2026年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

(1)リスクマネジメントの取り組み

① リスクマネジメントの強化に向けた体制整備

電力システム改革や足元での中東情勢に伴う燃料調達への影響など、電気事業を取り巻く環境は複雑化しており、これに伴う様々なリスクに適切に対応する必要性は一層高まっているものと認識している。

こうした状況下、2024年度に設置した電力取引に係る「市場リスク管理高度化プロジェクト」からさらに体制を強化し、2025年6月、リスク管理を一体的・恒常的に担う組織として「リスク管理部門」を設置した。

この新たな組織体制において、「リスク」を「機会」と「損失」の両面の不確実性を表す概念として捉え直し、リスクテイクによる収益獲得を企図した電力トレーディングを行うため、トレーディング機能の強化と併せて、市場リスク管理機能についても整備を進めている。

また、当社グループの事業活動に係る多様なリスクを戦略的に統制・活用するため、当社におけるリスク管理のあり方について、社長を含む経営層で構成するリスク管理委員会(注1)を経て、経営会議・取締役会においても審議を重ねた結果、統合リスクマネジメントを志向することとした。具体的にはリスク分野を再整理のうえ、各リスク分野別に統括組織を設定して3線体制における2線機能の強化を図ることに加え、経営戦略の策定・実行とリスクマネジメントの連動性を高めるため、経営上の個別の重要リスクの評価や統合リスク量の算定・管理等のスキームを導入することとしている。

適切なリスクマネジメントの推進は健全な事業活動の基盤であり、企業価値の毀損防止・価値向上に資するものであるとの認識のもと、統合リスクマネジメント体制・スキームの具体化検討並びに事業活動への実装に向け、コンプライアンス・リスクマネジメント部門(注2)が中心となって引き続き取り組みを進めていく。

注1:2026年6月25日に「リスクマネジメント委員会」に改称予定

注2:2026年6月25日付での改編組織

 

<体制図>


※2026年4月28日に公表している2026年6月25日付の組織改編後の体制で記載

 

 

② 重要リスク(優先監視リスクシナリオ)の選定とモニタリング

当社では、当社及びグループ企業の事業活動上、生じる可能性のあるリスクをリスクシナリオとして洗い出し、このうち重要なリスクシナリオ(優先監視リスクシナリオ)に関しては、事業戦略である中期経営計画に対策を織り込み、また対策の実行に必要となる経営資源を配分したうえ、リスク対応を行っている。また計画期間を通じて、対策の実行状況やリスクレベルの変化をモニタリングし、その結果について定期的に取締役会に報告している。

2025年度においては、上述のリスク管理委員会において、当社各組織から洗い出されたリスクシナリオのリスク評価(ボトムアップアプローチ)に対し、グループ企業から洗い出されたリスク評価との比較分析や社会的なリスク認識を勘案のうえ、経営上の重要性の観点から再評価(トップダウンアプローチ)を行った。

このリスク管理委員会での審議を踏まえ、最終的には取締役会において、当社経営への影響が大きいリスクシナリオを「優先監視リスクシナリオ」として選定するとともに当社グループのリスクマップを作成し、事業戦略策定上の基礎情報として活用している。

 

<当社グループのリスクマップ>


※損失発生・企業価値毀損の観点から各リスクを評価し作成

※影響度について、収支影響で評価しづらいリスクについては、以下の定性評価基準により評価を実施

 「社会的信用の失墜」・「報道影響」・「規制当局による処分等」・「人的被害の発生」

 

 

(2)個別の重要リスク

以下では、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があると考えられる個別の重要リスク(リスク分野)に対する認識等を記載している。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

当社グループは、「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向け、リスク(ネガティブな影響を及ぼし得るリスク)の適切な管理及び機会(ポジティブな影響を及ぼし得るリスク)の活用に努めていく。

 

原子力関連(原子力不稼働・停止、原子力事故)

