2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,570名(単体) 12,526名(連結)
  • 平均年齢
    42.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.4年(単体)
  • 平均年収
    8,427,313円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

総合エネルギー事業

3,805

送配電事業

4,592

情報通信事業

995

その他

3,134

合計

12,526

 

(注) 従業員数は就業人員数であり、出向者及び休職者を除いている。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

3,570

42.2

20.4

8,427,313

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

総合エネルギー事業

3,570

送配電事業

情報通信事業

その他

合計

3,570

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であり、出向者及び休職者を除いている。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係について特に記載すべき事項はない。

 

(4) 提出会社及び連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合等

2024年度実績

提出会社及び

連結子会社

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期雇用者

中国電力㈱

4.2

70.0

70.9

71.7

49.7

中国電力ネットワーク㈱

0.3

52.0

60.1

59.5

89.5

中電工業㈱

0.0

0.0

75.5

78.5

43.3

中電プラント㈱

2.6

64.0

72.4

85.9

77.3

中国計器工業㈱

3.5

33.0

76.6

76.6

㈱エネルギアL&Bパートナーズ

0.0

100.0

57.5

80.0

35.8

中電環境テクノス㈱

5.3

事務50.0

技術50.0

88.5

86.0

71.7

㈱エネコム

3.5

92.0

76.1

75.4

59.1

㈱エネルギア・ビジネスサービス

100.0

90.7

89.2

81.1

㈱エネルギア・ソリューション・アンド・サービス

0.0

正社員100.0

嘱託社員―

臨時社員―

75.2

74.2

67.2

㈱パワー・エンジニアリング・アンド・トレーニングサービス

0.0

89.7

63.4

エネルギア・パワー山口㈱

0.0

73.7

73.7

㈱アドプレックス

3.8

79.2

76.9

129.6

中電技術コンサルタント㈱

8.4

80.0

65.3

78.0

56.8

㈱エネルギア・ロジスティックス

0.0

85.3

80.7

101.4

中国高圧コンクリート工業㈱

5.9

50.0

91.8

90.8

102.2

㈱電力サポート中国

0.0

20.0

65.5

83.8

58.8

 

(注) 1 2025年3月31日現在。「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算定している。
「―」は算定の対象となる管理職が男女ともにいないことを示す。

     2 中電環境テクノス㈱及び㈱エネルギア・ソリューション・アンド・サービスは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算定しており、育児目的休暇は含んでいない。
中電プラント㈱及び㈱エネコムは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、同法律施行規則(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号により算定しており、育児目的休暇を含んでいる。
上記以外の会社は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、同法律施行規則(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号により算定しており、育児目的休暇は含んでいない。
「―」は対象者がいないことを示す。

   3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を算定している。
中国電力㈱、中国電力ネットワーク㈱及び㈱パワー・エンジニアリング・アンド・トレーニングサービスは、パート労働者について、正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出している。
「―」は女性の非正規雇用労働者がいないことを示す。 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)サステナビリティ共通
  ① ガバナンス・戦略

当社グループの経営理念「信頼。創造。成長。」は、それぞれESGの観点を包含しており、持続可能な経営のあり方を示すものである。また、グループ経営ビジョンにおいて、「エネルギーの安定供給確保」「気候変動の緩和」「地域社会との協働・共創」「あらゆる人々の活躍の推進」を重点課題に設定するとともに、エネルギアグループ企業行動憲章(以下、「企業行動憲章」という。)において、持続可能な社会実現に向けた当社グループの使命を明らかにしており、これらの実践により経営理念を体現することを通じて、サステナビリティ経営を推進している。

サステナビリティ課題への対応については、グループ経営ビジョンや企業行動憲章に掲げる項目の実現に向け、中国電力グループ中期経営計画(以下、「中期経営計画」という。)において具体的な施策を策定のうえ進捗管理を行い、原則毎週開催する経営会議や、通常月1回開催する取締役会に定期的に付議し、PDCAサイクルを回している。

また、各施策の具体的な取り組みは、主管となる各組織を中心に推進しており、特に組織横断的な検討を要するものについては会議体を設置し対応している。各組織・会議体は、サステナビリティ課題への対応状況について、経営会議や取締役会に適時・適切なタイミングで付議している。

 

