人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数18,895名(単体) 55,070名(連結)
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平均年齢41.7歳(単体)
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平均勤続年数14.5年(単体)
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平均年収8,491,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注1) 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数です。
(注2) 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(注3) 全社(共通)は、当社の技術部門および管理部門の従業員です。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注1) 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数です。
(注2) 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(注3) 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。また、休職者・休業者は含みません。
(注4) 全社(共通)は、当社の技術部門および管理部門の従業員です。
(3) 労働組合の状況
当社の労働組合には、ソフトバンク労働組合および国鉄労働組合があります。また、連結子会社の一部に労働組合が結成されています。労使関係は良好であり、特記する事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の状況
当事業年度の多様性に関する指標は、以下のとおりです。
(注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を記載しています。
(注2) 2025年4月1日時点の実績です。
(注3) 男女で同一の給与体系を適用していますが、現状等級構成などに起因して報酬総額に男女差が発生しています。これらの状況も踏まえ、女性の活躍推進の各種取り組みを進めています。
(注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を記載しています。
(注2) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出した実績を記載しています。
(注3) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出した実績を記載しています。
(注4) 対象となる従業員がいないこと(一部がいないことを含む)を示しています。
(注5) 管理職に占める女性労働者の割合は2025年4月1日時点の実績です。
(注6) 管理職に占める女性労働者の割合は2024年12月31日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異は2024年1月1日~2024年12月31日の実績です。
(注7) 管理職に占める女性労働者の割合は2024年5月20日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異は2023年5月21日~2024年5月20日の実績です。
(注8) 管理職に占める女性労働者の割合は2024年11月30日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異は2023年12月1日~2024年11月30日の実績です。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) 当社の考えるサステナビリティ
経営理念の「情報革命で人々を幸せに」を具現化するとともに、「世界に最も必要とされる会社」の当社ビジョン実現に向けて、持続可能な社会づくりへの貢献と当社の持続的な成長の両立を目指していくことであると考えています。現在だけでなく、中長期的な外部環境や事業環境の変化を踏まえ、当社の事業活動および企業活動を通じて、経済・社会・環境の価値を向上させることにより、さまざまなステークホルダーと新たな価値共創の実践を図り、持続可能な社会づくりへの貢献と当社の持続可能な成長を通じた企業価値の向上を目指します。
・サステナビリティに関するスタンス
