事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
再生可能エネルギー発電事業 | 44,331 | 93.7 | - | - | - |
再生可能エネルギー開発・運営事業 | 2,994 | 6.3 | - | - | - |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、陸上・洋上風力発電、地熱発電、水力発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。そして、上記に留まらず、蓄電池、アンモニア・水素等を含む新燃料等、グリーン・トランスフォーメーション事業(以下、「GX事業」という)を推進しています。
当社グループは、(Ⅰ)長期にわたる再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営又は管理する連結子会社18社、持分法適用会社4社を中心に構成されています。
当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
(1) 概要
(再生可能エネルギー業界の概観)
再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2023年に473GWを超えました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2024 Global Status Report - Global Overview」)。また、ロシア・ウクライナ危機を受けたエネルギー安全保障への意識の高まりにより、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが進展しています。足もと、2023年11月に開催されたCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会合)では、再生可能エネルギーの更なる導入策を協議し、123カ国が2030年までに世界の再生可能エネルギーの容量を3倍に拡大することを誓約する等、再生可能エネルギーの更なる導入による脱炭素化に向けた動きが活発化しています。
日本国内の再生可能エネルギー導入に向けた動きも加速しています。経済産業省は2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表し、再生可能エネルギー電源の比率を50~60%に高めることを参考値として示しました。さらに、2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」においては、2030年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率を36~38%程度まで高める目標に設定しました。なお、2024年度には、2035年以降を目標としたエネルギー基本計画の議論が開始されます。
また、固定価格買取制度(FIT制度)による買い取りが継続して行われる中、2022年度から導入されたFeed in Premium制度(FIP制度)による買い取りも開始されています。加えて、電力需要家による再生可能エネルギー電力の調達ニーズも高まっています。自社事業の使用電力を再生可能エネルギー由来100%とすることを目指す国際的なイニシアティブであるRE100(*1)に参加する企業による取り組みが積極化しており、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPA(*2)の実例も増加しています。さらに、新規電源投資を促進し、長期にわたって脱炭素電源による供給力を調達するための長期脱炭素電源オークションが2024年1月より開始され、再生可能エネルギーや蓄電池の導入に対する政府の支援姿勢の継続及び電力需要家のニーズの高まりにより、国内再生可能エネルギー及び蓄電市場はより一層拡大していく見通しです。
(*1)RE100:
「Renewable Electricity 100%」の略称で、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことを指しています。
(*2)コーポレートPPA:
企業などの電力需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約のことを指しています。PPAは電力購入契約(Power Purchase Agreement)の略称です。
(国内外における再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)
当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*3)及びEPC事業者(*4)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*5)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④一般送配電事業者等(*6)のオフテイカー(*7)による電力小売又は電力需要家の各分野に大別されます。
上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期にわたる発電及び売電に関与するため、一般的に複数年にわたり安定的に収益を享受します。
当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期にわたる発電所の所有、当該発電所による売電と環境価値の販売(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。
(*3)AM事業者:
発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。
(*4)EPC事業者:
発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。
(*5)O&M事業者:
発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。
(*6)一般送配電事業者等
電気事業法第2条第17項における一般送配電事業者又は小売電気事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。
(*7)オフテイカー
事業会社が生み出すサービス(当社グループのSPCの場合は電力)を購入する者(引き取り手)のことを指しています。
(国内外における当社グループの事業領域)
(2) 再生可能エネルギー発電事業
2024年3月末現在、「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有・運営する再生可能エネルギー発電所が発電した電力及び当該電力由来の環境価値を、FIT制度、FIP制度、又は売電契約に則り、オフテイカーに販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期にわたり所有し、当該発電所が発電した電力や当該電力由来の環境価値の販売収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT制度や売電契約に則った売電については、制度や契約等に基づき所定の買取期間にわたり売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。
2024年3月末現在、当社グループは、大型太陽光発電に関しては連結子会社12社、小規模分散型太陽光発電に関しては連結子会社1社、バイオマス発電に関しては連結子会社5社、陸上風力発電に関しては持分法適用会社3社、地熱発電に関しては持分法適用会社1社にて発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。
(運転中の太陽光発電所一覧)(2024年3月31日時点)
