2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

発電事業 送変電事業 電力周辺関連事業 海外事業 その他の事業 電気事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
発電事業 865,624 69.3 45,351 28.5 5.2
送変電事業 49,854 4.0 1,776 1.1 3.6
電力周辺関連事業 89,919 7.2 16,989 10.7 18.9
海外事業 227,896 18.2 94,856 59.5 41.6
その他の事業 16,002 1.3 417 0.3 2.6

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社109社及び関連会社86社(2026年3月31日現在)によって構成されており、主に、水力、火力、風力など当社又は関係会社で保有する発電所による発電事業及び卸電力取引市場等から調達した電力の販売事業を行っているほか、送電事業として子会社で保有する送・変電設備により、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送を行っております。

 

当社グループの事業の内容としては、当社又は関係会社が行う「発電事業」、関係会社が行う「送変電事業」、発電事業及び送変電事業を補完し円滑かつ効率的な遂行に資する「電力周辺関連事業」、海外における発電事業及びその関連事業を行う「海外事業」並びに当社グループの保有する経営資源、ノウハウを活用して行う「その他の事業」があります。

また、次の5部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。

 

[発電事業]

当社は、水力、火力、風力など当社又は関係会社が行う発電事業及びその保守運営、並びに卸電力取引市場等から調達した電力の販売を行っております。

 

[送変電事業]

当社の子会社で保有する送・変電設備による、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送事業を行っております。

 

[電力周辺関連事業]

発電事業及び送変電事業を補完し、その円滑かつ効率的な遂行に資する事業を行っております。

 

[海外事業]

海外における発電事業及びその関連事業を行っております。

 

[その他の事業]

当社グループの保有する経営資源、ノウハウを活用して行う石炭等販売事業等を行っております。

 

当社グループを事業系統図によって示すと次頁のとおりです。

 

 

[事業系統図]


 

業績状況

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の収入面は、タイで販売電力量が減少したことや松島火力発電所を休廃止したこと及び容量市場価格の下落等により、売上高(営業収益)は前連結会計年度に比べて10.2%減少の1兆1,822億円となりました。営業外収益は、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて143.6%増加の973億円となり、経常収益は前連結会計年度に比べて5.7%減少の1兆2,796億円となりました。

一方、費用面は、発電事業の燃料費及び他社購入電源費が減少したことや海外事業の燃料費が減少したこと等により、営業費用は前連結会計年度に比べて8.2%減少の1兆812億円となりました。これに営業外費用を加えた経常費用は前連結会計年度に比べて7.8%減少の1兆1,211億円となりました。

経常利益は、発電事業の修繕費の増加や豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格の低下があったものの、持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて13.2%増加の1,585億円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、豪州に所在する再生可能エネルギー発電設備や高砂火力発電所等で減損損失を計上したことに加えて、大間原子力発電所計画において、計測制御機器類等の品質及び信頼性確保の観点から、一部の機器類を除却したことに伴う固定資産除却損を特別損失に計上したこと等により、前連結会計年度に比べて36.7%減少の585億円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

(発電事業)

再生可能エネルギーの販売電力量は、水力出水率の低下(91%→88%)等により、前連結会計年度に比べて2.6%減少の98億kWhとなりました。火力の販売電力量は、発電所利用率の上昇(58%→67%)等により、前連結会計年度に比べて1.5%増加の418億kWhとなりました。卸電力取引市場等から調達した電力の販売量は、前連結会計年度に比べて9.3%減少の150億kWhとなり、発電事業全体の販売電力量は、前連結会計年度に比べて1.7%減少の667億kWhとなりました。

売上高(電気事業営業収益及びその他事業営業収益)は、松島火力発電所を休廃止したことや容量市場価格の下落等により、前連結会計年度に比べて10.5%減少の8,656億円となりました。

セグメント利益は、松島火力発電所を休廃止したことや修繕費の増加等により、前連結会計年度に比べて33.8%減少の453億円となりました。

 

(送変電事業)

売上高(電気事業営業収益)は、託送収益の減少により、前連結会計年度に比べて1.2%減少の498億円となりました。

セグメント利益は、売上の減少や支払利息の増加等により、前連結会計年度に比べて37.4%減少の17億円となりました。

 

(電力周辺関連事業)

売上高(その他事業営業収益)は、豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格の低下等により、前連結会計年度に比べて12.4%減少の899億円となりました。

セグメント利益は、売上の減少等により、前連結会計年度に比べて50.2%減少の169億円となりました。

 

