2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,584名(単体) 12,606名(連結)
  • 平均年齢
    42.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.1年(単体)
  • 平均年収
    8,945,510円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    6.1%(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況等】

  当社グループの従業員の状況等は、次のとおりである。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

 ① 企業戦略と関連付けた人材戦略

 当社グループは、社会からの信頼を基盤に、公正かつ自由な競争の下、健全な事業活動を通じて社会に有用な価値を創造し、成長していくことで、持続可能な社会の実現に貢献することを自らの使命としている。

 当社グループの経営理念である「信頼。創造。成長。」は、当社グループの価値創造ストーリーそのものであり、人的資本は、この価値創造ストーリーを実現するための基盤となるものである。

 

 <企業戦略と関連付けた人材戦略のイメージ>


 

 サステナビリティ経営の土台となる「エネルギアグループ企業行動憲章」を踏まえた人的資本に関する方針のもと、将来にわたりステークホルダーのみなさまからの信頼の獲得と経済価値・社会価値の創造を体現できる人材基盤を形成すべく、超長期的な視点も踏まえ、安定的な採用継続と離職抑制、能力伸長・発揮を促す処遇制度の構築といった人材マネジメントに不断に取り組んでいる。

 2040年度を見据えた「中国電力グループ経営ビジョン2040」においては、ステークホルダーのみなさまの期待に応えるため、財務目標の達成を目指すとともに、人材に関する目指す姿として「一人ひとりが挑戦を重ねすべての人が持ち場で輝く」及びサステナビリティ目標として「多様な人材の活躍と従業員エンゲージメントの向上」を設定し、その実現に向けてマテリアリティの1つである「多様な人材が活躍できる環境づくり」にグループ一体となって取り組むこととしている。

 「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」においては、人的資本に関する方針に沿った目標をグループ各社が設定し、そのすべてを達成することを目標とするとともに、当社では、原子力発電所の安定稼働やエネルギー・ソリューションの拡大、トレーディング強化など成長戦略上の重点課題に人的資源を優先配分のうえ、各組織が人材の量・質及び職場環境の観点から取組計画を策定し、事業戦略の実現に向けた人材マネジメントに取り組むこととしている。

なお、人的資本に関する方針、取り組み等の具体的内容については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載している。

 

 ② 従業員給与等の決定方針

 上記の人材戦略を踏まえ、当社及び中国電力ネットワークでは、キャリアフェーズに応じて、長期勤続・内部育成を前提とした能力基準の処遇制度と市場価値・キャリア自律を重視した職務基準の処遇制度を効果的に組み合わせることで、若年層の成長意欲や中堅以降のモチベーションに刺激を与え、すべての世代の社員が持ち場で輝くことができる環境を整備している。

 

<キャリアフェーズに応じた処遇のイメージ>


 

 給与(賞与を含む。)その他の給付の額及び内容については、従業員エンゲージメントの向上と収益・成果の適切な分配を念頭に、賃金の引上げをはじめとした総合的な処遇改善に継続的に取り組むこととしており、具体的には、自社の経営状況や物価上昇などの社会情勢、同業他社・地場企業等の動向(賃金改定、初任給の水準等)などの様々な要素を総合的に勘案しながら、労使で真摯に対話を重ねたうえで決定している。

 

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

総合エネルギー事業

3,815

送配電事業

4,614

情報通信事業

1,011

その他

3,166

合計

12,606

 

(注) 従業員数は就業人員数であり、出向者及び休職者を除いている。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

3,584

42.1

20.1

8,945,510

6.1

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

総合エネルギー事業

3,584

送配電事業

情報通信事業

その他

合計

3,584

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であり、出向者及び休職者を除いている。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。

 

③ 労働組合の状況

労使関係について特に記載すべき事項はない。

 

 

提出会社及び連結子会社における管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合等

 性別に関係なく誰もが活躍できる企業グループ(各職階の男女比が社員の男女比と等しく、男女ともに仕事とプライベートを両立しており、男女間の賃金差異が解消された状態と定義)を目指し、各社の実行フェーズに応じた目標を定め、具体的な取り組みを進めることとしている。

2025年度実績

提出会社及び

連結子会社

(従業員数の多い順)

管理的地位に

ある労働者に

占める

女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)3

(参考)

女性労働者の

割合(%)