(注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。
2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。
3. 当社は、2022年4月に四日市ソーラー匿名組合事業の出資持分の一部を譲渡し連結対象及び持分法適用対象外としました。
(運転中のバイオマス発電所一覧)(2024年3月31日時点)
(注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。
2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。
3.バイオマス発電事業の買取価格は、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWh、一般木質等バイオマスが24円/kWhです。
4.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。
5.徳島津田バイオマス発電所合同会社の配当比率は、70.4%です。
6.合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの配当比率は、62.93%です。
(運転中の陸上風力発電所一覧)(2024年3月31日時点)
(注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。
(運転中の地熱発電所一覧)(2024年3月31日時点)
(注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。
(3) 再生可能エネルギー開発・運営事業
「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、デベロッパーとして、新しい発電所や蓄電所等の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所及び蓄電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。
当社グループの一般的な再生可能エネルギー発電所の事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*8)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結(EPC契約)(*9)等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気及び環境価値をオフテイカーに販売し、売電及び環境価値の販売から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、原則として、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関しては、太陽光発電及び陸上風力発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社又は当社グループのAM事業者が行います。
(再生可能エネルギー発電所の事業開発・運営スキームの例示)
(*8)SPC:
特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、また、プロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。
(*9)EPC契約:
発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者との契約を指します。
「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*10))、配当・匿名組合分配益(*11)、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*12))を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化します。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。
(*10)運営管理報酬:
発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間にわたり支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。
(*11)配当・匿名組合分配益:
「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社又は合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されます。
また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されます。
なお、これら「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。
(*12)事業開発報酬:
再生可能エネルギー発電所に係る事業用地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等のマイルストーンの達成をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。
(当社グループのセグメント間取引の例示)
(事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)
再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「用地開拓」、事業用地の確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、「電力需要家開拓」、「売電先協議」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「用地開拓」から「工事」までにおける、事業設計やエンジニアリング業務、売電先との協議、協力業者や資金調達先の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。
(再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)
(注) 上記は開発プロセスの代表的な例示であり、国・地域、電源種、各案件の個別要因等によって異なる場合があります。
「用地開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。また、電力需要家の開拓にも取り組んでいます。
一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・エンジニアリング、電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力、地熱及び水力事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間にわたる風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。水力事業においては、流況調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*13)を本格的に実施して開発を推進します。なお、Non-FIT発電事業においては売電契約締結に向け、売電先との協議も並行して進めていきます。
当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。
「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2024年3月末時点までに累計約4,000億円超のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結等に伴い発生します。また、この段階で同時に売電契約の締結も行います。