(海外事業)

販売電力量は、タイで減少したことにより、前連結会計年度に比べて19.5%減少の144億kWhとなりました。

売上高(海外事業営業収益)は、販売電力量が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて6.9%減少の2,278億円となりました。

セグメント利益は、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて174.9%増加の948億円となりました。

 

(その他の事業)

売上高(その他事業営業収益)は、前連結会計年度に比べて11.8%減少の160億円となりました。

セグメント利益は、前連結会計年度に比べて32.9%減少の4億円となりました。

 

資産については、米国チャージャー太陽光発電所建設工事や佐久間東西幹線増強工事の進捗及び円安の影響等により、前連結会計年度末に比べて709億円増加し3兆7,397億円となりました。

一方、負債については、前連結会計年度並みの2兆2,052億円となりました。このうち、有利子負債額は前連結会計年度末に比べて41億円増加し1兆8,832億円となりました。なお、有利子負債額のうち3,343億円は海外事業のノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。

また、純資産については、自己株式の取得による減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて709億円増加し1兆5,344億円となりました。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の36.4%から37.6%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、利息及び配当金の受取額が増加したものの、営業利益の減少や法人税等の支払額の増加等により、前連結会計年度に比べて収入が260億円減少し、2,242億円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の増加等により、前連結会計年度に比べて支出が704億円増加し、1,932億円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出が増加したものの、社債の発行による収入や借入れによる収入の増加等により、前連結会計年度に比べて支出が694億円減少し、642億円の支出となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて242億円減少の3,488億円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループが実施する事業のうち、発電事業の受給実績、販売実績、資材の状況及び海外事業の販売実績について記載しております。

 

○ 発 電 事 業

a.受給実績

種別

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

発受電電力量(百万kWh)

69,609

98.4

損失電力量等(百万kWh)

△2,884

99.7

内部取引(百万kWh)

△13

176.6

販売電力量(百万kWh)

66,712

98.3

 

(注)発受電電力量は、水力・汽力・風力発電電力量等の合計です。

 

b.販売実績

① 販売実績

 

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比 (%)

電力量 (百万kWh)

電力料 (百万円)

電力量

電力料

発電事業・電力販売事業

66,712

832,376

98.3

89.0

 

(注)発電事業の販売電力量及び電力料は、水力・汽力・風力等の合計です。

 

② 主要顧客別売上状況

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

(一社)日本卸電力取引所

220,376

16.7

191,732

16.2

中国電力㈱

149,995

11.4

121,889

10.3

 

(注)割合は営業収益に対する割合です。

 

c.資材の状況

① 石炭、重油及び軽油の受払状況

(イ) 石 炭

 

期首残高(t)

受入量(t)

払出量(t)

棚卸修正(t)

期末残高(t)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

1,265,291

16,018,639

15,768,198

36,061

1,551,793

前年同期比(%)

85.3

104.3

101.4

-

122.6

 

 

(ロ) 重 油

 

期首残高(kl)

受入量(kl)

払出量(kl)

棚卸修正(kl)

期末残高(kl)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

26,257

20,553

28,633

△107

18,070

前年同期比(%)

74.8

90.9

91.1

493.1

68.8

 

 

(ハ) 軽 油

 

期首残高(kl)

受入量(kl)

払出量(kl)

棚卸修正(kl)

期末残高(kl)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

8,687

26,868

26,446

139

9,248

前年同期比(%)

87.7

95.1

89.1

63.7

106.5

 

 

○ 海 外 事 業 

① 販売実績

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

電力量(百万kWh)

電力料(百万円)

電力量(百万kWh)

電力料(百万円)

ガス火力(コンバインドサイクル)

17,818

239,833

14,260

221,980

 

(注)タイ及びアメリカにおけるプロジェクトのうち、主要な販売実績について記載しております。

 

② 主要顧客別売上状況

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

タイ電力公社

180,695

13.7

147,095

12.4

PJM

32,630

2.5

55,482

4.7

 

(注) 1 割合は営業収益に対する割合です。

        2 PJM は米国東部地域における独立系統運用機関(Independent System Operator)です。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における資産及び負債の報告数値並びに当連結会計年度における収益及び費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。当該見積りについては、経営者は過去の実績や見積り時点で入手可能な情報等に基づく仮定を用いて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

当社グループは、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下のものが重要であると考えております。なお、a.固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」にも記載しております。

