リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の経営成績、財政状況、キャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、リスクを適切に認識し、損失の発生の未然防止に努めるために、「リスク管理規程」を制定しております。同規程に基づき「主要リスク一覧表」を定め、主要なリスクを認識のうえ、未然防止対策を講じたり、発生した際のマニュアルを作成する等万全を期しております。とりわけ、経営ないし各事業の存続に重大な影響を与えるリスクを「トップリスク」と位置づけ、対応方針、対応具体策を策定(Plan)、実践(Do)し、取締役会への四半期毎の報告と本社によるモニタリング(Check)を行い、それを踏まえた対策(Action)を講じるPDCAサイクルを実施しております。
また、重大事故を未然に防ぐ観点から、KRI(Key Risk Indicator:重要リスク管理指標)を設定し、月次でモニタリングする体制を構築・実施しております。
2021年10月には、取締役会の任意の諮問機関としてリスク委員会を設置いたしました。リスク委員会は、取締役会の決議によって選定された取締役3名(うち社外取締役2名)、社外監査役2名の委員により構成されており、社外取締役が議長(委員長)を務めます。リスク委員会では、当社を取り巻く環境・リスクを認識し、当社の適切なリスクテイクを支える助言を取締役会に答申しております。
(1)全社的リスク
①地震・風水害等大規模災害について
当社の各事業所において、地震や台風などの自然災害、火事・テロなどの事件・事故など、突発的かつ甚大な災害が発生した場合には、長期間の事業停止などにより、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は「緊急事態発生時の取扱要領」を整備し、従業員及びその家族、ならびにお客様、お得意先、関係先の人命保護を最優先に考えるとともに、「事業継続計画(BCP)」を策定し、早急な対策本部の立上げにより、早期に事業活動を復旧できる体制の構築に努めています。
②新型ウイルス等による感染症について
対処法が確立されていない新型ウイルス等による感染症の大規模な拡大により、当社社員の集団感染等大きな影響が生じた場合には、当社の事業および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社では在宅勤務、時差出勤等の勤務体制の柔軟化、また厚生労働省や各自治体の指針に準拠した適切な感染防止策の取り組みを行っております。
新型コロナウイルス感染症については、5類感染症に移行となり、ウィズコロナ・アフターコロナに向けた経済活動が着実に進んでいる中、こうした変化する経営環境においても柔軟且つ適切に対応し、勝ち残れる経営基盤を構築することに努めています。
③サイバーリスク・システムリスクについて
当社では事業全般にわたり情報システムを活用しております。当社においては情報システムを適切に運営するため、規程類の整備や社員教育、セキュリティ対策等を実施しております。しかしながら、停電、災害、システム機器の故障、コンピューターウイルスの感染、不正アクセス等不測の事態により、情報システムの停止、個人情報、内部情報の消失、漏えい、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、社会的信用の失墜や、事業活動の停止により当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対しては、重要データのバックアップ、脆弱性対応の強化を行うとともに、従業員へのリスクに対する教育の徹底や標的型攻撃メール対応訓練を実施しております。
④個人情報保護について
当社は、保有している個人情報については、各種法令諸規則等に基づく適切な取扱いに務め、社内管理体制を整備し、厳重に管理を行っております。
しかしながら、人為的ミス、内部不正等によりお客様の情報等の重要な情報が漏えいした場合は、被害を受けたお客様への補償等が必要となったり、当社の信用が低下・失墜することにより、業務運営や業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、情報管理に関する方針・規程等の策定、社員教育、社内検査体制整備を行い、情報漏えいの防止に努めております。
⑤不正・不祥事について
役員・従業員の不正・不祥事が生じた場合には、お客さまへの補償や当社の信用失墜等により、当社の業務運営、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、「経営理念」「行動指針」及び「コンプライアンス規程」を策定し、役員・従業員に周知・徹底し、定期的な研修を実施することで企業倫理の向上に努めています。また、社内検査や内部通報窓口の設置等により、不正・不祥事の未然防止・早期発見できる体制を整えています。
また2024年9月期より、トップリスクに「環境(気候変動)リスク」を加え、各事業での取組みを全社レベルでフォローし、PDCAサイクルを実践していきます。これは気候変動などの環境問題に対する取り組みは企業に求められている社会的使命であり、特に当社では””をコンセプトとする千本松牧場事業、美しい景観を誇るゴルフ事業など、当社のビジネスにおいて美しい自然環境はかけがえのない財産であることから、この財産を毀損されるリスクを当社のトップリスクとして捉え、これを守るための取り組みを全社レベルでフォローしていくものです。
(2)事業部毎のリスク
