2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)主要なリスク

① 景気、海外情勢等

当社グループは、宿泊、宴会、婚礼、食堂等の事業を中心に展開しておりますが、一般消費者の消費動向や企業の業績動向の他、国家間の関係悪化、テロ、自然災害、流行疾患等の影響が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

その程度については、当該事象の内容により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、2011年に東日本大震災、2019年に日韓関係の悪化、2020年に新型コロナウイルス感染症等が発生しております。 

当該リスクへの対応については、リスク管理委員会を設置し、各種リスクの分析と評価を行うとともに、対策マニュアルやBCPを策定しております。また、実際に自然災害等のリスクが顕在化した場合は、速やかに対策本部を立ち上げ、対応する体制を整備しております。

 

② 食品の安全性及び表示

当社グループは、食事の提供と食品の販売を行っており、食品の安全性及び消費・賞味期限、産地、原材料等の表示については日頃より十分な注意を払っておりますが、食中毒あるいは誤表示等、食の安全に対する信頼を損なう事態が生じた場合、信用の失墜から、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

その程度については、当該事象の内容により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、近年において開示及び当局への届出を余儀なくされる事態が数件発生しております。

当該リスクへの対応については、社内に安全衛生管理室を設置し、衛生管理マニュアル等の整備を通じて「食品衛生法」「JAS法」「景品表示法」等の法令遵守の徹底を図るとともに、定期的な衛生検査、メニュー表示チェック等を実施し、食中毒の未然防止、食品検査の充実、メニュー・食品表示の明確化等に努めております。

 

③ 個人情報の管理

当社グループは、顧客等の個人情報を保有しており、社内教育を通じて個人情報管理体制の強化を図る等、その管理は厳重に行っておりますが、万一個人情報が漏洩した場合、信用の失墜から、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクが顕在化する可能性及びその程度については、当該事象の状況により様々であると認識しております。

当該リスクへの対応については、「個人情報保護法」の趣旨に則り、社内規程の整備、情報システムのセキュリティ向上、従業員教育の充実等により、管理体制の強化に努めるとともに、保険を付保することによって業績への影響に備えております。

 

④ 労務関連

当社グループは、多くのパートタイム従業員を雇用しており、今後、社会保険や労働条件等の労務環境に変化がある場合、人件費の増加から、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、パートタイム以外の従業員の処遇等についても、関連法令や労務環境に変化がある場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

その程度については、当該事象の状況により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、近年各種保険料率は上昇傾向にあり、多少なりとも影響が生じております。

当該リスクへの対応については、「人事運営の改革」を重要戦略の1つとして掲げ、従業員のモチベーションの向上や労働環境の整備等を進めております。

 

 

⑤ 施設の毀損、劣化等

当社グループは、事業用に相応の固定資産を所有しており、火災、台風、地震等の災害により施設の毀損、劣化等の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

その程度については、当該事象の状況により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、2018年に台風21号により修繕を必要とする建物被害が発生しております。

当該リスクへの対応については、計画的に建物・設備の点検・補修を行い、耐震補強等の防災対策工事を推進するとともに、保険を付保して業績への影響に備えております。

 

⑥ 財務関連

a.減損会計

当社グループは、事業用に相応の固定資産を所有しており、将来における地価の動向や収益状況によっては、減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

その程度については、当該事象の状況により様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、当連結会計年度、東京都新宿区のホテルの資産グループにおいて、回収可能価額にまで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

当該リスクへの対応については、設備投資計画時に資産性を慎重に判断したうえで、将来キャッシュ・フローが十分に見込まれる事業用固定資産を計上するように努めております。

 

b.投融資

当社グループは、国内各地でホテル展開を行っており、投融資先の個別ホテルの業績動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

その程度については、投融資先の個別ホテルにより様々であると認識しております。なお、当該リスクが顕在化する可能性については、新型コロナウイルス感染症の影響からの持ち直しの動きがみられるため、当該リスクは高くないと認識しております。

当該リスクへの対応については、投融資先の個別ホテルに対する運営指導を徹底し、業績の向上に努めております。

 

(2)リスクへの取り組み

当社グループは、リスク管理を体系的に規定する「リスク管理規程」に基づき、取締役常務執行役員浅沼吉正を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、リスク管理体制の整備・運用を行っております。

当連結会計年度も、「リスク管理委員会」においては、経営層、部門長、全従業員の3ルートから、アンケート・ヒアリング等により、当社グループ内のリスクを収集し、発生可能性と重要度の観点から評価・分析しました。そのうえで、各所管部署にフィードバックを行い、各所管部署における対応策の検討状況をモニタリングするとともに、特に重要なリスクに関しては、リスク管理委員会が所管部署と協働して、対策推進に取り組んでおります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題と考え、安定配当を行うことを基本方針としております。

当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。

配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。

なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。

上記方針の下、当事業年度の剰余金の配当につきましては、普通株式1株当たり5円、A種優先株式1株

当たり449.5円(ともに期末配当)としております。

 

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

株式の種類

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年6月25日

定時株主総会決議

普通株式

76

5

A種優先株式

56

449.5