事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
コンシューマ | 2,952,876 | 43.1 | 530,437 | 53.3 | 18.0 |
エンタープライズ | 922,407 | 13.5 | 170,267 | 17.1 | 18.5 |
ディストリビューション | 889,504 | 13.0 | 30,434 | 3.1 | 3.4 |
メディア・EC | 1,678,078 | 24.5 | 267,294 | 26.9 | 15.9 |
ファイナンス | 277,281 | 4.1 | 33,186 | 3.3 | 12.0 |
その他 | 123,442 | 1.8 | -36,501 | -3.7 | -29.6 |
事業内容
3 【事業の内容】
(1) 事業内容の概要
当企業集団は、2025年3月31日現在、当社と子会社229社(以下「当社グループ」)、関連会社53社および共同支配企業14社により構成されています。当社の親会社はソフトバンクグループ㈱です。以下、「ソフトバンクグループ㈱」はソフトバンクグループ㈱単体、「ソフトバンクグループ」はソフトバンクグループ㈱およびその子会社を含む企業集団、「LINEヤフーグループ」はLINEヤフー㈱およびその子会社を含む企業集団とします。
ソフトバンクグループは、創業以来一貫して、情報革命を通じ人類と社会に貢献してきました。「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図ってきました。
その中において、当社グループはソフトバンクグループの日本における中心的な事業会社として、ソフトウエアの卸販売、ブロードバンド、固定通信等の事業を受け継ぎつつ、最先端テクノロジーを用いて快適で利便性の高い通信サービスを競争力のある価格で提供し、日本における通信と社会の発展に貢献してきました。当社グループは、成長戦略「Beyond Carrier」を推進することにより、日本でも有数の通信ネットワークに加え、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」など日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループとなりました。今後も、成長戦略「Beyond Carrier」の下、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指します。また、通信事業とこれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を強化するとともに、グループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。
a. コンシューマ事業
主として、日本国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
(a) モバイルサービス
モバイルサービスでは、次の3つのブランドを展開しています。
「SoftBank」および「Y!mobile」のスマートフォンユーザーに対しては、追加料金を支払うことなく、LINEヤフー㈱提供の「LYPプレミアム」(注1)をご利用いただけるサービスを提供しています。
これに加え、「SoftBank」スマートフォンユーザーは、PayPayポイントがたくさんもらえる「ソフトバンクプレミアム」の特典として、PayPayポイントが戻ってくる「スーパーPayPayクーポン」の提供を受けられます。また、長く対象プランに加入頂いているお客さまに対する長期継続特典として、PayPayポイントの付与等を実施しています。
(b) ブロードバンドサービス
ブロードバンドサービスでは、主として、個人のお客さま向けの高速・大容量通信回線サービスである「SoftBank 光」(注2)、「フレッツ光」とセットで提供するISPサービス(注3)である「Yahoo! BB 光 with フレッツ」を展開しています。
また、2015年より、「SoftBank 光」等のブロードバンドサービスを移動通信サービスとセットで契約するお客さまに対し、移動通信サービスの通信料金を割り引くサービス「おうち割 光セット」を提供しています。
(c) 電力サービス
電力サービスでは、主として、個人のお客さま向けに「おうちでんき」、「自然でんき」などの電力供給サービスを提供しています。
(主要な関係会社)
当社、Wireless City Planning㈱、SBモバイルサービス㈱、SBパワー㈱
b. エンタープライズ事業
法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI(注4)、IoT(注5)、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
(主要な関係会社)
当社、Wireless City Planning㈱、SBエンジニアリング㈱、㈱IDCフロンティア、㈱イーエムネットジャパン、Cubic Telecom Ltd.、SBテクノロジー㈱(注6)、サイバートラスト㈱(注6)
c. ディストリビューション事業
変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
(主要な関係会社)
SB C&S㈱
d. メディア・EC事業
メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTech(注7)サービス等の提供を行っています。
(主要な関係会社)
LINEヤフー㈱、アスクル㈱、㈱ZOZO、㈱一休、PayPay銀行㈱、LINE Pay㈱、LINE Pay Taiwan Limited(注8)、LINE Financial Corporation、LINE Plus Corporation、LINE SOUTHEAST ASIA CORP.PTE.LTD.、dely㈱(注9)
e. ファイナンス事業
QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。
(主要な関係会社)
PayPay㈱、PayPayカード㈱、SBペイメントサービス㈱、PayPay証券㈱
f. その他の事業
その他の事業として、デジタルメディア・デジタルコンテンツの企画・制作などを行っています。当社グループでは最先端の技術革新をビジネスチャンスとして常に追求しており、FinTech、IoT、クラウドなどの分野に積極的に投資を行い、事業展開を図っています。
(主要な関係会社)
当社、アイティメディア㈱
(注1) 「LYPプレミアム」(月額会員費508円(税込)から)は、旧「Yahoo!プレミアム」で提供していた、「Yahoo!ショッピング」利用によるPayPayポイント(譲渡不可)の付与などに加え、「LINE」でLINEスタンプ プレミアムのベーシックコースが適用されるなど、さまざまなサービスで特典を受けられる会員サービスです。「SoftBank」ユーザーは「スマートログイン」設定により、また、「Y!mobile」ユーザーは初期登録により、追加料金の支払いなしに利用できます。
(注2) 「SoftBank Air」を含みます。
(注3) ISPサービスとは、ユーザーのコンピューターをインターネットに接続するための手段を提供するサービスを意味します。ISPはInternet Service Providerの略称です。
(注4) AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人工知能のことです。
(注5) IoTとは、Internet of Thingsの略称で、モノがインターネット経由で通信することです。
(注6) 2025年3月期より、「その他」に区分されていたSBテクノロジー㈱およびサイバートラスト㈱等を「エンタープライズ事業」に移管しました。
(注7) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けたさまざまな革新的なサービスのことです。
(注8) LINE Pay Taiwan Limitedは、2024年12月5日に台湾証券取引所へ上場しました。
(注9) dely㈱は、2024年12月19日に東京証券取引所グロース市場へ上場しました。
下図は、2025年3月31日現在における議決権所有割合を示しています。
事業系統図は次の通りです。(2025年3月31日現在)
(2) 事業に係る法的規制
当社グループのうち、国内において電気通信サービスを提供する会社は電気通信事業に係る登録電気通信事業者および認定電気通信事業者であるため、電気通信事業を行うにあたり、電気通信事業法に基づく法的規制事項があります。
また、無線局に係る電気通信設備の設置にあたっては、電波法に基づく免許等を受ける必要があります。
事業に係る法的規制の概要は以下の通りです。
a. 電気通信事業法
(a) 登録電気通信事業に係る規制
ⅰ.電気通信事業の登録(第9条)
電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。
ⅱ.登録の拒否(第12条)
総務大臣は、第10条第1項(電気通信事業の登録)の申請書を提出した者が次の各号のいずれかに該当するとき、または当該申請書もしくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
(ⅰ) 電気通信事業法、有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。
(ⅱ) 第14条第1項(登録の取消し)の規定により登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者または電気通信事業法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。
(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者又は国内における代理人を定めていない者。
(ⅴ) その電気通信事業が電気通信の健全な発達のために適切でないと認められる者。
ⅲ.登録の更新(第12条の2)
第9条(電気通信事業の登録)の登録は、第12条の2第1項各号に掲げる事由が生じた場合において、当該事由が生じた日から起算して3箇月以内にその更新を受けなかったときは、その効力を失う。
ⅳ.変更登録等(第13条)
第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者は、業務区域または電気通信設備の概要の事項を変更しようとするときは、総務大臣の変更登録を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
ⅴ.登録の取消し(第14条)
総務大臣は、第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同条の登録を取り消すことができる。
(ⅰ) 当該第9条の登録を受けた者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。
(ⅱ) 不正の手段により第9条の登録、第12条の2第1項の登録の更新または第13条第1項の変更登録を受けたとき。
(ⅲ) 第12条(登録の拒否)第1項第1号から第4号まで(第2号にあっては、電気通信事業法に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)のいずれかに該当するに至ったとき。
