2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)劇場用映画の興行成績に関するリスク

映画事業は上映する作品の集客力により興行成績が大きく左右される側面があります。映画ファンの嗜好も多様化している現在、作品のジャンルにとらわれることなく、劇場の立地・特性も考慮し、選択可能な作品の中からより集客力が見込め、かつ劇場の雰囲気に見合った作品をいかに選択していくかが番組編成の大きなテーマとなっております。また、映画配給事業においても、作品の公開状況や配給成績等が当初の計画と乖離した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)自然災害等の発生によるリスク

当社グループは、映画事業、不動産事業、自動車教習事業、商事事業等の事業を営んでおり、地震・台風等の自然災害や火災、事故等が発生した場合には、各設備の損害や人的被害、事業活動継続への影響を通じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。お客様及び従業員の安全を第一に、防火防災訓練の実施等、防火防災管理体制を整備しています。

 

(3)経済状況・消費動向に関するリスク

当社グループは、各事業において主に個人顧客を対象とした事業活動を行っております。したがって、景気の悪化等による消費低迷が続いた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、自動車教習事業においては、社会情勢の変化により原油価格が高騰した場合、燃料費が増加するリスクがあります。経済状況・消費動向の影響をできるかぎり最小限に抑えるため、セグメント毎の財務の安定化を図り、バランスの取れた経営を目指してまいります。

 

(4)不動産賃貸に関するリスク

不動産賃貸事業においては、入居テナントの経営悪化による撤退や賃料の減少により、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。また、設備の老朽化等に起因する維持管理費用の増加や新たな設備投資が財務面に与える影響、地震等の自然災害による損害の発生や予期せぬ事故・賃貸物件の契約不適合による信用力の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。テナントビル等のプロパティ・マネジメントや入居テナントの動向に細心の注意を払い、状況に応じた対策を早期に実施してまいります。

 

(5)人材の確保及び育成に関するリスク

当社グループの持続的成長のためには人材の確保及び育成が必要となりますが、必要な人材の確保が困難な場合や人件費が急激に上昇した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。適切な労務管理や人事制度の見直し等を通じ、従業員が働きやすい職場環境づくりに努めるとともに、アルバイトの正社員登用や柔軟な採用活動により人材確保に努めてまいります。

 

(6)感染症拡大によるリスク

感染症の拡大は、個人消費の抑制や自治体からの休業要請等を通じ、当社グループの各事業活動に影響を及ぼす可能性があります。感染拡大を前提とした社会とその価値観の変化に対応するとともに、お客様と従業員の安全を第一に、政府や自治体の要請を踏まえた取り組みを行いながら、各事業セグメントの継続と収益の確保に努めてまいります。

 

(7)継続企業の前提に関する事象等

当社は、単体決算において継続して営業損失を計上しているため、継続企業の前提に疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。このような状況を解消するために当社グループは、「1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」に記載の取り組みを進めてまいります。また、資金面においては、当事業年度末において当社単体で2億円以上、更にグループ全体では7億円以上の現預金を保有していることから必要な運転資金を確保しており、仮に次年度の営業利益がマイナスであっても当面の資金繰り懸念は存在しないことに加えて、当社グループは連結決算において継続的に営業利益を計上しております。以上を踏まえ、継続企業の前提に関する不確実性は認められないと判断しております。

 

 

配当政策

 

3 【配当政策】

 

 当社は、株主の皆様への利益還元を課題とする一方、経営体質の強化と将来の事業展開に向けた一定の内部留保も重要であるものと考えております。
 今後の方針といたしましては、経営の基盤である不動産賃貸事業における収益の堅持、また、映画事業では集客力のある映画をこれまで以上に上映するとともに、映画の自社買付配給事業で成果を上げることで映画興行事業との相乗効果をあげることをひとつの目標とし、全社一丸となって各事業部門の強化と復配を目指してまいりますが、将来にわたって安定した配当を行うためには、映画事業の安定的な収益確保が重要となります。現状におきましては、映画事業の収益確保や不動産事業の展望等、将来の確実な内部留保の見通しを見極める段階に至っておらず、中期事業計画は公表を差し控えている状況であります。従いまして、復配の時期についてもその見極めが前提として必要となることから、当期の配当・次期の配当予想につきましては、無配とさせていただきたく存じます。
 引き続き今後も、将来の安定的な利益配分に向けて経営の全力を傾注してまいります。

 なお、毎事業年度における配当の回数につきましては、中間及び期末の年2回を基本的な方針としており、中間配当の決定機関は取締役会、期末配当の決定機関は株主総会であります。

 また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。