リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。ただし、当社グループは広範囲に渡る事業活動を行っている為、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。
なお、本項における将来に関する事項については、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき、合理的であると当社が判断したものであります。
〇経営者の認識について
特に投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、資源価格等の急騰、緊迫する国際情勢、円安などによる企業業績の悪化です。但し、現時点では当社グループの事業活動において直接影響が出るような兆候は出ておらず、今後も稼働率が堅調に推移することを見込んでおり、業績の大幅な落ち込みは無いと想定しています。
(1)社会的な信用等の確立
企業が社会的な存在である以上、その企業活動は常に公の活動であり、その活動は広く社会に評価されることとなります。
しかしながら、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針に背く行為、コンプライアンスの軽視や社会的倫理に反する行為等により、企業の社会的な信用等を失墜させた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自身でも常にコンプライアンスを徹底していますが、お客さまにもエンジニア派遣に関するコンプライアンスへの正しい理解を促す為の啓蒙活動を続けております。
当社グループのメイテックキャストは、法令を遵守しているだけでなく、派遣社員と派遣先の双方に安心できるサービスを提供できているかどうかについて、「一定の基準を満たした」派遣事業者として、厚生労働省より「優良派遣事業者」の認定を受けております。
しかしながら、当社グループ自身のみならず、労働者派遣事業を営む他社において、コンプライアンスを軽視した社会的倫理に反する行為等により、労働者派遣の業界全体に対する誤った認識が蔓延し、社会的な信用が失墜した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)多数のエンジニアの常時雇用
当社グループは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」)に基づき、2026年3月末目標14,200人を掲げ、多数のエンジニアを正社員として常時雇用し、常時1,200社以上の大手製造業の技術開発部門を中心に、エンジニアを派遣しています。
当社グループはエンジニア派遣業界のリーディングカンパニーとして、お客さまの様々なご要望にお応えする為に、優秀なエンジニアの確保と育成に取り組んでいる他、ベストマッチングシステム(個々のお客さまのニーズとエンジニアのマッチング精度を向上させるITシステム)による質的な需給バランスの迅速な最適化等にも注力しており、これらの果実としての「お客さまからの厚い信頼」と「エンジニア一人ひとりの高度な技術力」等を裏付けとして、高付加価値・高稼働率等が維持されているものと自負しています。
しかしながら、多数のエンジニアを正社員として常時雇用しているがゆえ、エンジニアの派遣者数や稼動人数割合の低下、稼働時間・稼働日数・派遣料単価の低下、等が発現した場合には原価率が上昇し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記の事象が発現するケースとして、国内のみならず海外も含めた経済情勢の変化等に伴い、主要な顧客である大手製造業の情勢が劇的に変化し、労働力に対する需要の減少あるいはコストプレッシャーの増大など、他律的な市場や経済環境に起因するものも挙げられます。また、社会的倫理に反する行為等による信用の失墜の他、エンジニアの育成等を怠り、要求される品質への対応が困難になる等、当社グループの業務執行に起因するものが挙げられます。
(3)人材の確保
「人と技術」でものづくりの核心を担うエンジニア集団である当社グループにおいては、エンジニアを中心とした優秀な人材の量的確保が事業収益に直結する重要な要素であります。当社グループでは、従前の新卒を中心とした人材確保から、環境変化を的確に捉えて、順次、中途採用の拡大を図ってきました。
しかしながら、他律的な採用競争の激化、あるいは当社グループの信用の失墜等により、優秀な人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)顧客情報の管理
当社グループは、高度な技術力を有するエンジニアを多数派遣しており、それぞれのエンジニアがお客さまの機密情報に直接触れる機会が非常に多いのが実状です。設計・開発等の機密性の高い中核的なプロセスにおける業務遂行は、相互に強い信頼関係がなければ成り立ちません。
これら機密性の高い顧客情報の漏洩等は、顧客からの信用を損ないかねない重大なリスクと認識しており、グループ各社の社員行動規範等への明記、情報セキュリティ規範の制定等により、グループ社員への周知徹底を図り、情報セキュリティの強化に取り組んでおります。
しかしながら、機密情報の漏洩等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報の管理
当社グループは、人材ビジネスを中心としたアウトソーシング事業に携わる企業である為、大変多くの個人情報を取り扱っています。当社グループの事業の性格に鑑みると、運営上取り扱う個人情報等を適正に管理・保護し、適正に利用することが、社会的責任であると考えております。
グループ各社においてプライバシーマークを取得して体制を整備する等、個人情報の管理に関しては常に細心の注意を持って取り組んでおります。
しかしながら、不測にも保有する個人情報の漏洩事故等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)許認可及び法的規制
事業会社であるグループ各社は、各社事業内容に応じて労働者派遣事業・有料職業紹介事業等の許可を厚生労働大臣から取得して事業を行っています。
しかしながら、不測にも当社グループが法定要件を欠くこととなり、派遣事業等の許認可を得られなくなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
労働者派遣法を始めとする関係諸法令は、情勢の変化等に伴い、継続的な見直しが行われています。
その結果、関係諸法令の改定内容に拠るものの、当社グループの事業に対して著しく不利な改定が行われた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)会計制度・税制等の変更
予期せぬ会計制度や税制の新たな導入や変更などが行われた場合には、当社グループの業績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
また、税務申告における税務当局との見解の相違が生じた場合には、当社グループに予想外の税金納付義務が発生する可能性があります。
(8)経営計画
当社グループは、短期または中長期の経営計画を策定し、持続的な成長を目指し事業を展開しています。
しかしながら、経営計画については、策定時点における市場環境の見通しに基づくものであり、市場環境や経済情勢が想定を超えて劇的に変化した場合には、経営計画が達成されない可能性があります。
(9)自然災害・事故
地震等の自然災害や予期せぬ事故等により、当社グループあるいはお客さまの重要な設備が損壊する等の被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)重要な訴訟等
当社グループは、事業の性質上、顧客の内部情報に接する機会が高いことから、業務遂行の過程で機密情報に関する紛争等が発生する可能性があり、また、当社グループは常時多数の労働者を雇用し、かつ、多数のエンジニアが顧客の構内にて業務に従事していることから、社内のみならず社外の労働者との間にも紛争等が発生する可能性があります。
また、M&A等の事業戦略の実施に伴い、各種紛争が発生する可能性もあり、これらの紛争が訴訟等に発展し、その帰趨によって風評被害や損害賠償義務等を発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
数多くのエンジニアを無期雇用しているメイテックグループは、中長期的に株主還元の最大化を目指し持続的に成長するために、経済危機の下でも雇用を守り抜くことが不可欠と考えます。よって、利益配分については、「自己資本の“質と量”の充実」を優先しながら、「資金の残高」も考慮した上で、業績に基づく成果を配分する方針です。
自己資本の“質と量”の充実度に加えて、資金の残高が事業運営上の必要資金(連結売上高の月商3ヵ月分)を上回る場合、配当および自己株式取得による総還元性向は100%以内を原則とします。配当は、中間と期末の年2回実施し、配当性向は50%以上を原則とします。配当の最低水準は連結株主資本配当率(DOE)5%といたします。
当事業年度における期末配当金については、親会社株主に帰属する当期純利益が業績予想を上回った為、利益配分の基本方針に即した業績に基づき、1株当たり70円といたします。
これにより、中間配当金44円と合わせて年間配当金は114円、配当性向は105.8%(連結配当性向は72.1%)となりました。
自己株式の取得は、総還元性向と配当性向の水準を勘案して適時実施します。
取得後の自己株式は発行済株式総数の5%を上限として継続保有します。取得し保有する自己株式の上限を超える部分は当期末までに消却いたします。
内部留保資金の使途については、主にワーキング・キャピタル(必要運転資金)として活用いたします。
当社は会社法第454条第5項の規定に基づき、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
配当の決定機関は、中間配当は取締役会であり、期末配当は株主総会であります。
当事業年度の中間配当については、2023年11月9日開催の取締役会において決議しております。
なお、第51期の剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年11月9日 |
3,450 |
44.00 |
取締役会決議 |
||
2024年6月20日 |
5,404 |
70.00 |
定時株主総会決議 |