お客さま、株主、取引先、従業員をはじめとするステークホルダーの皆さまからの信頼とご支持を、持続的な成長への礎とするため、サステナビリティを支える指針として「サステナビリティ基本方針」を定めています。
サステナビリティ基本方針
(2) サステナビリティ全般
a.ガバナンス
(a)サステナビリティ監督体制
当社は、サステナビリティ基本方針の下、成長戦略とサステナビリティを統合して推進するための企業統治の体制を構築しています。取締役会が気候変動や人的資本を含むサステナビリティに関する重要事項を審議・決議し、サステナビリティ推進状況を監督しています。さらに、経営監督機能の強化を目的に、取締役会の諮問機関としてESG推進委員会(委員長:宮川潤一)を設置し、四半期ごと(年4回、必要に応じて臨時開催)の会議にて、当社グループのサステナビリティ活動に関する進捗(マテリアリティKPIなど)のモニタリングおよび取締役会への提言などを行っています。取締役会がESG推進委員会からの提言内容を尊重し適切な意思決定を行うことに加え、取締役・監査役に求めるスキルの一つとして「サステナビリティ(気候変動などを含む)」を設定することで、当社経営に対するサステナビリティ視点の反映に努めています。なお、マテリアリティKPIの一部は役員報酬に連動しています。
ESG推進委員会については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 (c) 取締役会の諮問機関」を、取締役が有するスキルについては「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 c.取締役および監査役のスキルマトリックス」を、役員の報酬については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照ください。
当社の提出日現在における企業統治の体制の模式図は以下の通りです。
(b)サステナビリティ執行体制
代表取締役 社長執行役員 兼 CEOがESG推進の最高責任者として、当社グループ全体のサステナビリティ対応の責任を担い、専務執行役員 兼 CHRO(最高人事責任者)がESG推進の担当役員として指揮を執っています。また、当社グループのサステナビリティ活動を推進するためにESG推進室を設置するとともに、当社の各部門および子会社にはそれぞれESG推進の責任者を設け、事業内容に合わせたさまざまな活動を行っている他、ESG推進室と連携しグループ一体となることで、効果を高められるよう取り組んでいます。さらに、各領域の重要事項を専門に扱う以下の各委員会とも連携することで、サステナビリティ課題に迅速に対応しています。
リスク管理委員会
代表取締役 社長執行役員 兼 CEOを委員長として、社内の取締役、リスク管理業務を所轄する役員、および各部門を統括する役員で構成し、収集したリスク・機会に関する情報を元に、会社として重要なリスク・機会の特定を行っています。その上で、重要なリスクに関してはリスクオーナー(リスクの責任者)を定め、対策指示などを行い、リスク管理室長を通じて状況を取締役会に報告しています。リスク管理プロセスに関しては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
情報セキュリティ委員会(ISC)
最高情報セキュリティ責任者(CISO)を委員長として、各部門の情報セキュリティ管理担当者などで構成する情報セキュリティ委員会(ISC)を設け、全社横断的な組織として情報セキュリティ施策の推進・管理に努めています。
人権委員会
代表取締役 社長執行役員 兼 CEOを委員長として、各部門を統括する役員で構成し、取締役会の承認を受けた「ソフトバンク人権ポリシー」の考え方の下、人権デュー・ディリジェンスの管理、人権侵害のおそれのある事項の調査・対処および人権に関する研修の企画・実施による人権意識の内部浸透などの日々の活動を通じ、当社の人権活動を推進しています。「人権委員会」の付議事項は、取締役会において報告・審議されています。
環境委員会
国際規格ISO14001に準拠した環境マネジメント体制構築のため、CSR本部長を委員長として、各部門および主要な子会社の環境担当者などで構成し、ESG推進の担当役員の下、環境に関する事柄全般を横断的に検討しています。当委員会では、環境関連のマテリアリティKPIの起草、マテリアリティKPI以外の環境目標設定、目標達成に向けた環境負荷低減の推進・管理を担い、全社的な環境保全活動を推進しています。
女性活躍推進委員会
女性管理職比率を2035年度末までに20%とする目標を掲げ、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOと役員などで構成する「女性活躍推進委員会」を設置し、女性活躍の推進・強化に向けた方針や新たな施策に関する議論、各施策の進捗の確認等を実施しています。
