2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,471名(単体) 7,332名(連結)
  • 平均年齢
    41.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    4.8年(単体)
  • 平均年収
    8,715,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    -1.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

当社グループは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通り、中期経営計画の基本戦略である「グローバル・メディアミックス with Technology」を推進しています。

この経営戦略を達成し、継続的にIPを創出していくための具体的な人材戦略として、当社は以下の3本柱(「働きやすい環境づくり」「キャリアの自律的な選択」「グローバル人材」)を推進しております。これら3本柱の施策を通じて人的資本の価値を高めることが、会社の成長、ひいては経営戦略実現に繋がっていくものと位置付けております。

 

①働きやすい環境づくり

リモートワークに適したICTツールの導入、就業場所を自由に選択できるワークプレイスチョイス制度の推進に加えて、在宅ワークや子育て、介護など、さまざまな福利厚生・休暇制度を拡充することで、従業員の個々の状況に応じた働きやすい環境づくりに取り組んでいます。2025年4月1日からは、産前産後休暇・育児休業・介護休業を取得した社員の業務をフォローする社員に月2万円の手当を支給する産育休・介護休フォロー手当を導入するなど、従業員がこれらの休暇制度をより活用しやすくなる風土づくりも進めていきます。これらの取り組みが相まって、当社の重要課題である事業の中核を担う女性従業員の活躍や、男性にとっても働きやすい環境づくりに繋がっております。

 

②キャリアの自律的な選択

従業員にとって働きやすい環境を整備した上で、従業員が希望するポジションに応募しマッチングを図るフリーエージェント型異動制度実施、グループ会社間の人材交流や育成プログラム実施、公募型プロジェクト企画の推進、従業員の主体的な学びと自律的なキャリア形成を支援する資格取得一時金支給制度の提供など、従業員が積極的に挑戦できる機会の提供に取り組んでいます。また、中途採用におけるリファラル経由での採用比率の向上や、新卒採用における早期選考(インターン経由)の拡充といった施策が相まって、従業員がキャリアを自律的に選択できる環境の整備に繋がっております。

 

③グローバル人材

さらに、グローバル人材の開発強化を重点課題と捉え、世界各国での採用活動や通年インターンシップを通じた人材獲得の強化、グローバル人材のタレントマネジメント、グローバル人材の活躍支援の強化にも積極的に取り組んでいます。これに向けて、各種語学資格保有率の向上などの取り組みが相まって、グローバル人材の育成・確保に繋がっております。

 

④従業員給与等の決定方針

当社は、企業価値向上に向けた人材戦略との整合を重視し、従業員の給与その他の給付について、役割等級制を基本とする決定方針を採用しています。各等級は、従業員が担う職務・役割、責任の大きさ及び期待成果を踏まえて設定しており、年齢や勤続年数を一律の基準として決定するものではありません。基本給は等級に基づいて決定し、基本給の改定及び賞与については、人事評価の結果及び成果を反映しています。これらの決定は、各部門長による評価及び人事部門による確認を経て、所定の決裁権者が行っています。また、同一等級・同一職務において、性別による不合理な処遇差を設けていません。これらの実力・成果に応じたメリハリのある処遇を通じて、従業員の自律的なキャリア形成と成長意欲を後押しし、優秀な人材のエンゲージメントの向上を図ることで、持続的な企業成長の原動力としています。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

出版・IP創出事業

3,053

(1,419)

アニメ・実写映像事業

796

(320)

ゲーム事業

877

(106)

Webサービス事業

639

(60)

教育・EdTech事業

464

(313)

その他

578

(425)

全社(共通)

925

(502)

合計

7,332

(3,145)

(注)1.従業員数は就業人員であり、グループ外への出向者(兼務出向を含む)を除き、受入出向者、執行役員を含んでおります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者数(有期契約社員、派遣社員)の年間平均人数であります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、当社及び複数セグメントを持つ子会社の間接部門の従業員数であります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与

(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,471

(1,104)

41.6

4.8

8,715

△1.5

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

出版・IP創出事業

1,222

(485)

アニメ・実写映像事業

215

(55)