 

a.固定資産の減損

当社グループは、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を基本として資産をグルーピングしております。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産及び資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識します。

減損の兆候の判定並びに減損損失の認識及び測定に当たっては、過去の実績や入手可能な情報等を踏まえた合理的な見積り及び仮定に基づき検討しておりますが、経営環境、市況又は事業計画の変化により当該見積り及び仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

b.有価証券の減損

当社グループは、時価のある有価証券について、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価を以て貸借対照表価額とし、評価差額を減損損失として認識します。また、時価のない有価証券について、当該会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく下落したときは、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額を行い、評価差額を減損損失として認識します。

回復可能性の検討に当たっては、過去の実績や入手可能な情報等を踏まえた合理的な見積り及び仮定に基づき検討しておりますが、経営環境、市況又は事業計画の変化により当該見積り及び仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

c.退職給付費用及び債務

当社及び一部の国内子会社は、数理計算上で設定される前提条件(割引率、将来の退職金ポイント累計、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等)に基づき、従業員に係る退職給付費用及び債務を算出しておりますが、実際の算出結果が前提条件と異なる場合、特に株価等市況が大きく変化し年金資産の実運用収益率が影響を受けた場合又は割引率が低下した場合、数理計算上の差異が大きくなり、その償却により人件費が影響を受けます。

 

d.繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に当たって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。将来の課税所得の見積りに当たっては、合理的な要因に基づく業績予測等を前提としておりますが、経営環境の変化又は税制改正による法定実効税率の変更等が生じ、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を減額し費用を計上します。また、当該変更等により計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を増額し収益を計上します。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(イ)営業収益

営業収益は、前連結会計年度に比べて1,344億円(10.2%)減少の1兆1,822億円となりました。

このうち電気事業営業収益は、松島火力発電所を休廃止したことや容量市場価格の下落等により、前連結会計年度に比べて1,026億円(10.4%)減少の8,860億円となりました。

海外事業営業収益は、タイで販売電力量が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて167億円(6.9%)減少の2,278億円となりました。

また、その他事業営業収益は、豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格が低下したこと等により、前連結会計年度に比べて150億円(18.0%)減少の683億円となりました。

 

(ロ)営業費用及び営業利益

営業費用は、前連結会計年度に比べて970億円(8.2%)減少の1兆812億円となりました。

電気事業営業費用は、修繕費の増加があったものの、火力の燃料費や他社購入電源費の減少等により、前連結会計年度に比べて805億円(8.9%)減少の8,263億円となりました。

海外事業営業費用は、燃料費の減少等により、前連結会計年度に比べて172億円(8.3%)減少の1,893億円となりました。

また、その他事業営業費用は、前連結会計年度に比べて6億円(1.0%)増加の655億円となりました。

営業利益は、売上の減少に加え、発電事業の修繕費の増加や豪州炭鉱権益保有子会社の石炭販売価格が低下したことによる減益等により、前連結会計年度に比べて373億円(27.0%)減少の1,009億円となりました。

 

 

(ハ)営業外収益と費用及び当期経常利益

営業外収益は、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べて574億円(143.6%)増加の973億円となりました。

営業外費用は、前連結会計年度に比べて16億円(4.4%)増加の398億円となりました。

営業利益の減少はあったものの、持分法投資利益が増加したこと等により、経常利益は前連結会計年度に比べて184億円(13.2%)増加の1,585億円となりました。

 

(ニ)親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は、経常利益の増加があったものの、豪州に所在する再生可能エネルギー発電設備や高砂火力発電所等で減損損失(特別損失)を計上したことに加えて、大間原子力発電所計画において、計測制御機器類等の品質及び信頼性確保の観点から、一部の機器類を除却したことに伴う固定資産除却損(特別損失)を計上したこと等により、前連結会計年度に比べて333億円(23.8%)減少の1,067億円となりました。

法人税等合計は、米国火力発電事業の持分譲渡による課税所得の増加があったものの、当社や豪州炭鉱権益保有子会社で課税所得が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて46億円(12.5%)減少の328億円となりました。

また、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて52億円(52.0%)増加の152億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて339億円(36.7%)減少の585億円となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

○ 営業収益

(電気事業営業収益)

当社グループの電気事業営業収益は主に、当社グループの発電設備で発電した電力の販売による収入、卸電力取引市場等から調達した電力の販売による収入、容量市場からの収入、並びに一般送配電事業者からの託送料収入により構成されます。販売電力量は、小売電気事業者等の電力需給動向により影響を受けるため、当社グループの電力量料金に係る収入は間接的に電力需給の影響を受けます。

