人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,164名(単体) 6,269名(連結)
-
平均年齢41.6歳(単体)
-
平均勤続年数3.7年(単体)
-
平均年収8,853,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
出版・IP創出事業 |
2,514 |
(1,215) |
アニメ・実写映像事業 |
605 |
(290) |
ゲーム事業 |
777 |
(106) |
Webサービス事業 |
743 |
(78) |
教育・EdTech事業 |
495 |
(319) |
その他 |
474 |
(370) |
全社(共通) |
661 |
(420) |
合計 |
6,269 |
(2,798) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、グループ外への出向者(兼務出向を含む)を除き、受入出向者、執行役員を含んでおります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者数(有期契約社員、派遣社員)の年間平均人数であります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、当社及び複数セグメントを持つ子会社の間接部門の従業員数であります。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
|
2,164 |
(1,082) |
41.6 |
3.7 |
8,853 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
出版・IP創出事業 |
1,146 |
(544) |
アニメ・実写映像事業 |
237 |
(75) |
ゲーム事業 |
17 |
(2) |
その他 |
149 |
(52) |
全社(共通) |
615 |
(409) |
合計 |
2,164 |
(1,082) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、グループ内外への出向者(兼務出向を含む)を除き、受入出向者、執行役員を含んでおります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者数(有期契約社員、派遣社員)の年間平均人数であります。
3.平均勤続年数は、2019年7月1日を起算日としております。
4.平均年間給与は、当社、又は出向元である子会社での給与額であり、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
当社グループには角川グループ労働組合(2024年3月31日現在、組合員数548名)、映演労連角川映画労働組合(2024年3月31日現在、組合員数134名)、SSCユニオン(2024年3月31日現在、組合員数29名)があります。上部団体へは、角川グループ労働組合は千代田区労働組合協議会、映演労連角川映画労働組合は映画演劇労働組合連合会、SSCユニオンは日本出版労働組合連合会にそれぞれ加盟しております。なお、労使関係は安定的に推移しており、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
25.1 |
53.8 |
72.7 |
82.7 |
70.4 |
連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
|||
㈱ドワンゴ |
19.0 |
62.2 |
80.9 |
82.3 |
139.0 |
㈱ブックウォーカー |
31.9 |
75.0 |
81.9 |
83.9 |
96.4 |
㈱角川アスキー総合研究所 |
12.5 |
100.0 |
72.7 |
82.9 |
94.8 |
㈱KADOKAWA Game Linkage |
25.0 |
0.0 |
85.3 |
85.7 |
97.3 |
㈱ビルディング・ブックセンター |
0.0 |
50.0 |
60.9 |
86.8 |
74.4 |
㈱角川大映スタジオ |
16.7 |
0.0 |
69.8 |
83.0 |
57.0 |
グロービジョン㈱ |
32.0 |
- |
62.9 |
79.6 |
47.8 |
㈱ENGI |
0.0 |
- |
65.4 |
55.6 |
85.0 |
㈱フロム・ソフトウェア |
2.3 |
66.7 |
81.8 |
80.2 |
179.8 |
㈱スパイク・チュンソフト |
0.0 |
- |
71.2 |
74.5 |
75.4 |
㈱アクワイア |
40.0 |
100.0 |
87.2 |
85.8 |
111.4 |
㈱バンタン |
19.4 |
42.9 |
71.4 |
74.4 |
101.6 |
㈱KADOKAWA Connected |
11.8 |