ゲーム事業

23

(3)

その他

144

(71)

全社(共通)

867

(490)

合計

2,471

(1,104)

(注)1.従業員数は就業人員であり、グループ内外への出向者(兼務出向を含む)を除き、受入出向者、執行役員を含んでおります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者数(有期契約社員、派遣社員)の年間平均人数であります。

3.平均勤続年数は、2019年7月1日を起算日としております。

4.平均年間給与は、当社、又は出向元である子会社での給与額であり、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

③労働組合の状況

当社グループには角川グループ労働組合(2026年3月31日現在、組合員数578名)、映演労連角川映画労働組合(2026年3月31日現在、組合員数151名)、SSCユニオン(2026年3月31日現在、組合員数25名)があります。上部団体へは、角川グループ労働組合は千代田区労働組合協議会、映演労連角川映画労働組合は映画演劇労働組合連合会、SSCユニオンは日本出版労働組合連合会にそれぞれ加盟しております。なお、労使関係は安定的に推移しており、労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

④使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の状況

当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

28.7

56.8

74.3

81.4

62.2

 

連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)   

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)   

 (注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)   

(注)1

全労働者

正規雇用   

労働者

パート・   

有期労働者

㈱ドワンゴ

17.6

100.0

74.3

78.7

89.1

㈱アークライト

9.1

100.0

94.7

93.8

96.3

㈱角川アスキー総合研究所

41.7

66.7

83.4

81.5

106.2

㈱KADOKAWA Game Linkage

20.0

0.0

84.5

88.8

87.1

㈱ビルディング・ブックセンター

0.0

100.0

88.7

82.4

99.4

㈱角川大映スタジオ

18.2

60.0

72.5

76.4

62.4

グロービジョン㈱

38.1

76.2

82.2

70.2

㈱動画工房

50.0

0.0

86.4

88.1

83.5

㈱ENGI

6.3

100.0

73.0

70.1

89.7

㈱フロム・ソフトウェア

3.8

57.1

90.7

76.2

130.1

㈱スパイク・チュンソフト

11.1

100.0

71.9

70.8

127.9

㈱アクワイア

25.0

0.0

87.9

87.8

112.2

㈱バンタン

22.0

36.4

71.1

72.0

94.5

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループのサステナビリティ方針

当社グループでは、多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出するとともに、事業間連携によるIPのLTV(Life Time Value)の最大化を図っています。さらに、最新テクノロジーを積極的に取り入れながら、IPを世界に広く展開する「グローバル・メディアミックス with Technology」を基本戦略として掲げております。この基本戦略の推進と各事業課題の解決を通じて、中長期的な企業成長と企業価値の向上を図るとともに、社会課題の解決を目指してまいります。

この当社グループのサステナビリティ方針において、社会全体における数多くの課題の中で、持続的に事業を展開・遂行・成長することによって解決できる重要課題をマテリアリティと定義し、重要な戦略として位置付けて、取組を推進しております。マテリアリティに関する取組の詳細は、「(1)当社グループのサステナビリティ方針 ②戦略 マテリアリティ」の項をご覧ください。

 

①ガバナンス

当社グループでは、現時点において、サステナビリティに関するガバナンスについて、その他のガバナンス体制と区別せずに同一の体制のもとで運用しております。

基本的な考え方として、コーポレート・ガバナンスの充実を当社グループが継続的に発展するための必要条件と位置付け、株主に対する経営の透明性の更なる向上、取引先・得意先をはじめ社会からの信頼の一層の向上を目指し、継続的にコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。

また、経営環境の変化にすばやく適応し、事業成長を実現できる経営体制を確立すること、明確な経営指標や経営方針はもとより、その達成状況を定期的に開示することで透明性を確保し、経営陣の責任を明確にすることが、経営の健全性とコーポレート・ガバナンスの充実に資するものと考えております。

 

コーポレート・ガバナンス体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

②戦略

 マテリアリティ

当社グループでは、社会全体における数多くの課題の中から、5つのマテリアリティを策定しています(図1)。マテリアリティの策定は、ステークホルダーの皆様の視点や各種ガイドラインを参照しながら、Step1からStep4(図2)のプロセスで行っています。