全労働者

正規雇用

労働者

非正規雇用労働者

中国電力㈱

5.4

89.0

71.2

71.7

56.2

24.5

中国電力ネットワーク㈱

0.3

74.6

62.1

61.4

95.9

1.4

中電プラント㈱

2.6

79.4

71.2

84.7

74.3

8.6

㈱エネコム

3.4

100.0

78.5

77.8

68.3

25.3

㈱電力サポート中国

0.0

37.5

67.7

84.3

58.6

12.9

中電環境テクノス㈱

4.8

事務100.0

技術62.5

90.3

88.0

73.4

12.1

中電技術コンサルタント㈱

9.5

83.3

66.8

78.9

61.4

20.0

中国計器工業㈱

4.3

16.6

82.6

82.6

85.4

15.3

㈱エネルギアL&Bパートナーズ

2.6

57.6

81.6

31.9

26.9

㈱エネルギア・ソリューション・アンド・サービス

0.0

正社員66.7

嘱託社員-

臨時社員-

76.3

74.3

73.7

21.7

中国高圧コンクリート工業㈱

3.6

100.0

80.9

80.0

84.6

12.2

中電工業㈱

0.0

0.0

82.8

81.1

58.5

14.5

㈱アドプレックス

3.4

77.0

76.5

71.6

43.0

 

(注) 1 2026年3月31日現在。「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算定している。

     2 中電環境テクノス㈱及び㈱エネルギア・ソリューション・アンド・サービスは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算定しており、育児目的休暇は含んでいない。
中電プラント㈱及び㈱エネコムは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、同法律施行規則(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号により算定しており、育児目的休暇を含んでいる。
上記以外の会社は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、同法律施行規則(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号により算定しており、育児目的休暇は含んでいない。
「-」は対象者がいないことを示す。

   3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を算定している。
中国電力㈱及び中国電力ネットワーク㈱は、パート労働者について、正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出している。
 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)サステナビリティ共通

① ガバナンス・戦略

当社グループは、企業価値向上と持続的成長の実現に向け、サステナビリティ経営の土台となる指針として「エネルギアグループ企業行動憲章」を定めるとともに、「中国電力グループ経営ビジョン2040」を策定し、設定した目指す姿及び経営目標の実現に向けた具体的な取り組みを「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」に織り込んで実行している。これらを通じて、経営理念として掲げる「信頼。創造。成長。」のサイクルを回し、価値創造につなげることで、サステナビリティ経営を推進している。

サステナビリティ課題への対応については、「中国電力グループ経営ビジョン2040」やエネルギアグループ企業行動憲章に掲げる項目の実現に向け、「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」において具体的な施策を策定のうえ進捗管理を行い、経営会議や取締役会に定期的に付議し、PDCAサイクルを回している。

また、各施策の具体的な取り組みは、主管となる各組織を中心に、サステナビリティ推進の専任組織と連携して推進しており、特に組織横断的な検討を要するものについては会議体を設置し対応している。各組織・会議体は、サステナビリティ課題への対応状況について、経営会議や取締役会に適時・適切なタイミングで付議している。

 

② リスク管理

当社では、リスク管理の専任組織がサステナビリティ推進の専任組織と連携し、グループ全体のリスク管理体制のなかでサステナビリティに関するリスク管理を実施している。当該組織を中心とした体制のもと、各組織においてリスクの洗い出し、評価、対応策の検討を行い、リスク対応策を中期経営計画に反映している。リスク管理状況や対応策の進捗については、経営会議・取締役会に付議し、レビューを受けている。

なお、リスク管理体制や、気候変動や人的資本に係る具体的なリスクについては、「3 事業等のリスク」に記載している。

 

③ 指標及び目標

指標及び目標の具体的な進捗状況等については、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)」「(3)人的資本」に記載している。

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)

当社は、2019年6月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同署名を行い、気候変動に関する情報開示の更なる充実を推進している。

 

① ガバナンス

当社は、気候変動問題への取り組みを重要な課題として認識しており、カーボンニュートラルに関する取り組み状況を一元的に把握・評価し、推進していくための「カーボンニュートラル推進会議」、気候変動問題をはじめとする環境問題全般への取り組みを推進するための「全社環境委員会」を会議体として設置している。

