2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    608名(単体) 25,526名(連結)
  • 平均年齢
    45.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.1年(単体)
  • 平均年収
    5,260,907円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

デンキセグメント

18,072

(5,124)

住建セグメント

6,277

(633)

金融セグメント

158

(34)

環境セグメント

327

(333)

24,834

(6,124)

その他

84

(42)

全社(共通)

608

(96)

合計

25,526

(6,262)

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、持株会社である当社に所属しているものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

608

(96)

45.1

12.1

5,260,907

(注)1.平均年間給与は税込支払給与額であり、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

(3)労働組合の状況

当社には、ヤマダホールディングスユニオンがあり、UAゼンセンに加盟しております。なお、労使関係は安定しています。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合

   (%)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

正規雇用労働者

パート・有期労

働者

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・有期労働者

12.4

40.0

60.9

70.9

55.3

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・

有期労働者

 

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・

有期労働者

株式会社ヤマダデンキ

2.4

32.1

32.9

21.4

(注)3.

49.5

80.7

80.1

株式会社ヤマダホームズ

1.4

19.0

19.0

(注)2.

50.2

52.5

29.9

株式会社ハウステック

4.0

45.5

45.5

(注)2.

66.8

67.2

75.6

日化メンテナンス株式会社

1.6

50.0

50.0

(注)2.

57.5

73.0

54.2

株式会社ヒノキヤグループ

8.9

15.0

15.4

0.0

(注)1.

62.1

64.1

23.6

株式会社日本アクア

14.0

26.7

(注)2.

86.2

79.3

56.0

インバースネット株式会社

0.0

66.7

66.7

(注)2.

81.0

76.0

83.6

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

4.上記の表に記載のない項目及び一部の連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

③提出会社及び国内グループ連結子会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・有期労働者

3.6

30.6

51.5

75.5

73.2

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)基本的な考え方

当社グループは、経営理念に「創造と挑戦」を掲げ、自らの成長や社会の発展のためにさまざまな事業や取り組みを行っています。また、幅広い店舗形態を活かしたネットワークで社会インフラを支える役割を担っています。社会とともに成長し続ける企業グループを目指すため、具体的な行動指針である「CSR倫理綱領」に沿って、ステークホルダーの皆様への「感謝と信頼」を基盤としたサステナビリティ活動を推進しています。加えて当社グループが、今後も社会課題の解決に寄与し、企業価値の向上を実現する企業であり続けるためには環境・社会・ガバナンスへの配慮が必要不可欠と認識しており、社内外において積極的に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

■ガバナンス

当社グループでは、環境・社会課題に関する方針・施策の審議と目標の進捗確認の場として、「ESG・サステナビリティ推進委員会」を設置し、担当取締役を委員長とし、取締役、各事業部門責任者及び所管部署の責任者が参加し、重要な事項について審議し、取締役会に答申・報告しています。2023年度は2回開催致しました。ESG・サステナビリティ推進委員会の配下にある「グループCSR分科会」「環境対策分科会」「労働環境改善分科会」「CS向上推進分科会」の4つの分科会では、個別活動の内容について議論し、活動の進捗や目標の確認を行っています。そのほか、「人事総務委員会」では人権課題やジェンダー差別解消、「開発・改装委員会」ではサステナブルな店舗づくりに向けた取り組み事項について、それぞれ情報共有・連携を図る体制を構築しています。

■戦略

当社グループでは、家電販売を行うヤマダデンキを中心に、住宅、金融、環境事業を展開し、暮らし全体を快適にサポートする「くらしまるごと」戦略を展開しています。気候変動をはじめとする環境問題、高齢化や人口減少を迎える地域社会における快適な住空間の提供、社員が働きがいをもって活躍できる労働環境の提供等、当社の「くらしまるごと」戦略の実現には、サステナビリティの視点が不可欠であり、以下の3つの重要課題を特定しました。引き続き、社会経済環境や規制・政策などの動向を踏まえ、定期的にリスク・機会を見直し、課題解決に資する事業活動を行っていきます。

 

<SDGs重要課題>

⑴ 循環型社会の構築と地球環境の保全

販売した家電やパソコンのリユース・リサイクルを通じ、循環型社会の形成に貢献し、再生可能エネルギーの導入や環境配慮型製品の開発・販売に注力していきます。

⑵ 社員の成長と労働環境の改善

人は経営において最も重要であるとの考えから、社員の人材育成、ダイバーシティの推進、ワークライフ・バランスの保てる職場環境を構築し、事業の持続的な発展を実現していきます。