② リスク管理

当社では、全社リスク管理体制を整備しており、リスク管理の専任組織が、サステナビリティに関するリスクも含めたグループ全体のリスク管理の推進・支援にあたっている。当該組織を中心とした体制のもと、各組織においてリスクの洗い出し、評価、対応策の検討を行い、リスク対応策を中期経営計画に反映するとともに、リスク管理状況や対応策の進捗については、経営会議・取締役会に付議し、レビューを受けている。

なお、リスク管理体制や、気候変動や人材確保に係る具体的なリスクについては、「3 事業等のリスク」に記載している。

 

③ 指標及び目標

指標及び目標の具体的な進捗状況等については、「(2)気候変動への対応」「(3)人的資本」に記載している。

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)

当社は、気候変動問題への取り組みを重要な課題として認識し、安全確保(Safety)を大前提とした、安定供給(Energy Security)、経済性(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)の「S+3E」を基本に、バランスのとれた電源構成の構築を目指しながら、持続可能な社会の実現に向け、「2050年カーボンニュートラル」に挑戦する。

なお、TCFD提言への取り組みについては「中国電力グループ統合報告書2024」から抜粋しており、詳細は統合報告書に記載している。また、2024年度の取り組み実績は、「中国電力グループ統合報告書2025」で開示する予定である。

 

 

① ガバナンス

当社は、気候変動問題への取り組みを重要な課題として認識し、カーボンニュートラルに関する取り組み状況を一元的に把握・評価し、推進していくための「カーボンニュートラル推進会議」、 気候変動問題をはじめとする環境問題への取り組みを推進するための「全社環境委員会」が会議体として設置されている。

各会議体での審議事項のうち重要事項については、取締役会まで報告している。

また、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)の賞与の一部に、CO排出量削減の取り組み結果を反映している。

 

<環境マネジメント・カーボンニュートラル推進体制(有価証券報告書提出日現在)>

 


 ※1 環境行動計画の実施結果報告を含む。

 ※2 重要な見直しは取締役会へ付議。

 ※3 海外の子会社等は含まない。

 

 <取締役会への報告事項ならびにカーボンニュートラル推進会議における議題>


 

 

② 戦略

当社は、脱炭素化に向けた世界的な潮流を、当社グループの成長の機会と捉え、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、積極的かつ戦略的に取り組みを推進するため、当社グループが目指す方向性を明確化するとともに取り組みを具体化するものとして「中国電力グループカーボンニュートラル戦略基本方針」を策定している。

「中国電力グループカーボンニュートラル戦略基本方針」では、当社が提供するエネルギーの脱炭素化とお客さま・地域の脱炭素化に取り組むことを方針として定め、2030年度目標を設定し、その目標達成に向け、カーボンニュートラル電力の活用拡大、火力発電のトランジション、再生可能エネルギー電源の確保、エネルギーサービスの展開、新規ビジネスの検討、地域課題への対応及び次世代電力ネットワークの構築を重点施策として掲げている。なお、当社は、気候変動に関するリスク・機会を評価するにあたって、国際エネルギー機関(IEA)・気象庁等の公表データを参照し、1.5℃シナリオと4℃シナリオを前提としてシナリオ分析を実施している。

 

気候変動に関するリスク・機会

 


 ※1 デマンドレスポンスの略。需要家のエネルギーリソースの保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させること。

 ※2 Power Purchase Agreement(=電力購入契約)の略。

 ※3  CO固定化技術を利用した土木材料、コンクリートを活用する技術(CO-TriCOM)及びCOからバイオプロセスにより高付加価値の脂質を生産する技術
(Gas-to-Lipids)。

  ※4 島根2号機は2025年1月に営業運転再開。

 

<気候変動関連リスク・機会の主な財務影響>


 

 ※1 排出量は2023年度の実績を基に試算。炭素価格はIEA「World Energy Outlook 2023」のうち、「NZEシナリオ」「先進国(ネットゼロ公約国)」を参照し、140$/tCO2と想定して試算。

 ※2 過去稼働時10年の平均設備利用率に基づく試算。

 ※3 2023年度実績を基に試算。確定的なものではなく、試算に用いる年度実績により変動する。

 ※4 将来の財務影響に係る指標として実績額を記載。

 ※5 電源の脱炭素関連投資額の内訳は、④指標及び目標に記載。

 

③ リスク管理

全社リスク管理体制のもと、気候変動を含む主管業務に関するリスクの把握・評価を行い、発生を予見できるリスクについては未然防止・早期発見に重点を置いて管理している。また、発生を予見することが困難なリスクについては発生後の影響を最小限に食い止める活動に重点を置き、このようなリスクが顕在化した場合には、その影響を矮小化することなく、様々なステークホルダーの立場から見た必要かつ迅速な対応を行うこととしている。