リスク

当社は、福島第一原子力発電所において発生した事故を踏まえ、地震・津波対策、外部電源の信頼性確保、フィルタ付ベント設備の設置といったシビアアクシデント対策等、2013年7月に施行された新規制基準への適合に加え、更なる安全性向上に不断に取り組んでいるものの、以下のリスクの発現により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

・原子力に関する政策変更や法規制・基準の見直し、新規制基準適合性審査を踏まえた追加安全対策の発生、トラブルや工事の輻輳化等による工期延長、従来から係争中の島根原子力発電所2・3号機の運転差止訴訟に対する司法判断等に伴う、発電所の運転停止・運転開始時期の遅延の長期化による代替火力燃料・電力の市場調達に係る費用の増加、温室効果ガス排出に係る対応費用等の発生などの業績影響

・万一、原子力発電所において外部に影響を及ぼす重大な事故が発生した場合、発電所設備の損壊、外部補償の発生、社会的信用の失墜等

対応策

新規制基準適合性審査状況や規制動向等を注視のうえ、グループ企業・協力会社とも緊密に連携し、当社の原子力発電所の安全対策や工程管理等に計画的かつ適切に取り組んでいく。また、訴訟対応についても関係箇所と連携し、適切に対応していく。

 

 

 

原子力関連(原子燃料サイクル・原子力バックエンド事業)※

リスク

原子燃料サイクル・原子力バックエンド事業は、超長期の事業であり不確実性を有していることを踏まえ、使用済燃料の再処理及び廃炉に要する費用については使用済燃料再処理・廃炉推進機構に拠出する制度が、また、特定放射性廃棄物最終処分に要する費用については原子力発電環境整備機構に拠出する制度が、それぞれ国により措置されており、事業者のリスクが軽減されているものの、以下のリスクの発現により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。

・今後の関係諸制度の見直し、拠出金額の変動や再処理工場の稼働不調等

対応策

上記制度に基づき適切に対応するとともに、再処理等事業者である日本原燃株式会社等の関係先と連携し、本事業の着実な実施に取り組んでいく。

 

 ※本リスクについては、リスクマップ上では「原子力不稼働・停止」に包含している

 

 

市場変動

リスク

・電力・燃料の調達価格及び販売価格の変動による期間損益の変動

・デリバティブ取引の複雑化により、リスクの把握及び評価が困難化し、想定以上の損失が発生

・燃料価格の変動が電気料金に反映されるまでのタイムラグ(期ずれ)による差損発生

・燃料費調整の前提とした電源構成と実際の電源構成との間の差異による業績悪化

・一部のお客さまに設定されている燃料費調整の上限価格を平均燃料価格が超過することによる業績悪化

・卸電力市場価格の変動による卸電力取引所における電源調達費用の増加

機会

・市場リスクの活用による総合エネルギー事業の収益の最大化

対応策

(市場リスク管理による対応)

デリバティブ取引を活用した取引価格やキャッシュ・フローの固定化による市場変動リスクの低減・回避を図っている。また、市場リスクを定量化し、当社の経営体力を超過しないよう管理する上限値を設定のうえ、市場価格の変動によるリスク量を継続的にモニタリングし、当該上限値と対比することで市場リスクを管理している。

(料金制度等による対応)

原子力発電の稼働による電源構成に占める火力発電及び卸電力調達の割合の低減に取り組んでいる。また高圧以上のお客さまに導入している「市場価格調整制度」について、卸電力取引所の市場価格に連動して算定される回避可能費用に加えて同市場からの電源調達に係る市場価格の変動を電気料金に反映する制度を導入しており、燃料価格、外国為替相場及び卸市場価格の変動リスクの低減に努めている。

 

 

 

エネルギー市場競争

リスク

・離脱増加による収支悪化(特別高圧・高圧)