「資金調達」、「売電契約締結」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期にわたり発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期にわたる事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。
(*13)環境アセスメント:
1997年6月に制定された国内における環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。なお、海外の事業においては、各国及び各自治体の基準に則り環境影響評価を行います。
国内の環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。
(開発中の事業)
当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約を締結した「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。
なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。
(注)国・地域による規制の相違、電源種による開発プロセスや事業性確保に向けた条件の相違、及び各事業の個別要因等により、事業の分類の判断基準が上記と必ずしも一致しない場合があります。
(開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2024年3月31日時点)
(注) 1.太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。また、バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。
2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。
3.バイオマス発電事業の買取価格は、一般木質等バイオマスが24円/kWh、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWhです。
4.当社は御前崎港バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2024年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率18.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は56.0%(配当比率は75.0%)となります。なお、当発電所の竣工は2024年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。
5. 当社は唐津バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2024年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率16.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%となります。なお、当発電所の竣工は2024年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。
6.フィリピン共和国イフガオ省キアンガンにおけるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONの買取価格は、小水力発電に関するFIT対象枠の残存期間中に運転開始した場合の想定FIT単価です。
7.上記6事業のうち、「共同推進」事業であるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATION、福島復興風力合同会社及び姫路蓄電池匿名組合事業における事業以外の事業は「当社主導」事業です。
(開発中の事業一覧 ③先行投資事業)(2024年3月31日時点)
(注)1.先行投資事業の一覧表は、2024年3月31日現在において、一般公知となった代表的な事業に限定したものであり、このほかに開発中の未公表事業があります。
2.地熱発電に関しては、地熱資源調査を実施しており、JOGMEC(独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構)による地熱資源開発調査事業に採択されています。
この他、当社は太陽光発電、バイオマス発電、陸上・洋上風力発電、地熱発電、水力発電及び蓄電所等の種別毎に専属チームを組織し、国内外で複数事業の事業開発を進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。
本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
(事業の主な系統図)
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析、検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規則によりIFRSに準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しています。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
なお、再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要性がある会計方針、会計上の見積り及び判断は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」、「2 作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用」に記載しています。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの「再生可能エネルギー発電事業」においては、運転開始済みの太陽光発電所、バイオマス発電所、陸上風力発電所及び地熱発電所(合計設備容量約830.7MW)はいずれも設備の大きなトラブル等なく、発電量が順調に推移しました。2023年6月に人吉ソーラー匿名組合事業(出力20.8MW。発電端出力ベースの発電容量)、2023年11月に合同会社杜の都バイオマスエナジー(出力74.95MW。発電端出力ベースの発電容量)、2023年12月に徳島津田バイオマス発電所(出力74.8MW。発電端出力ベースの発電容量)、2024年3月に合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー(出力74.95MW。発電端出力ベースの発電容量)が営業運転を開始、さらにNon-FIT(法人間のPPA、FIP等)による小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加しました。また、人吉ソーラー匿名組合事業に関しては、2023年5月31日に「匿名組合出資持分等の譲渡に関する確認書」に基づき、共同スポンサーが保有する匿名組合出資持分を買い増す権利を行使したため、当社の出資比率は100%となりました。さらに、2023年12月には、当社の持分法適用会社であった合同会社杜の都バイオマスエナジーの出資持分を追加取得(出資比率60.0%)、2024年3月には同じく当社の持分法適用会社であった合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの出資持分を追加取得(出資比率51.0%)し、当社の連結子会社としました。なお、当社の連結子会社であるユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社が保有・運営する秋田バイオマス発電所は、発電事業の収益性を向上させる観点から2023年9月1日よりFIP制度を活用し、小売電気事業者への長期価格固定契約に基づく売電を開始しました。また、2024年3月の運転開始に向けて試運転を進めていた合同会社御前崎港バイオマスエナジーは長期間の安定稼働に向けたボイラ・タービン設備の最終調整に時間を要しているため、営業運転開始時期を2024年7月中(予定)に変更しました。
