リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) ホテル業の売上高について
当社は日本全国及び世界各国からのお客様を受け入れていることにより、疾病及び感染症、自然災害、戦争、テロ等の影響を受ける可能性があります。
(2) 施設の毀損、劣化について
当社は停電の発生など、想定が必要であると考えられる事態につきましては、事業活動への影響を最小限化する体制を敷いておりますが、台風、地震等の天災につきましては、想定の範囲を超える事態が発生することも考えられます。したがって、このような事態が発生した場合には、当社の業績及び財務の状態に影響を及ぼす可能性が生じます。
(3) 食中毒について
当社は食事の提供及び食品の販売を行なっており、新たな病原菌や食品衛生管理の瑕疵等により食中毒事案が発生した場合、ブランドイメージの失墜により、当社の業績が影響を受ける可能性があります。これらの事案発生を未然に防ぐための設備投資及び健康管理を充実させる対応を実施しております。また、食品衛生委員会を中心に館内の巡回点検、指導や社員教育を定期的に実施し、食品管理意識の向上を図っております。
(4) 金利変動リスクについて
当社は、有利子負債による資金調達を行っており、有利子負債の割合が高くなっております。借入金については一部の借入を除き、金利を固定化し、金利変動リスクを軽減するための対策を講じておりますが、金利が中長期的に上昇した場合には、金利費用が上昇し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 減損リスクについて
当社は、ホテル施設に係る多額の固定資産を保有しております。この資産が、時価の下落や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損処理が生じることとなり、当社の業績及び財務の状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 継続企業の前提に関する重要事象等の解消について
当社は、前事業年度において2019年3月期以来の当期純利益62百万円を計上し、4期ぶりの黒字決算となり、営業活動によるキャッシュ・フローも885百万円の獲得となりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症等の影響により、2020年3月期から2022年3月期までの3事業年度は営業損失を計上する結果となったため、第1四半期会計期間末においては、引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在していると認識しておりました。
第2四半期累計期間において、営業利益351百万円、四半期純利益271百万円を計上したこと、営業活動によるキャッシュ・フローも616百万円の獲得となり、加えて、前事業年度の有価証券報告書の「事業等のリスク」に記載した最重要課題への対応を着実に実行していること、また、第2四半期会計期間末において、短期借入金1,000百万円を長期借入金(2025年3月末の一括返済)に変更して借換える目途がたったこと(2023年10月に借換え実行)により、当面の資金繰りに懸念はなくなったものと判断いたしました。
したがって、第2四半期会計期間末において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したものと判断いたしました。
このような状況の中、当社では引き続き以下の項目を最重要課題として取り組んでまいります。
①財務戦略の最適化
当社は2023年10月に、前事業年度に引き続き短期借入金(2020年10月に調達)を2025年3月までの長期借入金に変更する借換えを実施しており、当面の営業活動に必要な運転資金の確保に問題はございません。また、2025年3月末には全ての借入金の借換えを予定しており、着実に実行してまいります。この他、安定的な配当・従業員の処遇改善・大規模改修工事などを今後実施できるよう、引き続き諸経費の見直し・節減に努め、事業年度ごとに利益を上げることにより財務基盤の安定化を図ってまいります。
②施設競争力の維持・強化
2025年には大阪・関西万博が開催されることから、インバウンド需要のさらなる拡大が見込まれます。スタッフのサービス力・語学力向上のみならず、お客様がホテルで快適にお過ごしいただくための環境整備が求められます。今後、「ホテルオークラ京都」の客室改修工事なども視野に入れ、施設競争力の維持・強化を図り、世界各国からお客様をお迎えする準備を整えてまいります。
③人員不足への対応
現在人員不足により、レストランをはじめ一部で営業調整を余儀なくされるなど、供給面の問題で回復する需要をすべて受け入れることができず機会損失が発生しております。深刻化した人員不足への対応が喫緊の課題であると認識しており、まずは既存従業員の処遇改善により人材流出を防ぐとともに、新規採用・中途採用を強化し新たな人材の確保に尽力してまいります。また、人材育成・教育にも注力し、従業員がキャリアパスを描き安心して働くことのできる職場づくりにも努めてまいります。この他、業務内容の抜本的な見直しやシステムの導入により業務の効率化・省力化を図るとともに、部署の垣根を越えたヘルプ体制を強化しマルチタスクに対応できる人材の育成にも引き続き取り組んでまいります。
配当政策
3 【配当政策】
当社の利益配分につきましては、経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を実施することを基本方針としております。
当社は、剰余金の配当を期末配当の年1回行なうことを基本方針としており、剰余金の配当の決定機関は、株主総会であります。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、普通株式を有する株主に対しては、当事業年度の業績並びに上記方針を踏まえ、下記のとおりとさせていただくことといたしました。なお、A種優先株式を有する株主に対しては、当社定款及び発行要領に基づく金額にて実施いたしました。
なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。