対応策

多様な電源調達チャネルの確保を通じて調達コストの抑制を図るとともに、中国地域において長年にわたって培ってきた営業力及び事業基盤を活用し、脱炭素をはじめとしたお客さまの多様なニーズを踏まえ、再生可能エネルギーを活用した料金メニューや太陽光発電PPAサービス、省エネ・CO₂削減コンサルティングなどのエネルギー・ソリューションの拡大などにより、需要の維持・拡大、離脱防止に取り組んでいく。

 

 

 

人身災害・疾病

リスク

・人身災害・疾病の発生に伴う人的リソースの損失

・労働災害訴訟による対応コストの増大、当社の社会的信用の失墜

・新型インフルエンザ等感染症の大流行による事業継続困難

対応策

エネルギアグループ企業行動憲章の行動原則の一つに「労働安全衛生の確保」を掲げ、労働災害の防止、健康の保持増進に向けてグループ企業・協力会社と一体となって取り組んでいる。

毎年度、安全健康推進業務運営方針を定め、ライン管理者による安全衛生管理の徹底、危険予知活動による危険感受性の向上及びリスクアセスメントによる災害の未然防止、これらに対する教育・研修を計画的に実施し、従業員の安全健康意識の高揚による安全行動の習慣化と自主健康づくりを推進している。

また、請負工事安全対策協議会を設置し、工事・作業実施時の連絡・調整、必要な指導・助言を行うことができるよう安全協力体制を確立・運営している。

 

 

資金調達

リスク

・島根原子力発電所における新規制基準対応費用の増加に伴う資金調達額の上振れ

・不適切事案の発生による資金調達の困難化

・財務内容悪化に伴う信用力・信用格付の変動による調達条件の悪化

・金利上昇に伴う資金調達コストの増加

機会

・公的支援制度の拡充等による資金調達環境の改善

・気候変動対策を考慮する金融機関・投資家の増加に伴うサステナブル投資額の拡大により、適切なサステナブル・ファイナンス・フレームワークを有する企業に対する資金供給の拡大

対応策

 「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げる成長戦略の実現に向け、中長期にわたり安定的かつ持続的な資金調達を重視している。この方針のもと、2026年3月にはGX推進機構の金融支援を活用したトランジションローンによる資金調達を実施する等、公的支援制度や新たなファイナンス手法の活用により、資金調達手法の多様化を進めている。
 また、同年4月にはサステナブル・ファイナンス・フレームワークの見直しを行うなど、金融機関・投資家との積極的かつ建設的な対話を通じて、当社のESG全般に関する取り組みへの理解促進を図り、取引金融機関の拡大に取り組んでいる。

さらに、過去の不適切事案の発生を受け、主要取引行及び格付機関等とは、定期的な報告・意見交換の中でコンプライアンス事案については速やかに報告する体制を構築している。

 一方、金利変動リスクに対しては、金利環境を定期的にモニタリングし、有利子負債における固定金利・変動金利のバランスを考慮しながら支払利息の増加抑制とリスク抑制を図り、資本コストを意識した経営を推進し、事業の収益性向上を図っていく。

 

 

 

システム障害・サイバー攻撃

リスク

・機密性の高い内部情報の流出、業務の停滞及びサービス停止等による当社グループの社会的信用の失墜

・社会的信用の失墜に伴う営業機会の逸失、情報セキュリティ事故・システム障害への対応に伴う追加費用の発生等による当社グループの業績悪化

機会

・重大な情報セキュリティ事故・システム障害の発生防止による当社グループの社会的信用の維持・向上

対応策

 当社グループは、情報セキュリティに関する管理体制・ルールを整備し、技術面及び人的面の両面から多層的かつ継続的な情報セキュリティ対策を実施している。

技術面では、被害の長期化・拡大が懸念されるランサムウェアへの対応を重点対策とし、不正な侵入や端末の不審な動作を早期に検知する仕組みを整備している。加えて、万一のランサムウェア被害発生時にも業務影響を最小限に抑制するため、重要システムのバックアップ環境の整備、復旧手順の確認及び訓練に取り組んでいる。