また、業績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「3 事業等のリスク」にも記載している。

 

④ 指標及び目標

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2030年度目標を定め、目標達成に向け必要な投資を行っていく。実施状況については、中国電力グループ環境行動計画の中で管理している。

 <気候関連の目標>


 

<サプライチェーン温室効果ガス排出量>

項目

2022年度実績

2023年度実績

スコープ1(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出)

1,961

万t-CO2

1,805

万t-CO2

スコープ2(他社から供給された電気の使用に伴う間接排出)

0.004

万t-CO2

0.003

万t-CO2

スコープ3(スコープ2以外の間接排出)

1,300

万t-CO2

1,327

万t-CO2

 

(注1)中国電力及び中国電力ネットワークの合計数値。

(注2)サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver.2.6)」(環境省 経済産業省)に基

        づき算出。

 

<CO排出量削減目標達成に向けた取り組み(概観)>

自社発電事業においては、原子力発電の稼働に加え、LNG火力のリプレースをはじめアンモニアの混焼やCCS※1といった各種取り組みを推進し、CO排出削減を図る。

小売事業においては、経済性・環境性を総合的に評価した最適な電力調達を実現し、2030年度のCO排出量目標の達成を目指す。

 


※1 CCS(Carbon dioxide Capture and Storage): CO回収・貯留技術。

※2 SPT(Sustainability Performance Target):「中国電力株式会社サステナブル・ファイナンス・フレームワーク」において

   設定した目標。

※3 CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):分離・貯留したCOの利用。

※4 安全対策工事に関わる投資額。

※5 送配電事業における総投資額。

 

(注1)CO排出削減効果は、自社発電の排出削減量として試算。

(注2)経済的及び技術的側面などから多角的に検討を進め、その結果により見直す可能性がある。

 

 

(3)人的資本

① ガバナンス・戦略

  当社グループは、取り巻く環境変化に柔軟かつ迅速に対応し、持続的な企業価値向上を果たしていくため、「経営戦略をいかに実現するか」という観点から、“人”に関する様々なマネジメントに取り組んでいる。

  こうした取り組みを時々の情勢、課題に応じて不断に見直すとともに、日々の取り組みを通じて、ありたい姿を見据えた企業文化の醸成につなげるべく、“人”に関する中長期的な「方針」とその進捗をモニタリングする「指標」を設定し、内部の議論及び外部との対話を通じて継続的にマネジメントの改善を図る一連のサイクルとして「人材マネジメントサイクル」の確立を目指している。

 

<人材マネジメントサイクルの全体イメージ>


  このサイクルのうち、内部の議論については、中期経営計画において定期的に、また必要に応じて、人材マネジメントの領域に属する採用、異動配置、評価、育成、報酬、働き方、安全・健康などの方針、指標及び具体的施策を経営会議・取締役会に付議しており、労働組合との意見交換も行っている。

また、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)の賞与の一部に、従業員エンゲージメント、課長以上女性比率・副長クラス以上女性比率の達成状況を反映している。

  “人”に関する取り組みは息の長いものとなるが、ありたい姿をしっかりと見据え、改善を重ねながら持続的な企業価値向上に挑戦していく。以下、人的資本に関する方針、取り組みについて記載している。その進捗をモニタリングする人材マネジメント指標については「③ 指標及び目標」に記載している。

 

 

 

a.多様な人材の活躍推進

当社グループは、当社グループの経営理念「信頼。創造。成長。」のなかでも「創造。」、つまり、変化に対応し新たな価値を創造する担い手となるのは“人”であるという認識のもと、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関するグループ全体の包括的な方針として、「多様な人材の活躍推進方針」を策定している。


この方針のもと、グループ一体となって多様な人材が活躍できる更なる環境づくりに取り組んでいくこととしており、当社及びグループ会社は、それぞれの経営事情や事業特性等に応じて自律的・主体的に必要な施策を実施していく。以下、当社における現在の主な取り組みを記載している。

 