 

(イ) 発電設備容量

当社グループは、発電施設の建設にあたり、長期的な電力需要の見通し、市場競争の進展度合い等の想定されうる将来の事業環境を前提に、当該発電施設の収益性を判断し、開発計画を策定しております。想定以上の事業環境の変化により当社が期待する収益性を確保できない可能性はありますが、基本的に発電設備容量の増加は販売電力量及び販売電力料の増加に結びつきます。

 

(ロ) 電力需要

日本の最終電力需要の見通しによっては、長期的に建設・運転可能な発電所数等が左右されることになり、間接的に当社グループの収益に影響します。また、電力需要は冷夏・暖冬等の天候によっても影響を受けます。

 

(ハ) 電気料金等

小売電気事業者等への販売料金は、電気事業法の改正に伴い、2016年4月より卸規制等が撤廃され、販売先との協議により決定しております。卸電力取引市場への販売料金は電力市場価格に基づくため、当該価格変動の影響を受けます。一方、送電事業に関する料金は、規制部門として適正な原価に適正な利潤を加えて算定しております。

発電事業に関する小売電気事業者等への販売料金及び卸電力取引市場などから調達する電力についての販売料金の詳細な条件は契約当事者間で協議のうえ、契約により決定し、適宜改定を行っています。

なお、火力発電設備の従量料金の大半を占める燃料費相当部分については、海外炭の価格動向など市況の変動が大きいため、原則として販売先との間で燃料調達に係る市況の変動を適宜反映する仕組みを導入しております。

 

(海外事業営業収益)

当社グループの海外事業営業収益は主に、タイにおける当社の連結子会社とタイ電力公社との長期電力販売契約に基づく販売電力料収入及びアメリカにおける当社の連結子会社の電力市場での販売電力料収入です。

タイにおいては、販売電力料収入には固定料金である基本料金収入と販売電力量に応じた電力量料金収入があります。当社の連結子会社の販売電力量は、販売先であるタイ電力公社の電力需給動向により影響を受けるため、当社の連結子会社の電力量料金に係る収入は間接的に電力需給の影響を受けます。

また、アメリカにおいては、販売電力料収入には販売容量に応じた容量収入と販売電力量に応じた電力量料金収入があります。当社の連結子会社の容量収入は容量市場における容量需給動向により変動します。当社の連結子会社の販売電力量は、電力市場における電力需給動向により影響を受けるため、当社の連結子会社の電力量料金に係る収入は電力需給の影響を受けます。

 

○ 営業費用

(電気事業営業費用)

(イ) 減価償却費

重要な減価償却資産の減価償却の方法は、定額法によっております。今後、新たに大規模な設備が資産計上されると減価償却費も増加します。

 

(ロ) 燃料費

火力発電所の燃料に使用する石炭については、主として長期契約若しくは期間1年程度の契約により行っております。また、補完的にスポットでの調達も行っております。長期契約に基づく石炭の購入価格は、通常、1年に1回市場価格を踏まえて調整されます。当社の燃料費は、石炭の価格変動、輸送船舶の需給状況、燃料調達先の設備・操業トラブル等の影響を受けます。

 

(ハ) 人件費

従業員に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件(割引率、将来の退職金ポイント累計、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等)に基づき算出されておりますが、実際の算出結果が前提条件と異なる場合、特に株価等市況が大きく変化し年金資産の実運用収益率が影響を受けた場合又は割引率が低下した場合、数理計算上の差異が大きくなり、その償却により人件費が影響を受けます。

 

(ニ) 修繕費

設備信頼性を維持するため計画的な補修を実施しておりますが、定期点検の内容、規模等により修繕費は変動します。

 

(ホ) 他社購入電源費

電力市場価格や販売先との契約に基づく販売電力量等により、卸電力取引市場等からの電力の調達に要する他社購入電源費は変動します。

 

(海外事業営業費用)

(イ) 燃料費

タイにおける火力発電に用いる燃料の天然ガスは、タイ石油公社と長期燃料供給契約を締結し購入しております。当社の連結子会社の燃料費は、ガス価格の変動、タイ石油公社の設備・操業トラブル等の影響を受けます。

また、アメリカにおける火力発電に用いる燃料の天然ガスは、市場から購入しております。当社の連結子会社の燃料費は、ガス価格の変動の影響を受けます。

 