 人的面では、巧妙化する不審なメール等を含む情報セキュリティの脅威全般への理解を深めるため、当社グループを対象とした教育・訓練を継続的に実施し、確認や報告といった基本行動の定着を図ることで、組織全体の対応力向上に努めている。

 また、システム障害に対しても、計画的な設備更新などにより未然防止に取り組みつつ、障害発生時の初動・復旧体制の整備や復旧訓練を行うことで、対応力向上に努めている。

 

 

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)遅延

リスク

・デジタル技術の進化や市場の変化に即応した柔軟かつ迅速なビジネスモデル変更が困難

・労働生産性の低下により、競争力の確保が困難

・人材育成、ノウハウ継承不足による社員のモチベーション低下、安全意識の低下

機会

・DXノウハウを活用した新たなサービスの提供、地域貢献

・デジタル技術による業務プロセスの効率化・高度化

・レガシーシステムからの脱却によるシステム対応の迅速化

対応策

 「エネルギアグループDX戦略」にもとづき、デジタル技術を活用した業務変革施策(以下、「DX推進施策」という。)を具体化し、中期経営計画に反映することで、計画的に取り組んでいる。

具体的には、各DX推進施策の目標についてKPIを設定の上、施策の評価及び進捗管理を行うなど、PDCAを適切に管理することで、DXが遅滞なく実施できるように取り組んでいる。

 また、AI等の最新技術に関するノウハウやリソース不足に対し、社外の専門能力を有効活用することで、短期間での成果事例の創出等を実現できるよう取り組んでいる。

 

 

 

燃料調達

リスク

・世界情勢の不透明さ等を背景に燃料需給がひっ迫した場合、相対的にコストが高い電力を市場調達することによる業績への影響

対応策

燃料の市場環境が大きく変動する中、所要量の確保を最優先とし、早期の燃料確保に取り組んでいる。また、当社にとって有利な条件での売買契約の更改や価格の値決め時期の分散化、金融取引による価格固定化等で燃料価格の変動リスクの低減に努めるとともに、柔軟な調達・輸送体制の構築を図ることで、需給変動リスク低減に努めている。

 

 

 

人材確保・育成、人材の多様性

リスク

・人材の確保の困難化・人材育成の停滞・人材の流出増加による持続的企業価値向上の阻害

・多様な意見が尊重されないことによる従業員エンゲージメントや企業価値の低下

対応策

当社グループとしては、中長期的な視点から人員構成の変化を予測し、安定的かつ継続的な採用者数の確保や離職者数の抑制、適材適所の人材配置に取り組むとともに、キャリア採用を積極的に実施することで多様な価値観・経験を有する人材の確保・活用を推進している。人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関するグループ全体の包括的な方針として策定した「多様な人材の活躍推進方針」のもと、マテリアリティの1つである「多様な人材が活躍できる環境づくり」にグループ一体となって取り組んでいく。

 

 

 

環境規制・CO

リスク

・温室効果ガス(GHG)排出規制(排出量取引制度における発電事業者への有償オークション、化石燃料賦課金等)の強化によるコスト増

・化石電源の競争力・利用率の低下による収益減

機会

・非化石電源ニーズの高まりによる再生可能エネルギー、原子力発電、脱炭素技術を活用した火力発電等の導入拡大

・お客さまの事業活動における省エネ・脱炭素化ニーズの高まりによる電化の進展やDR、太陽光PPA等、サービス展開に伴う収益増

対応策

 2025年9月に策定した「中国電力グループ経営ビジョン2040」において、中国電力グループ全体のサプライチェーンGHG排出量(Scope1+2+3)については2030年度50%削減及び2035年度60%削減(いずれも2013年度比)を、中国電力個社では小売事業・発電事業ともに2030年度CO₂排出量50%削減(2013年度比)という目標を掲げている。これらの達成及び2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、カーボンニュートラル電力の活用拡大や火力発電のトランジション等の取り組みを一体的に推進していく。