40.0 |
83.1 |
82.5 |
73.5 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループでは、持続可能なコンテンツ創出を通じて、より多くの人々に知識や感動を届け、文化の普及と発展に貢献していく「コンテンツのサステナビリティ」を目指しています。その実現のために、
環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の観点から、時代とともに変化する社会課題の解決と事業成長の両立を図り、お客様をはじめ、株主、取引先、地域社会、従業員など様々なステークホルダーの皆様の期待に応えながら、より良い社会の形成と持続的な企業価値の向上を推進しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
気候変動に関する考え方及び取り組み
当社グループは、気候変動は社会の喫緊の課題であると認識し、温室効果ガス削減や省エネルギー化に取り組んでいます。また「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)」が公表した最終報告書(以下、TCFD提言)に賛同し、TCFD提言に沿った情報の開示をしています。
(1)ガバナンス
気候変動への対応については、取締役会の監督の下、執行役社長を委員長としたリスク管理委員会において、全社的なリスクマネジメントの一環として、気候変動に関するリスク分析と対策を審議し、リスクへの適切な対応とCO2排出量の削減などの取り組みを推進しています。また、取締役会は、リスク管理委員会で審議された重要事項について報告を受け、気候変動課題への実行計画等についても審議・監督を行っていきます。
(2)戦略
当社グループは、TCFD提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会を基に、シナリオ分析を実施しています。シナリオ分析においては、2℃以下シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択、設定していく必要があるため、移行面で影響が顕在化する1.5℃シナリオと物理面での影響が顕在化する4℃シナリオの2つのシナリオを選択しました。それぞれのシナリオの概要、シナリオ毎の主なリスクと機会の分析は以下となります。
(3)リスク管理
当社グループではリスク管理規程を制定し、同規程に基づいてリスク管理委員会を組成しております。委員長が執行役社長、委員が各部門のチーフオフィサーほかから構成され、内部統制を担う部門が事務局となっております。
当社グループのリスク管理活動は、内部要因(経営資源、事業特性等)と外部要因(感染症、気候変動リスク等)の観点から、各部門が重要リスクの選定と対策立案を行い、その取り組み状況を内部統制部門がモニタリングし、継続的な改善を行うプロセスとなっております。
特に、気候変動に関するリスクを全社的な重要リスクの一つと位置付けており、気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、TCFDの枠組みに基づいたシナリオ分析をふまえ、当社グループヘの影響を検討し、その結果をリスク管理委員会へ報告しています。気候変動リスクを含む、リスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、取締役会への報告・提言を行っております。
(4)指標及び目標
気候変動に関する具体的な指標として、GHG(温室効果ガス)排出量と削減目標を開示しています。持続可能な社会の実現に向けて、SBT(Science Based Targets)として求められるCO2排出削減レベルを考慮し、Scope1(事業による直接排出)及びScope2(電力消費による間接排出)について、「2030年度に2020年度比50%削減・2050年度に実質ゼロ」の目標を設定しました。Scope1及びScope2の排出量の詳細は以下のグラフのとおりです。
※2023年度実績は2024年7月現在集計中であり、当社ウェブサイトにて2024年11月以降に開示予定です。
GHG排出量の削減にあたって、2023年1月1日より、東京都千代田区にある自社ビル4棟(角川本社ビル、角川第2本社ビル、角川本社ビル別館、KADOKAWA富士見ビル)の全館で使用する電力を実質的に再生可能エネルギーからなる電力に切り替えました。そして2023年12月1日より、拠点の一つであるところざわサクラタウン(埼玉県所沢市)の電力も再生可能エネルギーからなる電力への切り替えを実施しました。これによって、2024年度には2020年度実績(約3,783t-CO2)の約88%にあたる約3,333t-CO2のGHG排出量を削減できる見通しとなり、目標として掲げた「2030年度に2020年度比50%削減」を早期に達成する見込みです。