2026年5月公表の新たな中期経営計画のもと、サステナビリティの取組を推進するため、5つのマテリアリティの項目別に、テーマと、指標及び目標を設定しました。マテリアリティの項目別の各テーマ、指標及び目標については、サステナビリティ関連の会議等にて審議のうえ、取締役会での承認を経て決定しております。

 

なお、マテリアリティの項目別のテーマと、指標及び目標の詳細については、「(1) 当社グループのサステナビリティ方針 ④指標及び目標」をご参照ください。

 

図1 当社グループ マテリアリティ

 

図2 マテリアリティ策定プロセス

 

③リスク管理

 リスクマネジメント体制

当社グループでのリスク管理体制において、サステナビリティに関するリスクについては、リスク管理規程に基づき設置したリスク管理委員会(年2回開催)による全社的リスク管理体制の中で精査、対応を行っております。同委員会においては、取締役会の監督のもと、委員長が執行役社長、委員が各部門のチーフオフィサーほかから構成され、内部統制を担う部門が事務局を務めております。

当社グループのリスク管理活動は、内部要因(経営資源、事業特性等)と外部要因(感染症、気候変動リスク等)の観点から、各部門がサステナビリティや企業運営、また事業に関して重要リスクの選定と対策立案を行い、その取組状況を内部統制部門がモニタリングし、継続的な改善を行うプロセスとなっております。

リスク管理委員会では、リスクの発生懸念、発生状況をはじめ、当社グループを取り巻くリスクに関する情報の収集分析を行い、毎年、重点対応すべきリスクを選定し、対応を実施することで、リスクのコントロールを進めております。

また、機会については、経営戦略・事業戦略に関する様々な会議体において、適宜議論を行っております。

 

④指標及び目標

2026年5月公表の新たな中期経営計画のもと、サステナビリティの取組を推進するため、マテリアリティの項目別に、テーマとその指標及び目標を新たに設定しました。進捗は、以下のとおりです。

なお、指標及び目標に関して、当社グループに属する全ての会社では行われていない等の理由により、当社グループにおける記載が困難な場合は、当社及び国内連結子会社、又は、当社単体のもの等を記載しております(注1・2・3)。

 

No.

マテリアリティ

テーマ

指標及び目標

実績

多彩なIP(知的財産)の創出と価値最大化を通じた、個人やコミュニティの充実と文化の発展、コンテンツ産業の成長への貢献

・IPの創出と価値最大化

・IPの適切な活用と保護

・自由で多様な価値観の尊重

 

・新規IPを持続的に創出

・IPによるメディアミックスとエリア展開の持続的な成長

・新規創出IPの権利侵害対策の実施

・グローバル化、新事業展開に対応したIP保護、権利行使

・新規創出IP数

2025年度:6,713点(注)1

従業員のモチベーション・クリエイティビティの向上による成果の最大化と、コンテンツに関わる人々の働きがいのある環境づくりへの貢献

 

・働きやすい環境づくりと自律的なキャリア選択の実現

・従業員エンゲージメントの向上

 

・女性管理職比率

2030年度 30%目標

・男性育児休業取得率

現水準維持

・資格取得制度利用率(言語資格以外)

2030年度 15%目標

・従業員エンゲージメントスコア

現水準維持

・女性管理職比率

2025年度:22.9%(注)2

・男性育児休業取得率

2025年度:67.3%(注)2

・資格取得制度利用率(言語資格以外)

2025年度:10.2%(注)3

・従業員エンゲージメントスコア

2025年度:従業員から見た経営に対する評価(注)3、4

-従業員のモチベーションを上げる努力をしているか 75.1%

-テクノロジーの活用を十分にしているか 83.2%

-クリエイティブに仕事ができているか 83.9%

 

専門的かつ実践的な教育プログラムの幅広い提供を通じた、当社教育事業の持続的成長、ならびにコンテンツ業界も含む社会全体への人材輩出

・クリエイティブ教育の平等な機会の提供

・多様な教育プログラムを受ける生徒の増加

・在籍生徒数

-バンタン生徒数 9,886名
(2026年4月時点)

-N高グループ生徒数 36,371名
(2026年3月末時点)

-ZEN大学学生数 7,000名超
(2026年4月1日時点)

 

 

 

No.