ⅵ.承継(第17条)
電気通信事業の全部の譲渡しがあったとき、または電気通信事業者について合併、分割(電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、当該電気通信事業の全部を譲り受けた者または合併後存続する法人もしくは合併により設立した法人、分割により当該電気通信事業の全部を承継した法人は、電気通信事業者の地位を承継し、電気通信事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅶ.事業の休止および廃止ならびに法人の解散(第18条)
(ⅰ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
(ⅱ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、当該休止または廃止しようとする電気通信事業の利用者に対し、その旨を周知させなければならない。
ⅷ.基礎的電気通信役務の契約約款(第19条)
基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、その提供する基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、契約約款で定める料金その他の提供条件については、届け出た契約約款によらなければ基礎的電気通信役務を提供してはならない。
(ⅰ)災害時など総務省令で定める基準に従い、届出契約約款に定める当該基礎的電気通信役務の料金を減免する場合
(ⅱ)当該基礎的電気通信役務(第二号基礎的電気通信役務に限る。)の提供の相手方と料金その他の提供条件について別段の合意がある場合
(注) 基礎的電気通信役務とは、国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべきサービスとして、電気通信事業法施行規則において指定されています。第一号基礎的電気通信役務としては「アナログ電話の加入者回線」や「公衆電話」等が該当し、第二号基礎的電気通信役務としては「FTTHアクセスサービス」等が指定されています。
当社の主たるサービスで該当するものは、第一号基礎的電気通信役務としては「おとくライン」の基本料、第二号基礎的電気通信役務としては「SoftBank光」です。
ⅸ.電気通信回線設備との接続(第32条)
電気通信事業者は、他の電気通信事業者から当該他の電気通信事業者の電気通信設備をその設置する電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、これに応じなければならない。
(ⅰ) 電気通信役務の円滑な提供に支障が生ずるおそれがあるとき。
(ⅱ) 当該接続が当該電気通信事業者の利益を不当に害するおそれがあるとき。
(ⅲ) 前2号に掲げる場合のほか、総務省令で定める正当な理由があるとき。
ⅹ.第一種指定電気通信設備との接続(第33条)
第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関する接続料および接続条件について接続約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(注1) 第一種指定電気通信設備とは、加入者回線およびこれと一体として設置される設備であって、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便の向上および電気通信の総合的かつ合理的な発達に欠くことができない電気通信設備をいいます。現在、第一種指定電気通信設備には、東日本電信電話㈱(以下「NTT東日本」)と西日本電信電話㈱(以下「NTT西日本」)が設置するNGN、加入光ファイバー等が指定されています。
(注2) 当社は、当連結会計年度末現在、第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に該当していません。
ⅺ.外国政府等との協定等の認可(第40条)
電気通信事業者は、外国政府または外国人もしくは外国法人との間に、電気通信業務に関する協定または契約であって総務省令で定める重要な事項を内容とするものを締結し、変更し、または廃止しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
(b) 認定電気通信事業に係る規制
ⅰ.事業の認定(第117条)
電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する電気通信事業を営む電気通信事業者または当該電気通信事業を営もうとする者は、次節の規定(土地の使用)の適用を受けようとする場合には、申請により、その電気通信事業の全部または一部について、総務大臣の認定を受けることができる。
ⅱ.欠格事由(第118条)
次の各号のいずれかに該当する者は、前条の認定を受けることができない。
(ⅰ) 電気通信事業法または有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。
(ⅱ) 第125条(認定の失効)第2号に該当することにより認定がその効力を失い、その効力を失った日から2年を経過しない者または第126条(認定の取消し)第1項の規定により認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。
(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者等又は国内における代理人を定めていない者。
ⅲ.変更の認定等(第122条)
(ⅰ) 認定電気通信事業者は、業務区域、電気通信設備の概要を変更しようとするときは、総務大臣の認定を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
(ⅱ) 認定電気通信事業者は、前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅳ.承継(第123条)
(ⅰ) 認定電気通信事業者たる法人が合併または分割(認定電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人もしくは合併により設立された法人または分割により当該認定電気通信事業の全部を承継した法人は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。
(ⅱ) 認定電気通信事業者が認定電気通信事業の全部の譲渡しをしたときは、当該認定電気通信事業の全部を譲り受けた者は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。
ⅴ.事業の休止および廃止(第124条)
認定電気通信事業者は、認定電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅵ.認定の取消し(第126条)
総務大臣は、認定電気通信事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
(ⅰ) 第118条(欠格事由)第1号、第3号または第4号に該当するに至ったとき。
(ⅱ) 第120条(事業の開始の義務)第1項の規定により指定した期間(同条第3項の規定による延長があったときは、延長後の期間)内に認定電気通信事業を開始しないとき。
(ⅲ) 前2号に規定する場合のほか、認定電気通信事業者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。
(c) 電気通信事業者の禁止行為
ⅰ.電気通信事業者の禁止行為(第27条の2)
(ⅰ) 電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 利用者に対し、第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約に関する事項であって、利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
(2) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘に先立って、その相手方(電気通信事業者である者を除く。)に対し、自己の氏名若しくは名称又は当該契約の締結の勧誘である旨を告げずに勧誘する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)
(3) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘を受けた者(電気通信事業者である者を除く。)が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)
(4) 前3号に掲げるもののほか、利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがあるものとして総務省令で定める行為
(d) 移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為
ⅰ.移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為(第27条の3)
(ⅰ) 総務大臣は、総務省令で定めるところにより、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務を提供する電気通信事業者を(ⅱ)の規定の適用を受ける電気通信事業者として指定することができる。
(注) 当連結会計年度末現在、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務として、携帯電話端末サービスおよび無線インターネット専用サービス(一定の電気通信役務を除く。)が指定されています(2019年9月6日号外総務省告示第166号)。
(ⅱ) 指定された電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) その移動電気通信役務の提供を受けるために必要な移動端末設備となる電気通信設備の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。)に関する契約の締結に際し、当該契約に係る当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該移動電気通信役務の料金を当該契約の締結をしない場合におけるものより有利なものとすることその他電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがある利益の提供として総務省令で定めるものを約し、または第三者に約させること。
(2) その移動電気通信役務の提供に関する契約の締結に際し、当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該契約の解除を行うことを不当に妨げることにより電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがあるものとして総務省令で定める当該移動電気通信役務に関する料金その他の提供条件を約し、または届出媒介等業務受託者に約させること。
(e) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に係る規制