IT管理委員会
最高情報責任者(CIO)を委員長として、IT管理責任者である各部門の本部長で構成し、全社的な枠組みの下、標準化や最適化に向けて情報システムの開発・運用に関連する施策の計画および状況把握と改善を行っています。
AI倫理委員会
国内外でAI倫理に関するさまざまなリスクが課題になっている状況を踏まえ、最高情報セキュリティ責任者(CISO)を委員長として、AIに精通した社外有識者委員と社内委員で構成し、「ソフトバンクAI倫理ポリシー」の考え方に基づき、責任あるAIの実践に向けて適正なAIの開発、運用に取り組んでいます。
b.リスク管理
当社は、サステナビリティに関するリスク・機会(気候変動、人的資本など)を含め、全社的なリスク・機会を統合的に管理しています。全社的なリスク管理プロセスにおいて、当社および主要な子会社に対して、SASBスタンダードやCDSBフレームワーク適用ガイダンスなどのサステナビリティ視点を反映したリスクアセスメントを行うとともに、当社執行役員やリスクオーナーへのヒアリング結果も踏まえて、リスク管理委員会で全社的な観点から重要なリスク・機会を選定しています。また、ESG推進委員会では、リスクアセスメントの結果を活用して、当社およびステークホルダーの観点からマテリアリティ(重要課題)およびKPIの見直しや再評価を行い、サステナビリティ活動やKPIの進捗状況をモニタリングしています。全社的なリスクの内容、リスク管理体制については「3 事業等のリスク」をご参照ください。
c.戦略及び指標と目標
(a)サステナビリティ戦略
当社は、「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中を」をコンセプトに掲げるとともに、それを実現していくためのテーマとして、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。これらは持続可能な社会への貢献とともに、当社の持続可能な成長をしていくためのキードライバーとして捉え、将来のあるべき姿の実現に向けたビジョナリーなマテリアリティとなっています。
(b)マテリアリティ(重要課題)の特定
当社のマテリアリティおよび創出価値(事業や取り組みを通じて創出する価値)は、ダブルマテリアリティの考え方に基づき、社会や環境が当社に及ぼす影響だけではなく、当社が及ぼす各ステークホルダーへの影響についても考慮しています。
全社のリスクアセスメントで認識した短期(数年以内)・中期(3~5年程度、中期経営計画と同等の時間軸)・長期(10年~30年程度)のリスク・機会を基に、当社における重要度(発生可能性や頻度、影響度)を把握するとともに、国際ガイドラインやレポートなどでの重要性、ならびに投資家やNGO/NPOなどの団体、お客様、従業員、サプライヤーなどのステークホルダーへのポジティブ・ネガティブな影響(規模、深刻度、発生可能性など)に鑑み、外部における重要度を把握しています。当社における重要度および外部における重要度の双方の観点で評価を行い、有識者などの第三者の見解も踏まえ、ESG推進委員会での議論を経て、取締役会の承認のもと、マテリアリティを特定しています。
各マテリアリティは、複数の創出価値を構成し、ビジネスや事業機会の創出につなげています。
(c)マテリアリティ(重要課題)に対する指標と目標
ⅰ.当事業年度目標KPI・実績
当事業年度における目標KPIと実績は以下の通りです。
(注) 指標と目標KPIおよび実績の範囲は、特に記載がない限り、ソフトバンク㈱のみが対象
(注1) Large Language Models(大規模言語モデル)
(注2) cross Integrated PlatForm(超分散コンピューティング基盤)
(注3) 当社グループで集計、CAGR:年平均成長率
(注4) 当事業年度より「その他」から「エンタープライズ事業」に移管したSBテクノロジー㈱およびサイバートラスト㈱等の売上高は「ソリューション等」に含まれています。また、当事業年度より事業の管理区分を見直し、「モバイル」および「固定」における一部商材を「ソリューション等」へ移管しました。これらに伴い、前事業年度の「ソリューション等」の数値を遡及修正しています。「当事業年度の増収率」は、遡及修正後の数値を基に算出しています。
(注5) PayPay㈱のみが対象、中期目標
(注6) スコープ1:自らによる温室効果ガスの直接排出、スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連するサプライチェーンでの排出)
(注7) 当社グループが対象
(注8) Science Based Targets initiative(国際的気候変動イニシアチブ)