マテリアリティ

テーマ

指標及び目標

実績

出版の製造流通DXの推進による、当社出版事業および

業界全体のサステナビリティ実現、ならびに使用する資源量の最適化と廃棄物の最小化

・資源・原材料の適切で持続可能な利用

・気候変動対策(カーボンニュートラル)

・紙書籍の返品率

2031年度 25.0%目標

・GHG排出量 Scope1,2

-2030年度に2020年度比50%削減

-2050年度に実質ゼロ

・紙書籍の返品率

2025年度:29.2%

・GHG排出量

2024年度:約40%削減

(2025年度実績は2026年6月現在集計中。当社ウェブサイトにて2026年11月以降に開示予定)

ガバナンス強化と公正・透明な経営による、ステークホルダー利益と信頼性の向上

・コーポレート・ガバナンスの強化(監督機能の向上)

・コンプライアンスの徹底

・情報セキュリティの強化

 

・独立社外取締役比率の過半数維持

・取締役会議長・指名・報酬・監査委員長への独立社外取締役の起用

・取締役会の実効性評価において設定される各年度の対応方針の達成

・コンプライアンステスト受講率100%

・ホットラインの認知率向上

・情報セキュリティ分科会を月次で開催、PDCAサイクルを実施

・年次で、標的型メール攻撃訓練やeラーニング研修を実施

・主要なシステム及び端末はEDR/XDRで監視、SOCによる24時間365日対応を実施

・独立社外取締役比率

2025年度:58.3%

・コンプライアンステスト受講率

2025年度:99.9%(注)2

・ホットラインの認知率

2025年度:84.6%(注)2

(注)1.当社及び出版事業を行う国内連結子会社

   2.当社及び国内連結子会社

   3.当社単体

   4.%は「満足・どちらかというと満足」「そう思う・どちらかというとそう思う」と回答した従業員の比率

 

(2)IPに関する考え方及び取組

当社グループは、マテリアリティ1として「多彩なIP(知的財産)の創出と価値最大化を通じた、個人やコミュニティの充実と文化の発展、コンテンツ産業の成長への貢献」を設定し、多彩なポートフォリオからなるIPの安定的な創出と、グローバルな展開などによるIP価値の最大化を事業の柱としており、当社グループのIPの権利を守る体制を強化しています。

 

①ガバナンス

IPに関するリスクを含む各リスクへの対応については、取締役会の監督のもと、執行役社長を委員長としたリスク管理委員会において方針の審議等を行っております。

また、取締役会は、リスク管理委員会で審議された重要事項について報告を受け、IPに関するリスクを含む課題への実行計画等についても審議・監督を行ってまいります。

 

②戦略

当社グループは総合エンタテインメント企業として、出版・IP創出、アニメ・実写映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTechなど幅広い事業を展開しております。当社グループの事業はIPを主軸としており、出版を中心に新たなIPを創出するとともに、アニメ、実写映像、ゲーム、商品等へ展開するメディアミックスを推進しております。さらに、海外拠点などと連携したグローバル展開を進めることで、IP価値の最大化に取り組んでおります。

なお、様々な著作物への著作権侵害行為に対しては、断固たる対応を行い、また著作権保護に関する啓発活動も推進しております。利用者が安心してコンテンツを楽しめる環境を守り、不正行為から権利及びクリエイターをはじめとする権利者の経済的利益を保護するとともに、国際的に評価の高い日本のコンテンツを創出する環境や産業としての競争力を維持・強化し、文化の普及と発展に継続的に貢献してまいります。

また、当社は海賊版対策を目的とした関連団体として、「一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(略称:CODA)」、「一般社団法人ABJ」、「一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会」及び任意の会議体である出版5社海賊版対策会議(JPMAC)に参加し、海賊版に関する現状把握と迅速かつ適切な対策と対応を行い、また啓発活動を推進しております。

 