(a)「自律性」と「多様性」の更なる推進

ⅰ.一人ひとりの成長意欲をベースにした人材育成

社員は、中長期的にありたい姿やチャレンジしたい仕事などの成長目標及びこれを実現するために主体的に取り組むべきことを申告し、管理職は、その内容を参考にして育成計画を策定している。その育成計画をもとに、社員の成長に資する業務付与を行うとともに、日常の仕事を通じたOJT、階層別や応募型のOff-JTも効果的に組み合わせて育成を図っている。加えて、各人の意欲に応じて自律的にキャリア形成できる環境を整備する観点から、従来の社内公募制度を拡充した社内兼業の仕組みを設けている。

このほか、オンライン動画学習を導入し、階層別研修のカリキュラム内容に応じて利用するとともに、OJTや自己啓発支援などにも活用している。また、自律的な知識・スキル習得の促進を図るため、資格試験に合格した者に祝金を贈与しており、2025年度からは対象資格を拡大するとともに贈与金額を増額している。

 

 

ⅱ.多様な働き方の推進

多様な働き方の実現に向けて、フレックスタイム勤務制度や在宅勤務制度、生活上の様々なニーズに対応するための当社独自の休務制度など、働き方の選択肢の充実を図っている。

また、育児・介護のための休職制度や短時間勤務制度、育児・介護施設等の利用に要する費用の補助など、仕事と家庭の両立支援制度を整備するとともに、男女ともに仕事と家庭を両立できる職場風土を醸成するよう、中期経営計画において男性育児休職取得の向上に関する目標を設定のうえ、男性の育児参加を推進している。

 

<多様な働き方の実現及び仕事と家庭の両立支援のための主な制度・取り組み>

在宅勤務

自宅等で業務を行うことが可能

フレックスタイム勤務

始業7時~11時、終業14時~21時の間で選択可能

時間単位の年次有給休暇

年次有給休暇を1時間単位で取得可能

ライフサポート休暇 (注)

育児、介護、不妊治療、ボランティア、自己啓発などに
利用可能

配偶者同行休職

配偶者の転勤等に同行するため1回につき3年まで休職可能

育児短時間勤務

勤務時間を最大2時間短縮可能
対象となる子の年齢は小学3年生の年度末まで

介護短時間勤務

勤務時間を最大2時間短縮可能

業務と育児・介護・治療の両立支援措置

福利厚生制度として育児・介護及び不妊治療関連の費用を補助

 

(注)入社から退職までの期間における生活上の様々なニーズ(育児・ボランティア・自己啓発等)へ弾力的かつ幅広く対応するために設けた休暇制度。

 

ⅲ.女性社員の活躍推進

中期経営計画において女性管理職の増加に関する目標を設定のうえ、課長以上ポストに就く女性社員の増加及びそのすそ野の拡大を図っている。適性や育成計画に基づく幅広い業務付与により能力発揮を促すとともに、研修会などを通じて、管理職や女性社員の意識改革に取り組んでいる。

これまでの取り組みにより女性管理職は着実に増加しているが、性別に関係なく誰もが活躍できる企業であることをありたい姿として、そのために目指すべきは、「各職階の男女比が社員の男女比と等しく、男女ともに仕事とプライベートを両立しており、男女間の賃金差異が解消された状態」と定義のうえ、女性社員のより一層の活躍の推進を中長期的に図っていくこととしている。

 

(b)個人と組織の「関係性」向上

ⅰ.組織文化に関する指標の把握

多様な人材の活躍に向けて社員個々の力を最大限に引き出すため、社員の主観(個人の思い)を定量化した「従業員エンゲージメント」や「心理的安全性」などの組織文化に関する指標を、全社員を対象とした自己申告制度において毎年調査している。その申告内容は上司と部下のコミュニケーションの材料としても活用している。

 

ⅱ.管理職のマネジメント支援

組織運営の鍵を握る管理職のためのマネジメント支援情報を継続的に発信するとともに、従業員エンゲージメントの向上に向け、組織文化に関する指標のマネジメントへの活かし方を示したハンドブックを全管理職へ配布している。また、マネージャー・課長クラスを対象にした「リーダーのための心理的安全性研修」や副長クラスを対象にした「リーダーシップトレーニング研修」を実施している。

 

(c)人材(量・質)の確保と成長

中長期的な視点から人員構成の変化を予測し、安定的かつ継続的な採用者数の確保や離職者数の抑制等、適材適所の人材配置に取り組むとともに、事業状況や成長領域への事業展開を踏まえつつ、他企業経験者や高度な専門能力を有する人材など多様な価値観・経験を有する人材の採用にも計画的かつ積極的に取り組んでいる。また、結婚、育児、介護、配偶者の転勤や、転職等のキャリアアップにより当社を自己都合退職した者を対象に、時期を問わず募集・再雇用する「おかえリターン制度」を設け、柔軟かつ効率的な人材の確保にも取り組んでいる。