⑶ 快適な住空間の提供と社会システムの確立

家電・家具・インテリア・リフォームのみならず、“くらしまるごと”を提案することで、社会に必要な存在となり、お客様の「住」を支えるヤマダホールディングスグループを実現していきます。

 

 

■リスク管理

当社グループは、サステナビリティ関連のリスクは事業の持続可能性にとって重大なリスクと認識し、定期的に見直しを行うと共に、各部門にて管理しています。また、サステナビリティ関連のリスクは全体的なリスク管理体制に組み込み、リスク管理委員会、ESG・サステナビリティ推進委員会で審議すると共に、経営会議や取締役会で議論しています。優先度の高いリスクについては、各分科会にて対策を検討、関係部署にて対策を実施し、進捗を把握することでリスクを管理しています。

 

 

■指標及び目標

当社グループは、SDGs重要課題ごとにKPIを設定し、「ESG・サステナビリティ推進委員会」において各指標の進捗状況を定期的にモニタリングしています。

 

重要課題 ※1

KPI

目標・目標年

実績

(2023年3月期)

実績

(2024年3月期)

循環型社会の構築と地球環境の保全

電力使用量全体に占める 再生可能エネルギー率

前期比増 [毎期]

前期比 +0.13%

前期比 +1.59%

電力使用による延べ床面積当たりCO2排出量

10.2%減 前期比

[毎期]

前期比 -13.4%

前期比 -1.1%

スコープ1およびスコープ2におけるCO2排出量削減に関する中期目標

基準年 2021年3月期

目標年 2031年3月期

42%削減

283.9千t-CO2

2021年3月期比

-9.6%

279.1千t-CO2

2021年3月期比

-11.1%

省エネ家電製品(省エネ基準達成率100%以上)の販売台数構成比(テレビ、冷蔵庫、エアコン)

前期比増 [毎期]

構成比 40.8%

構成比 42.8%

前期比 +2.0%

YAMADA GREEN認定商品の販売金額

前期比増 [毎期]

販売金額

3,730百万円

販売金額

3,843百万円

前期比 +3.0%

災害対策商品(防災グッズやポータブル電源等)の販売金額

前期比増 [毎期]

販売金額

1,534百万円

販売金額

1,988百万円

前期比 +29.6%

家電4品目(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)のリユース

300,000台

[2026年3月期]

128,194台

119,727台

パソコンリユース

422,300台

[2025年3月期]

408,312台

405,025台

社員の成長と労働環境の改善

休業災害度数率

0.50以下 ※2

[2031年3月期]

対象:ヤマダデンキ

0.69

0.98

長時間労働

残業時間を削減した会社割合

前期比増[毎期]

残業時間前年比抑制達成会社割合 60.0%

残業時間前年比抑制達成会社割合 70.4%

前期比 +10.4%

有給休暇取得率

80% [2031年3月期]

56.9%

64.0%

女性管理職比率

10%以上

[2031年3月期]

3.6%

3.6%

女性および男性社員の育児休業取得率

<女性>100%を維持

<男性>80%以上

[2029年3月期] ※3

<女性>119.2%

<男性>14.3%

<女性>100.8%

<男性>32.5%

従業員満足度調査

総合評価「A」

[2031年3月期] ※4

総合評価「B」

総合評価「B」

1人当たりの平均研修時間

30時間以上/年

[2031年3月期]

19時間/年

25時間/年

健康診断受診率

100% [2031年3月期]

97.9%

95.9%

ストレスチェック受検率

100% [2031年3月期]

93.2%

96.1%

快適な住空間の提供と社会システムの確立

「ZEH」率

50% [2031年3月期]

27%

41%

太陽光パネルの出荷量

50,000枚

[2031年3月期]

28,960枚

33,054枚

※1 対象会社の記載が無い項目は当社グループ合計です。

 

※2 休業災害度数率の目標数値は、厚生労働省「令和3年 労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模 100 人以上)及び総合工事業調査)の概況」の「産業、事業所規模別労働災害率及び死傷者1人平均労働損失日数」をもとに算出。