当連結会計年度末現在、当社の有する電気通信設備が第二種指定電気通信設備に指定されており、当社は、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者として以下のような規制の適用を受けます。
(注) 第二種指定電気通信設備とは、電気通信事業法第34条第1項に基づき総務大臣が指定する電気通信設備をいいます。
ⅰ.第二種指定電気通信設備との接続(第34条)
(ⅰ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第二種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額および接続条件について接続約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(ⅱ) 総務大臣は、届け出た接続約款が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該接続約款を変更すべきことを命ずることができる。
(1) 次に掲げる事項が適正かつ明確に定められていないとき。
a.他の電気通信事業者の電気通信設備を接続することが技術的および経済的に可能な接続箇
所のうち標準的なものとして総務省令で定める箇所における技術的条件
b.総務省令で定める機能ごとの第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得す
べき金額
c.第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者およびこれとその電気通信設備を接続
する他の電気通信事業者の責任に関する事項
d.電気通信役務に関する料金を定める電気通信事業者の別
e.a.からd.までに掲げるもののほか、第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために
必要なものとして総務省令で定める事項
(2) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを算定するものとして総務省令で定める方法により算定された金額を超えるものであるとき。
(3) 接続条件が、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者がその第二種指定電気通信設備に自己の電気通信設備を接続することとした場合の条件に比して不利なものであるとき。
(4) 特定の電気通信事業者に対し不当な差別的な取扱いをするものであるとき。
(ⅲ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、届け出た接続約款によらなければ、他の電気通信事業者との間において、第二種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、または変更してはならない。
(ⅳ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、届け出た接続約款を公表しなければならない。
(ⅴ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、第二種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理し、およびこれに基づき当該接続に関する収支の状況その他総務省令で定める事項を公表しなければならない。
(ⅵ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、他の電気通信事業者がその電気通信設備と第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために必要な情報の提供に努めなければならない。
ⅱ.第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供(第38条の2)
(ⅰ) 第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始したときは、総務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨、総務省令で定める区分ごとの卸電気通信役務の種類その他総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更し、又は当該業務を廃止したときも、同様とする。
(ⅱ) 特定卸電気通信役務(第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が少ないものとして総務省令で定めるもの以外のものをいう。以下同じ。)を提供する電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における当該特定卸電気通信役務の提供を拒んではならない。
(ⅲ) 特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者は、当該特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結の申入れを受けた場合において、当該特定卸電気通信役務に関し、当該申入れをした電気通信事業者の負担すべき金額その他の提供の条件について提示をする時までに、当該申入れをした電気通信事業者から、当該提示と併せて当該金額の算定方法その他特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結に関する協議の円滑化に資する事項として総務省令で定める事項を提示するよう求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
(ⅳ) 総務大臣は、特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者が前項の規定に違反したときは、当該電気通信事業者に対し、公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
b. 電波法
ⅰ.無線局の開設(第4条)
無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。
ⅱ.欠格事由(第5条第3項)
次の各号のいずれかに該当する者には、無線局の免許を与えないことができる。
(ⅰ) 電波法または放送法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。
(ⅱ) 無線局の免許の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅲ) 特定基地局の開設計画に係る認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅳ) 無線局の登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
ⅲ.免許の申請(第6条)
(ⅰ) 無線局の免許を受けようとする者は、申請書に、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、総務大臣に提出しなければならない。
(1) 目的
(2) 開設を必要とする理由
(3) 通信の相手方および通信事項
(4) 無線設備の設置場所
(5) 電波の型式ならびに希望する周波数の範囲および空中線電力
(6) 希望する運用許容時間
(7) 無線設備の工事設計および工事落成の予定期日
(8) 運用開始の予定期日
(9) 他の無線局の免許人等との間で混信その他の妨害を防止するために必要な措置に関する契約を締結しているときは、その契約の内容
(ⅱ) 次に掲げる無線局であって総務大臣が公示する周波数を使用するものの免許の申請は、総務大臣が公示する期間内に行わなければならない。(第6条第8項)
(1) 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動する無線局(1または2以上の都道府県の区域の全部を含む区域をその移動範囲とするものに限る。)。
(2) 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動しない無線局であって、前号に掲げる無線局を通信の相手方とするもの。
(3) 電気通信業務を行うことを目的として開設する人工衛星局。
ⅳ.免許の有効期間(第13条)
免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定める。ただし、再免許を妨げない。
ⅴ.変更等の許可(第17条)
免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、無線設備の設置場所を変更し、または無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。
ⅵ.免許の承継(第20条)
(ⅰ) 免許人たる法人が合併または分割(無線局をその用に供する事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人もしくは合併により設立された法人または分割により当該事業の全部を承継した法人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。
(ⅱ) 免許人が無線局をその用に供する事業の全部の譲渡しをしたときは、譲受人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。
ⅶ.無線局の廃止(第22条)
免許人は、その無線局を廃止するときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅷ.検査等事業者の登録(第24条の2)
無線設備等の検査または点検の事業を行う者は、総務大臣の登録を受けることができる。
ⅸ.登録の取消し等(第24条の10)
総務大臣は、登録検査等事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、または期間を定めてその登録に係る検査または点検の業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができる。
(ⅰ) 電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられることに至ったとき(第24条の2第5項各号(第2号を除く。))。
(ⅱ) 登録検査等事業者の氏名、住所等の変更(第24条の5第1項)または登録検査等事業者の地位継承の届出(第24条の6第2項)の規定に違反したとき。
(ⅲ) 総務大臣による適合命令(第24条の7第1項または第2項)に違反したとき。
(ⅳ) 工事落成後の検査(第10条第1項)、無線局の変更検査(第18条第1項)もしくは定期検査(第73条第1項)を受けた者に対し、その登録に係る点検の結果を偽って通知したことまたは第73条第3項に規定する証明書に虚偽の記載をしたことが判明したとき。
(ⅴ) その登録に係る業務の実施の方法によらないでその登録に係る検査または点検の業務を行ったとき。
(ⅵ) 不正な手段により第24条の2第1項の登録(検査等事業者の登録)またはその更新を受けたとき。
ⅹ.特定基地局の開設指針(第27条の12)