 

○ 営業外収益・費用

営業外費用には、支払利息のほか為替差損があり、金利及び為替の変動によって影響を受けます。

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(イ) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(ロ) 資金需要の動向

当社グループの主な資金需要は、発電事業、送変電事業及び海外事業への設備投資並びに長期負債の借換資金です。当連結会計年度の発電事業に係る設備投資は、前連結会計年度より27億円増加の807億円、送変電事業に係る設備投資は、前連結会計年度より155億円増加の443億円、海外事業に係る設備投資は、前連結会計年度より379億円増加の602億円です。

 

(ハ) 資金調達の方法及び状況

当社グループの資金需要は設備投資と債務の借換に係るものが大半であるため、資金調達は長期資金で手当てすることを原則としています。

長期資金調達に際しては、安定的な資金調達手段として普通社債の発行及び金融機関からの借入を行っており、当連結会計年度末の普通社債発行残高は7,339億円、借入残高は1兆1,381億円となりました。

短期資金については、運転資金に加え、調達の即応性を高める観点から機動的なつなぎ資金調達を実施することとしており、これら短期の資金需要を満たすために3,000億円のコマーシャル・ペーパーの発行限度枠を設定しています。

なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末から41億円増加し1兆8,832億円となりました。

○ 長期有利子負債

当連結会計年度末の長期有利子負債は、社債6,789億円、長期借入金9,897億円です。なお、長期借入金のうち2,917億円はノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。

○ 短期有利子負債

当連結会計年度末の短期有利子負債は、1年以内に償還予定の社債550億円、1年以内に返済予定の長期借入金1,484億円及び短期借入金82億円です。なお、1年以内に返済予定の長期借入金のうち450億円はノンリコースローン(責任財産限定特約付借入金)です。

 

d.目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは、中期経営計画(2024-2026)において、2026年度に実現を目指す経営目標として「連結経常利益900億円」を設定しています。また、経営目標達成時の主な経営指標水準として、「親会社株主に帰属する当期純利益620億円」「ROE 5.0%程度」及び「稼働資産ROIC 3.5%程度」を設定しています。

当連結会計年度における連結経常利益は1,585億円、親会社株主に帰属する当期純利益は585億円、ROEは4.3%、稼働資産ROICは4.5%となりました。引き続き経営目標達成に向けて取り組んでまいります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1  報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

報告セグメントは、「発電事業」、「送変電事業」、「電力周辺関連事業」、「海外事業」、「その他の事業」の5つとしております。

各報告セグメントの主な事業内容は、以下のとおりです。

 

[発電事業]

水力、火力、風力など当社又は関係会社が行う発電事業及びその保守運営、並びに卸電力取引市場等から調達した電力の販売

[送変電事業]

子会社で保有する送・変電設備による、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送事業

[電力周辺関連事業]

発電事業及び送変電事業を補完し、円滑かつ効率的な遂行に資する事業

[海外事業]

海外における発電事業及びその関連事業

[その他の事業]

当社グループの保有する経営資源、ノウハウを活用して行う石炭等販売事業等

 

2  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は連結財務諸表の作成方法と同一であり、報告セグメントの利益は、経常利益ベースの数値です。セグメント間の売上高は、第三者間取引価格に基づいております。

 

 

3  報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

 