※3 対象:ヤマダホールディングス、ヤマダデンキ

※4 対象:ヤマダホールディングス、ヤマダデンキ、ヤマダファイナンスサービス、シー・アイ・シー、インバースネット、ヤマダホームズ、ヒノキヤグループ、ハウステック、中部日化サービス、日化メンテナンス

 

(2)気候変動への取り組みとTCFD

①気候変動への対応について

当社グループは、持続可能な社会の実現において気候変動への対応を重要な課題の一つと認識しております。事業活動全体に関わるCO2排出量の削減を進めるべく、TCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示の充実を図るとともに、事業活動を通じた対策を進めています。具体的には、事業活動に伴うCO2排出量の削減を推進するために、省エネ家電への買い替え促進や、各事業所および店舗のLED化やデマンドコントローラーの活用による使用電力量の削減のほか、再生可能エネルギーの利用促進を行っています。ヤマダデンキでは新店舗を開発する際に、平屋づくりにすることによるエスカレーター・エレベーターの削減、窓を減らすことによる断熱性の向上、店舗の外灯・看板灯をLED化するなど、更なるエネルギー使用量の削減を図っています。また、リサイクル・リユース事業を行う環境セグメントを中心にISO14001を取得し、環境マネジメントシステムに則ってPDCAサイクルを回し、継続的に改善を図っています。

 

②気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

■ガバナンス

当社グループでは、取締役会は重要な経営・事業戦略を議論、方針の決定を行うとともに、ESG・サステナビリティ推進委員会の監督の役割を担っています。ESG・サステナビリティ推進委員会では重要事項についての意思決定を行い、その配下にある分科会においては個別活動の内容について議論し、活動進捗や目標の確認を行っています。取締役会の監督機能が十分に発揮できるようシナリオ分析で特定した気候変動リスクや機会などの重要課題は、ESG・サステナビリティ推進委員会で検討し、リスクへの対応状況などを取締役会で報告しています。

 

■戦略

当社グループでは、TCFD提言に基づき、対象事業、時間軸、シナリオを設定し、気候変動リスク・機会の分析・評価を行いました。

 

1)シナリオ分析の前提(2024年3月期)

シナリオ

1.5℃シナリオ・4.0℃シナリオ

対象事業

デンキ事業、住建事業、環境事業

(当社グループ全体の売上高に占める割合上位のヤマダデンキ国内全店舗と気候変動がもたらす影響の上位事業)

対象年

2030年~2050年時点の影響

 

2)1.5℃シナリオ(移行リスク大、物理的リスク小)

脱炭素に向けた規制や政策の強化がされ、気候変動への対策が進捗し、産業革命前の水準からの気温上昇が1.5℃~2.0℃程度となるシナリオです。顧客の製品・サービスに対する志向が変化し、企業の気候変動対応が強く求められ、未対応の場合は、顧客流出やレピュテーションリスク上昇が発生するなど、移行リスクは高まると推測しました。一方、気候変動による災害の激甚化や増加が一定程度抑制されるなど、物理的リスクは4.0℃シナリオと比べて相対的に低いと推測しました。〈参照:IEA NZE 2050〉

 

3)4.0℃シナリオ(移行リスク小、物理的リスク大)

気候変動対策が十分になされず、産業革命前の水準からの気温上昇が4.0℃程度まで上昇するシナリオです。自然災害の激甚化、海面上昇や異常気象の増加が想定されるなど、物理的リスクは高まると想定しました。この影響を受け、BCP対応が優れた製品・サービスの競争力は高まるものと思料しました。一方、政府による規制強化がなされないなど、移行リスクは低いと推測しました。〈参照:IPCC RCP8.5〉

 

 

4)1.5℃_4.0℃の描写

ヤマダホールディングスグループを取り巻く環境

 

+1.5℃シナリオの世界

+4.0℃シナリオの世界

政策/法規制

・炭素税の導入

・省エネ、再エネ政策の積極的な推進

・企業へのCO2排出量の大幅削減要求

・サプライチェーン全体でCO2排出への課税、電気料金値上げ

・住宅の省エネ規制の強化

・リサイクル規制等の強化

・省エネ、再エネ政策は積極的に推進されない

・炭素税の未導入

・気候変動対策の現状維持

技術

・省エネ性能の高い製品開発がさらに進む

・省エネ性能の高い製品開発がさらに進む

市場/顧客

・顧客のエシカル消費への行動変化と省エネ、脱炭素商品への関心が高まる

・サステナブルなライフスタイルが定着する

・原材料価格の上昇は限定的

・住宅のZEH化等で適応型商品の需要増加(太陽光、高機能断熱材、リフォーム)