③リスク管理

当社グループではIPに関するリスクを含む各リスクに対し、半期ごとに管理状況の棚卸しと顕在化や影響の再評価を実施しております。また、顕在化したリスクについては適時の報告・共有がなされております。IPに関するリスクを含む、リスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、取締役会への報告・提言を行っております。

 機会に関しては、IP創出及び、国内外ライツ事業に代表されるIP価値最大化を目的としたIP活用について、経営戦略・事業戦略に関する様々な会議体において、適宜議論を行っております。

 

④指標及び目標

IPに関する具体的な目標として、下記を設定しております。

・新規IPを持続的に創出

・IPによるメディアミックスとエリア展開の持続的な成長

・新規創出IPの権利侵害対策の実施

・グローバル化、新事業展開に対応したIP保護、権利行使

当社グループは、IPの適切な保護及び活用を通じて、クリエイターをはじめとする権利者への適正な還元を図るとともに、ユーザーが安心して正当な方法でIPを享受できる環境の整備に取組んでおります。今後も、国内外における多様な展開を通じてIP価値の最大化を図り、持続的なIP創出・活用の好循環につなげてまいります。

 

(3)人的資本に関する考え方及び取組

当社グループは、多彩なポートフォリオからなるIPの安定的な創出と世界展開を推進するうえでの重要な基盤として人的資本を位置付けています。事業活動を行う国や地域における現地法令や労働基準を遵守し、従業員の権利を尊重しています。また、職場における差別や偏見、ハラスメントを許しません。

従業員が多様な個性を認め合ってクリエイティビティを最大限に発揮できる環境こそが、グループの事業活動に不可欠であると考えており、当社グループでは、マテリアリティ2として「従業員のモチベーション・クリエイティビティの向上による成果の最大化と、コンテンツに関わる人々の働きがいのある環境づくりへの貢献」を設定しております。

 

①ガバナンス

人的資本への対応については、取締役会の監督及びCEOとCHRO(Chief Human Resource Officer)のガバナンスのもとで、各種施策の立案・実行を推進しております。個別の施策の実行にあたっては、CHROを委員長、委員はCEO及び各部門のチーフオフィサーほかから構成される人事委員会の場で事前に審議を行っています。また、取締役会の監督のもと、執行役社長を委員長としたリスク管理委員会において、全社的なリスクマネジメントの一環として、人的資本に関するリスク分析と対策の審議を行います。

 

②戦略

当社グループでは、公正かつ適正な労働環境の整備を前提としたうえで、中期経営計画の基本戦略である「グローバル・メディアミックス with Technology」を推進する基盤として、「クリエイティビティ」「モチベーション」「テクノロジー」を軸としたイノベーション推進を方針に掲げ、従業員が、モチベーション高く、クリエイティビティを最大限に発揮できる環境を実現し、グローバル人材を含む多様な人材の継続的な成長を促進するべく、様々な取組を行っています。

なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針や社内環境整備方針、並びに企業戦略と関連付けた人材戦略の詳細な施策等については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。

 

③リスク管理

全社的なリスク管理体制のもと、当社では人的資本に関する取組を進めるにあたり、人事システムの活用や組織コンディション調査、従業員モチベーションアセスメント等を実施しています。これに加え、社長へ直接意見や質問を送ることのできるオンラインフォームの設置や、社長と全階層の従業員が直接対話する場を設けることで、経営戦略と人材戦略に関するリスク及び機会についての課題を定量・定性の両面から把握し、適切な目標設定と進捗管理に努めております。また経営陣は経営方針や各種施策の意図について、グループ向けビジネスチャットツールなどを介して、従業員へダイレクトに発信する取組も行っております。

これからも従業員との対話などを通じて課題を抽出し、リスク・機会に対応しながら、引き続き戦略立案と実行に注力してまいります。

 