 

 
b.人権の尊重

当社グループは、すべての人々の人権を尊重することを事業活動の根底におき、いかなる差別も行わず、人権が真に尊重される社会の実現に向けて取り組むことを企業行動憲章に掲げる行動原則の一つとして明示している。その具体的行動指針として、当社グループの全役員及び全従業員が人権尊重の考え方を共有し、実践していくため、「中国電力グループ人権方針」を策定している。


 

これまでも、同和問題やハラスメントなどの人権問題についての認識を深め、人権問題の解決に向けた行動につながるよう、当社においては、全社員対象の職場研修をはじめ、新入社員・新任ライン長など階層別の研修を毎年計画・実施するなど、人権啓発に取り組んでいる。

「中国電力グループ人権方針」のもと、事業活動の中で社会から求められている人権尊重の考え方を深く理解し、当社にとって特に重要な人権への負の影響を特定して人権デュー・ディリジェンスを実践し、人権に関する課題に真摯に向き合い、人権の尊重に留意して業務に取り組むことで、人権が真に尊重される職場や社会の実現に努めている。

 

 
c. 安全と健康の推進

当社グループは、事業活動の基盤となる安全と心身の健康を確保することを最優先し、労働災害の防止、健康の保持増進に取り組むことを企業行動憲章に掲げる行動原則の一つとして明示している。

当社においては、安全管理や健康経営に関わる諸施策を推進していくための「安全健康推進業務運営方針」を毎年定めている。この方針のもと、当社グループに関わる全ての人がお互いを尊重し、安全と健康を気づかいあう職場風土づくりを推進するための施策を展開している。以下、当社における現在の主な取り組みを記載している。

 

(a)災害ゼロの追求

災害ゼロを目指して、社員一人ひとりの安全意識の高揚と安全行動の習慣化に向けて取り組んでいる。

 

<主な取り組み>

・作業時等の安全確保を目的としたDXの推進

・危険予知活動及びリスクアセスメントによる先取り安全の徹底

・当社と工事受注者が工事施工に伴う安全確保の協力体制を確立し、一体となって災害の防止を図ることを目的に請負工事安全対策協議会を設置・運営

 

(b)心とからだの健康づくり

社員一人ひとりの健康の保持増進が生産性の向上や活力ある職場づくりにつながるという考えのもと、健康経営を推進している。

 

<主な取り組み>

・産業保健スタッフによる健康指導や健康教育の実施

・健康保険組合とのコラボヘルスによる健康イベント(ウォーキングラリー、体重測定チャレンジ等)の

  実施

・ストレスチェック結果を活用した職場環境改善活動とメンタルヘルス不調の未然防止

・メンタルヘルス不調者への適切な対応と円滑な職場復帰に向けた支援

 

② リスク管理

全社リスク管理体制のもと、多様な人材の活躍推進、人権の尊重、安全と健康の推進に関するリスクの洗い出し、評価、対応策の検討を行い、経営計画等に反映して継続的にリスク管理を実践している。

また、業績等に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクについては、「3 事業等のリスク」に記載している。

 

③ 指標及び目標

上記「① ガバナンス・戦略」において記載した「多様な人材の活躍推進方針」「中国電力グループ人権方針」に関し、「女性管理職の増加」「男性育児休職取得の向上」「人権啓発活動の実践継続」という3つの共通テーマに沿った指標及び目標をグループ各社が設定し、そのすべてを達成することを中期経営計画における目標としている。具体的には、当社及び連結子会社13社(注1)の計14社を対象として上記3つの共通テーマそれぞれについて「目標達成企業割合100%」を目標としている。

2024年度末時点では一部未達企業があるものの、引き続きグループ一体となって2025年度末の達成を目指す。

 

方針

共通テーマ

(グループ全体)

2025年度目標

2024年度実績

多様な人材の活躍推進方針

女性管理職の増加

目標達成

企業割合

100%

78.6%(11社/14社)

男性育児休職取得の向上

92.3%(12社/13社)(注)2

中国電力グループ人権方針

人権啓発活動の実践継続

92.9%(13社/14社)

 

(注)1 著しく社員数の少ない一部の連結子会社を除く。

   2 取得対象者がいなかった1社を除いて集計している。

 

