループの業容拡大と収益性の最大化を目指してまいります。
(4) 大規模災害の発生、気候変動、感染症拡大などへの対応について
当社の本社がある名古屋市をはじめ、放送サービスエリア内の広い範囲が、東海地震に係る地震防災対策強化地域および東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。当社グループでは、本社建物や電波を送り出す瀬戸のデジタルタワーを始めとした放送関連施設について、最大限の地震対策を施しております。
また、当社グループのメディアコンテンツ関連部門は報道機関であることから、大地震をはじめとする大規模な災害や新型コロナウイルスに代表される感染症拡大など、緊急時や非常事態においても、放送を続けるばかりでなく、平時以上の情報を提供し続けるという使命を負っております。
さらに、地球規模で深刻さを増す気候変動は、日本でも異常気象が大規模な災害をもたらしており、災害による被害に加え、気候変動に対処する規制などが当社をはじめ様々な企業の活動に影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループでは、財務基盤を常に強化し続けることで、広告収入が一定期間大幅に減少したり、全く無くなったりした場合でも放送事業を継続できるよう備えております。また、こうした有事の際の放送事業継続にあたっては、BCPに則り、対応マニュアル発動、テレワーク等勤務体制の変更、番組収録体制の工夫等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進してまいります。
(5) 有価証券等の保有について
当社グループが保有する有価証券は、政策保有目的の株式など当社の企業価値向上を目的として中長期的に保有しているものですが、これらについては大幅な株式市況の下落や投資先の実質価額の著しい下落があった場合には、多額の評価損が計上され、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制について
当社は、放送法が定める認定放送持株会社として放送法ならびに関係の法令に規制されております。また、当社グループの主たる事業である放送事業は、電波法や放送法等の法令に規制されております。当社は1951年8月に放送法に基づく放送免許を取得して以来、同法による免許の有効期間である5年ごとに更新を続け、その後、2013年4月にラジオ放送免許を㈱CBCラジオに、2014年4月にテレビ放送免許を㈱CBCテレビに、それぞれ承継し、当社は2014年4月に認定放送持株会社化して現在に至っております。
いずれの会社も、将来において、電波法、放送法等の法令による規制に重大な変更があった場合や、それらの法令に抵触する決定を受けた場合には、当社グループの事業活動や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、内部管理体制の強化やコンプライアンス体制の整備に努めてまいります。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループは、放送という公共性の高い事業の性格上、長期にわたり安定した経営基盤を確保することが重要と考えております。
こうしたことから、利益配分に関しましては、安定配当の継続を基本としつつ、さらに、株主の皆さまへの利益還元重視を明確にするため、毎期の業績に連動することとしております。
この方針に基づき、配当金は親会社株主に帰属する当期純利益(連結)の30%を目安とした配当性向を基準といたします。なお、非経常的な特殊要因により、親会社株主に帰属する当期純利益が大きく変動する場合等については、その影響を考慮し配当額を決定いたします。また安定配当性を維持するため、1株当たりの年間配当金は10円を下限といたしております。
当事業年度の期末配当金につきましては、この基本方針と当事業年度の業績動向等を総合的に勘案し、1株当たり10円といたします。中間配当金を1株当たり5円で実施しておりますので、年間の配当金は1株当たり15円となります。
内部留保の使途については、多額を要する放送設備の更新と社屋関係へのインフラ投資、持続的な成長を維持するための事業展開に向けた投資に備えていくこととしております。
また、今後も原則として、中間配当として9月30日、期末配当として3月31日を基準日とした年2回の配当を継続する予定です。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。