さらにグループ会社の㈱角川大映スタジオでも、調布スタジオで使用する全ての電力を2024年3月31日から実質的に再生可能エネルギーからなる電力に切り替えました。こうした活動をグループ各社に展開していくことを検討するとともに、「2050年度に実質ゼロ」の目標達成に向けて取り組みをさらに推進してまいります。
人的資本に関する考え方及び取り組み
当社グループは、多彩なポートフォリオからなるIP(Intellectual Property)の安定的な創出と世界展開を推進するうえでの重要な基盤として人的資本を位置づけています。事業活動を行う国や地域における現地法令や労働基準を遵守し、従業員の権利を尊重しています。また、職場における差別や偏見、ハラスメントを許しません。従業員が多様な個性を認め合ってクリエイティビティを最大限に発揮できる環境こそが、グループの事業活動に不可欠であると考えています。
(1)ガバナンス
人的資本への対応については、取締役会の監督の下、CEOとCHRO(Chief Human Resource Officer)のガバナンスの下で各種施策を立案・実行しております。個別の施策の実行にあたっては、事前にCHROを委員長、委員はCEO及び各部門のチーフオフィサーほかから構成される人事委員会の場で審議を行っています。
(2)戦略
当社グループでは公正かつ適正な労働環境の整備を前提とした上で、中期経営計画の基本方針である「グローバル・メディアミックス with Technology」を推進する基盤として、「クリエイティビティ」「モチベーション」「テクノロジー」を軸としたイノベーション推進を方針に掲げ、従業員が、モチベーション高く、クリエイティビティを最大限に発揮できる環境を実現し、多様な人材の継続的な成長を促進するべく、さまざまな取り組みを行っています。
具体的には、就業場所を自由に選択できるワークプレイスチョイス制度をはじめとした、モチベーションを高める制度改革の推進、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務改革の深化に継続的に取り組んでいます。さらに、グループ会社間の人材交流や育成プログラム実施、公募型プロジェクト企画の推進など、従業員が積極的に挑戦できる機会の提供に取り組んでいます。
また、グローバル人材の開発強化を重点課題と捉え、世界各国での採用活動やインターンシップを通じた人材獲得の強化、グローバル人材のタレントマネジメント、グローバル人材の活躍支援の強化にも積極的に取り組んでいます。
人的資本に関する施策について、人材育成・働きやすい環境づくり・ダイバーシティ&インクルージョンの観点にて、具体的な取り組みを紹介します。
人材育成
・キャリア支援と適材適所の実現
当社では、従業員のモチベーション向上、スキルを活かしたキャリア形成、適材適所の実現、当社グループ内での新たなイノベーションなどを目的として、以下の制度や取り組みを行っています。
施策 |
概要 |
資格取得一時金支給制度 |
従業員の主体的な学びと自律的なキャリア形成を支援するため、対象資格を取得した従業員に対し、資格の難易度に応じて、合格時に3万~1,000万円の奨励金を支給。 |
フリーエージェント型異動制度 |
従業員が希望するポジションに応募しマッチングを図る制度(当社正社員及び制度への参加表明をしたグループ会社の正社員が対象)。 |
プロジェクト公募 |
従業員自らが、挑戦的、中長期的、又は部署横断的なプロジェクトを提案し、プロジェクトチームを組成、実現を目指すとともに、一緒にプロジェクトを推進するメンバーを社内公募できる制度。 |
副業制度 |
全従業員を対象に、働き方の選択肢を拡大し、自発的なキャリア形成を支援する制度。約5%の当社従業員が本制度を利用(2024年5月時点)。 |
N予備校無料受講ID発行サービス |
社員の学びを支援する施策として、プログラミングやWebデザインを学ぶ機会を提供。 |
・人材パイプラインの強化
当社では、多彩な人材がさまざまな事業を生み出し・支えるとの考えから、多様性のある人材の採用に力を入れており、採用に関する各種制度を設けています。
施策 |
概要 |
リファラル制度 |
業務に必要なスキルや経験がマッチするより良い人材の発掘を目的に、業務の現場をよく知る社員からの紹介制度を制定。2021年1月の導入以来、本制度によるキャリア採用者数は115名(2024年5月時点)。 |
インターン制度 |
国内外の大学院、大学、高等専門学校に在学中の皆さんを対象に、インターン制度を制定。3か月以上の長期間に渡る就業により、コンテンツビジネスを支える一員として学生の皆さんに活躍していただくことを期待。 |
・従業員研修
当社では、ビジネススキルの習得や各事業への理解の促進などを目的として、従業員に対しさまざまな研修を行っています。マネジメントに関する研修においては、人事部門が人材開発会社と共同で内容を設計した研修メニューに沿って実施しています。また、事業に役立つ情報や知見を得るための社内セミナー、勉強会も積極的に開催しています。
施策 |
概要 |