(注9) Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)
ⅱ.翌事業年度目標KPI
当社は、環境の変化にいち早く対応するため、原則毎年目標KPIを見直しています。翌事業年度の目標KPIは以下の通りです。
(注) 指標と目標KPIおよび実績の範囲は、特に記載がない限り、ソフトバンク㈱のみが対象
(注1) 当社グループで集計、CAGR:年平均成長率
(注2) PayPay㈱のみが対象、中期目標
(注3) Large Language Models(大規模言語モデル)
(注4) スコープ1:自らによる温室効果ガスの直接排出、スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連するサプライチェーンでの排出)
(注5) 当社グループが対象
(3) 気候変動
当社は、気候変動への取り組みをマテリアリティ(重要課題)の1つと認識し、ネットゼロへの取り組みを強化しています。2020年4月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、TCFDが企業に推奨する「ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標」のフレームワークに沿って、積極的な情報開示とその充実に努めています。
a.ガバナンス
代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一がESG推進の最高責任者として、取締役会の監督のもと気候変動関連のリスク・機会に関わる戦略などを含め、サステナビリティ対応の責任を担います。また、気候関連のリスク・機会の管理および取り組みの社内推進、業務遂行を担う機関として、ESG推進の担当役員の下、CSR本部長を委員長、当社の各部門および主要な子会社の環境担当者を委員として構成する環境委員会を設置しています。環境委員会は、ネットゼロの実現に向けた具体的な施策ならびに環境負荷低減の推進・管理、全社的な環境保全活動を推進しています。同委員会で審議・検討された事項のうち、重要なものについてはESG推進委員会へ報告しています。
気候変動を含むサステナビリティ全般のガバナンスについては、「(2) サステナビリティ全般 a.ガバナンス」をご参照ください。
b.リスク管理
当社は、気候変動に関するリスク・機会ついて、全社的なリスク・機会に関する情報と統合し、識別・管理しています。全社的なリスク管理プロセスにおいて識別した気候変動関連のリスク・機会の情報は、ネットゼロ実現に向けた計画の策定や対応策の検討・改善などに生かしています。気候変動関連を含めたサステナビリティ関連のリスク・機会の識別、評価、モニタリングに関する管理体制は「(2) サステナビリティ全般 b.リスク管理」をご参照ください。
c.戦略
当社は、基地局設備をはじめ、多くの電力を使用する通信事業を行っており、気候変動のリスクを大きく受ける可能性があると認識しています。当社は、気候変動が当社に及ぼすリスク・機会を把握するとともに、持続可能な成長実現のための戦略の検討を行っています。
(a)シナリオ分析
気候変動により将来起こりうる事象に適応するための戦略を勘案し、急速に脱炭素社会が実現する1.5℃シナリオと気候変動対策が進まず温暖化が進行する3-4℃シナリオの2つのシナリオ分析を当事業年度に行い、バリューチェーン上流・下流を含む事業に与える財務的影響を確認しました。
(シナリオ分析の前提条件)
シナリオ分析においては、国際的に認知され、信頼性の高いシナリオを使用しました。詳細は以下の通りです。
(注1) IEA:International Energy Agency(国際エネルギー機関)
(注2) Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)
(注3) 中期経営計画と同等の時間軸
(b)気候変動関連のリスク・機会
上記の状況を踏まえ、当社の気候関連のリスク・機会を洗い出し、IEAやIPCCなどのシナリオを参考にシナリオ分析を実施した結果、当社として以下のリスクと機会を特定しました。
(c)気候変動のリスク・機会の財務的影響
気象災害の激化に伴う基地局設備などの復旧コスト増加
生物多様性の損失による森林の防災機能の低下や、地球温暖化の進行による自然災害の頻発・激甚化に伴う基地局など通信設備の災害対策や復旧によるコスト増、バリューチェーンの断絶による調達への影響、ビジネス機会損失、被災設備による近隣被害の誘発などを潜在的リスクと認識しています。
過去のコストを参考に、将来の財務的影響を分析した結果、気温上昇が進行し、大雨の頻度が上昇したとしても、復旧コストの増加幅は限定的であり、財務的な影響は相対的に小さいと考えています。