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額
(注)1

連結財務
諸表計上額
(注)2

発電事業

送変電

事業

電力周辺
関連事業

海外事業

その他の
事業

計

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

  外部顧客への売上高

945,700

49,851

59,206

244,673

17,241

1,316,674

-

1,316,674

  顧客との契約から

  生じる収益

944,645

49,643

58,890

244,231

17,171

1,314,582

-

1,314,582

    電力販売

935,273

-

-

240,776

-

1,176,049

-

1,176,049

    電力託送

-

49,494

-

-

-

49,494

-

49,494

    その他

9,372

148

58,890

3,454

17,171

89,037

-

89,037

  その他の収益

1,055

208

315

442

70

2,091

-

2,091

  セグメント間の
  内部売上高又は振替高

21,674

606

43,470

-

911

66,662

△66,662

-

計

967,375

50,458

102,676

244,673

18,153

1,383,337

△66,662

1,316,674

セグメント利益

68,547

2,835

34,088

34,503

623

140,598

△502

140,095

セグメント資産

2,274,509

275,954

233,533

1,131,468

16,015

3,931,480

△262,740

3,668,740

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

  減価償却費

71,328

10,758

7,735

27,037

348

117,208

△803

116,405

 のれんの償却額

-

-

-

285

-

285

-

285

  受取利息

2,311

1

4,729

4,399

45

11,488

△2,063

9,424

  支払利息

12,655

2,011

196

20,127

74

35,066

△2,063

33,002

持分法投資利益

2,441

-

-

12,023

-

14,464

-

14,464

持分法適用会社への
投資額

34,705

-

-

292,915

-

327,620

-

327,620

  有形固定資産及び
  無形固定資産の増加額

77,995

28,837

4,545

22,243

544

134,165

△1,690

132,475

 

(注)1 セグメント利益、セグメント資産、減価償却費、受取利息、支払利息、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、セグメント間取引消去です。

      2 セグメント利益は、連結財務諸表の当期経常利益と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額
(注)1

連結財務
諸表計上額
(注)2

発電事業

送変電

事業

電力周辺
関連事業

海外事業

その他の
事業

計

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

  外部顧客への売上高

840,445

49,270

49,638

227,896

15,009

1,182,260

-

1,182,260

  顧客との契約から

  生じる収益

838,581

48,847

49,406

227,858

14,939

1,179,634

-

1,179,634

    電力販売

832,376

-

-

223,138

-

1,055,515

-

1,055,515

    電力託送

-

48,847

-

-

-

48,847

-

48,847

    その他

6,205

-

49,406

4,719

14,939

75,271

-

75,271

  その他の収益

1,863

422

232

37

69

2,626

-

2,626

  セグメント間の
  内部売上高又は振替高

25,179

583

40,281

-

992

67,037

△67,037

-

計

865,624

49,854

89,919

227,896

16,002

1,249,297

△67,037

1,182,260

セグメント利益

45,351

1,776

16,989

94,856

417

159,392

△860

158,532

セグメント資産

2,317,419

313,588

224,808

1,163,751

13,610

4,033,178

△293,476

3,739,701

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

  減価償却費

65,898

10,966

10,055

29,644

352

116,917

△842

116,074

 のれんの償却額

-

-

-

606

-

606

-

606

  受取利息

3,288

6

5,438

3,966

44

12,743

△2,588

10,155

  支払利息

13,553

2,511

442

17,935

73

34,517

△2,588

31,929

持分法投資利益

△1,430

-

-

65,308

-

63,878

-

63,878

持分法適用会社への
投資額

44,780

-

-

269,523

-

314,304

-

314,304

  有形固定資産及び
  無形固定資産の増加額

80,784

44,394

4,802

60,226

307

190,516

△1,940

188,576

 

(注)1 セグメント利益、セグメント資産、減価償却費、受取利息、支払利息、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、セグメント間取引消去です。

      2 セグメント利益は、連結財務諸表の当期経常利益と調整を行っております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

(単位:百万円)

日本

タイ

その他

合計

1,013,954

203,533

99,185

1,316,674

 

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:百万円)

日本

タイ

その他

合計

1,676,505

302,036

304,917

2,283,459

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

(一社)日本卸電力取引所

220,376

発電事業

 タイ電力公社

180,695

海外事業

中国電力㈱

149,995

発電事業

 

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

(単位:百万円)

日本

タイ

その他

合計

907,183

170,204

104,872

1,182,260

 

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:百万円)

日本

タイ

その他

合計

1,700,705

301,300

341,960

2,343,965

 

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

(一社)日本卸電力取引所

191,732

発電事業

 タイ電力公社

147,095

海外事業

中国電力㈱

121,889

発電事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

  (単位:百万円)

 

報告セグメント

発電事業

送変電事業

電力周辺

関連事業

海外事業

その他の事業

合計

減損損失

8,657

-

1,095

23,235

-

32,988

 

(注)固定資産の減損損失は特別損失に計上しているため、セグメント利益には含まれておりません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

  (単位:百万円)

 

報告セグメント

発電事業

送変電事業

電力周辺

関連事業

海外事業

その他の事業

合計

当期末残高

-

-

-

11,118

-

11,118

 

 (注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

  (単位:百万円)

 

報告セグメント

発電事業

送変電事業

電力周辺

関連事業

海外事業

その他の事業

合計

当期末残高

-

-

-

5,689

-

5,689

 

(注)1 のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

      2 海外事業セグメントにおいて、のれんの減損損失5,536百万円を計上しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

該当事項はありません。