④指標及び目標

当社グループでは、人的資本に関する3つの戦略(「働きやすい環境づくり」「キャリアの自律的な選択」「グローバル人材」)の進捗状況及びその成果を客観的に測定・評価するため、それぞれの戦略と連動した指標及び目標を設定しております。設定した指標のうち、既に高い水準に達している項目については当該水準の継続的な維持を目標とする一方、経営戦略上さらに向上を目指すべき項目については具体的な目標数値を設定しております。これらの指標の推移を時系列でモニタリングすることで、各施策が人的資本の価値を高め、ひいては経営戦略の実現にどのように寄与しているかを継続的に確認・検証いたします。

また、これらの個別の施策が相まった総合的な結果として、従業員の視点から経営や組織環境を評価する「エンゲージメントスコア」を重要な指標として位置付け、モニタリングしております。なお、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため、以下の指標及び目標は、当社及び国内連結子会社のものを記載しております。

当社事業の成長基盤となる多様な人材の成長と活躍に向けて、今後も継続して取組むとともに当社グループへの展開を進めてまいります。

 

 

経営戦略を

支える人的

資本施策の柱

指標

2023年度

(実績)

2024年度

(実績)

2025年度

(実績)

目標

対象範囲

働きやすい

環境づくり

在宅勤務率

72.5%

70.8%

70.2

現水準維持

当社単体

産育休・介護休フォロー手当支給率

(対象者の合計を100%とした場合)

96.7

現水準維持

当社単体

男性育児休業取得率

55.4%

47.7%

67.3

現水準維持

当社及び国内連結子会社

女性育児休業復職率

107.1%

100.0%

100.0

現水準維持

当社及び国内連結子会社

女性管理職比率

21.6%

20.7%

22.9

2030年度 30%

当社及び国内連結子会社

キャリアの自律的な選択

中途採用におけるリファラル経由での採用比率

31.4%

38.2%

33.1

現水準維持

当社単体

新卒採用における早期選考比率

(インターン経由)

56.1%

37.9

現水準維持

当社単体

FA制度利用率

(注)

(注)

50.4

2030年度 70%

当社単体

資格取得制度利用率(言語資格以外)

10.0%

10.2

2030年度 15%

当社単体

部下上司サーベイ結果(満点5

3.99

4.00

4.06

現水準維持

当社単体

グローバル

人材

語学資格保有率

対象資格:英語(英検準1級以上)、中国語(中国語検定3級以上)、韓国語(ハングル検定準2級以上)、インドネシア語(検定C級以上)、スペイン語(検定3級以上)、イタリア語(検定C級以上)、ドイツ語(Goethe-Zertifikat A2以上)、フランス語(検定準2級以上)、タイ語(検定3級以上)、ロシア語(検定3級以上)

7.1%

7.6

2033年度 10%

当社単体

(注)2023年度、2024年度は、開催回数や期間のルールが異なり、2025年度との比較が困難であるため、実績を記載しておりません

 

 

従業員から

見た経営に

対する評価

指標

2023年度

(実績)

2024年度

(実績)

2025年度

(実績)

目標

対象範囲

エンゲージメントスコア

(注)

従業員のモチベーションを上げる努力をしているか

69.1%

70.0%

75.1%

現水準維持

当社単体

テクノロジーの活用を十分にしているか

78.4%

80.2%

83.2%

現水準維持

当社単体

クリエイティブに仕事ができているか

83.0%

84.7%

83.9%

現水準維持

当社単体

(注)%は「満足・どちらかというと満足」「そう思う・どちらかというとそう思う」と回答した従業員の比率

 

(4)気候変動に関する考え方及び取組

当社グループは、気候変動は社会の喫緊の課題であると認識し、GHG(温室効果ガス)削減や省エネルギー化に取り組んでいます。当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)」が公表した最終報告書(以下、TCFD提言)に沿った情報開示を行っており、今後も適切な情報開示に努めてまいります。なお、当社グループでは、マテリアリティ4のテーマの一つとして「気候変動対策(カーボンニュートラル)」を設定しております。

 

①ガバナンス

気候変動への対応については、取締役会の監督のもと、執行役社長を委員長としたリスク管理委員会において、全社的なリスクマネジメントの一環として、気候変動に関するリスク分析と対策を審議し、リスクへの適切な対応とGHG排出量の削減などの取組を推進しています。また、取締役会は、リスク管理委員会で審議された重要事項について報告を受け、気候変動課題への実行計画等についても審議・監督を行ってまいります。