・顧客のエシカル消費への行動変化と省エネ、脱炭素商品への関心が1.5℃と比べて限定的ではあるが高まる

・防災商品や備蓄品への関心が高まる

・原材料価格の上昇

・適応型商品の需要増加(高機能断熱材、シェード)

商品

・低炭素・脱炭素商品やサービス、認証製品が採用される

・低炭素、脱炭素商品やサービス、認証製品が1.5℃と比べて限定的ではあるが採用される

物流

・物流の遅延、寸断がやや増える

・物流の遅延、寸断が増える

施設

・豪雨や大雨の影響により店舗/営業所/工場への被害がやや増える

・豪雨や大雨、台風の影響により水害や風害が発生して店舗/営業所/工場への被害が大幅に増加する

 

※ シナリオ分析の結果については、ホームページをご覧ください。

https://www.yamada-holdings.jp/csr/csr104.html

 

 

■リスク管理

気候関連リスクについては、当社グループの事業に影響を与える重大なリスクの1つとして捉えており、全体的なリスク管理プロセスに統合しています。長期的なリスク・機会の評価については、概ね3年おきにサステナビリティ推進部で脱炭素社会への移行に伴う、政治・経済・社会・競合などの「外部環境の変化」と地球温暖化の進展に伴う「物理的変化」、その発生確率とこれらが現実化した場合の財務影響の詳細分析を行い、リスク・機会を特定します。そして財務上、収益への影響が1億円超となるようなリスク・機会については、「リスク管理委員会」にて審議の上、当社グループの重要なリスク・機会として評価しています。そこで評価されたリスク・機会を踏まえ、環境方針の見直しを図るとともに、重要課題の特定・評価、主要施策、目標設定に反映しています。

一方、短中期的なリスク・機会の特定・評価については、事業年度を通じて「外部環境変化」と「物理的変化」に関する情報収集を行うとともに、各部門やグループ会社の対応状況に照らして、目標の妥当性や達成度を分析の上、重要性の再評価を行い、重要な見直しが生じた場合にはESG・サステナビリティ推進委員会にて審議・特定・評価しています。ESG・サステナビリティ推進委員会にて議論した内容は、取締役会へ報告します。

 

■指標及び目標

当社グループでは、2031年3月期までにスコープ1,2における温室効果ガス排出量を2021年3月期比で42%削減するという目標を定めました。スコープ1,2の大半を占めるヤマダデンキ店舗の電力使用量の削減に重点を置いて、更なる店舗の省エネルギー化を進めます。また、スコープ3についても下記項目毎に目標を掲げ、削減に努めていきます。

KPI

目標

実績(2023年3月期)

実績(2024年3月期)

スコープ1およびスコープ2

基準年 2021年3月期

目標年 2031年3月期

42%削減

283.9千t-CO2

2021年3月期比

-9.6%

279.1千t-CO2

2021年3月期比

-11.1%

省エネ家電製品(省エネ基準達成率100%以上)の販売台数構成比(テレビ、冷蔵庫、エアコン)

前期比増 [毎期]

構成比 40.8%

構成比 42.8%

前期比 +2.0%

YAMADA GREEN認定商品の販売金額

前期比増 [毎期]

販売金額3,730百万円

販売金額 3,843百万円

前期比 +3.0%

災害対策商品(防災グッズやポータブル電源等)の販売金額

前期比増 [毎期]

販売金額1,534百万円

販売金額 1,988百万円

前期比 +29.6%

電力使用量全体に占める再生可能エネルギー率

前期比増 [毎期]

前期比 +0.13%

前期比 +1.59%

電力使用による延べ床面積当たりCO2排出量

前期比10.2%減 [毎期]

前期比 -13.4%

前期比 -1.1%

「ZEH」率

50% [2031年3月期]

27%

41%

太陽光パネルの出荷量

50,000枚

[2031年3月期]