各会議体での審議事項のうち重要事項については、取締役会まで付議・報告を行っている。

また、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)の賞与の一部に、CO排出量削減の取り組み結果を反映している。

なお、2025年10月からは、従来のカーボンニュートラル推進会議と全社環境委員会を統合し、環境経営に関する取り組み状況を一体的に審議する会議体として「環境経営推進会議」を設置している。

 

 

<環境経営の推進体制(有価証券報告書提出日現在)>


 

<取締役会への付議・報告事項並びにカーボンニュートラル推進会議における議題>


 

 

② 戦略

当社グループは、2021年2月に「2050年カーボンニュートラル」の実現に挑戦していくことを表明し、2023年3月に策定した「中国電力グループカーボンニュートラル戦略基本方針」に基づき、「エネルギーの脱炭素化」及び「お客さま・地域の脱炭素化」の両視点から設定した重点施策の実施に取り組んでいる。

また、2025年10月には、国の環境政策の動向等を踏まえ、「2050年カーボンニュートラルへの挑戦」、「循環型社会の形成」、「自然との共生」を統合的に推進していく観点から、これまでの「中国電力グループカーボンニュートラル戦略基本方針」と「中国電力グループ環境行動計画」を統合し、新たに「中国電力グループ環境経営方針」を策定している。

当社は、気候変動に関するリスク・機会を評価するにあたっては、シナリオ分析を実施しており、国際エネルギー機関(IEA)や気象庁等の公表データを参照し、「1.5℃シナリオ」と「4℃シナリオ」をメインシナリオとして設定している。

1.5℃シナリオと4℃シナリオは、気候変動に関する移行リスク※1と物理リスク※2が最大となるものであり、メインシナリオを前提とした施策に取り組んでいくことで、あらゆるシナリオにも対応可能であり、レジリエンスを確保した事業展開が可能であると評価している。

※1 脱炭素社会への移行過程において、規制強化、技術進展、社会の脱炭素化ニーズの高まり等により、事業活動や財務状況に影響を及ぼすリスク。

※2 気候変動の進行による豪雨や台風などの自然災害の激甚化や、気温上昇・海面上昇といった長期的な気候変化によって、設備被害や事業活動への悪影響等の物理的・経済的損失が生じるリスク。

 

<前提となるシナリオ>


※1 Nationally Determined Contributionの略。パリ協定で全ての締結国が提出を義務づけられている 温室効果ガスの排出削減目標(国が決定する貢献)のこと。日本のNDCは「2030年度において、 温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく。」、「2035年度、2040年度において、温室効果ガスを 2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す。」としている。

※2 世界平均気温の上昇を1.5℃に抑えるシナリオ。

※3 化石燃料依存型の発展の下で気候政策を導入しないシナリオ。

※4 現在の政策状況を基にエネルギーシステムが進む方向性を示すシナリオ。(IEA「World Energy Outlook 2024」 STEPSシナリオ)

※5 ネットゼロ目標やNDCなど、各国政府が発表した気候関連公約のすべてを、完全かつ期限内に達成する想定のシナリオ。(IEA「World Energy Outlook 2024」APSシナリオ)

※6 概ねパリ協定の2℃目標が達成されるシナリオ。(気象庁「日本の気候変動2020」2℃上昇シナリオ)

 

 

 

 

気候変動に関するリスク・機会


 ※1 短期:現在~2026年度、中期:2027年度~2030年度、長期:2031年度~2050年度

 ※2 当社の事業への影響度を現時点で評価するとともに、取り組むべき優先度も考慮したうえで抽出。なお、この影響評価は確定的なものではなく、今後の国の政策やエネルギー情勢等の外部環境変化により変動する。

 ※3 デマンドレスポンスの略。需要家のエネルギーリソースの保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させること。

 ※4 Power Purchase Agreement(=電力購入契約)の略。

 ※5 CO2固定化技術を利用した土木材料、コンクリートを活用する技術(CO2-TriCOM)及びCO2からバイオプロセスにより高付加価値の脂質を生産する技術

    (Gas-to-Lipids)。

<気候変動関連リスク・機会の主な財務影響>


 ※1 2030年度以降にカーボンプライシングが本格的に導入されることを想定。

    炭素価格はIEA「World  Energy Outlook 2024」のうち、「NZEシナリオ」「先進国(ネットゼロ公約国)」2030年度を参照し、140$/tCO2と想定して試算。