当事業年度は、台風や線状降水帯の発生回数の増加に伴い、発生確率が上昇傾向にある洪水被害への適応策として、設備破損リスク低減、広域停電時におけるサービスの安定的に継続するために、基地局やネットワークセンターの自然災害対策として19億円を投資しました。具体的には、移動型基地局や可搬型基地局、バッテリーのリプレイスおよび保守対応、可搬型発電機の配備などへの投資が含まれています。その他、災害復旧費用として3億円を計上しました。
当社では、気候変動による影響について、把握可能な事項から開示を進めています(段階的に拡充予定)。
d.指標と目標
気候変動が当社に及ぼすリスクと機会を管理するため、温室効果ガス排出量(スコープ1、2、3)をはじめとする環境負荷データの管理を行っています。これらの排出量は、国際的な温室効果ガス算定基準である「GHGプロトコル(Greenhouse Gas Protocol)」に準拠し、スコープ1、2、3の各区分ごとに算定・開示しています。前事業年度の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)は520,662t-CO2、スコープ3は9,287,493t-CO2となりました。
主な目標として、2030年度までに、事業活動で使用する電力などによる温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル目標を設定し、当社グループが事業で使用する電力のすべての実質再生可能エネルギー化を推進します。また、長期の再生可能エネルギー調達契約を結び、当社(注)で使用する電力を風力や太陽光などの発電による再生可能エネルギーにしていくことで温室効果ガスの排出を削減し、カーボンニュートラル達成と脱炭素社会の実現に貢献します。長期の再生可能エネルギー調達契約は、電気代の高騰の影響を受けにくい事業構造へ転換を後押しします。さらに省エネ機器へのリプレイスや空調設備の効率化などネットワーク設備のさらなる省エネ化を推進することにより温室効果ガスの削減に取り組みます。カーボンニュートラル目標の対象は、スコープ1(自らによる温室効果ガスの直接排出)、およびスコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)です。
(注) 当社およびWireless City Planning㈱の合計
また、取引先などで排出される温室効果ガスであるスコープ3(スコープ1、2以外の間接排出、事業者の活動に関する他社の排出)の排出量も含めたサプライチェーン排出量を、2050年度までに実質ゼロにする「ネットゼロ」目標を設定しました。
当事業年度の温室効果ガス排出量実績(スコープ1、2、3)に関しては、当社ESGデータブックなどに2025年7月頃掲載予定です。
指標と目標を支える取り組み
ⅰ.内部炭素価格
当社は、脱炭素計画を推進するために、当事業年度にインターナルカーボンプライシング(ICP)制度を拡充し、CO2排出量削減効果を得られる一部の設備投資において、社内炭素価格をCO2換算1t当たり18,000円に設定の上、調達の材料として活用します。
ⅱ.気候関連事項の役員報酬への組み込み
当社では、気候変動関連を含むサステナビリティに関するマテリアリティKPIの一部が役員報酬に連動しています。詳細は「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照ください。
(4) 人的資本
人的資本に関する記載は当社に関する記載となります。
a.ガバナンス
人的資本に関するガバナンス体制は、サステナビリティ全般と同様、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一がESG推進の最高責任者として、リスク・機会に関わる戦略などの最終責任を取締役会の監督のもと担っています。人的資本の中でも人権とダイバーシティ(女性活躍推進)については、社内推進、業務遂行を担う機関として、「人権委員会」「女性活躍推進委員会」を設置しています。人権委員会では、人権デュー・ディリジェンスの管理、人権侵害のおそれのある事項の調査・対処、および人権に関する研修の企画・実施による人権意識の内部浸透などの日々の活動を通じ、当社の人権活動を推進しています。女性活躍推進委員会では、外部の有識者をアドバイザーに迎えて、女性活躍推進に向けた本格的な取り組みを推進しています。
b.リスク管理
人的資本関連のリスクの評価、モニタリング、見直しに関する管理体制は「(2) サステナビリティ全般 b.リスク管理」をご参照ください。
c.人材戦略
(a)人材戦略の方向性