 

 

 

情報漏洩

リスク

・顧客情報や業務情報等の重要な電子情報の漏洩による当社グループの社会的信用の低下

・社会的信用の失墜に伴う営業機会の逸失等による当社グループの業績悪化

機会

・電子情報管理の徹底による取引先や顧客との信頼関係の維持・向上

対応策

 当社グループは、情報セキュリティに関する管理体制・ルールを整備し、技術面及び人的面の両面から多層的かつ継続的な電子情報の漏洩対策を実施している。

 技術面では、クラウドサービスやWebサイトへのアクセス制限、USBメモリ等の外部記憶媒体の利用制限といった対策を講じることにより、電子情報の適切かつ厳格な管理を行っている。

 人的面では、定期的な教育・訓練の実施を通じて、組織全体の意識向上に努めている。

 

 

 

出資先企業

リスク

(出資先海外企業)

・海外事業におけるカントリーリスクの顕在化や脱炭素化の急速な進展に伴う環境・エネルギー関連の政策変更等の外部環境変化

(出資先国内企業)

・各事業を取り巻く環境変化による業績悪化及びそれに伴う投資リターンの減少

対応策

(出資先海外企業)

海外事業における新規案件への投資の際、あらかじめ定めた基準に基づく投資評価及び経営層への報告・決議の仕組みを通じたリスク管理を徹底する。また、出資先の取締役会・株主総会を通じた経営管理とモニタリングの強化に取り組む。

(出資先国内企業)

事業の業績状況等の定期的なモニタリング及び業績悪化の兆候が見られた場合、必要な対策を実施する。

 

 

 

自然災害

リスク

・大規模自然災害等の発生による設備被害・操業支障等の影響の結果、代替火力燃料・電力の市場調達等に係る費用の増大

・地震・台風・豪雨等の自然災害による設備被害・系統事故の拡大に伴う、広範囲の停電発生・停電の長期化に伴う社会的信用失墜・業績悪化

・電力供給設備及び業務システム等の復旧費用の増大

対応策

 当社グループとしては、国の法令等に準拠した電力設備設計や計画的な修繕、災害応急対策及び災害復旧を図るための防災等に係る各種業務計画の策定並びに事業継続のための体制整備について、国の審議会の検討結果等も踏まえ適切に対応を行うとともに、自治体や他電力会社、自衛隊などの関係機関との連携や防災訓練を通じ、災害対応力の強化に取り組んでいる。また、災害発生時には最新の状況を考慮した需給計画の策定及び需給計画に基づく代替火力燃料・電力の調達に取り組む。

 

 

 

電力規制

リスク

・電気事業に係る法令やガイドライン等の変更・競争環境の変化・卸電力取引市場・容量市場等からの収益の変動等が発生した場合、当社グループの業績に影響

対応策

 当社グループとしては、こうした制度変更等の動向及び事業への影響を把握し、必要な対応を行うことで利益最大化に取り組んでいく。

 

 

 

コンプライアンス

リスク

・事業活動に関する各種法令、ガイドライン等へ抵触したことによる行政処分や行政指導の受領、社会的信用の低下、事後対応費用の発生等

対応策

 当社は、コンプライアンス経営推進宣言に掲げた3つの行動(「良識に照らします」、「率直に話します」、「積極的に正します」)、エネルギアグループ企業行動憲章及び中国電力コンプライアンス行動規範を踏まえ、役員の率先垂範のもと、コンプライアンス最優先の業務運営の徹底に取り組むとともに、上記憲章に掲げる「コンプライアンス経営の推進」に基づき、グループ企業におけるコンプライアンス最優先の業務運営を支援・指導し、当社グループとして、社会の一員としての責任を果たしていく。