(ⅰ) 総務大臣は、既に開設されている電気通信業務用基地局(以下「既設電気通信業務用基地局」という。)が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものに限り、特定基地局とすることができる。
(1) 電波法第26条の3第4項の規定により有効利用評価の結果の報告を受けた場合において、既設電気通信業務用基地局(電波法第27条の15第3項に規定する認定計画に従って開設されているものであって、当該認定計画に係る認定の有効期間が満了していないものを除く。)が現に使用している周波数に係る当該結果が総務省令で定める基準を満たしていないと認めるとき
(2) 申出に係る開設指針を定める必要がある旨を決定したとき
(3) 電波に関する技術の発達、需要の動向その他の事情を勘案して、既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数の再編を行い、当該周波数の再編により新たに区分された周波数を使用する電気通信業務用基地局の開設を図ることが電波の公平かつ能率的な利用を確保するために必要であると認めるとき
ⅺ.開設指針の制定の申出(第27条の13)
既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局を特定基地局として開設することを希望する者(当該既設電気通信業務用基地局の免許人を除く。)は、総務省令で定めるところにより、当該特定基地局の開設指針について、制定すべきことを総務大臣に申し出ることができる。
ⅻ.開設計画の認定(第27条の14)
特定基地局を開設しようとする者は、通信系(通信の相手方を同じくする同一の者によって開設される特定基地局の総体をいう。)ごとに、特定基地局の開設に関する計画(以下「開設計画」)を作成し、これを総務大臣に提出して、その開設計画が適当である旨の認定を受けることができる。
xⅲ.認定の取消し等(第27条の16)
(ⅰ) 総務大臣は、認定開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消さなければならない。
(1) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が電気通信事業法第14条第1項の規定により同法第9条の登録を取り消されたとき。
(ⅱ) 総務大臣は、認定開設者が次に該当するときは、その認定を取り消すことができる。
(1) 正当な理由がないのに、認定計画に係る特定基地局を当該認定計画にしたがって開設せず、または認定計画に係る既に開設されている特定基地局であって、その無線設備に電波の有効利用に資すると認められる機能を付与した基地局を当該認定計画に従って運用していないと認めるとき。
(2) 正当な理由がないのに、認定計画に係る開設指針に定める納付の期限までに特定基地局開設料を納付していないとき。
(3) 不正な手段により開設計画の認定を受け、または周波数指定の変更を行わせたとき。
(4) 認定開設者が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないとき。
(5) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が次のいずれかに該当するとき。
a.電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき
b.電気通信事業法第12条の2第1項の規定により同法第9条の登録がその効力を失ったとき
c.電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が認定計画に係る特定基地局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)
xⅳ.無線局の免許の取消し等(第75条)
(ⅰ) 総務大臣は、免許人等が電波法、放送法もしくはこれらの法律に基づく命令またはこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、または期間を定めて運用許容時間、周波数もしくは空中線電力を制限することができる。
(ⅱ) 総務大臣は、包括免許人または包括登録人が電波法、放送法もしくはこれらの法律に基づく命令またはこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて、包括免許または第27条の29第1項の規定による登録に係る無線局の新たな開設を禁止することができる。
(ⅲ) 総務大臣は、(ⅰ)および(ⅱ)の規定によるほか、登録人が電波法第3章に定める技術基準に適合しない無線設備を使用することにより他の登録局の運用に悪影響を及ぼすおそれがあるとき、その他登録局の運用が適正を欠くため電波の能率的な利用を阻害するおそれが著しいときは、3箇月以内の期間を定めて、その登録に係る無線局の運用の停止を命じ、運用許容時間、周波数もしくは空中線電力を制限し、または新たな開設を禁止することができる。
(ⅳ) 総務大臣は、免許人(包括免許人を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すことができる。
(1) 正当な理由がないのに、無線局の運用を引き続き6箇月以上休止したとき。
(2) 不正な手段により無線局の免許もしくは変更の許可(第17条)を受け、または周波数の指定の変更(第19条)を行わせたとき。
(3) 第76条第1項の規定による命令または制限に従わないとき。
(4) 免許人が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処されるに至ったとき。
(ⅴ) 総務大臣は、包括免許人が次の各号のいずれかに該当するときは、その包括免許を取り消すことができる。
(1) 第27条の5第1項第4号の期限(第27条の6第1項の規定による期限の延長があったときは、その期限)までに特定無線局の運用を全く開始しないとき。
(2) 正当な理由がないのに、その包括免許に係るすべての特定無線局の運用を引き続き6箇月以上休止したとき。
(3) 不正な手段により包括免許もしくは第27条の8第1項の許可を受け、または第27条の9の規定による指定の変更を行わせたとき。
(4) (ⅰ)の規定による命令もしくは制限または(ⅱ)の規定による禁止に従わないとき。
(5) 免許人が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処されるに至ったとき。
(ⅵ) 総務大臣は、(ⅳ)および(ⅴ)の規定によるほか、電気通信業務を行うことを目的とする無線局の免許人等が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許等を取り消すことができる。
(1) 電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき。
(2) 電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が無線局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)。
(3) 電気通信事業法第15条の規定により同法第9条の登録を抹消されたとき。
(ⅶ) 総務大臣は、(ⅳ)((4)を除く。)および(ⅴ)((5)を除く。)の規定により免許の取消しをしたときは、当該免許人等であった者が受けている他の無線局の免許等または第27条の14第1項の開設計画の認定を取り消すことができる。
(注)上記の内容は提出日現在における電気通信事業法及び電波法に基づき記載しています。
(3) その他
ⅰ.NTT東日本およびNTT西日本と、当社をはじめとする他の電気通信事業者との接続条件等の改善については、公正競争条件を整備し利用者の利便性向上に資する観点から、電気通信事業法(1997年法律第97号、1997年11月17日改正施行)により、NTT東日本およびNTT西日本は指定電気通信設備を設置する第一種指定電気通信事業者として接続料金および接続条件を定めた接続約款の認可を受けることが必要とされています。
また、㈱NTTドコモ、KDDI㈱、沖縄セルラー電話㈱、Wireless City Planning㈱、UQコミュニケーションズ㈱および当社は、接続約款を届け出る義務等を負う第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に指定されています。
ⅱ.NTT東日本とNTT西日本の第一種指定電気通信設備と接続する際の接続料は、電気通信事業法第33条に基づく「接続料規則」に拠って算定されています。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 連結経営成績の状況
a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(a) 事業全体の状況
ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業を手がけ、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ企業価値の最大化に取り組んでいます。このため、取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)(注1)を特定し、事業を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献しています。
2025年3月期の国内景気は、地政学リスクの高まり、インフレおよび為替の大幅な変動による先行き不透明感が続くなか、大企業の堅調な設備投資需要などにより緩やかな回復傾向にありました。一方、テレワークやオンラインショッピング、非接触型決済の利用拡大など、コロナ禍をきっかけとした人々の生活様式の変化や深刻化する人手不足に対応するため、企業や行政のデジタル化は必要不可欠なものとなりました。デジタル化は、生産性向上やイノベーションの創発を促すことで今後の日本の社会を変革していく原動力となり、さらに、文章・画像・プログラムコードなどさまざまなコンテンツを生成することができる生成AIの出現により、変革のスピードは加速しています。このような環境の下、情報・テクノロジー領域のさまざまな事業を展開する当社グループが果たすべき役割は、ますます重要性を増しています。
当社は2023年5月、3カ年の中期経営計画とともに、長期的に「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を目指すことを発表しました。これは、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持ったインフラを構築し、未来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在となることを意図しています。そして、この長期ビジョンの実現に向け、本中期経営計画においては事業基盤を着実に再構築することを掲げています。すなわち、成長戦略「Beyond Carrier」を推進することにより通信料の値下げの影響からの回復に取り組み、この計画期間の最終年度である2026年3月期には、親会社の所有者に帰属する純利益を最高益とすることを目指しています。なお、2023年5月には2026年3月期の親会社の所有者に帰属する純利益の予想を5,350億円と発表しましたが、好調な業績を背景として、2025年5月に5,400億円へ上方修正しました。成長戦略「Beyond Carrier」とは、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大し、企業価値の最大化を目指すものです。また、通信事業とそれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を高め、さらにグループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。