なお、当連結会計年度において行われた出力抑制により、九重ソーラー匿名組合事業が43日(計292.5時間)、大津ソーラー匿名組合事業が41日(計301.5時間)、軽米西ソーラー匿名組合事業が1日(計6.0時間)、軽米東ソーラー匿名組合事業が1日(計6.0時間)、軽米尊坊ソーラー匿名組合事業が2日(計8.5時間)、株式会社菊川石山ソーラーが1日(計8.0時間)、株式会社菊川堀之内谷ソーラーが1日(計8.0時間)、四日市ソーラー匿名組合事業が1日(計8.0時間)、人吉ソーラー匿名組合事業が85日(計374.0時間)稼働を停止しました。また、ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社が11日(計78.0時間)の出力抑制(送電端において定格出力の75%に抑制)、苅田バイオマスエナジー株式会社が178日(計1,074.0時間)、合同会社杜の都バイオマスエナジーが3日(計14.0時間)、徳島津田バイオマス発電所合同会社が9日(計32.0時間)の出力抑制(送電端において定格出力の80%に抑制)に対応しましたが、これに伴う当社グループの逸失発電量は当社の計画の範囲内です。
「再生可能エネルギー開発・運営事業」においては、引き続き、国内外の新たな発電所・蓄電所の建設及び開発が進捗しています。
2023年6月に、当社グループとして初の系統用蓄電池事業となる姫路蓄電池匿名組合事業(持分法適用会社)の営業者である合同会社姫路蓄電所において、金融機関との間で融資関連契約を締結し、2023年8月に建設を開始しました。また、Non-FIT(法人間のPPA、FIP等)による再生可能エネルギー発電事業においては、RE100に取り組む企業や小売り電気事業者等との間でコーポレートPPAの締結が進捗しています。当社が新たに開発する太陽光発電所において発電した電力に付随する非FIT非化石価値証書に関し、2023年5月に株式会社村田製作所に対して最大約115MW、2023年8月及び2024年2月に株式会社大塚商会に対して最大計約22MWを固定価格で直接販売する環境価値売買契約をそれぞれ締結しました。さらに2023年6月に鈴与商事株式会社に対して最大約2MW、2023年12月には東邦ガス株式会社に対して最大10MW、いずれも期間20年の固定価格で直接販売する電力販売契約をそれぞれ締結しました。これらの契約により、当社のNon-FIT太陽光によるコーポレートPPAの契約設備容量は合計で171MWとなりました。加えて、建設着工済み又は運転開始済みの発電所SPCからの定常的な運営管理報酬及び配当・匿名組合分配益を享受しています。なお、当社子会社であるRENOVA RENEWABLES PHILIPPINES 1 PTE.LTD.を通じて、共同スポンサーと事業を推進し2021年4月より建設を進めてきたキアンガン水力発電事業は、設計変更に伴い事業規模を縮小し、設備容量を17.4MWから8.3MWに変更したため、当社子会社が出資する持分に関して全額の損失を計上しました。この他、2023年12月には、米国で太陽光発電や系統用蓄電池等の開発・運営を手掛けるPathway Power Holdings LLC(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ)の総額25百万米ドルの転換社債(Convertible Note)を引き受ける契約を締結しました。さらに、2024年4月1日の当社取締役会において、東京瓦斯株式会社(以下「東京ガス」といいます。)との間で資本業務提携契約を締結すること、及び東京ガスに対する第三者割当による新株式の発行を行うことについて決議し、2024年4月17日に払込手続きが完了いたしました。なお、ロシアによるウクライナ侵攻以降、資源価格・電力市場価格が高騰しました。足もとでは価格高騰に一定の落ち着きが見られる一方、バイオマス燃料は従前対比で高い水準で推移しており、当連結会計年度においてはバイオマス発電事業における燃料費の増加を通じて収益性への影響がありました。
これらの結果を受けた、当連結会計年度における経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.EBITDA=売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益+その他の収益・費用
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△459百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電事業SPCが保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益
累計額が消去された影響
2.EBITDAマージン=EBITDA/売上収益
3.EBITDAはNon-GAAP指標です。
4.前第4四半期連結会計期間より、徳島津田バイオマス発電所合同会社が試運転を開始しました。
5.第1四半期連結会計期間より、人吉ソーラー匿名組合事業が運転を開始しました。
6.第3四半期連結会計期間より、徳島津田バイオマス発電所合同会社が運転を開始しました。
7.第3四半期連結会計期間より、合同会社杜の都バイオマスエナジーが運転を開始しました。
セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高等を含めて表示しています。また、セグメント利益は、EBITDAにて表示しています。再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の償却費の割合が大きい傾向にあります。当社グループでは、一過性の償却費負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指すべく、株式価値の向上に努めています。そのため、業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。
(報告セグメントごとの売上収益)
(単位:百万円)
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(報告セグメントごとの利益又は損失)
(単位:百万円)
(注)セグメント利益は、売上収益から燃料費、外注費、人件費を差し引き、持分法による投資損益、並びにその他の収益・費用を加算したEBITDA(Non-GAAP指標)にて表示しています。
燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△459百万円です。
・当社が企業結合したバイオマス発電事業SPCが保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額
が消去された影響
(3) 財政状態の分析
当社グループでは、資本効率を向上させながら再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期の借入れを活用しています。また、財務健全性を適切にモニタリングする観点から、保有する資産の実態的な価値を把握するほか、資本比率や親会社所有者帰属持分比率、純有利子負債とEBITDAの倍率(純有利子負債/EBITDA倍率)等の指標を重視しています。