 ※2 2024年度のCO2排出量実績等を基に試算。確定的なものではなく、試算に用いる年度実績により変動する。

 ※3 2025年度の決算諸元等を基に試算。確定的なものではなく、試算に用いる年度実績により変動する。

 ※4 将来の財務影響に係る指標として実績額を記載。

 ※5 過去10年の出水率の平均は95%(76~116%)。

 

 

③ リスク管理

気候変動に係るリスクは、グループ全体のリスク管理体制のもと、他のサステナビリティ関連リスクと合わせて管理している。詳細は、「(1)サステナビリティ共通 ② リスク管理」に記載している。

 

④ 指標及び目標

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、CO₂排出量目標に加え、電力の供給面・需要面の取り組みに関する2030年度目標を定め、目標達成に向け必要な投資を行っている。

また、2025年9月に策定した「中国電力グループ経営ビジョン2040」において、新たに中国電力グループ全体のサプライチェーンGHG排出量(Scope1+2+3)を目標に設定し、日本のNDCと同水準である、2030年度50%削減、2035年度60%削減(いずれも2013年度比)に取り組んでいくこととしている。

 

<気候関連の目標>


 ※1 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver.2.7)」(環境省 経済産業省)等に基づき算出。

    当社グループでは、温室効果ガス排出を直接測定していないため、活動量及び排出係数を用いた見積りの方法により測定。

 ※2 「中国電力グループ統合報告書2026」で開示する予定。

 ※3 小売事業:「電気事業者ごとの未調整排出係数、基礎排出係数及び調整後排出係数の算出及び公表について」(環境省 経済産業省)に基づき算出。

    発電事業:「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」(環境省 経済産業省)に基づき算出。

 ※4 KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を取得。

 ※5 「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」(経済産業省)により算出。

    中長期的に達成すべき省エネルギーの基準であり、目指すべき水準として電力供給業者はA指標(1.00以上)、B指標(44.3%以上)、石炭火力発電効率指標(石炭火力発電効率:43%以上)が定められている。

 ※6 集計方法を見直し(電気温水器からエコキュートへの買替の推計値を含む)。

 

 

<サプライチェーンGHG排出量目標達成に向けた取り組み>

電力の安定供給、カーボンニュートラルの実現、競争力強化の観点から様々な施策を検討し、戦略的にエネルギーの脱炭素化を進めるとともに、経済性・環境性を総合的に評価した最適な電力調達を実現することにより、2030年度・2035年度目標の達成を目指す。


(注1)排出削減効果は、サプライチェーン排出量として試算。

(注2)経済的及び技術的側面等から多角的に検討を進め、その結果により見直す可能性がある。

 

<2050年カーボンニュートラル実現に向けた重点施策>

2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、2030年度及び2035年度目標の達成に向けた重点施策を設定し、効果的に取り組みを進めていく。


 ※1 諸条件が整った段階で、本格運用に向けた対応を進める。

 ※2 混焼率は熱量ベースで記載。  

 ※3 石炭ガス化燃料電池複合発電。

 ※4 分離・貯蔵したCO2の利用。

 (注)現時点において、実用化に向けた技術開発の進展が期待できる上記の施策に重点的に取り組む。今後の技術開発動向等を踏まえ、施策の評価・見直しを適宜行う。

 

 

(3)人的資本

① ガバナンス・戦略

  当社グループは、取り巻く環境変化に柔軟かつ迅速に対応し、持続的な企業価値向上を果たしていくため、「経営戦略をいかに実現するか」という観点から、“人”に関する様々なマネジメントに取り組んでいる。

  こうした取り組みを時々の情勢、課題に応じて不断に見直すとともに、日々の取り組みを通じて、ありたい姿を見据えた企業文化の醸成につなげるべく、“人”に関する中長期的な「方針」とその進捗をモニタリングする「指標」を設定し、内部の議論及び外部との対話を通じて継続的にマネジメントの改善を図る一連のサイクルとして「人材マネジメントサイクル」の確立を目指している。

 

<人材マネジメントサイクルの全体イメージ>


  人材マネジメントの領域に属する採用、異動配置、評価、育成、報酬、働き方、安全・健康などの方針、指標及び具体的施策を中期経営計画において定期的、もしくは必要に応じて、経営会議・取締役会に付議している。また、労働組合との意見交換も行っている。