<経営環境に関する認識>
当社グループが認識している主な外部環境要因および対応は以下の通りです。
<主な取り組み>
・通信分野では、2024年5月、当社とKDDI㈱は5G(注3)ネットワークにおける共同構築に関する取り組みについて、その対象を地方から全国(注4)へ拡大するなど、協業範囲を拡大する検討を開始することに合意しました。今後は、5Gに加えて、4Gの基地局資産の相互利用についても検討を進めます。また、当社は2024年11月に、AIとRAN(注5)を統合したソリューション「AITRAS(アイトラス)」を発表しました。「AITRAS」はNVIDIA AIコンピューティングインフラ上に、大容量、高性能かつ高品質なRANを提供するだけでなく、生成AIなどさまざまなAIアプリケーションの提供も、同時かつ効率的に運用できるソリューションです。今後、当社は「AITRAS」を自社の商用ネットワークへ導入するだけではなく、国内外の通信事業者などへ展開・拡大することを目指します。さらに、当社は、モバイルブロードバンドのさらなる高速化とトラフィックの需要増加に対応するため、4.9GHz帯を使用する特定基地局の開設計画を総務省に申請し、2024年12月に総務大臣より認定を受けました。今後、当社は2031年3月期末までにすべての都道府県に特定基地局を開設し、2032年3月期末までにサービスを開始することを目指します。
・生成AI等の新規領域では、2024年5月、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」について、経済産業省から認定を受けました。当社はAI計算基盤をさらに拡張するため、約1,500億円の設備投資を行い、2025年3月期から2026年3月期にかけて国内の複数の拠点にAI計算基盤を新たに構築予定です。今回、この拡張計画が経済産業省に認定され、最大421億円の助成を受ける予定です。また、2025年2月、当社、ソフトバンクグループ㈱およびOpenAIは、個々の企業のすべてのシステム、データを安全に統合し、各企業専用にカスタマイズされた最先端AI「クリスタル・インテリジェンス(Cristal intelligence)」の開発・販売に関するパートナーシップを発表し、当該AIの日本企業向けの独占販売権を持つ合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立することに合意しました。さらに、当社は2025年3月に、大規模なAIデータセンターの構築に向けて、大阪府堺市にあるシャープ㈱の液晶パネル工場関連の土地や建物などを取得することについて、同社と売買契約を締結しました。受電容量が約150メガワット規模のAIデータセンターを構築し、2026年中の稼働開始を目指します。
・エンタープライズ事業では、2024年9月に、当社グループのICTサービス中核会社であり当社の子会社であるSBテクノロジー㈱を完全子会社化するための株式併合を実施しました。SBテクノロジー㈱の完全子会社化により、同社の有するエンジニアやセキュリティ・クラウドサービスおよび当社の有する顧客基盤、エンジニア、ネットワークをはじめとするコミュニケーションサービス、AI/IoT/5G/デジタルマーケティングサービス等の経営資源を相互活用していきます。両社が一体となって、DX(注6)推進を課題と感じている顧客に対する効果的なITサービスを提供することが可能となり、ひいては国内ITサービス市場において競争優位性を維持・強化することができると考えています。
・ファイナンス事業では、2024年12月に、LINEヤフー㈱の子会社であるZフィナンシャル㈱が保有するPayPay銀行㈱(注7)の株式をPayPay㈱に譲渡することを決定しました。また、2025年2月には、PayPay㈱は当社およびLINEヤフー㈱からPayPay証券㈱(注7)の株式を譲り受けるとともに、PayPay証券㈱が実施する第三者割当増資を引き受けることを決定しました。今後、PayPay㈱は、PayPay銀行㈱とPayPay証券㈱の親会社となることで連携を強化し、金融サービスのさらなる利便性や顧客満足度の向上を目指します。
・当社は、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき10株の割合をもって株式分割を実施するとともに、普通株式に係る株主優待制度を新設しました。株主優待制度については、普通株式を1年以上かつ100株以上保有の株主を対象(注8)に、PayPayマネーライト(1,000円分)(注9)を贈呈します。当社は、株式分割の実施と株主優待制度の新設を通じて、若年層を含む新たに投資を始める方に、初めて投資する株式として当社株式を選択いただき、その長期保有を促していきます。さらに、当社関連サービスの利用を通じて、当社グループの事業に関する理解を深めていただくことを目指します。株式分割の実施と株主優待制度を新設した効果もあり、株主数は2025年3月末時点で約136万人となり、2024年3月末から約50万人増加しました。
・当社は、2024年10月3日を払込期日として第2回社債型種類株式を発行しました。2023年11月に発行した第1回社債型種類株式と同じく、普通株式への転換権がない、累積配当ではあるものの当初設定された優先配当金以上の配当が行われない、議決権の希薄化が生じない設計となっており、普通株式の株主に配慮した形での自己資本の拡充を行いました。調達資金は、生成AIを用いたサービスの実現、次世代社会インフラの構築など中長期的な企業価値の向上に資する成長投資資金として、その設備投資資金に充当していくことを想定しています。
・当社は2024年11月に、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に貢献する企業を選出する「第6回日経SDGs経営大賞」において、史上初めて2年連続で大賞を受賞しました。さらに、継続して高い評価を得ている企業を別途認定する「プライムシート企業」にも選出されました。また、2024年12月には、世界の代表的なESG指数である「Dow Jones Sustainability Index(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」の「World Index」構成銘柄に3年連続で選定されました。
(注1) マテリアリティ(重要課題)の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 c.戦略及び指標及び目標 (b)マテリアリティ(重要課題)の特定」をご参照ください。
(注2) 長期有利子負債は、短期借入金およびIFRS第16号「リース」適用による影響を除いた有利子負債(銀行ローン・社債・リース負債・債権流動化)を指します。固定金利での借り入れは、固定金利および金利スワップ取引等により支払利息の固定化を行った一部の変動金利の借入金を含みます。
(注3) 5G(5th Generation)とは、第5世代移動通信システムのことを指します。
(注4) 沖縄セルラーを除きます。
(注5) RAN(Radio Access Network)とは、無線アクセスネットワークのことを指します。
(注6) DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術の活用による新たな価値・体験の提供および社会の変革を指します。
(注7) PayPay証券㈱は2025年4月1日に、PayPay銀行㈱は2025年4月11日にPayPay㈱による子会社化を完了しました。
(注8) 保有期間は3月31日から翌年3月31日まで、または9月30日から翌年9月30日までの間とし、初回は2025年3月31日から2026年3月31日までとします。当社株主名簿に記載または記録された日付であり、株式を取得した日等とは異なります。また、同一の株主番号で3月31日および9月30日最終の当社株主名簿に3回以上連続で記載または記録されている株主が対象です。
(注9) PayPayマネーライトは譲渡・請求書払い(税金以外)およびPayPay/PayPayカード公式ストアでも利用可能です。出金や自治体への請求書払い(税金など)には利用できません。
ⅱ.連結経営成績の概況
(注) 調整後EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費(固定資産除却損含む)+株式報酬費用±その他の調整項目。詳細は「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
当期の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(ⅰ) 売上高
当期の売上高は、全報告セグメントで増収となり、前期比4,603億円(7.6%)増の65,443億円となりました。ディストリビューション事業は法人向けICT関連商材および継続収入商材の堅調な増加、AI計算基盤に係るセグメント間取引の影響などにより2,429億円(注)、コンシューマ事業は物販等売上およびモバイル売上の増加などにより1,303億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより885億円、メディア・EC事業はメディア売上およびコマース売上の増加などにより640億円、ファイナンス事業はPayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加などにより445億円、それぞれ増収となりました。
(注) AI計算基盤に係るセグメント間取引の影響を除く売上高の増加分は1,621億円です。
(ⅱ) 営業利益
当期の営業利益は、全報告セグメントで増益となり、前期比1,129億円(12.9%)増の9,890億円となりました。メディア・EC事業がLINEヤフーグループにおいて子会社の支配喪失に伴う利益を計上したことや広告売上が増加したことなどにより693億円の増益となったほか、ファイナンス事業が382億円、コンシューマ事業が352億円、ディストリビューション事業が42億円、エンタープライズ事業が34億円、それぞれ増益となりました。なお、PayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加に伴い、当期のファイナンス事業のセグメント利益は黒字に転じています。
(ⅲ) 純利益
当期の純利益は、前期比650億円(11.0%)増の6,553億円となりました。これは主として、保有する投資有価証券の評価損の計上、LINEヤフーグループが保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率の変動に伴う持分変動利益の剥落、持分法適用関連会社を対象とするプット・オプションの評価損の計上があった一方、前述した営業利益の大幅増加によるものです。
(ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益