また、TCFDの枠組みに基づいたシナリオ分析時に、気候変動に関する機会について分析・検討を行っております。

 

②戦略

当社グループは、TCFD提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会をもとに、シナリオ分析を実施しています。シナリオ分析においては、2℃以下シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択、設定していく必要があるため、移行面で影響が顕在化する1.5℃シナリオと物理面での影響が顕在化する4℃シナリオの2つのシナリオを選択しました。それぞれのシナリオの概要、シナリオ毎の主なリスクと機会の分析は以下となります。分析対象の範囲は、主力事業会社である当社単体を対象としております。

 

 

 

③リスク管理

当社グループでは気候変動に関するリスクを全社的な重要リスクの一つと位置付けており、気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、TCFDの枠組みに基づいたシナリオ分析におけるリスク・機会の内容を踏まえ、当社グループへの影響を検討し、その結果をリスク管理委員会に報告しています。気候変動リスクを含む、リスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、取締役会への報告・提言を行っております。

 

④指標及び目標

気候変動に関する具体的な指標として、GHG排出量と削減目標を開示しています。持続可能な社会の実現に向けて、SBT(Science Based Targets)として求められるGHG排出削減レベルを考慮し、Scope1(事業による直接排出)及びScope2(電力消費による間接排出)について、「2030年度に2020年度比50%削減・2050年度に実質ゼロ」の目標を設定しました。

当社グループにおけるScope1及びScope2の排出量の詳細は、次のグラフのとおりです。なお、連結会計年度の期中に新たに連結子会社となった会社は翌連結会計年度より集計の対象としております。

※2025年度実績は2026年6月現在集計中であり、当社ウェブサイトにて2026年11月以降に開示予定です。

 

 

GHG排出量の削減にあたって、2023年1月1日より、東京都千代田区にある自社ビル4棟(角川本社ビル、角川第2本社ビル、角川本社ビル別館、KADOKAWA富士見ビル)の全館で使用する電力を実質的に再生可能エネルギーからなる電力に切り替えました。そして2023年12月1日より、拠点の一つであるところざわサクラタウン(埼玉県所沢市)の電力も再生可能エネルギーからなる電力への切り替えを実施しました。また、2024年3月31日より、角川大映スタジオでは、調布スタジオ(東京都調布市)で使用する全電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替え、使用電力由来のGHG排出量が実質ゼロとなりました。これらの取組により、2024年度のグループ全体のGHG排出量を、2020年度実績(9,755t-CO2)から約40%(約3,916t-CO2)削減しました。引き続き、各事業拠点での取組を推進し、グループ全体で目標達成を目指してまいります。

 

(5)情報セキュリティに関する考え方及び取組

当社グループは、「グローバル・メディアミックス with Technology」を基本戦略とする企業として、クリエイターが創出する「コンテンツ」や「情報」などの資産を各種脅威から守りながら、その価値を最大化することを目指しています。その方針のもと、個人情報及び特定個人情報など全ての重要な情報と資産を適切に管理することを目的に、情報セキュリティに関する基本方針を策定しております。当社グループでは、お客様に安心してご利用いただけるサービスを提供するために、全ての役員及び従業員が本基本方針を遵守し、更なる情報セキュリティの向上と確保を実現するために、様々な取組を実施しております。なお、マテリアリティ5のテーマの一つとして「情報セキュリティの強化」を設定しております。

また、コンピュータセキュリティ関連団体として、「一般社団法人日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会(略称:日本シーサート協議会)」、「一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(略称:JPCERT/CC)」、「Japan cyber-security Information Sharing Platform(略称:JISP 内閣サイバーセキュリティセンターが提供する情報共有プラットフォーム)」に参加し、個人情報やデータセキュリティに関する迅速かつ適切な情報収集と知見の蓄積を行っております。

 

