事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 9,138 | 100.0 | 953 | 100.0 | 10.4 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社の企業集団は、当社及びその他の関係会社1社で構成されております。なお、当社はホテル経営及びホテル付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、5月に新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行されたことにより、社会経済活動の正常化が進み個人消費の回復や企業収益の改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化によりエネルギー・原材料価格が高止まりしており、また世界的なインフレとそれに伴う金融引き締めを背景とした世界経済の下振れが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
ホテル業界におきましては、全国旅行支援再開の後押しもあり国内観光需要が増加したことに加え、訪日外国人旅行者数が10月以降コロナ禍以前と同等水準までの回復を見せ、活況を取り戻しつつあります。しかしながら、深刻化する人員不足により営業調整を余儀なくされるなど、旺盛な需要を十分に享受できないケースも出てきており、引き続き舵取りの難しい事業環境下に置かれております。
このような状況の中、当社におきましては国内観光およびインバウンドの需要を的確に捉え、宿泊部門を中心に売上を拡大させました。回復途上にある宴会部門におきましても、飲食を伴う宴会の利用が増えるなど徐々に売上を伸ばしてまいりました。また、年間を通じて創業135周年を冠した様々な商品の企画・販売やイベントの実施を行ったほか、販売価格やサービス料率の見直しを行うなど、売上・利益の最大化に努めてまいりました。
一方で、人員不足が深刻化する中、業務内容を抜本的に見直すとともに、システムの導入により業務の効率化・省力化を図り、従業員の負担を減らす対策を実行してまいりました。同時に、少ない人員でも業務運営を行えるよう、部署の垣根を越えたヘルプ体制を強化するとともに、マルチタスクに対応できる人材の育成にも取り組んでまいりました。
この他、国内外のお客様から選んでいただけるホテルを目指し、サステナビリティへの取り組みにも注力してまいりました。ホテルオークラ京都におきましては、SDGsを実践する宿泊施設の国際認証である「Sakura Quality An ESG Practice(通称:サクラクオリティグリーン)の「1御衣黄(ぎょいこう)ザクラ」を取得したことに加え、地元京都市からは、ごみの減量及びリサイクルに積極的に取り組んでいる優良事業所として認定され、「2R及び分別・リサイクル活動優良賞」を受賞しております。
これらの結果、当事業年度の売上高は9,138百万円(前年同期比24.3%増)となりました。損益面におきましては、引き続き徹底した諸経費の見直しを行うとともに、2020年5月から続く役員報酬の減額を継続するなどコスト削減にも努め、営業利益は953百万円(前年同期は営業損失29百万円)、経常利益は807百万円(前年同期比912.7%増)、最終損益は当期純利益934百万円(前年同期比1,402.1%増)となりました。
ホテル事業の部門別の営業概況は次のとおりです。
(宿泊部門)
ホテルオークラ京都におきましては、全国旅行支援の恩恵や訪日外国人観光客の急増により、宿泊客数はコロナ禍以前のインバウンド最盛期とほぼ同水準まで回復いたしました。また、客室消耗品や光熱費の高騰に伴い、販売価格の見直しを実施した結果、過去最高となる売上を達成いたしました。
からすま京都ホテルにおきましても、修学旅行を含む国内団体客に加え海外からの個人・団体客の動きは好調に推移しており、宿泊客数はコロナ禍以前の水準までほぼ回復いたしました。
この結果、宿泊部門全体の売上高は3,709百万円(前年同期比36.0%増)となりました。
(宴会部門)
ホテルオークラ京都の一般宴会におきましては、企業主催の周年パーティーや叙勲祝賀会、忘・新年会など多人数の宴会が増加傾向にあることや、当社主催のイベントも集客が好調で、売上は順調な回復を見せております。一方、婚礼宴会におきましては、新規来館数・受注件数ともに引き続き低調となり、また1件あたりの人数も減少傾向にあり、売上は厳しい状況が続いております。
からすま京都ホテルにおきましては、スタッフの人員不足による制限があるものの、修学旅行や歓送迎会などの需要が増加しており、売上は順調に回復しております。
この結果、宴会部門全体の売上高は2,717百万円(前年同期比33.5%増)となりました。
(レストラン部門)
ホテルオークラ京都におきましては、一部で営業調整を継続しているものの、販売価格・サービス料率の見直しを実施したこともあり、「鉄板焼ときわ」・「トップラウンジオリゾンテ」・「京料理入舟」を中心に、前年を上回る売上となりました。
からすま京都ホテルにおきましても、一部で定休日を新設するなど営業調整を行った影響があるものの、「中国料理 桃李」では前年並みの売上を維持するなど、堅調な回復を見せております。
この結果、レストラン部門の売上高は2,180百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
(その他部門)
テナント店舗・月極駐車場の賃貸料収入や、フィットネスクラブ(ホテルオークラ京都)の会費収入など、安定した売上を計上しております。