取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)の賞与の一部には、従業員エンゲージメント、課長以上女性比率の達成状況を反映している。

  “人”に関する取り組みは息の長いものとなるが、ありたい姿をしっかりと見据え、改善を重ねながら持続的な企業価値向上に挑戦していく。以下、人的資本に関する方針、取り組みについて記載している。その進捗をモニタリングする人材マネジメント指標については「③ 指標及び目標」に記載している。

 

 

a.多様な人材の活躍推進

当社グループは、当社グループの経営理念「信頼。創造。成長。」のなかでも「創造。」、つまり、変化に対応し新たな価値を創造する担い手となるのは“人”であるという認識のもと、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関するグループ全体の包括的な方針として、「多様な人材の活躍推進方針」を策定している。

 

多様な人材の活躍推進方針

 

当社グループは、企業理念およびエネルギアグループ企業行動憲章に基づき、次の方向性で多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組み、個人の成長と組織の成長のベクトルを合わせていくことで、グループ経営ビジョンの目指す姿「一人ひとりが挑戦を重ねすべての人が持ち場で輝く」を実現する。

Ⅰ.人材づくり                              

<社員一人ひとりがめざすべき姿>

私たちは、変化の時代において「自ら考え行動」します。

社員は、めざすべき姿に向けて自ら学び・学び合い、会社は、一人ひとりの成長を支援・育成していく。

Ⅱ.組織づくり

(1)「自律性」と「多様性」の更なる推進

変化の時代に対応していくため、社員一人ひとりの「自律性」とその力を結集した組織としての「多様性」の更なる推進に取り組む。

(2)個人と組織の「関係性」向上

「自律性」と「多様性」を更に推進していくため、個人が組織のなかで臆することなく自身の強みを発揮できるよう、個人と組織の「関係性」向上に取り組む。

 

この方針のもと、「中国電力グループ経営ビジョン2040」のマテリアリティの一つである「多様な人材が活躍できる環境づくり」に取り組んでおり、当社及びグループ会社において、それぞれの経営事情や事業特性等に応じて、人材育成や多様な働き方の推進、組織文化の改革等、自律的・主体的に必要な施策を実施している。以下、現在の主な取り組みを記載している。

 

(a)「自律性」と「多様性」の更なる推進

ⅰ.エイジ・ダイバーシティの推進

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が進み、労働力不足の深刻化が懸念される中、当社グループの持続的成長に向け、高年齢層の活躍推進をはじめ、グループ全体で多様な人材の活躍を推進していくこととしている。

当社及び中国電力ネットワークにおいては、持続的な成長を果たすための「エイジ・ダイバーシティ推進施策」を展開している。これまでの長期勤続・内部育成を前提とした能力基準の処遇制度に加え、市場価値・キャリア自律を重視した職務基準の処遇制度を上位層・高年齢層を対象として導入し、若年層の成長意欲や中堅以降のモチベーションにも刺激を与え、すべての世代の社員が持ち場で輝くことができる環境の整備を図っている。

この取り組みを通じ、若年・中堅層の早期育成や高年齢層の活躍推進、他企業経験者や高度な専門能力を有する人材の採用等を進め、経営戦略の実現に必要な人材(量・質)を確保していくとともに、安定的な採用継続と離職抑制により超長期的に労務構成の平準化を目指していく。

 

 

<エイジ・ダイバーシティ推進施策の具体的内容>

 

対象者

実施内容とねらい

職務(ジョブ)をより重視した処遇制度への移行

(2025年4月~)

両社の

特別管理職

マネジメント力や専門性が求められる特別管理職の処遇について、職務(ジョブ・ポスト)基準の人事・処遇制度により、環境変化を捉えた機動的な人材活用(抜擢登用や早期昇進など)へ移行。

新たな定年後再雇用制度(Re社員制度)の新設

(2028年4月~予定)

両社の

定年退職者

定年退職後も引き続き両社での雇用を希望する社員全員について、職務(ジョブ・ポスト)基準の人事・処遇制度により、本人の意欲・能力を尊重しながら70 歳まで無期雇用。

 

 