当社は4つの異なる事業を営んでおります。各事業の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると思われる事項について記載いたします。
①保険事業
少子高齢化等社会環境の変化、景気動向等により保険市場が縮小する一方、銀行の窓口販売の拡大や保険会社の再編もあり、代理店収益が圧迫される等の影響があります。また個人情報の流出事故や保険業法違反等コンプライアンス面の問題が起きれば、信用低下を招き業績悪化に繋がるリスクがあります。
当社では業務品質の向上を追求し続け、お客様に最適なリスクソリューションの提案を行い、事業・生活に関するリスク管理パートナーとしての信頼と評価をいただくことで、持続的な成長を実現するよう努めております。またコンプライアンス面では問題発生時の原因究明・再発防止策の策定と実践、事業部内検査や月次チェックの実施とフィードバックなど管理体制を構築するとともに、従業員への教育・研修を通して個人情報保護の重要性や保険業法他関連業法の遵守の認識を徹底することに努めています。
②不動産事業
賃貸物件の需給関係、景況の変化及びビルグレードが空室率や賃料に影響を及ぼし、事業収益に影響します。また、多様化するテナントニーズに的確に対応できるかどうかが、空室率に影響します。老朽化によるビルグレードの低下や災害等による毀損が発生すれば、事業収益が大幅に圧迫されるリスクがあります。
当社では、所有ビルの中長期的な修繕計画や定期的なメンテナンスの励行により賃貸物件の品質維持・向上に努めております。
③千本松牧場事業
人口構成や消費者の嗜好変化、景気動向、消費者マインドの変化が業績に影響します。また、大規模な自然災害や事故のほか、雪・雨風・気温等の気候条件、特に夏休み等の繁忙期、土日祝日の天候が千本松牧場への来場者数に影響し、業績が左右される可能性があります。
a.家畜伝染病について
当社の千本松牧場事業の酪農部門では、乳牛の伝染性疾患などは、飼育している乳牛の廃棄などを行うことによって安定的な生乳の供給が困難となり業績に悪影響を与えるリスクがあります。
当社では土・牧草づくりから始まる良好な自給飼料、快適な飼育環境を維持し、安心・安全な生乳の供給に努めております。加えて定期的な検査、予防接種の実施、牛舎、搾乳場などの衛生管理区域の消毒、牛床の衛生管理の徹底などにより伝染病発生の防止に努めております。
b.異物混入について
当社の千本松牧場事業の乳製品製造部門では、万一製造工程の中で健康に影響を及ぼす物質の混入等により品質問題・健康問題が発生した場合には、製品の廃棄・回収コストの発生、安全性が確保されるまでの工場の操業停止、お客様からの信用低下などにより、業績に悪影響を与えるリスクがあります。
当社ではHACCP(ハサップ:食品製造の安全性確保の管理手法)の手法を取り入れ、生産設備の衛生管理や製造工程の順守チェックの徹底や、定期的な点検等により食の安全性の確保に努めております。
c.食中毒リスク
当社の千本松牧場事業の飲食・販売部門では、万一食中毒、異物混入等の品質問題が発生した場合には、営業停止あるいは風評悪化等により、業績に悪影響を与えるリスクがあります。
当社では食品衛生法の規定に基づき、必要な営業許可等を取得し、食材の期限管理を始めとする安全・安心のための食品衛生管理ルールの策定と実践、衛生に関する社内研修の実施、食品衛生管理の外部専門家による指導などの食品衛生管理の徹底など、提供する食品の安全性確保に努めております。
d.施設不具合について
当社の千本松牧場事業の各施設、アミューズメント遊具の老朽化等による不測の事故・不具合や自然災害等により、万一お客さまが重大事故に遭遇する事態が発生した場合や施設・設備の毀損による事業停止が生じた場合には、補償問題への対応、風評悪化等により、業績に悪影響を与えるリスクがあります。
当社では、中長期的な修繕計画や定期的なメンテナンスの励行により各設備の品質維持・向上に努めております。
④ゴルフ事業
施設の老朽化による不測の事故・不具合や自然災害等により、ゴルフ場の営業中断の事態が発生した場合、信用の毀損、ご来場者数の減少に繋がり、業績に悪影響を与えるリスクがあります。また、景気動向や天候がご来場者数に影響し、業績が左右される可能性があります。
当社では各施設の定期的な点検・修繕・メンテナンスにより、快適なコースコンディションの提供や清潔で管理の行き届いたクラブハウスの運営に努めております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の重要政策として認識し、業績の状況、取り巻く環境及び中長期を展望した財務体質を勘案し、継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としております。
当社は年1回、期末配当として剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
期末配当の決定機関は株主総会であります。
また、当社は株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって毎年3月31日を基準日として、会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
上記の基本方針を踏まえ、当事業年度の配当につきましては、1株当たり60円の期末配当を実施することを決定いたしました。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年12月22日 |
83,765 |
60 |
定時株主総会決議 |