2023年12月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクについては、主に以下のようなものがあります。

① 経営環境の変化に係るリスクについて

 当社グループの国内における主たる事業はホテル・旅館等の宿泊施設の運営を中核とする宿泊事業であります。当社グループの宿泊事業については、訪日外国人旅行者の増加による顧客ニーズの多様化に的確に応えることにより収益の向上に努めております。国内外の政治・経済の情勢の変化による訪日外国人旅行者への影響、民泊事業者による宿泊市場への新規参入、近年の雇用・労働法制の変化により宿泊施設の運営に影響を及ぼす可能性があります。また、その他投資事業においては、市場の需給バランス等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 災害・事故におけるリスクについて

 当社グループの宿泊事業については、大規模地震・火災など自然災害・事故等により国内事業所の営業継続に影響を及ぼす可能性があります。

③ 資産価値の変動に係るリスクについて

 当社グループは、事業上必要な不動産(事業用及び販売用)を保有しているため、地価の動向および対象となる不動産の収益状況により、資産価値が低下し評価減が必要となった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 株価変動に係るリスクについて

 当社グループは、その他投資事業を営んでいるため、当社グループに悪影響を及ぼす市場動向や急激な変動がみられた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 海外投資に係るリスクについて

 当社グループは、海外での事業を現地通貨建で取引しているため、大幅な為替相場の変動があった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 東南アジア他成長が見込める一部の海外市場で事業展開を行っておりますが、海外各国において予期しえない政治・経済・法制度等の変化や社会的混乱、自然災害等といった事態が発生した場合、投下資本を回収できないおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 法的規制に関するリスクについて

 当社グループの宿泊事業は、「旅館業法」「個人情報保護法」等による法規制をうけており、今後、これら規制・基準等の変更ならびにそれらによって発生する事態が当社グループの業績及び風評等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 新型コロナウイルス等感染症の拡大

 世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、わが国の経済環境は激変するとともに、多くの企業の事業運営に少なからず影響を与えております。当社グループにおきましても、今後の事業運営上、業績に一定の影響を与える可能性があります。また、今後の温暖化により、デング熱、マラリア等の流行の可能性があります。

⑧ 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、当連結会計年度において世界的な新型コロナウイルス感染症からの回復が見られたものの、通期において完全に回復するまでには至らず、営業損失93百万円、経常損失195百万円、親会社株主に帰属する当期純損失149百万円を計上しました。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行されるなどの進展がある一方で、ウクライナ情勢に起因する物価上昇や人員不足などにより景気の先行きは不透明であり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 当社は、当該状況を解消すべく、2020年7月に当社グループが保有する賃貸不動産を、2023年3月に当社が保有する固定資産を売却したほか、2023年9月には銀座・浅草のホテル取得に関わる借入金41億円の借換えを実施するなど金融機関との良好な関係を維持しております。また、今後の営業施策として、宿泊部門ではインバウンド需要の取り込みと販売価格の向上を図り、料飲・宴会部門では新規顧客と法人需要の獲得に注力し、加えて運営の効率化とコスト削減に努めております。その他投資事業におきましても、マレーシアにおける霊園事業につきましては、積極的な営業活動をすることにより、事業活動の成長に努めてまいります。

 以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要課題のひとつと位置付け、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を勘案のうえ、安定した配当政策を実施することを基本方針としております。

 また、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定め、当社の剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本的な方針としております。

 なお、配当の決定機関はそれぞれ、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。

 当期の剰余金の配当につきましては、業績の向上に鋭意努めてまいりましたが、当期の業績を勘案した結果、誠に不本意ではございますが、無配といたしました。

 内部留保金の使途につきましては、今後の業容拡大のため、主として宿泊事業に投入していく考えでございます。