28,960枚

33,054枚

スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

スコープ2:他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出

スコープ3:スコープ1,2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

 

CO2 スコープ1,2,3排出量(2024年3月期)

スコープ

算定方法

2023年3月期

2024年3月期

単位

スコープ1

事業者自らの直接排出

燃料使用量に原単位を乗じて算出

52.6

48.4

千t-

CO2

スコープ2

他人から供給された電気、熱などの使用に伴う排出

電力使用量に原単位を乗じて算出

231.3

230.7

千t-

CO2

スコープ3

事業者の活動に関連する他社の排出

 

21.5

21.3

百万t-

CO2

購入した商品・部材など

主要調達品に環境省公表の原単位を乗じて算出

4.2

4.2

百万t-

CO2

11

販売した商品の使用

主要販売品に想定エネルギー使用量、年数を乗じて算出

16.5

16.3

百万t-

CO2

2,3,4,

5,6,

7,12,14

資本財・エネルギー関連・輸送・廃棄物・出張・通勤・商品廃棄・フランチャイズ

カテゴリー毎の活動量に、環境省公表の原単位を乗じて算出

0.8

0.8

百万t-

CO2

※スコープ3カテゴリー毎の詳細は、統合報告書2024(2024年8月発行予定)をご参照ください。

※スコープ1,2,3(カテゴリー1,2,3,4,5,6,7,11,12,14計)については、第三者保証を取得しました。

 

 

③サーキュラーエコノミーの取り組み

当社グループでは、環境方針に則りお客様から回収した使用済み家電をリユース・リサイクルする仕組みを構築し、製品ライフサイクルをグループ内で完結することで、社会全体の環境負荷低減に貢献しています。また、建築現場から排出される梱包材や廃材をはじめとした産業廃棄物の削減も行っています。

KPI

目標

実績(2023年3月期)

実績(2024年3月期)

家電4品目(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)のリユース

300,000台

[2026年3月期]

128,194台

119,727台

パソコンリユース

422,300台

[2025年3月期]

408,312台

405,025台

 

※ 環境方針については、ホームページをご覧ください。

https://www.yamada-holdings.jp/info/policy/environmental.html

 

(3)人的資本に関する取り組み

当社グループ事業の持続的な発展に向けて、人的資本は最も重要な経営資源であると捉えています。さまざまな可能性を持った事業会社において、多種多様な人材が個性や能力を存分に発揮できるよう働く環境を整えるとともに、魅力的なキャリアパスを提示することで将来にわたる成長を促します。各事業分野において専門性を高める社内外の資格取得の支援制度も充実させ、独自の職種であるセールスエンジニアの育成にも注力しています。

 

■ガバナンス

人事戦略においては、取締役会や人事担当役員を委員長とする「人事総務委員会」を通して、各分科会より上程された具体的な課題や施策について検討、決議を行い、進捗を確認しております。また、国内外の各事業会社の人事委員会、分科会で議論された内容の共有化を図ることで、グループ全体として課題の解決を図っています。現在運用している内部通報制度ですが、公益通報者保護強化のため、2024年3月より通報窓口を内部から外部委託に変更いたしました。受付対象についてもヤマダホールディングスグループすべての企業の労働者(派遣社員、1年以内の退職者含む)及び役員とし、グループ全体のガバナンス体制の強化を図っています。

 

■戦略

人材育成方針や社内環境整備方針に基づき、多様な人材が活躍できるような人材育成、並びに労働環境を引き続き整備していきます。

 

1)人材育成方針に関して

当社グループは、「くらしまるごと」戦略の推進に伴う製品・サービスの広がりや、将来的な事業領域の拡大を踏まえ、お客様の幅広いニーズに対応できる能力を持った人材確保に努めています。人材育成面では、先の予測が困難な今の時代に合った教育制度への再構築を図るべく、「自立型組織・自立型人材の育成教育」をテーマに掲げています。

 

(i)管理職教育

管理職教育ではテクニカルスキル(業務遂行能力)に加え、ヒューマンスキル(対人関係能力)、コンセプチュアルスキル(概念化能力)を習得することにより、組織の活性化を実現、そして未来への組織を創造し、将来に向けたビジョンを実践する事ができるよう、各マネジメントスキル習得段階に応じた教育を実施しています。特にミドルマネジメントの研修においては、研修の第一段階で自ら考え実践行動できる人材としての教育を施し、第二段階においては視野・視点の拡大、組織を束ねる力の習得と拡大を学び、第三段階では経営的視点の習得、事業開発力の醸成に向けて体系的に学びを得ることにより、次世代の経営幹部としての育成を実施していきます。