当期の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比371億円(7.6%)増の5,261億円となりました。なお、非支配持分に帰属する純利益は、主としてLINEヤフーグループの純利益が増加したことに伴い、前期比280億円(27.6%)増の1,292億円となりました。
(ⅴ) 調整後EBITDA
当期の調整後EBITDAは、前期比855億円(5.1%)増の17,531億円となりました。これは主として、営業利益が増加したことによるものです。
(b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ⅰ.コンシューマ事業
<事業概要>
コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
<業績全般>
(注) 2024年6月30日に終了した3カ月間より、「コンシューマ事業」に区分されていた一部の子会社を「その他」に移管しました。これに伴い、2024年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。
(注1) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(注) 2024年6月30日に終了した3カ月間より、「コンシューマ事業」に区分されていた一部の子会社を「その他」に移管したことに伴い、同社が含まれていた「ブロードバンド」について、2024年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。
コンシューマ事業の売上高は、前期比1,303億円(4.6%)増の29,529億円となりました。そのうち、サービス売上は前期比518億円(2.4%)増の22,390億円となり、物販等売上は前期比784億円(12.3%)増の7,139億円となりました。
サービス売上のうち、モバイルは前期比526億円(3.5%)増加しました。これは主として、売上から控除している顧客獲得施策の影響が減少したこと、およびスマートフォン契約数が「ワイモバイル」ブランドを中心に伸びたことによるものです。なお、通信料の年度平均単価は、前期には120円低下したものの、当期は前期比で横ばいとなりました。これは主として、低価格の「ワイモバイル」ブランドのユーザー数の増加による下落影響を、2023年10月に導入した新料金プランの浸透により吸収したことによるものです。なお、各四半期連結会計期間のモバイル売上(顧客獲得施策影響を除く)は、2024年3月期第3四半期以降、前年同期比で増収に転じています。
(注) 一部の顧客獲得施策はIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、モバイル売上から控除しています。
ブロードバンドは前期比49億円(1.2%)増加しました。これは主として、光回線サービス「SoftBank 光」契約数(注)が増加したことによるものです。
でんきは前期比57億円(2.2%)減少しました。これは主として、「おうちでんき」契約数が減少したことによるものです。
物販等売上の増加は、主として、販売端末の平均単価が増加したことによるものです。
営業費用は24,224億円となり、前期比で950億円(4.1%)増加しました。これは主として、スマートフォンなどの仕入原価および販売促進費が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比352億円(7.1%)増の5,304億円となりました。
(注)「SoftBank Air」契約数を含みます。
ⅱ.エンタープライズ事業
<事業概要>
エンタープライズ事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
<業績全般>
(注) 2024年6月30日に終了した3カ月間より、「その他」に区分されていたSBテクノロジー㈱およびサイバートラスト㈱等を「エンタープライズ事業」に移管しました。これに伴い、2024年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。
(注1) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(注) 2024年6月30日に終了した3カ月間より「エンタープライズ事業」に移管したSBテクノロジー㈱およびサイバートラスト㈱等の売上高は「ソリューション等」に含まれています。また、2024年6月30日に終了した3カ月間より事業の管理区分を見直し、「モバイル」および「固定」における一部商材を「ソリューション等」へ移管しました。これらに伴い、2024年3月31日に終了した1年間の「エンタープライズ事業」の売上高の内訳すべてを遡及修正しています。
エンタープライズ事業の売上高は、前期比885億円(10.6%)増の9,224億円となりました。そのうち、モバイルは前期比13億円(0.4%)増の3,159億円、固定は前期比44億円(2.6%)減の1,693億円、ソリューション等は前期比916億円(26.5%)増の4,372億円となりました。
モバイル売上の増加は、主として、契約者数の増加に伴い通信売上が増加したことによるものです。
固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。
ソリューション等売上の増加は、WeWork Japan合同会社の事業を承継したことに加え、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービス、セキュリティソリューション、IoTソリューションなどの売上が増加したこと、およびCubic Telecom Ltd.の子会社化の影響などによるものです。
営業費用は7,521億円となり、前期比で850億円(12.7%)増加しました。これは主として、前述のWeWork Japan合同会社の事業承継やCubic Telecom Ltd.の子会社化による影響、上記ソリューション等売上の増加に伴う原価の増加、前期に計上した訴訟に係る引当金の戻入の剥落によるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比34億円(2.1%)増の1,703億円となりました。
ⅲ.ディストリビューション事業
<事業概要>
ディストリビューション事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
ディストリビューション事業の売上高は、前期比2,429億円(37.6%)増の8,895億円となりました。これは主として、法人向けのICT関連の商材や注力しているクラウドやSaaSなどの継続収入商材の堅調な伸長、AI計算基盤に係るセグメント間取引(注)の影響、およびサポートが終了するWindows 10からの移行に伴うPC売上の増加によるものです。
営業費用は8,591億円となり、前期比で2,387億円(38.5%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比42億円(16.0%)増の304億円となりました。
(注) SB C&S㈱が、NVIDIAから仕入れたAI計算基盤をソフトバンク㈱へ売却したことに伴う、「その他」への売上高です。
ⅳ.メディア・EC事業
<事業概要>
メディア・EC事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechサービス等の提供を行っています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(注) 2024年12月31日に終了した3カ月間において、LINEヤフーグループでは事業の管理区分を見直し、「メディア」に区分されていた一部のサービスを「コマース」に移管しました。これに伴い、2024年3月31日に終了した1年間の「メディア・EC事業」の売上高のうち、「メディア」および「コマース」の内訳を遡及修正しています。
メディア・EC事業の売上高は、前期比640億円(4.0%)増の16,781億円となりました。そのうち、メディアは前期比295億円(4.2%)増の7,239億円、コマースは前期比209億円(2.5%)増の8,461億円、戦略は前期比127億円(14.5%)増の1,003億円、その他は前期比8億円(12.1%)増の77億円となりました。
メディア売上の増加は、主として、アカウント広告の増収によるものです。
コマース売上の増加は、主として、ZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)やアスクルグループ(アスクル㈱および子会社)における取扱高が増加したことや、トラベル・飲食予約などを扱うサービスEC事業が好調に推移したことによるものです。
戦略売上の増加は、主として、PayPay銀行㈱等のFinTech領域の売上が増加したことによるものです。
営業費用は14,108億円となり、前期比で54億円(0.4%)減少しました。これは主として、販売促進費の増加、セキュリティ対策費用の増加および売上高の増加に伴う売上原価等の増加があった一方、IPX Corporation、LINE NEXT Corporation、バリューコマース㈱のそれぞれにつき子会社の支配喪失に伴う利益の計上、LINEヤフー㈱等で減損損失が減少したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比693億円(35.0%)増の2,673億円となりました。
ⅴ.ファイナンス事業
<事業概要>
ファイナンス事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
ファイナンス事業の売上高は、前期比445億円(19.1%)増の2,773億円となりました。これは主として、PayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高が増加したことによるものです。
営業費用は2,441億円となり、前期比で63億円(2.7%)増加しました。これは主として、固定費の最適化に伴う費用抑制があった一方で、前述の通りPayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加により、ポイント還元などに係る販売促進費が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比382億円増の332億円となり、黒字化しました。
b. 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、コンシューマ、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア・EC、ファイナンスの5つのセグメントと、それ以外の事業から構成されています。いずれも、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。なお、当連結会計年度における販売の状況については以下の通りです。
(注) 1 金額は、外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高または振替高の合計です。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しています。
