リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループについて
(イ)日本国内の景気動向及び市場環境について
当社グループの売上は概ね日本国内向けであり、日本国内の景気動向により、また、国内人口の減少等により市場は飽和状態となっており、同業他社との顧客獲得競争の激化から当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(ロ)災害について
地震・台風等の自然災害が発生した場合は、当社グループの販売、営業、物流拠点に甚大な被害を被ることにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(ハ)個人情報について
個人情報の漏洩や不正利用などの事態が生じた場合には、社会的信用の失墜及び損害賠償責任等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(ニ)人材採用及び育成について
当社グループが安定的に成長していくためには、優秀な人材の確保が必要となります。また労働環境の変化に対応できる人材の育成にも取り組んでおります。しかしながら、人材の定着率悪化や新規採用の不調による、人材不足により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(ホ)M&Aへの取り組み方針について
当社グループは、移動体通信事業を安定基盤として、新規事業分野へのM&A、事業提携に積極的に取り組むことにより、グループの業容拡大を目指す戦略を推し進めております。事前にリスクを回避するように努めておりますが、その後の市場環境の変化や不測の事態等により期待する成果を達成できない可能性があり、そのような事態になった場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(ヘ)のれんの減損について
当社グループは、M&Aに伴い発生した相当額ののれんを計上しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等によりのれんの評価額が帳簿価額より下落した場合に、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(ト)訴訟リスクについて
当社グループの事業活動に関連して、将来、取引先からのクレーム、労働問題、製造物責任等で訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
② 移動体通信事業について
(イ)店舗展開について
移動体通信事業の店舗は、「auショップ/au Style」及び「UQスポット」であり、その新規出店は原則的にKDDI株式会社(以下、「KDDI」という。)の戦略に基づいて決定しております。そのため、新規出店の開設場所、規模及び運営形態等については、KDDIとの協議の上決定されることとなり、KDDIの経営方針によっては、業績に影響が生じる可能性があります。
(ロ)特定取引先への依存について
移動体通信事業は、KDDIと代理店契約を締結しており、当社グループの主要な事業活動の前提となる事項となっております。当該契約は、当社が各条項に著しく違背した場合や円滑な履行が困難となった場合には、KDDIが契約を解除できることとなっております。また、当該契約は1年毎の自動更新になっておりますが、契約上はKDDI及び当社の双方とも有効期間内であっても3ヶ月前に通知することにより契約を解約できることとなっているため、KDDIの経営方針等が大きく変更された場合には、契約を解約されるリスクがあります。本報告書提出日現在、当該契約の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障を来す要因が発生した場合には、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、当該契約の内容については、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載の通りであります。
移動体通信事業は、販売する携帯端末をKDDIから仕入れており、主な売上高が携帯端末の販売及びKDDIから支払われる手数料であることから、KDDIへの仕入及び販売依存度がいずれも高くなっております。
したがいまして、仕入及び販売について、KDDIの事業戦略や他移動体通信事業者に対する競争力によっては、業績に影響が生じる可能性があります。
(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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仕入金額 |
依存率 |
販売金額 |
依存率 |
仕入金額 |
依存率 |
販売金額 |
依存率 |
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KDDI |
12,843 |
100.0% |
17,810 |
92.2% |
15,503 |
98.6% |
22,524 |
96.8% |
(注) 販売金額のうちKDDI以外への販売先のほとんどは一般顧客であります。
(ハ)受取手数料に依存した収益構造について
移動体通信事業は、KDDIが提供する携帯端末の販売や移動体通信サービスの加入契約の取次等を行うことにより、KDDIから手数料を収受しております。
(ⅰ)販売手数料 :携帯端末の新規販売並びに機種変更に係るKDDIからの受取手数料
(ⅱ)作業系手数料:故障対応等に係るKDDIからの受取手数料
(ⅲ)回線系手数料:保有顧客による回線の通話料等に応じたKDDIからの受取手数料
受取手数料の金額、支払対象期間、支払対象サービス、通話料金に対する割合等の条件は、KDDIの事業方針等により決定または変更されることから、現在の取引条件から大幅な変更等が生じた場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
また、顧客が当社の運営する「auショップ/au Style」及び「UQスポット」において移動体通信サービスへの加入契約をした後、一定の期間内に当該契約の解約等を行った場合には、当該加入契約に係る手数料の一部が、KDDIから支払われない可能性があります。これにより、一定期間内の解約が予想以上に増加した場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
(ニ)法的規制について
移動体通信事業者の代理店業務については、「電気通信事業法」、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)、「古物営業法」、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」(総務省告示第695号)及び社団法人電気通信事業者協会が定める「代理店の営業活動に対する倫理要綱」等により規制されており、当社では当該法令等を遵守し販売活動を行っております。しかしながら、当社の営業活動において、上記法令等に違反した場合には、信頼の失墜、損害賠償請求、代理店契約の解約等の可能性があり、業績に影響が生じる可能性があります。
なお、当事業においては、古物営業法に基づく古物営業の許可を取得しております。事業主が欠格事由に該当したり法令に違反した場合は、事業の停止を命じられる可能性があり、そのような事態になった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