 

(ii)一般職教育

一般職教育では、各専門性の高い教育支援を行い、個人の能力や個性を最大限に発揮できるよう、いつでも、どこでも学べる環境を整備しています。当社グループの主要な事業であるデンキセグメントでは、専門分野を17のカテゴリーに分類したマイスター制度や社内資格制度を実施。「自発的学習」の環境としてeラーニングを整備するなど、自立型人材育成ができるように環境を準備しております。

今後は、グループ全体における人的資本の活性化をすべく、人や組織を育て、経験や情報を基に学習を行い、論理的に考える人材へと成長を促すことを目的に、各事業会社およびセグメント単位に教育を実施できるように、人材交流を活発に行うとともに、教育方針およびその方法の共有化を図っていくことを検討して参ります。

 

(ⅲ)キャリア支援

ヤマダホールディングスグループは従業員一人ひとりに合わせた多様な働き方やキャリアパスの支援を行っています。育児や介護など、個人の生活環境に合わせた両立支援を行い、キャリア相談窓口を設けて個々対応を図っています。各部門単位のキャリアパスに基づき個々が発揮すべき能力開発を行うべく、ヒューマンスキルの向上に合わせた教育環境の提供や、より専門性を高めた教育コンテンツの提供を行うなど、持続的な成長ができる環境の構築を図り、各事業会社やセグメント、部署等を横断した教育のコンテンツを提供することで、グループ内の連携を図りシナジーをより高めて参ります。

 

※ 人材育成方針については、ホームページをご覧ください。

https://www.yamada-holdings.jp/info/policy/human-resource-development.html

 

2)社内環境整備方針に関して

当社グループでは、働きやすい労働環境を実現するには、ワークライフ・バランスに配慮した職場環境の提供が重要であると考えています。社員が育児や介護などのライフイベントに際しても、柔軟な働き方を選択できるよう、充実した両立体制を整えています。また、すべての社員が安心して働ける労働安全衛生環境の維持向上と健康の増進が企業存続の基盤をなすという考えのもと、安全衛生の確保や快適な労働環境の形成、業務遂行の円滑化および生産性の向上、社員の健康管理に取り組んでいます。

 

(i)ワークライフ・バランスの推進

当社グループの最大の経営資源は「人材」であり、従業員の健康維持・増進は重要であると認識しています。健康維持・増進の為、長時間労働の抑制に取り組み、2019年度より勤務間インターバル制度の導入、有給取得促進等、様々な取り組みを通じて労働環境改善を図って参りました。また、従業員一人ひとりが生活環境に左右されずに活躍できるように、育児休業期間の延長や育児時短制度の延長などの制度を整え、育児や介護、病気治療など、様々な両立支援を行うことにより、従業員が安心して勤務できる環境を整備しています。今後も引き続きワークライフマネジメントを行う環境を整備することにより、多様な人材が活躍する場の実現を推進して参ります。

 

(ii)ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

当社グループにとって、ダイバーシティ・インクルージョンを「成長戦略そのもの」と位置付け、多様な人材が活躍できる職場環境の構築を推進します。こうした職場環境に育まれた人材が切磋琢磨し、価値ある商品とサービスを生み出し続けることで、ステークホルダーの皆様とともに持続的に成長していきます。また、全ての女性社員が自らの意志と希望に基づき、プライベートとキャリアアップを同時に果たせる環境整備が、さらなる企業成長の基盤であると認識しています。

 

※ 社内環境整備方針については、ホームページをご覧ください。

https://www.yamada-holdings.jp/info/policy/company-environment-improvement.html

 

3)人権の尊重に関して

当社グループでは、CSR倫理綱領における人権尊重の内容を基に、人権デュー・デリジェンスの実施、人権に関する負の影響への救済・是正措置、人権教育の実施を項目に挙げた「人権方針」を定めています。人々の暮らしを支える事業を行う企業として、人権の尊重は社会的責任を果たす上で、不可欠と認識しています。全役員と社員が人権に関する国際規範を支持し、お互いの人格や個性を尊重する取り組みを推進し、人種、国籍、性別、宗教等に基づく差別を排除し、個人の人格と個性を尊重すると共に、安全かつ健康的な労働環境の提供、結社の自由、児童労働・強制労働や非人道的な活動の禁止を通じて、社員一人ひとりの人権尊重を推進しています。