(2) 連結財政状態の状況
(注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。
(注2) コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資は、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)、4.9GHz帯の特定基地局開設料およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。
(資産)
当期末の資産合計は、前期末から5,803億円(3.7%)増加し、161,022億円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の減少5,573億円があった一方で、その他の金融資産の増加3,744億円、銀行事業の有価証券の増加2,248億円、有形固定資産の増加1,982億円、営業債権及びその他の債権の増加1,446億円、使用権資産の増加870億円があったことによるものです。なお、有形固定資産の増加は、シャープ㈱の堺工場の土地建物やAI計算基盤等の取得があったことによるものです。使用権資産の増加は、WeWork Japan合同会社の事業承継の影響によるものであり、承継した不動産賃貸借契約の定める将来の施設利用権を資産として認識したものです。
(負債)
当期末の負債合計は、前期末から2,506億円(2.2%)増加し、118,368億円となりました。これは主として、有利子負債の減少3,587億円があった一方で、営業債務及びその他の債務の増加2,936億円、銀行事業の預金の増加1,528億円があったことによるものです。有利子負債は、社債発行やWeWork Japan合同会社の事業承継に伴いリース負債を計上したことによる増加があったものの、各種借入の約定弁済をしたことなどにより減少となりました。
(資本)
当期末の資本合計は、前期末から3,297億円(8.4%)増加し、42,654億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は、3,666億円増加しました。これは主として、剰余金の配当による減少4,089億円があった一方で、当期の純利益の計上による増加5,261億円、第2回社債型種類株式を含む新株の発行による増加2,238億円があったことによるものです。
(設備投資)
当期の設備投資は、前期比2,619億円増の9,128億円となりました。これは主として、AI計算基盤・AIデータセンター関連投資およびLINEヤフーグループの設備投資が増加したこと、並びに2025年3月期第3四半期連結会計期間において、4.9GHz帯を使用する特定基地局開設料として無形資産に665億円(注3)を計上したことによるものです。
(注3) 特定基地局開設料の支払期間は16年間です。認定期間にわたる長期の支払い方式である点を踏まえ、現在価値に割り引いて算出しています。
(3) 連結キャッシュ・フローの状況
(注1) フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、プライマリー・フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) 調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)=フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)-LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー+Aホールディングス㈱からの受取配当、PayPay証券㈱への出資など。なお、LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス㈱、LINEヤフー㈱および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay証券㈱などを含みます。
(注3) プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)に、長期性の成長投資として支出した金額を足し戻した指標です。なお、長期性の成長投資はAI計算基盤・AIデータセンター関連投資、Cubic Telecom Ltd.への出資を含みます。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは13,679億円の収入となり、前期比では1,282億円収入が増加となりました。これは主として、EBITDAが増加したことに加えて、法人所得税の支出の減少や還付の増加があったことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは9,952億円の支出となり、前期比では676億円支出が増加となりました。これは主として、前期においてCubic Telecom Ltd.の子会社化に伴う株式の取得があり、当期では通信事業関連の支出が減少しましたが、シャープ㈱の堺工場の土地建物の取得やAI計算基盤等への成長投資がそれらを上回ったことによるものです。
なお、この投資活動によるキャッシュ・フローには、長期性の成長投資に係る支出1,669億円が含まれています。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは9,564億円の支出となりました。これは、銀行借入・リース・社債・債権流動化・第2回社債型種類株式の発行などの資金調達による収入が18,943億円あった一方で、借入金の約定弁済・配当金支払・子会社株式の取得などの支出が28,507億円あったことによるものです。
d.現金及び現金同等物の期末残高
a.~c.ほかの結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比5,573億円減の14,355億円となりました。
e.プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー
当期のプライマリー・フリー・キャッシュ・フローは6,033億円の収入となり、前期比では43億円の収入の減少となりました。これは主として、2025年3月期第2四半期連結会計期間にAホールディングス㈱が実施した、LINEヤフー㈱株式の売却に伴う手取金にかかる当社への配当金があった一方で、割賦債権の流動化による収入が減少したことによるものです。
f.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の財務戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営方針 d.財務戦略」をご参照ください。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
<各指標の計算方法>
親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(※1)/キャッシュ・フロー(※2)
インタレスト・カバレッジ・レシオ:調整後EBITDA(※3)/支払利息(※4)
(※1) 有利子負債は連結財政状態計算書の流動負債と非流動負債の中の有利子負債の合計値を使用しています。
(※2) キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。
(※3) 算出方法は、「(4)<財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標 a.調整後EBITDA」をご参照ください。
(※4) 支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標
当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。
a.調整後EBITDA
調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。
当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。
(単位:億円)
(注) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 d. 連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2024年3月31日に終了した1年間7,438億円 2025年3月31日に終了した1年間7,480億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2024年3月31日に終了した1年間253億円 2025年3月31日に終了した1年間220億円)が含まれています。
b.フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。
調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)は、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算するとともに、Aホールディングス㈱からの受取配当を加算し、LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フローを除くなどして計算される指標です。
プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)から中長期的な成長に資するAI計算基盤の構築などの戦略投資を除いた指標であり、主として当社および当社の完全子会社での既存事業における継続的な資金創出能力すなわち債務返済能力や配当金の支払い能力を評価するために有用な指標であると考えています。
なお、連結キャッシュ・フロー計算書上、割賦債権流動化による資金調達額および返済額は、財務活動によるキャッシュ・フローに含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。従って、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フローの算出の過程において、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算しています。
フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、プライマリー・フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。
(単位:億円)
(注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。
(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」、「子会社の支配喪失による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。
(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。