当社は、創業以来「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、「人」と「事業」をつなぎ、双方の成長を実現することを人事ミッションとしています。また、当社ならではの活力を生み出すため、チャレンジする人の可能性を支援し、成果を出した人にはしっかりと応えると共に、多様な人材がいきいきと働く環境を支援する人事ポリシーを貫いています。社員に対する考え方は、従来のように「資源」と捉え管理することから「資本」と捉え活用・成長支援をしていくことにシフトしています。当社では、従来より社員の自己成長や挑戦を後押ししていますが、さらなる事業成長のため、社員がいきいきと働き、今まで以上に成長・挑戦していけるよう、能力開発、エンゲージメント向上、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)、健康経営など、人的資本への様々な投資を行っています。
当社では、特にダイバーシティの推進に従前から力を入れており、多様な人材が活躍できる環境整備や社内周知の徹底、研修実施等に取り組んでいます。当社の事業の多角化が進むとともに、多様な人材活用の必要性が一層高まっており、多様な人材が活躍できる企業風土実現のため、積極的にDE&Iを推進し、ソフトバンクを躍動感のあふれる会社にしていくことを目指しています。
d.主な取組(社内環境整備)
(a)チャレンジ・成長できる環境整備
新規事業の立ち上げや新会社設立の際には、ジョブポスティング制度でメンバーを公募し、従業員が自己成長・自己実現できる機会を提供しているほか、社内起業制度であるソフトバンクイノベンチャーで独創性・革新性に富んだアイデア(新規事業)を募集しています。このように、社員全員が変化を楽しみワクワクしながら目標に向かって進む、当社はそんな活力あふれる組織となることを目指しています。
(b)デジタル人材確保・育成の取り組み(事業即応性)
デジタル技術の進展により、企業および社会のデジタル化が進展しています。当社の事業戦略において、デジタル人材育成は非常に重要なテーマの一つです。当社ではデジタル人材を、データやテクノロジーを使って産業界に大きな変革を起こせる人材と定義し、育成の取り組みを進めています。全社員向けには「ソフトバンクユニバーシティTech」を立ち上げ、社員がテクノロジーとデータについて学べる環境づくりを進めています。また、法人統括内では、デジタル化に取り組む法人企業に対し顧客の経営課題解決に直結するソリューションセールスを推進できる人材を育成する「コンサルティング営業育成プログラム」や、社会のデジタル化を担う新規事業開発人材を育成する「事業プロデューサー制度」など、エンタープライズ事業が進めるデジタル戦略の中核を担うデジタル人材の育成に積極的に取り組んでいます。成長戦略「Beyond Carrier」を推進していく中で、既存事業に比べ、短期での個々人の成果が見えにくい新たな取り組みをいかに評価し、必要な人材を配置していくかなど、評価制度や人材活用に関する人事的な課題にも対応しています。事業戦略に沿った新たな事業を育てるために、人事が柔軟に変化・対応していくことが非常に重要だと考えています。
(c)ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組み
当社では、年齢、性別、国籍、障がいの有無などにかかわらず、多様な人材が個性や能力を発揮できる機会と環境の整備に取り組んでいます。社内におけるダイバーシティの推進は、人事を担当する専務執行役員 兼 CHRO(最高人事責任者)が責任を持ち、その監督のもとで行っています。組織ごとの課題に向き合い、人事本部の専任組織・ダイバーシティ推進課を中心に、全社員対象のアンコンシャスバイアスに関するeラーニング研修や、管理職対象のダイバーシティマネジメント研修の実施などの取り組みを行っています。
(d)健康経営
当社は、社員一人一人が心身共に健康であることが、会社と個人の夢・志の実現に向けた原動力であり、社員の健康を維持・向上させることは重要な経営課題の一つと位置付け、「健康経営宣言」を掲げています。情報革命の新たなステージに挑戦し、成長し続けるためには、常に活力あふれた集団であることが最も大事な基盤です。ソフトバンクらしく最先端のテクノロジーを積極的に活用し、社員とその家族の健康維持・増進に取り組む健康経営を推進します。
e.具体的な施策等および指標と目標
チャレンジ・成長できる環境整備
デジタル人材確保・育成の取組(事業即応性)
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組み
健康経営
(注) 指標と目標および実績の範囲は、ソフトバンク㈱のみが対象
(注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績
(注2) SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版)にて取得
(注3) 傷病による欠勤・休職