 

(i)人権尊重の取り組み

当社グループは人権方針に則り、人権意識の向上や人権尊重の風土構築を目的とし、人権に関する外部プロジェクトへの参加や、ビジネス遂行上で起こるさまざまな人権問題をテーマとした研修を行っています。2024年3月期は、生団連の「外国人の受入れに関する基本指針」に賛同しました。社内では、障害者差別解消法を題材に、役員と管理職を対象とした研修を行いました。またお取引先に対しては、アンケートを実施し、労働環境の把握を通じて、人権課題を特定していきます。

 

 

(ii)人権デュー・デリジェンス

ヤマダホールディングスグループは、事業活動にかかわるすべてのステークホルダーの人権を尊重するため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」や日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などに基づき、人権への影響を特定し、軽減するための人権デュー・デリジェンスを実施すべく、体制の構築を進めていきます。

 

※ 人権方針については、ホームページをご覧ください。

https://www.yamada-holdings.jp/info/policy/human-rights.html

 

■リスク管理

人材育成への取り組みが不足したり、労働環境が低下することで、従業員のモチベーション低下や人材流出などが発生し、結果として接客・サービスレベルの低下による顧客満足度の低下につながる可能性があります。一方で十分な人材育成は、従業員全体の接客力や提案力の底上げが期待でき、顧客満足度の向上にもつながります。会社の事業活動においては、各個人の能力や個性を最大限に発揮できることが重要となります。各事業会社やセグメント、部署単位の特性に合わせた労働環境を整備し、自律的な成長を促せる環境を整えることが社員の成長に寄与すると考えております。またグループ全体にわたり人事交流を行うなど、グループ全体の人的資本を活用することで社員の離職によるリスクを抑えることに努めていきます。

 

■指標及び目標

従業員満足度調査において、より重要性の高い項目に焦点を当て迅速に対応することでスコアの向上に努めて参ります。また、すべての従業員に関して女性活躍推進や両立支援の実施、シニア人材の活躍、グローバル人材の活用、障がい者の活躍、LGBTQ+の理解促進などのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを通して達成すべき内容も含めて実施していくことが重要と捉え、「多様な人材が活躍できる職場環境の構築」を図って参ります。

KPI ※1

目標

実績(2023年3月期)

実績(2024年3月期)

休業災害度数率

0.50以下  ※2[2031年3月期]

対象:ヤマダデンキ

0.69

0.98

長時間労働

残業時間を削減した会社割合

前期比増 [毎期]

残業時間前年比抑制達成

会社割合 60.0%

残業時間前年比抑制達成

会社割合 70.4%

前期比 +10.4%

有給休暇取得率

80% [2031年3月期]

56.9%

64.0%

女性管理職比率

10%以上 [2031年3月期]

3.6%

3.6%

女性および男性社員の育児休業取得率

[女性]100%を維持

[男性]80%以上

[2029年3月期]

対象:ヤマダホールディングス、ヤマダデンキ

[女性]119.2%

[男性]14.3%

[女性]100.8%

[男性]32.5%

従業員満足度調査

総合評価「A」 [2031年3月期]※3

総合評価「B」

総合評価「B」

1人当たりの平均研修時間

30時間以上/年 [2031年3月期]

19時間/年

25時間/年

健康診断受診率

100% [2031年3月期]

97.9%

95.9%

ストレスチェック受検率

100% [2031年3月期]

93.2%

96.1%

※1 対象会社の記載が無い項目は当社グループ合計です。

※2 休業災害度数率の目標数値は、厚生労働省「令和3年 労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模 100人以上)及び総合工事業調査)の概況」の「産業、事業所規模別労働災害率及び死傷者1人平均労働損失日数」をもとに算出。

※3 対象:ヤマダホールディングス、ヤマダデンキ、ヤマダファイナンスサービス、シー・アイ・シー、インバースネット、ヤマダホームズ、ヒノキヤグループ、ハウステック、中部日化サービス、日化メンテナンス