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加及び当社子会社及び関連会社が保有する為替予約の公正価値変動によるその他の資本の構成要素の増加等により、当連結会計年度末の資本比率は22.7%(前連結会計年度末は21.3%)、親会社所有者帰属持分比率は14.6%(前連結会計年度末は14.2%)となりました。また、純有利子負債/EBITDA倍率(純有利子負債と直近の12ヶ月間に計上したEBITDAの倍率。なお、純有利子負債は、借入金及び社債、リース負債、並びにその他の金融負債に含まれる金融負債の合計から、現金及び現金同等物並びに引出制限付預金を差し引いた金額と定義)は、合同会社杜の都バイオマスエナジー及び合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの連結化による純有利子負債の増加等により、14.4倍(前連結会計年度末は8.7倍)となりました。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ162,022百万円増加し、465,399百万円となりました。
主な増減要因は、合同会社杜の都バイオマスエナジーの運転開始及び連結化に伴う有形固定資産の増加(+41,424百万円)、徳島津田バイオマス発電所合同会社の運転開始に伴う有形固定資産の増加(+8,679百万円)、合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの運転開始及び連結化に伴う有形固定資産の増加(+30,673百万円)並びに連結子会社保有の金利スワップ及び為替予約の公正価値変動等によるその他の金融資産(非流動)の増加(+56,828百万円)です。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ121,055百万円増加し、359,701百万円となりました。
主な増減要因は、合同会社杜の都バイオマスエナジーの運転開始及び連結化に伴う長期借入金の増加(+54,064百万円)、合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの運転開始及び連結化に伴う長期借入金の増加(+38,775百万円)、主に合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーにおける固定資産の検収に伴う営業債務及びその他の債務の増加(+4,157百万円)並びに連結子会社が保有する金利スワップ及び為替予約の公正価値変動等による繰延税金負債の増加(+9,798百万円)です。
(資本の部)
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ40,966百万円増加し、105,698百万円となりました。
主な増減要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加(+8,857百万円)、連結子会社及び関連会社が保有する金利スワップ及び為替予約の公正価値変動を主要因とするその他の資本の構成要素の増加(+16,171百万円)、合同会社杜の都バイオマスエナジー及び合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの連結化等による非支配持分の増加(+15,915百万円)です。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して4,043百万円減少し、17,327百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、18,732百万円の収入(前年同期は10,132百万円の収入)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、「再生可能エネルギー発電事業」における売電先からの売電収入及びバイオマス発電事業における完工遅延損害金の受領、「再生可能エネルギー開発・運営事業」における前連結会計年度に計上した事業開発報酬の回収です。主なキャッシュ・アウト・フローは、「再生可能エネルギー発電事業」における発電設備の維持管理費用、事業用地の賃借料、各種税金、バイオマス燃料の仕入及び「再生可能エネルギー開発・運営事業」における開発支出(人件費等を含む)です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、24,354百万円の支出(前年同期は9,334百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・アウト・フローは、主にバイオマス発電所における有形固定資産の取得による支出15,785百万円、子会社の取得による支出2,905百万円、投資有価証券の取得による支出2,835百万円及び持分法で会計処理されている投資の取得に係る支出2,434百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,384百万円の収入(前年同期は3,028百万円の収入)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、主に当社及びバイオマス発電所における長期借入れの実行による収入31,630百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、長期借入金の返済による支出16,752百万円及び非支配株主への配当金の支払1,431百万円、及び引出制限付預金の増加11,534百万円です。
セグメント情報
4.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎として決定されています。当社グループは太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電といった再生可能エネルギー発電所を操業することで売電事業を展開する「再生可能エネルギー発電事業」と新たな再生可能エネルギー発電所の設立・開発・開業に至るまでの支援・開業後の運営支援を行う「再生可能エネルギー開発・運営事業」を展開しています。
(2) 報告セグメントごとの売上収益、セグメント利益、資産その他の項目の金額に関する情報
報告セグメントの会計処理の方法は、「注記3 重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同一です。報告セグメントの利益は、売上収益から燃料費、外注費、人件費を差し引き、持分法による投資損益、並びにその他の収益・費用を加算したEBITDA(Non-GAAP指標)にて表示しています。なお、燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、当社が企業結合したバイオマス発電事業SPCが保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響額を調整しています。
当社グループでは資産管理について「再生可能エネルギー発電事業」と「再生可能エネルギー開発・運営事業」ともに同様の管理を行っているため、報告セグメント毎の分割をせず、一体で管理しています。そのため、資産の報告セグメント情報の記載を省略しています。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注1) セグメント利益の調整額△2,462百万円には、セグメント間取引消去が含まれています。
(注2) セグメント間の売上収益は実勢価格に基づいています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注1) セグメント利益(△損失)の調整額△2,044百万円には、セグメント間取引消去が含まれています。
(注2) セグメント間の売上収益は実勢価格に基づいています。
(3) 地域に関する情報
① 売上収益
本邦以外の外部顧客への売上収益がないため、該当事項はありません。
② 非流動資産
本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の金額の大半を占めるため、記載を省略しています。
(4) 主要な顧客に関する情報
連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりです。