2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 9,772 100.0 1,109 100.0 11.3

 

3 【事業の内容】

当社の企業集団は、当社及びその他の関係会社1社で構成されております。なお、当社はホテル経営及びホテル付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

業績状況

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方で、物価上昇の継続に加え、中東情勢をはじめとする地政学的リスクなどの影響もあり、先行きは不透明な状況が続きました。
 ホテル業界におきましては、インバウンド需要の拡大が続き、2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人(前年比15.8%増)となり、過去最高を記録いたしました。また、国内の観光需要も底堅く、事業環境は総じて堅調に推移いたしました。一方で、人件費や原材料費、エネルギーコストの上昇への対応が、引き続き重要な経営課題となりました。
 このような状況のもと、当社は、旺盛なインバウンド需要を的確に捉えるとともに、大型宴会の積極的な受注を推進し、売上高の拡大を図りました。また、顧客ニーズを踏まえた商品・サービスの見直しにより付加価値を高め、顧客満足度の向上にも努めてまいりました。さらに、既存顧客との関係強化を通じてリピーター利用を促進するとともに、新規顧客の獲得にも注力し、収益基盤の強化を進めてまいりました。加えて、需要動向や商品特性を踏まえた販売価格の適正化を図り、収益性の向上にも取り組んでまいりました。
 人材面におきましては、3年連続となる賃金の引上げや福利厚生の充実による処遇改善を進めるとともに、階層別研修やスキルアップ研修、自己研鑽支援の充実を通じて、人材育成を一層推進してまいりました。さらに、コンプライアンス意識の向上やハラスメント防止の徹底を図るための各種研修を実施し、働きやすい職場環境の整備にも継続して取り組んでまいりました。これらの結果、離職者数の減少につながり、前年を上回る人員を確保することができました。
 このほか、当社ではSDGsの達成に向けた取組みにも注力しております。2025年9月より、ホテルで使用済みとなった食用油を回収し、持続可能な航空燃料(SAF)の原料として活用する「Fry to Fly Project」に参画いたしました。同プロジェクトへの参画を通じて、資源循環の促進および航空分野における脱炭素化に貢献してまいります。また、2025年11月からは、従業員や客室から排出されるペットボトルキャップを回収業者に引き渡し、リサイクル資源として活用するとともに、その売却益を通じて、開発途上国の子どもたちへのワクチン支援につなげる取組みを開始いたしました。
 これらの結果、当事業年度の売上高は9,772百万円(前期比4.4%増)となりました。損益面におきましては、賃金のベースアップの実施に加え、各種コストが増加したものの、売上高の拡大がこれを上回り、費用の増加を吸収した結果、営業利益は1,108百万円(前期比21.0%増)、経常利益は916百万円(前期比35.5%増)、当期純利益は874百万円(前期比13.3%増)となりました。

 

ホテル事業の部門別の営業概況は次のとおりです。

 

(宿泊部門)

ホテルオークラ京都におきましては、2025年7月に日本で大地震が発生するとの不確かな情報が国内外に広まり、香港、台湾、韓国を中心にインバウンド需要に影響が生じたほか、大阪・関西万博関連の需要が想定より伸び悩むなど、同年7月~8月は低調に推移いたしました。しかしながら、通期ではグループホテルの会員プログラム「One Harmony」の会員による安定的な需要に加え、MICE(会議や研修、展示会などのビジネスイベント)を含む海外からの団体旅行が好調に推移し、売上高は増加いたしました。また、客室単価向上に向けた販売施策が奏功し、収益性の改善にも寄与いたしました。
 からすま京都ホテルにおきましては、修学旅行や企業などの団体旅行は前年をやや下回ったものの、国内外からの個人予約が増加し、売上高は堅調に推移いたしました。
  この結果、宿泊部門全体の売上高は4,249百万円(前期比3.5%増)となりました。

 

(宴会部門)

ホテルオークラ京都におきましては、一般宴会の受注件数は前年を下回ったものの、営業部門による積極的なセールス活動により、東京および海外からのMICE案件や高単価の大型宴会を受注いたしました。その結果、1件あたりの人数および単価はいずれも前年を上回り、売上高の増加に大きく寄与いたしました。一方、婚礼につきましては、ブライダル市場の規模縮小を背景に1件あたりの人数は減少したものの、受注件数の増加により、売上高は前年を上回る結果となりました。
 からすま京都ホテルにおきましては、同窓会などの恒例宴会を安定的に取り込むとともに、新規案件についても前年並みを確保いたしました。さらに、閑散期対策として自社企画のイベントを実施し、集客の向上を図りました。
この結果、宴会部門全体の売上高は2,890百万円(前期比11.8%増)となりました。

 

(レストラン部門)

ホテルオークラ京都におきましては、地元顧客の需要喚起を目的とした「京都府民割」などの各種施策や、SNSを活用した情報発信の強化を通じて、売上の向上に取り組んでまいりました。あわせて、宿泊客向け優待メニューの拡充により、館内利用の促進を図りました。さらに、「バー・チッペンデール」では、コロナ禍以前と同様の全日営業を再開したことにより、顧客の利便性および満足度の向上を図るとともに、売上の増加にも寄与いたしました。しかしながら、一部店舗において営業制限が継続したことや、朝食利用者が減少した影響もあり、全体では前年実績を下回る結果となりました。
 からすま京都ホテルにおきましては、「中国料理桃李」および「バー・アンカー」が安定した顧客基盤に支えられ、売上高は堅調に推移いたしました。また、2025年12月からは両店舗ともに全日営業を再開し、顧客の利便性および満足度のさらなる向上に努めてまいりました。
 この結果、レストラン部門全体の売上高は2,103百万円(前期比1.2%減)となりました。

 

(その他部門)

ホテルオークラ京都におきましては、月極駐車場やフィットネスクラブの会費収入等により安定的な売上を確保した一方、テナントの退店等の影響により賃貸料収入が減少しました。
 この結果、その他部門の売上高は528百万円(前期比1.9%減)となりました。

 

財政状態の状況は次のとおりであります。

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ477百万円増加し、17,105百万円となりました。これは主に減価償却等により有形固定資産が311百万円減少したものの、売上の増加等により現金及び預金が662百万円増加したことによるものです。
 当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ320百万円減少し、13,647百万円となりました。これは主に長期借入金の返済により460百万円減少したことによります。

 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ797百万円増加し、3,458百万円となりました。これは主に当期純利益が874百万円計上されたことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上・利益の増加により前事業年度末に比べ662百万円増加し、当事業年度末には4,140百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は1,620百万円(前年同期は1,256百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益908百万円および減価償却費700百万円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は302百万円(前年同期は51百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が293百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
  財務活動の結果使用した資金は655百万円(前年同期は700百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が460百万円あったことによるものです。

 

(生産、受注及び販売の実績)

 a. 収容能力及び収容実績

(イ)ホテルオークラ京都

区分

第106期

(2024年4月1日2025年3月31日)

第107期
(2025年4月1日2026年3月31日)

室数

収容能力

収容実績

利用率

室数

収容能力

収容実績

利用率

客室

320

116,800

96,763

82.85

320

116,800

95,964

82.16

宴会

13

648,970

153,285

回転

0.24

13

730,000

157,752

回転

0.22

レストラン

7

192,914

 

315,927

回転

1.64

7

193,355

318,854

回転

1.65

 

 

(ロ)からすま京都ホテル

区分

第106期

 (2024年4月1日2025年3月31日)

第107期
(2025年4月1日2026年3月31日)

室数

収容能力

収容実績

利用率

室数

収容能力

収容実績

利用率

客室

231

84,315

74,565

88.44

231

84,315

75,336

89.35

宴会

4

167,900

122,541

回転

0.73

4

167,900

117,940

回転

0.70

レストラン

2

43,064

32,521

回転

0.76

2

45,228

33,596

回転

0.74

 

(注) 収容能力の内容は下記の基準により算出したものであります。

1 客室は部屋数に営業日数を乗じて算出しております。

2 宴会は正餐形式による椅子数に営業日数を乗じて算出しております。

3 レストランは椅子数に営業日数を乗じて算出しております。

 

 b. 販売実績

当社はホテル経営及びホテル付随業務の単一セグメントであるため、販売実績及び構成比を部門別に示すと以下のとおりです。 

区分

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比

(%)

金額(千円)

構成比(%)

宿泊部門

4,249,062

43.5

3.5

宴会部門

2,890,852

29.6

11.8

レストラン部門

2,103,931

21.5

△1.2

その他部門

528,266

5.4

△1.9

合計

9,772,113

100.0

4.4

 

(注)  受注生産は行っておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度における売上高は9,772百万円、営業利益は1,108百万円、経常利益は916百万円、当期純利益は874百万円となりました。

売上高の主な増加要因は、大型宴会需要及びMICE需要が増加したことにより、宴会部門を中心に売上が拡大したことによります。

利益面においては、エネルギー・原材料価格の高騰に加え、金利上昇による負担増加の影響を受けたものの全社的な経費削減及び業務効率化に努めた結果、営業利益、経常利益、当期純利益は前事業年度を上回りました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローは、前期に比べ売上高が増加したことなどにより、現金及び現金同等物の期末残高は前年同期に比べ662百万円増加し、4,140百万円となりました。

当社の資金使途のうち主なものは、借入金等の有利子負債の返済のほか、運転資金として、ホテル事業における食材、用度品の購入費用及び人件費を中心とした販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いであります。投資を目的とした資金使途は、ホテル設備の維持更新費用やホテルサービスの価値を高める改修等によるものであります。

短期及び長期の資金需要については、「営業活動によるキャッシュ・フロー」により獲得した自己資金や金融機関からの借入等により資金調達を行い対応しております。引き続き、売上拡大により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増大を図るとともに、有利子負債の圧縮及び財務体質の強化を進めてまいります。

なお、当事業年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は11,946百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は4,140百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積りの特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。