 特に、電気事業の性質を踏まえ、公正かつ自由な競争に基づく事業活動を確保するとともに、事業活動を通じて得られる多数の個人情報を適切に取り扱う観点から、電気事業法、独占禁止法、個人情報保護法等の関連法令及びガイドライン等を遵守するための諸制度・業務運営体制を構築・運用する。

 

 

 

人権・ハラスメント

リスク

・当社グループ及びサプライチェーンにおける人権侵害の発生による人々の生命や健康、尊厳への脅威

・人権侵害発生による当社グループの社会的信用の失墜とそれに伴う業績の悪化

対応策

 当社グループは、従来様々な啓発活動に取り組んできたが、2023年度に「中国電力グループ人権方針」を策定し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の考え方に則り、「人権デュー・ディリジェンス」の実践に取り組んでいる。当社は特に影響が大きいと考えられる人権への負の影響としての人権侵害リスクを特定し、教育啓発活動やサプライチェーンへの働きかけなどを通じ、負の影響の防止・軽減などに取り組んでおり、グループ全体での取り組み拡大に向けて、継続的に推進していく。

 

 

 

火力等事業設備

リスク

・火力電源の新陳代謝が進まないことによる発電事業の収益減

・火力電源の脱炭素化が進まないことによる環境面への影響や規制に伴うコスト増

対応策

 2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、火力発電は安定供給に必要な発電容量(kW)を維持・確保しつつ、非効率な石炭火力を中心に発電量(kWh)を減らしていく方針や、必要な供給力を確保するための長期脱炭素電源オークションを含めた容量市場の着実な運用や見直しの検討など、安定供給を確保するための取り組みの必要性が示されている。こういった政府の方針や中長期的な社会情勢、需要見通しなどを踏まえ、長期脱炭素電源オークションや容量市場といった国の制度を活用した電源の新陳代謝や脱炭素化を図っていく。

 

 

注:当社グループのリスクマップに記載の「リスクマネジメント」リスクに関しては、「(1)リスクマネジメントの取り組み」に認識・対応等を記載しているため、「(2)個別の重要リスク」には記載していない。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社の剰余金の配当については、定款の定めに基づく取締役会決議による中間配当及び株主総会決議による期末配当の年2回を基本としている。

1 2025年度の剰余金の配当

当社は、2025年度の配当について、配当性向12%を目安とすることを基本としている(2025年4月公表)。

その後「中国電力グループ経営ビジョン2040」を検討するなかで、2026年度以降の配当について、財務戦略との整合性や配当の予見性を高める観点から、DOE(株主資本配当率)の考え方を導入することとし、お知らせした(2025年9月公表)。

2025年度の配当については、本年4月から新たなグループ経営ビジョンの実行段階に入ることを踏まえ、安定性や予見性の観点から配当を実施することとした。

年間配当金は、配当予想としてお知らせしていた1株あたり27円を据え置き、このうち期末配当金を1株あたり17円とする。

以上について、2026年4月28日開催の取締役会で決議しており、6月開催予定の株主総会へ付議する。

2 2026年度以降の配当方針

2025年9月にお知らせした将来の株主還元の方向性に基づき、2026年度以降の配当方針は以下の通りとする。

 

・当社は、財務基盤の回復過程においても株主の皆さまに安定的な配当を行っていく趣旨から、配当の決定にあた

っては2026年度からDOE(株主資本配当率)の考え方を導入し、島根3号機の営業運転開始までは、DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して決定する。

 

 

島根3号機の営業運転開始までの間においても財務基盤の回復を進め、DOE2%を目指す。

 

   なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりである。

決議年月日

配当金の総額
 (百万円)

1株当たり配当額
 (円)

2025年10月31日

取締役会決議

3,604

10

2026年6月25日

定時株主総会決議  (予定)

6,128

17

 

(注)1 2025年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれている。

2 2026年6月25日定時株主総会決議(予定)による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金10百万円が含まれている。