ⅱ.性別に関係なく誰もが活躍できる企業グループを目指した取り組み

当社グループは、「性別に関係なく誰もが活躍できる」ことをありたい姿とし、具体的には「各職階の男女比が社員の男女比と等しく、男女ともに仕事とプライベートを両立しており、男女間の賃金差異が解消された状態」と定義している。

 

<ありたい姿>


 

中長期的にありたい姿を実現するために、「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」においては、女性管理職の増加や男性育児休職の取得向上に関し、各社の実行フェーズに応じた目標を定め、具体的な取り組みを進めている。

当社においては、全産業平均へのキャッチアップと役員登用のすそ野拡大を目指した目標を設定し、育成計画の策定や研修会を通じた意識改革等、女性管理職の増加に向けて取り組んでいる。また、男女ともに仕事と家庭を両立できる職場風土を醸成するよう、男性育児休職取得の向上等に関する目標を設定し、在宅勤務をはじめとする働き方の選択肢の充実や、仕事と家庭の両立支援制度の整備等、性別を問わず育児参加できる環境の整備に取り組んでいる。

 

(b)個人と組織の「関係性」向上

「中国電力グループ経営ビジョン2040」で掲げる目指す姿「一人ひとりが挑戦を重ねすべての人が持ち場で輝く」の実現にあたっては、社員個々の力を最大限に引き出すことが重要であり、従業員エンゲージメントの向上に向けた取り組みをグループ全体で進めている。「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」においては、従業員エンゲージメントの向上に関し、各社の実行フェーズに応じた目標を定め、具体的な取り組みを進めている。

当社においては、「従業員エンゲージメント」や「心理的安全性」などの組織文化に関する指標を、全社員を対象として毎年調査しており、その結果を人材マネジメントの継続的改善につなげていくことで、個人が組織の中で臆することなく自身の強みを発揮できる組織文化の定着を図っている。

 

 

 b.人権の尊重

当社グループは、すべての人々の人権を尊重することを事業活動の根底におき、いかなる差別も行わず、人権が真に尊重される社会の実現に向けて取り組むことを企業行動憲章に掲げる行動原則の一つとして明示している。その具体的行動指針として、当社グループの全役員及び全従業員が人権尊重の考え方を共有し、実践していくため、「中国電力グループ人権方針」を策定している。

 

中国電力グループ人権方針

中国電力グループは、信頼され成長し続ける企業グループを目指し、人権尊重の理念を経営の基本に置き、人権が真に尊重される職場や社会の実現に努めます。

1.人権方針の適用

中国電力グループは、「エネルギアグループ企業行動憲章」に掲げる“人権の尊重”を徹底し、人権侵害を排除していくための指針として人権方針を策定し、中国電力グループのすべての役員および従業員に適用します。

中国電力グループのみならず、サプライチェーンにおける取引先などのビジネスパートナーの皆さまにも、本方針の内容をご理解いただけるよう働きかけます。

2.人権啓発の推進体制

中国電力人材活性化部門長を委員長とする人権啓発推進委員会において、人権方針に掲げる事項の実践に係る検討、チェック、改善を行います。

3.人権デュー・ディリジェンス

国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に定める人権デュー・ディリジェンスの仕組みに則り、人権への負の影響を特定し、予防・軽減するよう取り組みます。「いかなる差別も行わない」という考えのもと、中国電力のリスク管理の考え方に則り、人権課題に適切に対応していきます。

4.社内啓発

人権方針が理解され、浸透、定着していくよう、全従業員に対する啓発活動を継続的に実施します。

5.社外との対話

事業活動における人権への影響について、ステークホルダーによる視点で対応するため、労働組合、サプライヤー、外部専門家等との対話を行います。

6.情報公開

人権尊重に係る取り組みの状況等について、積極的に開示します。

7.救済

人権に関する相談窓口を社内外に設け、相談に対し適切に対応していくなど、救済措置を講じます。

 

 

「中国電力グループ人権方針」のもと、当社にとって特に重要な人権への負の影響を特定して人権デュー・ディリジェンスを実践し、人権に関する課題に真摯に向き合い、人権の尊重に留意して業務に取り組むことで、人権が真に尊重される職場や社会の実現に努めている。