役職に合わせた研修 |
|
新卒新人導入研修 |
毎年4月に新卒新人全員を対象に実施。働き方や社内で使用するシステム、各種制度、当社グループの全体像、事業内容のほか、現場の雰囲気や社会人としての心得なども理解することを目的に実施。座学だけでなく、映像制作スタジオや印刷所など、実際の施設見学も行う。 |
新卒新人フォロー研修 |
毎年2月に新卒新人全員を対象に実施。ビジネスパーソンが持つべき視点の確認など、新入社員の配属後のフォローアップを中心に行う。 |
新任管理職・専門職研修 |
春期、秋期の年2回、新たに管理職・専門職に就いた従業員を対象に実施。社外講師を招き、少人数でのワークショップ・グループディスカッションを交えた研修を行い、マネジメントの原理原則の理解と基本的マネジメントスキルを習得する。 |
考課者研修 |
毎年5月頃、管理職を対象に実施。目標設定及び考課フィードバック方法を学ぶ。 |
OJTリーダー研修 |
毎年7〜8月に新卒新人配属部署の教育担当先輩社員を対象に実施。新人育成の目的と先輩社員の役割、新人教育における知見と情報の共有などを行う。 |
次世代リーダー研修 |
春期、秋期の年2回、社内で選抜された従業員を対象に実施。経営戦略やリーダーシップ、ファイナンス、ビジネスプランニング、プレゼンテーションなどを学ぶ。 |
事業に合わせた研修・セミナー・勉強会 |
|
編集制作講座 |
編集者のスキルアップを目的に連続開催している講座。企画立案から出版物の制作に必要な知識の習得、販売促進やSNSを利用したプロモーションの手法、著作権や下請法など、出版物の編集と制作において必要な幅広い内容をテーマに開催。 |
事業部門向けシステム開発講習 |
新規事業開発、システム開発に事業部門の立場で関わるようになった人(非専門家)向けに、プロジェクトで失敗しないための基本ノウハウを伝える。 |
デジタルプロモーション基礎講座 |
消費者購入プロセス、オウンドメディア、アクセスログ解析など、デジタルプロモーションの基礎知識を従業員に向けてレクチャーする。 |
SNS勉強会 |
デジタル事業を推進する部門の従業員が主体となり、SNSの種類やプロモーション方法など、SNSに関して学ぶ勉強会を数回にわたって開催。 |
プレスリリース書き方勉強会 |
当社のプレスリリース配信代行サービス「PressWalker」編集部が、プレスリリース作成のノウハウ、メディアに選ばれるプレスリリース作成のポイントについて共有。 |
コンプライアンス研修 |
コンプライアンスポリシー及びコンプライアンス規程に基づき、各種法令への遵守を徹底するとともに贈収賄・腐敗行為などの不正の防止や、ハラスメントの防止、反社会勢力の排除などに努めている。 ・当社グループにコンプライアンスを浸透させるため、eラーニングによる啓発活動(正社員、契約社員対象)を毎年継続的に実施し、一人ひとりが自分事としてコンプライアンスを徹底できるよう、意識付けと知識の向上を図っている。 ・意欲的に取り組んでもらうため、会社として遵守すべきことを網羅したガイドブックとアニメ動画コンテンツの両輪で教育を展開し、半期毎にテストを実施。 |
・DX人材育成
当社グループ全体においては、リモートワーク環境の整備、各事業部門へのBPR(Business Process Re-engineering)支援サービスやデータ活用支援サービスを通じて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の思考と行動様式を浸透させることで、デジタルに精通しユーザー中心の改革を推進できるDX人材を育成しています。
また、事業部門と宣伝のデジタル部門を兼務し事業のデジタルプロモーションに関する知見を相互に共有する「デジプロナレッジリーダー」を設置したり、データ活用に関する組織横断チームを組成し、個々の部署にそれぞれ存在していたデータの統合を図るとともに、従業員が同じ指標でデータを活用できるようなBI(Business Intelligence)ツールを整備するなど、業務を通じて、事業に活かせるデジタル知識を持ち合わせた人材を広く育成するよう取り組んでいます。
加えて、グループ従業員向けのデータ活用に関する研修プログラムも提供しています。ビッグデータの分析手法、BIツールを用いたダッシュボード開発手法、統計学や機械学習といったデータサイエンスなどさまざまなプログラムを提供し、データ・ドリブン経営を促進するデータ活用知識を持ち合わせた人材育成にも取り組んでいます。
・定期的な評価レビュー
当社では、正社員・継続雇用契約社員・特務社員は年1回、契約社員は年2回の考課を行っています。業務の目標設定・調整と振り返り、上司からのフィードバックを行う複数回の面談を設け、従業員を公正に評価するよう努めています。
