2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)少子化及び大学受験動向の影響について

長期にわたる出生率低下による少子化の問題は、学齢人口の減少という形で教育業界における大きな課題となっております。大学入試の分野では、生徒数減少による影響に加え、推薦入試や選抜方法の多様化に伴い、生徒保護者のニーズも大きく変化してきております。

当社グループの主要部門である東進ハイスクール部門では、主に現役高校生、高卒生を対象とする東進ハイスクール各校の運営を行っております。当社は同業他社に比べ、早期に現役高校生向けの校舎体制確立を図ったため、当連結会計年度の高卒生対象の売上高は86百万円(対前年同期20百万円減)、全売上高に占める構成比は0.2%(前年同期比0.0%減)と、高卒生減少による収益への影響は限定されておりますが、当該売上を含む、大学受験の環境変化の問題は当社グループの業績に影響を与える要因となります。

また、少子化による教育業界の競争激化は、自ずと生徒保護者の選択を厳しいものにしており、以前にも増して教育そのものの「成果」を問われる状況になっております。当社グループは一貫して「本当に学力を伸ばす」教育体系の確立に向け、様々な施策を実施しておりますが、時代のニーズに合った教育への対応が今後の当社の経営成績に影響する可能性があります。

(2)業績の3月に対する依存度について

当社グループの主要な事業のひとつである衛星事業に関するロイヤリティー収入は、フランチャイズ加盟校での生徒入学、受講申込み時に売上計上されるため、生徒募集の最盛期である3月に営業収入、営業利益が集中する傾向にあります。このため3月の営業収入が全体に占める割合は高くなり、3月の業績により通期の業績が大きく左右される可能性があります。また、期末前後の売上状況により3月に見込んだ売上計上が4月にずれ込むこともあり、期間的なズレが期間損益、業績見込みに影響を与える可能性があります。

 

なお、四半期毎の業績推移は以下の通りであります。

(単位:百万円)

 

2019年3月期

2020年3月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高

8,449

11,209

13,054

12,968

8,957

11,180

12,879

12,164

営業利益

△1,962

1,121

2,218

1,288

△404

1,627

2,166

1,186

経常利益

△1,948

1,074

2,164

1,106

△487

1,542

2,127

1,068

親会社株主に帰属する四半期純利益

△1,425

442

1,497

502

△321

1,060

1,470

716

 

 

2021年3月期

2022年3月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高

7,744

10,759

13,497

13,852

9,996

12,131

13,715

13,561

営業利益

△783

903

2,868

1,603

114

1,539

2,339

1,597

経常利益

△841

807

2,764

1,782

91

1,385

2,253

1,423

親会社株主に帰属する四半期純利益

△917

559

1,954

830

76

951

1,558

854

 

 

2023年3月期

2024年3月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高

11,065

13,133

14,343

13,812

11,691

13,706

14,184

13,405

営業利益

400

2,045

2,544

380

△169

1,599

2,317

790

経常利益

399

1,897

2,439

335

△138

1,468

2,283

709

親会社株主に帰属する四半期純利益

937

1,315

1,629

117

△150

847

1,463

442

 

 

(3)フランチャイズ(FC)契約について

当社グループでは、「東進衛星予備校」「四谷大塚NET」等のFC展開を進めてまいりました。

各地のFC加盟校とFC契約を締結し、加盟校に対して拠点開設支援、及び継続的な運営指導等を行っており、FC加盟校の品質管理に努めるとともに顧客満足度の向上、生徒数及び拠点数の拡大に注力しております。しかしながら、加盟校はそれぞれ独立した法人であり、当社グループの指導の及ばない範囲で発生した加盟法人の契約違反や、各拠点での重大な事故等があった場合、当社グループの経営成績及びブランドイメージに影響を与える可能性があります。

(4)固定資産・投資の減損について

当社グループでは教室設備等の有形固定資産やM&Aによって取得したのれん等の無形固定資産及び関係会社株式を計上しておりますこれらの資産については事業環境の変化による事業収益性の低下などにより減損損失を発生させる可能性があり当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります

(5)自然災害の発生について

当社グループは、フランチャイズを含め全国各地に拠点展開をしております。これらの拠点において、大規模な自然災害が発生した場合、当社の一部または全部の業務の遂行に支障をきたすことにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)人財の確保及び育成について

当社グループにおいては人財が重要な経営資源であり、社員、講師、担任助手等の人財の確保とその育成が、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現において極めて重要な要素となっております。したがって、今後採用環境の急激な変化により、臨時従業員を含めて重要な人財が十分に確保できない事態が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)個人情報の管理について

当社グループでは、生徒・保護者及び講師等の氏名・性別・生年月日・住所・電話番号等の個人情報を保有しております。このため、「情報管理規程」等の関連規程の整備・運用、従業員への啓蒙等により、万全の管理体制のもと、情報漏洩の未然防止を徹底しております。

しかしながら、何らかの原因により当社グループの保有する個人情報が外部に流出した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があり、信用の低下により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、当社グループ会社において発生した生徒の個人情報漏洩事案については、ただちに再発防止委員会を組織し、再発防止策を徹底しております。

 

(8)労務関連のリスクについて

当社グループでは、労務管理を経営の重要課題と認識しており、労働基準法等の関連法令を遵守し、労務関連のリスク低減に取り組んでおります。しかしながら、労務管理に関する各種コンプライアンス違反等が発生した場合、当社の信用の低下により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

配当政策

3【配当政策】

 当社は、事業の成長また経営基盤強化など、事業展開を進めるうえで必要な内部留保を確保し、財務の健全性を維持するとともに、業績に応じた株主への利益還元を行うことを利益配分の方針としております。
 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり100円の配当を実施することを決定いたしました。
 この結果、当事業年度の配当性向は103.1%となりました。
 内部留保資金につきましては、コンテンツの充実による教育サービスの向上や、校舎、教室など営業拠点の充実による営業力の強化、当社の将来を見据えた新規事業への投資、財務体質の強化などに活用してまいります。
 当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年6月27日

2,632

100

定時株主総会決議