同和問題やハラスメント防止等への取り組みについては、人権デュー・ディリジェンスの枠組みの中で、継続的に実施していくこととしており、当社においては、全社員対象の職場研修をはじめ、新入社員・新任ライン長などを対象とする階層別の研修を毎年計画・実施するなど、人権啓発に取り組んでいる。

 

 

c.安全と健康の推進

当社グループは、事業活動の基盤となる安全と心身の健康を確保することを最優先し、労働災害の防止、健康の保持増進に取り組むことを企業行動憲章に掲げる行動原則の一つとして明示している。

当社においては、安全管理や健康経営に関わる諸施策を推進していくための「安全健康推進業務運営方針」を毎年定めている。この方針のもと、当社グループに関わるすべての人がお互いを尊重し、安全と健康を気づかいあう職場風土づくりを推進するための施策を展開している。以下、当社における現在の主な取り組みを記載している。

 

(a)災害ゼロの追求

災害ゼロを目指して、社員一人ひとりの安全意識の高揚と安全行動の習慣化に向けて取り組んでいる。

 

<主な取り組み>

・作業時等の安全確保を目的としたDXの推進

・危険予知活動及びリスクアセスメントによる先取り安全の徹底

・当社と工事受注者が工事施工に伴う安全確保の協力体制を確立し、一体となって災害の防止を図ることを目的に請負工事安全対策協議会を設置・運営

 

(b)心とからだの健康づくり

社員一人ひとりの健康の保持増進が生産性の向上や活力ある職場づくりにつながるという考えのもと、健康経営を推進している。

 

<主な取り組み>

・産業保健スタッフによる健康指導や健康教育の実施

・健康保険組合とのコラボヘルスによる健康イベント(ウォーキングラリー、健康クイズチャレンジ、体重測定チャレンジ)の実施

・ストレスチェック結果を活用した職場環境改善活動とメンタルヘルス不調の未然防止

・メンタルヘルス不調者への適切な対応と円滑な職場復帰に向けた支援

・産業保健スタッフをメンバーとした女性の健康推進プロジェクトの設置

 

 

② リスク管理

人的資本に係るリスクは、グループ全体のリスク管理体制のもと、他のサステナビリティ関連リスクと合わせて管理している。詳細は、「(1)サステナビリティ共通 ② リスク管理」に記載している。

 

③ 指標及び目標

上記「① ガバナンス・戦略」において記載した「多様な人材の活躍推進方針」「中国電力グループ人権方針」に関し、「女性管理職の増加」「男性育児休職取得の向上」「人権啓発活動の実践継続」という3つの共通テーマに沿った指標及び目標をグループ各社が設定し、そのすべてを達成することを中期経営計画における目標としている。具体的には、当社及び連結子会社13社(注1)の計14社を対象として上記3つの共通テーマそれぞれについて「目標達成企業割合100%」を目標としている。

2025年度末では一部未達の企業があった。「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」においては、目標達成に向けた取り組みの強化を進めるとともに、各社の進捗状況等を踏まえた目標値の向上について継続的な検討を行っていく。

 

 

a.「中国電力グループ中期経営計画(2024-2025)」の取り組み結果

方針

共通テーマ

(グループ全体)

2025年度目標

2025年度実績

多様な人材の活躍推進方針

女性管理職の増加

目標達成

企業割合

100%

71.4%(10社/14社)

男性育児休職取得の向上

92.3%(12社/13社)(注)2

中国電力グループ人権方針

人権啓発活動の実践継続

100%(14社/14社)

 

(注)1 著しく社員数の少ない一部の連結子会社を除く。

   2 取得対象者がいなかった1社を除いて集計している。

 

b.「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」に向けた取り組み内容

方針

共通テーマ

(グループ全体)

2030年度目標

多様な人材の活躍推進方針

女性管理職の増加

目標達成

企業割合

100%

男性育児休職取得の向上

従業員エンゲージメントの向上

中国電力グループ人権方針

人権啓発活動の実践継続

 

 

c.当社の中期経営計画における指標及び目標

方針

共通テーマ

(グループ全体)