(注4) LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス㈱、LINEヤフー㈱および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay証券㈱などを含みます。
(注5) Aホールディングス㈱からの受取配当(2025年3月期第2四半期連結会計期間に同社が実施したLINEヤフー㈱株式の売却に伴う、当社への当該手取金の配当を含みます)、PayPay証券㈱への出資などを含みます。
(注6) AI計算基盤・AIデータセンター関連投資、Cubic Telecom Ltd.への出資を含みます。
(5) 重要な判断を要する会計方針及び見積り
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、当社グループにとって最適な会計方針を採用し、一定の前提条件に基づく見積りを行う必要があります。連結財政状態計算書上の資産および負債、連結損益計算書上の収益および費用、または開示対象となる偶発負債および偶発資産などに重要な影響を与える可能性がある項目に関して、経営者は、過去の経験や決算日時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき見積りを行っています。
以下の各項目は、その認識および測定にあたり、経営者の重要な判断および会計上の見積りを必要とするものです。
a.企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値測定ならびに減損に係る見積り
企業結合により取得した無形資産およびのれんは、支配獲得日における公正価値で認識しています。企業結合時の取得対価の配分に際しては、経営者の判断および見積りが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。企業結合により識別した無形資産(顧客基盤や商標権など)およびのれんは、見積将来キャッシュ・フローや割引率、既存顧客の逓減率、対象商標権から生み出される将来売上予想やロイヤルティレート等の仮定に基づいて測定しています。企業結合により取得した無形資産およびのれんの取得価額は、当連結会計年度は223億円(前連結会計年度は904億円)です。
また、無形資産およびのれんの減損を判断する際に、資金生成単位の回収可能価額の見積りが必要となりますが、減損テストで用いる回収可能価額は、資産の耐用年数、資金生成単位により生じることが予想される見積将来キャッシュ・フロー、市場成長率見込、市場占有率見込および割引率等の仮定に基づいて測定しています。
これらの仮定は、経営者の最善の見積りによって決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.企業結合」をご参照ください。無形資産およびのれんの減損に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (11) 有形固定資産、使用権資産、無形資産およびのれんの減損」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.のれんおよび無形資産」をご参照ください。
b.有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積り
有形固定資産および無形資産は、当社グループの総資産に対する重要な構成要素です。見積りおよび仮定は、資産の帳簿価額および減価償却費または償却費に重要な影響を及ぼす可能性があります。
資産の減価償却費は、耐用年数の見積りおよび残存価額(有形固定資産の場合)を用いて算出されます。資産の耐用年数および残存価額は、資産を取得または創出した時点で見積りを行い、その後、各連結会計年度末に見直しを行います。資産の耐用年数および残存価額の変更は、連結財務諸表に対して重要な調整を必要とする可能性があります。経営者は、資産を取得または創出した時点ならびに見直し時に、同種資産に対する経験に基づき、予想される技術上の変化、除却時の見積費用、当該資産の利用可能見込期間、既存顧客の逓減率、当該資産から得られると見込まれる生産高またはこれに類似する単位数および資産の耐用年数に制約を与える契約上の取決めなどの関連する要素を勘案して、当該資産の耐用年数および残存価額を決定しています。有形固定資産の減価償却費は、当連結会計年度は3,073億円(前連結会計年度は3,079億円)であり、無形資産の償却費は、当連結会計年度は2,720億円(前連結会計年度は2,764億円)です。
有形固定資産および無形資産の帳簿価額・減価償却費または償却費に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 14.有形固定資産」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.のれんおよび無形資産」をご参照ください。有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積りに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (7) 有形固定資産、(9) 無形資産」をご参照ください。
c.金融商品の公正価値の測定方法
当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。市場で観察可能ではないインプットを用いた金融資産の公正価値は、当連結会計年度末は3,750億円(前連結会計年度末は3,451億円)です。
金融商品の公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 30.金融商品の公正価値 (1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類、(2) レベル3に分類した金融商品の公正価値測定」をご参照ください。
d.契約獲得コストの償却期間の見積り
当社グループは、契約獲得コストについて、契約獲得コストに直接関連する財またはサービスが提供されると予想される期間(すなわち、契約獲得コストの償却期間)にわたって、定額法により償却しています。契約獲得コストの償却期間は、契約条件および過去の実績データなどに基づいた解約率や機種変更までの予想期間などの関連する要素を勘案して決定しています。契約獲得コストの償却期間の変更は、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。契約獲得コストに係る償却費は、当連結会計年度は2,415億円(前連結会計年度は2,421億円)です。
契約獲得コストに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (16) 収益 b.契約コスト」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 16.契約コスト」をご参照ください。
セグメント情報
7.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会(最高経営意思決定機関)が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となる事業セグメントの区分に従っています。そしてこれらの事業セグメントのうち、「コンシューマ」、「エンタープライズ」、「ディストリビューション」、「メディア・EC」および「ファイナンス」を報告セグメントとしています。また、当社グループには、事業セグメントを集約した報告セグメントはありません。
「コンシューマ」においては、主に国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
「エンタープライズ」においては、法人のお客さまを対象に、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
「ディストリビューション」においては、主に法人のお客さま向けのクラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材、個人のお客さま向けのソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等の商材を提供しています。
「メディア・EC」においては、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。「メディア」事業では、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、「コマース」事業では「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービスを提供しています。また、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるような取り組みとして「戦略」事業では、FinTechサービス等の提供を行っています。
「ファイナンス」においては、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、資産運用などの金融サービスや、クレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービス等を提供しています。
上記の報告セグメントに含まれない情報は、「その他」に集約されています。また、「調整額」には、セグメント間取引の消去、各報告セグメントに配分していない費用が含まれています。
当社グループはグループシナジー強化を図るため経営管理区分の見直しを行いました。2024年6月30日に終了した3カ月間より、「その他」に含めていたSBテクノロジー㈱、サイバートラスト㈱等の報告セグメントを「エンタープライズ」に変更しました。また、「コンシューマ」に含めていた一部の子会社の報告セグメントを「その他」に変更しました。これに伴い、2024年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。
(2) 報告セグメントの売上高、利益およびその他の情報
報告セグメントの利益は、「営業利益」です。セグメント間の取引価格は、第三者間取引価格または総原価を勘案し、価格交渉のうえ決定しています。
なお、「金融収益」および「金融費用」、「持分法による投資損益」などの営業損益に帰属しない損益は報告セグメントごとに管理していないため、これらの収益または費用はセグメントの業績から除外しています。また、資産および負債は報告セグメントに配分しておらず、取締役会においてモニタリングしていません。
2024年3月31日に終了した1年間
2025年3月31日に終了した1年間
(注) 「減価償却費及び償却費」は、連結財政状態計算書上「その他の非流動資産」として表示している長期前払費用の償却額を含みます。
セグメント利益から税引前利益への調整表は以下の通りです。
(3) 製品およびサービスに関する情報
提供している製品およびサービスならびに収益の額については、「注記36.売上高」に記載の通りです。
(4) 地域に関する情報
外部顧客の海外売上高について重要性がないため、地域別の売上高の記載を省略しています。また、国内所在地に帰属する非流動資産の帳簿価額が連結財政状態計算書の非流動資産の大半を占めるため、地域別の非流動資産の記載を省略しています。
(5) 主要な顧客に関する情報
単一の外部顧客との取引による売上高が当社グループ売上高の10%を超える外部顧客がないため、記載を省略しています。