2023年度より、管理職が期待される役割を果たせているかを問うため、マネジメント行動評価を導入しています。上司から部下への一方的な評価だけでなく、部下から上司への評価も参照できるよう、「アップワードフィードバック」というサーベイも実施しています。また、どのような要因でモチベーションが変化するかを定量的に測定する適性検査「アチューンド」も導入しました。従業員のモチベーションコントロールに役立てるほか、適切なミッションのアサインや組織運営にも役立てています。
働きやすい環境づくり
・働き方改革の推進
当社では、従業員がそれぞれの理由でベースとなる拠点(ワークプレイス)を選択し、選択に応じたメリットを享受できるよう会社のサポートを強化した「ワークプレイスチョイス(就業場所の選択制度)」を導入しています。
また、この制度に合わせて全オフィスのレイアウトを改修し、出社した際にはメンバーが集まりやすく、効率よくチームワークができる環境を構築しています。そして、在宅勤務メインを選んだ場合には、自宅での業務環境構築のために支援金を支給するなど、従業員それぞれがクリエイティビティを発揮できる働き方をサポートしています。
・多様な働き方を支援する制度
当社では、在宅ワークや子育て、介護など、従業員の多様な働き方を支援するため、さまざまな福利厚生・休暇制度を設けています。また、仕事へのモチベーションや組織の状態、経営層とのコミュニケーションなどについて、満足度や課題意識を調査する従業員向けアンケート調査を実施し、その結果を全社にフィードバックするとともに、社内施策の検討などに活用しています。
施策 |
概要 |
福利厚生制度 |
|
出産祝い金 |
子育てと仕事の両立をサポートするため、子どもの人数に応じて祝い金を支給。 |
育児手当支給制度 |
小学校卒業前までの子どもを持つ従業員に対して、毎月手当を支給。 |
ベビーシッター利用者支援 |
小学3年生までの子どもを持つ従業員に対して、ベビーシッター派遣サービス利用時の支援を行う。 |
団体3大疾病保障保険 |
従業員は、3大疾病(所定のがん・急性心筋梗塞・脳卒中)になった場合に一時金100万円が支給される保険を自己負担なし(保険料全額を会社が負担)で利用出来る。 |
脳検査(脳ドック)費用補助 |
40歳以上の従業員は2年に1度、検査費用の自己負担額最大5万円までの補助を受けることが出来る。 |
サブスク手当 |
従業員のクリエイティブな発想を支える施策として、従業員が契約するエンタメジャンルのサブスクリプションサービス(コンテンツなどを定額料金で一定期間利用できるサービス)の費用を月額3,000円支援。 |
在宅チョイス支援金 |
在宅勤務メインを選択した場合は、月額2万円の「在宅チョイス支援金」を支給 |
従業員持株会 |
福利厚生の一環として従業員持株会を設置し、株式購入奨励金を支給。 |
休暇制度 |
|
介護休暇・介護休業 |
要介護状態にある家族を介護する従業員は、対象家族の人数に応じて年間5~10日の休暇を取得できるほか、時短勤務などの利用、介護休業の取得が出来る。 |
子どもの看護休暇 |
小学校就学前までの子どもを持つ従業員に対して、子どもの人数に応じて年間5~10日の休暇を付与。 |
F休暇 |
生理など、女性特有の体調不良により就業が著しく困難な場合に休暇が取得出来る。 |
従業員向けアンケート調査 |
|
当社従業員に対し、仕事へのモチベーションや組織の状態、経営層とのコミュニケーションなどについて、満足度や課題意識を調査するアンケートを実施。結果はSlackやグループ全社集会などで全社にフィードバックするとともに、社内の課題発見や制度の効果検証、社内施策の検討などに活用。ほかにも、年次有給休暇や労働時間に関するアンケートなども適宜実施している。 |
・労働安全衛生
当社では、従業員の健康と安全を守るため、衛生委員会や長時間労働防止事務局を設置しているほか、各種相談・通報窓口を整備しています。
施策 |
概要 |
衛生委員会の設置 |
産業医と従業員からなる衛生委員会で月1回の協議を行い、従業員からの要望を会社側に伝える機会を設けるとともに、議事録を社内で公開。健康管理室より産業医からの労働衛生上の情報を「健康管理室通信」との名称で定期発信し、産業医による定期的な職場巡視も行っている。 |
長時間労働の防止 |
労働時間や残業に関する法令を遵守し、長時間労働防止事務局を設置して従業員の労働時間のモニタリングと注意喚起を行うことで、長時間労働の防止に取り組んでいる。 |
各種相談・通報窓口の設置 |
プライバシーが守られ、匿名で相談できる相談窓口のほか、コンプライアンス違反などに関する通報を適切に処理する当社グループ共通の通報窓口として、内部通報窓口を設置。 |
ダイバーシティ&インクルージョン
・女性の活躍推進
当社では、すべての従業員の多様な働き方を支援するため、各種休暇制度や手当などを導入しており、育児休業における女性従業員の復職率は100%となっています(2024年3月31日時点)。女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画も策定し、働きやすい環境を整えることで女性活躍の基盤づくりを行っています。
・障がい者雇用