①ガバナンス

情報セキュリティへの対応については、取締役会の監督のもと、執行役社長を委員長としたリスク管理委員会において方針の審議などを行い、情報セキュリティ統括責任者(同委員長)のもとで専門組織である情報セキュリティ分科会の設置を行っております。情報セキュリティ分科会では、情報セキュリティに関するリスク分析と対策を審議し、セキュリティ管理策の推進、個人情報に関する安全管理措置の推進、インシデント発生に備えた体制構築及び実際の対応・報告など、全社的な情報セキュリティの状況把握を行い、最善の環境構築を目指し、積極的な活動を行っております。なお、情報セキュリティ分科会は組織横断で構成され、多面的な検討を行うことができる体制となっています。

また、取締役会は、リスク管理委員会で審議された重要事項について報告を受け、情報セキュリティ課題への実行計画などについても審議・監督を行ってまいります。

 

②戦略

当社グループでは、情報セキュリティインシデントの発生を抑止する未然防止策を講じるとともに、万一インシデントが発生した場合においても、早期対応により事業などへの影響を最小化するための体制を整備しております。

具体的には、セキュリティインシデントへの対応や脆弱性情報の社内周知、関連する相談窓口として専門組織「KADOKAWA-CSIRT」を設置しております。同組織を通じて、サイバー攻撃の脅威から当社グループのIT資産を保護するため、当社及び当社グループ会社の各部門に対して防御策に関する助言を行うとともに、ソフトウエアなどの脆弱性に関する情報を継続的に収集し、適切な対策を講じております。併せて、当社が保有するウェブサイト等の運用状況について定期的な調査を行い、年1回の棚卸しを実施することで適正な管理に努めております。

個人情報の保護につきましては、「プライバシーポリシー」を定め、個人情報の保護に関する各種法令に従い、個人情報の厳重な管理及び情報セキュリティの確保を行っております。また、ビッグデータの利活用と保護に関しては、「個人情報保護総括責任者」のもとに「データ管理事務局」を設置し、取得した情報の取り扱いやデータ利活用の基本方針について、各種法令やプライバシーポリシーに準拠した取扱いがなされているか議論・判断を行い、安全性の確保に努めております。

システムの保護については、ゼロトラストを前提とした認証基盤の整備を推進しており、不正アクセスのリスクを低減しています。また、主要なシステム及び端末に対しては、EDR/XDRによる監視体制を構築し、SOCを活用した24時間365日の監視・運用を実施することで、潜在的なセキュリティリスクの早期検知を図っております。

 加えて、全役職員を対象とした情報セキュリティに関する教育や、標的型攻撃メール訓練などを定期的に実施し、組織全体におけるセキュリティ意識の向上と対応力の定着を図っております。

 

なお、情報セキュリティポリシーについては、当社ウェブサイトにて開示しております。

 

情報セキュリティポリシー

https://group.kadokawa.co.jp/security_policy/

 

③リスク管理

当社グループでは情報セキュリティに関するリスクを全社的な重要リスクの一つと位置付けており、半期ごとに管理状況や顕在化の棚卸しを行い、年次で当社グループへの影響度の再評価を実施し、その結果をリスク管理委員会に報告しています。また、発生した情報セキュリティインシデントについては情報セキュリティ分科会で適時の報告・共有がなされております。情報セキュリティのリスクを含む、リスク管理の状況や重大なリスクに関する事項は、リスク管理委員会から取締役会へ報告を行っております。

 

④指標及び目標

情報セキュリティに関する具体的な指標及び目標として、以下を設定し継続的な改善に取組んでおります。

・組織横断的に構成された情報セキュリティ分科会を月次で開催、PDCAサイクルの実施

・当社及び国内連結子会社の全役職員を対象とした標的型メール攻撃訓練の年次での実施

・当社及び国内連結子会社の主要なシステム及び端末のEDR/XDRによる監視、並びにSOCによる24時間365日

 体制での対応

なお、標的型メール攻撃訓練の実績につきましては、2025年度において、当社及び国内連結子会社の全役職員を対象に実施を完了しております。

 

当社グループの事業を安定的かつ持続的に展開するうえで、情報セキュリティの確保は必要不可欠な経営課題であると認識しております。今後も、上記の目標の達成及びセキュリティレベルの継続的な向上を目指し取組を推進してまいります。