当社の指標

実績

目標

2025年度

2025年度

2030年度

多様な人材の

活躍推進方針

女性管理職の増加

課長以上ポストに就く者に占める女性社員の割合
(注)1

5.4

5%以上

10%

副長クラス以上に占める女性社員の割合
(注)2

13.6

13%以上

部長ポストに就く者に占める女性社員の割合
(注)3

3.4

10%

男性育児休職取得の向上

男性育児休職取得率
(注)4

89.0

100

100%

従業員エンゲージメントの向上

従業員エンゲージメント(肯定回答率)
(注)5

46.7

60%

中国電力グループ人権方針

人権啓発活動の実践継続

職場人権研修受講率

100

100

100%

 

(注)1 「5 従業員の状況(2)従業員の状況④提出会社及び連結子会社における管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合等」に記載の「管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合等」と同じ。

2 「副長クラス以上」とは、係長級以上ポストに就くことができる者を指す。

3 部長ポストに就く執行役員を含む。

4 「5 従業員の状況(2)従業員の状況④提出会社及び連結子会社における管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合等」に記載の「男性労働者の育児休業取得率」と同じ。

5 各設問の回答を5~1点にスコア化し、一設問あたり4点以上の者を肯定回答者として集計。

 

 

d.当社の人材マネジメント指標

項目

当社の指標

実績

備考

2023年度

2024年度

2025年度

「自律性」と「多様性」の更なる推進

課長以上ポストに就く者に
占める女性社員の割合

3.8%

4.2%

5.4%

2025年度実績は上表c.の再掲

部長ポストに就く者に
占める女性社員の割合

1.9%

1.9%

3.4%

2025年度実績は上表c.の再掲

副長クラス以上に占める
女性社員の割合

10.9%

12.0%

13.6%

2025年度実績は上表c.の再掲

技術系女性社員数

63人

65人

71

 

男性育児休職取得率

52.0%

70.0%

89.0%

2025年度実績は上表c.の再掲

男性育児休職平均取得日数

52日

66日

77日

 

小学生以下の子を育てる社員の所定外労働時間(平均)

27.8

時間/月

27.7

時間/月

27.9
時間/月

 

労働者の男女の賃金の額の差 異

全労働者

70.7%

70.9%

71.2%

 

正規雇用労働者

71.4%

71.7%

71.7%

 

非正規雇用労働者

51.8%

49.7%

56.2%

 

障がい者雇用率(注)1

2.64%

2.81%

2.73

 

人材ビジョン
実践度(注)2

78.7%

81.9%

82.2

・年1回、4月に全社員を対象とした自己申告制度において調査。有効回答率は92.2%。

・指標は肯定回答者の割合

(肯定回答者数/有効回答者数)

・各設問の回答を5~1点にスコア化し、一設問あたり4点以上の者を肯定回答者として集計。

・従業員エンゲージメントの2025年度実績は上表c.の再掲

個人と組織の「関係性」

向上

従業員
エンゲージメント

42.9%

45.2%

46.7

心理的安全性

68.3%

69.4%

71.0

働きやすさ実感度

82.8%

84.3%

84.6

人材

(量・質)の確保と成長

キャリア採用の社員数(注)3

79人

112人

143

 

離職率(注)4

1.64%

1.13%

1.19

 

入社3年後定着率(新卒)(注)3

95.0%

2021年度入社

94.7%

2022年度入社

93.5

2023年度入社

 

 

 

 

項目

当社の指標

実績

備考

2023年度

2024年度

2025年度

人権の尊重

職場人権研修受講率

100%

100%

100%

2025年度実績は上表c.の再掲

安全と健康の

推進

災害度数率(注)5

1.00

0.29

0.29

 

疾病休務率(注)5
(アブセンティーイズム)

1.14%

1.09%

1.45

 

要指導者率(注)6
(プレゼンティーイズム)

1.28%

1.28%

0.92

 

高ストレス者率

6.8%

6.9%

5.6%

 

総合健康リスク(注)7

74.2

73.9

72.0

 

 

(注)1 特例子会社及び関係会社特例認定を受けた会社を含めた雇用率。

   2 当社は、変化の時代に求められる人材像を「人材ビジョン」として掲げて認識を共有している。

   3 病院医療職を除く。

   4 当該年度中の自己都合による退職者数/当該年度首在籍者数。病院医療職を除く。

     5 新型コロナウイルス感染症り患によるものを除く。

     6 要指導者とは、健康上の理由で就労上の制限等が必要な者。

   7 全国平均を100とした職場の健康問題のリスクの指標(100より低いほど良好な状態)。