③ 人材派遣事業について
(イ)法的規制について
人材派遣事業では、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)に基づく一般労働者派遣事業及び職業安定法に基づく有料職業紹介事業の許可を取得しております。事業主が欠格事由に該当したり法令に違反した場合は、事業の停止を命じられる可能性があり、そのような事態になった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
(ロ)派遣登録者の確保について
派遣登録者の確保は就職情報誌、ホームページ等の活用により求人活動を行う他、既登録者からの紹介も推奨しております。また、派遣登録者の能力については各派遣登録者のレベルに合わせた様々な研修及び制度でスキルアップに努めております。しかしながら、派遣登録者の確保が計画通り進まなかった場合や適格な派遣登録者がいない場合は、派遣機会を逃すことになり、業績に影響が生じる可能性があります。
(ハ)社会保険について
社会保険に加入する必要のある派遣労働者については、派遣元事業者が保険に加入させる義務があります。そのため、社会保険料の料率が改定された場合には人材派遣事業に負担が発生する可能性があり、業績に影響が生じる可能性があります。
④ ビルメンテナンス事業について
(イ)特定取引先への依存について
ビルメンテナンス事業を行ういすゞビルメンテナンス株式会社は、2003年1月にいすゞエステート株式会社よりビルメンテナンス事業を新設分割して設立し、現在もいすゞ自動車株式会社からの出資を受けております。主な取引先はいすゞ自動車株式会社であり、同社に対する販売依存度は2024年3月期において32.9%となっております。特定取引先への依存度が高いため、特定取引先の方針変更等によっては、業績に影響が生じる可能性があります。
(ロ)法的規制について
ビルメンテナンス事業の主な業務内容は、商業施設やオフィスビル等の清掃、設備管理及び施設警備等であり、消防法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、警備業法、建築基準法、電気事業法、環境基本法等、法的規制に基づく各種許可、登録ならびに認可等を受けております。
今後、これらの法的規制の要件を満たすことができなかった場合には、事業活動に制約を受けるため、業績に影響が生じる可能性があります。
⑤ 店舗転貸借事業について
(イ)与信管理について
店舗の開店希望者に対しては、面談を通じて事業計画や資金計画等の把握を行っており、管理物件については預り保証金を受領しております。
不動産所有者に対しては、賃借契約に際して差入保証金を預託するため、審査及び与信管理を徹底しております。しかしながら、不動産所有者の倒産等により多額の差入保証金を回収できなかった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
(ロ)法的規制について
店舗転貸借事業では、店舗造作物売買における「古物営業法」、不動産取引における「宅地建物取引業法」及び「建築基準法」等の法的規制を受けております。
今後、これらの法令等の改正や新たな法令等の制定により規制が強化された場合、業績に影響が生じる可能性があります。
(ハ)感染症・伝染病などの爆発的な流行について
店舗転貸借事業では、新型コロナウイルス感染症のような感染症・伝染病の爆発的な流行に伴い、新規出店意欲の低下や転貸借契約の解約増加等により、売上高の減少や後継となる入居者が見つからず空き家が増加する可能性があります。また、テナントからの家賃減額要請や賃料収入が滞納又は回収不能となる可能性があります。株式会社テンポイノベーションでは、後継となるテナント入居者への営業や早期賃料回収及び家主等との賃料交渉等によりテナントからの賃料収入の滞納リスク等を事前に防止するよう努力しておりますが、大規模な感染症・伝染病の爆発的な流行が長期にわたる場合、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
⑥ 不動産売買事業について
(イ)販売用不動産の在庫について
不動産売買事業では、販売用不動産及び仕掛販売用不動産を保有しております。これらの不動産については、販売計画に基づいて適切な不動産管理を行っておりますが、当初の販売計画から大幅な乖離が発生する可能性があります。また、不動産は市場動向によっては滞留又は販売価格の見直しが発生する可能性があり、販売計画や不動産の市場価格に基づいて見直しが発生する可能性があります。この場合、不動産の評価損の計上等により、業績に影響が生じる可能性があります。
⑦ 卸事業について
(イ)海外経済の大きな変動について
卸事業では、中国等を中心とした海外からの仕入を行っており、各地域の政治、経済、社会情勢の変化及び各種規制の動向等により、仕入が予定通りに出来ないリスクがあります。また、為替相場の大幅な変動があった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
(ロ)在庫リスクについて
卸事業では、適切な在庫管理と販売予測により、品切れによる販売機会ロス削減と過剰在庫の防止を行っておりますが、販売予測を誤った場合は在庫不足または過剰在庫となり、業績に影響が生じる可能性があります。なお、当該リスクに対し、当社において内部監査の充実等、子会社管理体制の強化を図っております。
(ハ)知的財産権について
商品の企画にあたっては、他社メーカーの特許権、商標権、意匠権等の侵害について細心の注意を払っておりますが、これらの権利を侵害したとして裁判等の紛争に至った場合には、多額の費用負担が発生し、業績に影響が生じる可能性があります。
(ニ)製造物責任について
卸事業が提供する商品において欠陥が生じるリスクがあり、製造物責任による賠償やリコール等が発生した場合は、顧客の信頼喪失を招くとともに、多額の費用負担が発生し、業績に影響が生じる可能性があります。
⑧ 海外事業について
(イ)海外事業展開リスクについて
海外事業では、アジア地域を中心とした10ケ国に海外展開しており、予期しない法規制の改正、政情不安等により業績に影響が生じる可能性があります。
(ロ)感染症・伝染病などの拡大について
海外事業では、国を超えた人材の流動性を前提としているため、感染症・伝染病の拡大やパンデミックの発生に伴い、労働者の移動制限が長期に及ぶ場合には、業績に影響が生じる可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元と企業体質の強化を重要な経営政策の一つとして認識しており、財務体質の強化と今後の事業展開に備えるために内部留保を充実させるとともに、株主資本利益率の向上を図りつつ、業績に応じた配当を行うことを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としております。期末配当の決定機関は取締役会であります。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり20円(普通配当)を実施することを決定しました。
内部留保資金につきましては、財務体質の強化、将来の設備投資及び新規事業に向けた投資等に備えるものであり、これは将来の利益に貢献し、株主の皆様への利益還元に寄与していくものと考えております。
当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下の通りであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年5月14日 |
189 |
20.00 |
取締役会 |