当社グループでは、障がいの有無や程度にかかわらず、個々の能力を存分に発揮して働くことのできる環境づくりに取り組んでいます。2019年には、障がい者雇用の特例子会社として、コーヒー豆の焙煎・販売や編集、バックオフィスなどの業務支援を中心とした事業を展開する㈱角川クラフトを設立しました。㈱角川クラフトは、2024年2月に障がい者雇用に関する優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する「もにす認定」を受けています。現在、角川クラフトにおける36名(うち重度障がい者15名)を含め、特例グループ(当社、㈱角川クラフト、㈱ドワンゴ、㈱角川アップリンク、㈱KADOKAWA Connected、㈱ブックウォーカー)全体で74名(うち重度障がい者26名)の障がいのある従業員が活躍しています(2024年3月時点)。
2024年4月、就労継続支援事業(※)などの福祉事業や、希少な純国産鶏の高級卵を「ハコニワファーム」ブランドで生産・販売する鶏卵事業などを手掛ける、Win Graffiti㈱を子会社化しました。当社グループでは、今後も事業として成立しうるサステナブルな障がい者雇用の拡充を行うとともに、上場企業の障がい者雇用に対するさまざまな向き合い方を模索していきます。
※障がいや病気のために一般企業や事業所での就労が困難な方々に対して、就労機会を提供するとともに、知識・能力の向上のために必要な訓練を行う事業。
・グローバル人材
当社グループでは800名以上の外国人従業員が勤務し、日本国内と海外でグループの事業を担っています(2024年3月31日時点)。
2021年10月、グループの基本方針であるグローバル・メディアミックスを力強く牽引する人材を採用・育成・支援していくため、「グローバル人材開発センター」を新設しました。主に以下の施策を実施し、グローバルで活躍する人材とビジネスのサポートを行っています。
施策 |
概要 |
グローバルで活躍する人材とビジネスのサポート |
|
グローバル人材採用強化 |
キャリア採用自社メディアの多言語対応と、グローバルコンテンツ追加による幅広い採用活動の実施。多国籍人材のインターンシップ受け入れも強化。 |
従業員スキルサーベイ |
国内外のグループ従業員に向けたスキルサーベイの実施や、グローバルビジネスへの参加意欲を高めるセミナーなどを運営。 |
グローバル人材育成 |
“KADOKAWA流の専門スキル”と“グローバルで活躍する能力”の双方を有するハイブリッド人材を育成するため、人材交流やリモート兼務など各種施策を推進。 |
褒章制度の拡充 |
海外現地法人従業員が日本語能力検定試験にて資格取得した際に一時金を支給するなど、各種褒賞制度の充実。 |
一時帰国サテライトワーク制度 |
グローバル人材の採用強化とリテンション施策の一環として、2023年10月より、外国籍社員を対象に、1年度のうち年間平均労働日数の約1/3にあたる最長90日程度、一時帰国先でリモートワークができる制度を導入。 |
・LGBTQ+への取り組み
当社では、事実婚及びLGBTQ+の方の結婚時にも、慶弔休暇の取得と結婚祝い金の支給を行っています。また、社内におけるLGBTQ+への理解促進のため、2023年10月に「LGBTQ+セミナー~みんなで考える職場のダイバーシティ~」を開催、グループ会社を含む多くの従業員がセミナーに参加しました。各種規程についても、多様性を尊重し、適用範囲の拡大を検討、実施していく予定です。
(3)リスク管理
当社では、これらの取り組みを進めるうえで、人事基幹システムの刷新、組織コンディション調査・従業員モチベーションアセスメント等の実施と併せて、意見箱の設置や、全階層の社員と直に対話する場を設けることで、定量・定性の両面で経営戦略と人材戦略に関するリスクと課題を把握し、適切な目標設定と進捗管理を行うよう努めております。また経営陣は経営方針や各種施策の意図について、グループ向けビジネスチャットツールなどを介して、従業員に向けてダイレクトに発信する取り組みも行っております。
これからも従業員との対話を通じて課題を抽出しながら、引き続き戦略立案と実行に注力してまいります。
(4)指標及び目標
当社グループでは多くの女性が事業の中核を担っています(グループ女性従業員比率44.3%)。女性活躍に関する具体的な指標としては、2024年3月31日時点、当社及び国内連結子会社を合わせた女性管理職の比率は21.6%となっており、2030年には30%を目指してまいります。また、女性を含む全ての従業員の多様な働き方を支援するため、各種休暇制度や手当などを導入しております。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画も策定し、働きやすい環境を整えることで女性活躍の基盤「えるぼし認定」において、設定段階「3」を2017年9月に取得するなど、外部からの高い評価も受けています。
当社事業の成長基盤となる多様な人材の成長と活躍に向けて、今後も継続して取り組んでまいります。