この結果、その他部門の売上高は530百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ373百万円増加し、16,451百万円となりました。これは主に減価償却等により有形固定資産が453百万円減少したものの、売上の増加に伴い現金及び預金が667百万円増加したことによるものです。
当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ521百万円減少し、14,462百万円となりました。これは主に長期借入金が返済により448百万円減少したことによります。なお、社債と長期借入金の全額が2025年3月に借換え予定となるため、残高の全額を流動負債に振り替えております(金融機関との良好な関係のもと、一部の内入れを除き、借換えを実行していただく予定です。)。
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ894百万円増加し、1,989百万円となりました。これは主に当期純利益が934百万円計上されたことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上・利益の増加により前事業年度末に比べ667百万円増加し、当事業年度末には2,973百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,497百万円(前年同期は885百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益が798百万円、減価償却費704百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は169百万円(前年同期は76百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が168百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の財務活動の結果使用した資金は660百万円(前年同期は729百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が448百万円あったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
a. 収容能力及び収容実績
(イ)ホテルオークラ京都
(ロ)からすま京都ホテル
(注) 収容能力の内容は下記の基準により算出したものであります。
1 客室は部屋数に営業日数を乗じて算出しております。
2 宴会は正餐形式による椅子数に営業日数を乗じて算出しております。
3 レストランは椅子数に営業日数を乗じて算出しております。
b. 販売実績
当社はホテル経営及びホテル付随業務の単一セグメントであるため、販売実績及び構成比を部門別に示すと以下のとおりです。
(注) 受注生産は行っておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における売上高は9,138百万円、営業利益は953百万円、経常利益は807百万円、当期純利益は934百万円となりました。
売上高の主な増加要因は、5月に新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行されたことによる国内観光需要の回復や、訪日外国人観光客の増加により、宿泊部門を中心に売上が拡大いたしました。また、宴会部門におきましても、飲食を伴う宴会の利用が増えるなど、徐々に売上を伸ばしてまいりました。
利益面では、エネルギー・原材料価格の高騰による水道光熱費や食料品の仕入れなどの負担が大きい状況が続きましたが、販売価格やサービス料の見直しなどにより、営業利益、経常利益が大幅に増加いたしました。さらに、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に定める会社分類を見直す判断を行った結果、1億円を超える繰延税金資産を計上することとなり当期純利益は大幅に増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローは、前期に比べ大幅に税引前当期純利益が増加したことなどにより、現金及び現金同等物の期末残高は前年同期に比べ667百万円増加し、2,973百万円となりました。
当社の資金使途のうち主なものは、借入金等の有利子負債の返済のほか、運転資金として、ホテル事業における食材、用度品の購入費用及び人件費を中心とした販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いであります。投資を目的とした資金使途は、ホテル設備の維持更新費用やホテルサービスの価値を高める改修等によるものであります。
短期及び長期の資金需要については、「営業活動によるキャッシュ・フロー」により獲得した自己資金や金融機関からの借入等により資金調達を行い対応しております。引き続き、売上拡大により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増大を図るとともに、有利子負債の圧縮及び財務体質の強化を進めてまいります。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は12,756百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は2,973百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積りの特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。