中期経営計画における当社の指標及び目標並びに当社の人材マネジメント指標については、以下のとおり。

a.中期経営計画における当社の指標及び目標

方針

共通テーマ

(グループ全体)

当社の指標

2025年度目標

2024年度実績

多様な人材の

活躍推進方針

女性管理職の増加

課長以上ポストに就く者に占める女性社員の割合
(注)1

5%以上

4.2%

副長クラス以上に占める女性社員の割合
(注)2

13%以上

12.0%

男性育児休職取得の向上

男性育児休職取得率
(注)3

100%

(注)4

70.0%

中国電力グループ人権方針

人権啓発活動の実践継続

職場人権研修受講率

100%

100%

 

(注)1 「5 従業員の状況(4)提出会社及び連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合等」に記載の

         「管理職に占める女性労働者の割合」と同じ。

      2 「副長クラス以上」とは、係長級以上ポストに就くことができる者を指す。

      3 「5 従業員の状況(4)提出会社及び連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合等」に記載の

         「男性労働者の育児休業取得率」と同じ。

      4  直近の男性育児休職取得実績等を踏まえ、従前は「50%以上」としていた2025年度目標を上方修正した。

 

b.当社の人材マネジメント指標

項目

当社の指標

実績

備考

2022年度

2023年度

2024年度

「自律性」と「多様性」の更なる推進

課長以上ポストに就く者に
占める女性社員の割合

3.4%

3.8%

4.2%

2024年度実績は上表a.の再掲

部長ポストに就く者に
占める女性社員の割合

1.9%

1.9%

1.9%

 

副長クラス以上に占める
女性社員の割合

10.0%

10.9%

12.0%

2024年度実績は上表a.の再掲

技術系女性社員数

55人

63人

65

 

男性育児休職取得率

40.0%

52.0%

70.0%

2024年度実績は上表a.の再掲

男性育児休職平均取得日数

74日

52日

66日

 

小学生以下の子を育てる社員の所定外労働時間(平均)

28.0時間/月

27.8時間/月

27.7時間/月

 

労働者の男女の賃金の差異

全労働者

69.8%

70.7%

70.9%

 

正規雇用労働者

70.6%

71.4%

71.7%

 

非正規雇用労働者

48.1%

51.8%

49.7%

 

障がい者雇用率(注)1

2.61%

2.64%

2.81%

 

人材ビジョン
実践度(注)2

78.7%

81.9%

・年1回、4月に全社員を対象とした自己申告制度において調査(2023年度から実施)。有効回答率は93.4%。

・指標は肯定回答者の割合

(肯定回答者数/有効回答者数)

・各設問の回答を5~1点にスコア化し、一設問あたり4点以上の者を肯定回答者として集計。

個人と組織の「関係性」

向上

従業員
エンゲージメント

42.9%

45.2%

心理的安全性

68.3%

69.4%

働きやすさ実感度

82.8%

84.3%

人材

(量・質)の確保と成長

経験者採用の社員数(注)3

61人

79人

112

 

離職率(注)4

0.92%

1.64%

1.13%

 

入社3年後定着率(新卒)(注)3

94.1%

2020年度入社

95.0%

2021年度入社

94.7%

2022年度入社

 

 

 

 

項目

当社の指標

実績

備考

2022年度

2023年度

2024年度

人権の尊重

職場人権研修受講率

99.8%

100%

100%

2024年度実績は上表a.の再掲

安全と健康の

推進

災害度数率(注)5

0.00

1.00

0.29

 

疾病休務率(注)5
(アブセンティーイズム)

0.95%

1.14%

1.09%

 

要指導者率(注)6
(プレゼンティーイズム)

1.57%

1.28%

1.28%

 

高ストレス者率

6.6%

6.8%

6.9%

 

総合健康リスク(注)7

73.5

74.2

73.9

 

 

(注)1 特例子会社及び関係会社特例認定を受けた会社を含めた雇用率。

   2 当社は、変化の時代に求められる人材像を「人材ビジョン」として掲げて認識を共有している。

   3 病院医療職を除く。

   4 当該年度中の自己都合による退職者数/当該年度首在籍者数。病院医療職を除く。

     5 新型コロナウイルス感染症り患による労働災害を除く。

     6 要指導者とは、健康上の理由で就労上の制限等が必要な者。

   7 全国平均を100とした職場の健康問題のリスクの指標(100より低いほど良好な状態)。